経済産業省
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迷惑メール規制に関する技術的論点ワーキンググループ(第2回) 議事録

平成19年11月30日(金)

開会

【松本座長】
それでは、ただいまから第2回迷惑メール規制に関する技術的論点ワーキンググループを開催させていただきます。委員の皆様方には、御多忙のところを御参集いただきまして、まことにありがとうございます。
まず事務局から委員の出欠状況、配付資料の確認等についてお願いいたします。
【諏訪園消費経済対策課長】
それでは事務局から御説明申し上げます。
本日は、前回御欠席されておりました日本弁護士連合会の斎藤委員が御出席いただいておりますので御紹介申し上げます。
斎藤委員でございます。
【斎藤委員】
日弁連の消費者問題委員会の弁護士の斎藤です。よろしくお願いいたします。
【諏訪園消費経済対策課長】
本日は全員御出席ということでございます。
お手元に資料1から6を用意させていただいております。欠落、落丁など不備がありましたら事務局までお申しつけください。以上でございます。
【松本座長】
ありがとうございました。

議題

(1)オプトイン規制を導入することによる実効性の確保について

【松本座長】
本日は、前回のワーキンググループの会合におきまして何人かの委員の方々から御質問等がございました、オプトイン規制等、今回規定見直しを行うことによって本当に迷惑メールの防止の実効性が確保されることになるのだろうかという点などにつきまして、まず獨協大学准教授の宗田委員及び事務局から御説明をいただき、疑問をお持ちの点等が多少とも解消されましたところで、後半の本ワーキンググループの検討課題であります技術的論点について御議論いただくことを予定しております。
まず宗田委員から、オプトイン規制を導入している欧州諸国において、実効性を確保するためにどのような取り組みを行っているのか、また、どのように受信者から同意を取得しているのか等につきまして御紹介をいただき、さらに事務局から、今回のオプトイン規制等の導入によってどのような形で迷惑メール規制の実効性を確保しようと考えているのか、また、現行の規制とはどのような点で異なることになるのか等について御説明をお願いしたいと思います。
あわせて、事務局からは本ワーキンググループに対しまして迷惑メール規制の技術的論点についての審議を付託した産業構造審議会特定商取引小委員会の第11回会合での議論につきましても簡単に御紹介願いたいと思います。
それでは宗田委員からお願いいたします。
【宗田委員】
獨協大学の宗田でございます。発表させていただくことにより、このワーキンググループでの論点を少しでも明らかにできればと思っております。
まず2ページ目でございます。欧米における憲法問題とオプトイン規制の関係について簡単にまとめました。御案内のとおり、2002年のEU指令13条1項が、直接的広告目的の電子郵便の利用は、受け手の事前の同意がある場合のみ行われ得るというように規定しており、その理由書におきましては以下のように述べられているところでございます。すなわち、「広告目的での望まれない通信、とりわけ自動電話装置、ファックス及びショートメールサービスを含む電子郵便によるプライベートな領域の侵害から参加者を保護するために予防措置が講じられるべきである。」と述べられております。ここでは特に電子郵便によるプライベートな領域の侵害から市場参加者を保護するということが指摘されている点が重要かと思われます。
といいますのは、3ページ目に行っていただきまして、オプトイン方式の規制の根拠となるのが今言ったプライベートな領域の保護という観点にあるからです。EU指令のオプトイン方式という考え方は、例えば以下のようなドイツにおける判例・学説の考え方と同様のものとなっております。すなわち、ドイツにおきましては、憲法(GG)上、送り手には営業の自由が保障されておりまして、受け手には人格権というものが保障されております。ところで、受け手の事前の同意のない電子メール広告につきましては、送り手の営業の自由よりも受け手の人格権の方が上回る価値を有するという価値判断がなされております。このため、受け手の事前の同意のない電子メール広告は、受け手のプライベートな領域に著しく介入し受け手の人格権を侵害するものであり、違法であるというのが判例・通説の考え方となっているからです。
簡単でございますが、オプトイン方式の根拠を述べさせていただきました。
続きまして4ページ目でございます。そのような根拠に基づいて規定される場合のオプトイン方式と刑事罰についてでございます。すなわち、受け手の事前の同意のない広告電子メールにつきまして刑事罰を諸外国では科しているということがここで書かれております。例えばイギリスでは最高5,000ポンド、日本円にして約120万円の罰金、それからオーストラリアではこうなって、フランスではこうなって、イタリアでは罰金のほかに拘留刑が科されるという点がポイントとなっています。オーストリアでこのようになっているということでございます。
参考までに、アメリカは携帯向けにつきましてはオプトイン規制をしいておりますが、これは課徴金が科されることになっていて、なお、ドイツにつきましては迷惑メールのオプトインに係る規制は民事上の規制が行われておりまして、一定の消費者団体等から違反行為者に対する利益剥奪請求というのがなされることになっております。
以上が4ページ目の内容でございます。このように事前の同意のない広告電子メールにつきまして刑事罰を科すんだということが明らかになったかと思います。
続きまして5ページ目ですけれども、EUの報告書でも指摘されていますように、オランダでの迷惑メール規制が効果を上げているとされております。そこでオランダの状況を見てみたいなと思います。
オランダでは、新電気通信法15.4条4項に基づきまして最高45万ユーロの過料が科されます。これは日本円にして約7,200万円になりまして、かなり高額のものとなっております。そして、規制当局である独立郵便電気通信庁(OPTA)は、新法施行後の1年間で、計47件の調査を行い、21件で警告を発し、4件の事例で過料を科したとされています。今は2007年ですから、もっと事例があるようです。
2007年までの過料の最高額の事例は、私が把握しました限り7万5,000ユーロとされておりました。そして、この1年間の成果として、オランダ発オランダ着のスパムが著しく減少したとされております。
続きまして6ページ目でございますが、このように諸外国においてはオプトイン方式のもとで、刑事罰が科されたり、民事訴訟が行われたり、過料ないし制裁金と言われるものが科されたりという3通りの方法があることが明らかになったわけですが、そこにおきましてどのように行政が迷惑メールを摘発しているんだろうかという問題をここに書きました。それぞれの規制諸法に対応した形で書かせていただきました。
まず刑事罰を科すイギリス、イタリア等では、検察等が「等」は余計です。修正してください、捜査令状を取得することにより、電気通信事業者に送信者情報の開示をさせ、送信者の特定が可能となるわけです。
オプトイン規制を民事訴訟により行うドイツでは、受け手や消費者団体等が、受け手の事前の同意のない広告電子メールの送信者情報を請求する権利をプロバイダー等電気通信事業者に対して有します。これは、電気通信事業者に課されている通信の秘密の保持義務という憲法上及び電気通信法上の保持義務を立法により解除するものとされております。この点がポイントかと思われます。なお、過料を科すテレメディア法上の表示義務違反に関しましては、規制官庁に情報開示請求権限というものが与えられております。
続きましてオプトイン規制について過料を科すオランダでは、規制官庁であるOPTAには、新電気通信法18.7条により、OPTAの任務の遂行上必要な情報を有するすべての者に対し、情報を請求する権限が認められ、請求を受けた者はそれに応じる義務があるというふうに規定されております。これによって実効性を確保しようということになっております。
以上がオプトインに関係するいろいろな規制手法に対応する実効性の確保手段になっているかと思います。
続きまして7ページ以下ですが、オプトインにおきましては受け手の同意があったかなかったかということが非常に重要になってきます。そこで、同意に関するドイツの判例を紹介して参考にしていただければと思っております。
まず、受け手の同意の主張・立証責任は、送り手側にあるというのが最高裁の考え方でございまして、オランダの新電気通信法はこれを明記しております。
そして、受け手が電子メールアドレスを有するという事実に基づいて、受け手の同意があったとは言えませんという決定があります。
さらに、郵便箱や戸口に「広告お断り」とか「勧誘お断り」というステッカーを張るのと同様のことは電子メールについてはできないということについて、電子メールボックスに広告拒絶の意思表示をすることは物理上できないのであるから、電子メールボックスに広告拒絶の意思表示をしていないとの事実により、受け手の同意があたっとは言えないという判決があります。
それから、過去さかのぼること10年や20年前の同意をもっていろいろな広告を送られては迷惑になる可能性もあるわけで、同意の有効期限に関しましては、以前の取引関係が広告よりもかなり前、本件では2年前でしたが、のものである場合には、同意は推定されませんという決定がございます。
続きまして8ページ目です。本人の同意なく氏名及び電子メールアドレスが広告電子メール送信者のインターネットサイトの訪問者によってインプットされる可能性がある場合、広告電子メール送信者が電子メールアドレスを今後収集しないときであっても、受け手の同意があったとは言えないという判決がございます。
続いて、しかしながら、もちろん電子メール広告の受け手の同意を電話や電子メールによってあらかじめ取得することは認められます。
そうしますと、まずウェブサイトで消費者の入力によりアドレスを取得した上で、電子メールで以後の広告電子メールの送信につき同意を得るということは可能となるわけです。
9ページ目に行っていただきたいと思います。既に同様の商品や役務について取引関係にある場合についてです。当該広告の対象となった商品または役務と同種の商品または役務について、受け手が送り手と以前に取引関係にあった場合には、受け手の同意がその取引関係の存在から推定されるとされています。
このため、例えば、原告が以前に当該広告の送り手たる被告のインターネット上のデータバンクを利用し利用料金を支払った場合、同データバンクに関する電子メール広告は受け手の同意なく送付されたものとは言えないという判決がございます。
他方、当該契約とは別の契約の広告について約款により行われた同意は有効ではないとされています。例えば、銀行口座を開設する際に、顧客が保険契約の広告についても約款により同意をさせられたとしても、その同意は有効ではございません。
10ページ目、最後でございます。続きましていわゆるデフォルトオンに関係するドイツの考え方は以下のようになっています。オプトイン方式を採用するドイツにおきましては、受け手の事前の同意のない電子メール広告は、受け手消費者の人格権を侵害し消費者の利益を害するものでございます。このため、以後すべての電子メール広告についての同意が一般的利用条件の条項において隠されている場合、かかる条項は、消費者の利益を害する不意打ち条項であり、民法により契約に組み込まれず、これに基づく同意は無効であるとされております。
簡単でございますが以上でございます。
【松本座長】
ありがとうございました。
続きまして諏訪園課長からお願いいたします。
【諏訪園消費経済対策課長】
それでは資料3をお願いします。オプトイン規制導入等迷惑メール規制見直しに伴う実効性確保についてでございまして、前回も簡単に実効性確保については御説明したつもりだったんですが、現行規制自体も、単にオプトアウトかオプトインかというだけでなく、さまざまな点があるものですから、現行の問題点を御紹介した上で、今後どうしようかというのを御説明申し上げたいと思います。
御案内のように、現行のオプトアウト規制というのは、単なる表示義務規制といいますか、未承諾広告、※印をつけたかつけないかということでございますし、また、広告主である通信販売事業者、いわゆる広告主事業者は、迷惑メール送信の実行行為自体に直接関与していないものですから、私どもも立入検査に行っても、あれは任せちゃっているので、我々も未承諾広告、※印をちゃんとつけるように言ったんだけどというようなことで、それをもってどこまで厳正処分ができるのかというところもございまして、こんなことを調査当局が言うと、出会い系サイトの人が喜んでしまうと困るんですが、そういった実態がございます。かたがた刑事罰の適用もないということで、現在の規制では、不当請求とかがあればまた別ですが、限界的なところがあるということでございます。
その任せられていると称される例えば懸賞サイトとか占いサイト、こういったものの運営を通じて実際に送信のあっせん行為を行っているところについては、これまた今、特商法では規制対象外になっているわけでございます。
さらに、迷惑メールの送信を依頼している悪質な広告主事業者については、一般に出会い系サイトというのはいろいろなカテゴリーがあって、不当請求をさせる方々というのは、銀行口座の関係ですとか、サクラが国内でチャットをするために日本人でないといけないということがございまして、私どもが見ている限りでは基本的に国内にいる。ただしこの方々の所在地がなかなか把握しがたいという問題点があるわけです。
広告主がいて、さらにあっせん事業者がいるんですが、最終的に送る方々は、警察庁の話を聞いていると、昨年来プロバイダーさんによるOP25ブロッキングという技術の導入で相当程度、国内のサーバーを経由してくる分は少なくなっているんですが、海外に拠点を移しているだろう。ことしの秋に調べたところでは相当中国の分が多いということで、中国政府とはことし9月に迷惑メール追放対策構築について合意したんですが、中国でうまくいけばほかに行っちゃうかもしれないということで、さまざまな問題点があるわけです。
それをどうしようかというのがその次のページに整理したものでございまして、今後、法制当局とも詰めてまいりますが、現在、事務局としては以下のことを考えていきたいということでございます。
1つはオプトイン規制の導入ということで、現行は単なる表示義務規制なんですが、基本的には消費者からの請求ないしは承諾に応じて広告する場合等を除き、広告メールの送信を禁止しよう。それから、承諾、請求を得るに当たってはきちんと利用規約や画面構成等の記録を保持している必要があるだろうということです。
