経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総会(平成19年度)-議事録

平成19年7月24日(火)

議事概要

  • 三村会長

    総合資源エネルギー調査会会長の三村でございます。ことし3月に本調査会の会長に就任いたしました。しばらく前は、鳥居先生の下で電気事業分科会や、黒田先生の下で需給部会など、いろいろな部会に参加させていただいていましたが、今日から会長ということで、よろしくお願いいたしたいと思います。

    皆様ご承知のとおり、エネルギーをめぐる情勢につきましては、昨今さまざまな状況変化が起こっております。このような状況のもと、我が国のエネルギー政策を改めて総括し、今後の課題や対応方法について、さまざまな面から検討する必要があることから、総合資源エネルギー調査会総会を開催することにいたしました。委員の皆様の活発なご議論をよろしくお願いしたいと思います。

    それでは、本総会の開会に当たりまして、望月資源エネルギー庁長官より、ごあいさつをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

  • 望月長官

    エネ庁の望月でございます。きょうは皆様方、お忙しいところをお集まりいただきまして、まことにありがとうございました。

    この資源エネルギー調査会は、総会自身はしばらくお休みしておりましたけれども、エネルギー問題は、昨今のように大変重大な問題があちこちで起こりますと、個々の問題に局部的にとらわれるんじゃなく、エネルギー政策全体の方向性を間違えることなく、進めていかなければいけないということは、皆様方同様に考えていかなければいけないと思っております。

    昨年は、新・国家エネルギー戦略を中心として、エネルギー政策の基本につきまして随分議論をしていただきました。おかげさまで大きな方向は打ち出させていただいたと思っておりますけれども、これに基づいて諸般の政策が行われているわけでございますが、ただ、エネルギー情勢は時々刻々、大きなところが変わってまいりますので、その都度、皆様方のご意見をお伺いしながら、政策に誤りなきを期したいと思っております。

    特に今、私ども最大の課題と思っておりますのは、地球温暖化問題につきまして、これから第1約束期間がいよいよ始まる時期に向かっております。既にポスト京都の議論まで起こっているわけでございます。私どもの、これから経済の将来像、社会の将来像を描いていく上で、この問題は大変大きな部分を占めていると思いますし、扱い方次第によっては政策上の大問題を起こす問題でもあろうかと思っておりますので、こういった地球温暖化をめぐる問題も中心といたしまして、世界のエネルギー情勢の変化に伴って起きてまいりますさまざまな問題を、特にこの調査会の総会の場で幅広くご議論いただくということは、大変有意義ではないかと思っております。

    ちょうど私どもは、来年度へ向けての新しい政策の具体化、予算も含めて検討している最中でございますので、この時点で、皆様方の有益なアドバイスをぜひお願い申し上げたいと思いまして、お集まりいただいたわけでございます。どうぞよろしくご審議を賜りたいと思います。

    加えまして、つい先般、中越沖地震の影響で原子力発電所がとまりました。これから夏の需給のピークに向けて、特に関東圏の電力の需給問題については、私どもとしてはきちっと気を引き締めて対応しなければいけないということもございまして、先週末に、経済産業省といたしましては、関東圏の電力の需給対策本部を開きまして、今後の対策の基本的なところについて、政府としても合意し、関係各省、あるいは関係都道府県、関係業界にお願いしたところでございます。今後の気候いかんによるところもございますけれども、近場のエネルギーの安定供給ということについても万般気を配っていかなければいけないと思っているところでございますので、そういった点も踏まえて、ぜひ自由闊達なご議論を賜りたいと思います。本日はよろしくお願い申し上げます。

  • 三村会長

    望月長官、ありがとうございました。

    議事に先立ちまして、勝俣委員からご発言を求められておりますので、よろしくお願いいたします。

  • 勝俣委員

    東京電力の勝俣でございます。去る16日の中越沖地震の発生によりまして、当社の柏崎刈羽原子力発電所におきまして、変圧器の火災や放射性物質の発電所外への放出等々、立地地域のみならず広く社会の皆様方にご心配、ご迷惑をおかけいたしました。深くおわび申し上げます。

    今回の地震は、いわゆる設計用限界地震を大幅に上回る、大きなものでございましたが、幸いなことに、プラントは正常に自動停止いたしまして、設備の心臓部であります格納容器内等々は、現時点では特に異常なくなっております。しかしながら、事務棟、あるいは給水・消火設備、通信設備等々、いわば一般仕様の設備等々が非常に損傷が大きく、復旧にもやや困難を生じているというような状況にございまして、今後の大きな課題であります。と同時に、消火体制等々、設備のみならずソフト面においても課題があったということで、深く反省しているところでございます。

    ただいま長官からお話しいただきましたように、柏崎刈羽発電所におきましては、ことしの夏、7台中6台、700万キロ運転する予定でございましたが、それが一気に供給力として喪失することになりました。他電力さんからの応援融通等々を重ねまして、いわばピーク発生を予想しております6,100万キロワットをやや上回る供給力は確保できておりますが、これ以上、通常より猛暑が続いたとき等々、大変厳しいものがございます。

    大変心苦しいところでございますが、お客様の皆様方にこれから節電をお願いして、キャンペーン等々をいたしたいと考えております。よろしくご協力のほどお願いいたします。どうもありがとうございました。

  • 三村会長

    それでは、議事に入ります前に、事務局から、配付資料の確認をよろしくお願いいたしたいと思います。

  • 寺家室長

    エネルギー情報企画室長の寺家でございます。よろしくお願いいたします。配付資料の確認をさせていただきます。お手元の資料をごらんください。

    まず、資料一覧という1枚紙。次に、議事次第の1枚紙。本調査会の委員名簿の1枚紙。座席表1枚紙。資料1といたしまして、「総合資源エネルギー調査会総会の公開について」という1枚紙。資料2-1といたしまして、「総合資源エネルギー調査会における審議状況」というA3横の資料でございます。資料2-2といたしまして、「総合資源エネルギー調査会活動報告書」。資料3-1といたしまして、「今後のエネルギー政策の基本的方向性について(論点ペーパー)」という資料でございます。資料3-2といたしまして、「エネルギー政策に係る取組状況と今後の基本的方向について」という、A4横のパワーポイントの資料でございます。それと、参考資料といたしまして、「平成19年夏期の電力需給対策について」という資料をお配りしております。

    あと、委員の方々には、参考配付といたしまして、『最新エネルギー基本計画』という本を配らせていただいております。これは、本年3月に閣議決定いたしました、エネルギー基本計画改定版でございまして、本調査会の総合部会においてもご議論して、取りまとめていただいたものを本にしたものでございます。

    以上、資料のほう、ございますでしょうか。

  • 三村会長

    よろしいですか。ありがとうございました。

    それでは、審議に先立ちまして、本総会の公開について確認させていただきたいと思います。先ほどの資料1をご覧ください。本総会におきましては、審議会の公開にかかわる閣議決定を踏まえまして、資料1のとおり、原則公開するということで運用いたしたいと思います。特にご異議がなければ、そのように進めさせていただきたいと思いますが、ご異議ございますか。

    よろしいということなので、資料1のとおり進めさせていただきます。

    それでは、お手元の議事次第に従って進めてまいりたいと思います。本日は委員名簿も配付されておりますので、委員ご紹介は省略させていただき、可能な限り、皆様の貴重なお時間を実質的な議論に当てさせていただきたいと存じます。ご了承いただきたいと思います。

    続きまして、お配りした資料について、事務局から説明をお願いしたいと思います。事務局からの説明が終わりましたら、実は私の独断なんですけれども、例えば総合部会、電気事業分科会、省エネ部会については、部会長のほうから何かコメントがあれば、お寄せいただければありがたいと思います。

    では、事務局から、よろしくお願いいたします。

  • 寺家室長

    本日のテーマは、大きく2つでございます。まず1つ目は、本日は総会でございますので、傘下の分科会、部会の審議状況を簡単にご説明させていただきたいと思います。資料2-1、資料2-2でございますが、資料2-2のほうは、各分科会、部会の最近の審議状況、今後の審議予定を、詳細にコヒョウにしたものをまとめたものでございます。資料2-1にポイントをまとめてございますので、資料2-1を使って説明させていただきたいと思います。

    総合エネルギー調査会は、6つの分科会と14の部会より構成されておりまして、昨年度1年間で33回、その傘下で多くの小委員会等が開催されております。

    資料2のほうでございます。一番初めに、総会。本日開催されているものでございます。

    次に、総合部会でございます。本部会につきましては、本年3月まで、今後の10年程度を見通したエネルギー基本計画の改定について、ご審議をしていただきました。本部会において成案を得まして、本年3月9日に、新しいエネルギー基本計画が閣議決定されたところでございます。

    次に、需給部会でございます。この部会は、長期エネルギー需給見通しを審議していただく部会でございます。本年4月に、新たな長期エネルギー需給見通しの策定に向けて、審議が開始されたところでございます。今後の予定といたしましては、来年3月ごろまでご審議いただきまして、京都議定書の国際約束達成の中間年でございます2010年と、昨年5月に経済産業省が策定しました新・国家エネルギー戦略の目標年でもあります2030年の、エネルギー需給見通しを審議、策定していただく予定となっております。

    電気事業分科会でございます。昨年、この分科会傘下の制度改革評価小委員会におきまして、これまでの制度改革の影響を評価していただいたところであります。これを受けまして、本年4月に、本分科会におきまして、今後の電気事業制度改革についての審議が開始されたところであります。考え方といたしましては、「安定供給」、「環境適合」、「競争・効率性」の3つの政策課題を同時達成するあり方はどうかという観点から、現在、制度改革の方向性を審議していただいているところでございます。

    都市エネルギー部会でございます。昨年5月に、ガス事業制度改革につきまして、年間契約ガス使用量10万立米以上の需要家までの自由化範囲の拡大など、こういった内容とする報告書を取りまとめていただきました。ことしにつきましては、秋ごろから、これまでの自由化の実施状況の評価などについて、審議がなされる予定でございます。

    1枚めくっていただきまして、石油分科会でございます。昨年5月に、石油政策基本問題小委員会におきまして、エネルギー安全保障を軸とした、将来を見据えた石油政策のあり方を審議していただいたところでありまして、本年につきましては、バイオエタノールの導入に伴う品質確保に係る制度などのあり方について審議していただく予定であります。さらに、これは毎年度の話でございますが、今後5年間の石油備蓄目標等につきましても審議していただくことになっております。

    次に、開発部会でございます。この部会におきましては、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)によります出資、債務保証対象事業の採択に係る基本方針を、毎年度審議していただくことになっております。

    ちょっと飛ばしまして、鉱業分科会でございますが、昨年10月、最近の鉱物資源需給の動向と鉱物資源政策の状況等について審議していただきまして、本年10月ごろに、また同様のテーマで審議をしていただく予定となっております。

    1枚めくっていただきまして、レアメタル対策部会でございます。ちょうど本年6月に、「今後のレアメタルの安定供給確保について」という取りまとめをしていただいたところでございます。内容につきましては、レアメタル国際価格の高騰、需給逼迫といった状況の中で、戦略的な資源外交を活用した海外資源開発の強化、さらにリサイクルの促進などを提言していただいております。

    省エネルギー部会でございます。本年6月から、今後の省エネルギー対策のあり方について、審議がスタートしております。地球温暖化対策の観点等から、省エネルギー対策の拡充に向けまして、規制と支援の両面から、幅広い検討を行っているところでございます。

