化学物質審議会審査部会安全評価管理小委員会(第23回) 議事録
開会
池田委員長より、化学物質審議会管理部会・審査部会第23回安全評価管理小委員会の開会が表明された。
事務局挨拶
事務局より、配付資料の確認、議事内容の確認及び委員・委員以外の参加者の紹介が行われた。引き続き、事務局より、資料2に基づき、第22回委員会議事録(案)の確認がされた。
藻類生長阻害試験における生長速度算出データの取り扱いについて
化学物質評価研究機構(以下、「化評研」と略す。)より、資料3に基づき、有害性評価書における藻類生長阻害試験結果に対する評価方針の変更案について、今後は生長速度算出データを優先的に用いて分類・評価する等の説明が行われた。
有害性評価書について(8物質)【審議】
審議に先立ち、化評研より、資料4-0に基づき、有害性評価書全体に関する修正点が説明された。
(1)ビス(水素化牛脂)ジメチルアンモニウムクロリド(原案修正対比表説明担当:化評研石井)
- 大前委員:
- p.2の20行目、添加剤のところは「2-プロパノール」になっており、後ほどの人体への影響の方は「イソプロピルアルコール」という言葉がたくさん使ってあるので、どちらかに統一された方がよいのではないか。
- 化評研:
- 対応する。
- 池田小委員長:
- どちらが使っている用語か。2-プロパノールの方がサイエンスの言葉か、IPAというのはよく使うが。IUPACは2-プロパノールか。では、調べておいていただいて、どちらかに統一していただきたい。
- 化評研:
- 今までの記載方法に従って統一する。
- 西原委員:
- 質問ではないが、ジメチルの4級アンモニウムをやったことがある。その場合に、陰イオンの界面活性剤、あるいは脂肪酸が共存すると、毒性がガタッと下がる。
- 菅原代理:
- 初めての出席なので素朴な質問をさせていただく。対水溶解性が0.001mg/Lという点と、NOEC等の0.006mg/Lという値をとっているが、対水溶解性との関連性はどういう具合に解釈しておけばよいのか。
- 化評研:
- 実際は対水溶解度を上回った値を使っているが、環境中運命のところにもあるが、水中の懸濁物質等を吸着しやすいということで、環境中で濃度的に対水溶解度をかなり超えるようなものということも考えられる。その辺は解釈が難しいが、対水溶解度はある程度幅があると思うので、その辺を考慮し、若干高い値だったが採用したということである。
- 西原委員:
- アルキルのnの数によるとこれは混合物だろう。多分アルキルのCが12ぐらいまでだったら水にかなり溶ける。16、18、20となってくるとほとんど溶けなくなってしまうので、どのサンプルを使ったかということが関係する。あるいは、混合物の中のnの数が少ない、アルキルの短いものが影響していたのかもしれないし、その辺は使うサンプルによって違ってくると思う。もちろん懸濁物質とかそういうものも当然影響してくると思う。
- 前川委員:
- p.25、449行に、「病理組織学的変化がみられている」という記載があるが、何のことかさっぱり分からない。その後に、肝臓とか副腎が標的臓器であることが示唆されるという記載があるので、そこに関しては、例えば「副腎の病理組織学的変化」と入れていただいた方がよいと思う。最後のまとめも同じである。
- 化評研:
- そのように修正する。
- 大前委員:
- 486行目の遺伝毒性のところだが、後半に、「なお、いずれもイソプロピルアルコールの影響については不明である」と書いてあるが、表7-5を見ると全部ネガティブなデータなので、これは書く必要がないのではないかと思う。
- 池田小委員長:
- 「なお」以下を削ってはいかがか。
- 化評研:
- 「なお」以下を削除する。
- 池田小委員長:
- イソプロピルアルコールという表現は、先ほどあったように、どちらかに統一していただきたい。
- 西原委員:
- 陽イオン界面活性剤であるので、陰イオンのものがあると、くっついて沈殿を起こし、毒性が弱くなる。そういうデータがあったら、「環境中運命」のまとめかどこかにコメントしておいた方がよいのではないか。環境影響では、放出量と毒性が合わないのはそれが原因と考えている。類似化合物であるヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミドの記述内容と整合性を持たせること。
- 化評研:
- ご指摘に従い、追記する。
- 大前委員:
