経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会制度改革ワーキンググループ(第2回) 議事録

平成19年7月11日

片山電力市場整備課長

少しおくれておられる委員もおられますけれども、定刻となりましたので、ただいまより第2回制度改革ワーキンググループを開催させていただきます。

本日は、皆様、ご多用中のところ、またお足元悪いところ、ご出席を賜りましてまことにありがとうございます。

審議に先立ちまして、配付資料の確認をさせていただきます。お手元に資料1から資料3、参考として論点整理(案)をお配りしているかと思います。過不足はございませんでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。

金本座長

それでは、早速でございますが、始めさせていただきます。お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。

それでは、本日は、家庭部門も含めた小売自由化範囲の拡大に係る検討結果について、電気事業分科会にご報告する際の資料を事務局におつくりいただくということを前回お願いいたしましたが、それをつくっていただきましたので、それをご説明いただいてご審議をお願いしたいということにさせていただきたいと思います。

片山課長、お願いいたします。

片山電力市場整備課長

それでは、資料3をごらんいただければと思います。

1枚おめくりいただきまして、構成でございますけれども、まず初めに検討のフレームワーク、2番目に需要家の選択肢の確保状況等ということで、既自由化範囲の評価、家庭部門における「需要家選択肢の確保」に係る考え方、3番目として、自由化範囲の拡大に係る費用便益分析、4番目として、自由化範囲の拡大が電気事業者の企業行動に与える影響、5番目として、全体を受けたまとめとさせていただいております。

なお、基本的に、この資料は、第1回のワーキングに提出させていただいたものを再編集するといった構成をとらせていただいております。前回は、皆様方のご議論が費用便益分析に集中した感がございますけれども、一応、需要家選択肢、企業行動に与える影響というところも、ある程度、事務局で、皆様方のお考えはこうなのかなということで、例えばこういう記述でいかがですかとご提案をするような形でまとめさせていただいておりますので、その中身で、分科会に報告していいのかどうか、ご審議をいただければと思っております。

なお、今回、改めて再編集する過程で、前回には提示していなかった情報を追加的に入れているところもございますので、そういうところもあわせてご説明をさせていただければと思います。

まず初め、2ページでございます。検討のフレームワークでございますが、ここは第26回の分科会で示されたフレームワークに基づいて、このワーキングで検討したということを改めて整理したものでございます。

次に、3ページ以降でございますが、需要家選択肢の確保状況等ということで、ここも、第1回のワーキングでご提示したものをそのまま添付させていただいております。

基本的に中身の説明は割愛させていただければと思いますが、最後に、13ページのところをごらんいただければと思います。

13ページのところについてでございますが、改めてご説明をいたしますと、PPSの数及びシェアの伸びが鈍化し、その水準も低迷している。一般電気事業者による区域外供給は1件であり、事業者変更の実績は十分とは言いがたい。他方、一般電気事業者による料金水準の引き下げや料金格差の縮小、自家発・他エネルギーという選択肢の存在により、需要家は既契約におおむね満足している。選択肢の確保状況についての需要家による評価は「確保されている」と評価する比率が上回っているが、実際の契約時に他の電気事業者と比較した需要家は約2割にとどまっている。地元の一般電気事業者以外の電気事業者の情報提供に対する評価は極めて低く、これらの事業者が実質的な選択肢として十分な比較・検討の対象となっていない。今後については、一般電気事業者以外による電源拡充等の動きがあり、卸電力市場の流動化に結びついた場合には、需要家選択肢が拡大する可能性がある。これが、前に添付した客観的な指標から読み取れるものでございます。

以上を受けて、ここでは結論と書いてございますが、以上の需要家選択肢の確保状況等に係る指標の評価にかんがみれば、現在の高圧までの部分自由化範囲においては、各需要家に実質的な選択肢が十分に確保されているとは言いがたいものの、将来的に選択肢が拡大する可能性は潜在的には存在しているとまとめております。

それから、次に、家庭部門における「需要家選択肢の確保」に係る考え方ということでございまして、これも14ページから15ページ、16、17ページまで、前回ご説明したものをそのまま添付させていただいております。

18ページでございますけれども、ここでちょっと1点だけつけ加えているところがございまして、全面自由化を実施している諸外国での制度的な共通点というところの中で、料金規制のところで、従来、託送料金についてのみ記述していたんですが、小売料金について改めて事務局で調べまして、全面自由化の移行時には、何らかの料金規制を行っていた事例が多いと。ただ、その後、これらが撤廃される動きがあるとつけ加えております。

この料金規制というのは、いろんな目的でやっていて、消費者を保護するという観点もあれば、既存事業者の価格を維持して、新規参入をしやすくするという意味もあれば、既存事業者のストランデッドコストの回収を保障するためにやる例もあれば、いろんな意味でこういう規制が導入されていたということでございます。

あと、一番最後のパラグラフで、またということで、全面自由化を実施する際の措置として、最終保障、ユニバーサル・サービスの確保、低所得者対策等というのもあわせてここのところでまとめて記述をさせていただいております。

1枚おめくりいただきまして、19ページでございますけれども、これがさっき申し上げました小売料金規制の例ということでございます。自由化当初にはあったものが、現在はなくなっているといった例もございます。

次に、20ページから24ページ目まで、これは前回のワーキングでも添付した資料でございますので、説明は割愛させていただきます。

25ページでございます。25ページでございますが、前回のワーキンググループで競争促進策を講じることなく、全面自由化をするケース、この後の費用便益分析のところで出てきますけれども、それは非常にリスクのある政策判断ではないかといったご議論が大勢を占めていたのではないかと思います。

仮に、今の自由化範囲を固定するとした場合に、それでは一般の家庭部門の需要家の利益というのは一体どうなるんだろうかということを、あわせてワーキングでもご議論いただかなきゃいけないということで、25ページ目の記述を追加しております。

まず、ここでございますけれども、部分自由化に当たっては、自由化による競争促進に伴う効率化効果が規制部門の需要家にも均てんされるよう、規制部門の電気料金について引き下げの場合には届け出制にするということ、それから自由化部門と規制部門との間の部門別収支の明確化を行って、これを当省に提出いただく。赤字になると企業名の公表をするといった仕組みが、実は第2次制度改革、特別高圧の部分自由化をやるときにこういう仕組みが導入されてきたわけでございます。

この結果、規制分野である家庭部門の料金水準というのも、一般電気事業者さんの機動的な料金値下げによって、漸次低下してきているということでございます。これは、下の電気料金の推移というグラフで読み取れるかと思っております。部分自由化による効率化効果は、家庭部門にも均てんされているということではないかということでございます。

なお、こういう評価というのは、昨年まとめました制度改革評価小委員会の報告書でも、このように評価しているところでございます。

また、なおというところでございますが、家庭部門の需要家は、供給事業者は一般電気事業者に限定されているわけでございますが、複数の選択約款が設けられており、需要家はみずからの消費行動にあわせ、料金メニューの選択が可能となっている。こういう選択約款というものを機動的に導入できるようにということも、第1次制度改革、第2次制度改革のときにあわせて行われた制度改革でございます。

次、26ページでございますが、以上のことを踏まえて、家庭部門における「需要家選択肢の確保」の考え方というところでございます。

まとめといたしまして、家庭部門の需要家は、小売自由化に対する関心は高く、自由化を望む声も多い。自由化に対しては、競争による料金低廉化やサービスの向上を期待している一方で、競争が働かず、料金が高どまりしたり、安定供給が阻害されたりすることについて一定の懸念を抱いている。

小売全面自由化を既に実施している諸外国においては、自由化の実施に伴い、諸外国共通の制度的措置や追加的な非対称的措置が種々行われているが、全面自由化後の離脱率や料金推移を見ると、需要家選択肢が拡大していると認められる事例もあれば、そうでない事例も存在している。

なお、こうした競争促進措置とあわせて、最終保障やユニバーサル・サービスの確保など、需要家保護に係る措置もあわせてなされている事例も種々存在する。

現在、家庭部門における需要家は、自由化部門の料金引き下げに伴い、規制部門の料金にも効率化効果が均てんされるなど、規制のもとでも一定のメリットを享受していると評価できる。

小売自由化範囲の拡大を行う場合には、家庭部門の需要家の期待と懸念を踏まえ、諸外国で講じられた措置を参照しつつ、適切な制度的措置を行うことが前提となる。

次に、27ページ以降でございますが、ここは費用便益分析でございます。ここは、前回、かなり大部な資料でご説明いたしましたけれども、簡単に抜粋をしております。

まず、27ページは、費用便益分析の枠組みについて説明をしております。基準ケース、今の仕組みをそのまま維持したケースを基準といたしまして、Bケースが自由化範囲を他に拡大する。Cケースは、自由化範囲はそのままで、競争促進策を講じる。Dケースは、競争促進策を講じて、全面自由化を行う。この4つのケースを設定して、それぞれB、C、Dで、社会的な余剰がどういうふうに変化するのかというのを見たということでございます。

