経済産業省
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迷惑メール規制に関する技術的論点ワーキンググループ(第1回) 議事録

平成19年10月30日(火)

【諏訪園消費経済対策課長】
それでは、若干遅れている方もいらっしゃるようでございますが、時間になりましたので、ただいまから第1回迷惑メール規制に関する技術的論点WGを開催させていたただきます。委員の皆様方には、大変ご多忙のところをご参集いただきまして、まことにありがとうございます。
まず、配付資料の確認をさせていただきたいと思います。お手元の配付資料一覧をごらんいただければと思うのですが、資料1としまして、今回お集まりいただきました各委員の名簿を用意しております。資料2から資料6までが、本日、総務省からご説明いただく一連の資料でございます。先日、総務省のほうで研究会をやっていまして、そのとりまとめに関する資料を用意していただいております。その下、資料7以降は、本日、事務局から用意しております資料でございます。資料7が迷惑メールの現状と課題について、資料8が本日の論点を整理した資料、資料9が欧米の電子商取引市場規模の推移について、最後に特定商取引に関する法律の抜粋を用意いたしております。配付資料に不備がございましたら、事務局までお申しつけいただければと思います。
続きまして、まだ櫻庭委員がいらっしゃらないようでございますが、先に進めさせていただきまして、委員のご紹介をいたしたいと思います。あいうえお順に並んでおりますので、左からちょっとご紹介申し上げます。最初に、青山委員でございます。
【青山委員】
よろしくお願いいたします。
【諏訪園消費経済対策課長】
それから、有山委員でございます。
【有山委員】
よろしくお願いいたします。
【諏訪園消費経済対策課長】
上原委員でございます。
【上原委員】
どうぞよろしくお願いいたします。
【諏訪園消費経済対策課長】
岡本委員でございます。
【岡本委員】
よろしくお願いします。
【諏訪園消費経済対策課長】
粕谷委員でございます。
【粕谷委員】
よろしくお願いいたします。
【諏訪園消費経済対策課長】
岸原委員でございます。
【岸原委員】
よろしくお願いします。
【諏訪園消費経済対策課長】
木村委員でございます。
【木村委員】
よろしくお願いします。
【諏訪園消費経済対策課長】
本日、斉藤委員がご欠席ということで、代理で横山弁護士においでいただいております。
【横山弁護士(斉藤委員代理)】
よろしくお願いいたします。
【諏訪園消費経済対策課長】
今、委員のご紹介をいたしておりまして、ちょうど櫻庭委員のところにまいりまして、櫻庭委員でございます。
【櫻庭委員】
済みません、電車がおくれてしまいまして遅くなりました。
私、IIJの櫻庭と申します。IIJではメールサービス、設計開発担当をしてきまして、今、Japan Email Anti-Abuse Group(JEAG)という団体のボードメンバーとして業界のISPさんですとか、携帯電話事業者さんのとりまとめ等をやっております。あと、国際的なMAAWGという団体もあるのですけれども、そこのメンバーとしてインターナショナルの場での議論等、参加しております。よろしくお願いします。
【諏訪園消費経済対策課長】
佐藤委員でございます。
【佐藤委員】
佐藤です。よろしくお願いいたします。
【諏訪園消費経済対策課長】
沢田委員でございます。
【沢田委員】
よろしくお願いいたします。
【諏訪園消費経済対策課長】
四家委員でございます。
【四家委員】
よろしくお願いいたします。
【諏訪園消費経済対策課長】
宗田委員でございます。
【宗田委員】
宗田でございます。よろしくお願いいたします。
【諏訪園消費経済対策課長】
谷井委員でございます。
【谷井委員】
谷井でございます。よろしくお願いします。
【諏訪園消費経済対策課長】
長田委員でございます。
【長田委員】
よろしくお願いいたします。
【諏訪園消費経済対策課長】
野原委員でございます。
【野原委員】
野原です。よろしくお願いします。
【諏訪園消費経済対策課長】
春田委員でございます。
【春田委員】
春田です。よろしくお願いします。
【諏訪園消費経済対策課長】
平山委員でございます。
【平山委員】
よろしくお願いします。
【諏訪園消費経済対策課長】
福田委員でございます。
【福田委員】
福田です。よろしくお願いします。
【諏訪園消費経済対策課長】
福長委員でございます。
【福長委員】
福長でございます。よろしくお願いいたします。
【諏訪園消費経済対策課長】
別所委員でございます。
【別所委員】
別所でございます。よろしくお願いします。
【諏訪園消費経済対策課長】
それから、松本委員でございます。
【松本委員】
松本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【諏訪園消費経済対策課長】
それから、事務局のほうの紹介をさせていただきます。私どもの消費政策担当の大臣官房審議官の橘高でございます。
【橘高審議官】
どうぞよろしくお願いいたします。
【諏訪園消費経済対策課長】
消費経済政策課長の安井でございます。
【安井消費経済政策課長】
安井でございます。
【諏訪園消費経済対策課長】
商務情報政策局の情報経済課長の土本でございます。
【土本情報経済課長】
土本です。よろしくお願いいたします。
【諏訪園消費経済対策課長】
それから、総務省から、本日ご説明いただきます吉田総務省企画官でございます。
【吉田総務省企画官】
吉田でございます。
【諏訪園消費経済対策課長】
扇総務省消費者行政課長補佐でございます。
【扇総務省消費者行政課長補佐】
扇でございます。よろしくお願いいたします。
【諏訪園消費経済対策課長】
総務省消費者行政課専門職の大磯さんでございます。
【大磯総務省消費者行政課専門職】
よろしくお願いいたします。
【諏訪園消費経済対策課長】
それから、事務局のほうの消費経済対策課長補佐・中野でございます。
【中野消費経済対策課長補佐】
中野でございます。よろしくお願いします。
【諏訪園消費経済対策課長】
本日、司会進行をします、今ご紹介申し上げました諏訪園でございます。よろしくお願いします。
なお、本WGの座長につきましては、当WGの親部会に相当するといいますか、産業構造審議会特定商取引小委員会のほうから本WGの設置について付託があったということでございまして、その小委員会の会長である松本先生とご相談の結果、松本先生にWGの座長を兼務していただくということでございます。
それでは、松本座長に以後の議事進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【座長(松本委員)】
迷惑メール規制に関する技術的論点WGの座長を務めさせていただくことになりました松本でございます。委員の皆様のご協力を得まして十分議論を深めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、まず事務局である経済産業省の橘高消費者政策担当官房審議官から一言、ごあいさついただきたいと思います。
【橘高審議官】
おはようございます。ご指名でございますので一言、お礼方々、ごあいさつを申し上げたいと思います。本来ですと商務流通担当の審議官の寺坂がごあいさつ申し上げるところでございますが、国会のため、私がごあいさつを申し上げます。
まずもって、本日早朝から各方面の方々、お忙しい時間を割いて、このWGにご参集賜りましてまことにありがとうございます。厚く御礼申し上げます。また委員長には産構審に引き続いてお時間をいただいて、大変重要な分野のおとりまとめをお願いするということで、どうぞよろしくお願い申し上げたいと存じます。また本日、総務省におかれましても、この分野、かねてよりご一緒にやっておりますが、ご参集いただきましたこと、この場をかりて御礼を申し上げます。
皆さんも先刻ご案内のとおりでございますけれども、私ども公の立場からみまして、社会的な弱者である消費者の人たちを適切に保護していく。特に昨今、いわゆる悪質商法、悪徳商法というものが不幸にして後を絶ちません。この結果、消費者の被害も深刻であり、また健全な産業活動の発展にとっても大きな阻害要因になっているということで、大変厳しい認識をもっております。
特に今国会におきましては、冒頭の所信表明演説におきまして福田総理から大変強い決意の表明があり、また私どもも指示をいただいております。そのまま引用させていただきますと、「国民の皆様が日々、安全で安心して暮らせるよう、真に消費者や生活者の視点に立った行政に発想を転換し、悪徳商法の根絶に向けた制度の整備など、消費者保護のための行政機能の強化に取り組みます」ということを公にしておられます。私どもこの指示を踏まえ、従前から取り組んでいる制度の見直しとか、あるいは厳格、適正、タイムリーな法執行の強化ということを、いま一度、心を引き締めて取り組んでまいりたいということで、現在、産構審において特商法や割販法の大幅な見直しを含む総合的な方針を検討し、おとりまとめをお願いしているところでございます。
今回、ご無理を申し上げて、このようなWGにご参集いただきましたのは、この法律の中でいろいろ取り組んでいる、いわゆるIT分野における問題点への取り組みという中で、足元、大変憂慮しておりますのが、いわゆる迷惑メールと称されるメールの対策であります。この分野につきましては皆様方のほうが、当然お詳しい方が多数集まっていただいているわけでございますが、伝統的な手法に比べますと、私のような素人がみましても匿名性ですとか、あるいは機械的に同時に限られた時間で非常に多数のメールを送ることができるですとか、私ども規制当局からしますと、不心得な人たちの実効性のある取り締まりを行っていくことがなかなか容易ではないといういろいろな特性がございます。
したがいまして、まさに消費者の方々はもとより事業者の方々にこのようにお集まりをいただきまして、一方で健全な活動については、極力これに対する支障を生じないようにする一方で、IT分野の特性を踏まえて、なかなか難しい、こういう不心得な人たち。一部だと思いますが、こういう人たちを実効性のある形できちんと排除していくための取り組みについて、ぜひ積極的、建設的なご示唆をいただき、いい形で必要があれば制度改正にきちんと反映するということで取り組んでまいりたいというのが私ども事務局のお願いであり、考え方でございます。どうぞよろしくお願い申し上げたいと存じます。
【座長】
ありがとうございました。
続きまして、本WGにおける議事、議事録及び配付資料の取り扱いにつきましてお諮りしたいと思います。
平成7年9月の閣議決定におきまして、審議会の透明化及び見直しが決定されており、審議会やそれに準ずる懇談会等の運営状況等はできるだけ公開することが求められております。
したがいまして、本WGにつきましても、一般の方の傍聴を認めるとともに、議事要旨、議事録及び配付資料を後日公開することが適当と考えます。
ただし、配付資料等の中で、個人情報や個別企業のデータを含むもの等があった場合には非公開とすることもあり得ます。各配付資料等の公開の是非や議事要旨の作成につきましては、私と事務局にご一任いただきたいと思います。よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
ありがとうございます。
それでは、議事に入りたいと思います。本年8月28日に行われました特定商取引小委員会第7回会合での議論から、本WGの役割は、迷惑メール規制の実効性を確保するためにオプトイン方式を導入した場合の技術的論点について検討を進め、実効性ある規制を導入するために必要な考え方をとりまとめていくことであるというように理解をしております。
したがいまして、この議論に資するために、本日は、まず最初に総務省総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政課・吉田企画官から、諸外国のオプトイン規制の現状等につきましてご報告をお願いしております。その後、事務局から現在の我が国の迷惑メールの現状と課題、及びオプトイン規制を導入した場合の論点について整理したものを報告していただきます。その後、委員の皆様にご議論いただきたいと思います。
まず、吉田企画官からお願いいたします。
【吉田総務省企画官】
総務省消費者行政課企画官の吉田でございます。
経済産業省の諏訪園課長から、諸外国のオプトイン規制を迷惑メールに関してとっている国の規制について紹介してほしいというお話がございました。それで資料を用意させていただいたわけですけれども、総務省から、なぜこの件をご説明するかということなのですが、現在、総務省では、「迷惑メールへの対応の在り方に関する研究会」を7月から開催しております。これはいろいろ経緯があるのですけれども、1つは、迷惑メールの規制は、現在、迷惑メールの送信者に対する規制が総務省から特定電子メール法で行われておりまして、それに対して商取引の保護ということで、販売事業者に対して特商法の規制が経産省所管でかかっているという形になってございます。
それで特定電子メール法、総務省の所管している法律でございますけれども、これにつきましては、前回、平成17年に改正が行われているわけでございますが、その際に附則の7条というところで、施行後、3年以内に法律の施行の状況について検討を加え、その結果について必要な措置を講ずるということが書かれておりまして、そういったこともございまして、総務省でも検討会を開いて迷惑メールの現状、問題点等を分析した上で、法改正を含め必要な措置はないかどうかというのを検討しているということでございます。
その研究会の中で、資料2のほうが概要なのですけれども、迷惑メールが巧妙化、悪質化しているといった問題と並びまして、現行のオプトアウト方式による規制、これは特定電子メール法、それから特定商取引法、両方で同じようにとられている制度でございますけれども、この規制が形骸化しているのではないか。これの見直しが必要なのではないかというような議論がございまして、やはりオプトアウト方式の見直しについてということで今議論を行っております。この研究会自体は、ちょうどきょう午後からなのですけれども、中間とりまとめ案についてパブリックコメントを実施するという段取りになっておりまして、その概要については資料3ということになるわけでございますが、今日は説明を割愛させていただきます。
その研究会の中で、結局、現行のオプトアウト方式の見直しに当たって、オプトイン的な方向を導入してはどうかというご意見があるわけでございますけれども、それについては営業活動との兼ね合いというところが論点になるのではないかということで、実は9月27日に行われました「迷惑メールへの対応の在り方に関する研究会」の第3回の会合でございますが、そこで議論が行われまして諸外国の規制についても報告させていただいておりますので、きょうはこちらのワーキングでも、その議論をご紹介させていただければと思っております。
資料5をお開きください。これは総務省の研究会に提出させていただいた資料でございます。総務省の研究会でも、結局、オプトイン的な方式を導入することとする場合、特に同意の取得の方法等が問題の論点になるけれども、こういったことについてどのように考えるべきかというような議論を行っております。
