経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総会(平成20年度)-議事録

平成20年8月1日(金)

議事概要

  • 三村会長

    それでは時間もまいりましたので、これから、1年ぶりですか、総合資源エネルギー調査会を開催させていただきます。私は調査会会長の三村でございますけれども、よろしくお願いいたします。

    本日は、ご多忙中のところ、また暑い中をおいでいただきましてありがとうございました。皆様ご承知のとおり、エネルギーをめぐる環境というのは、この1年間で随分変わりまして、我々の想定していないようないろいろなことが起こっております。その中で、日本全体としてもどのように対処したらいいのかということは、新しい数々の課題を我々は突きつけられていると思いますけれども、このような中で、総合資源エネルギー調査会総会を開催いたします。どうぞきょうは活発なご意見をよろしくお願いいたしたいと思います。

    それでは、本総会の開会に当たりまして、石田資源エネルギー庁長官より、ごあいさつよろしくお願いいたします。

  • 石田長官

    おはようございます。ご紹介いただきました資源エネルギー庁の石田でございます。きょうは三村会長をはじめ、お忙しい中ご参集いただきましてありがとうございます。

    この総合資源エネルギー調査会でございますけれども、資源エネルギー問題にかかわる諸課題を、6つの分科会と14の部会で構成をして、日ごろからいろいろ活発なご議論をいただいているわけでございます。今会長からもお話がございましたけれども、資源エネルギー問題をとりまく情勢は激変をしております。アジアの需要の急増といったようなことを背景に、原油をはじめ資源エネルギー価格が異常な高騰をしているということはご案内のとおりでございますし、供給国サイドでもいろいろな資源ナショナリズムの高まりというようなことが顕在化をいたしているわけでございます。

    また、地球環境問題、これはまさにCOPの議論が本格化しておりますけれども、それにつきましても、資源エネルギー政策の面からも対応の強化が急がれているというようなこともございます。

    こうした情勢を踏まえまして、昨年エネルギー基本計画というものを、この審議会の議を経まして改定をさせていただいたわけでございます。この中では、エネルギーの安定供給の確保、それから環境への適合、さらには市場原理の活用、この3つを基軸にいたしまして、さまざまな諸課題に取り組んでいくということを打ち出していただいたわけでございます。具体的には省エネルギー、新エネルギーの推進でありますとか、あるいは原子力、革新技術の推進といったところに、今後まさに政策的な強化をしていかなければいけないということかと思います。

    現在、また来年度に向けた政策の具体化につきまして、さまざまな検討を部内的にもいたしているところでございます。本日のこの機会に、忌憚のない率直なご意見を賜りまして、またそうした政策の具体化に反映をさせていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

  • 三村会長

    石田長官、ありがとうございました。

    それでは、早速議事に入りたいと思いますけれども、省エネでもあり、どうぞ上着も自由におとりいただければ、私もちょっととらせていただきます。よろしくお願いします。

    まず事務局から、配付資料の確認をお願いいたします。

  • 星野室長

    事務局を務めさせていただきます情報企画室の星野でございます。よろしくお願いいたします。着席にて説明させていただきます。

    お手元の資料でございますけれども、「資料一覧」と書いた紙のほかに、議事次第が1枚、委員名簿をつけさせていただいております。その下に座席表でございます。その後が資料になっておりますけれども、「総合資源エネルギー調査会総会の公開について」という資料1、1枚紙と、A3の3枚紙でございますけれども、「総合資源エネルギー調査会における審議状況」というもの。それから資料2-2といたしまして、「総合資源エネルギー調査会活動報告書」というちょっと分厚い冊子、両面になっておりますけれども、おつけしております。そして最後に、資料3として、「エネルギー政策に係る取組状況と今後の基本的方向について」というA4の8枚紙、両面刷りになっておりますが、これで一式の資料となっております。以上です。

  • 三村会長

    ありがとうございました。資料は全部おありでしょうか。

    それでは、審議に先立ちまして、本総会の公開について確認させていただきます。

    本総会においては、審議会の公開にかかわる閣議決定、平成7年9月の「審議会等の透明化、見直し等について」がありますが、それから平成11年4月27日の「審議会等の整理合理化に関する基本的計画」を踏まえて、資料1に書いてございますように、原則公開するということで運用することといたします。特にご異議ないようでしたら、そのようにさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

    それでは、お手元の議事次第に従って進めてまいりたいと存じます。本日は委員名簿も配付されておりますので、委員ご紹介は省略させていただきたいと思います。ご了承ください。

    続きまして、お配りした資料について事務局から説明をよろしくお願いいたします。

  • 星野室長

    それでは、資料2と資料3についてご説明を申し上げます。

    まず、総合資源エネルギー調査会における審議状況ということでご説明をさせていただきます。当調査会に設置されている6分科会14部会の活動状況の詳細が2-2に記載されておるわけでございますが、今回は資料2-1、A3の3枚紙に基づいて、各分科会の昨年の活動状況と今後の審議予定を中心にご報告をいたします。

    総合部会におきましては、先ほどお話しをさせていただきましたが、昨年3月にエネルギー基本計画を改定ということで答申をさせていただきました。

    続きまして、需給部会においては、我が国のエネルギー需給構造について長期的な視点から見通した「長期エネルギー需給見通し」について審議し、本年5月に策定をいたしました。今後、京都議定書目標達成計画の進捗状況等の評価・見通しのため、エネルギー起源二酸化炭素排出量の今後の見通しを検討する予定としております。

    省エネルギー部会におきましては、事業者単位のエネルギー管理の導入、住宅・建築物対策の強化等の今後の省エネルギー対策の方向性について取りまとめるとともに、省エネルギー基準部会においては、トップランナー方式の対象機器の省エネ基準の見直しを行っています。本年度も引き続き見直しを行うとともに、業務用冷蔵庫等の対象への追加、また工場等の基準の検討を行う予定でございます。

    新エネルギー部会におきましては、本年6月に新エネルギー対策の新たな方向性について緊急提言を行っておりまして、より中長期的な新エネ政策が必要との問題意識のもと、政策の基本的方向性について議論をとりまとめております。

    次のページに移らせていただきます。

    原子力安全・保安部会におきましては、昨年7月の新潟県中越沖地震を受けまして、原子力安全・保安院の対応等について議論をしておりますけれども、今後も原子力発電所の耐震安全性等について議論する予定としております。

    続きまして、都市熱エネルギー部会でございますが、本年春に、ガス事業制度改革の評価・検討、ガス保安対策のあり方について取りまとめております。本年度も引き続き、小売自由化範囲の拡大等ガス事業制度改革について検討する予定としております。

    続きまして、鉱業分科会でございますが、本日午後に開催をされる予定でございまして、鉱物資源需給の動向や、昨年度にレアメタル対策部会で取りまとめた報告を踏まえた、レアメタル対策の取り組み状況を議論する予定としております。

    石油分科会でございますが、昨年度、バイオエタノール導入に伴う課題について議論をするとともに、平成20年度から24年度までの石油備蓄目標について審議・答申を行っております。本年度は、引き続き石油関連の課題や、法改正に伴うバイオ燃料事業者の基準等について検討を行う予定でございます。

    また、石油部会、開発部会においては、毎年それぞれ石油製品需要見通しでありますとか、JOGMECの事業採択の基本方針について議論をしております。開発部会におきましては、今年度中に、可及的速やかに採択について議論をすることとしてございます。

    3枚目、電気事業分科会でございますが、本年3月に、今後の望ましい電気事業制度のあり方について答申をしておりますが、7月には「安定供給」「環境適合」「競争・効率性」の3つの政策課題を同時達成することを目的といたしまして、電気事業制度の詳細制度の設計について答申をしております。

    続きまして、原子力部会でございますが、こちらは原子力立国計画の進捗等について検討をしております。今後は、核燃料サイクルの推進、国際展開のあり方等について検討を行う予定です。

    高圧ガス部会でございますが、昨年12月の三菱化学の鹿島工場の火災事故を受けまして、コンプライアンスの状況等について議論をしております。本年度は制度改正について検討を行う予定でございます。

    続きまして、液化石油ガス部会でございますが、こちらでは制度改正について検討するとともに、LPガス販売事業者等の保安対策指針について検討しました。

    最後、火薬部会でございますが、こちらでは最近の事故状況や制度改正について議論をしております。

    各分科会・部会の活動状況と、今後の審議予定についての報告は以上でございます。

    続きまして、資料3のご説明をさせていただきます。

    1枚めくっていただきまして、具体的には、ここにありますように、目下の大きな課題である原油価格の高騰の問題、地球温暖化の問題についての対応と、右側にございます7つの分野における政策の方向性についてご説明申し上げます。

    また、1枚めくっていただきまして、3ページ目をごらんいただけますでしょうか。まず原油価格高騰への対応でございますが、皆様ご存じのとおり原油価格は足元120ドルに近づくという動きもございましたけれども、先月上旬には145ドルに達するなど、2004年以降高騰を続けております。これに対し、当方では、供給、需要、市場の各方面での取り組みを行っています。特に供給対策においては、6月に甘利大臣が中東訪問において、サウジ、クウェート、イラクの3カ国から、供給拡大についての約束を取りつけております。また国内においては、6月下旬に対策を緊急対策閣僚会議で取りまとめておりますが、今週の7月29日には、漁業者に対する燃料費補てんや、運輸業者に対するサーチャージ制の導入促進などを追加対策、フォローアップとして発表をしております。

    続きまして4ページ目、地球温暖化問題についてでございますけれども、こちらについては、すべての主要排出国の参加が必要不可欠という原則のもと、短期・中期・長期に分けた取り組みを行っております。短期的には京都議定書第一約束期間の目標の達成でございますし、中期ではセクター別アプローチの推進、長期的には革新的技術の開発の取り組みを行ってございます。また、今週7月29日には、低炭素社会の実現に向けて「低炭素社会づくり行動計画」が閣議決定されております。右下にございますのがその構成でございますが、こちらの計画に盛り込まれた施策を着実に実行していくということでございます。