ですから、私どもがおとり端末で得た情報で立入検査すると、悪質な業者は当然そういった記録を持っていないでしょうし、何らかの小細工をしている場合もあるかもしれませんが、私どももサーバー等、そういったところをきちんと調べて業務停止命令をかける。場合によっては、刑事罰を設ければ警察にも指導していただけるということでございます。
それから、間に入っているあっせんをする行為についての規制も当然考えていこうというところでございまして、特に請求・承諾が消費者からあったものと偽っているとか、そんなのを偽らずに、関係なく集めたメールアドレスをもってあっせんする、こういった行為を禁止しようということでございます。
さらには、金融機関ですとかプロバイダーといった広告主事業者が、金づるとしているところですね、さらにはウェブを掲載している契約相手についての報告徴収の規定も設けようということで、こういったところについて刑事罰、行政処分といったものを設けることで実効性を高めていこうということでございます。
それを簡単に絵にしたのがポンチ絵みたいなところでございまして、今申し上げたことを絵としてかいているということでございます。
さらには、5ページ目に現行どうしてうまくいかないかというのを簡単に図示していますが、現行の方は迷惑メールが私どものモニターに来ますと、いわゆるwhois data baseという、世界のだれが、どのアドレスで、どういう契約をしているか、きちんと登録させるシステムがあるんですが、私どもが出会い系サイトの事業者ですとか迷惑メールを発信している人のIPアドレスを調べますと、霞ヶ関太郎とか、山田太郎とか、うそっぱちの名前と、住所も東京都霞ヶ関1-1-1とか、法務省さんの住所にいるわけないわけですけれども、そういったところが書いてあるので、ほとんど役に立たない。、
そのほかの使用、これはこの場で申し上げることはできませんが、ようやく判明する場合もあります。ただ、迷惑メールを出しているだけでは、さっき申し上げたように、立証上の問題、それから、そもそも彼ら自身が実行行為をやっていないということもございますので、ほかの違反等をようやく見つけて、ことしは2件処分しているわけでございますが、遅々として進まない状況にあるわけですが、改正後はきちんと問題点を改めて実効性を確保しようということでございます。
今申し上げたところが各国でも、宗田先生から御紹介がございましたが、6ページ目にございますように、単に迷惑メールの送信行為の規制対象がいろいろとあるだけでなく、いわゆるあっせんに係るような、アドレスの収集ですとか売買といったものについて、迷惑メールの防止法みたいなところにあるかどうかはともかく、さまざまな形で用意されているというのが現状でございます。
さらに7ページ目に、前回別所委員からいろいろと宿題をいただきました。データ的なものは適宜用意しております。後でごらんいただければと思いますが、私どももそれなりの人員、予算、アドレス、モニター機を使ってやっております。
また、ワンクリック詐欺も、確かに相談室によっては減っているようですが、非常に巧妙化したものが多くて、私どもの所管している情報処理推進機構というところに寄せられたワンクリック不正請求なんかは相当程度ふえている。ここに寄せられているのは非常に悪質な、ウィルス関係が多いわけでございますので、そういったものがふえているようだということです。
それから、欧米における迷惑メールの動向についてリートンのものがあればということだったんですが、米国では、議会に対する報告でlevel off、増加がとまったような話が、2005年12月ですが、なされております。その後はまた多少ふえているのかもしれませんが、効を奏しているところがあるようです。
それからオランダについては、これは国内から来る分なのでそんなに多くないはずで、基本的に余り効果がなかったのではないかという御指摘も総務省さんの研究会でも一部ありましたので、向こうの担当官にお手紙を送りまして、どうなんだといろいろ聞いてみましたところ、オランダはほとんどのものがオランダの事業者から送信されるオランダ語のメールなんです。それは日本でも同じで、サーバーが中国を経由してきますけど、基本的に日本の事業者が出していると思われる日本語のメールなわけでございまして、それについて相当程度減ったんですよ。それから、過去オランダは世界の迷惑メールの発信国の上位3番目か4番目であったところ、上位圏外から外れたということでありますし、先ほど宗田教授からお話がありましたように、さまざまな摘発を行って制裁金を科しているということで、実効性があったということのようでございます。
こうした実効性確保についての話は、実はことしの8月28日の産業構造審議会の特定商取引小委員会で御説明しまして、御了解が得られたものですから、本ワーキンググループにさらに技術的な論点について御検討いただくことで開催申し上げていたわけですが、第1回の事務局の説明がよろしくなかったところもあり、もう1回実効性の話についてという話があったわけでございます。
その点で、今週の火曜日に特定商取引小委員会の第11回会合がございまして、もう少しワーキンググループで詰めた議論がないと最終報告書の具体的措置について了解できないという御意見もありまして、それをめぐっていろいろ議論がございました。1つは、報告書の方では当初、請求がなければ送ってはいけないという表現だったんですが、「同意」ということではできないのかという御意見がございました。今回、事務局でもいろいろ法的な点を詰めて、今後法制御当局ともいろいろやりますが、基本的に特定商取法では「請求又は承諾」という言葉を使っておりますので、それであれば紛れがないのかなと思って、今回はそのような表現にして統一してあります。
それから、請求ないしは承諾の取り方についても、いわゆるデフォルトオンなのかオフなのかというところをめぐって小委員会で議論がございました。オンかオフかはともかく、消費者が気づかない形で、事実上黙示の同意を強制されてしまっているような実態が問題ではないかというのが8月の小委員会での議論だったということで、黙示の同意が行われないようなシステムが必要ではないかということが小委員会であり、その辺についてワーキンググループでぜひ活発な御議論をいただきたいということで、きょう御議論いただいた話については12月6日の小委員会で御報告するという話があったところでございます。以上でございます。
【松本座長】
ありがとうございました。
それでは、ただいまのお二方からの御説明につきまして御意見、御質問がございましたらお出しください。
別所委員、どうぞ。
【別所委員】
資料3につきまして、前回質問をたくさんさせていただきましたが、御回答をいただきまして、ありがとうございます。一番最後のオランダのところなんですけど、私の発言も、同時期に行われた別のコンサルティング会社さんが公表している資料によると、オランダ着の迷惑メールの99%はオランダ国外から来ているというようなデータが出ていたので、それに基づいて御指摘させていただいております。この点につきましては、大分様相が違っておりますので、別途確認させていただければと思っております。
それは単なる御指摘ですが、今後いろいろ考えていくときに、実効性確保といった場合、どういう形態のメールが具体的に減っていくのかということを明らかにしていただくとありがたいかなと思っています。何回かお話を伺いましたが、主に対象としているのは、いわゆる出会い系サイトが今多いので、それが減るだろうと。ただ、そこで言う出会い系サイトは、児童買春とかをターゲットにしているような広告モデルで展開している出会い系サイトではなくて、口座の表示とかがされているような、いわゆる大人をターゲットにした、なおかつ、最近はやりのツークリックとかワンクリックとか、詐欺の要因になりそうな、おとりを使ったような出会い系サイトのものが主だと伺っております。そこを1点確認させていただきたいのと、また、こちらのデータを見させていただくと、メールのサービスを提供している事業者として把握している実態と若干ずれているところがあります。これらは、規制を変えた時のインパクトが生じる母体になると思いますので、数字を幾つか出させていただいて、後ほど確認をさせていただければと思っております。
確かに日本語で書かれているものも多いですけれども、ほかの資料にも幾つかありますように、海外から来る英語の迷惑メールというのも非常に多い。私ども、1日に何億通かメールの配信を、受信も含めてしているんですが、そのうち約7割ですので、2億弱ぐらい日々迷惑メールの対応をしているというのが実態です。1日の1億数千万通についてランダム調査をして、危険率5%ぐらいで調査をしたんですが、日本から出ているものがそのうち約3割ぐらいで、中国から来ているものが、中国語のものも含めてですけど、4割ぐらい、残りが他国から来ていて、その他国から来ているものの大半が日本語では書かれていないというような実態ですので、こういう対応をしていただいて純粋に対応が可能なものというのは、今言いました日本から来ている3割ぐらいなのかな、と考えております。
ちなみに、外国から来ているものについて逆引きができるかどうか調べてみました。逆引きというのは、そこに記載されているIPアドレスからDNSの情報をたどれるかどうかやってみたんですが、日本から出されているものは確かにほとんどが逆引きできます。ですから、頼りにならないと言われるかもしれませんけど、whoisのデータとかである程度捕捉できる。九十数パーセントまで大丈夫です。
ただ、外国から来ているものは逆引きができないので、電気通信のデータだけ追いかけるとかなり困難かなと思っております。特に中国のものは8割近くが逆引きができないという実態ですので、電気通信事業者の方で御協力させていただいて対応可能になってくるのは日本発日本メールの九十数パーセント、私どもの迷惑メールの受信自体からいうと全体の3割ぐらいがで、これが今回の規制の主要なターゲットとして減少させられるかもしれない母数なのかなと、ざっくり考えているんですけれども、そんなような理解でよろしいのかということをお伺いさせていただきます。
【諏訪園消費経済対策課長】
まず、最初の出会い系のビジネスモデルの話でございますが、出会い系サイトでも、私、簡単に申し上げてしまいまして、恐らく、最初から有料で男女のまじめなおつき合いを求めている会員制のサイトもございまして、これも言ってみれば出会い系サイトと言われている方々でございます。この方は最初から有料とうたっている分、まじめなおつき合いでやっていらっしゃっると聞いておりまして、これはそもそも迷惑広告メールを送るような方々ではないと私も認識しております。
問題は、別所委員から御指摘があったいわゆる児童買春のようなことが行われる出会い系サイトと、そうではなくてサクラみたいなものを使って不当請求を繰り返すような出会い系サイトの2つがあって、私どもが調べている限りにおいては、児童買春関係の出会い系サイトというのは余り迷惑メールを飛ばしているというような認識ではございませんで、不当請求が最終的には目的だ。
出会い系サイト、出会い系サイトと申しますが、最初は占いサイトみたいな格好で引きつけておいて、ないしは芸能サイトで引きつけておいて、最近はYou Tubeに似せた形で、クリックさせると不当請求になっている。非常に悪質、巧妙化していまして、そういうのをひっくるめて、特に中高生、若い人が誘引されやすいサイトが多くて、それが不当請求につながっているということでございます。
2番目の迷惑メールのシェアの話でございまして、ヤフーさんのようにインターナショナルに展開されていらっしゃる企業さんの話と、私どものモニター端末というのは、いわゆる懸賞サイトとか、ゲームのサイト、占いサイトといったものにアドレスを登録する。登録するときには当然、利用規約なり何なりで別の姉妹サイトから広告メールが来ますよなんていうことは書いていないことをきちんと確かめた上で登録すると、あっと言う間にそのモニター端末に来るわけです。
こうしたもので調べてみると、国内発と思われる、つまり国内の事業者がちゃんと振り込んでねといったことが確認できるものが7割、さはさりながらサーバー自体は中国系だったり何だりしているのが非常に多いのが実態でございますが、いずれにしても日本の事業者が広告主であると思われるのが7割以上あるということでございます。
実は、同時に消費者からの申し立てを調べてみますと同じような結果になりまして、消費者の場合にはインターナショナルにつながりがある方、国内でしかやっていない方、いろいろな方がいらっしゃると思いますが、多分一番誘引されやすいと思っているのは、消費者の立場からすると日本語で来られて不当請求につながりやすい。そういうことなのではないかと思います。
もちろん英語も、私なんかもたまに出張させていただいて国外の人と名詞交換なり、やりとりをすると、途端に英語のメールがいっぱい来ますが、英語だと、関係ないのでどんどん削除していく。そういうのが多分一般消費者にもあって、一般消費者から申し立てが少ないのもそれが原因かもしれません。
ただ、それはそれぞれのモニター端末ないしは消費者の感じ方によって違うわけでございまして、経済産業省としては、一般の消費者の申し立てが7割を超えるところが日本語としてある以上、ここをきちんとたたいていくのが今回の実効性確保の一番の目的なんだろうと思っております。もちろん英語についても、消費者によっては非常に困るという方もいらっしゃると思いますし、英語が堪能な方にとっては危うくどうのこうのということがあるかと思いますので、それはまた別途国際協力の場できちんと対応していきたいと考えております。以上です。
【松本座長】
長田委員、どうぞ。
【長田委員】
宗田先生に質問ですけれども、7ページの「・」の2つ目の受け手がアドレスを有することに基づきというところですけど、私が法律が得意ではないのですが、自分で電子メールアドレスを用意した状態だからといって、どんなメールでも同意するわけではないという意味ですか。
【宗田委員】
はい、そうです。
【松本座長】
ほかに、ございませんか。
では、私からも宗田先生に1つ御質問なんですが、8ページ目の一番下の「・」のところで、「電子メールで以後の広告電子メールの送信につき同意を得ることが可能」ということの意味は、アドレスを取得すれば、1度はあなたに広告電子メールを送っていいですかという趣旨の一方的なメールは送っても構わないということですか。
【宗田委員】
はい、そういうことです。
【松本座長】
そこで実質的には広告内容が入っていてもいいんですか。
【宗田委員】
それはだめです。私自身の経験ですけれども、ECAからの電話ですということでイギリスの出版者から大学の図書館にあったんですね。英語をしゃべれるのが私しかいなくて私が対応しましたが、そのときにも、以後私の出版社の雑誌の広告のメールを送りたいんですけれどもよろしいですか、よろしければアドレスを教えてくれませんかと英語で問われまして、そういうことが日本の国内に対してもイギリスから行われております。
【松本座長】
別所委員、どうぞ。
【別所委員】