    省エネルギー基準部会でございます。これは、随時にわたりまして、省エネ法に基づきますトップランナー制度の対象機器の基準の見直し等々を審議していただいております。

    新エネルギー部会でございます。本年3月に、RPS法に基づきます、平成19年度から26年度までの電気事業者による新エネルギー等電気の利用目標について、取りまとめをしていただいたところでございまして、新たに、平成26年度までの利用目標量を160億キロワットアワーと決められたわけでございます。

    原子力部会でございますが、昨年度、原子力立国計画を取りまとめていただきました。2030年以降も発電電力量の30%~40%程度以上。核燃料サイクルの推進。高速増殖炉の実用化。こういったものを実現化するための具体的方策を、この計画において提言していただいたところでございます。本年につきましては、秋ごろに、本計画のフォローアップ等々を審議していただく予定となっております。

    原子力安全・保安部会でございます。本部会については、原子力の安全確保、あるいは防災などに関しますテーマについて、随時審議をしていただいております。本年5月には、発電設備の総点検等をテーマといたしまして審議がなされたところでありまして、今後も、原子力安全規制への「リスク情報」活用へ向けた取り組み、こういった多岐にわたるテーマについて審議をしていただく予定となっております。

    1枚めくって最後のページでございます。高圧ガス部会でございますが、本年7月に、最近の高圧ガス保安法関係の事故・コンプライアンス問題の状況などについて審議をしていただいておりました。今後は、保安検査規格審査小委員会におきまして、コールド・エバポレータ、水素ガススタンド等に係る保安検査規格案について審議をしていただく予定になっております。

    液化石油ガス部会でございます。本年2月に、LPガス供給設備の取り外しに係る液石法施行規則の改正という、制度改正事項等々について審議していただいたところでございます。

    最後は、火薬部会でございます。今後、傘下の産業火薬保安小委員会におきまして、火薬類の消費・貯蔵に関する技術基準等々について、審議をしていただく予定となっております。

    以上が、最近あるいは今後の、本総合エネルギー調査会傘下の分科会、部会の審議状況のご報告でございました。

    引き続きまして、本日のメーンテーマでございますが、「今後のエネルギー政策の基本的方向性について」というところで、本日の議論のたたき台となります資料のご説明をさせていただきたいと思います。

    資料のほうは3-1と3-2でございまして、3-1は、エネルギー政策は非常に多岐にわたりますので、本日の議論の便宜に資するために、論点ペーパーというものを事務局のほうで作成させていただきました。大きく3つのくくりでご議論していただければと考えておりまして、まず、「地球温暖化問題への対応」ということで、中身は、省エネ対策、エネルギーの国際協力、運輸エネルギーの次世代化、新エネルギー対策、原子力等々で構成しております。2つ目の柱は「資源外交」、3つ目が「電気事業制度改革」といった形で、これに限るものではございませんが、きょうはご議論をお願いしたいと思います。

    説明のほうは、資料3-1の論点ペーパーをベースにいたしまして、参考資料的に、資料3-2は、論点ペーパーのテーマの順番に、参考データ、資料的な形でつくっておりますので、これを横目で見ながら、論点ペーパーに基づきまして説明させていただきたいと思います。

    まず、1つ目の柱の「地球温暖化問題への対応」でございます。言うまでもなく、地球温暖化問題はエネルギー問題と表裏一体の関係にございまして、現在、アジア地域を中心として、世界的なエネルギー需要に伴いまして二酸化炭素排出量が増大しております。日本におきましても、特に民生・運輸部門において、エネルギー消費量・CO2の排出量が増加傾向にございます。地球温暖化問題についても、エネルギー政策面から国内外の対策を講じていくことが必要になってございます。そこで、総論的な論点として、本日は3つほど挙げさせていただいております。

    1つ目は、国内対策といたしまして、自立した環境適合的なエネルギー需給構造を実現するために、この後出てきますが、省エネルギー対策、新エネルギー対策、原子力政策といった取り組みを加速化すべきではないかという点でございます。

    2つ目の論点は、資料3-2の3ページ目に、「地球温暖化を巡る現状と課題」がございますが、現行の京都議定書につきましては、全世界の排出量の3割程度しかカバーしておらず、絶対量で見ても90年比で2%程度の削減効果しかない等々、問題が存在しております。そこで、本日の論点として、ポスト京都議定書の国際枠組みについて、エネルギー政策の観点からも真剣に検討し、すべての主要排出国による最大限の削減努力を促す、実効ある枠組みの構築を目指しまして、我が国がイニシアチブを発揮していくべきではないかという点でございます。

    資料3-2の6ページ目を、参考にごらんください。先般、安倍総理から提案されました、「美しい星50“Cool Earth 50”」を資料として添付しております。この中でも提唱されておりますが、「世界全体の排出量を現状に比して2050年までに半減」というグローバルな長期目標の達成のためには、従来の延長線上の取り組みでは不可能でありまして、今後、革新的な技術の開発に取り組んでいくことが不可欠ではないかというのが、3つ目の論点でございます。

    続いて、省エネルギー対策に移らせていただきたいと思います。地球温暖化対策として最も費用対効果が高い手段は省エネルギーではないかということで、現在の取り組みを見ますと、資料3の8ページ目にまとめてございますように、これまで省エネルギー法によります、エネルギー自主管理とかトップランナー制度等々の取り組みを実施してきております。最近では、平成18年4月施行の改正省エネ法におきまして、民生業務部門で、新たに大規模修繕等を行う場合に省エネ措置の届け出義務を課したり、運輸部門につきまして規制を新設するといった形で、規制を強化しているところでございます。あるいは10ページ目にあります、トップランナー基準といったものにつきまして、対象機器の追加、基準の見直しを随時実施しているところでございます。

    しかしながら、地球温暖化対策の観点から見ますと、ここ30年間で2倍以上のエネルギー消費の増加を見せております。業務・家庭部門といったところを中心とした、省エネ対策の強化が必要ではないかというところでございます。そこで、資料3-2の9ページ目にありますように、現在、省エネルギー部会におきまして、エネルギー消費の半分弱を占める産業部門、エネルギー消費増加の著しい業務・家庭部門の省エネ対策の拡充に向けて、規制と支援の両面から幅広い検討を行っております。

    こういったところを受けまして、本日の論点といたしましては、論点ペーパーにございますように、大きく4つ掲げております。

    1つ目は、エネルギー消費の増加が著しい業務・家庭部門について、ビルとか住宅の省エネ性能の向上を図るため、より実効的な規制あるいは誘導方策を検討すべきではないかという点でございます。

    2つ目の論点といたしましては、現行の省エネ法につきましては、工場、事業場といった単位でのエネルギー管理を求めているわけでございますが、製造業だけでなく、流通、小売、サービス業などにおいても、企業単位あるいは事業部単位でのエネルギー管理とか省エネ取り組みという企業が見られるところもありまして、今後、省エネ法に基づくエネルギー管理指定工場制度のあり方は、こういった現状を踏まえて、いかにあるべきかという点でございます。

    3つ目の論点といたしましては、コンビナート、サプライチェーン管理といったことで、企業を越えた複数事業者の連携による省エネの取り組みが進展しております。こういったことを受けて、大企業によります中堅・中小企業の省エネ支援等、複数事業者によります省エネ連携の取り組みをより促進すべきではないかという点でございます。

    4つ目の論点といたしましては、一般消費者に対する省エネ機器の一層の普及促進を図るべきではないかということでございます。

    論点ペーパーを1枚めくっていただきまして、3つ目の項が、省エネ・新エネ国際協力でございます。資料3-2の12ページをごらんいただきますと、記載しておりますように、省エネ等の分野で、中国、インド等アジア各国への協力を既に展開しているところでございます。例えば本年1月の第2回東アジアサミットで採択されました「セブ宣言」におきましては、省エネルギー目標/行動計画の策定等の重要性が明確化されております。また、本年5月のIEAの閣僚理事会、APECエネルギー大臣会合等といった国際会議におきましても、各国ごとに省エネ目標/行動計画の策定、国際レビューメカニズムの実施等が合意されるといった、日本のイニシアチブによる実績が見られつつあります。

    こういった状況を踏まえまして、本日の論点といたしましては、論点ペーパーで4つほど挙げさせていただいております。1つ目は、「省エネ目標/行動計画の設定」とか国際レビューメカニズムの創設、これは先ほど申し上げましたように、東アジアサミットをはじめとして多くの国際的枠組みで、現在、その重要性が指摘されているところでございます。来年の日本での洞爺湖サミットに向けまして、こうした動きをどのようにして全世界的な流れとしていくべきかということでございます。

    2つ目の論点といたしましては、中国・インドをはじめとしてエネルギー需要の急増が見込まれておりますアジア諸国に対して、省エネ制度の構築、運用を担う人材育成支援を中心に、さらに積極的な協力をどのようにして行っていくかということでございます。

    3つ目の論点といたしましては、世界最高水準の日本企業の省エネルギー技術・機器・設備の普及を、今後さらに進めていくことも重要ではないか。

    4つ目の論点といたしましては、新エネルギーの分野につきましては、新エネに関するアジア等との協力を一層強化していくということで、水素経済のための国際パートナーシップ、IPHEといった場を通じて、先進国間の協力についても一層推進していくべきではないか。

    こういった4つの論点を挙げております。

    次に、運輸エネルギーの次世代化でございます。我が国の運輸部門につきましては、現在ほぼ100%を石油に依存しておりまして、エネルギー需給構造の強靱化、あるいは地球温暖化対策の観点から、運輸部門のエネルギーの多様化を図っていくということが不可欠になっているわけでございます。昨年の新・国家エネルギー戦略におきましても、2030年までに依存度を80%まで引き下げるということを目標に掲げているところでございます。

    そこで、本日の論点といたしましては、資料3-2の16ページにもございますように、各国の戦略、米国などはバイオエタノール、欧州におきましてはバイオディーゼル等を推進する戦略をとっているわけでございます。そこで、我が国としてどういった戦略をとっていくのかということで、次の17ページにございますように、我が国としては、「次世代自動車・燃料イニシアティブ」というものをつくりまして、自動車最先進国としての技術力を生かしまして、エンジン、燃料、インフラの3つの革新を目指して、バイオ燃料のみならずバッテリー、水素・燃料電池自動車、あるいはクリーンディーゼル、ITSといった多様な手段を同時並行的に推進していこうという方向でございますが、こういった方向性についてどのように考えるのかというのが、1点目の論点でございます。

    2点目といたしましては、バイオエタノールにつきましては、植物由来でありますと、どうしても食料との競合の問題への留意が必要になってまいります。そこで、食料と競合しないセルロース系エタノールの技術開発が必要不可欠でありますが、バイオエタノールの利用に当たりましては、大規模な輸出能力を有するのはブラジル一国に限られておりますし、輸出国の影響力の強さによって価格も割高でありますし、変動幅が大きいといった傾向などを考慮いたしまして、バイオエタノールの利用に当たりましては、国際的な需給の動向、あるいは技術開発の状況といったものを勘案して進めるべきではないかという点でございます。

    3つ目の論点といたしまして、同じくバイオエタノールの利用に当たりましては、消費者を優先する、あるいは安心・安全・公正といった観点から、品質確保とか徴税の公平性といった観点から、まず制度インフラの整備を進めるべきではないか。さらには、これを進めるインセンティブの付与についても、あわせて検討を進めるべきではないかということを挙げさせていただいております。