    続きまして、「エネルギー政策の今後の方向」ということで、7つの分野について順次ご説明をさせていただきます。

    6ページ目をごらんください。省エネルギーの推進に関しましては、低炭素社会への転換、エネルギー安全保障の観点から、省エネルギー対策の強化が必要ということでございます。我が国は、1970年代以降の努力の結果、世界最高水準のエネルギー消費効率を達成しております。しかしながら、右の図にございますように、業務、家庭などの民生部門のエネルギー消費量は大幅に拡大をしているところでございます。こうしたことから、本年度に省エネ法改正をいたしましたけれども、工場単位から事業者単位に法体系を見直し、住宅・建築物に関する省エネ規制を強化したところでございます。

    今後につきましては、改正省エネ法の着実な推進、それから省エネ効果の高い設備のさらなる導入促進や、業務用冷蔵庫等業務機器などに関しまして、トップランナー制度へ対象を追加するというようなことが課題となってまいります。

    ページをめくっていただきまして、省エネルギーの国際展開の話でございますが、省エネルギーに関しまして、国際的にはすぐれた我が国の省エネ技術の海外展開を、ビジネスベースでどのように進展させることができるかというようなことが課題になってございます。また、気候変動問題の解決のために、我が国はセクター別アプローチを主張しているわけでございますが、こちらに関しまして各国の支持が得られるように、何をしていくべきという点についても課題となっているということでございます。

    続きまして、8ページにお移りいただきまして、新エネルギーの推進についてご説明を申し上げます。

    地球温暖化対策、あとエネルギー源多様化の観点から、新エネルギーの導入が重要となってきておるところでございます。本年6月に福田ビジョンを出したわけでございますが、福田ビジョンにおいても省エネの導入量の目標値、具体的には2020年に現行の10倍、2030年には40倍という目標値を新エネで導入するということで、掲げております。特に、最も拡大が期待されます太陽光発電については、技術革新などを通じて太陽光発電の価格を大幅に低減し、大量普及につなげることが課題となっております。また風力、バイオマス、地熱、雪氷、水力など、ほかの新エネルギーを最大限に推進していく必要があります。また、今後のエネルギー供給構造の変革に向けて、電力RPS法の目標の検討、石油、ガス供給事業者の新たなエネルギー展開の促進といったところが課題となってまいります。

    次のページをおめくりください。9ページでございますけれども、新エネですが、輸送用バイオ燃料についてでございます。輸送用バイオ燃料については、運輸部門の石油依存度低減を図る上での有効な手段の1つということですけれども、バイオ燃料の導入に関しましては、供給の安定性、また経済性のほかに、食料との競合や生態系への影響といった問題があります。近年では、右下の図にありますように、バイオ燃料の需要急増等を背景に、穀物をはじめとする食料価格が上昇しているといった指摘もございます。今後、中長期的には、食料と競合しないセルロースを使ったバイオ燃料の技術革新や、次世代自動車等の進展を勘案したバイオ燃料の段階的な導入が必要となってくると考えられます。

    続きまして、革新的技術開発の推進でございます。10ページ目をごらんください。

    世界全体の温室効果ガス排出量を2050年までに半減するという長期目標達成のために、本年3月に「Cool Earth-エネルギー革新技術計画」を策定し、二酸化炭素回収・貯留、革新的太陽光発電、先進的原子力発電など、右上の図にございますような21の技術についてロードマップを提示し、国際連携のあり方を提示してございます。これらの革新的技術開発を着実に推進していくにはどうすべきか、国際連携を深めるために技術開発ロードマップの国際共有をどうしていくべきかなどが課題となっております。

    次のページをおめくりください。原子力の推進についてでございます。

    発電過程でCO2を排出しない原子力発電は、エネルギーの安定供給と地球環境問題を一体的に解決するかなめとして、着実に推進する必要があります。ただし、右の図にもありますように、中越沖地震等の影響で我が国の設備利用率は60%台と、他国に比べて著しく低くなっております。したがって、設備利用率の向上など既設炉の活用や、新増設の実現に向けた取り組みが課題となっております。また核燃料の安定供給の確保や、核燃料サイクルの確立、高速増殖炉の早期実用化に向けた取り組み、高レベル放射性廃棄物など処分事業の推進に向けて、国民・自治体の理解の向上が課題となってきております。国際的には、我が国のすぐれた技術を生かした原子力産業の国際展開も課題となってございます。

    続きまして12ページ目、原子力安全・保安について、ご説明申し上げます。

    原子力安全・保安については、昨年の新潟県中越沖地震の影響を受けまして、現在停止中の柏崎刈羽原子力発電所の設備健全性や耐震安全性の確認を現在行っているところでございますけれども、これらの確認に加えて、地元住民の方々への理解活動が課題となっております。また、ほかの原子力施設についても、中越沖地震で得た知見を反映して、どのように耐震安全性の確保を進めていくか、国民の理解を得ていくかといったところが課題となっております。

    さらに、原子力発電所の保全活動を、より体系的・計画的に行うことで安全性や信頼性を向上させることができますものですから、新しい検査制度の導入といったところも課題となっているというところでございます。

    おめくりいただきまして、13ページ目、資源外交についてご説明申し上げます。

    資源外交につきましては、近年、資源価格の高騰や資源国による資源の国家管理の強化が見られる中、我が国に資源を安定的に供給し、将来的な原油、原材料逼迫の懸念を緩和するため、資源外交を積極的に展開しているところでございます。

    まず首相、閣僚などトップレベルでの対話の機会を強化するとともに、資源国との信頼関係の醸成を図っています。先ほど、本年6月の大臣の産油国訪問の話を申し上げ、石油増産表明が中東各国から行われたことを申し上げましたが、他の鉱物資源につきましても、昨年11月には甘利大臣が経済産業大臣として初めて南アフリカ、ボツワナを訪問して、日本の先進的な衛星探査技術を用いた鉱物資源探査・技術移転に同意するなど、具体的な成果が得られております。また、資源国との関係強化のための協力についても、サウジにおける我が国企業の投資促進や産業人材育成、ロシア、アフリカで見られる資源の共同開発など、資源国のニーズに応じて広範かつ互恵的な協力関係の構築に努めているところでございます。

    このような取り組みや成果を踏まえつつ、今後どのような取り組みが必要か、また国の政策はどうあるべきかといったところが課題となってございます。

    最後に、電気事業制度改革についてご説明申し上げます。

    電気事業制度改革につきましては、本年3月に電気事業分科会におきまして、ここの資料にございますような基本答申が策定されまして、去る7月4日に、今後の電気事業制度についての詳細制度答申が取りまとめられております。この答申を受けて、経済産業省では、既に一部の省令について改正を行うとともに、電力系統利用協議会、ESCJにおいても、5月に、広域流通を通じた安定供給に関する調整プロセスのルール改正が行われております。また、卸電力取引所においても所要の検討や規定整備が今後行われる予定でございます。

    右下のほうにございますが、特に卸電力取引所におけますCO2フリー電気と京都メカニズムクレジットの取引については、再生可能エネルギー等の取引円滑化を促進し、低炭素社会の実現に向けた先進的取引として期待されるところでございます。

    当方からの説明は、以上でございます。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    大変な広い領域と大きな問題を抱えているご説明だったと思います。したがって、これまでの説明を踏まえまして、できればエネルギー政策の今後の基本的方向についてということで、各委員よりご意見等をいただきたいと思います。いつものとおり、どうかご意見のある方はこれを立てて意思表明をしていただきたいと思います、順番は私のほうで大体わかると思いますから。おそらく、きょうはそんなに収れんした議論というよりも、各委員の思っていること、特に、分科会あるいは部会の各委員長さんもみんなおられるので、ご自分のことで特に言いたいこともおありでしょうから、それも自由にご発言になって結構だと思います。ただ、人数もたくさんありますので、どうぞいつものとおり1人3分以内ということでやらせていただければありがたいと思います。どうぞご意見のある方は、名札を立てていただきたいと思います。

    最初はなかなか立たないんですよね、後からたくさん立つ。いかがでしょうか。

    どうぞ、天坊委員。

  • 天坊委員

    今回からメンバーになりました、石油連盟会長をやっております出光興産の天坊でございます。よろしくお願いします。

    1つ最初に申し上げたいのは、最近の原油価格の高騰についてです。ご承知のように、昨年の7月に70ドルだった原油価格が、この6月には140ドル、今は20ドルほど下がっておりますが、石油の価格が右肩上がりで上がっていくというのは構造的なものではないかというふうに私は考えておりまして、最大の理由は中国、インド等の人口大国が、石油需要がものすごい勢いで伸びており、それに引きかえまして供給面では、供給余力が非常にタイトになってきています。現実の問題として油が足りないということは起こっておりませんが、近い将来足りなくなるのではないか、こういう思いがあるということです。

    現在、1日当たりの石油の使用量というのは8,500万バレルぐらいです。既存の油田は平均して、少なめに見ても2%ずつぐらい毎年減退をしております。したがって、8,500万バレルの2%といったら170万バレルですが、これだけは落ちていくわけです。なおかつ増えていく需要に対して、例えば毎年100万バレル/日で増えていくと考えますと、合計約300万バレル/日となり、日算それくらいの新たな追加生産が必要になっています。石油の開発、生産に至るまでの期間というのは、どんなに短くても5年、長い場合は10年ぐらいかかります。そういう点を考えますと、一時的に原油価格がマーケットで上がったり下がったりいたしますが、基本的なトレンドは右肩上がりに行くというふうに考えておいたほうがいいんだろうと思います。

    そういう観点から申し上げますと、原油価格の高騰分を石油製品に転嫁して、消費者の方に対しては大変ご迷惑な話であると思いますが、あまりにも大きい価格で上がってまいりますので、これを1つのところで支えるということはまず不可能です。できるだけ早く次の部分に価格を転嫁していく、現在サーチャージというのが運送業界なんかではとられておりますが、できればそういう形で次々にパスをしていき、最終的に個人消費、個人の収入がそれに見合って増えていくような形で解決するよりしようがないのではないかと思います。

    日本は、従来非常に安いエネルギーを使って経済発展をしてきたわけですが、現状の高い価格で貿易が成り立つような仕組みにまだなっていません。ということは、このままではいずれエネルギーを負担できなくなるということになりますので、ぜひともそういうことを考えていただきたいというのが私のお願いであります。