28ページがその結果ということで、右下のグラフを見ていただければわかりますように、自由化範囲を他に拡大するというBケースの場合には、社会的な余剰がマイナスになるという試算結果が出たと。Cケース、Dケースの場合にはプラスになるという試算結果が出たということでございます。

29ページでございます。では、こういう試算結果というのをどういうふうに解釈し、評価をすればいいのかということでございます。前回のワーキンググループで皆様方からいろんなご意見が出まして、そういうものをまとめると、こういう評価ではないかということを書かせていただいております。

まず初めに、費用便益分析は、前提条件や推計手法のいかんにより、結果には相当程度の幅が生じ得ることを踏まえて、今回の試算結果を評価すべきである。

メータリング費用やシステム費用等の追加的コストは、小売自由化範囲の拡大に当たって、相当程度の規模で必ず発生する費用であり、今回の試算では、競争促進を行わずに全面自由化を行うB)ケースを選択した場合、社会的便益が社会的費用を上回らなかった、そういう試算結果が出たということでございます。

現行の自由化範囲で競争促進策を行うC)ケース、及び競争促進策を講じて小売全面自由化を行うD)ケースでは、社会的総余剰はプラスとなる。なお、実際に効率化効果がどの程度実現するかは不確実である点に留意することが必要だと評価結果をまとめさせていただいております。

次に、30ページ以降が、小売自由化範囲の拡大を行った場合に、電気事業者の企業行動にどういう影響が出てくるのかというところでございます。

1枚おめくりいただきまして31ページでございます。

まず、発電部門への影響ということでございますが、設備投資額への影響について、海外の事例では、全面自由化後、一時的な発電投資の落ち込みが見られたドイツの事例というのはあるものの、一般的には、全面自由化の実施と設備投資額との間には明確な関係は見出せない。なお、電源構成に影響を与える可能性については否定できない。

次に、原子力との関係でございますが、電力自由化が進展した欧米諸国では、スリーマイル島事故やチェルノブイリ事故を契機として、制度改革の進展以前から、原子力発電所の新増設を行っていない国が大半。つまり、欧米の先行事例では、なかなか定量的に検証することができないということでございます。なお、近年では、原子力発電に回帰する動きが顕著となっている。

我が国においては、原子力立国計画に基づく支援策が着実に措置されてきており、こうした環境整備を踏まえ、事業者もさらなる取り組みを積極的に行っている。また、地球環境問題の重要性の高まりや、一次エネルギー価格の上昇傾向を受け、原子力発電の競争力も向上してきている。いずれにせよ、小売全面自由化を行う場合には、こうした原子力を取り巻く環境を踏まえた上で、エネルギー基本計画で示された公益的課題等への影響に係る留意事項について、十分慎重に検討することが必要とまとめさせていただいております。

次に、送配電部門への影響でございます。

海外事例において、全面自由化の実施と送配電投資との間には明確な関係は見出せない。適切な託送料金規制により全面自由化が実施された場合であっても、送配電部門の設備投資に悪影響が出ないような枠組みを構築することが重要だとまとめさせていただいております。

32ページから36ページ目までというのは、前回の添付した資料をそのままつけさせていただいております。

次に、37ページでございます。

ここは、小売営業部門への影響ということでございます。供給義務が解除されるということで、最終保障サービスに係る何らかの措置が必要になると。小売全面自由化を実施している諸外国のうち、ほとんどの国において最終保障サービス提供者が決められており、事業者に需要応諾義務を課す国も多い。

小売自由化範囲の拡大は、遠隔地、島嶼部等、供給コストが高い地域へのユニバーサル・サービスの確保に影響を及ぼし得ると。したがって、ここでも何らかの措置というのを考えることが必要になってくるということかと思います。

その他、監視機関の設置など、消費者保護に係る各種の措置がなされている事例もあり、こうした事例も参照しつつ、必要な情報開示等の取り組みがなされることが望ましいとまとめさせていただいております。

最後、38ページでございます。

以上のことを全部まとめますと、まず、小売自由化範囲の拡大には、相当程度の規模の追加的費用が発生することが見込まれる一方、費用便益分析における効率化効果がどの程度実現し得るかは不確実であり、既自由化部門での需要家選択肢が十分に担保されないまま小売自由化範囲を拡大することは、家庭部門の需要家に自由化のメリットがもたらされない可能性があるにとどまらず、現時点においては、社会全体の厚生が損なわれるおそれが強く、望ましくないのではないか。

既自由化範囲において、需要家の選択肢の拡大の可能性は「潜在的」に存在するにとどまっており、現時点において需要家選択肢が十分確保されているとは評価できず、小売自由化範囲を拡大するに当たっての前提条件がいまだ整っていないのではないか。

以上を踏まえれば、現時点において小売自由化範囲の拡大を行うことは適切ではない。論点整理で掲げられた卸電力市場の活性化や託送制度のあり方などの競争環境整備に資する制度改革を具体的に検討すべきである。ただし、家庭部門の需要家の小売全面自由化に対する関心の高さ・自由化を望む声の多さにかんがみれば、当該制度改革が実施された後、定期的に改革の効果につき検証を行うとともに、一定期間が経過した際には、既自由化範囲における需要家選択肢の確保状況等について再度検証を行い、その結果を踏まえて、小売自由化範囲の拡大の是非につき改めて検討を行うべきではないか。

なお、現行の自由化範囲を維持する間は、これまでと同様に規制部門の需要家の利益が損なわれないよう、既自由化範囲における料金引き下げ効果が、規制部門の料金にも均てんされることを引き続き担保することが不可欠ではないか。

また、将来における小売自由化範囲の拡大の是非に係る検討に当たっては、公益的課題等への影響、及び小売全面自由化に伴い必然的に発生する課題を含め、エネルギー基本計画に示された検討のフレームワークに基づき、再度検討を行うとともに、小売自由化範囲の拡大を行う場合には、電気事業者の企業行動に与える影響に対して、適切な措置が事前になされることが必要ではないか。その場合、諸外国において講じられた措置、及びその最新の動向を参照すべきではないか。

以上でございます。

金本座長

どうもありがとうございました。

それでは、ただいまのご説明につきまして議論をお願いしたいと思います。前回と同じように、ご発言をされたい方は、ネームプレートを立てていただくようお願いいたします。

それでは、どなたからでもよろしゅうございますので。

横山委員、どうぞ。

横山委員

まとめのところで、今回は、前提条件がまだ整っていないということで、自由化範囲の拡大を行うことは適切でなく、今後、再検討されるときには、電気事業者の企業行動に与える影響に対して、適切な措置が事前になされることが必要ではないかということで、まさに私もそのとおりだと思います。前回、ユニバーサル・サービスなどについてちょっと申し上げましたけれども、ぜひ、今度、自由化範囲の拡大の再検討が行われる際には、その議論の中に、このユニバーサル・サービスのコスト的な話とか、供給責任の問題とか、そういうものを含めて議論をしていただいて、自由化範囲をどうするかというのを議論していくようにしていただければと、希望でございます。

以上でございます。

金本座長

どうもありがとうございました。

そのほか何かございませんでしょうか。

今、片山課長から13ページの指標の評価についてというところ、前回議論していただかなかった点について、こういう結論を書いているけれども、大丈夫かという、そういうお話がございました。

鶴田委員、どうぞ。

鶴田委員

最後の38ページのまとめのところを読んでおりまして、非常に適切かつ立派な結論だと思いました。私は全面的に賛成でございます。小売自由化範囲の拡大を行うに当たっては、その前提条件をきっちり満たせということが、まず前半のパラグラフで述べられていて、その前提条件とは最終ページの真ん中に書いてございますように、現行の電力市場における競争環境等々、需要家選択肢をめぐる論点にかかわるところでございますが、それが満たされた後で自由化に進むべきだということが報告書の結論であります。しかも、この場合でも今回で自由化の旗をおろしてしまうのではなく、さまざまな制度改革を行った後に、需要家選択肢の確保状況についての検証を行った上で、小売自由化範囲の拡大の是非を改めて検討しなさいということでございますから、小売全面自由化の旗はきっちりと掲げられていることについて、私も共鳴するところであります。

需要家選択肢の確保についてでございますけれども、報告書とは別に添付されております論点整理ペーパーのところの前半できっちりと論点が書かれていると思います。皆様のテーブルにも置いてあると思いますが、論点整理ペーパーでは、1.電気事業制度改革にあたっての基本的な考え方、2.電力市場における競争環境・需要家選択肢をめぐる論点、3.安定供給をめぐる論点などが整理されており、大きな枠組みの中で実にさまざまな論点が指摘されております。