- この物質は常温固体である。p.22の384行目、ウサギの眼に97%のこの物質を適用して観察したとあるが、固体のまま適用したということか。
- 化評研:
- 形態について、もう一度確認する。
- 大前委員:
- それが基になり、p.29の「ヒト健康への影響」の532行目に、ウサギの眼に対しては高濃度のこの物質は強い刺激性を示すと書いてあるので、本当に大丈夫か。
- 化評研:
- 確認する。
- 池田小委員長:
- 3つ宿題があったことになる。その3点を除いて本物質は、読了とする。
(2)p-クロロアニリン(原案修正対比表説明担当:清水)
- 池田小委員長:
- p.15のp-クロロアニリンとその抱合体というのは、Nの部分での抱合体、つまりアミノ基の部分での抱合体のことか。しかし、原著を見たら、p-クロロアニリンとフェノール体をはっきり書き分けてあったという理解でよいか。
- 化評研:
- そうである。
- 前川委員:
- p.28、605行で、先ほどご説明のように、「脾臓の脂肪化生」というのを脂肪細胞(脂肪化した細胞)の浸潤と直していただいたが、(脂肪化した細胞)は余分なので、取っていただきたい。
- 池田小委員長:
- 「脂肪細胞の浸潤」とすること。
- コメント15番は、p-クロロアニリン自体が442ppmにまで気化するかという質問だった。本当にそのような実験ができたのか。元の論文には、2,340mg/m 3という値があったのか。この数値自体はかなり疑わしいと思う。もし数値が間違っていれば、その文章自体の意味がなくなってしまうので、場合によっては、「吸入試験は」から「であった」まで削除してしまう方がよいかもしれない。
- p.24、500行目、ラットの吸入はいつごろ行なった実験か。今問題にしている500~501行の実験は、原著はどれにあたるのか。
- 化評研:
- 原著を確認する。
- 急性毒性の引用文献の記載方法は、このようにまとめて書いており、それぞれどの文献に当たるかを対応させていないので、ご指摘であれば、どのようにするか検討させていただきたい。
- 大前委員:
- 先ほどの、脾臓の肉腫、それから骨肉腫、血管肉腫とあったが、脾臓には骨肉腫ができるものなのか。
- 前川委員:
- 実際に存在する。
- 池田小委員長:
- 733行、744行も同様である。アニリンには、中枢神経毒性と、もちろんメトヘモグロビン形成作用がある。塩素が入ると中枢神経毒性は強くなると理解しているが、p.39「ヒト健康への影響(まとめ)」で、クロロアニリンの神経毒性はほとんどない。メトヘモグロビンの影響だけが強く出るのは面白い。
- 池田小委員長:
- 本物質は、読了とする。
(3)トルエン(原案修正対比表説明担当:化評研麻生)
- 大前委員:
- p.18の381行、死亡例についてだが、脳中のトルエンの濃度が297μg/mgというのは、30%になるが、値が間違っていないか確認していただきたい。
- 池田小委員長:
- 381行で、単位は「ミリグラム」ではなく、「グラム」なのではないか。
- 化評研:
- 確認する。
- 池田小委員長:
- 381行の上の「嗅いで」という表現は、smellingだから、その通りだが、用語として「吸引して」に修正していただきたい。
- 大前委員:
- p.21の502行、指摘していたコメント15番の事項について、書き直していただいたが、これでもよく分からない。これは、9~25年間暴露されていた印刷業者と、そうではない方々を連れてきて、100ppmに6.5時間わざと暴露したという実験なのか。
- 化評研:
- そうである。
- 大前委員:
- 分かった。そうであればそれでよいが、その後、「暴露群と同じ人数、性別、年齢、教育レベル、喫煙歴の対照群とトルエン暴露群との比較では」というところで、対照群とは括弧の中に書いてあることで、トルエン暴露群というのは印刷作業者という意味か。
- 化評研:
- そうである。
- 大前委員:
- その部分の文章をもう少し整理していただけないか。
- 化評研:
- 検討する。
- 大前委員:
- それから、疫学のところで、p.22の534行目、やはりコメント18番で直していただいたところだが、血清アルカリホスファターゼが増加したというのは、何かと比べてだと思う。あるいは、何%かの人において血清アルホスが異常だったかということか。要するに、増加したか増加しなかったかというのは、前の値がないと分からないし、あるいは比べる人がいないと分からないので、記述が足りないと思う。もう少し何か書いてあるのではないか。
