経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会放射性廃棄物小委員会(第12回) 議事要旨

日時:平成19年9月12日(水)10:00~12:10

場所:経済産業省別館11階第1120共用会議室

出席者

委員

森嶌委員長、井川委員、伊藤委員、河田委員、佐々木委員、辰巳委員、杤山委員、中林委員、長﨑委員、堀井委員、武藤委員、北野専門委員、西川専門委員

出席者

山路原子力発電環境整備機構理事長

事務局

望月資源エネルギー庁長官、西山電力・ガス事業部長、後藤電力・ガス事業部政策課長、高橋原子力政策課長、吉野電力基盤整備課長、中西原子力立地・核燃料サイクル産業課長、渡邊放射性廃棄物等対策室長、和田原子力地域広報対策室長

議事概要

(1)高レベル放射性廃棄物最終処分地確保に向けた取組について

  • 事務局より、放射性廃棄物小委員会報告書中間とりまとめ(案)~最終処分事業を推進するための取組の強化策について~を説明。
  • 山路原子力発電環境整備機構理事長より、新聞・マスメディアを利用した全国広報の拡充、地域ネットワーク等を利用した国民の目線に立った草の根的な情報提供、体制の強化等について説明するとともに、国の申入れ方式の追加については期待を表明。
  • 伊藤委員より、国・NUMOと役割分担を整理して、最終処分事業を進めていく必要性、電力各社の展示施設・営業拠点等を活かした全国的な広報活動等について説明。国が前面に出る姿勢や報告書の内容を受け、電気事業者としても努力していくことを表明。
  • 森嶌委員長より、前回、中間とりまとめ骨子(案)について審議したこと等をふまえ、本日は中間とりまとめ(案)を審議して頂く旨と、審議の後には、中間とりまとめ(案)をパブリックコメントに付すことを提案。

審議概要

  • この小委員会で議論されたことが報告書によく組み込まれていたと思う。中間とりまとめ(案)にもある「人的体制」をどのように確保するかが重要。2~3年でトップが変わってしまい、誰がどのように事業の安全性を確保していくのか、といったところは、地元の懸念・疑問にもなりやすいところ。電車ですら、運転手の失敗が危険を招くわけであり、原子力においては不安が不信へとつながりやすい。人的マネジメントの安心感が必要であり、何か失敗があった時のバックアップ体制について答える準備をしておく必要がある。
  • 地層処分は超長期にわたり、幅広い専門性が必要な事業なので、人材をどう確保していくかが課題。大学・関係機関とも協力して、中長期的な人材育成についても議論すべき。NUMOにおいては、中長期的な人材育成についての考え方を提示してもらうとともに、放射性廃棄物処分技術ワーキンググループにおいて詳細を議論して欲しい。
  • 報告書については、よくまとまっていると思う。国・NUMO・電気事業者の役割分担、体制強化について、現段階では3者が横一線に並んでいるような印象を受ける。一つ上段から、これらの組織をマネージする部門を作っても良いのではないか。

    また、国民からすると、最終処分実施主体として、NUMO以外に選択肢がない。そのため、NUMOの行う事業責任や、人的マネジメント体制、能力評価等について検討してほしい。

    技術・研究開発体制については、まだ大学・電力・研究機関等に人材のいる今のうちに、これを統合的にマネージして機能させるか、NUMOに人材を輩出するシステムを検討する必要がある。

    「信頼できる広報」として、例えば、地雷廃止条約に関する事例では、超大国の管理でなく、カナダのようなミドルパワーの働きかけで成功した事例がある。同様に、地層処分広報においても、関係者以外でも影響力のある方に、ミドルパワーとして働きかけてもらう必要があるのではないか。

    地層処分の問題は経済界全体で考える必要がある問題。狭く電力業界だけでなく、他の事業分野に対しても協力を働きかける必要がある。

  • 人材育成については、具体的には、例えばどんな解決策をイメージされているのか。大学では、原子力関連学部・予算は先細り傾向があり、そもそも育成基盤が失われているように見える。研究ポストや就職先も少なければ、学生は集まらないのではないか。
  • 確かに、原子力は成熟産業であり、ネガティブな報道も多い。大学としては、学生に、如何にこの分野の研究の重要性・魅力を伝えるかが重要。ただし、今年あたりから、北朝鮮・IAEA査察等の核不拡散問題、石油高騰によるエネルギ-問題等により、日本の原子力利用は大分ポジティブなイメージに変わってきている。この流れを切らないように人材育成につなげられれば、と思う。
  • 報告書中の「国民の目線に合った」「わかりやすくきめ細やかに」といった文言の聞こえは良いが、どうも、教えてやる、伝えてやる、という上からの目線になってしまっているように思う。冒頭で「原子力の便益」を国民一人一人が受けている、と書いてあるにも関わらず、国民の役割というものに言及していない。これだと、国が勝手に決めている、ととられかねないのではないか。

    国の役割については、公募+申入れという所が最大の論点だと思う。透明性確保等のために公募形式を採っている、というところは重要であり、理由も分かりやすい。一方で、申し入れについては、「場合によっては」とされており、申入れる場所や、それを適当と判断するのは誰か、どういう場合に申し入れるのか、といったあたりが不透明。地域への押付けになってはいけないと思うが、この資料からでは、申入れ~受諾までのプロセスがわかりにくい。