まず、1.電気事業制度改革にあたっての基本的な考え方、では、(1)で安定供給・環境適合・競争と効率性を同時に解くことの重要性が指摘され、(2)では需要家の視点に立って電力市場の再整備の必要性が強調され、(3)では、独占と規律の観点から時代の要請に応じた「日本型モデル」の再構築についての言及がなされるなど、全面自由化を推進するに当たっても、改めて考慮されるべき大きな論点が残っているという印象です。

2.電力市場における競争環境・需要家選択肢をめぐる論点がございますが、先ほどの結論のところで、自由化を行う前提条件を整備しろというご指摘がございましたけれども、この前提条件についても幅広く、奥行きのある論点が提示されているように思います。

特に、この中で競争的環境の維持・整備が電力市場・産業の健全な発展にとって好ましいという認識が示されており、私も共鳴する点でございます。その次に、「結果としての平等」と「機会としての平等」のいずれの立場に立って考えるのかという論点が提示され、私は「結果としての平等」よりも「機会としての平等」を追求すべきだと考えますが、公正な競争環境を整備していく上で、どちらのアプローチが必要かという論点はワーキンググループで議論すべき問題であると私は思います。重要なのはその次でございまして、5ページから6ページで、発電・卸市場の競争活性化と小売市場の競争活性化、送電・系統運用部門の公平性の担保と、この3つが相まって初めて需要家選択肢の確保につながるのではないかと指摘されております。したがいまして、需要家選択肢の確保との観点から以上の3つの論点について、きっちり議論しておくことが大事だと思います。

私がうまい表現だなと感じましたのは、「自由化の広さ」と「自由化の深さ」という表現です。「自由化の広さ」は自由化範囲の拡大のことを言っているのだと思いますが、「自由化の深さ」とは有効な電力市場を創設していくためのさまざまな制度改革を意味しているのだと思いますが、多分、前提条件をめぐる議論は「自由化の深さ」と密接に関連している議論だと思います。

6ページの(2)送電・系統運用部門の公平性をめぐる論点でも、議論すべきことが多々あると思います。特に、非常に重要な論点は、送配電部門の透明性・公平性が確保されているのかどうか、広く市場参加の信頼が確保されているかどうかということでございまして、これらの論点は絶えず改めて考えてみる必要があると思います。

私は、送電部門について幾つか疑問点がございますけれども、特に次の託送料金と同時同量・インバランス制度にかかわる論点は、極めて重要であって、このワーキンググループでも時間をかけて議論しなければならない論点だと思います。それは、その次の託送料金に係る規制とも関連がございまして、送配電部門の会計整理とか、あるいは、託送料金に係る規制が料金の公平性とか料金の低廉化に向けたインセンティブとか、投資に向けた適正なコスト回収・利潤確保等々が指摘されておりますけれども、前回の制度改革で取り上げられた論点ですが、これらがそのような成果と結びつき、どのような問題を内包しているのかはこのワーキングで検証すべきテーマだと思います。

7ページ(3)インバランス、同時同量という論点は、新規参入者と一般電気事業者の間のイコールフッティングが確保されているか否かという視点から、現行の仕組みについて改善すべき点がないか否かを検討していくことが大事だと思います。

その次の9ページですか、(3)発電・卸市場における競争環境をめぐる論点でございますが、取引所の活性化をどういうふうな手順で、どういうような考え方で進めていき、取引所の機能を高めていくのかという論点は極めて大きな論点でございます。こういう重要な論点を積み残したまま小売全面自由化に進むのではなくて、日本の電気市場の制度を整備していくことがまず当面の課題か思い、きょうのペーパーの一番最後のまとめのところで、簡潔にかつ非常に大きな視点から論じられており、私は全面的にサポートするものであります。

以上、少し長くなって申しわけありません。

金本座長

どうもありがとうございました。

では、川﨑さん、お願いいたします。

川﨑オブザーバー

需要家選択肢の確保状況ということでお話がありましたので、一言お話しさせていただきたいといます。

私ども電気事業者といたしまして、競争の下で事業の効率化に努めてまいりまして、なるべくお客様に選択していただけるよう努力を日々やっているつもりでございます。その点はアンケートでも、既にほぼ半数のお客様が現在の電気事業者の契約に満足いただいているということで、アンケートという制限はありますけれども、そういう回答をいただいていると理解しております。

ただ、制度改革の目的そのものは、あえて言うまでもなく、お客様利益の拡大というところにあると思いますので、そういった競争を通じまして、事業者の効率化を促して、効率化した事業者がお客様にご選択いただくということが重要だと思います。

そういう意味で、既に自由化されたところでは、制度改革評価小委の報告書にありますように、自由化開始以来、料金が2割低下していますし、さらには、その部分は家庭用のところにも均てん化しているということは、既に皆様もご承知いただいていると思っております。

家庭用につきましては、自由化のところの均てん化以外に、ガスさん等の他のエネルギーとの競争やCOを考えて、地球環境問題に適応した電気のよさをPRするといったことから、選択約款も含めまして、お客様にいろいろなメニューを提供してサービスの拡充に努めてまいりました。その結果、お客様ニーズ並びに利便性の向上というところには、少なからずプラスの働きができたのかなと思っておりますし、一昔前に比べますと、電化のよさというものも、お客様にご理解いただけつつあるのかなというところで、そういう意味でも、お客様利益の拡大につながっていると考えております。

今回のワーキングの議論につきましては、今まで以上に、お客様の利益の拡大ができるかどうかといった点について、自由化範囲を拡大することによってどうなるのかといったところでご議論がなされていると私どもは考えております。

金本座長

どうもありがとうございます。

では、山地委員、どうぞ。

山地委員

この資料3のとりまとめに関しては私も賛成で、特に申し上げることはないんですが、先ほど鶴田委員がうまく説明されたように、自由化の広さと深さという点では、今から深さの検討を重要視すべきで、広さについては、とりあえず今までのところうまくいっている、これ以上というところのプラスアルファは少ないんじゃないかという話だと私も理解しています。

ただ、資料をさっきから見返してて、29ページの前回随分議論した費用便益分析のまとめのところのページが29ページですけど、あのところで議論があって、結果には相当程度の幅が生じ得ると書いてあるんですけど、特に効率化効果と営業活動費用、そちらにそういう指摘があったと思うんですね。2段目で、メータリング費用やシステム費用の追加コストは必ず発生する費用で、こちらはより確実なんですよと書いてあります。つまり、不確実というか、相当程度の幅があるというのは、効率化効果とか営業活動費用のほうだということをもうちょっとはっきり言ってもいいのかもしれない。我々は、前回議論したから頭の中に入っているんですけど、まとめの中でそれを盛り込んだほうがいいと思います。

それと、前回の後半でも言いましたけど、メータリング費用、システム費用の追加というところは、結局、電力会社の今までの経営において、メータリングとか需要家の接点のところを人力に頼っていたというんですか、そういうシステムがあったということで、今後、自由化していく中で、なかなかそれが費用のかかる項目になっているということだと思うんですけれども、そこを長期的に、前回も申し上げましたけど、情報化社会が進展する中で、需要家との接点のところをいかに効率的にと申しますか、フレキシブルに対応できるようにするか。これはかなりテクニカルな課題かなと思いますけど、今後、需要家範囲を広げていこうとすると、課題になるところかなと思っております。それがどこかに何かの形で表現されていれば、より適切かなと思うところです。

以上でございます。

金本座長

どうもありがとうございます。

29ページのあたりは、ちょっとだけどこかに、最初に行くのか、次に行くのか、つけ加えたほうが丁寧かと思いますが、いかがでしょうか。

片山電力市場整備課長

そういうご意見で、ご異論がないということであれば、今の山地委員のご発言以外にも、いろいろきょうご議論いただいた結果を踏まえて、事務局で整理をさせていただければと思います。

金本座長

2番目の論点についても、前回、かなり議論をされたんですが、自由化の深さというところに加えて、メータリング等の技術的な進歩というのもどこかに入れておいたほうがいいのかなという感じは同感でございますので、その辺も少し検討させていただければと思います。

そのほか何かございますでしょうか。

片山電力市場整備課長

事務局が議論に参加するのもいかがなものかというところがあるのかもしれませんが、先ほど川﨑オブザーバーから、事業者の立場から見て、今、一般電気事業者は企業努力によって、自由化範囲の需要家に対しても、あるいは規制下の需要家に対しても、顧客満足度というものの向上にずっと努めてきていて、その結果が今のアンケート、特に大口需要家のアンケート結果で既契約への満足度の高さに出ているんじゃないかというご発言があったかと思います。