  • 三村会長

    ありがとうございました。これはご意見ですので、経産省のほうから何か答えるという性格のものではないですな。おそらくそのようなことも必要だと思いますね、どういう対策をとるのか。ありがとうございました。

    次、内藤委員、よろしくお願いします。

  • 内藤委員

    ありがとうございます。

    ありがとうございます。

    先ほどの説明にありましたように、かなり体系的にやっておられるということはよく分かりますけれども、それを理解した上で、国際的な産業、政策の実態というのをもう一度よく見直してみて、それで日本としてもめり張りのきいた戦略構築の論議をしていくことが特に必要だと思っております。

    こういうことを申し上げますのは、私、フランス、イギリス、アメリカで定期的にいろいろな議論をしておりますけれども、そこで議論をする内容と日本で議論する内容とに差があるなという感じがしておりました。そうしたら、この前のサミットの前に、IEAのチーフエコノミストが参りまして、「2日間日本人に会って、いろいろと話をしたが、今欧米ではエネルギーセキュリティーがより緊急の問題であるのに、日本で聞いたら、みんな地球温暖化問題に焦点を当て、しかもその内容についても欧米と一周ちがいだった」との感想を述べていました。私も全く同感でした。そこであえて申し上げましたように世界の動向を、本当に現場の動向まで踏まえてもう一度調査をし、対策を検討することとしてほしい。エネルギーセキュリティーといえば、例えばフランスなどは、原子力あるいは石油開発等々についても本当に腰が据わっております。昭和8年以来、日本はフランスの政策を学んできた。ところが今は非常に大きな乖離が結果的に生じています。そこで例えばもう一度フランスの現場を徹底的に洗って対策を考えるというふうなところを調べるのも1つの方法であると思います。

    エネルギーセキュリティーとクライメイトチェンジについて申し上げますと、この資料を見ますと、同じコインの裏表である、ピリオドになっておりますけれども、本当にそれだけかというのがさっきの認識の違いになってくると思います。例えば、クライメイトチェンジについては、地球の全人類が対応しなければならない新しい社会リスクマネジメントである。それに対して、エネルギーセキュリティーは、現在、地上にいる人間同士の取り合いの議論であって、全く旧来型のリスクマネジメントである。また、クライメイトチェンジはその効果の現れる地域やタイミングに違いがある、イージーオイルの終焉も近づくという中で、しかも今後、炭化水素が非常に重要であるというふうなことを考えると、エネルギーセキュリティーはタイミングとして緊急である。両者の違いは価値観の違いにも関係します。要するに、結論的にはMEMのメンバー全体がやるようなポリティカルウイルとそのコミットメントということが必要だけれども、WTOの動き等を考えて、本当にそれがなるかどうかというふうなものも見据えて考えなければならない。そういう点で、ここの認識でも、同じコインの裏表というほど単純なものではない、そこにめり張りをつけてほしいというのが私の希望であります。

    さらに付言しますと、例えばセキュリティーに関して、資源外交というのがありますけれども、資源外交をやるについて、その裏にプレーヤーズとして本当に一緒に動く自国の企業群が必要であるというのが非常に大事なことです。ところが日本の石油開発についても、原子力のプラントメーカーについても、国をあげての一体的企業体制になっていない。原子力についても、欧米人から、なぜ日本が3社で別々にやるんだという種類の議論があって、プレーヤーが本当に日本国益をもって、官民一体になって動くという体制ができていないという話が出されます。

    それから、技術開発についても、地球温暖化対応に十分効果のある長期的な技術開発は並べられておりますので、これは非常に重要だと思いますけれども、セキュリティーという点からいえば、資源国のニーズを踏まえた開発、例えば石油であればディープシーにおける開発、等々いろいろな技術ニーズがありますけれども、先方の真のニーズを考えてこれを提供して、この利権をとった例として今年のシュトックマン油田開発の例というふうなことを見るにつけて、いろいろ感じるわけです。

    それからもう1つは、セキュリティーの関係では、日本がマーケットとして魅力があるようにする必要がある。その点からいうと、特に中東等の関係からは、彼らはアジアに金融のセンターが要る。その中で今シンガポールに接近を続けていて、インドも中国も徹底的に裏でシンガポールと連携し始めているというふうなことが言われています。産油国が金を持ってもどこかへ投資しなければならない、あるいは活用しなければならないという中で、欧米以外に第三のセンターとしてアジアが重要だと考えている。その金融センターは産油国が安定的に資金供給を続けることで支える必要があると考えているので、エネルギーセキュリティーとも直結する。金融センターの一つとして日本は考えられていないというふうな状況になってきているのは、日本人の認識と世界の認識とは違うということを示している。そういう種類のことも踏まえた日本の市場としての魅力のあり方というふうなことも体系的に考えていくことがエネルギーセキュリティーにも結び付くと考えます。

    それから、クライメイトチェンジに関しましては、日本の議論を見ておりますと、環境アイデアリズムを先行させた形での議論がいろいろ大手を振っているように思います。それは1つ重要な視点ではありますけれども、リアリスティックなエネルギーのベストミックスを、技術進歩の焦点の当て方を含めて、そういう点から考えるというふうなことが必要だと思います。

    最後に、1つだけ特異な例を挙げますと、実は宇宙太陽光発電、日本では核融合と同じような長期の目標だと言っていたのが、あるアメリカの会社で私と一緒のメンバーであるNASAの前長官が、「NASAでは改めて宇宙太陽光発電の研究開発に動いているんだ」というのを聞いて、本当にそこまで動いているのかとびっくりしたわけですけれども、二、三週間前の『ヘラルド・トリビューン』に短いが具体的な論文が出ております。その論文では、要するにキロワットアワー当たり8セントないし10セントで供給が可能である、それから、宇宙太陽光での開発をすれば、自動車用燃料も含めて全地球の必要エネルギーがそれで供給できると書かれていて、まだ行く先にはいろいろな解決すべき問題があると思いますけれども、そういう発想が現実に、そこまで議論されているのかという感じがあります。

    したがって、いろいろなことを申し上げましたけれども、結論としてお願いしたいのは、やはり世界の現場の実態をもう一度勉強し直し、あるいは政策の現場を勉強し、めり張りのきいた戦略をつくるということで、今並べているのをもう一つ深掘りをしていただきたいというのが意見でございます。ありがとうございました。

  • 三村会長

    ありがとうございました。クライメイトチェンジとエネルギーセキュリティーについて言えば、エネルギーセキュリティーのほうがより緊急であり大切なのではないだろうかと、こういうことですね。

  • 内藤委員

    いや、両方大事だけれども。

  • 三村会長

    もちろん、ただ非常に貴重なご指摘だったと思います。ありがとうございました。

    次は、秋庭委員、よろしくお願いいたします。

  • 秋庭委員

    世界戦略の後に急に身近な話で大変恐縮ですが、私たち消費者は、今もうほんとうに物価が上がり、そして食卓を預かる主婦の立場としても毎日の買い物に悲鳴を上げずにはいられないぐらい物価が上がっています。昨年この総会があったときには、まだ余裕があったというか、納豆の粒が減ったとか、ちくわの穴が大きくなったとか、その程度で済んでいたことが、もうありとあらゆる物価が上がってしまっています。さらに今朝の新聞を見ても、8月から、また卵とか、それから乳製品、いろいろ基本的に必要な食品がすべて上がっていくということで、どうやったらこの物価高の中で私たちの家計を守っていくことができるのかということが、ほんとうにつらいところです。夏休みに入りまして、旅行に行こうと思っても、またガソリンは高くなっていますし、そして海外旅行に行こうと思ってもまたサーチャージが高くなっていて、二重価格じゃないかと思うぐらいの高さになっております。

    こんな中で、長期的な展望を持ってエネルギー政策をやっていくことは大変重要なことだと思っています。しかしながら、身近なところで国民の生活が安定しなければ、国民としても毎日の生活がまず第一でございますから、そこのところを生活を安定するためにどうしていったらいいのかということを考えて、まずは緊急の政策をぜひとっていただきたいと思っています。

    先ほど天坊委員のほうから、燃料サーチャージ制度を促進するなど、原油高を転嫁することによって個人の収入を上げていき、そして生活の安定のほうにというお話がありましたが、今それをさらに強力に進めていただきたいと思います。漁業もこの間休漁ということがありましたし、また畜産業も昨日そういうようなデモ行進がありました。

    その中で、私たちは一体どこまで我慢していったらいいのか、何をしていったらいいのかということをお示しいただかないと、いつまでも我慢はできないというところがあります。ましてやこれから、今こんなに暑いのですが、ことしの冬、灯油がさらに去年より高くなっていくことは目に見えています。その中で、北の生活の人たちがどうやって生活を守っていくかということは、この暑さの中で既に政策をとっていかないと、とてもとてもやっていけない状態になっていっています。

    これからいろいろ技術革新、省エネルギー、そして新エネルギーにおいても、技術革新をしていくことは大変重要だと思っています。そしてそれは国民の負担を前提としていますが、きょうの生活が守られないと、何年後かの技術革新に国民の負担をと言われてもなかなか納得のいかないところです。ましてや電気代、そしてガス代も値上げというふうに聞いておりますので、その中で生活をどうやって防衛していくのかということを考えると、納得のいく身近な政策をぜひお願いしたいと思っています。以上です。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    それでは、次に崎田委員、その次に鳥居委員、黒田委員、橋本委員という形で進めさせていただきます。

    崎田委員、よろしくお願いします。

  • 崎田委員

    ありがとうございます。今、身近な政策をというお話がありまして、ちょっと視点を変えてお話をさせていただきたいと思います。

    やはり今身近にいろいろなものが上がってきて、国民が大変不安に思っているということは事実です。それをどういうふうに解決していったらいいかという政府の全体像や国民の動きとか、やはりそういう全体像が、信頼関係を持って情報交換する、情報が明確に発信される、そういうことがまず大事なんじゃないかなというふうに私自身は感じています。

    こういうエネルギーの方向性を考える場で、私自身はやはり強く思うのは、先ほどの今後のエネルギーの安定供給と気候変動対策、私はぜひこの両方をきちんとやっていただくことが大事だというふうに思っています。気候変動対策は非常に長期的な視点なために、今どうすべきかというところが見えにくいんですけれども、だからこそ今とる施策をエネルギーの安定供給とリンクさせながら、きちんと対策をとっていくということが大事なのではないかと思います。その中で、私自身は、温暖化対策、温暖化の非常に急激な進展のことも考えると、今原子力ということに関して、私たち国民自身があまりにも、この原子力についての議論を避けているという状態を変えていくということが大事なんじゃないかなと私自身は思っています。