それから、仮にオプトインを導入するとしても、一定の場合については、事前の明示の同意がなくても電子メールの送信が認められるのではないか。例えば、取引関係がある場合などではどうかといった点。それから、仮にオプトイン的な方式を導入する場合、表示義務についてはどのように考えたらいいかといった点が論点として議論されておりまして、資料5の3ページ以下が外国の規制ということでございます。
まず、諸外国のオプトイン規制をとっている国でございますけれども、同意取得に関する規制について、どのようなものがあるかというようなところを紹介しております。
オーストラリアについては、明示的な同意というのは当然同意になるわけですけれども、そのほか行動、conductという英語でございますが、またはビジネスその他の関係から合理的に推定できる同意を含めるほか、アドレスが公開されている場合にも、同意が推定できる場合があるということになっております。これは2003年のオーストラリアのスパム法という法律があるわけでございますけれども、この中で「明示的な同意又は」という形で、行動、ビジネス及びその他の関係というのが書かれているということでございます。
あと、電子メールアドレスを公開していることから、同意が推定される場合があるのではないかという点が法律の中で書かれているわけですけれども、この中では、電子メールアドレスが公開されている事実のみをもって当該電子アカウント所有者の同意を推定することはできないとされておりますが、ただし、以下のaからdの場合には、本法の目的のために、当該電子アカウント所有者は、そのアドレスへの商用電子メッセージの送信に同意しているものとみなされるということでありまして、こういう場合には同意しているものとみなされるという例を幾つか置いているということでございます。
次に、米国でございますけれども、米国ではご承知のとおり基本的にはオプトアウト方式の規制がとられているわけでございますが、携帯電話あてのメールにつきましてはオプトイン方式という形になっておりまして、この部分についてはFCC(連邦通信委員会)の規則で定められてございます。
具体的に同意の取り方という規定が下に書いてあるところでございますけれども、「明示的な事前承認は口頭または電子的手段を含む書面により得ることができる」ということで、方式においては口頭と署名、それから電子的手段を認めているということでございます。
ただし、特に電子的手段によって書面を取得する場合なのですけれども、電子署名を含む加入者の署名を含まなければならないというようなところがございますので、これはかなり厳しい規定になっているのではないかということでございます。
また、承認に当たっては、要するに、どこの電子メールアドレスあてへの送信の承認かということで、電子メールアドレスを含まなければならないといったような規定をもっております。
それから、一番下のところですけれども、「明示的事前承認を得るためのすべての要請は以下の開示を含まなければならない」ということで、例えば特定の送信者から受信することに同意するということで、送信者が特定されているということとか、オプトアウトが可能であるといったことを、同意をとるときに明示してくださいというようなことを示しているということかと思います。
次のページでございますが、諸外国のオプトイン規制において、オプトインをとっている国の中で、こういうものはオプトインではなくていいですよといっている規制がございまして、それについて紹介させていただきます。
まず、EUの指令があるわけですけれども、基本的にダイレクトマーケティングについてオプトインでやりなさいということを決めているわけですが、その中で「自然人または法人は、個人データ保護指令に従って製品またはサービスの販売を通して電子メールを送るための詳細情報をその顧客から取得した場合には、当該自然人または法人が所有する類似製品またはサービスのダイレクトマーケティング用にそれらの情報を利用できる。ただし、詳細な情報が収集された時点や、顧客がその情報の利用を最初に拒絶しなかった場合には各メッセージが送られるときに、当該利用を無料かつ簡易な方法で拒絶する機会が明確にはっきりと当該顧客に与えられることを条件とする」ということで、要するに、簡単にいえば、一旦、電子メールを送信するための情報を得た上で、もう一度、同じ人が同種の製品・サービスについて使う場合は改めて同意を取り直すのではなくて、それは送っていいよと。ただ、その場合でも、結局、拒否の意思が示されたらやめてくださいということで、オプトアウトを条件にしているということが規制で定められてございます。
それから、EUでは、ここにはちょっと書いてないのですけれども、これは特商法では余り関係がないかもしれませんが、法人あてのメールについては加盟国の裁量にゆだねるとされており、オプトインをとるか、オプトアウトをとるかというのは加盟国に任されている状態で、実際にEUの域内でも分かれているということでございます。
先ほどのアメリカの携帯電話向けのところでございますけれども、例えば商用メッセージサービスを単に転送する場合にはオプトイン規制が適用できないとか、あと「取引または関係に係るメッセージ」ということで、例えば事前同意している商業取引を行い、完成させ、確認することが主目的とするメッセージ。それから、購買・使用中の商業製品またはサービスに係る保証、リコール、安全に関する情報を提供することが主目的のメッセージ。あとアカウント料金の情報とか、雇用関係の情報等を主目的として送るメッセージといったことについては、オプトイン規制が適用されないということが規則の中で書かれているということがございます。
それから、韓国についても、財貨及び用役の取引関係を通じて受信者から直接連絡先を収集した者が、その取り扱う財貨及び用役に対する営利目的の広告性情報を伝送しようとする場合について、例外としているということでございます。
オーストラリアの場合については、要するに、政府機関等が商品・サービスに関するメッセージを行う場合や、それから、これは日本の解釈でいくと広告宣伝とは言いがたいのではないかと思いますが、事実に関する情報(factual information)、それから送信者の連絡先等のみから構成されるメッセージを送る場合については、スパム法の対象となる指定商用電子メッセージから適用を抜いているというようなことがございます。
次に、諸外国の表示義務に関する規制ということでございます。これは各国オプトインの場合ということでございますけれども、そうした場合についても、まずEUでいくと、「通信を行う発信者の身元を偽り、もしくは隠し、または受信者が通信の停止を求めることを連絡できる有効な受取人のアドレスなしに、ダイレクトマーケティングの目的で電子メールを送信してはならない」ということが書かれておりまして、結局、まず発信者の身元を偽ったり、隠したらいけないということで、発信者の身元を書きなさいということと、また、連絡先の有効な受取人のアドレスを書かなければいけないということが要件になっていることがわかるかと思います。
それから、オーストラリアについてはかなり詳細に書かれていまして、まずメッセージの中で「メッセージの送信を許可した個人または組織が明確かつ正確に表示されている」。それから、「受信者が前号の個人または組織に容易に連絡をつける方法についての正確な情報が記載されている」というようなこと。「機能的な登録解除手段がついていなければならない」ということで、これも基本的にオプトアウトができるような手段ができてないといけないということが書かれているかと思います。
また、アメリカの携帯向けのほうのオプトインの制度ということでございますけれども、これについても、例えば「移動サービス商用メッセージ及び商用電子メールサービスの送信を停止する要請を受け取るための明確かつ意識的に表示された機能している返信電子メールアドレス、その他のインターネットをベースとした機構を含め、当該メールアドレスまたは機構が加入者に組織識別情報以外のさらなる商業コンテンツを視聴することを要しないこと。承認を得るために使われたものと同様の電子的手段により、さらなるメッセージを拒絶するための明確かつ意識的な案内及び機能的なオプションを、商用電子メールメッセージの送信に明示的な事前同意を電子的に行った受信者に与えること。いずれかの手段の利用に追加的な費用がかからないこと」といったことが書かれておりまして、基本的にオプトアウトできると。アメリカの場合、電子メールアドレス、その他のインターネットをベースとした機構ということで、これはWebサイトを使って解除するようなことを認めているのではないかと考えられるかと思います。
あと、資料6につきましては各国別の迷惑メールについての規制をまとめたものでございまして、ここでは説明を割愛させていただきますが、議論の必要に応じ、ご参照いただければと思います。
簡単ですが、以上で終わらせていただきます。
【座長】
ありがとうございました。
では、続きまして、諏訪園課長からお願いいたします。
【諏訪園消費経済対策課長】
それでは、資料7と資料8についてご説明申します。
資料7は、実は先日、8月に先ほど申しました特定商取引小委員会でご説明した資料を、ご指摘等も踏まえまして若干修正したものでございます。ここにおいでの皆様に大体ご説明していますが、簡単に概要をご説明申し上げたいと思います。
最初、今現在の迷惑メールの動向ということでございますが、ご案内のように私どもとしても総務省さんとも協力しまして、迷惑メール追放支援プロジェクトというのを実施いたしておりまして、そのプロジェクトの一環として、私どものほうで用意しているモニター機で収集した広告メールを受信しておりますほか、一般の消費者からも広告メールについての情報提供を寄せていただいております。
いずれにしましても、それは下のほうのグラフに消費者からの申し立て件数が下の実線、細いほうがモニター機で収集したものでございます。それぞれ増勢傾向をたどっておりまして、私ども欧州の担当者ですとか、米国のFTCの担当者から聞いておりますと、既に欧州ではもうふえることはなくなった。FTCなんかは、米国ではちょっとボトムアウトしているなんていう話からすると、我が国のほうは依然として増勢傾向を続けているところで大変問題があるのかなと考えております。
また、内容のほうにつきましては、細い実線のほうのモニター機のほうで受け付けたものをみますと、いわゆる出会い系サイト、それからアダルト画像、その他といった形で、大変偏ったところから広告メールが来ているというような状況でございます。もちろん消費者から申し立てられたものについては分析しておりませんので、また幅広い迷惑メールのものがあるのかもしれませんが、一応モニター機の分だけを載せているということでございます。
この結果、その次のページにございますように、具体的にさまざまな弊害が全国の消費生活センターですとか、私どもの消費者相談室に寄せられております。出会い系サイトから寄せられてくる不快な画像が朝から来るとか、そうしたメールの選別ですとか削除するのに大変コストがかかる。それから、クリックしてしまったらパソコンがカタカタ鳴ってしまったということで、ウイルス感染になってしまったといったさまざまなトラブルが寄せられております。
また、そういうものはなるたけあけないようにということなのですが、どうも非常に巧妙にできていまして、件名もあたかも知人を装っているかのようなものがあってみざるを得ないということで、最近は中高生なんかが利用している芸能とか占い情報などを装ったサイトでも多くみられ、まじめにやっている業者さんが自分のサイトの成り済ましみたいな形で来たとか、そういった情報も寄せられています。
この結果、もちろん消費者のほうも非常に不快な被害を受けているわけでございますが、非常に優良な事業者にとっても大変迷惑しておりまして、いってみれば消費者のほうも防衛策として、知らないところから来るメールはすべて一括削除してしまうようなことで、当省としてもIT、特に広告メールによって消費者に対するコミュニケーションツールとして、これが使われていくことを期待しているわけですが、どうもなかなかそういった効果が出にくくなっているというお話も聞いているところでございます。
私どもとしても、それに手をこまねいているわけではなくて、その次のページにございますように迷惑メール追放支援プロジェクトで、ことし3月に2社、業務停止命令を行っておりますほか、プロバイダーに対しても、迷惑メールについてモニター機で受信した情報をプロバイダーさんに通知し、プロバイダーさんのほうでも利用停止の措置等を講じていただいている。また、そういった迷惑メールの発信源になっているWebサイトについても、利用停止の措置を講じていただくということもしております。さらには金融庁に通知しまして、当該サイトの銀行口座も凍結していただくということもしていただいております。
ただ、いかんせん、その次のページにございますように、現在のオプトアウト制度の根幹をなします「未承諾広告※」という表示が大変使われていない。ほとんど無視されているような状況がございまして、私どもの定点調査でみておりますと表示がないのが99.3%。これは総務省さんのほうでまた別途とられている統計なんかで、もう少し表示がないのは少ないようでございますが、いずれにしても、大勢は「未承諾広告※」が使われてないということでございます。
また件名に表示してあるのも、当初「未承諾広告※」を活用したオプトアウト制度を想定していたような、幅広いネットビジネスで使われているというような姿でないというのが、現在の状況でございます。
その次のページにまいりまして、受信拒否通知用アドレスをつけなくてはいけないというのが法定事項としてあるわけでございますが、これも実際には表示されてないというのが85%近く。それから、表示されているので送ってみると届かないとか、届いたけれどもかえってメールがふえてしまったとか、送信がとまらないといった苦情も一般の消費者から昨年度で1,866件に達しております。
こうしたことがどういった状況から生まれているかというのは、次の6ページ目に簡単に、私どもがいろいろとヒアリングですとか立入検査で行った情報を踏まえて分析したものが「現行(例)」、上の段のところでございます。
これは、一番左のネット販売業者さんですね。こうしたところが懸賞サイト等を通じてメールアドレスを収集したりしている。実際に懸賞サイト等からメールアドレスが売買されているような状況もあるやに聞いておりまして、先日の新聞等での記事でも、そういったことが報じられております。1メールアドレス30円とか、40円とか、もっと安くなっているような話もございます。こうしたものを広告メール送信あっせん事業者さんが出会い系サイト、通信販売業者Bに相当しますが、こうしたところと一種結託のような形になって迷惑メールを送っているというのが、私ども出会い系サイトに立入検査したときに聞かれた状況でございます。