    次に、新エネルギー対策でございます。新エネルギーにつきましては、地球温暖化対策、あるいはエネルギー自給率の向上といった観点から、貴重なエネルギーであります。当面は補完的なエネルギーと位置づけつつも、現在さまざまな取り組みが実施されているところでございまして、資料3-2でいいますと、21ページにございますように、新エネについて、コスト低減のための技術開発、実証試験等々を現在、政策として取り組んでおります。

    あるいは最近におきましては、電気事業者に新エネルギーから発電される電気の一定量以上の利用を義務づける。この法律がございますのは、いわゆるRPS法におきまして、先ほど審議会の審議状況のところでもご報告いたしましたように、本年3月、平成19年度から26年度における利用目標として、160億キロワットアワーが新たに設定されたわけでございます。

    こういった新エネについての取り組み状況も踏まえながら、今後の方向性として、論点としては2つほど挙げております。

    1つ目は、高効率の次世代の太陽光発電、あるいは水素社会の構築のための燃料電池、次世代バッテリーといった革新的な技術開発プロジェクトにつきまして、効果的な研究手法のあり方を検討しながら、今後加速度的に推進すべきではないかという点でございます。

    2つ目は、論点ペーパーの3ページ目でございますが、新エネルギーの自律的普及を目指しまして、地域の先進的な取り組み、民間の自主的な取り組みを一層促しながら導入促進を図るべきではないかという点でございます。

    次に、原子力でございます。資料3-2でいいますと23ページ目以降でございますが、原子力につきましては、エネルギー安全保障、地球温暖化問題を一体的に解決する、かなめとなるエネルギーでございまして、平成17年10月に閣議決定されました原子力政策大綱におきましても、2030年以降も発電電力量の30%~40%程度以上。核燃料サイクルの推進。高速増殖炉の実用化。これらを基本的な目標としておりまして、具体策として、昨年8月、原子力立国計画が策定されております。

    原子力立国計画のポイントは、資料3-2でいいますと24ページ、25ページ目に書いてございます。大きく10個程度の項目に分かれるわけでございますが、本日ご議論していただきたい論点としては、特に4つほど、論点ペーパーのほうで挙げさせていただいております。

    1つ目は、最近の地球温暖化問題への対応の必要性の高まり、あるいは今回の地震に伴うトラブル等を踏まえまして、核燃料サイクルを含む原子力発電について、国民の安心と理解を得ながら、この立国計画の実現を図っていくために、どのように対処していくべきであろうかという点であります。

    2点目は、高速増殖炉サイクルの早期実用化ということが目標となっているわけでございます。最近の動きといたしまして、高速増殖炉開発のための中核企業選定がされたわけでございますが、今後、本サイクルを含めた実用化を目指して、国際協力も視野に入れながら、関係者一体となった取り組みをどのように進めていくべきであろうか。

    3つ目といたしましては、我が国の原子力産業の技術力、あるいは人材の厚みを確保し、発展させていくための措置を、今後さらに講じていくべきではないか。また、我が国の技術力、あるいは核不拡散への取り組みの強みといったものを生かして、我が国原子力産業の国際展開、あるいは世界的な原子力平和利用拡大のために、日本が国際的なイニシアチブを発揮していくべきではないかという点でございます。

    4つ目は、高レベル放射性廃棄物等の最終処分地確保についてでございます。先般の東洋町の文献調査への応募撤回など、残念な結果が見られているわけでございますが、今後、国、原子力発電環境整備機構(NUMO)、電力会社等の関係者の体制、取り組みを強化すべきではないかという点でございます。

    それと、論点ペーパーには挙げさせていただいておりませんが、資料3-2の26ページ以降、原子力の安全・保安についての現在の取り組み状況等を簡単にご説明いたします。

    原子力保安につきましては、現在、大きく3つの柱で取り組みを実施しております。まずは、昨年11月来、全発電設備を対象といたしました、データ改ざん等にかかる総点検を受けた対応を実施しております。

    2つ目は、資料3-2の28ページに移りまして、原子力発電所の耐震安全性の確保、原子力安全委員会による耐震設計指針の改訂を受けた取り組み。

    3つ目としては、六ヶ所再処理施設、あるいは高速増殖原型炉もんじゅなど、主要核燃料サイクル施設に関する安全確保の実施。

    4つ目は、放射性廃棄物に係ります安全規制の整備。

    5つ目は、世界で一番安全な原子力立国を目指した国際的な取り組み。

    こういった取り組みを現在実施しているところでございます。

    論点ペーパーに戻っていただきまして、2つ目の柱、「資源外交」でございます。資料3-2でいいますと、31ページ以降をごらんください。

    世界的なエネルギー需給が逼迫する中、資源小国の我が国にとって、資源の安定供給確保は重大な課題でございます。資料3-2の32ページ目にございますように、現在の資源外交を見てみますと、資源外交が弱くなっているのではないか、あるいは上流企業の国際競争力が弱いのではないか等々の課題があることを踏まえて、今後の方向性として、論点ペーパーでは、3つほど論点を挙げさせていただいております。

    1つ目の論点といたしましては、若干総括的でございますが、アジアを中心に世界のエネルギー需要が増大する中で、資源国による資源の囲い込み、消費国による資源獲得競争が激化している状況でございます。こういった中で、我が国としては首脳・閣僚レベルでの取り組みを積極的に展開し、資源国との多角的な関係強化のため、経済協力とか産業協力、資金協力といったツールも活用しながら、オールジャパンで総合的かつ戦略的な取り組みを進めることが必要なのではないかということでございます。

    2つ目の論点といたしましては、その一環でございます。資料3-2の33ページに、最近の資源外交の事例が挙げてございます。本年4月には安倍総理が中東を歴訪したわけでございまして、あるいは当省の甘利大臣が中央アジアを訪問したというところで、例えば中央アジアのカザフスタンとの間で、原子力分野での具体的な協力案件の支持等々を含む共同声明が合意された。結果として、日本のウラン総需要量の3~4割の権益を獲得できた事例がございます。こういった最近の中央アジア、中東といった地域をはじめとする首脳・閣僚レベルの資源外交の成果について、どのように評価すればいいかということでございます。

    3つ目の論点といたしましては、資源といった場合に、石油、天然ガス等にとどまりませんで、レアメタルとかレアアース等といった鉱物資源についても、権益確保に向けた調査・探鉱からリサイクル技術まで、総合的な安定供給対策を検討するべきではないかということでございます。

    最後の3つ目の柱、「電気事業制度改革」でございます。資料3-2でいいますと34ページ目以降でございますが、昨年度、電気事業分科会の傘下の小委員会において、これまでの電気事業制度改革の影響評価をしていただいたわけでございます。35ページにありますように、そういったものを踏まえながら、本年3月に策定されたエネルギー基本計画におきましても、平成19年度を目途に全面自由化等について検討を開始することとされておりまして、まさに本年4月から、本調査会の電気事業分科会で審議が開始されたところでございます。

    この分科会での論点と共通でございますが、本日の論点といたしましては、電力の安定供給、環境適合を効率的に達成し得る公正かつ実効性のあるシステムを構築するという観点から、一次エネルギーの価格高騰・環境問題といった昨今の状況変化を踏まえながら、需要家の視点に立って、電気事業制度について所要の見直しを行うべきではないかという論点を提示させていただいております。

    長々と説明させていただきましたが、以上が本日ご議論していただきたい主要な論点であります。これにこだわることなく、忌憚のないご意見をいただければと思います。

    説明は以上でございます。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    それでは、部会長、分科会長の3人の方々、とりあえずお話を伺いたいと思います。まず最初に、需給部会長である黒田さん、よろしくお願いします。

  • 黒田委員

    ご指名でございますので、簡単に、現在の需給部会の進行の状況をご説明申し上げたいと思います。需給部会とあわせて、総合部会のほうも部会長を仰せつかっておりますけれども、こちらのほうは、お手元の資料2-1にありますように、ことしの3月にエネルギー基本計画をおまとめいただきまして、答申をさせていただいたところでございます。その後はしばらく休会という状態でございます。

    需給部会のほうは、そのエネルギー基本計画、並びに新・国家エネルギー戦略等を受けまして、2年前に策定いたしましたエネルギー需給見通しの改訂を行うということで、予定では来年の4月に答申が出せるような形で、目下議論を進めているところでございます。特に需給見通しにつきましては、京都議定書の第1約束期間が2008年に始まりますので、2010年の中間期間でどれぐらい達成が可能であるかどうか、もしくは目達計画をどういうふうにもう一度作成し直すかということが最大の課題でございまして、既に中環審、産構審、総合エネルギー調査会の合同部会が開かれておりまして、昨年から、過去の見通し以降のフォローアップをやっていただいております。それを受けて、さらに必要な追加対策を含め、2010年のシナリオを描く、これが1つの目的でございます。

    さらに、新・国家エネルギー戦略の目標が2030年で既に確定されておりますので、今回の需給見通しでは、2030年の新・国家エネルギー戦略の目標値、数値目標を達成するようなシナリオがどういう形で描けるか、特に技術革新に注目して描いていこうというのが2つ目の目標でございまして、これから来年にかけてご議論いただき、この会でもご報告申し上げたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

    以上でございます。

  • 三村会長

    どうもありがとうございました。

    次に、電気事業分科会の鳥居分科会長、よろしくお願いします。

  • 鳥居委員

    ご指名でございますので、電気事業分科会のやっております仕事について、概略をご説明したいと思います。

    電力は、発電、送電、配電という3つの段階で、それを国によっては、アンバンドリングといいますけれども、ばらばらにして、それぞれの分野に競争性を持たせる、自由参入をさせるというような政策をとっている国がございまして、二、三年前まで、そういうものも参考にしながら我が国のモデルを考えるということをやってまいりましたが、行き着いた結論は、発電、送電、配電を一体として、そこに自由化を行って新規参入をさせるということをやってきたのが日本の電力事業の政策の実態でございます。

    実際には、新規参入者、PPSといいますけれども、今のところ、たしか22社、会社はできたんですけれども、実働は10数社にとどまっておりまして、全体の電力供給量に占める割合からいいますと、2%ぐらいで頭を打っているという状態でございます。

    さはさりながら、そのような自由参入を認めて、政策的に受け入れて、それらも含めて、かつ、日本には10社の電力事業者がございますので、その電力事業者間の電力の融通も自由にできるという制度にいたしまして、これら全体をひっくるめて日本モデルと我々は呼んでいるわけですが、日本モデルで今、電力の供給が行われているわけです。

    それをさらにスムーズにするために、電力系統利用協議会というものを設立いたしまして、理事長を植草委員にお願いしているわけでございます。それから電力取引市場も設立いたしまして、電力供給者間の電力の取引がマーケットメカニズムで行われているということでございます。

    自由化というのは、いろいろな新規参入者が参入できる、また自家発電を持っている方も参入できるというやり方ですが、特別高圧から始まりまして高圧段階まで、今、認めておりまして、さらにそれを家庭用まで含めた、完全自由化といいますけれども、完全自由化をやることが正しい道なのか、それとも何か問題があるのかということを検討しているのが現在の段階であります。ことしの6月に、集中的に、ワーキンググループをつくりまして検討してもらいましたが、その結果を、今月の末に、7月30日だったと思いますが、予定しております電気事業分科会で報告してもらい、そこで改めて審議を始めようとしております。