    既に電力の3割を発電する能力がある、これが安定的にまずきちんと運用されるということもベースに置きながら、私自身は新エネルギーをしっかりと、もっともっと増やしていただく、そういうようなエネルギー源をきちんと分散させながら、すべての事業者さんの取り組みが日本全体のエネルギーの安定供給と温暖化対策につながっていくようになっていくということが大事だというふうに思っています。

    そういうことをできるだけ私たち市民社会にも本音で情報を出していただきながら、私たち自身が事業者の安全性の確保に対してどういう情報をいただいたらありがたいのかということをちゃんとお話ししたり、あるいは原子力発電から出る放射性廃棄物の処分とか、そういう道筋が立っていないということに関してももう少しきちんと理解をしていくとか、やはりそういうふうに私たち市民が本音できちんと理解していく、そして現状の中で市民自身ができることは何かということを考えていくこと自体も大事だと思っております。

    その中には、最終的にはコスト負担というのが必ず来ると思います。そのコスト負担に関しても、ほかの費用がどんどん上がっている時代ですので、どういう理由で、どこまで私たちは払うことが求められ、事業者はどういうふうにご苦労されているのかという全体像を常に情報発信していただく、そういう中でこういう検討が進んでいくことが大事だというふうに思っています。

    とりあえず私の考えを言わせていただきました。よろしくお願いいたします。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    次、鳥居委員、よろしくお願いします。

  • 鳥居委員

    先ほど秋庭委員、それから今崎田委員からお話がありましたが、電力の価格をどうやって下げようかというのが、我々3年前に電気事業分科会で始めた大きな議論だったわけです。そこでまず浮かび上がった大きな政策は、電力の自由化だったんですね。PPSが参入する、あるいは自家発が参入する形で、実際に電力価格というのはずっと下がりつつあったんです。

    ところが、それが、1つは地震の影響で原発がとまってしまう。それから、もう言うまでもない原油価格の暴騰と、それに、実はほとんど注目されていませんけれども、ウランの価格が10年前に比べれば約10倍に上がっています。そういう状況のもとで、今我々電力価格が上がらざるを得ないという状態になっています。

    しかし、ベースになる電力供給の仕組みとしては、先ほど申しましたようにPPSの参入、そしてきょう理事長の植草委員がおられますけれどもESCJの設立、それから電力卸売市場の設立という形で、電力の流通価格というものをできるだけ市場のメカニズムから下げていくという努力は、これからも続けていかなければならないと思います。

    その中で、今崎田委員のお話にもありましたが、一番大きな問題は原発のことだと思います。原発の比率が最終的に30ないし40%の安定供給電源になり得るような努力というのをこれからしなければならない。柏崎が今とまっていますけれども、あれは東京電力への供給のほかに、東北電力への供給もしていますから、大きくは2社に直接的にまず大きな影響がいって、そこに今度は融通をする他の電気事業者のところにも影響がいくということになって、そこへ、先ほどから申し上げている原油価格の暴騰という形でダブルパンチを食らっているものですから、ほとんどの電力事業者が価格を上げなければもう利益が出ないといいますか、やっていけない状態にもう陥っているわけですね。ですから、そこのところをこれからどのようにして解決していくかを考えていく必要があります。

    さらに、原発につきましては核燃料サイクル、特に、当面は廃棄物の処理の問題が大きな問題でして、目先六ヶ所村の施設がこの冬を待たないで運転開始できるかどうかというところが大事だと思います。行ってごらんになるとわかりますが、もう極寒の地ですから、冬を越えてさらに最終的な仕上げの段階が続くようであると大変困りますので、できるだけこの冬を待たないで六カ所が運転を始めてくれると、そして、その次には、六ヶ所村で処理できるのは全国の廃棄物の大体半分ですから、残り半分はまだ依然として、極端な言い方ですけれども野積み状態になっているわけです。それを処理する第2工場をどこにどうやってつくるのかということについては、全くまだ表では議論が行われていない。

    さらに、六ヶ所及び第2工場で処理されたものから出てくる最終廃棄物、それをどこに処分するのかということについては、全くもうめどが立っていないという状態でありますので、この問題を乗り越えるためにぜひ政府にもご努力いただきたいし、業界にもご努力をいただきたいと思います。

    これが一番中期的には重要な問題だと思います。それを越えて、長期的には核燃料の確保という問題が非常に大きな問題でして、特にウランの確保ですね。地政学的にも相当日本は追い込まれていますので、その確保のために外交をはじめとするご努力をいただきたいと思います。そして、さらにその先にいろいろな新エネルギーの問題、太陽光の問題あるいは、先ほどお話が内藤委員からありましたけれども宇宙発電の問題とか、そういう問題を考えていかなければならないと思います。

    最後に、需要の側も、これからものすごい勢いで技術が変わりますので、我々が考えている以上に、これから大体二、三十年の間に需要の構造が変わっていくと思います。家庭の需要、例えば冷蔵庫の改良とかいろいろありますけれども、決定的に大きいのはやはり産業界の技術の革新だと思います。それからもう1つは自動車の技術革新だと思います。今1リットルのハイオクガソリンで、センチュリーで大体4キロ、上手に運転する運転手さんが高速道路を走ってもせいぜい6キロですよ。ということは、1リットル200円ののハイオクガソリンで4キロ走る、ということは50円で1キロ走るということですね。ところが、もう電気自動車の中には100円で10キロ走る、つまり50円で5キロ走るという車も実現しておりますし、それの約10倍を目指した自動車開発が行われています。おそらく自動車のエネルギー源単位はどんどん改善されていくと思います。おそらくほかの産業でもそういう源単位の改善が行われていくと思いますので、それをぜひ、この総合資源エネルギー調査会の枠外ではありますけれども、経産省の大事な仕事の一部でありますので、そちらのほうでもご努力をいただきたいというふうに思います。以上です。

  • 三村会長

    ありがとうございました。随分札も立っておりますので、3分程度という形でよろしくお願いします。

    では黒田委員、よろしくお願いします。

  • 黒田委員

    ありがとうございます。既に各委員の言われたことと若干重複する部分もあるかもしれませんが、現在のエネルギー価格高騰と物価の上昇を日本経済の中でどうとらえるかという視点をもう少し、ここの部会だけではなくて、政府全体の議論であり、ほかの経済財政諮問会議等の議論とかかわってくると思うんですが、考えておかなければいけないと思っていまして、第1次オイルショック、第2次オイルショックのときに一種のスタグフレーション的な要素が生まれたわけですけれども、今回のエネルギー価格の上昇というのは、それと随分違った局面にあるんじゃないか。やっと失われた10年とか15年、20年の日本経済がよくなりかけたときに、エネルギー価格の高騰がここで起こってきた、まさにスタグフレーションが起こり得る状態に今なってきているというのが日本経済の現状だろうと考えています。

    第1次・第2次オイルショックのときは、エネルギーの生産性が上がる、労働の生産性が上がることによってカバーができた側面と、世界全体のエネルギー需供給のバランスがとれて、エネルギー価格がもとに戻ったという要素があったわけですけれども、これからはエネルギー価格は右肩上がりだということになりますと、日本経済にとってエネルギー価格の上昇が一体どう経済の中で影響して、それにどうマクロ政策として、それからマイクロな技術等々の政策として対処するのかということをやはり考えた上で、エネルギー政策というものを考えるべきではないだろうかというふうに思います。

    そのときには、多分よりどころは技術、イノベーションしかないわけですから、イノベーションの政策に、どこに重点的な施策を置いて、日本経済そのものをリードしていくかという視点が片方にあって、結果的に資源エネルギー政策が論じられるということになるのではなかろうかと考えています

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    次に、橋本委員お願いしますが、順序としては橋本委員の次が柏木委員、それから浦辺委員、森委員、縄田委員、野村委員と、こういう順序でやらせていただきますので、よろしくお願いいたします。

    それでは、橋本委員、お願いします。

  • 橋本委員

    ありがとうございます。

    今の黒田先生のご意見と似ているんですけれども、もっと大きくとらえなくちゃいかんだろうと。要するにエネルギー、あるいはレアメタルなどを中心に資源外交ということを言っていますけれども、三村会長のところの鉄鉱石、もうヴァーレとかBHPビリトンとか極めて寡占化が進んでしまっている。先高感プラス投機資金の流入、それプラス供給するほうが極めて優位に立ってきている状況になっている。そうすると、鉄鉱石でも原料炭でも、原料炭はここ5年で6倍になっているわけですね、鉄鉱石は4倍になっている。そして食料もものすごく上がり始めている。今のままでいくと外貨準備なんていうのはすぐ食いつぶしてしまう。

    こういう状況になって、国によっては生活保護国的なところも出てきてしまうのではないか、それをどうやって世界全体が発展していけるような体制、少しでも進歩しているなという状況をつくり出すかということについて、日本が主導権といいますか、どんどん先に立っていっていかなければ、このままでは日本も今のような形でODAを出しているなんて時代ではなくなってしまうのではないかなと思っております。そういうことを含めて、私どもはこの間、関東知事会として、サミット前に官房長官に、サミット各国が協調して、行き過ぎた市場原理主義を再考するとともに、現在のようなマネーゲーム化している状況を収束させ、経済活動を含む世界各国の行動を秩序あるものにしていくことが喫緊の課題だから、これについてぜひリーダーシップをとってくれということを申し入れに行ってまいりました。

    そういったことも含めて、私は、資源だけというのではなくてもう少し大きい観点から、総合資源エネルギー調査会というタイトルのもとでありますけれども、物を考えたほうがいいのではないかなということが1つあります。