まとめると、広告メール送信あっせん事業者さんが実際送っていたのではなくて、メール送信事業者さんに委託して、そこから送られているというような実態でございます。それが最近、国内のプロバイダーさんは相当ご努力いただいておりまして、OP25ブロッキング等の技術の導入も功を奏しまして、最近では、国内のプロバイダーから発信されているものは、全体の1割ぐらいまで減っているようなデータもございます。その結果、メール送信事業者は、中国、フィリピン等、海外にわたって日本向けに迷惑メールを発信しているということであります。
ただ、さはさりながら、出会い系サイトの業者なんかは、私どもが立入検査した業者等にお伺いしますと、出会い系サイトというのは、ご案内のように消費者の方が異性との会話を楽しむチャットというのでしょうか。それを楽しむためにやっているところもございまして、どうしてもミスマッチが生じるわけですね。ミスマッチが生じますので、そのミスマッチの分を出会い系サイトの業者が、若いフリーターと称されるような方々をパートで雇いまして会話をさせると。サクラというように称されていますけれども、そういうことからして、どうも国内に存在している業者が非常に多いというようにいわれているようでございます。
こうした状況を改善するために、どうしたことが必要なのかというのが特定商取引小委員会でも議論されまして、右側にある迷惑メール対策の一層の強化ということがうたわれています。1つは、オプトイン方式、請求・表示に係るルールを整備ということでございまして、「今後(例)」とありますように、いってみればメールアドレスについては自分が消費者から請求を受けた場合だけ広告を送れるようにする。その場合だけメールアドレスを使ってもよいですよということでございますので、そのメールアドレスを勝手に他人が売買で得て送るということは、原則禁止であるということでございます。
さらには、経済産業省のモニター機がこうした国内プロバイダー、ないしは海外プロバイダーを経由したものをもとに、出会い系サイトなりなんなりに立入検査に入るわけですが、そうしたところに示して、あなたから出されたメールについては私ども請求してないわけですから、請求した事実があるのですかということを通信販売業者Bのほうに立証責任を課するというような形にして、悪質業者をあぶり出していくということでございます。
ただ、通信販売業者Bというのは、どこに住所があるかというのはなかなかわかりにくいというのが、現在、実態としてございます。そういったことから、こうした出会い系サイトが掲示している銀行口座ですね。こういったものの情報も金融機関等から入手できるように、広告メールへの権限も特定商取引に設けようということでございます。
さらには、私どもが立入検査に入った業者等から伺いますと、どうも広告メール送信あっせん事業者というのがサーバーを提供したり、ビジネスノウハウを提供したりして、出会い系サイト業者と一体となって迷惑メールを送信しているような場合があるということでございますので、場合によっては広告メール送信あっせん事業者がそうした事実を承知して違反行為を行っているのであれば、ここも調査、処分ができるような形で考えたいということが必要だろうということが小委員会で議論されたわけでございます。
もちろんこうした制度的な対策のみならず、海外プロバイダーを経由しているケースについては関係諸国との連携を図る。また、この辺は総務省さんのほうがメール送信事業者については、特電法のほうで規制対象として強化するということでございますので、総務省とも連携を強化する。さらには団体訴権も、特定商取引小委員会でも特定商取法に規定する方向で今検討しておりますので、こうしたところがうまくいけば民間の適格団体とも連携を図る。さらには、都道府県も政令指定で通信販売も規制できるようになっておりますので、各関係機関一体となって迷惑メールを撲滅していくということが小委員会で議論されたというような状況であります。
ただ、これを実際に規制するためには、さまざまなオプトイン規制についての細かな規定が必要になってまいりまして、そこは法律事項というよりは政省令事項になるかもしれませんが、そこの論点を本日以降、議論いただければと思っておりまして、資料8で大まかな論点整理等について整理しております。
ただ、論点を整理するために若干定義的なものについて、今ある現行の規定等をご紹介した上でご議論いただければということで、最初の1ページから3ページ目のところで、そうした用語の定義を行っております。
最初に、特定商取引法における広告メールの定義でございますが、これは「通信販売をする場合の」という要件と、(2)のちょっと長いですが、「指定商品もしくは指定権利の」云々とありまして「電磁的方法により」行う広告と。この2つの要件を満たすものが広告メールだということでございます。
「通信販売をする場合の」とございますので、通信販売を行う旨というのが明確にメールの中に表示されている場合もございますが、当然メールの本文中で通信販売を行えるURLを表示している場合ですね。この場合には一体として広告とみなされるということで、これも対象になっております。
ただ、逆に単なる商品のイメージ広告ですとか、通信販売以外の取引。例えば、今度、ある車のディーラーさんの店舗が芝浦にできますので、ぜひおいでくださいと。11月3日、オープンですよといったことであれば、特商法の広告メールには該当しないということであります。さらに意見広告みたいなものもございますので、こうしたものも対象ではないということでございます。
もう1つの要件としまして「『指定商品もしくは指定権利の販売条件または指定役務の提供条件について電磁的方法により』行う広告」というのがございます。これは長ったらしいですけれども、メールを使用して広告を行うということでございます。
ただ、ご案内のように指定商品・役務制については、現在、産業構造審議会の特定商取引小委員会において廃止する方向で検討が進められております。
したがって、これから発生する細かい問題ですが、さまざまな通信販売の役務が対象になっております。例えばとしまして、広告メールに該当するメールマガジン提供事業者。いってみれば、有料でメールマガジンを提供するような場合。こういったものは通信販売のほうで規制されるような形になります。それから、通信販売業者等がみずから広告メールを送信する場合ももちろんそうですが、広告メールの送信について他人に委託するような場合も、当然規制対象になっているという理解でございます。
その次のページ、これは諸外国において、先ほど総務省からご案内いただきました広告メールでございます。ただ、諸外国のほうは、このように特定商取引法の通信販売の広告主をとらえるだけでなくて、非常に幅広く商業メッセージというのがとらえられております。ちょっとご紹介まででございます。ちなみに、総務省の特電法のほうでは、こうした諸外国と同様に非常に幅広い商業メッセージ等が対象になっているということでございます。
その次の3ページ目のところで、通信販売業者と広告メール送信あっせん事業者の定義というところにまいります。通信販売事業者は、現行の特定商取法の第2条第2項で規定されておりまして、「販売業者または役務提供事業者が郵便その他の経済産業省令で定める方法により売買契約または役務提供の申し込みを受けて行う指定商品もしくは指定権利の販売または指定役務の提供であって電話勧誘販売に該当しないものをいう」ということでございます。その関係で若干細かいのですが、最近、インターネットオークション等で個人の方、消費者の方が自分の要らないものを単発的に売ると。そういった方がたまたま宣伝するためにメールを送るような場合。こういったものであれば、これは販売業者には該当しないだろうということでございます。
もう1つ、今回、先ほど申し上げましたように出会い系サイトと一体となって広告メール、迷惑メールのあっせんをしているような事業者があるということで、消費者から請求を受けてないということを知りながら広告メールのあっせんをやっているような事業者も処分、調査の対象にしなくてはいけないだろうということで、一応暫定的に事務局のほうで、こういったものが対象になるだろうという定義を載っけております。「商品もしくは指定権利の販売条件または役務の提供条件について電磁的方法により広告を行う業務の媒介、取り次ぎまたは代理を業として行う者」ということであります。この辺の法的なワーディングは、今後、法制当局とも詰めなくてはいけませんが、おおむねこういったものがイメージとしてとられるだろうと思っております。
したがって、そうなりますと、みずから請求を受けてメールにより広告を行う。いわゆるオプトイン事業者ですとか、配信される無料メールマガジンの一部に広告を掲載するメールマガジンの事業者さん。こういったことも含まれるわけでございますが、当然のことながら、先ほど申しましたように消費者からの請求を受けてないという事実を知りながら、迷惑メールの発信にかかわっている人たちが処分、調査の対象でございますので、一般的な有料なメールマガジン、きょうもいらっしゃるかもしれませんが、そうした事業者さん等が直ちに処分、調査の対象になるということではないというように理解しております。
そういった定義を踏まえまして、今後、本WGにおいて検討を進めるに当たっての留意すべき点について、幾つか事務局のほうで用意させていただきました。これは今回、このWGに加わっていただく委員の方々にお伺いしました論点等を整理したというものでございます。また、このあたりは後で、さらにこういったことにも留意すべきだというのがあれば、ぜひご意見等、賜りたいと思っております。
1つは、先ほど審議官からもございましたように、消費者が大変な被害を受けているということでございまして、請求した覚えのない広告メールが大変送信されてくる。ないしは、一たん請求したらなかなか受信拒否ができない。こういったものを防ぐような制度とするためにどうしたらよいかということでございます。例えば以下のような苦情がございまして、懸賞に応募しただけのはずなのに、そのサイトや別のサイトから次から次へと広告がひっきりなしに送られてきてかなわないと。利用規約をみると、どうもそういったことに同意したとも受け取れるようなことが何かあいまいに書いてあったりする。場合によっては、全く何も書いてないという場合もあるようでございます。
それから、無料の情報メールが送られてくるだけだと思っていたら、あけてみたら実は有料だったメールが送りつけられてきた。広告を含むメールマガジンを請求して送信してもらったけれども、大量に来る。どうも子供にはみせられないような内容もあって、受信拒否をしようとしたのだけれども、手続が異様に複雑でなかなかできない。結局、そのアドレスを処分してしまったということでございます。こうしたものを何とか対処できるような制度ができたらということでございます。
ただ、同時に、いろいろと幅広く事業者さんにもお伺いしましたところ、消費者さんも望んでいる、あるいは消費者のほうも受信すること自体、余り問題はないと思っているような広告メールもあるのではないか。こうしたものは規制対象にしない、あるいは規制内容を、ほかの規制とは多少変えてもいいのではないかという問題意識も出されております。例えば、現行制度でもフリーメールサービスですね。個人同士でやりとりするメールに、下にちょっと広告がついているような場合というのがございます。それでメールを送る人はただで送れるというような制度でございますが、こうしたものは引き続きいいのではないかということがございますし、それから、あるお買い物をするショップですね。そこで購入を行ったときに決済の通知ですとか、配送の通知に係るメールに、そのショップの新製品の話もあわせて書き込んであるような場合は、十分消費者としても問題ないと考えられるのではないかというご指摘があります。
3番目としまして、メールビジネスというのは非常にさまざまな形態がどんどん、次から次へ出てきているわけでございまして、そうした中には社会的にみて全く健全なものもあるわけでございます。こうしたものが出てきたときに、ある程度フレキシブルに、法律改正というのではなくて経済産業省令ですとか、政令といったもので、弾力的に追加ができるようなものも考えてはどうかということでございます。
ただ、一方で、こうしたものを踏まえつつ、先ほど申し上げた悪質な事業者をきちんと取り締まるような制度、実効性のある制度とすべきだということで、1つには、先ほど来申し上げておりますように、消費者から請求があったという事実を送信者側のほうで、悪質業者のほうで証明できなければ違反とできるような制度にすべきであり、そのためには法的・技術的にどのような問題を詰めていくべきかを、きちんと検討すべきだということがございます。
一方で、優良な事業者にとって不要な規制は問題があるわけでございますので、適用除外対象ですとか、規制内容については構成要件を明確にして、予見可能性をきちんと高めるべきだということもございます。
それから、業者によっては、たまたま単発的にシステムの誤りで誤送信されるような場合も往々にしてといいますか、非常にまれではありますがあるということでございまして、そうした事実をきちんと証明できれば、これはもちろん調査、処分の対象になるべきではないだろうということもいただいています。
同時に、迷惑メール全体の規制については、先ほど来申し上げましたように総務省さんの特電法もございますし、私どもの特定商取法もございます。それから、刑事罰で対象になり得るところもございます。都道府県も特定商取法の運用をできますし、条例でも随分ご努力いただいています。消費者団体、業界団体のほうも、いろいろな形でガイドラインの運用等をやっていただいておりまして、全体が協力して執行に当たれるような、そうした制度設計とすべきであり、関係者一体となって迷惑メール撲滅に向けて全力を挙げるべきではないかということでございます。
こうした留意点を踏まえまして、今後、検討を深めていくべき技術的論点をいろいろと出していただいております。
1つは、一番大きな話は、消費者が能動的に請求した場合というのは、どういった場合なのかということでございまして、事業者サイドからは、いわゆるデフォルト・オン方式。最初からメールを送ってもいいですかという問いに対して、チェックボックスにチェックが入っている場合ですね。こうした場合をある程度認めるべきではないかというご意見がございます。他方で消費者のほうとしてはなかなか気づきにくいということであるので、すべてデフォルト・オフ方式を原則にすべきではないかというようなご意見もございます。
一方で、さまざまな懸賞サイトですとか無料情報サービス。こういったサービスについて無料で提供する。そういう会員サービスがあるわけでございまして、会員登録の規約でメール送信の同意を得る場合。これは先ほど来、申しましたように非常にあいまいに書いてあったり、全く書いてないような場合もある。こうしたときに同意を得る方式としては、どのような明確な消費者の請求というのがあり得るのかということがございます。
それから、そのサイトから来るだけだったらいいのですけれども、ほかのサイトからも来ることについて包括的に承認があったりとか、利用規約が途中で改定されるような、消費者も知らないうちに改定されているような場合もあるということでございます。
また、どのような方法で消費者から請求があった事実を証明すればよいかということで、このあたりは請求があった日時を記録するのは技術的に簡単ではないかというご意見もありますが、経済的には非常に大変だというようなご意見もございます。