宗田先生の資料について質問させていただきたいんですけど、7ページの3つ目の「・」に、電子メールボックスというのはもともと広告拒絶の意思表示なんかができないので、電子メールのボックスを持っているだけで広告拒絶の意思表示をしてないからといって送ってはだめですよということが記載されているんですけど、先ほど事例を出されていらっしゃいましたが、ドイツの場合ですけど、リアルの郵便ポストとかだと、日本でいうとチラシですが、チラシとかを入れないでくださいとか、直接ピンポンと訪問しないでくださいという表示をしておくと、そういうところには送ってはいけないとか、訪問してはいけないというルールもあるんでしょうか。
【宗田委員】
そうです。
【別所委員】
ということは、ここでいろいろおっしゃっていますけど、ドイツでは人格権の保護に対する対応が日本とかほかの各国と異なり、かなり厚く、そのような違いを前提としてこの資料全体を読ませていただけばよろしいということでしょうか。
【宗田委員】
ほかの国すべてを知っているわけではないから一概にお答えできません。
【別所委員】
ただ、人格権の保護に関しては日本とは大分違うということですね。日本は、例えば訪問販売のときに、しないでくださいという張り紙をしているにもかかわらず訪問してしまうということを仮にやられたとしても、人格権侵害として問題になるような国ではないと思っていますので、大分人格権の保護というところの考え方が違うということでよろしいでしょうか。
【宗田委員】
まさに問題点の指摘ですよね。余り問題を拡散したくないけれども、迷惑メールの問題だけじゃないんですよね。訪問販売規制をどうするんだ、電話勧誘規制をどうするんだという問題につながる問題ですね。
【松本座長】
斎藤委員、どうぞ。
【斎藤委員】
宗田先生に御説明を補足していただいた方がいいと思うんですが、7ページの3つ目の先ほど別所さんが確認されたルールというのは、確かに人格権の問題もありますけれども、根拠法は、ドイツの不正競争防止法に基づく差し止めができると、こう私は理解をしているんですけど、それでよろしいですね。
【宗田委員】
これは、おっしゃるとおり不正競争防止法を根拠法とする場合と、民法上の一般的な人格権侵害というものでいく場合、両方がございます。
【斎藤委員】
ということは、人格権の保護のためだけが根拠ではない。このように理解してよろしいでしょうか。
【宗田委員】
人格権侵害だけでもこういうのはやめてください。つまり、パラレルに存在するので、両方の法的根拠をあわせてやめてくださいと言えるという話ではないということですけれど、よろしいでしょうか。
【斎藤委員】
多分、別所さんの御質問の趣旨は、人格権の保護について日本とドイツの基本的な法的な環境が違うから、それが唯一の根拠だとすると、日本の場合は違う議論ができるんじゃないんですかという意図があると思うんですが、そうではなくて、不正競争防止法を根拠にして差し止めができる、例えば先ほどのポストに拒絶の意思を張っておくとDMを入れちゃいけないというのはドイツの最高裁の判決があって、たしか不正競争防止法を根拠に差し止めを言われているということですので、いわゆる取引ルールの公正を確保するためという立法趣旨といいますか、規制趣旨もあるのではないか。そういう意味での確認を私はしていました。
【宗田委員】
了解いたしました。ありがとうございました。
【松本座長】
木村委員、どうぞ。
【木村委員】
別所委員の発言の最後に、中国からは逆引きが8割できないというお話があったんですが、逆引きができる、できないというのは、二、三年前は我々も問題にしたんですが、最近は逆引きができなくても、中国から出ているということがわかれば、今回諏訪園課長からお話がありましたように中国政府と日本政府との間で迷惑メールの追放体制について合意ができたのであれば、中国に連絡すれば中国内で発信元をたどってくれるはずですので、その点は問題にならないかなと思います。
【松本座長】
長田委員、どうぞ。
【長田委員】
別所さんの人格権のところの御発言で一言だけ申し上げたいのですけれども、日本は人格権に対する考え方がドイツと違うのではないかとおっしゃいましたけれども、今、少しづつそれは変わってきていて、いろいろな法律でも検討され始めていますし、自治体の条例などで不招請の勧誘を禁止しているところも出てきていると思いますので、いわゆる消費者というか、国民の考え方も変わってきているということは申し上げておきたいと思います。
【松本座長】
沢田委員、どうぞ。
【沢田委員】
資料3の方にお話を戻させていただいてよろしいでしょうか。
実効性につきまして、前回の会合のときに私からも御要望申し上げた点、きれいに整理いただいて、ありがとうございました。明るい未来の絵をかいてくださいと言ったら本当に絵をかいてくださいまして、ありがとうございます。
後ほど御紹介させていただきますが、ネットショップさん、特に小さいところに御説明をするに当たりまして、今のどこが問題か、これであればわかりやすく御説明することができると思います。どのぐらい減るかというところは、先ほどのお話を伺っていますと、少なく見積もって3割、多ければ7割以上減る、随分幅がありますが、ということが言えるということで、もちろんゼロにしてほしいというのはありますし、外国語の迷惑メールの問題も残りますが、ショップさんの中には、今の状態は余りにもひどい、許容範囲を超えている。それが2割ぐらいまでに抑えられれば我慢できるというか、手元の対応によって何とかできるとおっしゃる方もいらっしゃいましたので、これである程度減るということがわかればいいということと、もう1つは、何が今まで問題だったかというと、発信者にたどりつけなかったところが問題だということを御説明できる状態になりましたので、ありがたいと思います。以上です。
【松本座長】
岸原委員、どうぞ。
【岸原委員】
先ほど、中国の方でとめられるというお話だったと思うんですが、具体的にそこまでできるのかな。逆に、できるのであれば、何かしら情報が必要だと思いますので、ぜひ提供させていただいて、とめていただきたいなと思っておりますので、お願いしたい。
それにも関連しますけど、モニター機で懸賞サイトとかに登録をされて、それによっていろいろ検証されているというお話があったと思うんですが、うちもそうなんですが、ホームページ上にアドレスを、連絡をしてもらうために置いていると、ハーベスティングされて、それがロボットで海外から来ているのではないかなと思いますので、モニター機の一部でも何かしらホームページをつくっていただいて、それを検証していただきたいな。そうしないと、さっきヤフーさんが言っていたような現状というのは今のモニターの中では多分起きないことになると思いますので、そういったのもお願いしたいなと思います。
【諏訪園消費経済対策課長】
若干補足いたしますと、2つ御質問をいただいていると思いますが、中国の部分については、木村委員からございましたように逆引きができなくてもたどれるということで、実はモニター機で得た分のヘッダー情報を2回ぐらい送っております。9月に合意しまして、10月、11月と送りましたところ、先日中国からメールが来まして、大分効果が上がってきているので、具体的な結果を近々御報告したいと言っていただいておりますので、一定の効果が上がってきているようでございます。
私どもがモニター機で受信している分でも中国からの分は、たまたまかもしれませんが、多少減っているような結果も一部見られているところでございますので、岸原委員と、協議会でいただいたデータも交えることができれば、ぜひお願いしたいと思います。
それからもう1つ、モニター機の方も、実はハーベスティングもあり得るということで、さまざまな掲示板なり何なりにわざとオープンにしているアドレスも幾つかございます。そういうのもハーベスティングされて海外からも日本からも来るというような状況で、多様なことを試みておりますし、たまたまですけれども、消費者の申し立てと比較的一致しているので、そういう意味ではオープンにしているのがそれなりに一般の消費者の方と似通っているのかなという印象を受けているところでございます。
【松本座長】
上原委員、どうぞ。
【上原委員】
前回と比べてかなり具体的になってきたと思うんですが、方向としては、不法な業者とまともな事業をやろうとしている業者の中で、不法な業者をまずこれで締め出そう。これが明らかになっている。あとは具体的な手段だと思うんですが、我々にとっては、ちゃんと事業をやっている人たちにとってどういうふうな規制になってくるのかなというところの線引きだと思うんですね。
そこで1つ気になっているのは、今実際に持っているメールアドレスについてはどういう形で承認を得ているということを確認するのか。例えば、宗田先生の資料2の7ページの一番下、「以前の取引関係が広告よりもかなり前、本件では2年前、のものである場合には、同意は推定されない」というような判例もあるようで、個人的には、例えば1年たったらもう、じゃないのかなとか、そんな感覚もありますので、例えばこういうケースはどうなんだとか、実際には頻繁にメールアドレスにメール広告を打っています我々店舗としては、どう判断して、どういうアクションを起こせばいいのか決めていかれるのかなというのが1つの疑問です。
もう1つは、同じく宗田先生の10ページですが、不意打ち条項というのがございまして、これは「一般的利用条件の条項において隠されている」とお書きになっているんですが、実際には承諾を取るページのところで規約みたいなものがずらずら書いてあって、細かく読まないとよくわからないとか、そういうような表示が実際にはなされていると思うんです。こういうことを表現されているという理解でよろしいですか。
それを実際にどういうふうに指導されていくのか、この2点です。
【諏訪園消費経済対策課長】
それはこの後で。
【松本座長】
具体的な手法については、この次の報告で御説明いただけることになっておりますので、実効性の部分につきましてはこれぐらいで終えたいと思いますが、先ほどの話にもありましたが、日本発の3割についてはかなり効果が出るだろう。中国発の4割については、中国政府との間での情報交換とかがうまく進んで中国政府の対応が期待できれば少し減っていくだろうということのようでございますから、オプトインの規制に変えたからといって100%なくなるということはあり得ないにしても、目に見える割合で減るだろうということは期待できるのではないかと思います。それ以降、さらに一層減らしていくためのさまざまな技術的あるいは法的な手当てにつきましては、これから皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

(2)オプトイン規制を導入するに当たっての技術的論点について

【松本座長】
とりあえず一定の効果は期待できるんだということを確認した上で、続きまして、まともな業者さん、順法意識のある業者さんにとってはそれほど負担にならず、かつ、先ほど言いました3割、あるいは5割といった迷惑メールを減らしていくためにどのような仕組みにしたらいいのかということにつきまして、前回のワーキンググループの会合で示されました技術的論点についてどのように詰めていくのが適当であるかについて、これから御議論いただきたいと思います。
そこで、まずECネットワーク理事の沢田委員から、中小のネットショップ事業者からのヒアリングについて御紹介をいただき、また、シナジーマーケティング株式会社社長の谷井委員からは、実効性確保のために必要な消費者からの請求に係る記録方法等の論点について御紹介をいただきまして、その上で事務局から、両委員からの説明や前回の議論を踏まえまして技術的論点とそれについての考え方を御説明いただきたいと思います。
まず沢田委員からお願いいたします。
【沢田委員】
沢田でございます。
資料4をごらんいただければと思います。まさに先ほど上原委員がおっしゃったような問題意識に基づきまして、迷惑メール対策の話というのは基本的には悪徳事業者、出会い系サイト等の不法な行為を行う事業者を念頭に置いた規制だということははっきりしていると思いますが、付随的な効果として、まともな事業をやっていらっしゃるショップの方々、事業者さんにも影響が及ぶということで、それがどの程度か調べてみたということでございます。
中間報告が出ましてから、10月に、余りたくさん回ることはできなかったんですが、私とECOM(次世代電子商取引推進協議会さん)と共同で、都内のネットショップの店長さん、6社ほどにヒアリングをさせていただきました。もちろん、それぞれ微妙に違う御意見をお持ちではありますが、特にここが困るという点に特化して、最大公約数的な形にまとめさせていただきました。
これらのショップさんは、ネットだけでやっていらっしゃるところはなくて、売っているものはTシャツだとか、ワインだとか、さまざまですけれども、いずれもリアルの店舗を持っていらっしゃって、リアルとネットの割合も。8対2だったり、1対9だったり、いろいろですが、特徴としては、いずれもリアル店舗を持っているということです。そこは忘れられがちな論点であると思ったものですから、リアルへの影響につきまして書いてみたところでございます。
まず、総論としては、皆さんスパムに困っているというのは共通していますので、迷惑メールの対策を強化していただくことにはもちろん賛成です。ただ、先ほど来お話がありましたように、実効性がきちんと上がるのでなければ自分たちが負担を負うわけにはいかない、ということが前提になっています。
具体的にどうかということを1つずつ見ていきますと、まず事前の承諾のない広告メールを送ることが禁じられる、オプトインになるということについてですが、彼ら事業者さんにとってのメールの意味は大きく2つあって、1つは新規顧客開拓の手段として、見ず知らずのお客さんを集める手段としてのメールですね。もう1つは、既にお客さんになってくださった方に対するメール、この2つがあると思います。前者に関しては、10年前と今とでは全然環境が変わっていて、もちろんSEO対策もやっていらっしゃるでしょうし、検索連動型の広告というのが一般的になってきましたので、むしろそちらの方が効果が高いと皆さん思うようになっていて、懸賞サイトとかを通じて、無差別にというか、ばっと大量のメールを送るという方法はだんだんと位置づけが軽くなってきている。なので、これが多少使いにくくなったとしても致命的ではないというのが共通した御意見でした。
ただ、2番目の方ですね、一度取引関係ができたり、取引までいかなかったにしてもお問い合わせなどで関係のできたお客様ないしお客様候補、潜在的なお客様に対して、せっかく自分のお店に興味を持っていただいたところを忘れられないように、思い出していただくためのツール、コミュニケーションを保つためのツールとしてのメールの意味は非常に重い。特にリアル店舗さんにとってはメールが、「きずな」という言葉を使う事業者さんもいらっしゃいましたが、その意味が非常に大きいので、これをいわゆる迷惑広告メールと一緒に議論されることには非常に抵抗があるとおっしゃっています。