    電力の問題を別の角度から考えますと、電力は大きく石油資源に依存してまいりましたけれども、石油系の燃料、炭化水素系の燃料の限界があらゆるところで露呈してきておりまして、値段も上がってきているわけです。今、バレル75ドルを超えているわけでございます。一方、原子力の発電というのを3割まで持っていこうとしてやってまいりました。これは、環境問題に対応するためにも、また電力供給源を確保するという意味でも、安定供給の電力源として欠かせないものでございまして、安全性というものを十分に確保しつつ、フロントエンド、フロントエンドというのは原燃料段階、ウラン燃料棒ですね、から最終的な核廃棄物の処理まで含めて、そっちはバックエンドといいますけれども、バックエンドまで含めて、一連の核燃料サイクルをきちっと構築することが、日本という国にとっての最大の課題だと思います。

    フロントエンドに関しましては、燃料の価格が、かつて数年前は1ポンド当たり7ドルぐらいでありましたけれども、今は1ポンド当たり138ドルぐらいまで上がってしまっているわけです。急上昇なんですね。しかも売ってくれる国がだんだん減ってしまっている。また、買ってきたウラン鉱石を燃料棒にセラミック状態で焼き上げるという工場が、横須賀の久里浜のGNFと東海の2カ所でありまして、GNFのほうはBW型の原子力発電に使いますし、東海のほうはPW型の燃料棒になるわけですけれども、何とその2つの工場が1つでもだめになりますと、バックアップ工場を外に求めなければならない。

    久里浜のGNFの場合でありますと、だめになりますと、サウスカロライナでしたか、ウィルミントンというところにあります外国の工場がバックアップ工場になっている。そんなものをほんとうに日本に持ってこられるのかということが問題になります。ですから、甘利大臣をはじめ業界の方々がこの間、中央アジアの産出国を回って歩かれたのは、非常に重要なお仕事だったと思います。

    一方、バックエンドのほうでありますけれども、六ヶ所村に今、再処理工場をつくっていますが、その試運転の最終段階が間もなく近づいております。これをぜひとも成功させなければならないというのが電力事業業界の大きな問題でございます。六ヶ所村で再処理いたしましたものを、最終的に地下に埋める場所が、この間、東洋町がだめになりましたので、今のところ候補に挙がってくるところが、まだはっきりしたものはない。ここ数日の新聞で見ますと、秋田県の一部の村から手を挙げたところもありますけれども、まだ県の了承は得られていないというような状況でございます。

    そういうところで、日本の電力業界が抱えている問題は大体尽きると思いますが、最後に、自由化の問題に戻りますが、家庭用までほんとうに自由化して、電力の値段というのは理論どおり安くなるのか、あるいはほんとうにそういう理論が成り立つのかということを、これから検証しなければなりません。私の得ている感触では、非常にたくさんの難しい問題がありまして、日本中の一軒一軒の家庭にメーターでもつけない限り、今供給している電力と使っている電力とがバランスがとれるという保証はほとんどとれないんですね。

    ですから、非常に難しい問題があると思いますので、これから検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    最後ですが、省エネルギー部会の石谷さん、よろしくお願いします。

  • 石谷委員

    省エネルギー部会では、ただいま事務局からご説明がありましたように、この6月から新たに、省エネの、特に今問題になっている民生と運輸部門の、いわゆるすそ野に広がったところ、従来なかなか省エネができなかった部分を対象に省エネ推進の方策の検討を始めております。

    この内容については、資料3-1の1ページ目に、「省エネルギー対策」として、一々何とか「ではないか」と書いてありますが、「ないか」は除いて、こういったことを検討しております.一言で申し上げすと、従来、大手の企業なり大手の運輸業者から始まってきた省エネを、最終的に民生、あるいは中小企業へ拡大する.経産省としてわりあい把握しにくかった民生業務部門といったところ、それと建物を中心にすえて、いかに実効を上げるかといったやり方についての検討を進めると考えていただければよろしいと思います。

    民生に対しては、個人の意識に訴えるというのは限界があるようでして、省エネ基準という供給側から抑えていくのがかなり効果を持っているという認識です.これについては省エネ基準のほうで、基準そのものと対象を広げて、少しでも幅広く省エネを進めるといった方向で、対象品目、あるいは省エネ基準の見直しを進めております。

    この中で、特に自動車は、従来の目標が2010年であったのに対して、前倒しに達成できるという見込みから、新たな2015年の省エネ基準を設定しました.これによって、また2割前後の向上が図れると見こまれています。そういった、どちらかというとからめ手から攻めるような形で、民生の省エネを進めるという方向になっており、今年末までに省エネのほうも検討が終わると思っています。以上でございます。

  • 三村会長

    簡潔に、どうもありがとうございました。

    それでは、これから約1時間、各委員からの自由なご意見をお願いしたいと思います。いつものとおり、発言を希望される方は立てていただいて、できれば二、三分、簡潔にしゃべっていただければ、私としては非常にありがたいと思います。どうぞ、発言を希望される方、よろしくお願いいたします。

    一番最初に立てていただいた秋庭委員から、よろしくお願いいたします。

  • 秋庭委員

    原子力について、一言お話しさせていただきたいと思います。

    先日16日の中越地震については、ほんとうに住民の方たちに大きな被害をもたらしまして、毎日、私たちもテレビや新聞等、報道を見ながら心を痛めております。私の仲間も、柏崎市内の中心の大きな被害があった地域に何人も住んでいて、とてもびっくりして安否確認をしたところ、皆さんご家族を含めて無事ではありましたが、家屋が全壊した方もおり、ほんとうに大変な毎日です。

    今はまだ水も出ていない地域もありますし、毎日目の前のことで一生懸命なんですが、こんな中にあって、先ほど勝俣委員からも冒頭にお話がありましたが、原子力発電所について自分たちはどう考えていったらいいのかについて、今そこまではまだ余裕がありませんが、やはりそのことに取り組んでいかなければならないということを聞いております。そのためには、今回のことに関して原子力発電所がどのような状況であったのか、そして、そのことに対してどう取り組むのかについて住民へ早く情報提供をしていただきたいと思っています。

    被害を受けた上に、さらに風評被害が起きています。自分たちが被害を受けている上に、いわれのない風評によってまた傷つくというような、二重、三重にも苦しみを得ているということは大変なことだと思っています。

    そして、先ほどご説明がありましたが、原子力安全・保安の面で、地震に対する指針について見直しをしておりますが、新しい指針と今回の地震との関係についても、新指針でよいのかどうなのか、その辺のところもあわせてクリアにしていっていただきたいと切に望んでおります。

    以上のことで、これから原子力については、ここにも書いていただきましたが、国民の安心と理解がなければ、どんなに立派な原子力立国計画がありましても、進んでいくことはできないと思います。今回の地震による被害によって、国民は原子力について、もう一度不安を起こされております。これを機会に、さらに国民が正しい知識を持って、冷静に判断できるように、ぜひ進めていっていただきたいと思っています。

    以上、ありがとうございました。

  • 三村会長

    ありがとうございました。回答等々あれば、一番最後にやらせていただきたいと思います。

    次に、橋本委員、よろしくお願いいたします。

  • 橋本委員

    論点ペーパーに沿って、二、三申し上げたいと思います。1つは、「地球温暖化問題への対応」というのがございますけれども、この間、ハイリゲンダム報告会が催されて、安倍総理も出席されて、一言と言われたら、もっとしゃべりたいということで20分ぐらいしゃべっていかれましたけれども、その中でも、洞爺湖サミットに向けての決意というのは大分大きなものがあるのではないかなと思っております。

    そういう中で、省エネルギー対策が挙がっておりますけれども、一番最後に、「一般消費者に対する省エネ機器の一層の普及促進」ということが書いてございますけれども、今、実は環境省なども中心になって、チャレンジ宣言というものをやっているわけですね。ところが、総理はものすごく力を入れている、若林大臣も大変力を入れているんですけれども、一般の国民はさっぱりわからない。

    省エネ機器の普及促進ということも大事ですけれども、「美しい星へのいざない」という論文の中でも、3つの原則として、国民運動の展開ということを強く挙げているわけですから、環境省との連携といったニュアンスを出していくということ、あるいは、総理は地方自治体ということを2度か3度、その話の中でもおっしゃられたんですけれども、環境省は、具体的に地方自治体にさっぱり働きかけがない。私も出ておりましたけれども、知事は私1人しかいなかったというような状況もございます。

    いろいろな点で、国民運動として地球温暖化問題へ対応するんだということを、特に今は打ち出すべき大事な時期ではないかなと思っております。

    もう一つは、その次の「省エネ・新エネ国際協力」というのがございますけれども、今いろいろ問題になっていることの1つに、実は九州などで光化学スモッグが大分出てきております。まだ原因ははっきり究明されておりませんけれども、酸性雨問題も含めて、いろいろほかの方面からの影響も絡んできているのではないかと思われますので、「省エネ・新エネ国際協力」と書いてありますけれども、環境面も含めての国際協力の面からも、エネルギー関係の国際協力というのが大変大事になっていくのではないかなと思っております。

    次に、3ページへ行きまして、原子力の問題でございますけれども、私ども、変圧器から黒煙が上がっている、だれも周りにいないというのを見て、びっくりいたしました。いろいろ企業と私ども、消防出初め式なんかやりますけれども、必ず企業からは消防隊が出てきて、いろいろな活動をされるわけですけれども、あそこはどうなっているんだろうかという思いをしたわけですが、後で東電の方が来られたので聞きましたら、油を使っていない関係のところ、メーンにしていないところは、化学消防車を配置していないところがたくさんあるんだと言っておられまして、こういった点でも、もうちょっとしっかりした対応をしていただくということが大事ではないかなと思っておりますけれども、そういったこととあわせて、原子力についての信頼は大変に大きく揺らいでおります。2030年に30ないし40%を達成していくためには、相当ふんどしを締め直してやっていく必要があるんだろうと思っております。

    特にその中でも問題になってきますのが、いろいろな場所に出てきておりますけれども、高経年化対策ということでありまして、2030年になりますと、20基は運転開始後50年経過してまいります。さらに17基は40年経過してくるということでございまして、先般のああいう基礎工事といいますか、一般の建物については普通の工場などと同じ基準でしたとか、いろいろな問題が出てきておりますから、そういった点も含めて、これからいろいろな課題が出てくると思います。

    それに対して、しっかりとこういう対策を講じていくよということを今以上に出していく必要があるんだろうと思っておりますし、より問題なのは、この20基と17基が50年なり40年たっていくわけですけれども、それに対してのシンキというものが当面15基ぐらいしか予定されていないということでありますから、これでは発電容量が基本的に足りない。1カ所ごとの規模は大きくなっていきますけれども、全体としては足りなくなってくるわけであります。

    こういったことについて、今度の事故も踏まえ、国民の理解を得るには相当な時間がかかってまいりますので、今の基本計画などは、下手すると絵にかいたもちになってしまう。実際問題として、この原子力の部分は全く穴があいてしまうんじゃないかというふうに、将来周りから批評を受けるのではないかなと思っておりまして、そういったことも踏まえて、原子力について、より国民の理解を得られるような積極的な取り組みを打ち出していくことが必要ではないかなと思っております。以上です。

  • 三村会長

    ありがとうございました。後でご回答をよろしくお願いします。

    野村委員、よろしくお願いします。

  • 野村委員

    日本ガス協会の野村でございます。最初に、先般の新潟県の中越沖地震におきまして被災されました皆さんに対しまして、心からお見舞いを申し上げたいと思います。

    ご心配をおかけしております都市ガスの復旧状況でございますが、7月16日の地震発生以降、ガスの復旧が必要なお客様、約3万1,000戸に対しまして、日本ガス協会といたしましては、都市ガス事業者、23事業者から1,200名強の応援隊を派遣しております。現在、懸命に復旧作業に努めているところでございます。