おそらく、今の時点でのファクト自体を否定するものではないということではないかと思うんですけれども、ここで議論しているのは、今、ある意味で法律によって参入規制をかけていて、そこを解除することによって競争が起きて、したがって、今の料金規制のあり方を変えていくということができる前提条件が整っているのかどうかというところで、需要家選択肢の確保状況等のご議論をいただいているということで、そこに確信が持てるところまで、ある意味で今の自由化範囲で需要家選択肢が確保できていると言えるのかどうかという観点でまとめた場合に、こういう結論を13ページで書かせていただいているということでございまして、私の言っていることと川﨑オブザーバーの言っていることというのは、別に矛盾するものでも何でもないと思うんですけれども、何といいますか、着眼点のディメンションが若干違うということではないかと思います。

以上です。

金本座長

テーマが自由化範囲の拡大というところに絞ってありますので、あまり余計なことは書いていないということだと思いますが、川﨑オブザーバーの言われた話は、前提として理解されているのかなと思います。

では、白羽様。

白羽オブザーバー

非常に短期間に報告案をまとめていただきまして、ありがとうございます。

最後の38ページのまとめの記述内容につきまして、2点ほど述べさせていただきたいと思います。

まず初めに、冒頭のところで、今、全面自由化をしてしまうと、社会全体の厚生が損なわれるおそれが強く、望ましくないと記載されておりまして、この部分は、今回の費用便益分析結果などを受けてまとめられていると思いますけれども、今回の結果が示唆しているところは、競争環境が十分に整備されていなく、需要家選択肢が十分に担保されていない現時点において、全面自由化を行うということは、リスクがあって望ましくないということと理解しております。

社会全体の厚生を損なうという表現だけがひとり歩きしてしまって、自由化そのものに大変悪いイメージがついてしまうということも危惧されますので、そのようなことがないようにお願いしたいと思っております。

それから、2点目でございます。まとめの3つ目のところで、全面自由化については、現時点において、小売自由化範囲の拡大は適切でないという判断がなされているということで、全面自由化に期待する私どもとしては、大変残念な結果ではございますけれども、このワーキングでの議論を重く受けとめております。

しかし、「家庭部門の需要家の全面自由化に対する関心というのは高く、自由化を望む声は多い」というアンケート結果を取り上げた上で、「一定期間が経過した際には、需要家選択肢の確保状況等の検証を踏まえて、小売自由化範囲の拡大の是非につき、改めて検討を行うべき」とされたことは、需要家の意識を尊重した大変重要な指摘であると思っております。

この一定期間がどれくらいの期間なのかにつきましては、今回の資料では具体的なイメージというのは書かれておりませんけれども、前回申し上げましたが、現在の部分自由化が最終の到達点であってはならないと思いますし、こうした需要家の全面自由化への期待にいち早くこたえるためにも、可能な限り、関係者で一定期間についての認識の共有を図ることが必要ではないかと思っております。

私どもといたしましては、本資料にもございますように、まずは競争環境整備に資する制度改革を具体的に検討していただき、追加的な競争政策が適用されて、その結果が検証され次第、時期を逸することなく、速やかに行っていただくことを期待したいと思っております。

なかなか具体的なイメージというのは難しいと思うんですけれども、2年か3年ぐらい先なのかなと思いますけれども、ぜひ速やかな実施ということに期待したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

以上でございます。

金本座長

どうもありがとうございます。

最初のところについては、そういう印象を持たれるか、自由化全体がだめだという議論ではございませんので、その点は、ここの文章を変えるというと、またなかなか難しいところでございますので、それを含めて、あと、ちゃんと説明していただくということかなという気がいたします。

一定期間が経過した後で見直しという2点目については、このワーキンググループで結論が出せるものでもございませんので、引き続き分科会でお願いをするということで、そのとき、違う方が出ておられますので、よろしく引き継ぎのほどということで、よろしくお願いします。

では、鶴田さん、どうぞ。

鶴田委員

さきほど川﨑オブザーバーのお話を承っていて私は安堵した面がございました。と申しますのは事業者の方々が、自分たちのビジネスに対して胸を張ってこうやっているんだということが言えないと、私たちは不安になってしまうのですけれど、川﨑さんご指摘のようにすべての電力企業さんが一生懸命に努力され、安定供給に努めながら最善な供給システムを構築され、効率を達成するために実にさまざまな努力をされているというご主張でしたが、私もそう思います。事業者の方が胸を張って自分たちの供給システムについていつでも言っていただきたいと思います。

先ほど課長もおっしゃったように、それは課長が認識されている世界でもございますから、今後もそういう点については、どうぞ、大きな声で胸を張って話していただきたいと思います。ただ、私とは問題を捉える視点が違います。例えば私は制度改革に携わっていて、ほんとうに広く市場参加者の信頼が得られるような、そういう送電・系統の運用はできているのかどうかとか、系統運用に関して公平な負担の仕組みになっているのかどうかとか、既存の事業者と新規参入者のイコールフッティングが確保されているのかどうかとか、取引所の活性化というものを、もう少し国民経済的な観点から考えていったほうがいいのではないかと私は常々思っておりましたものですから、先ほど、こういう論点を全面自由化の前提条件として検討することは大事だと申し上げたわけであります。

私の主張は、今までの一般電気事業者のご努力を否定するものではなくて、一層、国民経済的な観点から見て、電力市場の制度が充実したほうが全体的なウエルフェアは増大するということから申し上げているわけであります。特に取引所に関して論点整理ペーパーの10ページで、4つの論点が書かれております。

まず第1に、卸電力取引所にどのような役割を期待するのか。第2に、売り手・買い手の観点から、取引を活性化するめのインセンティブや制度・規制的アプローチなどさまざまな活性化策をどう考えるかということ。第3に、取引所の市場監視のあり方をどう考えたらいいのだろうかという論点。第4に、取引所そのもののガバナンスのあり方をどう考えるのかという論点。これら4つの論点については、川﨑オブザーバーと私とは検討したほうがいいよというところで一致する点であると思っております。このワーキングは議論を深める場でございますから、立場の違いから意見が異なることもあるかと思いますが、本音の議論を重ねながらいい制度を創り出して行ければと思います。

金本座長

どうもありがとうございました。

大分、先の議論が多いようでございますが、そのほか何か。

では、どうぞ。

三村オブザーバー

今回見せていただきました38ページのまとめついては、私も、自由化することや自由化は避けて通れないことと思っていましたが、今直ぐには踏み切っていただきたくないというのが正直な思いですので、このまとめは評価したいと思います。

ただ、何も知らない消費者の多くが、審議会では自由化を前向きで検討しているのだと思っていたら、ここで自由化は見送りになったらしいなんて安易に思われては困るので、時間をかけて検討した結果として、この内容をしっかり公表していただきたい。審議会が終わった後で結構ですので、何らかの形で、先送りしたということをきちんと説明していただきたいと思います。それから、自由化を先送りにすると決まったら、今自由化されている範囲を定期的に評価し、自由化の範囲拡大後の参考になるような検討を重ねていっていただきたいと思います。

私は素人ですので、勝手なことを言わせていただければ、全面自由化が決まったが選択肢の量が少なく、比較して選べない状況だったなんていうのは困るのです。ですから今後どうしたら選択肢を増やしていくことができるかということまで含めて検討を重ねていただきたいと思います。

それから、以前、課長さんに申し上げたら、そんなことはできないと言われたことですけれど、実は、卸電力取引所を2回見学に行ってきました。最近行ってみましたら、人数も増えていましたし、パソコンの数も増えていました。前よりずっと活性化してきているなと思いました。私は、電気という形のない、しかも貯蔵することもできないものを売っているのが卸電力取引所ですが、折角取引所を作ったのですから電気は全部ここを通して売買するとしたらよいのではないかと、私はそう思いました。例えば生鮮食品の卸市場のように市場を通さない産直もありえますが、電気は全てここを通したらよいのではないかと言ったら、課長さんから、そんなことはできないと言われました。単純に、いまだに、再度見学してみて活性化してきているのだから、できるのではないかなと勝手に思っています。ですから、発電設備を持たないPPSが大いに利用できるという形になれば、消費者にとっての選択肢はもう少し増えるかなと思っています。