例えば、定期的に多数に送るメルマガというイメージではなくて、特定のお客様に、この商品に関心を持ってくれていることがわかっているお客様に、新しくこんな商品が入りましたという、ごく限定的なメールを送るとか、年に何回か出す休業のお知らせとか、広告という感じではなくて、商品のうんちくなり、商品に関する情報が満載といったメルマガというのも結構ありますので、そういうものまですべて広告メールとして規制対象になっちゃうのかどうかということに非常に皆さん関心が高かったです。
とともに、地域の中小企業が共同で地域起こしのような形でリアルのイベントを行ったり、共通でサイトをつくったりして、そこでお客様からアドレスをもらうといったときに、それをみんなで共有することができなくなるのか。簡単に共有していいとはいえないですが、同意を取る方法が余り煩雑にならないようにしてくれるとありがたいという話があります。
それと、リアル店舗さんにとっては、前回も申し上げたように、これからネットを活用し始めるという段階にあるショップさんもたくさんいらっしゃるので、既にネットで何年もやっていらっしゃって、たくさんのアドレスを持っている事業者さんに比べ、これから始めるところが余り不利にならないように御配慮をお願いしたいといったようなことが大体の感触でした。
次に、同意取得が義務づけられたとして、その記録を取っておかなければいけないということがどのぐらい負担になるかとお聞きしてみたんですが、ネットで同意を取っている場合、デフォルトオンかオフかという話がありますが、チェックを入れるという形で同意を取る場合には、もともとシステムが組まれているものなので記録を取っておくのはそんなに大変ではない。もちろん、今あるシステムに多少改善を加えなければいけないこともあるでしょうから、そのための十分な準備期間が必要なので、決まったら早めに教えてほしい、十分な周知期間が欲しいという御意見はありましたが、ネットの場合はそんなに大変じゃない。
ただ、先ほど申し上げたようなリアルの店舗さんというのは、先ほど電話で聞くというケースも御紹介されていましたけれども、ネットだけじゃなくて、デジタルでない状態でアドレスを取得するケースもある。そのときに、同意が前提だったとしても、同意を取ったという事実をどういう形で取っておけばいいかというと、それはまさに手作業の世界なのですね。ネットで集めたものと、手作業で集めたものを一元的に管理して、いつでも出せる状態にしておくというのは非常に負担が重い。もちろん、負担が重いだけで、技術的にできないという話では決してないので、やれと言われればやりますが、問い合わせをされるとか、立入検査をされる可能性が非常に低いとしたら、そのためにそんなことをするんですか?というのが正直な感触でございました。
それから、同意を取得したメールについても何らかの表示義務が課されるとなったときにどうかということに関しては、それほどたくさんの御意見があったわけではないですが、簡単に解除できる方法は必ず載せておかなければいけませんよね。これは当然ですねということでしたが、要らなかったらこのメールに返信してくださいという方法と、解除のためのURLが紹介されているケースと、大きくはこの2つになると思います。要らないよというメールを返信するのはお互いに余り気分のいいものではないですし、リスクもあるということも考えると望ましくないのかもしれませんが、そんなにしょっちゅう出さないメールであれば、解除用のシステムを組むこと自体が負担になるということもありますので、メール返信でもいいようにしておいて欲しいという話もありました。
ただ、一つ一つのメールに、いつ、どこで承諾を取ったとか、何であなたに送っているかということを1通1通違う内容で書くことは、それは無理です。手作業でやっているケースはもちろん、大体こういったリアルの店舗を持っていらっしゃるようなところでは、簡単な一斉送信用のソフト、同報@メールだとか、一括メールだとか、そういうものを使って発信していることが多いので、その場合は1通1通中身を変えるのは無理です。もし1通1通中身の違うものを出さなければならないとなると、大手の配信業者さん、ASPさんなどを使えるような大手のところしかメールは出せないということになっちゃいますねという御感想でした。
大体以上ですが、最後に、外国語の迷惑メールを何とかして欲しいというのがどこに行ってもつけ加えられる御意見でした。以上でございます。
【松本座長】
ありがとうございました。
続きまして谷井委員からお願いいたします。
【谷井委員】
谷井でございます。お時間をいただきまして説明をさせていただきます。
前回のワーキンググループでも少しお話しさせていただきましたが、あくまで今回は、悪質な事業者を排除していくにはどうしたらいいかという観点だと思っております。一方で、悪質な事業者を排除する策を立てれば、おのずと善良なる事業者も影響を食らってしまうということがあります。ここでは、悪質事業者をいかに排除するかというところと、善良な事業者にとっていかに負担のないものにするかという2つの観点が入り混じった形の資料になっておりますが、順番に御説明を差し上げます。
まず1番、基本的な考え方として、善良な事業者にとってどういう観点が必要なのかというところを3つほど挙げました。1つ目が、今後も企業が安心してマーケティング活動をすることができる環境をつくらなければいけないという観点からは、ルールないしは線引きのラインが明確であることが必要だなと思っています。
2つ目に、企業のマーケティング活動の効率性を下げないというところでございます。消費者情報の獲得等で多大な負担を必要としたり、活動の効率性を下げることがないような方策が望ましいと思っております。
3つ目が、消費者が安心感を得ることができる。企業のマーケティング活動も、決して消費者から搾取するといったものではなくて、あくまでお客様との善良な関係を維持・発展させていくことがマーケティング活動の目的ですので、善良な事業者であることを企業が活動を通じて表明していけるような視点を持って考えていかなければならないなと思っています。
2番、効果的な規制方法というところで、ここは大きく3つ、オプトインの獲得の方法と、継続的なお客様向けのメールの配信というところと、オプトアウトの手続の観点について、3つ挙げております。
オプトインの獲得方法については、前回の議論の方向性を何となく私の方で感じていたのは、少し前後しますが、オプトインの方式についてはダブルオプトイン並びにデフォルトオフというものが1つの方向性になるのかなと思っておりますが、※のところに書いております、悪質業者の排除という観点でいうとダブルオプトインをする、デフォルトオフを基準とするということは大きな差はないなと思っておりまして、このあたりはガイドラインか何かで、それが望ましいというようなレベルで十分なのではないかな。善良な事業者の自助的活動としてそういうことを推奨していく、実行可能な範囲でやっていくというレベルでいいのではないかなと感じております。
それから、オプトインの獲得の段で、数行上に上がりますが、情報の利用目的、それから目安となる配信頻度、毎日なのか、毎週なのか、月1回なのかといったあたり、それから、どういった内容が送られるのかといったところは、現実的なレベルで表示を事前にしておくことは望ましいんじゃないかなと思っております。
※の2つ目ですが、このあたりは余り厳しく、例えばダブルオプトイン、デフォルトオフというのを基準にしてしまいますと、事業者の顧客獲得コストといった観点、それから継続的なコミュニケーションにかかるコストの費用対効果が悪くなってしまうということがかなり明確に読めますので、余り厳しい形にするのは望ましくないのではないかなと思っています。
(2)送信に関してですが、送信者情報を義務づけることは望ましいのではないか。このあたりも、実際、善良なる事業者の方々は既にそういう活動を行っておられます。一方、悪質事業者はそういうことを行っていない場合が多いと思っておりますので、このあたりは善良な事業者に負担をかけずにできるんじゃないかな。事業者名、担当者名、連絡先、こういった情報を継続的に、恐らく最後のシグニチュアになると思うんですが、表示しておくことは、オプトアウトのところでも消費者の利便性を大きくするというふうに思っております。
3つ目がオプトアウト手続のレベルというところですが、オプトアウトの手続について明示することが必要だと思っております。皆様のコンセンサスだと思いますが、オプトアウトの方法の説明、それから、その手続等々の不明点に関する問い合わせ先のメールアドレス、それから、もし配信停止まで手続上時間がかかる場合は、その所要時間ないしは期間というものも掲示することが望ましいのではないか。これはたまにあるんですが、配信を停止してくださいと連絡したにもかかわらず、翌日メールが送られてきたというような苦情が消費者から企業に入る場合がございます。こういったミスコミュニケーションを生まないためにも、所要時間・期間を書いてもいいのではないかなと思っております。
それから、ここで考えていることは、※のところ、ワンクリックオプトアウトないしは2段階の手続をしたら確認のメールが飛んできて、そのURLをクリックして初めてオプトアウトが完了するといった方法論のところですが、これは消費者の利便性というところには関係してきますが、悪質事業者の対策という観点でいうと何ら相違はないなと思っておりまして、ここはどのような形でもいいのではないかと思っています。
あと、考えなければいけない点は(4)で2つほど、先ほどもございましたが、オプトインを一度獲得した場合に、再度確認ないしは再度のオプトインの獲得作業というものを一定期間ごとにやっていく必要があるのかないのかといったところ、これは、個人的な見解ですが、何度も何度もということは必要ないのではないかなという気がしております。
2つ目に、既に保有しているリストに対する、今回の法律の変更に伴う再度のオプトインは必要かというところですが、これは事業者にとってかなり大きな負担となりますので、できれば避けることが望ましいのではないかと思っています。
それから3つ目、オプトインの記録方法ですね。この点が十分に検討すべきところかと思っていますが、オプトインの記録の開示が求められるケースは恐らくこの2つだろうと思っています。1つは消費者が請求事実の確認をしたいということで連絡をしてきた場合、もう1つが、疑わしき事業者であった場合の当局からの確認のため、この2つだと思っております。
(2)具体的方法というところは少し重たいことを書いておりますが、特に(1)の(2)疑わしき事業者であった場合の当局からの確認という観点でここは書いています。恐らく、前回も申し上げましたが、悪質事業者はその改ざんないしは偽装ということはやり得ると思うんですね。この部分を厳しくしていかなければ、先ほどの話にもありましたが、実効性というところは少し不安が残るなと思っています。
具体的方法として2つ挙げさせていただきました。素案ではございますが、まず1つは、絶対間違いない、真実性を担保するというところ、個人を特定するものではないが、メールアドレスの自動生成とか、個人の承諾を得ずにハーベスティングをするようなことで取得するのでは獲得できないような情報を何か付加して獲得していく。誕生日なのか、性別なのか、郵便番号なのかわかりませんが、そういったメールアドレスだけでは読み取れないような情報を1つ保存していくというのはあり得るのかなと思っています。
2つ目が客観性の担保というところで、事業者が改ざんないしは偽造できないように、第三者機関との連携の中でメールの配信等々を行っていくというような考え方です。メール配信当事者以外の第三者の配信システム等の利用を推奨していく。システムへの登録日を自動的に記録できる機能を持っているようなもの、そのシステムの情報を当事者事業者が改ざんできないような仕組みをとるというのがあるのかなと思っています。
ただ、この2つのポイントについては、最後に書いてありますが、両手法とも既に取得しているメールアドレスへの確認というところは難しいので、限定的なところになってしまうとは思っています。
あと、この2つの方法のどちらかをこういうような観点に基づいて採用するにしても、善良な事業者の方々に対する負担は一定程度出てまいりますので、そのあたりの取り組みについては慎重に検討いただく必要はあると思っている次第でございます。
3番は悪質事業者を取り締まるという観点で、ここまですれば大丈夫だろうという厳しめの観点で書かせていただきました。以上でございます。
【松本座長】
ありがとうございます。
それでは諏訪園課長からお願いします。
【諏訪園消費経済対策課長】
今、両委員から非常に貴重な御指摘を賜りましたが、前もってお話を聞いていましたので、資料6の技術的論点はそういった観点も多少踏まえまして、これまでに出ました御意見等を集約して整理しております。もちろんすべて尽きているわけではないと考えておりますが、たたき台として御説明申し上げたいと思います。
大きな論点は、消費者が請求又は承諾した場合とはどのような場合かということで、これは小委員会でも議論がございましたように、消費者が知らないうちに同意になってしまったかのようなことにならないかというのが1つ大きな論点としてございまして、さはさりながら、前回も御議論がございましたが、消費者が購入したショッピングサイトですとかモールといったところからの広告メールの請求又は承諾については、いわゆるデフォルトオン方式にしたとしても、そこからメールが来るだけであれば不当と感じることはないのではないかという意見があって、それは1つには、被害の程度といいますか、不当請求につながるという被害とはちょっと違うのではないかという御意見があったと認識しております。
ただ、その場合であっても、今申し上げましたようにデフォルトオンの表示がわかりにくい。本当は最初からメールは来ないでほしいと思っていたにもかかわらず来てしまうのは非常に困ってしまうということであれば、赤字等で明記され、かつ、送信ボタンに近接したところにないと消費者は見逃す可能性が高いのではないかという懸念も聞かれたところでございます。
実際に周りの方10人ぐらいにやってみていただいたところ、10人とも、デジタルリテラシーが低いといったら失礼ですけど、素養のない方にとっては見過ごす可能性が高かったというお話もあったと思います。
他方、先ほど沢田委員から話がございましたように、リアルの店舗販売等も行っているネットショップ事業者が、名刺交換ですとか、店頭等での消費者のアンケート用紙、さまざまな形でフェース・ツー・フェースでメールアドレスを入手したような場合においては、言ってみれば匿名性が高くない。フェース・ツー・フェースで、何かあったらすぐ文句が言えるといった場合であれば、被害の程度という意味では相当程度低くて、消費者が請求又は承諾したものと考えてもよいのではないかというのが1つございます。