それから、ダイレクトメール販売を行っている業者がファクス等で請求を受けた場合。これは従来から通信販売でずっとやっていらっしゃる業者さんなんかは、ファクスでお客様からさまざまな請求を受けている場合が多うございます。そうしたときに、そのデータを紙でもってなくて、システム上、記録しておけばよいのではないかというような話。そのほか、さまざま技術的に証明する上で問題が生じる場合というのがどうもあるようでございまして、そうしたことについてもご議論いただければと思っております。
オプトインした後、次にメールが来るわけですが、そのメールについて途中で要らなくなったというときのオプトアウトについて、どういった場合であれば消費者として容易である、ないしは事業者としても技術的に対応可能であるかということがございます。
4つ目の論点として、そうした広告メールが正規に送られてくるときに、どのような表示事項が必要かということがございます。1つは、オプトアウトの方法。それから、事業者の氏名。こういったものは当然であるとして、場合によっては広告メール、あるサイトで請求したのだけど別のサイトから送られてくるような場合、どこで請求したかということについては、きちんと書いておくべきではないかということもございます。
それから、一たん請求を受けたら、改めてオプトアウトがあれば請求を取り直す必要はないのではないかというご意見もあると同時に、だんだん消費者にとってはスパム化していくこともあるので、請求を取り直すべきではないかというご意見もございます。
先ほど申し上げましたようにフリーメールサービスとか、ある程度定着しているようなものについては、規制の対象としなくてもいいのではないか。それは、ほかにもさまざまなものがあるのではないかというご指摘もございます。
7番目は、いわゆるダブルオプトイン制度。これは最近、さまざまな業者が取り入れているようでございまして、成り済ましを防ぐものとして非常に有効である。これは規制当局としても、こういったものがあれば消費者がきちんと請求したということが確認できるわけでございまして、一種の有効な制度として取り上げているということでございまして、これを規制化する、ないしは事業者のほうでこういったものを自主規制していくというような、さまざまなアイデアの1つの手段として考えられております。
それから、そのほか詰めておくべき論点としてはどのようなものがあるかというのも、ぜひご議論いただければということでございます。
最後に、諸外国の規制内容というのを簡単に横並びで提示しております。
以上が事務局のほうで用意した資料で、もう1つ、最後に資料9のほうでございますが、ご案内のように欧米のほうでは、先ほど総務省さんからご説明がありましたように規制が大変厳しい。特に欧州のほうは、EUのほうは全面的にオプトイン規制がしかれているということでございまして、電子商取引市場の萎縮効果に働かないかというご懸念も、一部の事業者さんから聞かれているところであります。
ただ、今の『Global Industry Analysts』という本の分析によれば、EUのほうは米国を抜いて、来年にはさらに市場規模が拡大するということが予想されているようでございまして、今のところは萎縮効果が余り感じられないのかなというのが資料9から伺えるところでございます。もちろん何々がなければ、あったか、あればということを検証するのは非常に難しゅうございましたので、本当にオプトイン規制のおかげでどうなったかというのを、これ自体で示すことはなかなか難しいのではないかということでございます。
以上が事務局の用意した資料でございます。
【座長】
ありがとうございました。
それでは、ただいまの総務省及び事務局の説明を踏まえまして、今後、検討するに当たって留意すべき点や取り上げるべき論点などにつきまして、委員の皆様からご発言をいただきたいと思います。あるいは、説明に対するご質問も加えていただいて結構です。
なお、議事を円滑に進めるために、ご発言いただく際には小委員会のほうでもやっておりますが、名札を立てていただきますとよくわかりますので、これで発言通告をしていただくということにしたいと思います。今回、委員の数が非常に多くて、事務局側の席にまでお並びになっている方もいらっしゃって少しわかりにくいところもあるので、ひょっとしたら見落とすかもしれませんが、その点、ご配慮願います。
それでは、どの箇所からでも結構ですから、どうぞご意見、ご質問をお出しください。では、別所委員から、どうぞ。
【別所委員】
ヤフーの別所でございます。
最初に立場をはっきりさせていただきますと、迷惑メールについては消費者としても非常に困ってますし、会社としてもメールのサービスをしてますし、それからEコマースのほうもモールをやっていて、いろいろな振興策を考えると非常に困ったもので、何とかしたいと考えております。ただ、現在までの議論を聞いていますと、多分この制度設計は失敗するだろうと。はっきりいいますけれども、と思っておりますので、そこはちゃんと設計をすべきだと考えております。
基本的には、先ほど一番最初に審議官がおっしゃったように実効性の確保が極めて重要だと思っています。現在の制度でなぜ実効性がないのかということが、今の資料の中には明確になっていないというところが一番大きいのではないかなと思っています。実効性を確保するために何がネックになっているのか、それを解消するためにはどうしたらいいのかということが、一番最初に検討すべきものだと考えております。そこを飛ばしてオプトインに走ってしまうと、オプトインの形式的な議論だけにとどまってしまって、うまくいかないのではないかと思っています。
個人的な反省を踏まえて述べさせていただきますと、一番最初に特商法で迷惑メールの対策を導入したときの研究会に参加させていただいていました。そのときにオプトアウト方式の採用ということを検討したのですけれども、どう考えてもトレーサビリティがないので、これって実効性がないですよねということはかなり気にして、その時点でも多少申し上げたのですが、いやいや、送られてくるメールというのは商業用のメールなので、いろいろ引っ張っていけば、だれが送っているか、広告主にたどり着くのですよといわれるだけではなくて、いろいろな連絡先の情報というものがあるので、だから行政指導をちゃんとできるので大丈夫ですよというようにいわれて、その時点で納得したのが失敗だったなというように実は思っております。
現在、十分に行政指導の数が上がってない。年度でみると490件ぐらい警告はしていると。にもかかわらず、2件ぐらいしか行政指導という意味での摘発ができていないということの本当の要因はどこにあるのか。事業者をちゃんと特定することができているのか。特定した上で、もし行政指導ができないとしたら、そこはどこにネックがあるのかということをきちんとしていただく必要があるのだと思います。
入り口のところで、オプトイン、オプトアウトのところについていうと、仮にオプトインにしたとしても、トレーサビリティが確保できなければ同じことが起きてしまうということは自明だと思っていますので、現時点で抱えているトレーサビリティに関する課題がどこにあるのかということを、まず最初に明らかにしていただく必要はあるのではないかなと思っております。
諸外国の例を引かれていますけれども、実質的には事業者の目からみると欧米の、つまりアメリカのオプトアウトの規制も、EUのオプトインの規制もさほど大差はないと考えております。大差はないというのは、EUでオプトインというようにいっていても、EUのディレクションをよくみていただければわかるように極めて多くの例外事項を含んでいて、現在、事業者の人たちがやっているものについていうと、ほとんど差し支えがないというのが実態だからであります。そのために資料9のような結果ができていて、論点の8で出されているような細かい規定ということを果たしてEUがやっているかというと、知っている限りは、そういうところはないと思っております。ですから、そこはきちんと議論のたてつけを考えていく必要があるのかなと思っています。
もう1つなのですけれども、資料8の中に関連各省と一緒に取り組んでいきたいということが書かれていました。きょうはご紹介いただいていないのですけれども、私、前にちょっとお話しさせていただいたときに、経済産業省さんはオランダの例を紹介されておりました。オランダでは、オランダ発・オランダ着の迷惑メールの数が非常に少なくなったということが紹介されて、EUでもオランダを見習いなさいということが書かれています。オランダは、OPTAという機関が集中的に対策をして実効性を上げたというようになっています。OPTAというのは、日本でいうところの総務省さんであって、通信をつかさどっている省庁だというように認識しております。通信の在り方とか、通信規制をよく知っているところが集中的にやることで効果を上げたというような例が挙がっているわけですので、予算の使い方から考えても、いろいろなところでやるよりも集中的に一気にやっていただく方法を考えていただくということも、あわせて必要なのではないかなと思っております。
一番最初に述べました立法事実をもうちょっと丁寧に確認していただきたいという意味でいうと、資料7に関してはかなり多数の質問があります。この中で幾つも重要な点が明らかになっていない。一番最初にいいましたように、なぜ現在のオプトアウトの実効性が上がらないのかというところ、特にトレーサビリティのところの分析が十分されていない。
それから、資料の中には、最近1年間における定点調査というようなものと1ヵ月間の調査のようなものが混在していて、なぜ調査期間が異なっているかというのがわからない。
総務省さんのほうの研究会のレポートが、きょう出るというご紹介をいただいています。総務省さんほうの研究会、私も出席させていただいていましたけれども、そこで総務省さんのほうが受け付けている迷惑メールに関するクレームの数、それからインターネットのプロバイダーが把握している迷惑メールの増加傾向に比べると、経済産業省さんが出されている申告件数の伸び率が異様に急傾斜になっているということがいえると思っています。なぜ経済産業省さんに来る申告だけがこういう著しい伸びを示しているのかというところもすごく気になって、もしかすると申告をしている方が、特定のパターンとかをすごく気にされて申し出がふえている可能性もあるのかなと思っていて、もしそれがあるとすると、消費者の方々が一番気にしているものはどういうものなのですかということも、きちんと解析をしていただければと思っております。
それから、プロジェクトを組まれているそうですけれども、一番最初にプロジェクトの話を聞いたときに申し上げて一度もご回答いただいていないのですが、一体どのぐらいの予算で、何人ぐらいアサインして、何台のモニター機を置いて、幾つのメールアドレスでハニーポットを仕掛けているのかということについても、きちんと全体像を把握できているのかどうかという観点から開示をしていただきたいと思っております。
あと迷惑メールの具体的な弊害の中に、先ほどウイルス感染等の危険性があると簡単におっしゃったのですけれども、これが広告メールで起きた例というのは、私、個人的に知っている限りはなくて、いわゆる一般のウイルスに感染したメールが拡散して起きたというのはあるのですが、もしこれがここでいう対象になる広告メールを起点としてウイルス感染が起きたという例があるのであれば、その実例数と迷惑メールに占める割合というものも、きちんと開示をしていただきたいと思っております。
それから、アダルトサイトとかワンクリック詐欺の件が載っているのですけれども、ご存じのように警察庁さんの統計では、18年、19年に比べるとワンクリック詐欺の数は減少してますというデータが出ています。ここはワンクリック詐欺に遭遇する危険性が拡大するというように記載されております。警察庁さんの資料とは違うことが書いてありますので、こういうところについても、細かいところなのですけれども、きちんと根拠を示していただきたいと。そういう根拠がわかれば、いや、ここが問題なのだなと。だから、こうすればいいということが容易にわかってくるのではないかなと思っております。
一番最初の質問に関連するところで、一番大きいところでいうと認知件数がちょっとわからないので、ISPへの通知件数が4万5,264件ありましたというのですけれども、これは総認知件数に対してどのくらいの割合で来ているのか。このうちISPが実際に対応できたのが何件だったのか。金融庁さんへの通知の件数が105件とありますけれども、この105件のうち実際に口座の停止まで至ったのは何件あるのか。これは口座の件数そのものイコールなのか、それとも重複して口座を含んでいるのかということについても、明確にしていただきたいと考えております。
もっとあるのですけれども、その辺はまとめてできれば事務局さんのほうにお渡しして、1週間程度でちゃんとご回答いただければありがたいなと思っているのですが、事ほどさように、ちょっと分析が甘いのではないかと。
先ほど6ページ目に懸賞サイトの件が載っていて、立入調査しましたとおっしゃっているのですけれども、実際何件ぐらい立入調査をして、これは迷惑メールの中でどのくらいの量だったのかというのも私どもとしては知りたいと思っておりますし、こういう事業者がまいている迷惑メールというのが総数字に占める割合は一体何%なのかということについても、きちんと示していただきたいと思っております。
それから、先ほど口頭のご説明で、アメリカとかヨーロッパでの迷惑メールの数が頭打ち傾向だというようなことをおっしゃったのですけれども、いろいろな資料をみる限りそこまで書かれているものがないので、もし公式な資料でそういうものがあれば、その資料名等についても開示していただきたいと思っております。
ちょっと長くなりましたけれども、質問を兼ねまして意見を述べさせていただきました。
【座長】
多数の質問が含まれていたと思うのですけれども、恐らく数値の根拠をもっと明らかにしろという部分はこの場ではすぐにお答えできないと思うので、後ほどできるだけそういうデータをお出しいただくということで、それ以外、この場でお答えできる部分についてだけ、どうぞ。
【諏訪園消費経済対策課長】
大変いろいろとご質問いただきまして、ありがとうございます。
今、座長からおっしゃっていただきましたように、データについては次回のところできちんとお示ししたいと思っております。
それから今、一番核になるトレーサビリティの問題でございまして、ここも次回以降、整理したものをお出ししたいと思いますが、これは先ほどの6ページ目のところに戻っていただいて、私どもが実際、実務で感じている問題が幾つかございます。先ほどオプトアウトの議論のときに、いろいろな形で出会い系サイトとか発信元にたどり着けるのだよというようなことが、どうも事務局からご説明されたというようでございまして、それは多分、そのときはそのように思っていたところもあるのだろうと思います。実際、私どももたどり着けている場合もあるわけです。