それから、私は、電気事業者さんというのは、ガスの事業者さんもそうですけれども、実際には、消費者に一番近いところにいると思うのです。特に電気は、日本国民全部、使っていない人はいないわけです。電気は、みんなが使っているのだから、本当は使ってもらっているという、私の立場で言うのはおかしい言い方ですが、そういう形で事業者がお客様を見たときに、やはり発電所の近くに住んでいる人、あるいは使っている私たちのようなお客もそうですが、皆ステークホルダーだと思います。ですから企業の社会的責任として、しなければならないことがたくさんあると思います。情報を正しく流していくということもその一つですが、電気事業者は、消費者の近くにいるのですから、消費者に情報を提供することも一番やりやすいのです。そして消費者が育ってきてから、自由化に踏み切らないと最終的には消費者を路頭に迷わせることになります。よくそうなってもこれまでどうりに一般電気事業者のところに残るのですから、裏返せば、消費者は喜んでいるので、それでいいじゃないと言う人もいますけれども、私はマイラインのときのことを思いだすのですが、当時は、消費者はほとんどの人がNTTに残ったと思います。ですけれども、時間がたつとだんだん自分なりに情報を得て考えて行く人が増え、また、間に入って仲介する業者が出てきて、契約の変更をすすめるということになる。電気も将来はそういう方向になるだろう思えるのです。そう思ってくると、消費者は手の上に乗っていつまでも転がされているだけではない、自分でもだんだん考えるようになっていくのだということも、電気事業者さんは真摯に受け止めて置かれることが必要だと思います。自由化に踏み切る前にどういう状態で踏み切っていくのかの検討が要るのではないかなと思います。

ひとまず以上です。

金本座長

どうもありがとうございます。

これの公表については、公開の場ですから、全部公表されるという、そういうことかと思います。

自由化をやめるというわけではないということは、そのとおりかと思います。うまく機能するために、これからさらにご議論をいただくということかと思います。

特に何か事務局からございますか。

片山電力市場整備課長

日本卸電力取引所ですべての電気の取引を集中という、これはいわゆる全面プール制と言われているやつで、これをかつて採用した国も現実にございます。ただ、なかなかうまくいかなかったというところがございまして、非常に簡単に言いますと、電気は、同時同量が達成されなきゃいけないものですから、最後の入札者がかなり価格をコントロールできる。幾つかの入札行動をやっていく中で、そういうことがわかってくると、卸電力取引所でつくお値段が高どまりしてしまうといったことがあって、むしろ全面プールというのがうまくいくのかどうかというところについて、かなり大きな議論があって、先行してやった事例というのはイギリスでございますけれども、イギリスは、全面的に取引所で電気の取引を集中するんじゃなくて、相対取引も認める形でやるという方向に変わっていったんじゃないかと思っております。

ただ、取引所での取引が活性化されないとPPSの電源調達というのもなかなか難しいんじゃないか。PPSの電源調達が難しいと、小売市場での競争が起きなくて、消費者の選択肢というのも増えないんじゃないかというご指摘は、まさしくそのとおりだと思います。

そういう意味で、具体的に鶴田委員から先ほどご発言がございましたけれども、どういうふうにそれを考えていくのかというのは、おそらく分科会からこのワーキングに、もう一度きちんと検討してほしいとまたおりてくる重要なテーマではないかと思っております。

それから、今回の電気事業分科会あるいはこのワーキングでの自由化範囲をめぐる議論について、なぜこういう結論になったのかというのは、わかりやすくきちんと説明していく努力をすべきだというご指摘だと思いますので、それはいろいろとやっていきたいと思っております。

以上でございます。

金本座長

全面プール制はまだオーストラリアがやっていると思いますが、少なくなっておりますが、これがいいんだという国もあるというところでありまして、全面的にだめだということでも必ずしもないかなと思いますが、なかなか難しい仕組みであるということも事実かと思います。

大日方委員さん、どうぞ。

大日方委員

38ページの結論に関しては全く賛成で、表現を変えていただくようなこともないんですが、ただ、個人的な感想として2点ほどお話ししたいことがありまして、1つは、この報告書といいますか、ペーパーが定量的な事後評価、事前のシミュレーション、海外事例の客観的なデータということで、従来にはない行政のペーパーだという形では、その意味ではプラスの評価をしたいんですが、私がちょっと懸念する点がその点にあって、1つ、例えばPPSの参入シェアみたいなものがデータとして出てきたときに、これがあまり伸びないんだったら、次の段階に進めないというブレーキに使われるのも困るし、逆に、無理やり、これが何%にならないと、政策は失敗なんだという形でおかしなアクセルに使われるのも困るというのがあって、定量的なデータがかなり ウェイトが高いんですが、おそらくそういうつもりはないと思うんですけれども、将来の自由化のブレーキになるのも困るし、強制的な、破壊的なビッグバンを起こされるアクセルになっても困るので、そういうのを懸念するのが1つ。

もう一つは、結論としては、ほんとうに変わらないんですが、電気事業分科会事務局としていただいた参考資料論点整理に書かれていることとの間に、多少のギャップを感じていて、何かというと、量的な問題ではなくて、私自身、個人的な感想なんですが、現状において、すぐにでもできることとか、すぐにやらなければいけないということが残されているのではないかという感覚を強く持っているんですね。ですから、次のステップへ進むよりも、前にやるべきこと、それが必ずしも定量化して効果がわかるようなものか、あるいはあらわれるものかはわからないんですが、細かい論点、いろいろ書いてあるんですが、その重要性が私は高いと思っているので、シミュレーション結果のみに依存することなく、まずやるべきことの重要性というのを認識しているわけです。

ただ、文章としては、まさに気持ちの問題のことなので、うまく書けないのかもしれませんけれども、真ん中辺、青いところの競争環境整備に資する制度改革を具体的に検討すべきであるというところに私は読み取っているんですけれども、その辺は個人的感想として、あまり量でははかれない問題、それから喫緊の解決すべき課題、今後すぐなされると思いますけれども、そういうことがあるという意味で、最終的にはこの報告書には賛成いたします。

金本座長

数字とか分析、定量的な分析の使い方については、かなり注意して最終的なまとめの文章になっているのかなと思います。数字だけ簡単に推計してばっさり、これが100%正しいんだということにはならないように、かなり注意深く書いていくというつもりでございます。

実際、まだ数字をいろいろ検討するということを表に出すということはあまりないんですが、10月から規制評価が義務づけられまして、やらなきゃいけないということになりますので、その前哨戦というか、そういうときに、そういう数字をどういうふうに解釈して、どういうふうに書いていくかというところを大分注意してみたというつもりであります。そういうものを、検討のための有益な情報でありますが、それだけでうのみにして決めることはできないということを明確にしておく必要があるかなという気がいたします。

あと、2番目の論点については、もっと重要な問題があるからやらないよというのは、今回については明示的には言いにくいというか、言えないという感じかと思います。もともと今回の見直しのミッションとして、全面自由化の検討というのが掲げられておりますので、もっと重要なことがあるからやらないよとかいうのは、なかなか言えないのかなという感じではあります。

事務局から何かありますか。

片山電力市場整備課長

おそらく自由化範囲を広げて、家庭部門まで自由化をするとなりますと、やはり電気事業制度の制度設計が相当大きく変わるということになろうかと思います。したがいまして、事務局として、電気事業分科会に、自由化範囲を広げるほうを優先して議論するほうがいいのかどうかというところをまずご検討していただければということで、このワーキングにミッションがおりてきたということではないかと思います。

今の制度設計の中で残された課題が何もないというつもりは全くなくて、そこはこの論点整理の中にも種々取り上げられているところではないかと思います。

その場合に、定量的な費用便益分析で出てきた、例えばDケース、いろんな課題みたいなものの解決をしながら、同時的に自由化範囲を広げるということをやるのがいいのかどうかというところについては、効率化効果というのはよく見えないんじゃないかといったご議論もあったかと思いますので、まずは、今の自由化範囲の中で、比喩的に言うと、自由化の深さの議論を先にやって、その後、もう一度、再度という手順ということではないかというのが最後のまとめのところに書いてあることではないかと思います。

あと、海外の事例で、競争促進のための非対称的措置を導入してやった例もあるということで、具体的にペンンシルベニア州の例ですとか、テキサス州の例ですとかご紹介をいたしましたけれども、少なくとも、そういうことをサポートするご意見はなかったんじゃないかなということもございますので、まずは、競争環境整備というのをやって、その後、様子を見てということで、ここのワーキングのおおむねのコンセンサスになっているんじゃないかと思っております。

以上でございます。

金本座長

松本オブザーバー。

松本オブザーバー

ありがとうございます。

小売自由化範囲の拡大についてでございますが、意見を述べさせていただきます。38ページのまとめにありますとおり、まだそういう状況が整っていなくて、まずは、競争環境整備に資する制度改革を具体的に検討すべき、こういうまとめに対しまして、全面的に賛同を申し上げるところでございます。