    それからもう1つは、先ほどからイノベーションの話が出ていますけれども、これもほんとうに蓄電池をはじめとして、どうやってこれからのエネルギーが、最終的には大変不足していくのではないかと言われる中で安定的な供給に努められるかということになると、イノベーションは大変大事だと思いますけれども、そのための人材の育成、例えばアメリカ、ハーバードだともう3兆8,000億、350億ドルという基金を持っているんですね。それで世界中から人を集め始めている。日本の場合、この間東大130周年で130億、将来2,000億を目標にするということを言っておりますけれども、相当人材の育成ということに、資源エネルギーの立場からも配慮していく必要があるのではないかというようなことを感じておったところであります。

    それから、もう1つ具体的な話を少し追加させていただきますと、この間環境大臣に、環境関係でいろいろ申し入れを行ってまいりました。その中の1つに、地方との協力をもっとしっかりしたものにしたらどうかと。今は、例えば関東経済産業局の管内で、大規模事業所、1,500キロリッター以上使うところというのは6,000カ所あるんですね。それで経済産業局のほうの省エネスタッフというのは10人しかいない、とてもじゃないけれども全部見られるわけもない。そのデータも県のほうには来ていない。ぜひいろいろな形で協力体制をつくっていく必要があるのではないかと思っております。

    また、民生部門が大変おくれているわけでありますけれども、これについて、例えば環境省なんかは「私のチャレンジ宣言」というのをやっている。しかしほとんどの人が加入しなかったので、我々手を挙げて今いろいろ推進策をとっておりますけれども、そういったものの普及にしても、あるいは電球型の蛍光ランプの普及などにしても、国が音頭をとっただけでさっぱり一般の国民まで広がっていない。そこをどうするかという点で、いろいろ頭の中で考えて、音頭をとられていくということは必要でありますけれども、省エネという具体的な施策になると体制を考えなくてはいかんのではないかなと思っております。環境省のほうでも、地球温暖化防止活動推進センターといいましたか、それも三、四人しか各県にいないんですね。それではとてもとても、ほとんど存在すら知られていないような状況になってしまっております。

    そういったことと、あと特に、わきに関電の社長さんがおられるので言いにくいんですけれども、RPS法ですね、これでもうちょっと、例えばイギリスなんかは10%以上を目標にしているんです。そういう導入目標をもう少し引き上げていったらいいんじゃないかとか、あるいはまた、ドイツで太陽光発電があれだけ進んできているのは、結局は買い上げ単価というものが非常に高い。日本に比べれば3倍ないし5倍ぐらいまでの幅になっているわけでありまして、そういったことも含めて相当積極的なこと、今やっと太陽光については少しまた再度始めようかという機運が出てきているようでございますけれども、もっと思い切ったことをやっていただくことが必要なのではないかなと思っております。

    以上で終わりにします。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    次、柏木委員、よろしくお願いします。

  • 柏木委員

    新エネ部会長の柏木です。

    今ちょうどRPSを引き上げろという話が出ていましたけれども、RPSの場合には、現状においてはまだ新エネ国家日本として政治決断していなかったと。よって、割合を決めるときに、不文律ですけれども、義務を課せられている電力事業者が自分の努力の中でどうにか吸収しなきゃいかんという話になれば、それはどうしたって小さくせざるを得なかったわけですけれども、ただ今度の福田ビジョン、並びに、つい二、三日前に閣議決定された低炭素社会づくり行動計画、これで新エネ・モデル国家日本というのが政治決断されたと私は理解していますから、そうなりますとRPS5%やるとか7%やると、それは構わないわけですよ。ただ国民が払うという話になります。ですから、そこをきちんと周知徹底した上で、今後の新エネ政策をやっていくべきだという考えを持っています。

    それで、今ここの基本的方向の新エネルギーのところを見てみますと、新エネ対策の強化というのは、太陽光発電の価格を低減し普及につなげるべきではないかと。これはだれでも言うんですが、どうやって低減するんだという話になりますと、企業は一応量産に入って量が決まれば低減できると言っているわけですね、量がなかなか決まらないから低減できないんだと。ですから、もしこういう政策をほんとうにやるのであれば、一応福田ビジョンで、首相見解で新エネ・モデル国家日本だという政治決断をした今現在ですから、ある意味では、例えば省庁連携で公共の建物に太陽光発電の義務づけをするとか、そのぐらいのことをしないと首相が言ったことがうそになりますから、そこら辺の強力な政策をやはり今打つべきだと。

    その理論的な背景として、例えばキャップ・アンド・トレードの恐ろしさというのだけ言って終わりにしたいと思いますが、電力会社がキャップをはめて、100の電力を出していって110になったと、ディマンドが。何でそれを補てんするか、原子力で補てんすれば、稼働率を上げればCO2排出原則ゼロになりますからゼロ円と。石炭火力で補てんすると大体0.7キロから0.8キロ、1キロワットアワー出しますから、カーボンオフセットしなきゃいけなくなって、1トン当たり今3,000円、4,000円ということになりますと3円から4円払わなければいけない。これも一方的に日本から諸外国に流れるお金になります。国内でのサーキュレーションはあまりない。

    それに対して、新エネでやりますと、今RPSコストがキロワットアワー5円ですから、石炭火力のカーボンオフセットとそれほど変わりがなくて、新エネのRPSコストというのはプレミア分ですけれども、ただCO2排出削減コストと、それからイニシャルと地域活性化、自給率の向上、国土の充実等々、中でお金が回り出すという、国内の内需拡大になるということを考えると、やはり今後の支援政策のあり方というのを改めて強固にしていくべきで、そのためには量をどうやって確定していくかということが極めて重要になっていくだろうと思います。以上です。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    浦辺委員、次お願いします。

  • 浦辺委員

    鉱業分科会の会長をしております浦辺でございます。

    今回の資料で、革新的なエネルギー技術開発のロードマップを示されたというのは大変賛成なんですね。日本でできることというものの多くの部分として、そういう技術というのがあるわけで、こういうものを通じて低炭素型の社会をつくっていくというのは、資源の面から見ると省資源につながって非常にいいわけです。ところが一方で、レアメタルのような機能的な資源の場合に、それがもし省エネルギーということでバルクで使われるようなことになりますと、たちまち足らなくなってしまうというふうなことで、現在も金属価格の値上がりの中にはそういう一面もあるということでございます。

    要するに、省エネで技術を開発していくというためには、やはりレアメタルなんかに関しては、セキュリティーの問題も含めて長期的な視野で安定供給の方策をたどっていっていただきたい。特に深海底資源というものが今現在注目されておりますけれども、そういうものも相当長期的な、10年20年という取り組みが必要ですので、そういうふうなものに取り組む中で、エネルギーの省エネルギーというのをぜひやっていくということを視野に入れていただければと思います。以上です。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    次は、森委員、よろしくお願いいたします。

  • 森委員

    電気事業連合会の森でございます。私は6月に勝俣前会長の後任として就任いたしまして、この会議に初めて出席させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

    まず、先般7月に最終答申を出されました電気事業分科会で議論されました電気事業制度改革についてですけれども、今回の改革もほんとうに鳥居分科会長に大変ご尽力いただきまして、どうもありがとうございました。日本型モデルをより適切に見直していただいたというふうに思っております。我々の取り巻く環境も大変厳しいものがございますけれども、安定供給、環境適合、効率性の同時達成という視点で引き続き努力していきたいというふうに思います。

    それから、現在のエネルギーを取り巻く環境を見てみますと、我々事業者の使命というのは低炭素の電力の安定供給にあるというふうに思っております。その観点から、先ほどご説明いただいた論点の中から、3点について少し触れたいと思います。

    まず、低炭素、安定供給の切り札であります原子力についてですけれども、これはやはり既設の原子力発電所の利用率向上を含めた適切な運用、それから新増設の着実な実現、これにやはり全力で取り組んでいく必要があるわけですけれども、やはり当面これをそのような形で進めていくためには、現在の原子力発電所を安全で安定した運転を継続する、また、あらゆる情報を皆さん方に開示してご理解いただくという取り組みが必要であると思いますので、全力を挙げて取り組んでいきたいというふうに思います。

    また、中長期的に原子力を推進していくためには、先ほどからも何人かの方からご意見をいただいていますけれども、原子燃料サイクルの確立、それから高レベル放射性廃棄物の処分事業の推進、これは欠かせないというふうに思っております。国、地元のご理解を得て、我々も引き続き努力してまいりたいと思います。国におきましても、これらの課題を達成するために、環境整備にまたご支援いただきたいというふうに思っております。

    次に、原子力の安全と保安について申し上げたいと思いますが、耐震安全性の確保につきましては、柏崎刈羽原子力発電所も原子力の安全にかかわる重要な設備に異常のないことは確認いたしております。現在詳細に点検をしておりまして、健全性の確認、復旧作業などを行っております。ほかの発電所におきましても、そういう柏崎刈羽の地震により得られた知見等を反映いたしまして、信頼性の維持向上に向けた取り組みを行っております。引き続き、ほんとうに地元の皆様、国民の皆様全体にご安心いただけるような取り組みを進めていきたいというふうに思っています。

    それから、新しい検査制度、これはプラントごとの特性に応じた検査をすることで、より信頼性の高い保全活動を実現するという仕組みでございます。これをベースに、我々これからこれを実践していくわけですから、当初のねらいが実現できるように努力していきたいと思います。

    最後に、新エネの推進についてですが、電気事業者といたしましてもメガソーラー、電気自動車の導入計画を立てて、積極的に取り組むことにしております。新エネ導入につきましては、やはり技術、費用負担のあり方等の検討が極めて重要な課題というふうに思っておりますので、国民全体で支えるとの視点から早期にご検討いただきたいというふうに思います。

    先ほどRPS、それから太陽光発電の固定価格買い取り等についてご意見ございましたけれども、やはりこれらの負担を電気料金の中で負担するのか、国民全体で負担するといったときに、単に電気料金に全部そのコストを乗せるというのがよいのか、もっとほかの全体として負担する方法が何かないのかと、そういう視点での議論も必要かと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。以上です。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    次、縄田委員、お願いします。