    現場では、ガスのコックを開きますと水が噴き出すなど、ガス管の中に大量の水が入っていることもありまして、大変困難な状況でございますけれども、きのうまでに867戸のお客様が復旧いたしました。また、ガスが復旧するまでの間は、柏崎市のご要請に基づきまして、プロパンのカセットコンロのご提供でありますとか、病院等への移動式のガス発生設備を用いた臨時供給等も行っているところでございます。

    被災されました皆様方に大変ご不便をおかけいたしておりますけれども、地元自治体、関係省庁のご協力をいただきながら、順次復旧作業に努めてまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。

    本日の内容につきまして、論点ペーパーに関連して、3点申し上げたいと思います。

    まず第1点は、さらなる資源外交への期待についてでございます。ご存じのように、最近の原油価格の状況は、昨年夏の史上最高の価格に迫る勢いで上昇を続けておりまして、実はLNG価格もこれに連動する形で、今後高水準が続くものと思われます。もちろんその背景にあります、アジア諸国の旺盛なエネルギー需要でありますとか、資源ナショナリズムの台頭など、需要、供給の面で環境変化を考えますと、各種のエネルギーのベストミックスによるエネルギーセキュリティーの重要性が一層増しているのではないか、そのように考えます。

    都市ガス事業の主要な原料であります天然ガスについて申しますと、これまで、私ども日本の天然ガスの調達は、売り主との信頼関係に基づく長期の契約をベースとしてまいりました。今後とも私どもは、この信頼関係を強化して、安定的な調達に努めてまいります。

    しかしながら、交渉相手の多くは産ガス国の政府系企業、あるいは政府そのものでありますところから、個別企業の交渉力には限界がございます。エネルギー基本計画でも強調されておりますように、ODAの戦略的実施なども含めた、資源産出国との戦略的、総合的な関係強化、まさに資源外交が今後一層重要になってまいります。

    そうした意味で、インドネシア、あるいはオーストラリアとのEPA交渉など、産ガス国との関係強化に向けたこれまでの政府のご尽力に感謝し、今後、その成果に大いに期待しております。

    2点目は、エネルギーのベストミックスについてでございます。現在、需給部会におきまして策定が続けられております長期エネルギー需給見通しは、エネルギー、環境にかかわる諸課題を解決して、世界最先端の需給構造の実現を目指すものとして取りまとめられようとしております。2030年に向けては、単一のエネルギー、あるいは単一のエネルギーシステムで、これに対して過度に依存することのない、我が国のエネルギーのベストミックスの実現に、私ども都市ガス事業者、エネルギー供給事業者として尽力してまいる所存でございます。

    3点目でございますが、中長期的に、エネルギー、地球環境にかかわる諸課題を解決するキーとなります、革新的な技術開発とその導入についてであります。例えば革新的技術開発の一つとして期待されておりますコージェネレーションの導入拡大につきましては、世界的にも注目されておりまして、先般のハイリゲンダム・サミットの首脳宣言にも、気候変動に対する重要な対策として盛り込まれております。また、来年の洞爺湖サミットにおきまして、IEAが二酸化炭素削減の導入シナリオとその導入戦略について報告しまして、その中で、コージェネレーションが有力な手法の一つであるとして提言されると聞いております。

    私ども都市ガス事業者は、高効率のコージェネレーション、そして将来の水素社会の構築の原点となる燃料電池等を中心とする革新的な技術の開発、導入を通じて、需要サイドの省エネルギーにお役に立っていきたい、そのように考えております。

    今申し上げましたような革新的な技術を導入してまいる上では、膨大なストックの設備をいかにしてリプレースしていくか等の大きな課題がございます。また、単一の主体ではなくて、例えば同じ地域にある病院、商業施設、場合によっては家庭といった、エネルギー使用パターンの異なる建物間で熱や電気等のエネルギーの融通を図る、いわゆるエネルギーの面的利用を図るなど、地域的、社会的インフラ整備の視点で導入を推進することも重要であります。

    こうした点につきまして、関係各省、さらに広く社会、国民のご理解をいただき、取り組んでまいります。もっともこれは、革新的技術の開発もそうでありますけれども、一企業、一会社、あるいは一業界の力では限界がありますので、国の適切な政策支援が求められるところであります。

    私からは以上でございます。ありがとうございました。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    次は縄田委員にお願いいたしますけれども、縄田委員の次は崎田委員、木場委員、柏木委員、黒田委員及び石谷委員、それから中上委員という順序でやらせていただきます。

    縄田委員、よろしくお願いします。

  • 縄田委員

    論点ペーパー3ページの、資源外交、レアメタル、レアアース等の安定供給に関連して、一言述べさせていただきます。

    レアメタル、レアアースは、我が国の多くの産業において必須の素材であるばかりでなく、今後の省エネルギー、新エネルギーといった観点からも必要不可欠なものになっております。したがって、その安定供給というのは、エネルギー政策においても極めて重要なものとなっております。レアメタルの消費量は、アジアを中心として急拡大を続けております。レアメタルの供給においては、資源の偏在、資源国における資源政策の変更、代替可能性の低さなどから、供給構造が大変脆弱になっております。

    レアメタル対策部会においては、資料2-1のとおり、レアメタルの安定供給について審議を行いました。内容については資料2-1にありますので、ここでは省略させていただきますが、つきましては本調査会におきましても、レアメタル、レアアースを含む安定供給といった観点からもぜひご留意いただいて、ご審議いただくようお願いいたします。

    以上です。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    次、崎田委員、よろしくお願いします。

  • 崎田委員

    私、環境分野のジャーナリストとして仕事をしておりますけれども、そういう中で考えていますと、ほんとうに地球温暖化というのが予想以上に進んでいるという中で、私たち国民も、そして事業者の皆さん、企業の皆さんも、政策も本気になっていかなければいけないというふうに常々思っておりました。

    今回、論点ペーパーなどを拝見いたしまして、長期ビジョンに立って、きちんと、例えば2050年にCO2半減というような展望に立っていこうというふうに明確に意図していただいているというのは、大変うれしいと思っています。こういうときには、2050年にどうなっているか、どうしたいかということをみんなで話し合って、しっかりとしたビジョンを立てて、それに向かっていくという、そのぐらいの気持ちでいかないと、なかなか現状を半歩ずつ、一歩ずつ積み上げていくというのは難しいと思いますので、こういう検討の場でも、思い切った将来ビジョンを話し合うぐらいの意欲でいっていただけるとうれしいなと思っております。

    なお、そういうのをどう実現するかというときに、今回いただいた論点ペーパーの、総論の「〇」の最後のところに、技術革新が大事というふうに強調されていますけれども、私は、技術とソフト、いわゆるライフスタイルの連携が大変重要だと思っています。今、市民の中では、例えばカーボンオフセットに参加しようとか、グリーン電力証書をちゃんと購入しようという動きも大変進んできておりますけれども、まだまだ、同じ環境共生住宅に住んでも、CO2の削減が倍ぐらいというような差も出ているんですね。

    そういう意味で、総論の最初のところに1項目、例えば国民の理解、あるいは多様な主体の連携、共同というような視点を入れて、効果を上げていくというような視点があってもいいのではないかと思っております。その多様な主体というのは、国民や環境NPOなどだけではなく、もちろん事業者の方や行政の方との連携が重要だと思っております。

    その後、次のページの「新エネルギー対策」のところなんですけれども、きょういただいた資料の中に、地域でのエネルギーをきちんと考えていくということが項目として入って、私はこの部分が大変重要だと思っています。それぞれの地域で、その地域の特性に合った再生可能エネルギーをつくっていく。あるいは未利用資源を徹底活用して、エネルギーがどこまで自給できるかということにチャレンジしていく。そういうような活力のある地域をつくっていくということが大変重要だと思っておりますので、地域の行政や市民を巻き込んだ取り組みというのも、新エネルギーの中では重要になってくるのではないかと思っております。

    なお、原子力のところなんですけれども、温暖化ということを考えますと、原子力というのはきちんと安全に運行されるということが、これから大事だと思っております。先日は地震というような災害なんですけれども、そういうときに、どういうふうに対処するか、どういうふうに国民に伝えるかというところに関して、今以上の熱意を持って取り組んでいただければありがたいと思っております。

    私自身が大変気になっているのは、放射性廃棄物の処分場の候補地の手が挙がらないということに関して、エネルギーを使っている中に原子力が既にある。これを使っているのに、処分の仕組みのところまで私たちが持っていないというのは、大変アンバランスだと思っておりますので、積極的な候補というか、理解の促進を一層していかなければいけないというのは、市民の視点から見ても、私たち自身がそれを感じていかなければいけないと思っております。

    あと、資源外交のところなんですけれども、よくODAなどで、日本はお金をいろいろなところでつぎ込んで事業をやっていらっしゃったりというところを、拝見するところもあるんですけれども、人との交流とかそういうもので相乗効果を上げるというのが日本はあまり上手ではないということが、わりに言われることが多いんですけれども、そういうことがないように、多くの国と、きちんと人と人との交流を含めた信頼関係をつくっていくということがベースに、重要なのではないかと思っております。

    あと1点あるんですけれども、全体を拝見して、うまくいくような誘導政策などをきちんとやっていったらどうかというような文言が幾つかありました。特に最初のページの省エネルギー対策のところの、「実効的な規制・誘導方策を検討すべきではないか」というようなお話とか、その後、運輸エネルギーのバイオエタノールに関する課税等の検討などというようなことで書いてあるんですが、環境にいいものに対して、より取り組みやすくなるようなインセンティブをつける政策というのが少し弱いと、私はいつも感じております。

    そういう視点をきちんと取り入れながら、エネルギー政策を進めていただきたいと心から願っております。どうぞよろしくお願いいたします。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    次、木場委員、よろしくお願いいたします。

  • 木場委員

    今回からこの会議に参加させていただきます。私のほうからは、2つほど確認と、最後に意見を申し上げたいと思うのですが、初めての参加ということで、まず論点ペーパーについて確認をさせてください。

    私は、わずか2年ほどでございますが、原子力部会はじめ幾つかの委員会で勉強させていただいております。(1)総論の1つ目の「〇」に、自立かつ環境適合型のエネルギー需給構造を実現するために、省エネ、新エネ、原子力等の取り組みを加速すべきではないかと書いてあるのですが、自立かつ環境適合型の双方を実現するための整理といたしまして、きょうお配りいただきました、3月に閣議決定しましたエネルギー基本計画の整理の仕方からしますと、もう一つ、市場原理の活用というのが基本方針に、3つ目に入っていたと思います。論点ペーパーの4ページに、「電気事業制度改革」というのもございますので、できましたらそれも入ったほうが、整理上いいのではないかなという感想を持ちました。

    次に、論点ペーパーの(2)から(6)までの順番についてです。エネルギー基本計画のまとめ方と順番が違っているのがなぜかと思いました。基本計画では、エネルギー需要対策の推進として、まず省エネルギーを挙げ、次に多様なエネルギーの開発、導入及び利用という整理の中で、最初に原子力が来て、その後、運輸部門のエネルギーや新エネルギーの順になっているのですが、今回は原子力が一番後ろに回っております。このあたりで、プライオリティーが変わったのかどうかということを疑問に思いました。順番の変更についてご説明いただければと思います。以上が確認事項です。