- 化評研:
- 確認して、付け加える。
- 大前委員:
- それから、p.23の563行目は、やはり直していただいたところだが、これもまだよく分からない。2つの作業所、あるいは印刷屋さんがあって、片方の印刷屋さんは平均11ppmであり、もう片方は44ppmであった。暴露期間がここに書いてあるが、グラビア印刷作業者に神経衰弱症状が見られるというのは、お二人の話なのか。要するに1つの印刷店で1人、他の印刷店で1人という症例報告なのか。あるいは、神経衰弱をどうやって測ったか分からないが、この方々と誰かを比べて平均的にということなのか。その説明がないから、意味が分からない。
- 化評研:
- もう一度調べて、分かるように検討する。
- 池田小委員長:
- ついでだが、印刷店、確かに印刷屋さんというのはあるが、多分、printing shopと書いていたのではないのか。
- 化評研:
- おそらくそうである。
- 池田小委員長:
- そうすると、印刷職場のことである。
- 元に戻るが、547行のところだが、読み落としていたのだと思う。トルエンの職場で腎障害が起こるのかという部分は、かなり面倒な議論が今ある部分だ。具体的には、尿中にアルブミンが出てきたら異常だが、β2-ミクログロブリンが出てくることは異常ではない。ある濃度以上に高まることが問題なのであって、例えば我々の尿を測っても皆出てくるから、それは生理的なものである。だから、この表現は、「排泄がみられた」ということだけだと、あまり意味がない。例えば尿中濃度が高まっていたかどうかを確かめておいていただけるか。
- その部分で今引っ掛かるのは、先ほどの中毒と職業暴露を書き分けた方がよいというコメントを書いたのは、実は私だが、トルエンの中毒、具体的にはシンナー遊びをやっている人たちには、いろいろな障害が出てくる。だが、職業的にトルエン暴露を受けている、例えば先ほどの印刷工場とか、塗装とか、いろいろなところで使っているが、それで腎障害が起こるのかというと、起こらないというのが大体の定説である。メタアナリシスでかなり大きな解析が行われている。血液への影響は特にそうだが、かつてトルエンの純度が悪くて、1980年頃だが、ベンゼンが入った時はトルエン暴露による貧血があり得たが、今使っているような、90年以降のトルエンで、血液への影響が出るかというと、出ないというのがほぼ定説である。
- 例えば、ACGIHの、いわゆる産業衛生学会の許容濃度のドキュメントを読んで、全体の“当たり”をつけてくださいと書いたのは、実はそのことを受けている。その辺りの“当たり”をつけないまま書いてしまうと、誤りを犯すことがあると思う。例えばMommsen顆粒は、現在、中毒学的な指標としてはほとんど評価されなくなっている。そうすると、これを踏まえて血液への影響があるというふうにすると、貧血があるかのごとくに読み取られる。だから、その辺は特にまとめる時のポイントになる。
- もう一つは、神経系への影響で、確かに視覚障害も神経系の影響ではあるのだが、トルエンで視覚障害が起こるか。具体的には色覚異常が起こり、青と黄色が判別しにくくなるというのが職業性暴露による色覚異常だが、トルエンで起こるかどうかは、これも現在かなり激しい議論がある部分である。許容濃度では、一般に取り上げていないと思う。
- その辺は読み込まれたのかというのが私の質問である。そういう基本的な作業をやらないで原稿だけ書いていくと、末梢にとらわれてしまって、集約がうまくできなくなると思う。
- 化評研:
- 残念ながら、先生のご指摘に対しては、そこまで目を通していない。その辺りは、もう少し先生にそれなりの情報をいただいて、関連する論文を読んで、分かるような形で修正するので、よろしくお願いしたい。
- 大前委員:
- p.22の腎臓への影響のところだが、544、545行目は、脱水による影響を書いてあるので消した方がよい。トルエンではない。
- 池田小委員長:
- Reisinの報告のことか。
- 大前委員:
- そうである。
- 池田小委員長:
- それでは、そこは2行削除することとする。
- 前川委員:
- 生殖・発生についてはよろしいか。p.41の959から、まとめのところだが、修正がなされて、結果的には、経口投与の経路だとあまりはっきりしたものは出てきていないということである。一方で、吸入暴露では、そこに書いてあるように、学習障害などが云々とまとめられているが、データを見ると、学習障害もさることながら、例えば胎児で過剰肋骨の増加というデータが2つぐらい出ている。これがどのぐらい毒性学的に意味があるかははっきり分からないが、最近、トルエン自身が胎盤を通過するというデータもあるので、一応そこのところに、「一方、吸入経路では、例えばマウスやラットへの高濃度暴露で、あくまで高濃度だけれども、過剰肋骨増加などを示す幾つかのデータがある他、ラットにおいて妊娠云々」というようにつなげていただいた方がよいのではないか。
- 化評研:
- 追加記載する。
- 前川委員:
- 前に戻って恐縮である。つまらないことだが、p.32、770行の真ん中あたり、「雌雄で生鼻腔の」で、「生」が入っているので消していただきたい。
- 化評研:
- 対応する。
- 前川委員:
- 「7.4ヒト健康への影響(まとめ)」の部分にも先程の発生毒性のデータを追加していただきたい。それと、p.54、1166行の一番右端、「脳の基質的」の「基」が違うので、誤字の訂正をお願いする。
- 池田小委員長:
- 「器」である。
- 以上でよろしいか。大物のせいもあり、よく使われている物質なので、情報が多いと思う。まとめるのは大変かもしれない。今、中西先生のところから、『トルエン』という詳細リスク評価書が出ており、良くまとめてある。それと矛盾しないように注意しながら書いていただきたい。親元は同じところなのに、先で違っていると面倒なことになる。
- 一応、本物質はここで読了とさせていただく。
(4)ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(原案修正対比表説明担当:化評研馬野)
- 西原委員:
- P.3、72行の「水生の微生物に対し極めて強い有害性を示し」の部分に「6.3参照」とあるが、「6.1.1参照」ではないか。
- 化評研:
- ご指摘の通りである。
- 西原委員:
- この物質も先程のジメチルの4級アンモニウムと同じことが当てはまると思う。脂肪酸とか、酸性の陰イオンがあると、くっついて毒性が下がる。また、微生物に対する毒性しか知らないが、変異原性はないが、DNAにもくっつくと思う。
- 化評研:
- 対応する。
- 池田小委員長:
- 229、230行に「メトヘモグロビンレベル」とあるが、先ほどのクロロアニリンの時には「濃度」としていたので、「メトヘモグロビン濃度」にしていただきたい。
- 化評研:
- 対応する。
- 池田小委員長:
- 232行も同様である。
- 化評研:
- 対応する。
- 前川委員:
- p.14の309行には、経口投与の実験のNOAELは20mgとあるが、表にはNOELとNOAELの両方が記載されている。厳密にNOELとNOAELを区別するのは、場合によっては難しいが、原則としてNOAELという言葉を使うのであれば、表中のNOELも外したらよいのではないか。
- 化評研:
- 対応する。
- 前川委員:
- ちなみに、NOAELは20mgという評価はよい。盲腸の重量増加は、恐らく抗菌作用によるもので、毒性はないと考えられるからである。
- 池田小委員長:
- では、p.14の一番下の「NOEL」を消すということでお願いする。
- 西原委員:
- 用途に、消毒薬としての用途はないか。昔は、確かシータブ(CTAB)と呼ばれて使われていたようだが。
- 池田小委員長:
- よく使われていたのか。
- 西原委員:
- というより、事例にもあるので、現在も使われているのかどうか気にかかる。
- 池田小委員長:
- それは、局方を見たら分かる。局方に載っていたら記載すべきだし、載っていなかったら記載する必要はない。
- 化評研:
- 対応する。
- 池田小委員長:
- 本物質は、読了とする。
(5)りん酸トリス(2-エチルヘキシル)(原案修正対比表説明担当:化評研関沢)
- 池田小委員長:
- 2番目のコメントを書いたのは私だが、ラットは口で呼吸できるのか。動物によって呼吸できない種類とできる種類がある。
- 前川委員:
- 頭部への暴露と書いてあるが、恐らく鼻部だけの暴露ではないかと思う。
- 池田小委員長:
- 頭部暴露すると、口から呼吸して胃に入っても不思議ではない。一方、鼻部だけだとちょっと難しい。
- 前川委員:
- 頭部という記載になると益々分からなくなる。
- 池田小委員長:
- ヘッドオンリーというのは、実は首から上という意味だが。
- 前川委員:
- 通常、こういう暴露の試験では、全身暴露か鼻部暴露かを表現するので、鼻部暴露という表現の方が適切ではないかと思う。
- 池田小委員長:
- 437行の部分は言いたい意味がよく分からない。「雄のラットに対して発がん性を示す疑わしい証拠」というのは、発がん性を示唆する証拠ということなのか、証拠としての確実性が疑われるということなのか、曖昧である。
- 化評研:
- 証拠としてはあるが、証拠としての確実性が疑わしいという意味である。
- 池田小委員長:
- 了解した。何かよい表現を考えていただきたい。
- 化評研:
- 対応する。
- 池田小委員長:
- 497行の「発がん性を示す疑わしい証拠」の部分も、同様に修正をお願いする。
- 化評研:
- 対応する。
- 池田小委員長:
- 本物質は、読了とする。
(6)2,3-ジメチルアニリン(原案修正対比表説明担当:化評研星野)
- 前川委員:
- 「毒性症状」を「中毒症状」に修正しているので、p.7、192行の「重度の毒性症状」の部分も修正していただきたい。
- 化評研:
- 対応する。
- 前川委員:
- それから、p.8の233行から234行にかけて、「主要な標的器官は赤血球、脾臓、肝臓及び腎臓」となっているが、脾臓の変化は、赤血球、すなわち溶血、貧血である。それに伴って起こった2次的な変化なので、少なくとも標的という意味では外してよい。肝臓、腎臓はそのまま残していただく。
- 化評研:
- 「赤血球、肝臓及び腎臓」とすることでよいか。
- 前川委員:
- そうだ。それと、「標的器官」という用語についてだが、一般的には「標的臓器」という言葉を使っていたのではないか。統一していただきたい。
- 化評研:
- マニュアルでは、確か、「臓器」という言葉は使わずに「器官」に統一しようということになっている。
- 前川委員:
- 了解した。確かに臓器だとすれば、「臓器、組織」というように、組織という言葉も入れる場合があるし、必要である。だから、器官なら器官でよい。
- 池田小委員長:
- 赤血球は器官か。
- 前川委員:
- 臓器でもない。これに関連するが、まとめのところでは、「主要な標的器官は」という表現ではなく、「赤血球、脾臓、肝臓、腎臓に影響がみられている」となっている。影響がみられているという表現は間違いではないが、やはり標的器官ということで統一していただきたい。
- 化評研:
- まとめも「脾臓」は削除してよいか。
- 前川委員:
- そうだ。少なくとも脾臓の変化は大したことではなく、2次的な話なので削除してよい。
- 化評研:
- 復唱させていただくと、まとめの281行の部分は、「投与した試験で、標的器官は赤血球、肝臓及び腎臓であり、LOAELは・・・」ということでよいか。
- 前川委員:
- そうだ。
- 化評研:
- そうすると、12mg云々の部分は削除してもよいか。
- 前川委員:
- よい。
- 大前委員:
- ヒトの7.2の194行目、10ppmの中毒症状についてだが、これは1955年のデータで随分古いが、『British Journal of Industrial Medicine』という非常に有名な雑誌なので、入手できるのではないか。
- 化評研:
- これは原著で確認しており、これ以上の説明はできない文献である。
- 大前委員:
- 了解した。
- 池田小委員長:
- 本物質は、読了とする。
(7)p-クロロフェノール(原案修正対比表説明担当:化評研星野)
- 化評研:
- 258、262、263行のところで、括弧内に英語の元の表記をそのまま残してあるが、もしこの訳語が正しければ、削除したいと思う。訳語として適切かどうか、ご教示願いたい。
- 池田小委員長:
- (mood changes)はオーケーだが、疲労感(rapid fatigability)というのは、「易」という字を付けて、易疲労感となろう。(tenderness)もオーケーである。
- 池田小委員長:
- 先ほどのNOEL、あるいはNOAEL、LOAELのところは、p.14の313行以降である。尿量の増加と浸透圧の低下が見られた。これを取り上げるか。
- 前川委員:
- 私がコメントしたのだが、確かに100以上で出ていて、500でも増強しているので、全く影響がないとは言えないのではないか、20をNOAELにした方がよいのではないかというのが私のコメントである。ただ、フルデータを見ているわけではないので、ここの記載からは、そうなのかなという感じである。ただ、形態的にははっきりしていない。
- 化評研:
- コメント5番は、確か、池田先生だったと思うが、「腎機能に関連する云々」のところの文章が良くないので、修正するようにとのことであった。この記載は、原著の記載そのものである。それを根拠に、100をNOAELにしてよいだろうと考えたが、総合的に考えると、無理してNOAELにする必要もないかと思う。確かに500でも、雌で尿量増加が出ているので、今は、より安全サイドに立って、NOAELは20にしようと考えている。ただし、全体として、やはり100の方が普通ではないかと言われれば、その辺りは専門家の先生方にお任せするしかないと思っているので、指示していただいた通りにしたい。
- 池田小委員長:
- それでも、500で変化がより強くなるとしたら、意味のある変化であろう。
- 前川委員:
- やはり潜血とか赤血球が増えて、500としか出ていないわけである。そういうことを考えると、一連の流れの変化としてとらえるべきではないだろうか。ただ、重量もあまり変わっていないようで、形態学的にもないということなので、あまり強い変化ではないと思うが、無視するわけにはいかないのではないかというのが私の意見である。
- 化評研:
- では、修正案通り、NOAELは20ということで処理させていただきたい。
- 前川委員:
- ついでに、今のp.14の311行に、「肝細胞の細胞質泡沫化及び細胞内小器官のクラスター形成」とあるが、普通の顕微鏡の所見、病理組織学的な所見から見れば、あまり適切な言葉ではないと思う。
- 化評研:
- これは、原語を忘れたが、訳すのに苦労したところである。
- 前川委員:
- これがどういう所見を表しているのか、私も悩むが、例えば「細胞質泡沫化」というのは、小さな空胞変性みたいなものかなという気がする。それから、「細胞内小器官のクラスター形成」の意味がよく分からないが、顆粒状変性みたいな形を示しているのか、病理屋としてはちょっと想像できない所見だ。もう一度検討していただきたい。
- 化評研:
- ここの表現は、できることなら、先生に原文を見ていただいて、適切な用語を考えていただけるとありがたい。
- 池田小委員長:
- 100をLOAELと考えるということで進ませていただく。
- 化評研:
- 332行の(litter biomass)を「同腹児総重量」という表現にしているが、これはよろしいか。よければ英語表記は削除したい。
- 池田小委員長:
- これしかないであろう。広島大の安田先生に、その部分は確かめていただくことにする。
- 西原委員:
- 教えていただきたいが、fischeriというのは、ビブリオで発光性なのか。微生物に対する影響で、最小値が発光性で評価したと書いてある。Vibrio fischeriは、僕もあまり聞いたことがない。
- 化評研:
- これは確か、海洋性の発光細菌だったと思う。
- 西原委員:
- ビブリオのか。そうであればそれでよい。ありがとう。
- 池田小委員長:
- 本物質は、読了とする。
(8)ペンタデカフルオロオクタン酸アンモニウム(原案修正対比表説明担当:化評研美濃部)
- 大前委員:
- p.7の「93%が吸収され」という部分だが、93%が残存しているだけで、吸収されているわけではない。どこにあるか分からないわけである。要するに体全体として93%が検出されたという意味であろう。24時間だと、消化管内に入っているものが吸収されないで残っている可能性もある。そこら辺をもう少し正確に書いた方がよいのではないか。
- 化評研:
- 先ほど申したように、Gibson & Johnsonにはたどり着けないので、これを引用しているEPAのpreliminary risk assessmentの報告データをそのまま引用している。何と何を足して93%になっているのか、要するに投与した放射能に対して、多分、尿中に出ていった分とかを色々足し込んでいって、93%が素通りではなく、体内に一遍入ったということであろうが、その元文献にはたどり着けないのが現状である。
- 大前委員:
- 例えば、これは単回強制経口なので、24時間で全部吸収されるのか。先ほどの何かの物質の時も、腸管内に残っているというのがあった。同様のことが起きて、それも測っている可能性があるので、吸収という言葉を使わない方がよいのではないか。本当に吸収されているのかどうか疑問だ。
- 化評研:
- そうすると、ここの文章は取った方がよいのか。多分、EPAがこれを挙げているのは、半減期が生物種によって違うということも言いたくて、4.8日というのも一つの知見として入れていると思う。だから、場合によっては、前の部分は怪しいということでカットした方がよいということであれば、後ろの記述だけに留めてもよいと思う。