  • 縄田委員

    レアメタル対策部会長の縄田です。先ほど浦辺委員からのお話にもありましたが、レアメタルの安定供給に関して一言申し上げたいと思います。

    レアアースを含むレアメタルは、各種製品の製造に重要な素材であり、特に省エネ、新エネルギーといった分野では不可欠なものとなっています。レアメタルなしでは多くの省エネ、新エネ技術がまさに絵にかいたもちとなってしまうと言っても過言ではありません。一方、供給は、エネルギー資源以上にごく限られた国、地域に集中しています。近年国際需給の逼迫や価格の高騰等、供給をめぐる情勢は大きく変化しています。昨年7月にレアメタル対策部会では、安定供給についての報告書を取りまとめました。その後政府におかれましても、既に事務局からご説明がありましたように、資源外交における甘利大臣のアフリカ訪問等、各種の取り組みを行っていただいております。

    しかしながら、資源保有国の状況や、その後の政策の変化などがあり、レアメタルの供給は決して安心できるものではありません。本調査会におかれましても、引き続き安定供給の確保といった点にご留意いただくようお願いいたします。以上です。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    野村委員、よろしくお願いします。

  • 野村委員

    ありがとうございます。日本ガス協会の野村でございます。

    エネルギーの課題として、日本全体としてどのように対応すべきかということについて3点申し上げたいと思います。

    まず、原油価格の高騰でありますが、今先ほど天坊委員もおっしゃったとおりでございまして、原油の価格というのは一定の方程式をもって天然ガスの価格に反映をいたしますので、その負担については適正に行われるべきという点につきまして申し上げたいと思います。

    原油や天然ガスの代金として日本の国から外へ流れていってしまう富について、どのように日本の国に取り戻すかと。これまでは自動車があり家電があり、いろいろな形で付加価値の高いものを生産して取り返したわけですけれども、今やその姿があまりはっきり見えなくなっているのではないかということを懸念いたします。膨大な富を取り返す日本発の商品とか、あるいは技術が必要であって、そこに政策的な課題があるのではないかと、そのように考えます。

    2つ目は、革新的エネルギーの高度利用技術の政策的な位置づけについてお願いをしたいと思います。

    エネルギーの高度利用技術というのは、現実にある技術を具体的な商品、あるいは付加価値のつくものとして利用するためのステップでありますから、その間にさまざまな試行錯誤があります。その点に関して、導入補助事業制度の構築でありますとか、あるいは一層の国のご支援をお願いしたいのであります。例えば、燃料電池について申しますと、これまでもいろいろな形で国のご支援を得て、大規模な実証実験をやって、そして他の業界と共通で「エネファーム」という名前をつけまして、市場投入をしようとしておるわけでありますけれども、こういったすばらしい技術を具体的な商品にするその過程というのが一番重要であろうと思います。そしてまた、補助等が最も効果的になるという場所であろうかと思います。一層の補助制度について政策的に位置づけていただくようにお願いをしたいと思います。

    3点目は、新エネルギーに対する取り組みでございます。

    私どもガス業界といたしましても、ひとつの例として大手4社がバイオガスの購入制度の整備を行いました。これまでもその促進に努力してまいったわけでありますけれども、現実には非常に規模の小さいものの積み上げでありまして、コストの面でも、あるいは利用技術の面でもさまざまな制約がございます。この6月に取りまとめられました新エネルギー部会の緊急提言にもありますように、新エネルギーの促進については、私ども供給側の努力とともに、これは私どもだけではなくて、地方自治体とか、その他のさまざまな関係者があろうかと思いますけれども、ユーザーの方々についても利用拡大の努力も必要であるとされておりますので、それらに対する促進支援の施策もあわせてご検討いただきたいと思うところであります。

    最後になりますが、資源外交への期待につきまして。天然ガスについては長期の契約の更新時期にこれから数年の間やってまいりますので、大変強い期待を持っておりますことを申し述べまして、私の意見とさせていただきます。ありがとうございました。

  • 三村会長

    どうもありがとうございました。

    次は石谷委員にお願いしますが、順序としましては、次に中上委員、住田委員、田中委員、知野委員、それから村上委員ということでやらせていただきます。よろしくお願いいたします。

  • 石谷委員

    どうもありがとうございます。ほとんど今いろいろなご意見が出まして、重複しているところがあるかと思いますけれども、ちょっと3点ほど簡単に申し上げたいと思います。

    1つは、CO2削減、これまでサミットに向けて非常に思い切った政策が出ておりますが、その実現のためには多くの負担が国民というのか、産業にも個人生活にも負担がかかってきます。そこへエネルギーの資源の逼迫という話も出てきて、長期的にもますます経済的負担がかかる。この中で、私は省エネを担当していまして、省エネは従来「得する省エネ」ということを強調してきましたが、ある時点からはそれも行き詰まって、これからは「損する省エネ」とか「我慢する省エネ」とか、そういう段階までいかないと、思い切ったCO2削減はとてもできない。

    それと同時に、CO2排出への課税とか規制は、今までお話が出たように、産業構造とか、あるいは価格体系を相当を変えないと対応ができないと思います。何人かの委員のご意見にありましたように、こういうことをやったら具体的にどういう影響が出てくるかということのPRが不足で、一般の方にはよくわかっていないと懸念されます。資源制約で原油が上がれば消費が減少したり、排出抑制で対応をとればCO2は当然削減されてきますが、当然コストは増加して、それぞれ別の観点からの意見が出るということになります.やはり長期にわたってこういうことをしたら、一体どのくらい産業が国際的な影響を受け、そして個人生活にもどういう影響を受けるかということをもう少しわかりやすく見せておく必要があるかと思います.そうでないと個々の時点で、個々の問題に対して大きな課題が出てくることになります。

    ですから、政策的に価格を転換するとか補てんするとか、そういうことも非常に重要でしょうが、やはりその前にこういった政策の効果を見せておかないといけないと思いますので、そういう努力をしていただきたいというのが1点です。

    それからもう1つは、環境技術としての新エネ、燃料電池とか電気自動車とか、長期にわたって非常に効果があると思われますが、現時点の技術ではまだ不確定性が残って非常にリスクが高い。海外ではそういうものがベンチャービジネスへの投資という形で進んでいるように見受けられますが、日本の経済構造ではそういうことはあまりなくて、従来国がリスクをとっているケースが非常に多い。それが補助とか育成ということかと思いますが、そのあたりの仕分けをはっきりして、やはり日本の国情に合った育成、推進を続けていただかないと、せっかく技術のもとを持っていても海外におくれる可能性があると思いますので、その辺も新たな枠組みなどを検討していただけないかという点が2点目です。

    それから同じ新技術の開発、実用化においては、産業がこういうものに新たに投資するためには、国の政策がぶれると非常に危なくなる。例として私は燃料電池にもかかわっていますが、燃料電池というものは国がずっと迷わず政策支援をしているので技術開発、実用化もしっかりと継続しておりますが、完成までにはまだ長時間かかると考えられます。そう言ったときに、その推進政策が途中で1回でも切られますと、そこですべてが終わるおそれがあります.ですから、技術開発、実用化のためのロードマップというか、将来どの時点でどこまで持っていくかということを十分に検討した上で、覚悟を決めて、一度決めたらしっかりとそういう政策を保っていただ区必要があります.現時点ではそういうところは継続的にしっかりやっていただいておりますが、こういうことが今後、抜本的CO2削減には非常に重要かと思っております。どうもありがとうございました。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    中上委員、よろしくお願いします。

  • 中上委員

    ありがとうございます。

    今の石谷委員のお話とも若干関係するんですけれども、国民にわかりやすく訴求するという点では、私はサーチャージというのは1つの見える化ではないだろうかと思います。これまで全部内数であったものが外出しになって見えるようになったわけですから、ある意味では国民に理解されやすいわけでありますが、逆になぜ内数であったかというと、企業努力でそれを吸収してきた部分もあるわけです。どこで外出しをするのかということは、いろいろな立場によって難しいと思いますけれども、そういう機運が生まれてきたということは、ある意味では国民にとってわかりやすくなったのかなという気がいたして、それが1点です。

    もう1点は、私の個人的な意見ですけれども、低炭素社会という言葉は非常に新しいネーミングで新鮮に聞こえますけれども、私は途上国の省エネの仕事もお手伝いさせていただいているのですが来週もベトナムに行くんですけれども、そういった国々に行きまして、おそらく低炭素社会というような言葉を言っても、彼らにとってはそんなぴんと来ないのではないか、ちょっと疑問といいますか、懸念を感じるわけでございます。

    そういう意味では、やはり最初に内藤委員のお話がございましたけれども、やはりクライムチェンジにあまりシフトし過ぎるとそういう表現になるんだろうと思います。世界のエネルギーセキュリティーを考えると、途上国の省エネルギー、あるいはこれからのエネルギーの需給というのは非常に大きな意味を持っているわけです。彼らを巻き込んでやるためには、むしろ低炭素社会という言葉は金持ち国の道楽というふうにとられるんじゃないかと、極端に言えばそういうふうに私は思っております。首相がお使いになったものですから、あっという間にこれがキーワードとして定着しつつありますけれども、この低炭素社会という表現は考え直した方が良いのではと思っております。少し違った意見かもしれませんが、以上です。ありがとうございました。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    次は住田委員、よろしくお願いいたします。

  • 住田委員

    本日お示しいただきました取り組み状況及び今後の基本的方向について、網羅的に非常によくわかりやすく勉強になったと思います。どうもありがとうございました。

    今回のこのエネルギー問題、特に原油高と資源に関して非常に逼迫した状況の中で今後どうするかということについて、これはサミットでも言われましたし、ここでも言われましたように、原子力発電をきちんと合理的に進めなくてはいけないということは、もうこれは異論のないところだろうと思うんですが、この場にいる方も皆さんそうだと思うんですけれども、残念ながら国民全体のアンケート調査をやったらそんな大多数にならないというのが今の現実であろうと思います。いざ各論に入って、高レベル放射性廃棄物の処分の問題とか、その他の問題もありますが、いずれも立地県において、例えば選挙で負けてしまうだとか、選挙の前だから情勢がよくないからとかいう形で、政治的決断を待たざるを得ないというのがこれもまた今の日本の現状だろうと思います。

    その原因は、やはり国民が納得していない、その理由の一つには、どうしてもセンセーショナルにされるマスメディアの報道であろうと思います。今までは情報公開というのはこういうときによく出てきたキーワードだったんですけれども、私は公開しているのは十分だろうと思います。さらに積極的にこういうふうな問題について、きょうありますような資料について国民に対してわかっていただくための、そういう意味での啓発活動というのを進める必要があるのではないかと思っております。