他方、前回もいろいろ御議論がございましたが、一番危険性が高いのが、まじめにやっている懸賞サイトないしは無料情報サービスも多いんですが、そうでないところも非常に多くて、そういったところからメール送信の承諾を得る場合には、その旨についてわかりやすく赤字等で明記してはどうかという話。
それから、特に別サイトから送信されることの承諾というのが暗黙のうちに取られている場合が非常に多いということがございまして、宗田委員からもございましたように、暗黙が困るというのが欧米諸国でもあるようでございますので、メールアドレスを入力させる過程等で消費者が認識できるようにする仕組みとする必要があるのではないかというのが御議論としてはあるだろうと思います。
こうした請求・承諾を、先ほど谷井委員からもございましたように、どのような形で記録を保持することを義務づけるか、技術的に、経済的に、法的に見て妥当と言えるかというのがもう1つの大きな論点だろうと思っております。
これはいろいろ議論がありまして、パーフェクトな偽装防止というのはなかなか難しいんですが、私どもも調査権限を今回さまざまな形で広げるということをもってすれば、一人一人の消費者からの請求又は承諾の記録を持っていなくても、足りる場合もあるんじゃないかな。特に消費者からの請求とか承諾を得るに当たって、どういった利用規約ないし画面構成等を示して請求・承諾を得ているかという記録をきちんと保持しておいてもらえれば足りる。
つまり、我々が立入検査に入る前に、モニター機で、メールアドレスをどこかに掲示しておいたり、懸賞サイトに入れておいて、そこで取られたなとわかれば、そこのサイトなり、来た出会い系サイト等のつながりをいろいろな形で分析して入っていくわけでございますので、当然、利用画面はすべて押さえておくわけです。入っていって、どういう画面で取ったんですかといった場合、偽装した画面等を出してくれば、それはうそでしょうということで、裁判所に行けばおのずと明らかになってくるだろうという意味では、こういったことでも足りるのではないかというのが1つございます。順法意識のある中小事業者であれば、当然そういった画面構成は持っているでしょうし、相当程度問題は少なくなるのではないかということであります。
それから、先ほどのリアルの店舗販売も行っている方が営業所等で得ているような場合、わざわざ電磁的記録として整理しておく必要はないだろうと思っておりますし、名刺等をそのまま保管しておいてもらうということはあるだろう。そういったところの論点がオプトインの大きな論点としてございます。
ただ、オプトインした後に送信してきたメールについて受信停止とする手続としてどのようなものが必要なのか。この辺は後で、こういったことがあると困るという話があればぜひ御紹介願えればと思っております。
次のページに参りまして、ではどのような表示があればよいかということで、これも谷井委員からございましたが、オプトアウトの方法は当然ですし、送る主体が通信販売事業者なのか、オプトイン事業者なのか、メールマガジン事業者なのか、要は広告メール作成主体の氏名、名称、住所等、それからメールアドレス、こういったものは、今も11条1項で規定しておりますが、引き続き必要だろうということです。
ただ、非常に困った話としては、自分がどこで承諾・請求を得たのかわかりにくいケースがあって、別サイトから来る。その場合には、少なくとも最初のメールにおいては請求又は承諾を受けた懸賞サイトの名称等を表示する必要があるのではないかというのがございます。これはリアル店頭でフェース・ツー・フェースで得ているような場合には必要ないだろうと思いますが、こういったところであればということでございます。
以上が規制をする側の話でございますが、5.にありますように、こういったところがきちんとなっていれば、一たん請求又は承諾を受けたら、改めて請求又は承諾を取り直す必要はないのではないかという議論がございます。ドイツなんかでは2年たつと問題があるということがございますが、どこまで法律で規制するかというところはあろうかと思います。
それから、改正法施行前に同意を取ったもの、これは、一般には法律の不訴求原則というのがございますので、改めて取り直すことをお願いすることは法規制上は難しいのかな。もちろん、今まで未承諾広告を※印でずっと送っていて文句もなかった。それは文句がなかったんじゃなくて、怖くて返信ができなかっただけでございますので、これは当然同意がなければ問題があるということだろうと思います。
それから、そのほか、いわゆる適用除外の話として、現行、フリーメールサービスのような話があるわけでございます。こういったものは悪用される可能性は考えがたい。そのほか、前回の資料にもちょっと書いておきましたが、取引が行われた後の決済通知ですとか配送通知、こういったものにURLが付されて広告メールとしているといった場合も当然適用除外になってしかるべきだろうと思っていますが、そのほかに何かあれば御紹介願いたいと思っていまして、以上のような論点、そのほかあればぜひ御議論願えればというところでございます。
【松本座長】
ありがとうございました。

質疑応答

【松本座長】
それでは、ただいまの沢田委員、谷井委員、それから事務局の諏訪園課長からの御説明につきまして、どうぞ委員の皆様から御意見をお出しください。
斎藤委員、どうぞ。
【斎藤委員】
意見は後から申し上げたいと思います。
先ほど、谷井さんでしょうか、規制の考え方の御紹介をいただきましたが、2点ほど質問をさせていただきたいと思います。
1つは四角で囲んだ2.効果的な規制方法の※印の最初のところですが、「ダブルオプトイン」、「デフォルトオフ」は、悪質事業者の排除には、オプトイン方式を採用するだけで十分だということで、結論だけしか御紹介がなかったんですが、本当に十分なのかどうか、もう少し具体的に根拠を示して御説明をいただければと思います。
もう1点が、2ページ目の(3)、同様に※印のところですが、ここも悪質業者への対策としての効果は相違ないと、結論はお述べいただいているんですが、本当にそうかどうかということについての具体的な理由と根拠を御紹介いただければと思います。
【松本座長】
それでは谷井委員、お願いします。
【谷井委員】
2つ御質問をいただきまして、まず1つ目、2番の(1)の1つ目の※のところです。ダブルオプトインないしはデフォルトオフという方法論の議論の前に、恐らくパーミッション許可を取得するかしないか、しなければいけないかどうかというところで、入り口で取り締まることができるのではないかという考えを持っております。
そもそもオプトインを取得しなければ送信してはいけないという規制があれば、その手法の部分でダブルオプトインにすることによって被害が大きく変わるかというと、そうでもないような気が実はしております。現段階で多くの迷惑メールというのがパーミッションを取らない状態で強制的に送られてくるものが多数を占める中で、手法論よりも、オプトインをきっちり取らなければいけないという入り口の規制の方が有効ではないかと思った次第でございます。
2つ目がワンクリックオプトアウトないしは確認を要するオプトアウトの手法論のところですが、こちらも、オプトアウトの大切なところは、今は迷惑メールで比較的多いのが、配信停止の依頼をしても応じてもらえない、そういう事業者が迷惑メール事業者の多くを占めるのではないかと思っておりまして、配信停止を求める依頼がきっちりと行われて、事業者が配信停止をきっちり行う体制があれば、ワンクリックでオプトアウトできるか、もしくは何らかの手続を経て確認の上でオプトアウトするかという方法論については、それほど重要ではないのではないかと考えた次第でございます。
お答えになっておりますでしょうか。
【斎藤委員】
まず最初の点ですけれども、そうするとダブルオプトインとデフォルトオフにするかどうかは2つセットになっているんですか。今のお話ですと、ダブルオプトインまでは必要ないんじゃないかという御説明に聞こえたんですが、それでよろしいかどうか、確認が1点です。
それから、全体的な印象で大変失礼かと思いますが、感覚的に「そういうふうに思われる」ということのようで、具体的に検証されるぐらいの根拠があるというようには聞こえなかったんですが、そういう御意見でいいかどうかということです。
それから、2番目の※印のところですが、これも配信停止の意思がついて、それに応じる業者さんであればという仮定をおっしゃって、それを前提に議論されていると思うんですが、手段を何を取らなければいけないかということによって、そういうことを行う業者であるかどうか、要するに業者側の対応の仕方というのはかなり違ってくると思いますので、そういう業者さんであればという仮定があって初めて先ほどのような御意見になると、こういう理解でよろしいでしょうか。その点だけもう一度お願いします。
【谷井委員】
ダブルオプトインの部分についてはおっしゃるとおりでございます。ダブルオプトインでなくてもいいといいますか、と認識をしております。
それから、2つ目におっしゃっていただきましたどれだけ検証を行った上での意見かというところについては、具体的な数値等々の根拠をもって示し切れているものではないというところは事実でございますので、そういうものであるとお伝えさせていただきます。
3つ目は、済みません、もう一度お願いできますでしょうか。
【斎藤委員】
ワンクリックオプトアウトか、確認を要するオプトアウトか、どちらでも、利便性を高めることになるけど、対策としては相違がないという御意見なんですが、理由の御説明の際に、どちらの方法にしろ、オプトアウト、配信拒否の通知を受け取ってきちんと対応する業者であれば効果に差がないのではないかという御説明だったものですから、善意の業者であるということが前提になっているわけで、そうだとすると、ここで議論をしているのは、多分皆さん方が共通の認識だと思いますが、そうではない業者さんに対して効果的な方法を検討するということからすると、実効性が確保できるのかという疑問を持つものですから、その点はどういう御説明になるかという質問です。
【谷井委員】
少し記載が足りないかもしれないんですが、消費者からの請求があった場合には回避を義務づける、そうあるべきだと思っておりますので、悪質な事業者に対しての取り締まりというところでは、オプトアウトに対しての回避を義務づけることで取り締まりができるというふうに思っております。
善良な、解除の依頼に対してきっちりと対応できる事業者であれば、オプトアウトの方法はどちらでも問わないのではないかと思っている次第です。
【松本座長】
粕谷委員、お願いします。
【粕谷委員】
実は、先日ある広告代理店の方とお会いしてお話をお伺いして、迷惑広告メールに関してというさわりの中で、解約されたメールデータが売買されているという事実を聞きまして、単純に言うと、迷惑広告メールはエンドレスなんじゃないかと感じたわけです。諸外国では売買も禁止されているところもあるわけで、このところもきっちりと押さえながらいかないと、これを施行するに当たって、今流通しているデータを保護するようなことになってしまわないように考えるべきかなと感じております。その辺も議論していただければと思います。
【松本座長】
長田委員、どうぞ。
【長田委員】
谷井さんに質問で、先ほどのダブルオプトインのところですけれども、私がダブルオプトインが必要だと思っている大きな理由は、なりすましのオプトインというのがかなり出てくるんじゃないかと考えているわけなんですね。今おっしゃいましたように、いろいろなところで、不法にというか、アドレスを既に入手している人たちがいっぱいいる。そういう状況の中でどんどんオプトインの形をつくってしまったら、私自身がオプトインしていないにもかかわらず、記録がそこに残るというだけではやはりいけないんじゃないかと思うので、確認メールが自宅に届いて、それでオプトインということになるのではないか。非常になりすましというのは心配されるんですが、その点はいかがでしょうか。
【谷井委員】
そういったようなところも考え得るといいますか、恐らくそうだろうなと理解している次第でございます。一方で、3番のところで提示させていただいたのが真実性の担保、3の(2)の(1)で、個人を特定するものではないが、メールアドレスをなりすまし等々で入れるだけでは取得することができないような情報もあわせて取得するという方法をここでは提示させていただいております。
【谷井委員】
そういったようなところも考え得るといいますか、恐らくそうだろうなと理解している次第でございます。一方で、3番のところで提示させていただいたのが真実性の担保、3の(2)の(1)で、個人を特定するものではないが、メールアドレスをなりすまし等々で入れるだけでは取得することができないような情報もあわせて取得するという方法をここでは提示させていただいております。
【諏訪園消費経済対策課長】
ちなみに、今のお話にかかわってですけれども、私どもの利用画面を取っておけという話は、こういったものをきちんと入力させるような仕組みをとっていれば、なりすましみたいなことがあったとしても我々は容易に立証し得ると思っておりますし、逆に、善良な事業者はこういった画面を余り取っていないことが多いでしょうから、そういう意味では立証的な面で大分違ってくるだろうというふうにも思っているところでございます。
【長田委員】
今おっしゃっている画面を取っておくというのは、例えばオプトインの一人一人の画面を取っておくわけではないですよね。
【諏訪園消費経済対策課長】
ではないです。画面構成ということです。
【長田委員】
そうすると、手作業でオプトインが行われてしまえば、それはオプトインされたということ。
【諏訪園消費経済対策課長】
ですから、例えば善良な事業者であればいろいろな記録を取ろうとするわけですね。ですから、こういった画面構成をとっております。実際、さまざまな記録を持っていらっしゃるでしょうから、そういった方の場合には容易にフェイクじゃないということを立証できるでしょうし、逆に、悪質な人の場合には、なりすましということでさまざまな偽装をするわけですね。私どものモニター端末の持っているメールアドレスというのはそんなことがあり得ないものですから、行ったとすると、向こうの方々にとってみれば誤ってあれしたなんていうことも言えないということで、我々としてはそこから、調査の仕方でございますが、それなりの実効性のある調査・立証ができるだろうと考えております。
【松本座長】