私どもの秘密もありますので、今ここで余り調査の手のうちを明かすのは差し控えたいところもございますが、やはり現実問題としては、迷惑メール発信のIPアドレスをたどっても、フーイズデータベースでみる限り非常に匿名性がございまして、余りきちんと情報を開示されていないケースが相当ございます。そういったものは、そこで終わりになるだけではなくてほかにもいろいろな方法があるのですが、なかなか困難を極めているというのが現状です。これはEUの担当官等とも話していますと、オプトインの一番のいいところは、オプトインに限らないところもございますが、やはり金の流れを押さえるのが一番適当なのだろうと。今、出会い系サイトのサイトにも必ず振込先の情報を書いておりまして、そういったところの振込先というのは国内の銀行ですとか、国内の電子マネー決済業者が非常に多うございます。こうしたところに対して今情報提供を求めても、銀行は何ら法的根拠がなければ出せませんよということがありまして、他方で法的根拠があれば、それはもう喜んで我々としてはそういったところに協力したいという話も内々聞いておりますので、私どもとしては特定商取法を改正しまして、銀行ですとか電子マネー決済業者。こうしたところから、取引先の情報を出してもらうという形の規定をしたいというのが1つございます。
もう1つは、私どもが実際に立入検査をしていますと「未承諾広告※」といったものについて、「いや、それは業者に頼んだから忘れちゃったんだろうと思います」とか、広告メール送信あっせん事業者を運営している懸賞サイトで、「包括的に、たしか同意をとってたと思いますよ」というようなことでございまして、どうも出会い系サイト自身は、確かに広告主ではあるのですけれども、その後のメールビジネスについては、一切委託してしまって自分は知りませんということがいえるようなシステムになっています。そういう意味で実際踏み込んでみると、どうも平成14年のときに考えていたほどトレーサビリティについてはそう甘くはなくて、なかなか向こうにいいわけがきくようになっている。
ただ、EUの担当官がいいますのは、請求した事実というのは本当に出会い系サイトのほうでもっているのですかということをたどっていくと、それはもう向こうがもってないということが明らかなので、そのあたりでオプトインとオプトアウトは随分違うのだと。
ちなみに、米国についてはEUと似た制度だというのは、多分米国のほうも、これは韓国もそうですが、いわゆるメールアドレスの収集、売買については一定の規制がなされています。ですから、そういう意味では彼らはそちらのほうをもとに、ではどこで手に入れたのということをたどっていくことができるという意味では、日本の場合にはそういったこともないわけでございまして、事実上、オプトアウト制度を補完するようなものがなく素手で戦っているのでございまして、トレーサビリティの点では現在、非常に問題があるというのが現状でございます。
あと、定性的なものとしましては、ワンクリック詐欺の数が減少しているのではないかと。警察庁の統計ではさまざまな苦情の件数をもとにおっしゃっておりまして、確かに不当請求で相当PIO―NETのデータも伸びて、それが若干落ちているところでございます。ただ、依然として5年前、10年前に比べると格段の水準にあるわけでございまして、高水準にあると。
さらには、この危険性が拡大しているというのは、いってみれば今までのワンパターンなアダルトサイト、出会い系サイトの被害ではなくて質的な意味でさまざまに巧妙化しておりますので、これまで男性の大人が自己責任でやって何か危険に遭遇したのだよという話ではなくて、家族全体、子供さんまで巻き込むような、ないしは奥さんまで巻き込むような、そういったことになっているという趣旨でございます。
あと適宜、ご指摘いただいたところについてはデータのほうを用意してご説明したいと思います。
【座長】
では、簡単に。
【別所委員】
今ご説明いただいたのですけれども、一番最初にご説明いただいた(6)のケースについては、ケースの個別的なことを聞きたいと申し上げているのではなくて、何件ぐらいのケースがあったかという件数と、それから迷惑メールの全体に占めるパーセンテージはどのぐらいだったのかという数字を伺いたいということを申し上げたのです。
あと今、重要なことを諏訪園さんはおっしゃったと思っているのですけれども、金の流れを押さえるのが大事だと。つまりオプトイン、オプトアウトの問題ではなくて、トレーサビリティのところは、1つは金の流れと。もう1つは、これもオプトイン、オプトアウトの問題ではなくて、メールアドレスの売買規制がされているのが諸外国でみると有効だということをおっしゃっているので、そこのところは非常に重要な発言だというように私としては認識しておりますし、全く異論はないところでございますので、そういうこともトレーサビリティの確保のためには必要なのだと。オプトイン、オプトアウトとは関係ないところで、有効性を確保するために必要だというご発言だというように理解させていただきました。
【座長】
野原委員、どうぞ。
【野原委員】
まず、立ち位置のところからご説明したほうがいいかなと思っております。スパムメールのような悪質な迷惑メールにつきましては、これに対する対策を強化するということは、我々事業者の立場からとっても非常に必要なものだというように認識しております。必要な施策で協力できることがあれば、我々としても協力してまいる所存であります。
この産業構造審議会の特定商取引小委員会の中で迷惑メールの議論がされてきているわけですけれども、余り時間が十分に割けていなかったと思っておりますので、今回のWGのところで、対策の方向性が本当に正しいのかも含めて十分に議論していきたいと考えております。
今回、この場で総務省さまから諸外国の状況についてご説明があったわけなのですけれども、これを聞いて、あらためて、なるほど、そうかなと感じたところがございます。結局、この規制というのは、先ほど別所委員からもありましたけれども、オプトイン、オプトアウトというような対立概念ではないということです。ポイントは、スパムメールのような悪質な迷惑メールを排除するということと、それから、健全な営業活動については妨げにならないように配慮するということとの2点をしっかりと配慮して枠組みをつくるということであります。オプトアウトがだめだから、では全てをオプトインにするというような形で、ジャンプ・イン・トゥー・コンクルージョンにもっていくということには若干違和感があると考えているということであります。ぜひこの点を含めて、WGの中でしっかりと議論していきたいと考えております。
あと細かい点については幾つかあるのですけれども、我々として、どうしても事業者側からして、やはり違和感があるかなということを1つだけ指摘したいと思います。これは広告メールの送信あっせん事業者のところであります。諏訪園課長さまからも、健全な事業者については対象とはならないというようなお話があったわけですけれども、そのようなことが本当に担保されるのかは非常にあいまいなままですので、そもそも「事業者」に対する規制の必要性が本当にあるのかどうかというところについては十分に議論していただきたいと考えます。我々としては、適切ではないと考えております。
以上であります。
【座長】
長田委員、どうぞ。
【長田委員】
今お2人から、スパムの対策が必要であるということは当然同意というお話をいただきました。スパムを受け取る側、ユーザーの感覚でいうと、また別所さんに数字でといわれるかもしれないのですけれども、まず資料7の経産省のところの分析で出会い系サイトがほとんどであるということで、あとアダルト画像ですというお話でした。私もずっと総務省のほうの迷惑メールの検討会、2回出させていただいている中で、ずっとスパムメール、いろいろなことをしながら自分なりに集めてみてきました。その中からいえば、最近は出会い系ももちろん多いというのは日本の特徴だと思いますけれども、販売物とか、あとお仕事紹介物とか、SNSの成り済ましみたいなものとか、ちょっとバリエーションがふえてきていて、本当によりひっかかりやすくなってきているのではないかと思いました。ということを1つ申し上げたいと思います。
それから、受け手の側から申し上げたいのは、健全な事業者さんの営業活動を阻止するつもりは全くありませんけれども、健全な事業者さんが好意をもって送っているメールも、受け手にとっては、場合によってはスパム化することがあるということを1つは申し上げたい。それは今のオプトアウト規制においてオプトアウトが非常に危険だということがあるので、まずオプトアウトがしにくいというのが1つありますので、オプトアウトをしないでどんどん来たものをみないで削除していく、ブロックする、はじくという形で、多分お返しするなりなんなりして全くみない状況になっていると。そうすると、受け手の側からしますと、たまにブロックしたものをみない人も大勢いらっしゃると思いますけれども、迷惑メールフォルダに、自分のところに入ってくるような場合は、そのメールを送っている事業者さんそのものが、何となくスパムを送る人のように自分の認識の中で勘違いしていく。私にとってのただのスパムなのだけれども、何となく迷惑メールを送っている人みたいになってしまうことが、健全な事業者さんにとっては非常に不利なことで、そこは防ぐべきだと思っています。だから、きちんとオプトインにしていくべきだというように、自分がどういうときに、どういう方法で請求をしたのかということが明確になっていれば、あっ、そうだというようにわかるのですけれども、何だか、どこでオプトインしたのか、申し込んだのかもわからないようなものがどんどん来ていて、かつオプトアウトしにくい状況というのは非常に問題だと思っています。
それで1つ、この検討課題の中にも出てきていますけれども、デフォルト・オンを認めるかどうかというところに関しては、デフォルト・オンのチェックを外すということは事前にオプトアウトしただけであって、デフォルト・オンを受け取るということ自体がオプトインしたことにはならないと考えますので、そこはデフォルトはオフであるべきだと思います。
もう1つ、非常に心配するのは、成り済ましのオプトインが横行するのではないかということで、それに関しては私が受け取っているメールの中でも幾つもありますけれども、確認メールを送られるという形で、それがダブルオプトインということになるのかもしれませんが、確認メールを送ってくださっているところがあります。そういう形になれば、我々も安心してオプトインのメールを受けて、その中身をきちんと読んでいくことができると考えています。とにかく要件がきちんと明確になって、その上で、いわゆる悪質事業者がまずきちんと排除されていって、そういう人たちのビジネスが成り立たないように、ぜひ今回の法改正でそれを実現していただきたいと思いますし、そういうことで実効性を高めていくということになると思います。
それから、トレーサビリティの話を別所さんがおっしゃっていましたけれども、その話をしていくと、やはり本人確認、本人認証のようなものが必要になってくるという話に、結果的にはなっていくのかなとなりますので、もしそこまで含めるのであれば、総務省のほうでも検討ということになると思いますが、そのようになればより安心になりますので、そこは、そういう意味では賛成です。
【座長】
宗田委員、どうぞ。
【宗田委員】
宗田でございます。よろしくお願いいたします。
いろいろな方からの貴重なご意見を拝聴しまして大変勉強になるのですけれども、3点ほど申し上げたいなと思っております。
まず1点目でございますが、先ほどオプトアウトとオプトインと大して変わらないのだというご発言があったかと思います。これにつきましては先ほど橘高審議官からもご指摘がございましたように、福田内閣がこの間の表明で、真の消費者保護を行うように、きちんと官庁は転換すべきだということでございます。我々がこの部会で検討することには、私は今申し上げましたような内閣の方針に沿って、オプトインというものに転換するということに意味があると考えております。
といいますのは、EUにおきましてはオプトイン方式が採用されているわけですよね。そのオプトイン方式の規制根拠ということを考えてみる必要があると思うわけです。迷惑メールや広告メールを送る送信者側の営業の自由、表現の自由、広告の自由というものは、確かに憲法上、認められるべきものだと。しかしながら、受け手にとってみれば、それが消費者である場合には当然我々の人格権、つまり平穏に生活をする権利というものがあり、それが害されるのだと。たとえ広告メールだとしても事前の消費者の同意がない限り、受け手のプライバシー権、人格権を侵害するものなのだという価値判断のもとに、EUではオプトイン規制をしいているわけであります。こういったことを考えますと、我が国でこの時期にオプトイン規制に転換するということは、真の意味での消費者の保護というものをきちんと考えるということになると思い、大変意義のあることだと考えております。
受け手が法人である場合、これは当然営業活動を行っております。そして、法人である場合にも、営業者である場合にも、きちんとした営業をする自由というものが憲法上、保障されているわけであります。法人が受け手になる場合には、例えば1日に受信する迷惑メールの数は3,000通、4,000通に上るのが通常といわれております。その膨大な迷惑メールを削除するのは、ほかでもなくその会社の従業員です。大切な営業時間を使って、その迷惑メールを削除しているわけであります。これによる企業への損害、損失というものは、かなりの高額になるという統計も出ております。
したがいまして、この問題はさきに述べました消費者保護という観点のみならず、我が国の健全な経済発展のためにも寄与するものというようにとらえることができると思い、オプトインへの転換というものは、その意味でも重要な意義を有すると考えております。それが1点目でございます。
2点目でございますが、先ほどもご指摘がございましたように違反者の特定の困難性の解決の点でございます。私の著書においてヨーロッパ、殊にドイツの展開を踏まえて、送信者の特定を行うということの改善策を提示させていただいたわけでございます。
そこにおいて指摘しましたのは、我が国におきましては特定電子メール法で例えば総務省が規制する部分でございますが、迷惑メールの送信者を特定するためにプロバイダー等に対し発信者情報を行う。そういう権利を受け手ないし消費者団体に認めるというものがドイツで行われているということを踏まえて、私が提案したのは、我が国では主に消費者保護は行政が行っていることを考えますと、今いったような発信者情報開示に係る権限を総務省に与えてはどうかという提案をしたわけであります。当然電気通信事業者におきましては、電気通信事業法上の秘密保持義務というものがございまして、従来の行政上の規制の調査におきましては、送信者情報を提供するわけにはいかなかったわけでございますが、そのような権限を総務省がもつということによって、送信者の特定がなされるのではないかということでございます。
そして、きょう(6)のプリントでご指摘がございました。迷惑メール対策の一層の強化というところで非常にわかりやすく説明されておりまして、大変勉強になりました。
ここの(3)でございます。振込先として指定されている口座のある金融機関等からの情報開示というものの権限を、こちらは経済産業省に与えるということで極めて重要な点だなと思っております。これにより規制の実効性が確保されることが望まれると考え、期待しているところでございます。