    続いて、感想じみたことになるかもしれませんが、私の立場からいうと、広報につながる部分についての意見なのですが、いただいたペーパー類は、広く国民に地球温暖化の問題の対策を周知して、意欲的に取り組んでもらうようなきっかけをつくらなければならないと思っております。どうすれば一人一人の具体的な取り組みによってCO2の排出を防げるのか、あすにでもすぐ行動できるような指針を示していただかないと、なかなか私どもは行動に移せません。

    その中で、(1)総論の最後の「〇」でございますが、2050年までに半減という長期目標の達成のために、革新的技術の開発が不可欠ではないかというふうになっておりますが、必要ではないかという問題設定でとどまっているのも、政策の基本方向性を論ずる上でどうかというのを、疑問として感じた次第でございます。

    さらに申しますと、私たち素人にとりまして、どんな技術革新が今後必要で、それをいつまでに実用化するという期限はどうなのか。それから、実用化しても普及までに相当年限を要しますので、果たして2050年に間に合うのか。このあたりを総論の部分で、もっと国民にわかりやすく説明していただけるとありがたい。おそらく半減のためにはどういった革新技術の開発が必要で、二千何年ごろまでに実用化して、そのわざを、例えば2040年ごろまでに広く日本中に普及させるというような、論点を整理して示していただけるとありがたいなという気がいたしました。

    最後でございますが、私ども国民といたしましては、政府がこういう政策をやっていくということをはっきりと示して、目標がこのぐらいでは達成されるという逆算の発想で示していただいたほうが、よりわかりやすいと思います。

    そして、私もさまざまな省庁で環境に関する委員会に顔を出させていただいておりますけれども、環境省さんとか国交省さん、農水省さん、ほんとうにそれぞれは非常にいい施策をつくって、国民に投げかけようとしているのですが、受け取る側からすると、この情報は農水省だったわね、こっちは国交省だったわねと選別は全くせず、情報を受け取っておりますので、先ほど橋本委員がおっしゃったように、どうか連携をして、わかりやすい形で、1つのものとして投げかけていただいたほうが国民には伝わると思います。

    先ほども橋本委員から、私のチャレンジ宣言というご紹介がございましたが、環境省の「チーム・マイナス6%」のホームページに行っていただくと、具体的に、こんなことをするとCO2を何グラム減らせますよというのが何十項目も出ております。それに自分がチェックを入れると自動計算できます。1人1日1キロなのですが、私は860グラムとまだ足りませんでした。こういったことが目に見えてわかってくるようになると、今後2050年に向けて、具体的に私たちも動ける。経産省さんの場合も、具体的に動けるようなものをぜひ明確に明示していただければありがたいと感じます。

    以上でございます。ありがとうございました。

  • 三村会長

    今の件、後ほどお答えしたいと思います。

    次に、柏木委員、よろしくお願いいたします。

  • 柏木委員

    論点ペーパーの一番最初に、地球温暖化問題と書いてありますように、国内のエネルギー環境政策自体が、国際的な国家戦略そのものだということをまず認識しなきゃいけないと思っています。EUの政策立案者や企業の方々とパネルをやりました。ついこの間なんですけれども、彼らは、今まで長期にわたりCO2に関してルールづくりをやってきました。すなわち総量規制をして、政策展開を主導する、キャップをはめさせて、CO2の排出権市場を創成していくという明快なビジョンを持っているわけです。

    例えば日本の安倍さんが、この間G8で、50%削減、2050年だというメッセージをお出しになって、どう考えるかと聞きましたら、EUの人たちは、日本は先延ばしをしているという言い方をするわけです。私は反論しまして、エネルギーシステム自体はインフラを伴っていますから、そう簡単に変わることはないから、長期的なビジョンをきちっと定めて、それに対するシナリオを幾つか用意し、それぞれの国がそれに対応できるような政策をとっていくことが重要だと考えていますという言い方をしました。

    よく考えてみますと、日本の場合には、私個人的にですが、間違いなくエネルギー原単位論争にうまく持っていけるかということが、これからの日本の国家戦略を考えるときには必要不可欠になると思っているわけです。ところが国際的に見て、EUの今までの仕掛けがありますから、そう簡単に原単位論争に持ち込めるという保証はない。そうすると、総量規制を維持しながら、ある程度の原単位論争をどうやって合わせ技に持っていくかというのが、これからの答えだと思うわけです。

    そう考えたときに、例えば原子力、省エネ、新エネ、3点セットでやりますと論点ペーパーには書いてありますね。これはそれぞれ役割が違うと思います。総量規制に対しては、工業国で原子力なしにやっていけるわけがありませんから、地震で軸足がずれるようじゃ困るわけで、安全性を担保しながら、技術開発をきちっとしていくというのが総量規制対応だと思うんです。

    ここで大切なことは、それを担保しながら、我々は、エネルギー原単位、すなわち省エネをどうやって進めていくかという技術開発が戦略的に重要となり、省エネ規制の強化により新たな技術開発やビジネスチャンスが生まれるということになれば、この上もなく望ましい。個々の省エネから面的省エネといろいろなシステムを進めて、この戦略を政策の中に生かしていくことが日本の省エネ国家戦略そのものになっていく。

    さらにその先にあるのは何かというと、今度はCO2原単位になるわけですね。そこに省エネ、新エネがリンクした形で政策展開を図る。今度はバイオエタノールが入ってくるとか、プラグインで、例えば夜間電力で車が走るとか、エネルギー貯蔵をやっていくとか。技術開発というのは、国家戦略に合った形で進めてゆく。日本の場合には原単位論争に持ち込んでゆく方策を明確にすることが、今の国家戦略の重要な柱だと思っていまして、それを骨子に、これからの技術開発や、政策を固めていくことが重要だと思います。以上です。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    次に、黒田委員、お願いいたします。

  • 黒田委員

    今、柏木委員が述べられた点は私も同感でございまして、論点ペーパーの最初に挙げてある5つの点、何々すべきではないかとか、何々を発揮するべきではないか。ちょっと能天気過ぎると思うんですよね、この論点。もっときちっとした論点を定めないと、この1つ1つが非常に茫漠としていて、論点にならないような気がするんです。

    例えば3つ目の、イニシアチブを発揮すべきではないか。これは当然のことで、イニシアチブをどういう形で発揮するかという内容について、きちっとした議論が今までなされていないし、そういう議論をする場所がおそらくないんだろうと思うんですね。合同審議会等々で若干は出ますけれども、何かのコンセンサスが得られるような議論の場になっていない。それが問題で、このままでいくと、ポスト京都のスキームは、日本は京都議定書と同じような形にならざるを得ないということになります。

    したがって、もっと集中した議論をすべきだろうという気がしてならないんです。これが第1点です。

    第2点は、先ほど橋本委員も言われましたけれども、せっかく原子力立国をとなえ、これから環境とエネルギー、両面を解決するためには、原子力に依存する方向に一歩踏み出したと思うんですけれども、踏み出した途端に、不幸にして今回の地震が起きたという状況であるわけですけれども、やはり安全対策というものに対して国民が不安にならないようなことを、予防的対策としてきちっとすべきだと思うんですね。これは一私企業が何かするとかいう形ではなくて、企業は非常に努力されているわけですけれども、ある意味で安全対策は国民のインフラ整備ですから、国がどういう形でお金をかけて、コストをかけて安全対策をするかということを、きちっと戦略的に練るべきだろうと思います。

    例えば今回の地震の結果として、想定値よりも地震の規模が大きかったという議論がよくあるわけですけれども、果たして、現在ある日本の原子力発電所で、いかなる想定値をもって、どんな形の対策を練っているのかというのが皆目正確にわかっていない。少なくとも私は知らないわけですね。そういうことに対してきちっと精査をして、国がコストをかけて、その補強をするという対策を打ち出さない限りは、原子力立国ということを言う責任はとれないんじゃないかという気がしてならないんです。

    第3番目は、もう少し細かい議論ですけれども、例えば今度の新エネルギー、国家エネルギー戦略の中で、原子力発電の稼働率というのが1つ問題になっているわけですけれども、この稼働率は、総キャパシティーに対する稼働の率で考えているんだろうと思います。そうすると、何かの事故でシャットダウンしなければいけない原子力発電所が出た場合には、ほかの原子力発電所の稼働率をもっと上げなきゃいけない。そうしないと目標が達成できないということになるんだろうと思うんですけれども、そういうことに関して、どういう形のもくろみをもともと持っているのか。

    もちろんシャットダウンしないような状況でやることが一番いいわけですけれども、そのことについて国民が、なるほど原子力立国をやったからにはこういう形になっているんだということが納得できるような説明をしないと、考えているエネルギー政策と需給見通し、そのシナリオが実現できるかどうかに関して、強いギャップが出てくるということになるだろうと思います。以上です。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    石谷委員、お願いいたします。

  • 石谷委員

    すでに多くの委員の方がいろいろとご発言になって、最後になるとあまり申し上げることもありませんが、二、三、気のついた点を申し上げたいと思います。

    1つは、1ページ目にある総論の最後の、「世界全体の排出量を現状に比して2050年までに半減」、これは大変チャレンジングでよろしいのですが、どういう形でこれを実現するか、そのイメージが見えにくい、下手をすると、また日本だけ半減しろとかそういう話にもなりかねない。

    全般的に言うと、2010年は目の前ですから、省エネなどいろいろ議論しており、次の2030年も、かなりイメージがはっきり見えていると思いますが、2050年と2030年の間は、あまりつながりが見えない。まして世界全体で半減というときに、一体日本はどのぐらい削減すべきかといったような議論は全くなく、そういうものが突然出てきているように見えます.このあたり、下手をすると揚げ足を取られてまた京都と同じような話になりかねないのではないかと思いますので、そのあたり、もう少しイメージをはっきりさせて、日本は何をねらっているのかを明確に示すべきではないかというのが1点でございます。

    それから、これも複数の委員からお話が出ていますが、1ページ目の最下行に、一般消費者に対する省エネの普及促進。機器ならわかりますが、ライフスタイルの変革とか意識の改変という話が常に出てきます.これは経済産業省単独でできることではなく、先ほどお話があった環境省と連携するか、あるいはもっと教育のほうが大事だから、文部科学省とも連携し、うまく仕掛け、国として統一のとれた形で進める必要があります.これに対して経済産業省が技術的に援助できる部分を担当する。そういった話をもう少し具体的に議論したほうが即効的ではないかと思います。

    私の知る範囲では、国交省と経済産業省が、特に運輸、自動車関係で省エネ、あるいは規制を考えるときには、連携がうまくとれているように思えますが、これは相手に共通の自動車企業が存在して結局ここで収束していて、問題がないということかと思います。しかし一般の個人を相手に何か働きかけるのに、経済産業省一省ではとても手に負えないようなことを今、議論しようとしているので、そのあたり、もう少しやり方に工夫があるのではないかという感じがいたします。

    あと、細かいことですが、2ページ目の省エネ・新エネ国際協力というあたりで、この国際的枠組みで評価という点です.これは評価基準、省エネなら省エネ基準などでしょうが、これは日本が働きかけてIEAでも進めていると思います.このあたりの作業をもっと早くやらないと、来年のサミットに間に合わないのではないかというのが気になりました。

    それから、中国、インドに省エネ制度構築といったようなことを、人材育成支援を中心に積極的な協力を持っていく。これは非常に重要だと思いますが、それと同時に規制とか協調、標準化といったような話を上手に組み合わせる必要があるのではないか。技術的な規制、標準化といったものが必要だと思います。