多分、今議論されている悪質事業者、善良な事業者のイメージがそれぞれの方でちょっとずつ違うから議論がずれるんじゃないかと思うんですね。前半で議論されたような、匿名で、自分の正体はさらさないで、かつ、ワンクリック詐欺のようなところに誘い込むとか、出会い系サイト的なものを念頭に置いているんだとすると、今回の改正によって、まず自分の正体をさらしなさいということが大前提になるわけですよね。その上で同意を取りなさいというわけだから、自分の正体をさらして、なおかつ同意のところだけなりすますというのは、正々堂々と商売はしているんだけれども、そこから入手したアドレスを100%使って宣伝をやりたいんだ。悪質商法をやっているわけではないけれども、広告は徹底的に打ちたいんだという業者に対しては、ダブルオプトインでないとひょっとするとすり抜けられるかもしれない。100%活用するためにはなりすましてでも入力しようという人が出てくるかもしれない。
そういう業者を押さえるところまで今回やった方がいいということでいくのか、それとも一番悪質な部分をとりあえず押さえれば前進と考えましょうかというところの差だと思うんですね。どこまで今回の立法で目指すのかという判断をする必要があると思います。
では、こっちから順番に。青山委員からどうぞ。
【青山委員】
今の松本先生の問題提起にかかわってくると思うんですけれども、私は一人の消費者として、消費者団体の方がいらしている中で裏切るようなことを言いますけれども、私は、今回は本当に悪質なものだけを取り締まるというのが、第一歩ということで、いいのではないかと思っています。
なぜかというと、消費者の権利として守られなければいけないものとして大きく2つあって、安心・安全な買い物をする権利というものは必ず守られなければいけないのと同時に、きょう日、インターネットというものは売り手と買い手の障壁を超えるような大きな自由を担保しているわけで、消費者が買い手の世界に閉じ込められてしまう、なかなか売り手になれない。今までインターネット環境というのは、脱サラですとか、なかなか収入手段が得られなかった人に、簡単に事業者になれるという自由を担保してきたと思うんですね。それでインターネットというのはものすごく発展してきたと思うんです。
その中では、ダブルオプトイン、デフォルトオフという形で強い規制を設けてしまうと、沢田委員もおっしゃっていましたけれども、新規参入コストが大変高くなってしまうということは、一人の消費者としてと言っていいかわからないですけれども、これからの消費者にとってはとても不利益があるのではないか。結果的にダブルオプトイン、デフォルトオフにした形でなかなか新規参入できなくなると、検索広告の単価が上がったり、普通に考えれば楽天さんとかヤフーさんに出店しないと新規のビジネスができないような形になってしまうのを私はとても懸念します。
ただし、このまま進んでいっても、谷井委員の資料にもありましたけれども、オプトアウトの手続というのがどうしても不明確で、ここがきちんとされない限り、デフォルトオフにしても、ダブルオプトインにしても、消費者は安心・安全なメール環境になかなかならないのではないかなと思います。その意味では、オプトアウトの手続というのを技術的にきょういらっしゃっている専門の方にいろいろお聞きしたいなと思っています。以上です。
【松本座長】
では有山委員、どうぞ。
【有山委員】
デフォルトオンとオフについては、先日もダイヤルQ2のときにオンになっていてもほとんどの人が気づかなかったとお話しさせていただきました。そのときに、デフォルトオンの合意を取る送信ボタンの下に、有料です、幾らですということを、黄色い文字とか、赤い文字とか、いろいろな形で目立つように書かれていました。それでも、ちょっと文字が小さかっただけで見落としてしまったと相談者は言ってます。
インターネットでクリック、クリック、クリックで進むのは結構一般的に行われていることなので、特に高齢者とか子供が気づかず入ってしまうということは、オンにしておくと非常に危険が高いのではないかと思います。オフにしておけば、少なくともオンにする行動をとらなくてはいけないので、オフにする必要があると考えます。
それから、第1点のところに「赤字で」と書いてあったのですが、インターネットの画面というのは様々な色が使われているので、赤字では目立たない、見落としてしまいます。クーリングオフについても、クレジットの書面の例ですと、赤字でクーリングオフを記載するのですが赤字を見ていない。私のところに来る相談はほとんど、「クーリングオフを見ましたか」と言うと「見ていない」、「気づかなかった」という方が多いのですね。そういう方を守らないと、インターネットの良さが広がらないと思うのです。インターネットがだれでも安心して使えるという状況にしないといけないと考えます。
相談で、お母さんが、もう1週間、子供が御飯を食べていないので、なぜかと思って聞き出すと「出会い系サイトにクリックして入った」とか、「アダルトサイトにつなげてしまった」といい、怖い請求を受けているというのです。お母さんもそれを聞いたら足が震えてきた、どう対処すべきかという相談を受けます。中学生のお子さんの前でお母さんが戦う姿勢を示したらいいですよね。子供が業者に脅されて、電話番号や住所、お父さんの会社の電話番号なども全部しゃべっちゃった。ひどいものについては住民票を役所からとってコピーして請求書と組み合わせて送ってきたものもありました。住民票を取られて送ってきたというと、御家族中、大変な不安に陥る。
このような話はごく一部の少数の人の話とするのではなく、安全に利用できるようにしないと、こういう人がふえてくると私は思うのです。基本的に、目立つようにとか、そういう工夫というのもどうしても必要ですし、オフにしておいて、承諾する時は入力するというようなことが必要だと思っています。
それからもう1点、1のところのリアル店舗での名刺ということなのですが、私もたくさんの方に名刺を配ります。そしていろいろな相談の中で御本人じゃない名刺を使われるということもあるので、名刺の保管だけでもいいかというお話ならば、せめて、何時何分に、どの店舗でこの名刺をもらったかというのは記録しておいてほしいと思います。何故このようなことを申し上げるかというと、同じようにリアル店舗の契約でポイントカードの相談というのがあるんです。ポイントカードをつくったら、クレジット機能がついていたのでクレジット会社からカードが送られてきたというような相談があります。相談者は契約したつもりもないのにカードが送られてきた。ポイントカードと推測してカード発行会社問い合わせるとポイントカードなのです。相談者が認識していることと違う場合、認識がずれたまま契約してしまったりすることがあります。
中学生の親からいろいろな御相談を受ける中に、中学生は占いサイトとかアイドルサイトなんかを携帯電話で見るという行為もありますので、これからの消費者に対して安全を確保するというのが重要に思っております。以上です。
【松本座長】
上原委員、どうぞ。
【上原委員】
先ほどの質問に戻るんですけれども、既存のリストについて、この資料を見ますと基本的にはノーアクションみたいな書き方をされているんですが、実際には、この法律が施行されて世間的に注目を浴びると、消費者が非常に反応されると思うんですね。混乱が起こると思います。で、ぜひガイドラインをつくっていただきたい。
そのときに重要なのは、実際にはメールを送るときに必ず送信者の姿をさらす。これは当たり前ですけれども、その書き方と、それから、我々はメールを送るときに、タイトルのすぐ下あたりに、このメールは私どものお客様で取引された方、もしくはメールを送っていいよと言われた場合に送っておりますというのを明確に書いて、解除する方々はというのを一番上に置くようにしています。一番下にもあえて設けております。まともな商売をされている方は最近はそういう姿になってきています。
当初は、それをやると解除者がすごくふえて、せっかくお金を払って集めたのにいやだなと思っていたんですが、今はそれをやった方がちゃんとした事業者だなと思われるだろうということで、あえてそれをやるようにしています。例えばそういうようなことを必ずやるとかいうルール、ガイドラインをぜひつくっていただきたい。
それは事業者に対するガイドラインと、消費者側に対するガイドラインも、例えば送ってきたメールにワンアクションだけで解除できるような仕掛けとかがぜひ欲しいなという感じがします。それは、読みたくない人に送っても効果がないというのは我々はわかっているので、お客様に2パターンありますが、返信でも、「送らないでください」1行だけみたいな方も、我々はそれを受けて、そのアドレスを探って削除するというような形をとっていますし、それから、どこかに入っていって、我々のところで「解除はこちら」みたいなちゃんとしたところがあって、それで解除できる場合もあります。
消費者にとっては、こちらから解除とやると、不法な業者の場合はそれをやるとさらにメールがたくさん送ってこられるというのがあって、私自身も怖いので、その辺の仕組みをうまく、ガイドラインをつくっていただければと思います。
もう1つは、先ほどもちょっと言いましたけど、不意打ち条項、ドイツで事例があるみたいですけど、その辺をどこまで認めるかということで、今現在は条項なども記録は取っていて、実際にここでパーミッションを取ったという記録があればオーケーだろうという形になっていると思いますが、実は不法な業者といい業者というのは、私は不法な業者が排除されれば7割方消えるかなぐらいに思っていますが、すぐ不法な業者がいい業者側にグレーゾーンで入ってくると思っています。それをどう見分けるかというのが今回の法律の肝だと思いますから、どういう行為、どういう業者はだめだよというものを、きちっとルールを明確化していただいて、そこら辺もちゃんとやっていただくという議論をして、ステップ・バイ・ステップでわかってくると思いますから、どんどん整理していただければいいかなと思っています。
で、さっきの質問ですが、不意打ち条項と言われているもので、規約というのが書いてあるけど、実際は読まないんですね。保険の約款と一緒で。その横に、このところに、最初からパーミッションが入っているか入っていないかは別ですけれども、承諾したらここの業者からメールが来ますよというのを明確に、別に書いておくようにするとわかりやすいと思います。それも、2ページ目に書くようになっているところもありますけど、同意するところに、この業者から来ますと列挙しておけばいいと思います。例えばそういうようなルールをぜひ明確にしてほしいなと思います。以上です。
【松本座長】
では岡本委員、どうぞ。
【岡本委員】
Tradesafeの岡本と申します。
先ほどの松本先生の質問で、段階的か、早急にというか、その点につきまして、個人的な意見として申し上げたいんですけれども、インターネットというのは、中小の企業が、全国にあって、エリア的な差別がなく、障壁なく参入して自由に経済活動ができるという大きなメリットがある。そういう意味でのインターネットの社会の公共性というのは非常に強いものだと思っていますので、一生懸命、夢見て参加しようとする消費者であったり中小の事業者を過度に規制をかけるというのは、段階的にやっていただく必要があるのかなと考えています。
あと、先ほど上原委員からもございましたけれども、例えば悪意の業者というと、これは非常に抽象的だと思っていまして、だんだん悪くなる人もいれば、最初から悪い人もいる。そもそも悪意の有無というんですか、故意なのか、そうでないのかというところの定義というのが、「悪意をもって」というのはどういうことなんだというところは、ある程度ガイドラインで示していただければと思っております。
基本的に、何で迷惑メールが出てくるかという点ですけれども、これでもうかる人がいるからみんなやるわけですよね。昔、訪問販売だとか、例えば電話して訪問して売るとか、クーリングオフとかそういった御努力で悪意なものがなくなってきていると思いますけれども、これでひっかる消費者、消費者側の観点からももっともっと啓蒙活動をしていく、そういうことに税金を使っていくというか、コストをかけてもいいのかな。
何を申し上げたいかといいますと、もうかる人がいる以上、イタチごっこがずっと続くのかな。特に海外とのやりとりというのは非常にトレースが難しい。トレースの方法も、技術的な問題と人的な要素というのは区別していかなければいけないというところで、やはり、もうからなくしていくのが最大の実効性が上がることだと思っていまして、こういったものにひっかからないように消費者に啓蒙していく。そうすれば実効性というものが、消費者が賢くなることで担保されてくるということをつけ加えさせていただきたいと思います。
あと、企業的な観点から申し上げますと、昨今SEO対策、SEM対策、ネットというのはいろいろなサービスが出てきておりますので、企業と個人、消費者とのかかわり方、企業との関係性の変化というものを十分反映していただいて、有機的な連携というものを、例えばISP業者である程度従量課金というか、大量メールを送る場合にはお金を取るとか、通信キャリアさんはそういった規制もありますし、PCとモバイルでどう差別化していくのかというところも踏まえて、より細かく、実効性のある形で落として議論をしていければと思っております。
あとは、小さい、頑張っているショップに対して、マイナスで制約をかけるというよりは、グッドショップだから応援しましょうというような、表彰制度ではないですけれども、いい意味で努力している企業に対して、何らかのインセンティブを与えていくというようなことも私は重要かなと思っております。
最後に、申し上げたいことは、しっかりとした判定根拠となるガイドラインを国等である程度決めていただくというところが、実効性を上げるまず第1歩だと理解しております。以上です。
【松本座長】
岸原委員、どうぞ。
【岸原委員】
いろいろな御意見があるかと思うんですが、ここで何を議論しているかというのを明確にしておいた方がいいのではないかと思います。メールマーケティングのあるべき姿という上では、ダブルオプトインとか、そういった細かい部分が必要かと思うんですが、ここは要するにオプトインを取らない、オプトアウトしたらそこにメールを送ってくるような事業者に対して法的な罰則をどういう要件でやるかということについて議論しているというふうにしないと、ダブルオプトインは必要か必要ないかというと、それは必要だと思うんですが、そこに対して違法性として認定するかという部分で、現在議論しているところに関しては法規制についてのレベルで議論しているという形をまず明確にしていただきたいと思っております。
もう1つは、オプトインを取るところに非常に厳しいハードルを設けるというところもあるかと思うんですが、制度上、オプトインとオプトアウトの2つを使って有効に機能していくというふうに考えていただいた方がいいかなと思います。そうした意味ですと、経済産業省さんの5項目目のところで、請求を取った場合に、新たに取り直す必要があるかないかというところに関してですが、ここについても現行法でオプトアウトは義務化されているかと思いますので、一たん請求を受けたら、オプトアウトを提供している場合は改めて取る必要はないということをここに書いていただいた方がわかりやすいのではないかなと思います。