3点目でございますが、規制する機関は集中するほうがいいのか、それとも分散するほうがいいのかという考え方についてでございます。こちらにつきましては、我が国では従来から経済産業省、そして総務省という行政機関が迷惑メールについての規制を行っていたものでございます。
しかしながら、先ほど諏訪園さんのご指摘にもございましたように、迷惑メールを規制する特定商取引法には、これから消費者団体訴訟というものを導入する予定になっております。この消費者団体の差止請求権の対象行為に不招請勧誘・広告の迷惑メールというものを加えるのかという論点があるかと思います。私としましては団体訴訟制度の母国であるドイツの展開を踏まえますと、消費者団体の差止請求権の対象行為として迷惑メールを加えるということを考えております。今の点が第3の点になるわけであります。
以上です。ありがとうございました。
【座長】
沢田委員、どうぞ。
【沢田委員】
ECネットワークの沢田と申します。Eコマースを推進するという立場から発言させていただきます。
まず初めに、今回の枠組みを考えるに当たりましては実効性の確保が絶対重要だと。それが一番大事なことだという点に関しては、別所委員のご意見に全面的に賛同いたします。私ども小さなネットショップを会員とする非営利の団体でございますので、その会員に限らずおつき合いのある小さなショップに対して、今回の規制強化がどういう影響があるかということを幾つかお話を伺ってまいりました。
そのときに、まず前提として今の規制だと皆さんもちろんショップであり、かつ消費者であるわけですから、手元に来るメールの迷惑さには辟易しているわけで、そこは皆さん同じなのですね。それが本当に減るのであれば、自分たちのところに多少犠牲なり負担なりあっても仕方がないだろうというように納得はされると思うのですが、もしもそれが規制強化をしても自分たちが負担をこうむるだけで全く効果がないのであれば、それは本末転倒であるというのは一貫したご意見だったと思います。
そのときに、今、経済産業省としてはこういうことを考えていますと。今の規制の内容だと、今手元に来ているメールを取り締まろうとするとこのようにつながっていくのだけれども、ここで行き詰まってしまって、これ以上行けないのですと。だけど規制を強化した場合には、もしオプトインに変えた場合には、それ以外の措置も含めてここまで行けると。ここで、これを捕まえられるから手元に来る迷惑メールは減りますよと。そこを説得力をもっていえるのであれば、ある程度ご理解が得られるのではないかと思っています。
今までのご説明はもちろん漠然とはわかるのですけれども、必ずしも数字をもって示す必要は余りなくて、具体的な事例を念頭に置いて、こういうメールは嫌でしょうと、こういうメールが来るのを止めたいよねということで、幾つか例を挙げることができれば有効かなと思います。特になれなれしい口調で来る、「こんなURLがあったよ」みたいな、ああいうのが本当に止まるのかとか、海外から英語で来るバイアグラの宣伝とか、それが止まるのかどうかというのも関心の1つですので、そこは特商法で対応できる部分と、総務省さんの特定電子メール法で対応できる部分と、それもここはこうで、こっちはこうでというように総合的に示さないと一般のショップさんにはわかりにくいので、そこが1つの絵になってみせられるといいなと。国際の話に関してはこうだということも含めた美しい絵というか、明るい未来が説明できるといいなと思います。
もう1点は、実効性が十分に確保できるという予測がついた段階で次の話ですが、では、そのときに我慢できる、負担を受け入れられるところはどこまでかという話です。Eコマースの市場は伸びています。というのは、ネットだけで商売をされているところだけではなくて、地域に根差してリアルで小売店舗をもって長年ご商売をされてきたところが、だんだんとネットも活用するようになってきているという状況かと思います。この方々に注目すると、結構オプトインの規制の詳細なところでつらいところがあるというのも伺いましたので、これはこの後の具体的な議論に入りましたときにご紹介をさせていただければと思います。
以上です。
【座長】
佐藤委員、どうぞ。
【佐藤委員】
ディノスの佐藤でございます。
いろいろお話を伺っておりまして、この目的は迷惑メールを減らすということが一番の目的ですよね。私どもの会社も当然オプトイン方式でやっているのですけれども、本当にオプトイン方式にしたから迷惑メールの数が減るのでしょうかというのが、先ほど別所さんもおっしゃっていましたけれども、実効性で私も非常に疑問を感じております。ここに迷惑メールの数がふえ続けているというデータが出ていましたけれども、その中でどのくらい、例えば自動取得したり、自動生成した迷惑メールの数があるのかなと思っておりまして、そういうものはオプトインに変えたからといって減るのでしょうかというところをまず感じております。
それと、諸外国の例を拝見させていただくと、先ほど別所さんがおっしゃっていたオランダの仕組みですとか、私は不勉強でちょっとよくわからなかったのですけれども、オーストラリアのスパムマターで自動的に使用者に入れさせている。やはり自動生成したりですとか、自動取得した迷惑メールに対処するためには、ある程度こちらも仕組みとして対処していく方法も考えていかないと、本当にオプトインに変えたからといって大量に送信されている自動取得したり、自動生成されているメールが減るのか非常に疑問に感じております。
ですから、その辺も実効性を確保するという意味では、先ほどおっしゃっていたように、本当に一番多い迷惑メールの種類が何なのか。それを撲滅するためには、まず最初に何をやらなければいけないのかということを考えていくべきではないかなと思っております。
【座長】
櫻庭委員、どうぞ。
【櫻庭委員】
まず量の話に関していえば、現状明らかに迷惑メールを含めてメールの流通というのはふえています。これは通信事業者としての立場でございます。
MAAWGという国際団体において、先々週、総会があったのですけれども、その中でも、これまで割と高いレベルで、八十何%で推移していたのですが、前回の報告では少しふえました。これまで高どまり傾向だったのですけれども、最近またふえているというのが前回の報告でありました。ですので、世界的に迷惑メールというのは全然減ってはいない。実は高どまりの状態でもない。状況においては今後もふえる場合もあるのだというのは、我々通信事業者としての現在の認識でございます。そういう状況において、メールが健全に使われている量がふえている分には構わないのですけれども、それはどうみてもスパムですね。いわゆる迷惑メールがふえているからではないかというのが、我々幾つかのサービスを出しているわけなのですけれども、その中で得られたデータを調査してみますと、どうもそういう傾向になるのではないかと思うわけです。
こういう状況をみますと、健全な事業者さんが、インターネットを使ってビジネスをされている方々が、今一番迷惑をこうむっているのではないかなと思うわけですね。それはなぜかというと、我々通信事業者としてそれだけ量がふえれば、しかも正しいメールがふえてないという状況であれば、どうしても自社の設備を守るためにある程度規制せざるを得ないわけです。突発的なメールが来た場合に、ほかのユーザーのために自社設備を守らなければいけないわけですから、そういう対策をとっていきますと、それは送信側に対しても、また再度いろいろな手を使ってというとちょっと失礼なのですけれども、いろいろなやり方で送られてくるのだろうと思いますね。悪循環を打開しない限りは、この現状というのはどうしても直らない。悪くなっていく一方なのだろうと思っております。
実効性が先ほどから議論されていますけれども、そこは確かに大事だと思うのですが、業界としてある程度ルールづくりといいますか、その辺のマナーの部分をいかにいろいろな業界を含めて考えていくか、また法律で直せる部分は直して、摘発できるものはしていくというのが私は大事なのではないかと思っています。
【座長】
横山代理、どうぞ。
【横山弁護士(斉藤委員代理)】
きょう事務局からお話があったところは、いわば立法事実の説明があって、その対策としてのオプトインは実効性があるのだということを前提にして、具体的なオプトインについての制度設計を研究したいというような文脈のお話だったと思うのですけれども、その入り口のところの立法事実が違うのではないか。立法事実がこのとおりなのかという指摘があると、そこから先の議論がほとんどできなくなってしまうわけなのですけれども、それでは議論ができませんので、これを前提に考えますと、資料7の1ページのグラフというのは非常に衝撃的なものです。
なぜ衝撃的かというと、これまでずっといろいろ対策を講じてきても、これまでの対策が結局、実効性をもたなかったということなのだろうと思うのです。そうなると何か抜本的な対策が必要になるわけでして、それがオプトインなのかどうかということは、さらにその先の議論としてあるにしても、例えばヨーロッパでオプトインが一定の実効性をもっている。これもそのことを前提にしての話になりますけれども、そうであれば、ぜひオプトインを試行的にでもやってみるべきではないかという気がしています。
法律についてはやってみないとわからない部分があるわけでして、特商法の最初の段階でのオプトアウトの制度設計がうまくいかなかったということで今日の状況があるわけですから、決して無謬で出発しなければいけないというわけではない。それはもうトライアル・アンド・エラーというのは、回復しがたい打撃をどこかに与えるということでなければやってみたらいいのではないかという気がしています。個人的なレベルの感覚でいえば、本当に1日10分間、むだにしている。それを4,000万人がやっていると、多分計算すると100万人ぐらいの労働人口に換算される人が一日中ほとんどむだなことに時間を費やしていることになると考えられるわけでして、これはもう経済的損失も物すごく大きいのではないかという気がしています。
その上で、オプトインが、表現の自由の問題というのを先ほど宗田先生のほうからご指摘があったのですけれども、これは憲法の世界では昔からダブルスタンダードということがいわれていて、やはり経済活動における表現というものの限界というのは考えていくということになるのであろうということで、内心的自由を保障するための表現の自由と、経済活動の表現の自由というのに違いが出てくるのは、やむを得ないものであると考えます。
あと、具体的な制度設計の中でデフォルト・オンの話がありましたけれども、消費者というのは、今ここに、この場にいる人たちというのは大変ITリテラシーの高い人たちの集まりなのではないかと思いますけれども、こういったところは世の中のスタンダードではないのでありまして、世の中のスタンダードは、パソコンを買ってきてインストールもみずからできないような人たちがたくさんいるわけでして、そういった人たちを、その制度設計では基準に考えていただきたい。それはぜひ出発点にしていただきたい。
ですから、デフォルト・オンというのは、あちこちパソコンをいじって、それでクリックを外さないとオプトインにならないという制度設計では困るなと。それは具体的にはいろいろな場面であるかと思いますけれども、象徴的に消費者の立場からいえば、そういう問題があるのではないかというところを申し上げたいと思います。
以上です。
【座長】
木村委員、どうぞ。
【木村委員】
まず、最初のヤフーの別所さんのご意見のところなのですけれども、資料7の(3)について、ISPへの通知の結果がどうなったかということを求められるご発言があったのですが、今の追放支援プロジェクトでは、ISP側に通知いただいたことについて回答する義務がない仕組みになっておりまして、そういう要求をされると、今度ISPのほうに回答しなくてはいけないという義務が生じてしまいますので、これはできればちょっとご遠慮いただきたいなと思っております。
本題に入りますが、資料8のほうなのですけれども、6ページに技術的論点が幾つか書いてあります。私どもISPとして、いろいろ迷惑メールを受信される利用者の方と、あとメールを送信される事業者の方との間に入ることが多いのですが、受信者で苦情をいわれる方は、迷惑メールは主観的なものですので、例えば自分でオプトインしたメールを忘れて、そういうメールマガジンが届いたときに迷惑メールだというように主張されるケースもかなりございます。
そういうことでオプトインの仕組みをとった場合には、オプトインで届いたメールが本当に自分がオプトインしたものであるということは、何らかの形で本人の方がわかるようにしていただかないと誤解を招くということもありますし、あるいは逆に悪質な事業者が迷惑メールを送るに際して、これはあなたがオプトインしたものですということを表示するといったことも考えられると思います。その点で6ページに書かれているのですけれども、証明方法として日時を記録することは技術的に可能かということで、これは理想的とは思うのですが、仮にできないとしてもメールの1回目を送るときぐらいは最低でも、これはあなたがどこのサイトでオプトインされたもとについて送っていますというようなことを表示されるのが、混乱を防ぐのではないかなと思っています。
また、このページの1のところに、いわゆる登録したサイト以外からメールが送られるような場合というのは、基本的にはあってはいけないことではないかなと思うのですけれども、そういったことがあった場合、自分がどこのサイトで登録したことについて、このメールが来ているという経緯がわかるということは大事だと思います。仮にその場でわからないとしても、後から調査によって事業者が証明できるというような、そういった立証責任が事業者に生じることは大事ではないかなと思います。
以上です。
【座長】
岸原委員、どうぞ。
【岸原委員】
内容について、いろいろ細かい点についてはあるかと思うのですが、ちょっと前提条件が議論になっているようですので、まず迷惑メール、法改正しただけで少なくなるかというと、これは多分大きな影響はないということは、もう前提条件として出したほうがいいのではないかなと。それで効果があるからやりますよというよりは、もともと迷惑メール対策は特効薬がないというところから、できることをやらなければいけないと。ちょうど総務省さんの資料3でありますけれども、総務省さんが挙げられている部分だけでも5項目、考えられることを対応して、それで対策をやっていかなければいけないということからすると、今回、法律で対応できる範囲ということを厳密に知って、そこを対応していくと。多分別所さんのおっしゃっていることも、もう何もやるなといっていることではなくて、どこまでできるかと。そこの範囲で、1つは健全な事業者に対して影響があるということは、逆に消費者にとっても健全な情報が受け取れないというデメリットにもなりますので、これ、事業者側だけの話ではないと思っています。
その中で、今回、オプトインに変えなければいけないかというところでいいますと、今、健全な事業者がもうオプトインに対応している状況になっているかどうかというのが1つ重要かなと思っています。もう環境がそのようになっているのであれば、もうそろそろ変えていいのではないかなと。もう1つは、今現在のオプトアウトの制度自体が消費者に負担をかけている。これはオプトアウトしないとずっと来るのですよという誤解もありますけれども、こういったものに対して対応しなければいけない。多分オプトインに変えるときのメリットといいますか、要点としては、この2つではないかなと思っております。