    それから、次のバイオエタノールのところで、(4)の運輸エネルギーの「〇」の2つ目、食料と競合しないというのは非常に大切なことだと思います.これに加えて、今ヨーロッパでは、バイオエタノールが非常にブームになっているのと同時に、その反発でもありませんが環境影響を気にしているグループが多い。これを日本で抜かして議論しますと、また後で、日本は環境を無視しているというようなことを言われかねないので、このあたりは同時に、ぜひご検討いただきたいと思っています。

    あと、資源外交のところでは、さっき縄田委員が発言されましたが、レアメタルというのが、これから技術開発に非常に重要である。レアメタル、レアアースですね。特に電気自動車などを考えますと、そこがすぐひっかかってきますので、このあたりも、どのぐらいの需要が必要かといったようなこととあわせて十分ご検討いただきたい。

    以上でございます。どうもありがとうございました。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    次に、中上委員、よろしくお願いします。

  • 中上委員

    今の石谷さんのご意見の中に、かなり同じようなものがあるんですけれども、まず逆から、国際協力からいきますと、国際協力、省エネ、新エネで1件ずつ意見を述べたいと思います。

    途上国支援ですが、省エネ制度構築や人材育成は当然やらなきゃいけないことですけれども、私は、日印、日越、日中と3つの会議に出させていただきまして、個人的な感想からすれば、日本型の制度を向こうに植えつけて、それを運用することを待っていたら、とても間に合わない。最初からカエル跳びをやって、トップランナー機器をああいった国々にビルトインするような仕掛けで日本が積極的に動かないと、日本が通ってきたような道を通っていたのでは、京都議定書以前に、資源問題で世界が破産しちゃうんじゃないかというのが私の個人的な感覚でございます。

    ですから、DSMというのは先進国がつくったビジネスモデルですけれども、最初から途上国において、ディマンドサイドにかなりの力を傾注して、固定電話じゃなくて、最初から携帯電話に行ったような支援を積極的に進めるべきだというのが私の個人的な意見です。

    次に、新エネでございますけれども、新エネは、京都対応の数値の議論が、かなり長い間止まっているわけですね。1,910万キロリットルという数字が出ているわけでございますけれども、これについての詰めを早急にやっておかなきゃいけないんじゃないかという気がしております。いろいろ事務局はお忙しいと思いますけれども、この点について、省エネとかほかの部会では、かなり京都議定書に対する詰めが進んでおりますから、新エネについても何らかの検討が必要ではないかと思います。

    次に、省エネでございますけれども、きょうは合同部会じゃございませんので、多少、資エ庁サイドでお話をしたいと思います。家庭部門のエネルギー消費の増大が常に悪者にされるわけでありますけれども、2010年まで、私の推測では、90年比で1.5倍ぐらいになると思います。だけど、そのうちの1.3倍ぐらいは多分、世帯数の伸びなんですね。我々の家庭で使っている原単位の実質の伸びは、おそらく15~16%ぐらいの伸びでとどまるんだろうと思います。ですから、1.5倍伸びたところをざっくり何割減らすなんて言ったときには、世帯数を減らすわけにはいきませんから、すべて家庭の原単位を減らすことになりますから、並大抵のことでは省エネの数値は稼げない。

    ですから、こういったブレークダウンした議論をしておかないと、一般の消費者からしてみると、あたかもできるような議論をされたけれども、やってみたけれども効果は出ない。それは当然ですね。世帯数が1.3倍になっちゃうわけですから、そういう意味で、もう少し突っ込んだ議論をしたいんですが、増える議論をするとしかられるものですから、最近、合同部会ではできないわけです。

    日本の家庭の世帯当たりのエネルギー消費量というのは、ヨーロッパの2分の1ぐらい、アメリカの3分の1ぐらいです。どこが一番おくれているかというと、暖房なんですね。暖房はまだ日本は発展途上だと私は思っていたわけです。だけど、京都議定書、地球温暖化の問題が出てきてから、エネルギーが増える議論は一切差しとめを食らっておりまして、家庭の居住環境水準を上げるという議論は、つながらないわけですね。全くしちゃいけないみたいになってしまう。

    これもおかしい話でありまして、欧米に比べればかなり生活水準が劣っているわけでありますから、そこが増えるのは、ある意味、途上国と同じようなパターンをたどっているわけですから、そういったこともきちっとブレークダウンして議論していかないと、消費者側からすれば、何でおれたちばかりにつけが回ってくるんだということになりかねない。これは、石谷さんがおっしゃったように、個人個人に言うのは大変難しい話でありますけれども、現場のデータ、フィールドにのっとって議論していかないと、ともすれば数字だけが走ってしまいまして、議論が浮ついたものになるんじゃないかという気がしております。

    以上でございます。ありがとうございました。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    あと浦辺委員、住田委員の順でお願いしたいと思いますが、今日、たくさんのご質問、ご意見がありましたので、主催者側、資源エネルギー庁の方からも回答させていただきますので、この2人の委員の質問で終わらせていただきたいと思いますけれども、了解いただきたいと思います。

    浦辺委員、よろしくお願いします。

  • 浦辺委員

    今いろいろな委員の方からもご指摘がありましたように、人間の活動によって、地球の環境がある限界に達しつつあるのではないかという感想をお持ちの方は非常に多いと思うんです。資源問題に関して、地球がどこまでそれを供給できるのかということは通常議論に上がってこないんですけれども、考えておく必要があるでしょう。今、特に注目を浴びているのは海底資源です。日本の近海にもたくさんあるということで、そういう意味で調べる、地球に対して知識を持つということも考えておいていただければと思っております。

    これは資源だけの問題ではなくて、先ほどの地震の問題、それからさまざまな環境の問題も含め、人類のグランドデザインを描く上で、また各種のシナリオを実現していく上で、それが及ぶ地球全体に対する知識は果たして十分なのかと極めて疑問に思われます。その点を指摘させていただきます。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    住田委員、よろしくお願いします。

  • 住田委員

    お時間がないようですので、簡単に。今、参院選の真っ最中なんですが、なかなかエネルギー問題というのが国民的な議論の俎上に上がらないというのは非常に残念でして、今、地球規模で考えなくてはいけないということについて、私たちがもっと切実に考えなくてはいけない。そのためにも、いろいろな政党がどういうふうにしたらよいかという形で、こういう審議会以外にもいろいろ検討しなくてはならないのに、今は年金問題一色になってしまっているのは非常に残念だと思っております。

    ところが、いざ、原子力の廃棄物の最終処分地の立地問題であるとか、その他細かい各論になってくると、地方自治レベルでは大きな争点になって、国民的な、もしくは地球規模でも必要な原子力政策がなかなか推進できないというのは、総論と各論とで乖離しているのは非常に残念なことだと思っております。

    そういう意味では、今回、安倍総理が新提案として、「美しい星」と出され、次回、洞爺湖サミットが開かれて、この問題が表からいろいろ議論され、それに向けていろいろな動きが始まったというのは、非常によい時期だろうと思っていますので、これに合わせて国民的機運を盛り上げていくということが大事ではないかと思います。

    そうすると、新エネとか省エネは非常に評判のいい、人気の高いものですので、表に出すと格好はいいんですけれども、実は原子力の問題は、先ほど優先順位3番目に挙げていますし、地震があるとつい及び腰になりがちなんですけれども、やはり優先順位で効果的な部分からいうと、原子力というのは抜きにして語ることはできないと思っておりますので、逃げないで、真っ正面からきちっとした形で表に出すということが必要だと思っています。

    そういう意味で、私、今回、原発のほうで地震のときのコメントを求められたときに、想定外であったとしても、大きな事故が起きなかった点が、当然ではあるけれども、幸いなことであって、日本の原子力発電所はそんな脆弱なものではない。周辺の部分についてはいろいろ問題があったけれども、そういう意味では幸いであったという言い方をいたしました。ただし、ひずみとかゆがみが大きい地域ですので、今後も似たような地震が起こる可能性がある。そういう地域に原子力の立地が集中しているというのは日本の問題点ですので、そのあたりは、均衡をとったような形でやるためにも、いろいろな新規立地も含めて、国民的な受け入れ体制というのを含めるためにも、原子力政策というのは周辺のところも含めて推進していく必要があるのではないかと考えております。以上です。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    まだ意見がおありかと思いますけれども、どうぞ。

  • 橋本委員

    実は今の「美しい星」の話ですけれども、この中で、低炭素社会づくりというのを打ち出されているんですね。きょうの論点ペーパーには「革新的技術の開発」と書いてあるんですけれども、それと並んで、低炭素社会づくりというので、具体的には、「公共交通等の効率的な移動システム、コンパクトなまちづくりなど、生活様式や社会システムの変革にまで踏み込んだ改革を打ち出していきます」と総理が言っているんですね。それと比べると、こっちのほうはスケールが小さいような感じになってしまう。

    先ほど各省の協力ということがありましたけれども、そういうところも、大変難しい問題ですけれども、長期的には考える必要があるという意味では、この中へ盛り込んだほうがいいのかなという気がします。以上です。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    それでは、まず望月長官から、総論的にお願いいたします。

  • 望月長官

    いろいろなご指摘とかご意見がありまして、大変私どもも参考になりました。基本的にはいろいろご意見を賜るのが目的ですので、一々私が反論しても全く意味がないんですが、ただ若干、私どもの意見が必ずしも十分お伝えできていないところであるとかそういった点について、私どもの意見を申し上げさせていただきたいと思います。

    順番にいたしますと、特に原子力について、先ほど秋庭委員が一番最初におっしゃいましたように、住民への情報提供、あるいは正しい知識をやることによって、風評被害とか、ほんとうの被害以上の被害をその地域に与えるということは全くナンセンスだと思います。これはなかなか難しいことでありますのは、私どもは、今回の問題はある面で大変重大な問題だったと思いますし、ある面で、先ほどのお話もありましたけれども、原子力政策がうまくいっているという面でもありますし、幾つかの切り口があると思うんです。ただ、あるところだけを強調いたしますと、問題意識をきちっと感じていないという、特に政府が言うとそうなっちゃうところがありますものですから、むしろ今一番、当面短期的に何とかしなきゃいけないのは、風評被害の話は地域でも大問題になっておりますので、私どもとしては、まず、国、自治体、地域の首長さんと一緒になって、事実として何だったのか、つまり放射能が被害を及ぼしているのか、及ぼしていないのか。及ぼしていないんですよね、全然。そこのところははっきりさせなきゃいけない。

    ただ、今回の原子力を運営するに当たって、先ほどの変圧器の問題であるとか、消火体制の問題であるとか、そういう問題点がわかって、対応しなきゃいけない問題があるということはきちっと認識しなきゃいけない。これも重要な問題だということになると思いますけれども、とりあえず、まず最初に風評被害の話を消すというのは非常に大事なことだと思いますので、努力したいと思います。

    それから橋本知事がおっしゃった、環境省との連携というのは、私などが役所に入ったころに比べれば劇的な変化を遂げていて、一緒に審議会もやっておりますし、議論もいろいろやっております。ただ個別の政策では、それぞれ力点を置くところが若干違うというのが、もちろん役所の所掌事務の関係からきておりますので、色合いが違うところはあると思います。ただ、私どもは国の機関ですから、それぞれの目的というのもきちっと踏まえつつ、縦割りでないようにしなきゃいけませんけれども、協調と競争と両方あると思っております。