    私自身弁護士として、またその他の立場から、法教育、それから消費者教育、金融教育というのを出前講座のような形で出かけていっておりまして、日本の場合は学校の教科だけではなくて、社会の中で生きる力をもっと醸成する必要があるということを痛感しています。法教育の場合はいろいろな利害が対立する中で、それぞれの意見を出しながら円満に調整していく手法、それを身につけようというものですし、金融教育は、リスクがあるけれども一定のリスクを賢くとって、最大限に活用していこうというようなもので、自立した、自分で考えられる理性的な判断力のある人たちをつくるというのが共通しているところだろうと思います。

    そうしますと、エネルギー教育というのも、もっと必要ではないでしょうか。幼いころから自然教育、自然科学の一端に触れまして、それが将来の人材育成にもつながるかと思います。今後そういう方向にもっていっていただくのが必要かと思います。特に小学校、中学、高校へ行きますと、保護者の方々が一緒に話を聞きに来られますので、あわせて生涯教育的な立場にもなるのではないかなという気がいたします。以上です。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    次は、田中委員、よろしくお願いいたします。

  • 田中委員

    田中でございます。原子力部会長をやってございますので、原子力関係について何点か述べさせていただきたいと思います。

    1つは、皆さんご心配の高レベル放射性廃棄物の問題でございます。これは基本的な技術基盤が確立されているものだと考えています。今住田委員のほうからありましたとおり、なかなか国民の理解を得にくいところもあるというのは事実かと思いますが、原子力発電に伴ってこれは必然的に出るものでございますので、どこかでそれを処分しないといけないというわけですから、日本というか国民全体がこれを理解する必要があるということであります。

    2つ目は、核燃料サイクルでありまして、確立に向けて、六ヶ所再処理工場の操業に向けて今最後の努力をしているところでございますが、事業者はもとより、原子力産業界挙げて、この再処理工場の早期な操業開始と、その後の安定な操業にぜひ努めていただきたいということがございます。

    3つ目は、先ほど鳥居先生のほうからご意見がございましたが、六ヶ所再処理工場でまだ再処理できないような燃料をどうするんだという話がございました。これについては、六ヶ所再処理工場のその次の再処理工場をどういうふうなものにしていけばいいのかということです。そのころには、すなわち21世紀の後半には高速増殖炉も入ってくるだろうとしたときに、高速増殖炉の燃料をどうつくるのか、あるいは高速増殖炉の燃料の再処理をどうするのかということも含めまして、これから第2再処理工場のあり方についての検討が進んでいくものだと考えています。2010年ぐらいからその検討をするとなっていますが、それに向けて、私も含めていろいろな関係者が、どういうふうにその議論をすればいいのかということを今検討しているところでございます。

    4つ目でございますが、新増設の着実な実現とございました。ですが、原子力発電所は皆さんご承知のとおり、初期の投資が大きいということと、それから建設にやや期間がかかるというふうなことがございます。そういう特徴をよく理解して、原子力立国計画においてもさまざまな対応を考えたところでございますが、もしまだその対応が足らないようでしたら、もう少し、一歩進んだ対応も考えるべきなのかなと思います。

    皆様ご承知のとおり、原子力は一定出力で運転していますが、なかなか電力さんから見れば、電力需要がもうちょっと伸びてくれば原子力発電所をつくっていくというような意欲も出てくるかわからないのですが、例えば夜間電力をもうちょっと大きくするような方策がないかとか、そういうふうな事業者が原子力発電所を入れていくインセンティブが高まるようなことも必要かなと思います。また、将来的には原子力の割合をどのぐらいのパーセントにしていけばいいのかというような議論も、ここからやらないといけないのかなと思います。現在は一定出力でやっているのですが、将来的に出力調整というようなことまでも考えるのかどうかということも、どこかの時点で考えなければいけないかと思います。

    次は、原子力だけではないかと思いますけれども、特に原子力におきましては、技術と人材の維持と育成が大変重要でございますので、そのことについても国を挙げて技術力と人材力をつくっていくにはどうするかというふうなことを考えないといけないかと思います。以上でございます。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    知野委員、お願いします。

  • 知野委員

    先をにらんだ技術開発について、一言申させていただきます。

    というのは、新エネルギーとか、あるいは革新的技術開発ですけれども、特にこういう先をにらんだものというのは、すぐやっていると政府として取り組んでいるという形になりますし、それから研究や技術開発に携わる方たちとしても、取り組んでいくという意味で非常にいいことではあるんでしょうけれども、やはり、例えば新エネルギーといった場合に、80年代とかかなり前からこのテーマは出ていてもなかなか進んでいかないのが現状ではないかなと思います。先ほど来指摘がありますように、国民の生活への不安とか閉塞感とかが高まっている今、やはり国民の税金、費用負担で進めるということになりますと、そろそろこういう問題について漠としてやっているということではなくて、少し本腰を入れる、あるものについては決着をつけるような形ができないだろうかということを思っています。

    というのは、新エネルギーに関してはコストが高いとか出力が不安定であると、そういう問題が出てきているわけですから、これ以上やってちゃんとなるものなのか、あるいは可能性があるものに関してはいろいろ制度とか枠組みとか、そういうものも見据えて全体として取り組んでいくとか、何かそういった国としての覚悟が必要なのではないかなというふうに思います。

    殊に革新的技術開発についても、イノベーションなんかでも同じことが言えると思うんですが、ほうっておくとただ単に技術開発や研究開発のための費用をばらまいたという、それで終わってしまうおそれもあるわけで、きちんとそういった進捗状況、それから社会経済、法的な問題などもチェックしながら進めていくという姿勢をしていかないとならないと思います。新エネに関しては、ここで挙げられているように数値目標というのを立てられるそうですから、これをチャンスとして、やはりそういう方向をきちんとやっていただきたいと思います。

    それから、やはりエネルギー問題での宿題を片づけていくべきではないかと、特に原発の放射性廃棄物問題なんかについても、これも長年先送りした問題でありますし、この問題を片づけないまま幾ら先進的原子力発電といっても進んでいかないわけですから、やはり国民へのリターンということをもう少し頭に入れて、先をにらんだ技術開発を進めていただきたいと思います。以上です。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    次は村上委員、よろしくお願いします。

  • 村上委員

    ありがとうございます。村上でございます。

    これから申し上げることは非常に突飛な話かもしれません。ただ今までのお話となるべく重複しないことでということを考えた上での発言です。これは資源エネルギー庁のマンデートにもかかわるかもしれないんですが、要するに水資源というのはどうなっているのかという問題です。エネルギー源としての水というのは、特に国内ではその割合は非常に減っているわけですから、ここの議論の対象にならないかもしれないんですが、先ほどレアメタルの件が出ましたように、資源として問題を考えたときに、水の問題は重要だと思います。特に最近は、先ほどから議論になっております資源外交という点から見れば、おそらく次の世紀まで、国際的に水資源の問題というのは外交上の非常に重要な問題の一つになるだろうと思いますし、さらに言えば、上水供給の民営化が国際的に広がりつつあり、しかもそれが手ひどい形で失敗もしている。

    そういう点では、経済産業省としての資源外交の中で、水資源というのが持っている意味というのがどこかで、議論する必要があるのではないか。もちろん国内では国土交通省と農水省とが管轄をしている、工業用水だけがおそらくかつての通産省、経産省の管轄かもしれませんけれども、そういう国内問題だけではない資源外交という点も含めて、どこかで日本の縦割りの弊が出てくる、足をすくわれる可能性があるかもしれないという危惧を一言だけ申し上げておきたいと思います。以上でございます。ありがとうございました。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    木場委員、よろしくお願いします。

  • 木場委員

    どうもありがとうございます。遅刻いたしまして申しわけありません、木場でございます。

    2点ほど申し上げます。いずれにしましても国民にとりましての広報という部分でございます。

    1つ目が、やはり洞爺湖サミットがゴールではないというような意識を国民の皆さんに持っていただきたいと思います。ただ今、遅刻いたしましたのは、実は情報番組をやって参りました。少しだけきょうの放送のエピソードをお話しさせていただきますと、「わらしべ長者」というタイトルでございますけれども、ある23歳の青年が、最初はエコのマイはし、自分の箸ですね、に始まって、最後は環境に優しいプリウスに乗りたいということで、物々交換を続けていく話でして、箸から始まってブルゾン、ブルゾンから毛皮、毛皮からカメラ、カメラから軽自動車、そして本日グロリアまでたどり着いて、もう一歩でプリウスというところまで来ているとご紹介いたしました。

    これはアドバルーン的な話ではございますが、最後に彼が何をやりたいかと言いますと、その後CO2を出した分の植樹をして回りたいという目標があって、それを意気に感じた方々が交換に応じたわけです。一般のかたにも、こうした環境に対する意識が高まっています。この火を消さないような政策、広報をお願いしたいというのが1点目でございます。

    2点目は、橋本委員が先ほどおっしゃっていたので私も少しと発言させていただきます。それは、政府のほうで「私のチャレンジ宣言・1人1日1キロCO2削減運動」というものを昨年の6月20日からスタートしております。これまでになくわかりやすいのは、どんな行動を私たち1人1人が何グラムCO2を削減できるかという、目に見える数値を出してくださった点でした。

    ところが、橋本委員がおっしゃったように、その後どのように展開していくかという具体的な広報活動というのがなかなか見えず、私や神津委員などは、洞爺湖サミットに向けてクールアースアンバサダーという役職を仰せつかりました。私は経産省の窓口の方からいただいたんですが、生活者と直接話す立場として申し上げますと、年間、シンポジウムや講演などで、全くエネルギーに関係ない医療や教育などがテーマでも、冒頭に10分間いただいてこの「チャレンジ宣言」というものをお話しさせていただきました。あるときは電卓を30個ぐらい使って、実際に来ているお客さんに計算してもらいました。

    その反応ですが、まず自給率が少ないということや、さっき住田委員からありましたが、、原子力がCO2を出さないということ、そのようなことを知らない方がまだたくさんいらっしゃいます。世論調査でも、知っている方は3割、あるいは、つい先月行われました内閣府の調査でも、温暖化防止のために何が有効かというので、「原子力」と答えた人は、具体的な回答の中では1番低い15%ぐらいしかいらっしゃいませんでした。そういう部分でいうと、まだまだ広報活動というのが行き届いていないなという気がいたしております。