トレーサビリティに関しては、多分インターネットの仕組みを抜本的に変えない限りは不可能でございまして、現状これができるのであれば表示義務違反をすべて取り締まることによって、別にオプトインにしなくてもいいかと思っておりますので、逆にそこはもう対応できないのですよということを前提にちょっと議論していかないと、前に全然進まないかなと。
そうした中で、今回の論点としていろいろ検討している中で、アドレスを第三者提供にしていくという部分に関しては、法律改正によって何かしら効果が出せるのではないかなと。ちょっと具体論に関しては長くなるので避けますけれども、そういった点を明確にした上で、できる範囲をやっていくというところで方針を決めていかれるといいのではないかなと思っております。
【座長】
上原委員、どうぞ。
【上原委員】
私は今、ネットショップを、楽天、ヤフー、ビッターズ(DNA)、自社サイト、それから携帯のドコモの公式サイトの計5店舗、もっています。店舗運営者でもあるし、一消費者としてもメールを毎日すごくたくさん受け取っています。先ほど他の方が、迷惑メールで、毎日10分ぐらいむだにしているとおっしゃってましたが、私は30分ぐらいむだをしています。
あと、携帯のメールもぜひ対象にしてほしいのですけれども。
さて、私は前回の特商法の情報提供者として、1回参加しただけで全体像をまだ把握してないのですが、この会合というのは限られた回数で有効な効果のあるルールをつくっていくというのが目的だと思います。
このデータでは、いわゆる悪質業者から来るメールが、ほとんどだろうと。では、今回のルールでは、そういう悪質業者を取り締まるというか、判別するルールと、それから、それを抑え込んでいく、その技術的な論点が必要なのかなというのが1つ。それとは別に良好な事業者。具体的にいうと、ネットショップをやっている人、それからモールの運営者、その周辺のいろいろなコンテンツとか、メール関係のサービス、セキュリティーのサービスとか、いろいろな業者さんがいるし、今後も新しい事業が生まれてくると思います。そういう方々が、グレーゾーンの中で、これは消費者にとってメリットがあるよとか、デメリットはあるけどメリットのほうが大きいからここまでは許そうとか、そういうガイドラインをつくっていくというのがこの会の目的かなと思っています。
で、その2つ、悪質業者と、そうではない人たちを分けて考えるべきだ、という感じがしていて、これははっきりとは分けられないでしょうけれども、対象によって、かなり論点が違うのではないか、という感じがします。
1つ質問です。資料7の1番にデータが載っていますけれども、スパムメールのうち95%以上が出会い系とかアダルト画像だと。では、今現在やっているオプトイン、オプトアウトの議論の前に、業者を選別して、それを追跡していくと、大体どういう人がやっているかよくわからないのかもしれませんけれども、今回の規制の方向性でいくと、迷惑メールをどのくらいカットできると思われているのかなと。
私は今、岸原さんが効果はないのではないかとおっしゃっていますけれども、かなり期待しているのです。半分以下になるのではないかなと思っていて、その辺はいかがなのでしょうか。
【座長】
では、その点だけ。
【諏訪園消費経済対策課長】
正直申し上げまして、何か数量的なものが出せるわけではないと思っています。
【上原委員】
ざっくり。
【諏訪園消費経済対策課長】
ただ、ざっくり申し上げまして、私どもがこれまで摘発した出会い系サイトの事業者。そんなに多くはないですけれども、いろいろなところに入っていきますと、そう悪質な形でやっているわけではないのがわかります。我々も最初に立入検査に入る前に、いわゆる暴力団系のところがやっているのかというと、あに図らんや、そうではなくて、もともとIT事業のビジネスをやっていた方がいろいろな方と知り合って、先ほど申し上げた広告メールあっせんをやっていらっしゃる方から、いろいろなビジネスモデルを提供されてやっているという方もいます。
ですから、ある程度、自分たちのところに摘発が行き得るのだと。自分たちが消費者から請求を受けた事実を提供できないのだと。立証責任を課されるような形で摘発され得るのだという危機が迫ってくると、大分彼ら自身、一罰百戒みたいなところがあって相当程度減ってくる可能性があるのかなと。
さらには広告メールあっせん事業者も、私どもが入ったところによっては、バナー広告は実際は正規の事業でやっていて、それが表の顔なのですと。逆にそういったことが本当に摘発されるのだとすると、それは非常にリスクがあることでございますので、今やっている方々なんかは相当減ってくるだろうと思います。
ですから、私どもも全部が全部そうなのかといわれると、それはあれですけれども、そういったところがグレーゾーン、余り悪いことだと思ってない人が非常に多いということからすれば、これは厳罰化されればそれなりに減ってくるだろうと。半分かどうかはともかく、この人たちも、入って思いましたのは、刑事罰になり得る、ないしは行政処分が相当厳しくなるとなれば、非常に打撃をこうむるというのは彼らの意識として我々も身にしみて思っていますので、相当程度効果を上げられるような形でできるというように期待しているところでございます。
【座長】
有山委員。
【有山委員】
私は行政で相談員をしております。
先ほどこういう迷惑メールが減ったのではないかということについては、多分警察とか、私たち行政のところでは減っているのだと思うのです。それはなぜかというと、以前は受け取ったすべてが行政に結構相談してきました。インターネット経験のたくさんある人、少ない人、そういう人たちが相談してきました。現在は、経験が少ない、インターネットをやったばかり、パソコンが届いたばかりという方たちが、トラブルに遭いインターネット上で公開されている情報をみないで、どうしたらいいかと相談してきます。またはインターネット上でトラブル解決法をみたあげく、「国民生活センターのホームページをみました。ですけれども、本当にこういう対策でいいのでしょうか」というようなお問い合わせが多いのです。全体的に相談を寄せてくる方たちが減っているということは事実だと思うのです。しかし、減っていることが出会い系サイトのような迷惑メールを受け取っていないとか不当・架空請求にあっていないかというと、そうではないように思っています。現実にはかなり請求がどんどんエスカレートした時点で相談ということもあります。架空・不当請求のトラブル自体は減っていないのではないかと思います。ただ、機関に寄せられる相談は減っているのではないかと思っています。
先ほど長田委員さんからお話しいただいたように、私もたくさんのメールをしている中で、事業者さんからのメールをいただいておりますけれども、これも余り日々たくさんになると大変迷惑で、あげくの果ては要らないという形になっていると思います。私もこういう仕事をしているので、必ずメールを送っていいでしょうかと、広告メールを送っていいでしょうかというときには、いいものについてはいいということで送信しています。私の受け取るメールは望まない出会い系サイトからのメールと、自分が承諾したメールのみなのですが、承諾したメールでも、日々たくさん送られてくると迷惑だなということで拒否してしまいます。ですから、必要なものを選択する権利というのを消費者のほうに与えてほしいと思っています。
また、デフォルト・オンについてなのですが、以前初期のころ、私は出会い系サイトの相談を受けたときに消費者団体の相談室におりましたので、一応上司の許可をとって相談室で出会い系サイトに入り不当請求につながることを消費者が許可してしまうようなデフォルト・オンの表示をインターネットに慣れていない職員がどのようにするか試してみました。インターネットを余りやったことのない人に、このようにするとつながりますということでインターネットのやり方を簡単に教えてやってもらいました。大体デフォルト・オンのもの、要許諾みたいなものが多かったのでよくみる、何か正式なような形のものにみえるので、ずらずら書いてあるとちゃんと内容がしっかりしたもののような印象で、デフォルト・オンになっているものをデフォルト・オフにして次に進むという方は、10人ぐらいで試したのですけれども、いなかったですね。このような実験でもすり抜けるのですから普通の人にとっては、オンになったらそのまま見過ごしてしまうということだと思うのです。
迷惑メールの対策は、余りリテラシーのない弱者をどうするかということで考えていきたいと思っております。消費者センターに寄せられる相談は、ご家族で同じメールアドレスを使っているという方もいらっしゃるので、お母様から、「まさか毎日注意しているのに、こんな内容のところに子どもが入り込むとは思っていませんでした」というような相談を受けます。やはり選択権を消費者に与えてほしいと思っております。
以上です。
【座長】
青山委員、どうぞ。
【青山委員】
消費者からみたオンラインショッピングということで、コンサルティングなどをやっております青山と申します。
小委員会のほうにも出させていただいているのですけれども、オプトイン規制という流れで話が進んでいった中で、オプトイン規制ということに関して2点と、それから技術的論点について2点ありますので、発言させていただきます。
まずオプトイン規制というのが割と、ちょっとひとり歩きしていて、まず迷惑メール規制に対してどんな対処をとれるのかということを、もう一回、メールによる被害から考えて、単なる迷惑、それから快適な環境と、多分5段階ぐらい消費者にとってのメール環境ってあると思うのです。本当の被害。金銭的被害、精神的被害、パソコンが壊れてしまったような物理的な被害、それから時間的な被害、まあ、4つぐらい考えられると思うのですけれども、本当の被害から単なる被害、迷惑、それから消費者が本当に望む快適な環境ということで少しマトリックスにして、それに対して実際に法的に何ができるのか。技術的に何ができるのか。ここからは法律規制ではなく、ガイドライン的な事業者間よりは整備のほうがふさわしいのか。それとも、このあたりは個人それぞれの自己責任によるスパムプログラムを導入するとか、そういうことで対処してもらうほうがいいのかというような、少し消費者にとっての落とし込みというのをやったほうがいいのかなという思いをちょっともっています。その中から本当の被害というものを、今回は法律できちんとたたいていくべきかなという印象をもちます。
では、オプトイン規制自体に反対かといわれると、そうではなくて、やはりやれることの1つのオプションとしてオプトイン規制はやるべきだと思いますし、望まないものがメールで来るという状態は、これだけメールというものがとても重要なツールとしてなった今は、もうそろそろ転換時ではないかなと考えます。
その中で、次に技術的な論点ということで6ページの、まず1番ですね。消費者が能動的に請求した場合とは、どのような場合かということで、今デフォルト・オン、デフォルト・オフということにすごく注目が行ってますけれども、まず消費者がだれから、どんなメールを、どの程度送られることをオプトインするのかということを、オプトインするべきときにきちんと明示されているというのがとても理想的です。例えばまぐまぐなんかは最新号というのをみることによって、それを申し込むか、申し込まないかわかるのですけれども、実際にいろいろなモールさんでメールをとるというオプトインをした場合なんかも、基本的にはメールのタイトル、メールの名前があるだけで、それがどんな内容で、どの程度の頻度で来るのか全然わからないですね。
きのうたまたまアマゾンドットコムのほうをみましたら、アマゾンで出すメールについては、マンスリーなのか、ウイークリーなのか、きちんとメールのタイトルの横についてあるので、実際にどの程度自分がメールを受け取るかということが、きちんとオプトイン段階において予想ができるのです。だから、その内容を全部明示しろとは、それはもちろん理想ですけれども、そこまでできないなら、せめて頻度はオプトイン段階でわかるようにしていただけるといいかなと思います。1日に4通ぐらい来るぞというメールは、さすがにその時点でとらないと思うので、そうしますと、今メールマガジンをどんどん打つことが営業活動にとって一番効果的だというような風潮も少しやんで、消費者にとってとても意味のあるメール環境になっていくのではないかなと思います。
ですから、デフォルト・オン、デフォルト・オフもすごく重要だと思うのですけれども、オプトイン要件。何について消費者がオプトインするのかということについて、きちんと明示されているということが私的にはとても望んでおります。
2番目の事実証明ですけれども、あなたからオプトインの申し込みのあったメールですよということが、申し込んだはずのないところから来た場合には気持ち悪くて、「私、申し込みましたか」とかなかなかいえないと思うので、「これ、申し込んでいないのですけれども」といって転送できるような第三者機関があると、とても消費者にとってはありがたいかなと思います。やはり未承諾広告のオプトアウトというのが、結局、実効力がないというのも、実際にオプトアウトしたらますますメールが来るようになった。このことが、またこういうことで起きるという可能性が消費者としてはすごく身につまされていますので、メールについては、このような何か困ったときに駆け込めるような、自分のトラブルについて相談できるような第三者機関というものがあれば、とても望ましいなと考えます。
以上です。
【座長】
予定の時間を若干過ぎているのですけれども、第1回目ということで皆さんさまざまなご意見をおもちだと思いますので、もしよろしければもう少しだけ延長して、発言する用意をされておられる方に一通りご発言いただきたいと思います。ご予定のある方は退席していただいて結構です。粕谷委員。
【粕谷委員】
粕谷でございます。
私、コンテンツの情報サービスをしている傍ら、日本ネットビジネス協会というEC関係の協会を4年間やっておりまして、さまざまなISP、ポータルさん、運営会社さん、あと店舗さんとお話を続けてまいりました。
現実的に迷惑メール、これはもう当然規制に入るべきことで、これから皆さんで議論していただくとして、現実、優良な業者といわれる店舗運営側からしますと、メールアドレスを取得しなければ売り上げが上がらない。その取得方法が懸賞広告であったり、セールス広告だったりするわけですけれども、その効果が非常に合わなくなってきている。そういう報告は受けております。要は翌日には50%のメールアドレスがいなくなる。また翌日に、また半分いなくなる。最後残った10%は何の意味をもったアドレスなのかわからなくなる。それを繰り返して広告を出さない限り、ビジネスにならなくなっている現状というのがあります。ですから、アドレスが消える前に早くチラシ広告を打ち続けなければいけないという悲しい現実があるわけですね。これはモールの運営側と店舗との役割が別にあるとして、店舗のアドレスだけが消えていくけれども、モール側には残っているというのも1つあります。