それと、先ほど谷井さんがオプトインの記録方法ということで、真実性の担保と客観性の担保。そうではないかと思います。ただ、ここに書かれている具体的なところで誕生日とか性別というのがあるんですが、これを書いたとしても、オプトインしたかどうかというのは真実性として担保できないと思いますし、第三者の配信システムを利用するというのはシステム上全部変えなければいけないので、なかなか難しいかな。
真実性の担保と客観性の担保の中で現行可能な部分としては、今やられています経済産業省さんのモニター機による証拠収集、これによって真実性は担保できると思いますし、客観性も担保できると思いますので、現在モニター機で収集しているものによっても、罰則の適用なり取り締まりということで、記録方法として何が必要かというレベルで考えていただければいいかなと思っております。以上でございます。
【松本座長】
櫻庭委員、どうぞ。
【櫻庭委員】
このワーキンググループは通信事業者が少ないのが最近気になってはいるんですけど、要は送り手と受け手の間の議論はそれぞれ意見があると思うんですけど、実際にその間にある我々ISPとか通信事業者はどういう状況にあるかというのをお知らせしますと、現実問題として、多くのユーザーはフィルターでメールをとめているわけです。スパムが多いというせいもあるんですけど、真っ当な業者のメールであっても、受け取りたくない場合には、オプトアウトするのではなくてフィルターでとめてしまうという現実が結構あると私は聞いております。その方が簡単だからですね。
ここの議論として、悪い業者を締め出すためにいろいろな対策が必要じゃないかという議論、それは正しいんですけれども、真っ当な業者であってもユーザーから見ると迷惑な場合というのは現実に起きている。受け取りたくないためにフィルター選定をしているという事実があるということを一言言いたいと思っております。ですので、原点に帰って、受信者が迷惑と思うものは迷惑メールなんで、これをどうなくすべきかという議論をもう一度改めて考えていただきたいなと思っております。
その意味で、改めてオプトインを取る必要はないのではないかという話はあるんですけれども、現実に届いていなければ、ずっとそれが送られ続けているわけですね。それをだれが負担しているかというと通信事業者、メールサーバーを運用している我々ISPが負担しているわけです。この問題を忘れては困るんですよ。それがごみ箱にずっとたまってディスクを食っているわけなんで、ISPとしては、オプトイン化するのであれば、再度取っていただくのが理想です。法律上難しいのであれば、これこそガイドライン的に、再度取るべきみたいなことを言っていただくのがありがたいと思っております。
もう1つ、ダブルオプトインの話なんですけれども、オプトイン化された後の姿というのは日本においてはまだわかっていないわけなんですね。ですから、ダブルオプトインまで取る必要はないのではないかという議論はちょっと早いのかなと思っております。私であれば、例えば嫌がらせとか、親しいところの業者に対してオプトインを自動的にかけるわけです。そこで情報を相手に渡しておいて、これはきちんとオプトインされたものですよと送ると思うんですよ。現実にビジネスとして成り立っている限り、彼らはいかようなことでもして、法律をくぐるような形でいろいろなことをしてくると思います。ですので、オプトイン化後の姿を、オプトインがあればそういうのはなくなるという前提で話をするのは危険かなと思っております。以上です。
【松本座長】
四家委員、どうぞ。
【四家委員】
これを立てているうちに岸原委員に言いたいことを大体言われちゃったんですけれども、あえてつけ加えさせていただきますと、運用レベルでどうにかしようというものに関しては、基本的にどんどん意味がなくなってくるので、法規制ではなくてガイドラインを示す形で、技術の進歩に応じてどんどん変えていくという運用をとるべきではないかという意見です。
例えばデフォルトオフというやり方をとった場合に、デフォルトオフをしているがゆえにその企業に対してクレームがつくというケースが考えられます。これは結構あると思います。メールアドレスを預けたのに何で連絡してこないんだということですね。こういうことは善良な業者ほど負担がふえていくんですね。生活者と企業がどのような関係をどういうプロセスで構築していくのかというのは1社ごとに違う話であって、簡単に法規制でできる問題ではないと思っています。
そもそもネットの技術というのが、いい方にも悪い方にも使えるという中で、例えば送ったメールの文面を後から変えることだって可能なわけですね。能動的にオプトインをしたと錯覚されるような画面をつくることもできるわけです。なので、そこに期待してはいけない。理想的な姿というのを示しておいて、善良な業者がみんなそこに行ったときに、それをやっていない業者はつき合うにはリスクを伴う業者なんだということが消費者に浸透していくという姿というのは正しいと思うんですが、そこを法規制でどうにかしてというのは、余り期待してはいけないと思います。
インターネットというのはだれでも安心して使えるようなインフラではないです。それは道路を歩いていて車にひかれる可能性がゼロでないのと同じことです。みんなで少しづつ改善していくしかなくて、それにかけるコストというのは一方的に企業が負担するものでもなく、仮に企業に負担させても、それは結局消費者が負担するようになるわけで、コストというものを考えて進めていかなければいけないという中で、どこまで法規制でやるのかというところが一番重要なポイントじゃないかと思います。
【松本座長】
予定の時刻に近づいてまいりましたけれども、これは重要な問題ですので、延長させていただきたいと思います。御予定のある方は退席していただいて結構です。
では、長田委員、どうぞ
【長田委員】
先ほど松本先生がおっしゃいましたこのワーキングの目的ですが、今何人かお話がありましたように、悪質事業者を排除する、それはわかっておりますが、そういう人たちは本当にあの手この手でやってくるわけで、極力要件を厳しくして、この形というものを示しておかないと、つまり、つけ入る余地を極力減らす努力を今する方がいいのではないかと思っているんですね。そのことで良心的にやっていらっしゃる事業者の皆さんが大変な負担になるという意味もわかりますけれども、ぜひ御協力をいただきたいと思っています。
1つ、なぜ負担になるのかどうしても私がわからないのはデフォルトのオンとオフのところです。オンなのか、オフなのか、もしくはどちらもつけないにしても、例えばお買い物をする場合は、送信ボタンのすぐ上に、こういうメールをお送りしますが同意するとか、同意しない、承諾しないというようなボタンをつけておく、それがオフについていることがなぜ負担になるのか、どなたか教えていただけたらと思います。
もしオフになっていた場合クレームが来るという事例をおっしゃいましたけれども、それは目立たせることによって事業者の皆さんが努力をしてくださればクレームは非常に減るのではないかと思います。
それから、ダブルオプトインの話もそうですけれども、とにかく、あの手この手でくる人たちに対して強い姿勢を見せておくことが必要だと思いますので、新しい人が入ってくるのが大変になる、小さい業者や個人の人が入るのが大変になるとおっしゃいますけれども、ルールに沿って工夫をして開拓をしていくというのは、どういう営業活動においても同じことだと思います。
今、非常に異常な状態になっていて、櫻庭さんがおっしゃいましたように、私自身も優良な事業者でいらっしゃるだろうと思っても、迷惑だと思うものは全部排除しておりまして、読んでいないというのがたくさんあるんですね。本当は読むと参考になるかもしれないけれども、余りにもたくさん来るので、排除しちゃっているのは事実ですので、むしろネットの環境が正常化して、もらいたいメールがきちんと届くようになって、それを丁寧に読む方がずっとレスポンスもよくなるし、事業者の皆さんにとってもいいことなのではないかと思いますので、ぜひ御協力をいただきたいと思います。
【松本座長】
野原委員はこの点について一言おありでしょうから、どうぞ。
【野原委員】
ありがとうございます。
今回事務局から提出いただきました資料6によりまして、まだ一部議論を要する点が残っていると思いますけれども、制度設計の内容がかなり明確になったというふうに思っております。ですので、これから、メール送信の実態と、消費者の保護の両面を踏まえた方向で議論が進められていくのではないかと見受けられた点について、評価したいと考えております。ぜひ今後、条文化等での作業の中で、善良な事業者にとって過度の負担にならないような形で、また、中小企業を含めたEコマース産業の発展の阻害にならないように御配慮をいただきたいと思っております。
それからもう1点、例えば私どもの場合ですと、会員制のサイトの会員間で統合したり、M&Aなんかをやったりする場合、他社の所有していたメールアドレスの引き継ぎをやる場合がございます。多分今後も同じようなことが起こる可能性があると思いますので、これらにつきましても、既にメール送信の同意が適切に行われているということの中で、改正法の前でも後でも、改めての取り直しは不要と考えておりますので、ぜひよろしくお願いしたいということであります。以上になります。
【松本座長】
春田委員、どうぞ。
【春田委員】
前回もお話し申し上げたのですが、基本的に、我々事業者としては、今ある法制度の中で、きちんとそれを守って運営していると認識しております。一方で迷惑メールがあるということで、委員会やワーキング等々でそのありようについて、改善のために取り組みが行われていることは認識しているのですが、先ほどから出ているように、そもそも我々事業者としては今のルールをきちんと守っており、悪質な人たちを排除するに当たって過度な負担が増えることは避けたいというのは本音としてあります。
ただ、先ほどあったように、どれだけ過度になるのかについては個々の企業によって認識が違うかと思うのですが、例えば規約について、規約を読まないというお話もありましたが、現実問題として規約の中にはメール以外にも重要なことがたくさん書いてあって、メールだけを例えば赤字で書くというのも逆に違和感があると、運営会社として思うところがあります。
ただ、こういうお話の中で、それをきっちり認識させる手段としてどうあるべきかということは事業者としても考えるべきと思っているので、事業者に対して、消費者に告知する、認知させるやり方として例えばこういうやり方がいいんじゃないかというような、先ほど来出ているガイドラインで示すという方向感の中で考えられれば、事業者としてももう少し受け入れやすいのではないかと認識しております。
【松本座長】
平山委員、どうぞ。
【平山委員】
資料4のオプトイン規制導入に関する中小ネットショップの御意見というのをいただきましたが、ECネットワークの沢田委員からいただいたものですけど、我々の方でもこういう意見に近いかなと考えています。
そこの中で1点思いますのは、今はゼロサム、オンかオフかという話になっていますが、全部オンにするかオフにするかという中で、我々ネットショップの立場としては、例えば具体的な商取引に対するアクション、これはオークションの入札であったり、先ほど長田委員が言われていた購入、そういう場合に対しては、例えば現在の食品の偽装の問題とか、いろいろ問題が起こりやすい。そういう中で、その後も連絡する手段として、購入者、もしくは具体的な商取引に関するアクションを起こした方々に対しては、責任という意味でもなるべく連絡をとりたいという側面があるのではないかと考えます。
そしてまた、実際に具体的な商取引に関するアクションを起こした人に対するメールというのは、一般的な今我々が出しているメールの中でもごくごく一部ですので、そういうところを理解していただければありがたいなと思います。
もう1点は、オプトインの記録方法の客観性の担保という中で、私も第三者委託の配信システム自体はちょっと厳しいかなと考えていますが、これは単純にCCとかの同報メールで、利用者・事業者間で確認のメールを保存し合うことで記録することはできないのかなと考えました。以上です。
【松本座長】
それでは福田委員、どうぞ。
【福田委員】
パーミッションの取り方とか、デフォルトのオンとオフとか、その辺の議論が出ているんですけれども、結果的に実効性を確保しようと思ったら、拒否方法としてどうするかみたいなものをきちんと明示するとともに、がっちり取り締まっているよということがちゃんとわかるような何らかの方法論をどうやってつくるかという方が大事なような気がします。そういう意味でいうと、前にも話が出ていましたけど、第三者機関みたいなものを設置して、ちゃんと取り締まっているんだということをみんなが見えるような形にしておくとかいうことの方がより大事で、パーミッションを取ったとか、取らないとか、水かけ論みたいな話について力を入れるよりは、規制がちゃんとできるというようなことに力を入れた方がいいんじゃないかなと思います。
もう1点なんですけど、資料6の中でそのほかに詰めて置くべき論点みたいな話なんですけれども、とはいうものの、パーミッションを取るのであれば、その転用範囲というのはどこまでなのかみたいなものをきちんと把握できるような形、それもガイドラインの中に含まれるのかもしれないですけれども、ある程度の範囲の表示みたいなことは必要なんじゃないかなと思います。
あと、パーミッションの取り方のところでいえば、携帯も対象になるのであれば、空メールを送信してメールアドレスを取得して何かプロモーションをするみたいなことがPC以上に常態的に行われているわけなんで、そこの影響というのはものすごく大きいんじゃないかなと思いますので、その辺も考慮しつつ、どういうルールにするか決める必要があるんじゃないかなと思います。以上です。
【松本座長】
福長委員、どうぞ。
【福長委員】
消費者が自分の欲しいメールが受け取れるという快適な環境にあるというのは、皆さんだれもが望んでいることだと思います。それで、私はきょう、オプトインとデフォルトオフについては譲れないというところで、事例を持ってきて、こんなにひどい目に会っているんだということでお話ししようと思ったんですけれども、オプトインに関しては実効性が3割から7割あるというお話が出まして、特にオプトインが反対というような御意見がなかったようなので、私は大変心強く思っておりました。
それから、デフォルトオフの方なんですけれども、今すごく相談で多いのは、提携先とか関連サイトというようなところからのメールが届くことです。ですから選択ボタンのところには、承諾したらどういうところからメールが届くんだということをきちんと明記していただきたいと思いますし、資料にもありましたけれども、ここから承諾を受けていますよというのであれば、少なくとも最初のメールにはそこのところが明示した形でと思っております。