特に、卸市場の活性化につきましては、最終的に、需要家、お客様の価値の向上につながるものでございますので、ぜひとも、今後、よろしくお願い申し上げます。

以上でございます。

金本座長

どうもありがとうございます。

松村委員。

松村委員

まとめも含めて、私はこれでいいと思います。

一応確認です。最初の点、社会全体の厚生というところを先ほど白羽さんがご指摘になっておられたのですが、この前のところでは、すべて総余剰、社会全体の余剰という言葉が使われていています。まとめで出てきた社会全体の厚生という言葉は、当然、その意味で使っているということさえ確認すれば、問題ないと思います。

経済学者としては、総余剰を社会厚生と読みかえるというのは自然で、当たり前のようにやっていたのですが、前任校にいたときに、経済学以外の人から、総余剰を社会厚生と安易に言うのは経済学者の傲慢であると指摘されたことがあります。総余剰というのと社会厚生というのでは受けとめ方が全然違うと。そう考える人もいるということを念頭において、ここでは総余剰のことですという点を、この場で確認しておけば、書き換える必要はないと思います。

これ以外の点は今回のミッションと関係ないことだったので、少し我慢していたんですが、少し発言させていただきます。まず、先ほど三村さんから強制プールというか全面プールの話が出てきて、それはできないと回答された、と発言されましたが、それは誤解なのではないかと思います。制度設計の段階で、そもそもこの取引所ができる段階で、いろんな考え方あり得ました。強制プールのようなものも1つの極端な選択肢としてあり得たのだと思います。この選択肢を取った場合にはメリットだけでなくデメリットがあるわけです。取引が活発になるという意味で、全面プールは良いように見えるかもしれませんが、デメリットもたくさんあるわけで、これらの点を検討した結果として、全面的な強制プールを採用しなかった訳です。それをすぐに変えるというのは無理だと、そういう意味だと僕は理解しています。技術的に絶対不可能とか、選択肢として未来永劫あり得ないとかとうことではないと思います。

全面プールと今の私設任意という二者択一の問題ではそもそもなくて、その間には、連続的に公の関与をもう少し強めるとかいう選択肢があり得ます。すぐにこの後のワーキングでも、取引所に関連する議論が出てくると思いますから、その局面でも、ぜひ積極的な関心とご発言をお願いしたいと思っております。

それから、川﨑オブザーバーから、競争のことで、現行でも競争があるのだという指摘、激しいエネルギー間競争への言及が少しあったと思います。資料でも出てきたと思うのですが、この点について私は懸念を持っています。この報告がそのまま電気事業分科会で承認されるとすると、当面は全面自由化しない、当面は家庭用需要に対して規制の体系が続くことになるわけですから、非自由化市場において、どういう料金体系、どういう企業行動が望ましいのかを今後きちんと議論していく必要があると思います。このワーキングのマターではないというのは十分わかっているのですが、ぜひとも関心を持っていただきたいと思います。

全面自由化をしないとなると、競争はエネルギー間競争に偏るという格好になって出てくるわけですね。そうすると、当然、予想、懸念されることは、競争が、スイッチングコストを高めて、お客さんを囲い込むタイプのものに偏って出てくるという懸念があり得ます。規制市場における競争に関して、完全に事業者の自由で問題ないというわけには絶対いかないと思います。自由化された後に許されることと規制下で許されることは全然違うということをきちんと認識していただきたいと思います。

例えばオール電化に対して、大量に広告を打つということがあったとして、そのためにコストが上がって、家庭用の料金の引き下げというのができないなんていうことが仮に起こったとします。例えば先ほど三村さんがご指摘になったマイラインのような状況だったとすると、NTTが大量に広告を打って、その結果として通信料が高止まりしたということがあれば、大量に広告を打っていたって、消費者はそっぽを向いてほかの業者に移るということはできるんですが、電力市場は当面そういうことはできないというスキームにするわけですから、その場合に、完全に自由に幾らでも広告をうってもいいのかどうかに関して、きちんと考えていく必要があります。

選択約款についても同じで、スイッチングコストを高めるオール電化割引というのがあったとしても、電気事業者の方がことあるごとに環境特性が非常に良いと言及されるエコキュートに関しては、エコキュート割引はない。こんな料金体系が、選択約款として自由に選んでもいいのかということも含めて、ちゃんと考えていく必要があります。この点については、当面自由化をしないということを前提とすれば、さらに重要性は増すことだと思いますから、長期的にというか、次の課題としてきちんと認識して、これらの点についても考えていただきたいと思います。

以上です。

金本座長

今後の検討課題かと思いますが、あと、西澤オブザーバー、お願いします。

西澤オブザーバー

ありがとうございます。

今回のとりまとめにつきまして、先ほど、先生方からも技術的な事実のデータをいろいろ示されてという形で、おそらく海外の客観的なデータを見ると、やはり全面自由化に移行した後、いろいろ課題が残っていると、抱えていると。一方で、我が国のこれまでの自由化というのはある程度評価できると。一般の家庭用にも、それなりの効率化の成果というのは行き渡っているというところを踏まえると、現時点で、小売の自由化の範囲内であれば、お客さんの利益が確保できるという結論であれば、今回の結論を分科会に報告するということについて、私どもとしても異論はございません。

次に、何人かの先生方から、次の全面自由化のときにどういう視点が大事かというのも幾つかご議論があったものですから、事業者として考え方を述べさせていただければと思っています。

需要家の選択肢というのは、我々も否定するものではありません。自由化の意味合いというのは、選択肢が拡大することが非常に大きな柱になるわけですから、それ自体は否定するものではございませんけれども、それ以外にもいろいろ考えてもらわなきゃいけない論点というか視点があるんじゃないかというのがございます。

例えばこの中で、15ページに需要家の停電への寛容度もありましたけれども、そういうものを含めて安定供給をどう考えるか。地球温暖化の問題がありますけれども、環境適合を踏まえてどう考えるか。

それから、家庭用へ行った場合に、ちょっと細かい話になるかもしれませんけれども、1つとして、例えば家庭用の電気料金で、今、ナショナルミニマム的なところで料金を設定しているところがあるわけですけれども、こういうのをなくしていくのか、その場合、どういう影響が出てくるのか、それをなくした場合、何かしらセーフティーネットといいますか、これは最終保障とかユニバーサルも含めてですけれども、そういうセーフティーネットをきちっと設ける。設けた場合、だれが負担するのかとか、先ほどちょっと片山課長からありましたけれども、20ページとか21ページで、海外の事例で、強制的に供給者を割り当てるといいますか、スイッチングさせているというのは望ましくないのがここの結論かなという形ですけれども、やはり、そういう強制的な規制というのは日本としてはとらないというところをきちっと評価して、そういうのは非常に望ましくないと、このようなわけで望ましくないというところの評価が大事ではないかと思っています。

そういうものを含めて、おそらく全面自由化については再度いろいろ議論することもあるかと思いますけれども、我々として、事業者としてある程度といいますか、ある意味でリスクとして思っているのは、先ほどちょっと片山さんもおっしゃいましたけれども、全面自由化したときの規制のあり方というのは一体どうなるのかというところが全然見えないと、それは我々にとっても、ビジネスの展開をする上で非常なリスクを抱えているということになります。

そういうのも含めて、先ほど安定供給とかいろいろ言いましたけれども、選択肢の拡大のみならず、いろいろな見方で、長短得失等、次回やるときは、おそらくもう少し突っ込んで、具体的にどうするかというところを議論して、そこでの結論を我々としてもいろいろな意見を、先ほど鶴田さんがおっしゃったように、我々としても意見を述べますけれども、述べたうえで、そこで決まった結論を我々としても受け入れていくということになるのかなと思っていまして、次回やるときには、幅広い観点から、いろいろ突っ込んだ議論をしていただければというのは、最後、お願いで申しわけございませんけれども、事業者としての考え方で、この結論については、我々としても上へ上げることは、異論は一切ございません。

金本座長

どうもありがとうございます。

ほんとうにやるときは、ちゃんといろいろなことを考えなきゃいけないというのは、ご指摘のとおりだと思います。今それをやると空振りになりそうなのでというところで、重要な論点だけ取り上げているといったことだろうかと思います。

鶴田委員、どうぞ。

鶴田委員

ありがとうございます。

今、西澤さんがおっしゃった点で、かなり共鳴するところが私もございます。例えば規制はどういうふうにあるべきかとかいうこと、あるいは強制的規制についてどういう考え方をとるのかとか、共鳴するところが多々ございました。