要はオプトインをとりながらいっていますから、運営側には当然メールアドレスがあるのですけれども、それを店舗側だけがどんどん減っていって、広告を打たなければ店舗の維持ができないのですが、何がいいたいかというと、広告というビジネスがあって、実はここだけがもうかっているという現実ですね。それをお考えいただけると、店舗さんがこれからもっと健全なメールを出せるのかなと。ただ、そのメールの出し方も、チラシメールを出し続けている現状をどこかが指導していくべきだと思います。「うちの商品いいですよ、買ってください」と買ったばかりの人にまた来る。おなかいっぱいな人にもっと食えといっているようなメールが来ても、これ自体がもうスパムになる。そういったことのモラルを考えるべきときでも、もうそろそろあるのかなと感じておりますので、ちょっとご意見をさせていただきました。失礼いたしました。
【座長】
谷井委員、どうぞ。
【谷井委員】
谷井でございます。
私どもは企業が顧客データ等々を管理してメールを配信するという場合の、そのインフラシステムを提供しているという会社でございます。少し当事者に近い立場ではございますが、かなり多くの企業様の意見なんかを伺ったり、そういう事象を把握しているという立場から少しご発言をさせていただきたいと思います。まず、基本的な今回の迷惑メールに対する対策という観点については、ぜひ積極的に厳しい対応といいますか、形をとっていただきたいなと思っております。
ただ、注意すべきところは、以前、すごく重要な法律であった個人情報保護法等々なんかを勘案しても、やはり善良な事業者は萎縮し、悪質な事業者は地下に潜るということが往々にして起こります。こういう観点から、前回の法律の際も特定の企業様の話なのですが、個人情報の所有についてリスクが高いので廃棄するという反応をされた会社がございました。その会社さんはどうなったかといいますと、その後、お客様からの問い合わせなんかがあったときに、過去の情報がないためにサービスレベルが下がってしまうということにつながった。いろいろ問題が起きてしまったのですが、そういったような、厳しくすることによって、実は消費者向けのサービスレベルが下がるということも起こり得るので、慎重な判断が必要だなと思っております。
この観点からいいますと、善良な事業者と、そうでない事業者というところを明確にしていただきたいと思っています。ここにいらっしゃる委員の方々はリテラシーが高いというお話もございましたが、確かに我々の企業クライアント様を拝見していても、すべての企業様がこういう情報通信、もしくはメールの配信とかに関してリテラシーが高いとはいえない状況です。ただ、とはいっても積極的に、かつ善良な気持ちをもって、マーケティング活動を行っていこうという気持ちをもっていらっしゃる企業さんがほとんどです。例えばオプトインというものに対するスタンスなのですが、実際ほとんどの善良な企業様というのはオプトインを既にされていらっしゃる。ですから、今回オプトイン、オプトアウトという議論がありますが、それをオプトインに変えたとしても、善良な事業者に対してはそれほど大きなインパクトはないのではないかなと正直思っています。
ですから、今回の議論を、悪質な事業者に対して厳しい取り締まりを行えるための法的根拠をつくるという観点で考えるべきなのではないかなと思っています。善良な事業者というのは、やはり遵法精神も高いものです。ですから、何らか不明なといいますか、判断に迷うようなガイドラインないしは方針が出たとすると、もう動かなくなってしまう可能性が高い。それによって最終的に消費者に対して便益をと思ったところが、実は逆にサービスレベルの低下を招くということになってしまったりすると、これは本末転倒ではないかなと思っておりますので、ぜひ慎重にご判断いただきたいなと思っています。
それから、悪質事業者に対する厳しい対応というところではいろいろなお話がございましたが、やはりお金の流れをとめる、もしくはトレーサビリティが難しいという意見もございました。そのあたりをどのようにやっていくのかというのは難しい問題がいろいろあるにしても、ぜひやっていただきたいなと思っています。
少し2点ほど細かいところなのですが、請求事実の点ですね。資料にありました請求事実。消費者からの請求があった事実をどう証明すればいいかという観点ですが、これに関しては、恐らく最初に私が申し上げた善良な事業者は萎縮し、悪質な事業者は地下に潜るという話になると思っています。請求事実をどのように証明するか。かなり難しいと思いますが、その事実があった日時を記録するレベルでは、これぐらいのレベルでは、恐らく改ざんといいますか偽造が可能だろうと思っていますので、もう少し何か明確な請求事実を証明できるような方法は、検討の余地があるのではないかなと思っています。
もう1つが、既に入手している顧客情報ないしはマーケティングに当たる消費者情報といったようなあたりの取り扱いをどうするのか。今回の規制が変更になった段階で、もう一度、既存の保有リストに対してパーミッションを取り直すのか、もしくは何らかの告知で済ますのかといったあたりは、かなり慎重に考えなければ企業のマーケティング活動に大きな影響を及ぼし得ますので、既に入手しているリストないしは顧客データ、個人データの取り扱いについては、ぜひ検討、議論をお願いしたいなと思っております。
長くなりましたが、以上です。
【座長】
春田委員、どうぞ。
【春田委員】
手短に申し上げたいと思います。当社はモールを運営している会社ということで、モール運営事業者としての立場で意見を申し上げたいと思います。
先ほどからいろいろな方がおっしゃっているとおりでありまして、迷惑メール自体を排除したいということについては、いささかの異論もあるわけではないです。
ただ、資料に示されているとおり、迷惑メールの類型というか、その種類として出会い系であるとか、アダルト画像であるとか、そういったものが多い。加えて、そのようなメールを送っているのは、現状、法律で決められている表示義務をそもそも守っていない事業者さんであるということを考えたときに、今議論されているオプトインというか、そういった規制の方向が果たして本当に実効性があるのかについては、先ほどから別所委員を初め、いろいろな方がおっしゃっているとおりの認識であります。我々としては、やはり事業者であって、結果として今回の議論を経て規制を受ける立場である可能性があるわけで、規制を受けるとするならば、そこの規制を受けるだけの目的というのをはっきりさせていただきたいと考えております。
以上であります。
【座長】
平山委員、どうぞ。
【平山委員】
平山です。私、ネットショップの組織の団体の役員をしております。
今回、特に私のほうで強調したいのは、皆さんオプトインが正しいという形で話が進んでおりまして、もちろん私どもでも正しいと思っているのですけれども、1点、ここで一番強調したいところは、資料にもあるとおり、もともと、この1番ですか。迷惑メールの現状と課題についての迷惑メールの中で、出会い系が92%で、アダルト画像等が4%、その他が4%ということになっているのかなと思うのですけれども、もしネットショップの団体がこの4%の中に入っているのであれば、オプトインにしなさいといわれれば、多分我々は遵法意識も高いのでやると思うのです。
ただ、その場合に、やはり大前提としては残りの96%が、少なくとも、もう迷惑だからほとんど送られてこないと。そのようになったときには、我々が法律を守る意味もあったということが非常にいえると思うのですが、極端な話、出会い系とアダルト画像。彼らが法律を比較的守りやすいとは思えないので、結局、4%に当たる我々のネットショップ団体だけが法律を守って、残りのところが生き残ってしまう。むしろその比率を高めてしまうということにならないように、できればこういう出会い系、アダルト画像等々の一番問題が多い迷惑メールのところを先に議論をしていただきたい。そちらのほうは確実に実効性が上がるのではないかなと思います。
オプトインの問題で、デフォルトのチェックに関しましても何種類かあるかなと思っているのですけれども、例えばプレゼント応募時点でのチェックと購入者、その他もろもろのちょっと種類が違うところも、今後のオプトインの問題に関して議論していただきたいなと考えます。
以上です。
【座長】
福田委員、どうぞ。
【福田委員】
福田です。
手短に、悪質な事業者を排する、罰するための法的根拠をつくるという意味でいくと、オプトインとかデフォルト・オフということはそんなに実効性がないのではないかなと思っています。
一方で、青山さんがさっきおっしゃっていたみたいに、申し込んでないのですけどみたいな第三者機関。そこで調査をして何かをするというような、実効性をもてるような機関をつくるということは基本的に賛成で、制度としてオプトインとかデフォルト・オフというところでやるよりは、そのような形で調査ができるとか、ちゃんと罰せるというような形の方向性で議論をもっていったり、法整備をしたりというような形のほうがいいのではないかなと思います。
以上です。
【座長】
福長委員、どうぞ。
【福長委員】
私は消費生活センターで相談を受けているのですが、いっとき架空請求というのが通常の何倍という形ですごくふえたのが、それは今おさまってきていますが、毎日毎日、迷惑メールに関するご相談というのが入っていまして、決して減っていません。出会い系とアダルト画像という、そこら辺の割合に関しては私ももうちょっと裏商売みたいな、そのようなところがあるかなと思いますけれども、ご相談者の実態というのは、本当に迷惑メールをうっかりあけてしまったということがきっかけでご相談になっている方がほとんどです。ですから、オプトインという形で被害に遭われる方というのが少なくなるのであれば、私はやはり進めていただきたいと思います。
それから、さっき青山委員からアマゾンのメールの頻度の選択というのもあるとおっしゃいましたけれども、私はそこをしっかり、全然気がつかないでいるのですが、さらにデフォルト・オンではなくてもっと消費者のほうが積極的に意思表示をして、それでデフォルト・アウトというような形で、その請求をしたという事実に関する証明も事業者のほうでやってくださるというような形で進めていただいて、その方法についてはまた議論をしなければいけないのかと思いますが、それで少しでも被害がなくなればということで、実際に一番ご相談を受けている立場からお話しさせていただきました。
【座長】
別所委員、最後ですから手短にお願いいたします。
【別所委員】
もう何人の方もおっしゃっていたのですけれども、基本的には消費者を守るという対策のために、この法律について検討していますので、消費者にうそをつかないというのが非常に大事だと思っているのです。ですから、効果がないと思われるのに効果があるというのは最大のうそだと思っています。どこまでちゃんとできるのかということを、きちんと検討する必要があるのではないかと思っています。
ちなみに、ここには出されていないのでご参考までに申し上げますと、EU諸国で、データによりますと、これはオランダのOPTAが発表していますけれども、メール総量に占める迷惑メールの割合はEU諸国のほうが日本よりも高いです。オプトインを採用しているEU諸国のほうが、メール全体に占める迷惑メールの割合が高いというような資料もあります。そのような資料もちゃんとみて、何が効果的なのかということを考えていく必要があると思っています。
最後に、意見をいっていませんでしたので、オプトインの採用についていうと個人的には賛成です。なぜ賛成かというと、国際的な協調を今後とる必要があるからというように認識しています。今、日本では国外犯処罰規定とかもっていませんけれども、諸外国と協調していくためには、国外犯処罰規定のようなものをもっていく必要があると思っています。そのためには諸外国と同じような規制を導入していく必要があると思っていますので、EUがオプトインを採用しているという観点からいうと、オプトインそのものについていうと反対はしていないというのが基本的な立場です。ただし、EUがいろいろ工夫して導入して、いろいろな例外を設けていますので、その実態も参考にしながらきちんとした対応をしていくことが必要だと思います。
以上です。
【座長】
ありがとうございました。さまざまな貴重なご意見をお出しいただきまして、さらにもう一言、おっしゃりたいということもございましたと思いますけれども、時間が大幅に超過しているということもありまして、本日の議論はここまでとさせていただきたいと思います。
迷惑メール規制をめぐるさまざまな課題につきましては、今後、一つ一つ課題を取り上げて順次議論を進めていくことといたしたいと思いますが、次回は本日、委員の皆様から出されました論点をさらに事務局のほうで整理をしていただきまして、その上で場合によっては委員の方からのプレゼンテーションをお願いするということも含めまして、議論を深めていきたいと考えております。このような段取りでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
それでは、これで本日の審議は終わらせていただきますが、次回の日程等につきまして事務局から何かございますでしょうか。
【諏訪園消費経済対策課長】
次回の日程につきましては、また皆様からご都合等をきちんと聞きたいと思います。一応11月30日の金曜日でございますが、午後を第1候補として考えたいと思っております。また別途、調整させていただきたいと思います。
それから1点だけ、ちょっと言い忘れたのでございますが、今後の日程についてまた皆様とご相談と思っておりますが、このWGでは、とりあえず今いいました論点を事務局でもきちんとまとめて、最終的には年内ないしは年明けぐらいに何回か重ねた上でとりまとめていきたいと思っています。
ただ、ここでとりまとめること自体が、もうそのまま法律事項になるというイメージは事務局としてはもっておりませんで、いってみれば先ほど来申し上げましたように、法律事項としては、明示的に消費者のほうが請求したということが法律事項になるわけでして、それを経済産業省令、ないしは政令に定めるところによりということが出てきます。最終的に政省令が固まりますのは、これは法律自体が来年の通常国会に出されて成立した後、国会でのご議論も踏まえまして出てきますので、最終政省令、施行が仮に法律が来年のどこかで、夏前に公布されて、そこから半年以上たった再来年の1月に施行されるとすれば、その前の来年秋ぐらいにパブリックコメントの原案が出される。そういった手順になりますので、そういう意味では、ある程度時間をもって最終的なものが決まってくるということでございます。そこはぜひご理解賜りますようお願いします。
ただ、法律を出す以上は、ある程度きちんとした法制審査上、必要なところがございますので、そのあたりのご議論をここできちんと詰めたいということでございます。
以上であります。
【座長】
ありがとうございました。
本日はご多忙中のところ、時間超過するぐらいご熱心にご議論いただきまして、まことにありがとうございました。
以上をもちまして、本日の第1回迷惑メール規制に関する技術的論点WGを閉会いたします。どうもありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2008年3月6日
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