    そういった中で、政府全体として、総理のもとに一致団結してやるということをきちっとしなきゃいけないので、この間の総理の、サミットへ向かうに当たって、日本政府は一体、地球温暖化問題をどういうふうに考えているのか、まず基本的な考え方をきちっと出さなきゃいけないということで、ベースになっていたのが、私どもの大臣を含めて4省庁の大臣が繰り返し会って、議論した結果のメッセージだったと思います。そういった意味で、ほとんどの点について、少なくとも基本理念は協調してやっているということだと思います。手段論について、これからまだまだ切磋琢磨しなければならない、むしろしたほうがいいと私らは思っておりますけれども、そういった面で若干の議論はあると思います。

    したがって、環境省は、特に国民運動の点で言えば、我々よりずっとそういう視点、力点が強く出ておりますので、彼らが言った1日1キログラムの話も、我が省のエネ庁の職員は全員、ちゃんとあのホームページを開いてやれということになって、今一生懸命やっています。私も、1.2kgぐらいだったかな、なかなかいい成績だったんですけれども、やっています。そういうことで、お互い補い合いながら、きちっとやりたいということであると思います。

    それから、特に総理の演説との関係で、先ほどちょっとありましたけれども、2050年に半分というのを言ってどうするんだ、一体どういう道筋でやるんだと。これは、一番大事なことは、後ほどほんとうはもう少し丁寧に申し上げたいんですけれども、ポスト京都の議論がもう始まっております。ポスト京都の議論において一番大切なことは、今の制度が完全なものではなくて、むしろ幾つかの大きな問題点を抱えている京都議定書の仕組みになっているので、これらの問題点を克服した格好で次の枠組みをつくらなければ、次もまた失敗するということになるので、そういう問題点があるということを前提に、次の枠組みを、むしろポジティブに我々はつくりたいと思っているというのがポジションです。ですから、総理に、あえて50%、半減と言ってくださいと。

    半減についての道筋は、実はついていないんです。現行の技術の延長線上、あるいは今やっている国民運動の延長線上で、半減なんかできないんです。世界全体としては、これから発展途上国が大変増えますから。グローバルな問題として半減を片づけようと思うと、ディメンションが違うような劇的な革新的技術が必要で、それには、先ほどどなたかがお話ししました、時間がかかる。時間がかかるから早く言わなきゃいけない。早く言わなきゃいけないから、あまり詰めて、とことんブレークダウンした数字なんか出さないで、もう言うしかないというのが今の状態で、現に半減以上の話を言っている国はたくさんあるわけであります。だから、せめて半減と言わなきゃ話にならないということで半減と言ったわけで、ただし我々は、今の知識でも劇的な革新的技術開発はできるという希望を持っています。その道筋も、いろいろな説がありますが、考えています。

    その中で、今早く手をつけて、これができないと半減はできませんというのがある意味ではメッセージなので、時間のかかることを早く始めようというのが最大のメッセージで、したがって、あれをブレークダウンしたら、一体日本にどれだけ負担がかかってくるのかなんていう話は、今は言っていられないというのが、このグローバルなイシューに対する対応だということで、アメリカなんかと議論しても、何か言うと、すぐブレークダウンしたがるのは悪い癖だということでありまして、まずなすべきことを申し上げたというところが、あれだと思います。

    それから、レアメタル、レアアースについては非常に問題意識が高くて、分科会でもやっていただいたのは、まさにそういうことで、あれは出発点だと思っております。資源外交というのを去年から一生懸命、積極的に、声高に言い始めて、やり始めましたけれども、石油資源の資源外交、それからウランの資源外交、次はレアメタル、レアアース、特にレアアースだと思っておりますので、これから夏のシーズンは、ぜひ、わが大臣にもそっちのほうで外交をやっていただきたいということで、今スケジュールを組んで、南アへとりあえず行こうかなということで、成果を積み上げなければいけないという準備をしているところでございます。

    それから、国民全体の理解と地域の取り組みという観点から、先ほどの2050年の話の手前の話で言うと、今の短期、中期の話で言えば、国民の方々をめぐるシステムの問題、ソフトの問題というのは非常に大事なので、むしろ環境省さんはそこに非常に関心があってやっている。我々はぜひそこを支援したい。総理の演説の中の一番大事なところは、国民運動というのが書いてありますけれども、これがなかなかスタートしないというのは、我々のいら立ち、政府全体のいら立ちでありますけれども、そこは大いにやらなきゃいけないというのはおっしゃるとおりでございますので、これから工夫をどんどん積み重ねていかなければいけないと思っております。

    それから、原子力の最終処分地の問題は、どんなにうまくいかないことが積み重なっても必ずやり抜かなきゃいけない、くじけちゃいけない話であって、この間、私もフランスのビュールというところへ行って、地下に潜ってまいりましたけれども、ああいうところでも大分うまく転がり始めた。フィンランドはもっと。それぞれの国で大体10年以上かかって、フランスなんかも17年かかっているわけなので、日本もこの話を、そんなに時間的余裕がないのは我々も十分確信しておりますけれども、ただ、やり始めてからも長い話でございますので、くじけずにきちっとやっていく。

    そのために、今までやってきたことはどこが具合が悪かったのかということをきちっと反省しながら、今、審議会をやっていただいていますけれども、むしろ劇的に、国も電力会社も前面に出て物を言っていく、あるいは努力していくということが必要だろうと思っております。そういう意味で、あれをつくらなきゃいけないということについて、幸いなことに国民的理解はかなり感じております。ニンビンみたいなものをどこにつくるかというところが問題になっているというのは確かに事実であると思いますので、我々まだまだ努力したいと思っております。

    それから、木場委員のおっしゃった、総論のところに市場原理というのは、エネルギー基本法とか何とかいうのはみんな、3つの大きな基本原理で、市場原理は当然入っておりますし、我々もそこがあるからこそ、電気事業改革にそう書いてありますけれども、ここは地球温暖化の話のところの総論だったので、申しわけありませんが、重点のあるところに集中して書いたということで、原子力の順番が後ろになっているのも、私も今まで気がつかなかったというぐらいで、あまり意識しないで、ここで議論していただくのにメモを書いたというだけの話でありますから、さほどの深い意味はないと思います。

    それから、柏木先生のおっしゃった日本の戦略というのは、まさにほとんどおっしゃったとおりだと思います。いかにして原単位論争に持ち込むことができるか、いかにして我々としても、ボトムアップの、言ってみれば政策目標に持っていくことができるか。上で数字を決めてトップダウンで持ってくる、京都議定書スタイルのEUの戦略を、どこで、ある意味では開催することができるかというのは非常に大事なところだと思います。

    ただ、安倍総理のあれのときに明白に申し上げましたけれども、京都議定書の反省の上に立つということが3点あって、全員参加ゲームにしなきゃいけない。各国の事情に応じた弾力的な道筋、やり方を許容しなければいけない。経済発展、成長と整合的でなければいけない。この3原則は、総理に言っていただいたことは、まさに先生おっしゃったような格好で、全体の戦略をこれから動かしていって、パラダイムシフトしなきゃいけないという、大変難しい局面であることはそのとおりでございますけれども、でもEUの言ったとおりいっても、世の中が、グローバルイシューであるこの問題が、たった3割の人がやっても解決しないということも事実なので、これはがっぷり四つに組んでやっていきたいと思っております。

    ほかにもたくさんございましたけれども、一々私は異論があるわけではございませんので、ちょうだいしましたご意見については、この粗略なペーパーは、ここできょう皆さんの議論を円滑にしていただくためだけのものであって、もうちょっと考えていますので、深めていきたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いいたします。

  • 三村会長

    長官、どうもありがとうございました。

    それから、特に皆さんの関心が深い、原子力・安全保安院の平岡審議官から、よろしくお願いいたします。

  • 平岡審議官

    原子力安全・保安院の審議官をしております、平岡でございます。原子力安全に関するご意見がございましたので、若干補足をさせていただきます。

    原子力安全・保安院は、ご承知のとおりですが、客観的、厳正に安全規制というものを行っていくことが使命でございます。特にこの地震でございますが、地震に対して安全を確保していくということは、我が国においては非常に重要な問題でございまして、かねてからいろいろな取り組みをしてきております。今回の地震におきましては、ご紹介がございましたが、柏崎刈羽では4つの発電所が運転中であったわけですが、設計どおり、予定どおりというか、自動的に停止をし、そして、今までの点検では、安全上重要な施設について、耐震安全に問題があったという異常は見出されていないというのが客観的な事実でございます。

    ただ、多くの教訓が得られていると考えております。1つが、ご指摘もございましたが、地震発生時のいろいろな危機管理、対応でございます。化学消防車の配置がなかったことで、変圧器の火災がなかなか消せなかったといったこともございました。自衛消防の問題、それから情報連絡が迅速にできたのかという問題、放射性物質の微量な漏えいというような報道もございましたが、この辺、もう少し対応をうまくできなかったのかということがございます。あわせて、地元に対して情報提供がうまくできたか、事業者あるいは我々規制当局の問題もあると思いますが、こういった課題がございます。

    それから、この地震から得られた知見というものをどう考えるか、どう評価するか、これは大変重要でございまして、想定していた地震動よりも高い、ガル数についてでございますけれども、観測されております。これから何を得ていくかということが非常に重要でございまして、指針等の議論というのがあるわけですが、昨年の9月に原子力安全委員会のほうで、新しい指針を策定していただいておりまして、これを用いまして、現在すべての発電所について、新しい指針に適用するのかどうかというバックチェックをやっている最中でございます。

    したがって、旧指針に適合して設計されてきたものを今、運転しております。新指針への対応を進めている矢先に、この地震が起きたわけでございます。新指針におきましては、いろいろな知見というものを常にきちんと評価に入れていくことを求めております。したがいまして、今やっております新指針のチェックの中で、新潟での地震というものの知見を可能な限り組み入れていくということが必要でございまして、そのためにも知見をしっかりと得ていく必要がございます。

    そういったこともございまして、今の初期対応の問題、それから地震の教訓といったことにつきまして、きちんとした、目に見えるように取り組んでいかなければいけないということで、総合資源エネルギー調査会の原子力安全・保安部会の、こちらのほうに調査対策委員会を設置させていただくことにさせていただいておりまして、この場で、これからいろいろなデータをきちんと出して、議論を公開でやっていくという形で対応していくことを考えている次第でございます。

    それから、高経年化対策というご指摘がございましたが、これも大変重要な問題でして、30年、40年で寿命が直ちに来るとかそういう問題ではないわけでございますが、一つの節目として、30年あるいは40年といったところで、技術的な評価をきちんと加えて、管理をしていくという取り組みをしております。

    そのためには、制度的な対応も必要ですが、技術基盤というのが非常に重要だと思っておりまして、国内のいろいろな知見も得ていかなければいけませんし、また国際的な教訓というのも交換していく必要があるという取り組みを今、進めております。ただ、これはこれから長く、しっかりやっていかなきゃいけない問題でございますので、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    時間も参りましたので、この辺で終わらせていただきますけれども、大変有意義なご意見を多数、ありがとうございました。これから各分科会、部会で、ぜひとも今回の意見を審議のほうに取り入れていただきたいと思いますし、経済産業省におかれましても、望月長官、非常に率直なご意見をありがとうございました。長官も、これ以上にまだいろいろ対策を持っているんだと、このように言われましたので、我々全体として、ぜひとも、それも期待したいと思っております。

    それでは、これをもちまして19年度総合資源エネルギー調査会総会を閉会いたします。本日はご多忙中のところ、長時間にわたり熱心にご議論いただき、まことにありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2008年9月1日
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