    申し入れについては、プロセス途中で誰が判断するのかがわかりづらい。第3者の視点をプロセス中に入れる必要があるのではないか。

  • 原子力発電所は曲がりなりにも稼働しているが、高レベル放射性廃棄物処分について進まない理由は、3点あると思う。

    まず、関係者にとって、事業開始までに時間がある、余裕がある、ということで、本気度がまだ足りないのではないか、という所が見受けられる。

    次に、事業イメージが悪い。「廃棄物」「ゴミ」「川下」など。

    3番目に、「社会貢献」「使命感」といった大義名分との連関性の実感がわかない。実際に、原子力関連施設の立地市町村では、そういった大義名分によって、反対感情が緩和されていると思う。

    詰まるところは、地域振興と安全のバランスをどうとるか、ということに尽きると思う。電気事業者・NUMOは事業の当事者なので、当局として、それらと一線を画す国が説明をするということは、やはり、意味合いが違う。この問題を解く鍵を握っていると思う。柏崎でも火災による煙ばかりがクローズアップされたが、最も重要な原子炉の安全は保たれている。実際に何かを運転するわけでない廃棄物処分場はさらに安全だと思う。覚悟を以て行うことは重要なことなので、少しずつでも前進して欲しい。

    1点マイナス要因として残念なことは地震の影響であり、廃棄物の処分についても地震との絡みあわせで、さらに説明をしなければならないことになるのではないか。

  • 基本的には良いが、総合的に判断して、というくだりは具体的にどんな判断なのか、その条件が不透明。申入れ方式追加、広域的理解活動を行う、というだけでは不十分で、申入れに対する社会的信頼性を担保するメカニズムが必要なのではないか。

    体制・機能強化についても、具体的にどうするのか、踏み込んで欲しい。たとえば国も「室」から「課」に引き上げるとか、地域ネットワークの構築・活用についても、具体策に踏み込む必要があるのではないか。

    また、技術的にも情報が伝わりにくいこの問題については、地層処分広報において、専門でない技術者や科学者等に説明して御理解をいただき、中間層として理解活動を拡げることも重要ではないか。

  • 地元の理解は大前提であり、その上で国が一歩前に出て行く、という方針には賛成。ただ、プロセスについて言うと、科学的要件の可否というものは、これは議論の余地がないので問題ないが、知事・市町村の意見の可否については、非常に難しいのではないか。自治体の長だけでなく、地元全体とのリスクコミュニケーションを進めて行かなければ、このプロセスを進めていくのは困難ではないか。申入れ方式を取り入れたからといって進むかどうかは疑問。
  • 東洋町の例を見ても分かるとおり、最終処分場選定の障壁の一つは県レベルのリアクション。国も県も、しばしば相反する公共の利益と個人の利益を両立させる行政のプロ同士であるから、行政のプロ同士の話し合いや、交付金の位置付けの説明等を国民理解とは別のアプローチで、国には是非やっていただきたい。

    また、放射性廃棄物処分技術ワーキンググループの中で、中長期的な観点から体験学習や人材育成について検討して欲しい。研究施設は「体験型施設」として利用できるので、そういった構想のスケジュールも含め、効果的な位置付けについて検討出来ればよい。

  • 国にとっての事業の必要性、という箇所があるが、これは国民全体に必要な事業なので、曲解を招かないように修正すべき。中間層・オピニオンリーダの育成といった考え方に異論はないが、実際の地元では、「話すら聞ける雰囲気ではない」「話を聞いたら裏切り」というような実態があり、しがらみ等によりアクセスすら難しい所もある。反対派による煽動的な活動に対し、マスコミを含め、きめ細やかに広報を行うべきであるが、マスコミ以外のアプローチも重要。小規模の市町村であれば、全戸配布等の方法もある。

    国の申入れについては、申入れの基準について、国は何らかの形で示すべき。強制ではないとのことなので、市町村長に受諾の可否を申入れる場合に、引き取って検討してもらう、といった事も大事。

  • このとりまとめ案の申入れ方式の追加については、最大限評価したい。抽出された課題について、具体的な検討も行われており、この案については了承したい。ただし、何点か語句の統一等、細かな修正をしていただきたい。
  • 今回のとりまとめ案については、申入れに関する箇所が一人歩きする可能性が高いので、強制的ではない、ということを見せる工夫が必要。文献調査にスポットがあたっているが、処分事業はその後も息が長い事業なので、人材育成等、中長期的な課題もしっかりとした検討が必要。
  • 申し入れについては、確かに曲解・誤解を招かないような説明が必要。決して、強制的に申し入れるものではないし、手続き上、市町村長に受諾の可否を求めることとなる、ということであって、即座の判断を迫る、という主旨ではない。そういった意味で、例えば、「地域の意向を十分に尊重しつつ」といったように修正されるべき。「地元意見を尊重する」というニュアンスが出るように検討する。
  • 中間とりまとめ(案)については、基本的にはこの案でパブリックコメント原案とし、一部の修正点については、委員長一任として、了承された。

(2)放射性廃棄物処分技術ワーキンググループの設置について

  • 当該ワーキンググループの設置については、特段の意見もなく、了承された。

(3)その他

  • 第13回小委員会については、日程調整中である旨連絡。
  • 望月資源エネルギ-庁長官より、挨拶。

文責:事務局

 
 
最終更新日:2007年10月25日
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