    私は、このようなアンバサダーのお仕事をいただいて、名前だけというのもあまり好きではないので、一応日時や会場や人数、客層、反響などを経産省のご担当の窓口の方には数回に分けて報告いたしました。せっかく、国民運動を展開するのであれば、広報活動の検証も必要で、どのぐらい広まったのかその効果も把握してほしいものです。

    以上でございます。

  • 三村会長

    どうもありがとうございました。

    どうぞ、済みません、見えなくて申しわけありません。

  • 和気委員

    気候変動問題とエネルギー問題をあまり直接的なリンクの枠組みで議論するのには、いささか問題があると思いますが、それらが今国際社会が直面している大きな2つの問題であることは事実でございます。

    これら2つのリスクを同時にマネジメントしていく枠組みや手法をさまざまに考えていかなければならないという現実のなかで、私が今一番恐れる落とし穴は、ある種の一国主義に陥るというところでございます。資源外交も含めてですが、そういう懸念を背景に、どういうふうな国際社会の枠組みがいいのだろうかと考えたときに、いろいろなご意見もあるかと思いますが、現実的にみると、アジアのエネルギーセキュリティー問題、そして気候変動問題に対するアジア的な発想を持った対応というのが意味ある1つモデルとして考えられるのではないかと、常々私は思っています。日本型アプローチというよりは、あるいはグローバルアプローチとまではいかないモデル、すなわちアジア的な枠組み、たとえば気候変動でもモンスーン地帯に位置し、似たような影響を受けやすい地域であるし、またエネルギーセキュリティーの問題も含めて似たような資源環境から成っているし、さらに経済的結合度においては域内サプライチェーンが構築されているなど、急速に強まっている地域、すなわち東・東南アジアという視点で、再度エネルギー問題を考え、その中で資源外交問題や、あるいは気候変動も含めた議論をしていくということが改めて重要なのではないかと申し上げたいです。

    そういう意味で、本日のご報告はアジア的視点が弱いのではないかと思います。すでに「クリーンアジア・イニシアティブ」とか、アジアの中でのエネルギーフォーラムなどが動いているわけでありますから、現実にはそのような方向性で進んでいるとも思えるのですが、いま重要なことは、そうした現実をきちんと評価・確認し、それを踏まえた上で、アジアの視点を政策の骨格の1つとして発信していくという作業をこういう審議会の場では、しっかりとしていかなければいけないのではないでしょうか。アジア共同体の形成というところまでは深化しないまでも、アジア地域をベースとしたエネルギー政策の構築もあるのではないでしょうか。加えてそこにおける日本の立場を常時、検証する必要があると思います。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    いいですよ、橋本委員、どうぞ。

  • 橋本委員

    ありがとうございます。先ほどは時間の関係で省略したものですから。

    今の先生のご意見と全く一緒というか、11ページに、国際的な原子力利用の拡大に向けての協力を進めるということがあるんですけれども、アジアという観点から、例えばIAEAのアジア支部みたいなものを日本に持ってこられないのかどうか、そういうことについても働きかけをやっていくとおもしろいのではないかなと思っておるところであります。

    それからもう1点は、14ページの電気事業制度改革、これは、私の中学・高校の先輩の鳥居先生がまとめたところなんですけれども、実はエネルギー政策基本法は、ここに書いてある3原則、それで私、大分この調査会の場でいろいろ注文をつけまして、エネルギー基本計画には安全が強く前のほうに入ってきているんです。ですから、私どもは環境よりも安全だというのが先にまずあるわけでありまして、もうまとめてしまったものですから、それはそれでいいですけれども、これからもう一度いろいろなことを議論されるときには、経済産業省としてもこの基本計画にもちゃんと安全をかなり入れてくれていますので、それを絶えず頭に置いていただきたいということの念を押しておきたいと思います。

  • 三村会長

    ありがとうございました。

    以上でよろしいですか。これから石田長官にちょっと答えてもらいますけれども、20人の方からいろいろ話が出たので、どうぞよろしくお願いします。

  • 石田長官

    非常に活発なご議論をありがとうございました。私のほうで幾つかコメントをさせていただきたいと思います。ちょっと今全員の方のコメントにお答えするのは難しいと思いますけれども、特に複数の方からお話のあったような点を中心に、コメントをさせていただきたいと思います。

    まず、原油価格の高騰、あるいはそれにとどまらず資源エネルギー価格の高騰といった事態の中で、非常に物価問題へのご懸念でありますとか、日本全体としてより構造的な対応が必要なのではないかというようなご指摘がございました。これについては、まさに私どもといたしましても大変な問題であるという認識のもとで対応しているわけでございますけれども、1つは、原油価格の高騰につきましても、今の価格水準というのはかなり異常だというふうに考えています。もちろんこれは中長期的な需給、ファンダメンタルズの問題でありますとか地政学的なリスクの問題ということで、当然上がっていく側面はございますけれども、それにしてもこの急激かつ高いレベルでの価格水準というのは異常であるということで、私ども国際的にいろいろ働きかけもしておるわけでございますけれども、さきのG8のサミットでも、投機資金の流入といったようなものについて、より透明性を高めていくような努力、規制当局間の協力を進めるというようなことについては、おおむねの認識が一致しているわけでございます。そういう取り組みも一方では進んでいるわけでございます。引き続きそうした努力はしていきたいと思います。

    その上で、やはり、そうはいっても資源エネルギー価格の高騰というものは、ある程度傾向的なものとして続いていくということを考えますと、やはり省エネ、新エネの活用というようなものはもとより、新しい技術の開発、イノベーションというようなものが非常に重要だろうと思います。そうしたことを通じて、日本全体として新エネルギーの高価格時代における体質強化といったようなものを図っていく必要があるのではないかと思います。

    足元の緊急対策といったようなことについては、先般も政府全体として、例えば漁業対応のようなことも含めて取りまとめをしておりますけれども、引き続き政府全体で対応をしていきたい、いくべき問題であるというふうに考えております。

    それから、エネルギーセキュリティーの問題と温暖化の関係、この問題についてご指摘がございました。私ども、当然このエネルギーセキュリティーの問題、あるいは温暖化の問題、両方重要だと思っております。これは当然でございます。

    この両方がコインの裏表といっているのは、温暖化というのは、これはもう釈迦に説法ですけれども、CO2というのはエネルギー起源のものが大半であるということで、温暖化問題を解決するためにはまさにエネルギー問題、エネルギー政策の中で答えを出していかざるを得ないという側面も非常に強いということで、そういう言い方をしているわけでございますが、確かにエネルギーセキュリティー、今この足元の問題としては非常に喫緊の課題がいろいろ出てきていることはご案内のとおりでございまして、まさに温暖化問題とはまた別の土俵の中でエネルギーセキュリティーを高める政策努力をしていかないかんと、こういうふうに思っています。そういうことで、国際動向を当然にらみながら、資源外交への取り組みの強化でありますとか技術開発等に政策的な努力をさらに傾注をしていく必要があろうと思っております。

    それから、また何人かの方から原子力についてお話がございました。原子力につきましては、先般のG8サミットにおきましても、温暖化対策としても発電の段階でCO2が発生しない電源として有用であるということ、それからエネルギー安全保障の観点からも原子力の有用性ということについて、おおむね認識が一致をして、推進がうたわれているわけでございます。当然安全確保が大前提でございますし、これも何人かの方からお話がございました核燃料サイクルの確立というものも急務であると思っています。それぞれまだいろいろ課題がございますけれども、国が全面に立つ形で、最大限努力をしていきたいと思っております。

    新エネについてもたくさんの方からご意見をちょうだいしました。新エネにつきましては、例えば太陽光発電については、さきの福田総理のいわゆる福田ビジョンでも、2020年・10倍、2030年・40倍の導入目標というものを掲げております。新エネ部会のほうでも緊急提言というのを出していただいておりますので、今まさにこれの具体化に向けて政策的に、この夏の予算、あるいは税制改正の要望等に向けて検討を急いでいるところでございます。基本的には技術革新と需要喚起を組み合わせるような、そういう政策を積み上げていくということが必要だろうと思っております。電気自動車等の次世代の自動車についての導入支援というものも力を入れてやっていきたいと思います。

    省エネにつきましてもご意見をいただきました。省エネの推進に当たって、あるいはこれを国民運動的な政策にしていく過程で、もっと体制を強化すべきではないかというようなお話もございました。なかなか役所の人員を増やすというのは難しいところもございますけれども、官の力だけでできない部分については民の力もぜひかしていただくような形で、取り組みの強化、特に実行の部分のところについて、引き続き努力をしていきたいと思います。

    それから、これは横断的なお話として、もっと政策を国民にわかりやすく打ち出していくべきだとか、見える化あるいは啓発活動というような重要性についてもお話がございました。これはまさに当然のことだというふうに考えております。政策についての評価、あるいは検証を適切に行いながら進めるべきだというご指摘をいただきました。これもまさに留意をしながら進めていかねばならないというふうに考えております。

    幾つかまだいろいろご意見をいただいておりますけれども、ちょっと総括的に私のほうでコメントをさせていただくのはそのぐらいにとめさせていただければと思います。ほんとうにありがとうございました。

  • 三村会長

    非常にたくさんのご意見がありまして、例えば水資源についてどうするのか、縦割り行政があれするんじゃないかとか、公開ではなくてむしろ啓発にしなければいけないとか、いろいろな貴重なご意見がありましたし、それから、僕は特に資源高というのがしばらく続くとすれば、我が日本の、例えば産業構造、どうやって今後生きていくのかというやはり足元を考えなければいけないのではないかというようなご意見だとか、いろいろ自分自身も大いに啓発されたきょう1日でありました。ほんとうにありがとうございました。

    また経済産業省におかれても、どうかいろいろな意見が出ておりますので、これをこのままにほうっておかないで、ぜひとも1つ1つ何らかの具体的な行動を起こしていただきたい、これは会長からもよろしくお願いしたいと思います。

    それでは、これをもちまして、総合資源エネルギー調査会の総会第3回を終了いたします。ほんとうに活発なご意見、ありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2008年9月1日
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