やっぱり、自分が選ぶというのは、消費者にとっても自分が能動的に選んだということは責任が発生することだと思いますので、私も相談のときに、一方的に相談者の話ばかり聞くのではなくて、相手の話も聞いて、責任というところをお話しすることがあります。その人その人で責任能力というのは違いますけれども、インターネットを使って自分が能動的に選んだというところで責任も出てくると思いますので、ここのところはデフォルトオフというところで進めていただければと思っております。以上です。
【松本座長】
別所委員、どうぞ。
【別所委員】
今回の議論は基本的に現在の特定商取引法をどういうふうに変えていくかということだと認識しています。現在の特定商取引法で定めている迷惑メールの対策がなかなか実効性が上がらないというところで、次の一歩をどう踏み出すかというのが議論の中心だというふうに理解しています。
特定商取引法で快適なインターネット環境をつくり上げるということが目的ではないと思っていますし、快適なインターネット環境の提供というのは、法律だけではなくて、各事業者の努力とか、いろいろなものが相まってできるということで、現在は現実に起きている悪質な迷惑メールをどうやって対応できるかというところに着眼して議論を進めるべきだと思っており、いろいろ提出していただいている立法事実のところも、まさにそこを指し示しているんだと思っています。そういう意味で、今回のおまとめいただいた今後検討を進めていくべき技術的論点に書かれている方向性については、全体的によく取りまとめていただいているのではないかと思っております。
デフォルトのオン、オフのところについても、いろいろな議論はあると思いますけれども、次の一歩というのは、その前にオプトインにしてみて、ちゃんと調査ができて、迷惑メールが3割から7割減るんだというところを確認した次の段階なのかなと思っております。
事業者、ほかの会社の方々も「過度な規制は」とおっしゃっていたんですけど、多分、正しくは「過度な規制は」ではなくて、事業者の目から見たときに、空振りするような無駄な規制はやめてほしいということが本音だと思っています。コストをかけて一生懸命やっても空振りするようなものは、御協力するのは難しいと思っていますし、逆に、効果的なことが立証できていれば協力できるというふうに思っています。
そういうためには、次の一歩を進めるとしても、きちんと立法事実を見て次に進んでいくことが必要だと思っています。先ほど斎藤先生が御質問をされている中で、感じているとか、思っているとかではなくて、論理的にどうなんでしょうかとおっしゃっていたのは、まさにそうだと思っていて、こういうふうにすることが必要だと感じているとか、思っているということではなくて、ちゃんとした背景となる事実なり、数値なりがあって次の一歩を進めていかないと、何のために対策をしたのかわからなくなると思っていますので、一番最初の松本先生がおっしゃった議論に戻れば、今回は次の一歩を進めるための議論としていただいて、ここに書かれている技術的論点を中心にさらに精査を進めていただければと思っております。
【松本座長】
斎藤委員、どうぞ。
【斎藤委員】
まずちょっと視点を変えていただきたいという問題も含めて発言をさせていただきますが、谷井委員の御報告の中にありましたけど、基本的な考え方を3つ御指摘いただいていて、私はこのとおりだと思うんですが、別所さんのお話の中にもありましたけれども、実効性の上がらないものは協力するのはどうか、確かに企業のお立場ではそうだと思いますが、もう少し視点を変えていただくと、今の状況を踏まえますと、例えば今度新しい商品の御案内のメールを送ってもいいですか。通常のきちんとおやりになっているところはみんなデフォルトオフになっていまして、ちゃんと選択して承諾のクリックをすることになっていますけど、私は今のところしようと思いません。多分、少しリテラシーの高い消費者であれば同じような感覚をお持ちだと思います。
そう考えていきますと、きちんとしたインフラが確保できると、ここにあるように、企業から見ても安心したマーケティングの活動ができるようになりますし、消費者も安心感を持って、本当に必要だと思えば、例えば新製品の情報をメールでくださいと積極的に承諾していただけると思うんですね。今そうならないのは、このデータを送るとこの先どうなるかわからないという不安感を持っている。もう少し違う言い方をすると、市場が汚れているということですよね。
今やろうとしているのは、マーケットを皆さんでほうきとちり取りを持ってクリーンにしよう。もちろん、ほうきとちり取りを持って皆さんで一生懸命掃除しなかったらきれいにならないわけですから、そのぐらいのコストは積極的に負担してください。そのことによって例えば庭や公園がきれいになれば、人がたくさん集まってきて、安心してそこを使ってもらえるようになるということが大切ではないかと思っております。
そのためには、そこを汚す主体が出てくることを極力防止できる仕組みにしておいてあげないと、別所さんの御意見ではないですけれども、実効性が上がらないということになってしまいます。
その観点で考えますと、確かにこれは特定商取引法プロパーの守備範囲から少し外れるかもしれませんけれども、公正な取引を確保するという面ももちろんありますし、先ほど宗田先生の御報告の中にもありましたけれども、人格的な利益、プライバシーの保護ということもありますし、櫻庭委員の御指摘にありました、通信インフラをきちんとしていく、いろいろな複合的な価値を守るための制度として迷惑メールの規制というのがあるわけでありますが、もちろん総務省の所管の特定電子メール法の改正も同時に行われていることもありますので、特商法だけでそれをやるということではないんですけれども、そういう価値を守っていくという観点からいきますと、優良な事業者であるからとか、悪質な事業者であるからということで物事を截然と切り分けるのではなくて、受け取る側にとって迷惑である、不必要なものをたくさん送られてくること自体をとらえて考えていかざるを得ないと思います。
そういたしますと、先ほどのほうきとちり取りを持って掃除をしていただく役割の中に、優良な事業者であってもある程度の役割を果たしていかなければいけないと考えざるを得ないわけでありますので、ぜひその点の御理解をいただいて、市場がきれいになれば皆さん方の商売にとってもプラスになる、もっと売り上げが上がる、お客さんがふえる、こういう観点で考えていただければと思っております。
それから、具体的なことについて最後に申し上げて私の意見を終わりたいと思いますが、法律のレベルで規定をするのはオプトインとして考えると、請求又は承諾した場合に限るということになると思います。具体的に、請求又は承諾を何をもってということになると、これはもう事実の認定もしくは事実の立証の問題になりますので、余りここを厳密に書いてしまうと、それから外れてしまうのはみんなオーケーである、外れないのは全部だめだという議論になってしまいます。
例えば資料6の1の最初の矢印のところですけれども、状況によっては、継続的な取引の業者であっても受け取るのは迷惑だと思われることもありますし、見落としがあるというのは、例えば有山委員とか長田委員の御指摘の中にもありますので、これでいいんだという形ではっきり書かれるよりも、もう少し検討していただいて、具体的な場合においてどういうものがあれば承諾もしくは請求が立証できたのかという観点できちんと整理をしていただく必要があるんじゃないかなと思っています。
それから、最後にその他の論点ということで幾つか意見だけ申し上げでおきます。特にメールの取引に関係すると、友人紹介勧誘サイトといいますか、メールといいますか、そういうのも結構ありますので、これをどういう形で切り分けて整理していくか、私も頭の整理ができていませんけれども、特に特商法の場合ですと、連鎖販売取引のように新しい人間をリクルートしていくことについての取引も守備範囲にしているということもありますので、その辺をどのように考えるかは別にしまして、論点として指摘しておきたいと思います。
それからチェーンメールですね、広告の配信にかかわるようなチェーンメールというのもないわけではないと思いますので、その辺も少し御議論いただければなと思っております。以上でございます。
【松本座長】
佐藤委員、どうぞ。
【佐藤委員】
私も、皆様のお話をずっとお聞きしていまして、やはり論点は迷惑メールの取り締まりということだと思っておりますし、確かにオプトインというのは私どもも実際にやっておりますけれども、現実に取り締まるということにおいては、きょうも私のところに「警告」というメールがモバイルに来ていたんですけれども、変なサイトに行って、あなたはお金を払っていないから払いなさいというメールで、それは電話番号のアドレスを使える携帯を使っていますので、電話番号経由で来ているんですね。当然迷惑メールでドメイン指定もしているんですけれども、電話番号経由だと来てしまう。
ということは、自動生成されていたり、自動取得したメールが送られてきていて、お子さんがその電話番号に電話しちゃったりということが発生しているわけで、確かにオプトイン規制は、まともな事業者としてはぜひやっていただきたいと思っているんですけれども、そういうものに対する取り締まりをどうするんだということも考えていただかないといけないと思っております。
先ほど福田さんもおっしゃっていましたし、以前にも確か青山さんがおっしゃったと思うんですけど、そういうものが来たときに解除するということを、クリックするだけでも怖いという状況ですから、先ほど迷惑メールホルダーがいっぱいになっちゃって困っているとおっしゃったんですけど、迷惑メールホルダーを入れるかわりにどこかの機関に転送する。その機関がメールをチェックするというような仕組みもつくっていただかないと、あと、オプトインでオーケーだったメールも取りようによっては迷惑になるとおっしゃっていましたけれども、そういうものも送っていただけば、そういう機関で、オプトインを取っているけど、おたくのメールは迷惑だと思われているよと、事業者に内容を見直しなさいと言うこともできるのではないかと思っております。
ですから、本当に迷惑メール取り締まりということで、確かにオプトインだとかデフォルトオフという議論もあると思いますけれども、事業者の側としてもそういう取り締まりをきっちりしていただきたいと思います。
【松本座長】
ありがとうございました。
一通り皆様に御発言いただきました。特に資料6の事務局から提出されております論点の1ページ目ですと、一番下の3つ目の矢印の部分につきましては特に異論はなかったかと思います。懸賞サイトとか、無料情報サービスだとか、アンケートだとか、あるいは、そこからさらに他の事業者に提供されてパーミッションを一切取っていないようなものについてまで認めるべきではないという点については、ほぼコンセンサスがとれていると思いますが、1つ目の購入したときの申し込みの中にデフォルトオンで、今後当社から広告をお送りいたしますというようなたぐいのものについて、なおデフォルトオフにすべきだという御意見が消費者の側からはかなり強かったし、事業者サイドからはそこまでは負担であるというか、商機を逸するという方が正しいんでしょうけれども、そういう観点から負担を少なくして欲しいという御意見もありまして、この点については必ずしもコンセンサスがとれていないかと思います。しかし、共通の理解に達した部分としての、特に前半で議論いたしました、3割、あるいは5割といった、実効性がある程度とれるのではないかというところを前提としますと、オプトインを採用することによって、オプトアウトの実効性が出てくるんだ。
現在だと、摘発が事実上できていないことから、オプトアウトをするとよくない。オプトアウト制度だけどオプトアウトしてはいけないというねじれた消費者啓発をしなければならないという状況から、オプトインを採用することによって摘発が従来よりはしやすくなってくるということから、オプトインの中でも比較的緩やかな、取引関係にある以上はデフォルトオフ型でもいいとか、既に持っているリストについては別に同意を取り直さなくてもいいんだというかなり緩やかなルールをとったとしても、違法なことをすれば摘発されるんだぞという部分がうまく機能すれば、1通は予期しないメールが飛んでくるかもしれないけれども、それはきちんとオプトアウトの様式が備わった形で来ていないと違法になりますから、そこで受け取った側がやめてくれという要望を出せば比較的うまくいくと期待ができるのではないか。
それができないということであればオプトインは実効性がなかったということになると思うんですね。3割減るということの前提には、日本国内から発信している限りは発信者を押さえられるんだという期待と言いましょうか、目論見と言いましょうかがあります。もしそれが期待できないんだとすれば、オプトインにしようが、ダブルオプトインにしようが、幾ら厳しくしようが無意味だということになりかねないので、ある程度実効性が上がるということを前提にすれば、最終的な消費者の自己決定権という点からはデフォルトオフは問題だ、あるいはダブルオプトインの方が望ましいとか、あるいはオプトアウトのところでもワンアクションで解除できる方が簡単でいいとか、消費者にとってより快適な環境をというのは、その次のステップとしては当然考えられるんでしょうが、最低限のところここまではという点は一致できると思います。
法律でもう1つ上を義務づけるか、そこの部分はむしろ事業者のベストプラクティスとして事業者団体等で普及・啓発していただくという形で、法規制はそこまではかけないか、それともそこまで一気にかけるかという最終的な選択肢が最後に残るかと思います。ここでは両方の考え方があるんだということを確認しておきたいと思います。
もう時間も30分も超過しておりますので、このあたりで今後のことについてですが、次回の本ワーキンググループにおきましては、前回、それから本日の議論に基づきまして中間取りまとめの案を事務局の方で作成いただき、これについて審議を行うことといたしたいと思います。
また、先ほど事務局からお話がありましたが、本日までのワーキンググループの議論の経緯等を産業構造審議会特定商取引小委員会の第12回会合におきまして事務局から御報告願いたいと考えます。よろしいでしょうか。
それではそのように進めさせていただきたいと思います。
なお、次回の日程等につきまして事務局から御説明をお願いいたします。
【諏訪園消費経済対策課長】
次回は12月19日、午後4時から午後6時で押さえておりますので、特段御意見があれがお教えください。
【松本座長】
本日は御多忙のところ、時間を延長して御熱心に御討論をいただきまして、まことにありがとうございました。以上をもちまして第2回迷惑メール規制に関する技術的論点ワーキンググループを閉会いたしたいと思います。

閉会

以上

 
 
最終更新日:2008年3月6日
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