今、西澤さんが初めて環境適合ということをおっしゃいましたが、私が先ほど札を立てましたのは、環境の問題と全面自由化とのことは、きょうのペーパーではどこにも出てこないんですが、それは議論しなくていいのかどうかということに疑問を感じたからです。自由化とはそもそもマーケットメカニズムを活用するということでございますし、全面自由化はさらに広くマーケットメカニズムを活用していくというところが論点になっていると思います。論点整理ペーパーの環境のところを見ていますと、私は、この論点整理の考え方に基本的に賛成です。例えば論点整理の16ページのところで、市場メカニズムを十分に活用していくことが合理的ではないかということが書かれております。

それはどういうことかと申しますと、前段のところで、温暖化対策を講じていく上で、事業者がそれぞれの比較優位を踏まえつつ、そして、公正な取引・競争を確保するという視点を持ちつつ、そして、市場メカニズムを十分に活用していくことが合理的ではないかと、こういうつながりになっているわけです。

環境問題を考える場合に重要なことは、日本の環境規制はある種の強制的規制の性格をもっているように思えます。例えば京都メカニズムの活用を図ることは重要だと思いますが、現状は必ずしもそうなっていないと思います。また、安定供給との関係でも、電源ポートフォリオは広がりを持ったほうが事業者の選択肢を広げると思います。例えば17ページの石炭火力の問題が書いてありますが、石炭火力について、日本の場合にはかなりネガティブにとらえていく傾向があります。しかし、CDMクレジットの活用等を通して私は石炭火力を活用する余地があるように私は思います。

特に、論点整理の14ページで、石炭火力については、地球温暖化対策の観点からの批判があるが効率性や安定供給の視点からは、積極的に活用されるべきだと書かれています。私も共鳴する視点です。しかし、日本の現状を見ておりますとマーケットメカニズムを活用して環境対策を進めるという視点がやや弱いように思えるんです。したがって、どうしたらいいのかということは、山地委員がご専門でございますから、ご意見を承りたいと思いますけれども、いずれにしても、全面自由化との関係で、環境の問題をどう位置づけていくかということが、ペーパーでは全く触れられていないものですから、その議論はしないでいいのかどうかということを改めて確認させていただければと思います。

以上です。

片山電力市場整備課長

環境、COの話だと思いますけれども、一番大きく中長期的にきいてくるのは、電源構成の話だと思います。そういう意味で、電気事業者の企業行動に与える影響と、31ページのところで書いたことは、電源構成に与える可能性自体は否定できないということでございまして、どういうふうな影響が出てくるのかというところは、海外事例で検証していくのはなかなか難しいということなのかもしれませんけれども、いずれにいたしましても、日本でCOを減らしていくというときに、これは原子力立国計画の中でもいろいろと議論されましたけれども、原子力新増設あるいはリプレースというのをいかにうまくやっていくのかというのが非常に大きな課題だということだったかと思います。

もちろん、特に第1約束期間内というのは、それぞれの事業者が団体でおつくりになられる自主行動計画というところできちっとやっていこうと。それには、原子力というのもありますけれども、クレジットの活用というのをあわせてやっていこうということになっていようかと思います。

そういう意味で、まずは、電源構成のところで一応見ていって、原子力についてどういうふうに考えていくのかというのを整理することで、ある程度、COの話ということもこたえていくということではないかなと思っております。

以上でございます。

金本座長

ここは、小売全面自由化をするかどうかというところに焦点が当たっていますので、以前、全面自由化すると、原子力が立ち行かなくなるのではないかという議論をする方がおられたと記憶をしておりますが、そういうものを正面から取り扱ってはいないということは、鶴田委員もおっしゃられたことかなという気がいたしますけれども、それを考えなくても一定の結論が出るので、難しい問題をわざわざ、難しい問題というのは、ほんとうにそうなのかということを詰めて分析するのはなかなか難しいといったたぐいの問題でございますので、取り扱っていないといったことだけかと思います。

問題としては重要で、今後のさまざまな検討の中で多分出てくるのかなという気はいたしておりますが、そんなところでよろしゅうございましょうか。

そのほか何かございますでしょうか。

では、大日方委員、どうぞ。

大日方委員

38ページ真ん中、青い字のところの2つ目の後段なんですが、「定期的に改革の効果につき検証を行う」云々というセンテンスがあるんですが、これは、分科会からミッションがおりてきたのに対して、新たな提言を返しているというふうにもなる。これは別に反対でも何でもなく、ちょっと質問なんですけれども、具体的にどのような制度というか手続をイメージされているのか。中身がないと困るので、具体的なイメージはあるんでしょうか。それをちょっと教えていただきたいと思うんですけど。

片山電力市場整備課長

我々、幾つか手法はあろうかと思っております。毎年、電力市場の状況がどういうふうになっているのかというのは、市場監視小委員会で毎年1回レポートをまとめるというルーティンを今大体確立しているところでございますので、常設のものとしては、そこでやるというのが1つあり得るかと思います。もちろん、まだこういうことで、最後、分科会で結論を出していただいた後の話ですけれども、今ある仕組みとしては、まずその仕組みがございます。

それから、これまでの制度改革の評価をまとめて、これまで10年間何が起きてきたのかというのをやったものとしては、制度改革評価小委員会というものでやったという事例もございますし、やり方はいろいろあろうかと思いますし、制度改革の効果をどういうふうに検証していけばいいのかというのは、制度改革評価小委員会で、ある意味でいろんな手法を試しながらやったという経験値がございますので、大体どういうデータが世の中に存在して、大体どういう手法でやれば、限界はこうで、大体こういうことがわかるという経験はかなり積まれてきておりますので、そういう意味で、具体的にどうやるということ自体、決めているわけではありませんけれども、やりようはあるんじゃないかなと思っております。

以上でございます。

金本座長

そのほか何かございますでしょうか。

時間はたっぷりとってあるんですが、特にないようでしたら、早目に終わるのもありかなと思います。よろしゅうございましょうか。

三村オブザーバー。

三村オブザーバー

またつまらないことを言いますけれども、分科会で何回か言いました排出係数のことです。一般電力会社の件ですが、公取の指導でああいうふうに決まったという話を聞きましたので、競争の中であのような個別の排出係数が必要なんだろうとは思うのですが、私はやっぱり、全面自由化とは関係ないのかも知れませんが、実際に係数が低いところを選べば、電気の消費量を増やしても、自分のところのCOの排出が減っていくという、その流れはどう考えても変だなと思うのです。これは公取に言うべきかもわかりませんが、わかっている方からお返事をいただきたいと思います。

それから、もう一つ、電気の使用量というのは、原子力は夜発電しているということもあって、先ほど出ていましたエコキュートは、夜電気を使ってお湯を沸かし、1日かけて上手に使っていくとなるのでしょうが、一番電気を使う昼間ではなく、夜の電気を使って湯を沸かすのだからそれなりの意味があると、ご説明を伺って理解できました。しかし、実際に、省エネになっているんだろうかとあるNPOが意見を出しています。それも聞いてみるとそれなりに一理あるなと思うのです。なぜなら実際は、沸かした湯を使うのは夜という家庭が一番多いのだということです。沸かした湯は昼の間に温度が下がり、使用するときに追い炊きが必要になると思うからです。今回の自由化問題とはちょっと違いまが、電気を平準化して使うという意味では理解できます。これから猛暑になると言われていますが、将来的には電気の使用量は頭打ちになってくるのではないかと思います。自由化しても、価格が上がれば、使用は控えることになるのでしょうし、逆に価格が下がっていけば、使用量は増えることになるかも知れません。エアコンが各部屋全部についているとか、テレビが全部屋にあるという家もあるので、放っておけば電気の使用量はどんどん増えることになり、さらに設備投資が必要になるのではないかという心配もあります。しかし、徐々に省エネが進んできているということも言えます。そこでお願いですが、次に全面自由化を討議するときには、消費者行動を調査することをお願いしたいと思います。

これ等のことは私がずっと思っていたことですので、一言言わせていただきました。ありがとうございました。

片山電力市場整備課長

山地委員の前に、一言言いますと、個別の排出係数というのを公表する仕組みというもの自体は、環境省と経済産業省が連名でそういう公表ルールを決めているということでございまして、そういうことを決める場に、当然、競争に与える影響があるということで、公正取引委員会もオブザーバーで入ってきていて、一緒に議論をしていたという関係がファクトでございます。

以上でございます。

金本座長

山地先生は何か言いたいような感じですが。

山地委員

先ほど鶴田委員も環境適合性を取り上げられて、ワーキンググループもいずれこの環境適合性の議論をすると思っていますけれども、そのときに話せばいいと思って特に発言しなかったんですが、今また三村オブザーバーからもお話があったので、一言だけ申し上げます。一言だけにしますと、つまり、非常に重要でかつ難問ですから、ちゃんと資料も精査して、いろんな意見を闘わせた上で結論へ持っていくべきで、いま軽々にこうしたらいいという話じゃないと思うんです。難しいと思います。

今回は、自由化範囲の拡大と絡めてということでして、このワーキンググループの現在における議論の方向は、範囲の拡大は当面見送るということで、深さといいますか、そちらのほうが大事だという指摘でまとめています。そうすると、環境適合性についての議論も、自由化範囲の拡大という今回の議論との関係においては、あまりクリティカルなものにならないだろうというのが私の今の考えです。

もし、これが自由化範囲を拡大するほうがいいという話になってくれば、それによる事業者行動の変化によって、電源選択が変わってくれば、では、環境適合性の問題に関して、どう担保すべきかという議論はやらなきゃいけないんですけれども、それをしなくて済んでいると私は理解しております。

だから、私が言うべきことではないんですけれども、今後のワーキンググループの議論の中で、この問題を取り上げていけばいいんじゃないかと考えております。一委員が言うんじゃなくて、多分、事務局、座長の言うべきことじゃないかと思うんですが、私はこう思っています。

金本座長

三村オブザーバーの問題意識は、係の方々は共有されてはおるんだと思いますが、ワーキンググループでこれから議論、かかわることになるかもしれませんが、ワーキンググループで結論が出せるような問題でもないですし、電気事業分科会に上げても、結論が全部出るかというと若干問題ということがございますので、皆様方で検討していただくということかと思います。

ただ、一番重要なのは、なかなかそちら側の制度が最適なものにならないという状況があって、それを前提にすると、こちら側の制度設計もいろんな配慮が必要になって、面倒くさいことがたくさん出てくるというのが難しいかなと思っております。それは、また今後ご検討いただくということかと思います。

大日方委員。

大日方委員

ちょっと今までの議論とは観点が違うんですが、私、素人で混乱している面もあるんですけれども、自由化によるメリット、総余剰でとらえていて、計算が可能ではないということなのかもわかりませんが、最終的帰属ですね。転嫁とか帰着を考えないで余剰を考えているというときには、規制部門、家庭用の料金は下がらなくても、自由化部門で下がっていれば、余剰は増えているので、あるいは、めぐりめぐって、消費財の価格が上がらないという形で恩恵も得るわけですね。それは経済学的発想なんですが、ところどころ、何となく、規制部門の料金、イコール料金が値下げされるかどうか、イコール個人消費者の構成というニュアンスに聞き取れるところもあり、ここがちょっと書きぶりがはっきりしていないので、総余剰の問題と業種別の側の料金、あっていい格差とあってはいけない格差の問題ですね。内部保障もそうですし。ですから、直接的恩典と間接的恩典というのがあるんでしょうから、最終的にこの文章の文言を直すということではないんですけれども、その辺はどこかで説明する機会があれば、多少、どっちの視点で見ているかと、あるいは、どこにポイントを置いているかというのをわかりやすく説明してほしいと思うんです。

具体的には、38ページ、一番上の赤のところは総余剰という視点で書かれていて、下から2番目の赤、そこは部門別の料金の違いというのを問題にしていて、規制部門の需要家のメリットというのはダイレクトに料金に影響を受けるので、そこに着目しているんですが、プロフェショナルの方々には何の誤解もないと思うんですけれども、その辺、うまく表現していただくことを期待したいと思います。

金本座長

最後のまとめだけ見ると、ちょっとわかりにくいかと思いますが、ここでの検討、自由化範囲の拡大をするべきかどうかという話については、2つに分かれていて、1つは費用便益分析、あとは需要家選択肢の確保というところになっています。費用便益分析については、非常に狭い、定量化できるところだけやっているということで、経済厚生なり総余剰なりというのをほんとうに全部網羅しているのかというと、そうではなくて、かなりかた目にできるところだけやっているというのと、もう一つは、そういうものの通常として、どこに便益が帰着するか、だれが得をするかというところまで予測するのは非常に難しいものですから、そこはやっていないといったところがございます。

だれが得をする、だれが損をするということは問わずに、全体としてメリットが出ているかどうか、あるいは出そうかどうかということをやっているということでございますので、その辺は、あと、いろんなご説明のときにわかるようにしておく必要があるかなという気がいたします。こういうところに細かくそういうことを書くと、かえってごみごみして理解してもらえなくなるという気がいたします。

そんなところで、事務局、よろしいですか。松村委員はどうですか。

松村委員

すごく細かいことで申しわけないのですが、先ほど三村さんから排出係数のことで、公取に対する言及があったと思います。ここにもし公取の方がいらしたら、きっと猛反論されたと思うので、一応確認しておきたい点があります。まず、片山さんが、公取が決めたわけではないということはご指摘になったんですが、意見を述べたのは間違いないわけです。その背景は、PPS全体をならして排出係数、一般電気事業者全体をならした排出係数という発想が最初にあったわけです。こんなおかしな制度にすると、まさに三村さんがおっしゃったとおり、PPSから一般電気事業者さんに業者をかえて、エネルギー使用量が多少増えたとしても、排出係数の差の分だけ排出が減ったということが起こりえます。これは三村さんがご指摘になった理由でおかしいですよね。これは幾らなんでもおかしいし、競争政策上、変じゃないかと、これが最初の背景で、これに対してクレームをつけたと、こういうことだと認識しています。先ほどの三村さんの認識だと、公取が悪者で、競争政策の観点から環境に何か言った結果、良い制度がろくでもない制度に変わった、そういう認識にも聞こえなくはなかったんですが、多分、それは100%正しいというわけではないと思います。一応念のために。

金本座長

どうもありがとうございました。

そのほか何かございますでしょうか。よろしゅうございますか。

三村オブザーバー

もう言わなくてもいい話なんですが、本日は鶴田先生が全然おっしゃらないのですが、領収書問題を言いたくて、先ほど、こんなところで言うべき言葉ではない、ステークホルダーだの、企業の社会責任などということを申し上げました。鶴田先生がおっしゃっていらした領収書について、私なりに言いたいことが幾つかあります。うちの会員さんたちに、領収書を見せて、いろいろ、例えば消費税ではなく、消費税等と書いてあることなども理解しているかを聞いてみました。知らない人ばかりなんです。皆さんは、銀行からお金が引き落とされるとその金額で使用量が増えたか減ったかを感じているというのが実態のようです。また、これは全国的かどうかわかりませんが、去年の同じ月と今年とを比較して多いか少ないか分かるように使用量が領収書に記載されているのですが、そういうところは、あんな小さい字で見にくいと言いながらも、見ているという人が結構いました。そんな大勢に聞いているわけではないのですが、私はこの領収書が読み難いのは社会責任として、お客様に対して失礼ではないかと思うのです。この領収書は、もうちょっと分かりやすくできないのだろうか。それは、電気会社が全てを決めているのではないかもしれませんが消費者が判っていないのに、それでよいという考え方でいるのは問題だと思います。これこそ企業の社会責任なのではないでしょうか。

見直しを考えていただきたいと思います。

以上です

金本座長

どこで議論する話かよくわかりませんが、多分、ここではないことでございまして。

片山電力市場整備課長

一言だけ、別に領収書のフォーマットとかは規制しているわけではありませんので、それは事業者さんが、それぞれ需要家に対して、どういう情報を伝えなきゃいけないのかということをいろいろ考えられた上でやっておられることじゃないかと思っております。

金本座長

そのほか何かございますでしょうか。よろしゅうございますか。

それでは、若干時間が余っておりますが、この辺でまとめたいと思います。幾つか修正のご議論がございましたので、ご意見を整理して修正をして、次回の電気事業分科会でご報告をさせていただきたいと思っております。修正する資料の扱いについては、私にご一任いただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。

それでは、そういうことにさせていただきます。

それでは、2回にわたって自由化範囲の拡大について審議をさせていただきましたけれども、皆様方のおかげで、大変有意義な議論ができたかと思っております。ありがとうございます。

このテーマにつきましては、分科会にご報告して、ご審議いただくということになっております。今後、何かご意見がございましたら、ご報告させていただきますので、引き続き、よろしくお願いいたします。

それでは、事務局から今後の進め方についてお願いいたします。

片山電力市場整備課長

今座長からご説明があったとおり、本ワーキングの検討結果について、きょうのご議論を踏まえて、必要に応じて修正し、金本座長にご了解いただいた上で、7月30日に開催される電気事業分科会にご報告させていただきたいと思っております。

本ワーキングにおけます審議事項は、自由化範囲以外にもあるわけでございますが、今後の具体的な審議の進め方につきましては、次回の分科会での審議内容を踏まえまして、座長とご相談の上、また委員の皆様方には追ってご連絡をしたいと思っております。

以上でございます。

金本座長

それでは、これをもちまして、第2回の制度改革ワーキンググループを閉会させていただきます。どうもありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2007年8月6日
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