- 池田小委員長:
- 事実関係として、「吸収され」というのは確認のしようがないということか。
- 化評研:
- そうだ。何と何を足し込んで93になるとか、本当に93なのかということも含めて、原著のGibson & Johnsonを入手できないので、確認できない。
- 池田小委員長:
- そうだとしたら、「24時間後までに投与放射能の93%が吸収され」まで削除したらどうか。
- 化評研:
- 対応する。
- 池田小委員長:
- 「血漿中放射能の半減期」、これが大事な情報ということでよいか。
- 化評研:
- 留めさせていただく。
- 前川委員:
- 大した問題ではないが、p.10の338行に「OAT(organic anion transporter)」と書いてある。OATという言葉は、既にp.9、298行に出てきているから、括弧書きをそちらの方へ移していただきたい。
- 化評研:
- 対応する。
- 池田小委員長:
- 聞き残しだが、371行のところで、4年±3.5年というのは、先ほどの半減期との対応で大事な情報だと思うが、この「±」の意味は、時々同じコメントを申し上げているが、標準偏差か、標準誤差か。
- 化評研:
- 9人のデータであるが、これだけ大きいと、多分、標準偏差かと思う。確認の上、対応する。
- 池田小委員長:
- そのように思われる。ヒトでは溜まる、動物では溜まらないというのは、この物質は本当に不思議である。
- 大前委員:
- 今の点だが、ヒトでは「年」だが、さっきの動物は「日」か。
- 化評研:
- そうだ。例えば、ラットは数日という単位であるし、サルは90日とか、書いているが、ヒトは年である。
- 前川委員:
- 原因は何か。ヒトで長い理由は何も分かっていないのか。
- 化評研:
- 分かっていない。
- 池田小委員長:
- 次の科研費のよいテーマである。
- 西原委員:
- 毒性の差もないのか。
- 化評研:
- ラットとサルのという意味か。
- 西原委員:
- そうだ。ヒトはないだろうけれども。
- 化評研:
- サルのデータが、一般毒性の知見としては2つある。アカゲザルとカニクイザルでやった試験データがある。奇妙なことに、最初にやられたのがアカゲザルの3か月、90日間の反復投与毒性である。それを報告している人は、一連の試験をラットでたくさんやっていて、ラットでは肝臓が大きくなったり、腫れたりするが、サルは出なかったと言っている。ところが、後のカニクイザルでやった6か月間の試験では、先ほど申したように、肝臓の絶対重量が増えたということで、そういうことも含めてまだよく分からないが、肝臓への影響も含めて、いわゆるペルオキシソームプロリフェレーターとしての作用があるということは、ラットでははっきり言われている。
- 池田小委員長:
- 501行あたりの後はレファレンスがないが、Harada,Kが全部にかかるのか。501行のところで別段落になっているが、510行まで著者が同じということか。
- 化評研:
- 段落を変えているが、実は続いている。だから、上の方も(Harada,K. et al., 2004)である。
- 大前委員:
- 表現の問題だが、p.16の417行目、Alexanderの報告があるが、418行目の「PFOA暴露を受けた死亡例が46症例」というのは、PFOA暴露で死んだわけではないであろう。だから、表現を「PFOA暴露作業者における死亡例」というふうにしていただきたい。
- 化評研:
- もう一度確認の上、対応する。
- 池田小委員長:
- ポイントは、PFOAの暴露のために死んだかどうかは定かでない点だ。暴露を受けていたことは確かだが、それが原因で死んだかどうかは分からない。原著で確認していただきたい。
- 前川委員:
- p.26、624行の「肝細胞にび漫性肝細胞肥大と細胞質の脂質空胞化」は恐らく脂肪変性のことではないか。「肝細胞にび漫性肝細胞肥大と脂肪変性」としてよいのではないか。
- 化評研:
- 細胞質と言わなくて、単に脂肪変性でよいか。
- 前川委員:
- そうだ。それから、p.28、668行は、2つの試験が違うので、改行していただきたい。
- 化評研:
- 対応する。
- 前川委員:
- 同じページで、702行のところだが、NOAELを10mgとするということであったか。確かに、3でも10でも、肝臓の重量だけの変化で、特に増強もしていないということなので、私も了解する。だから、NOAELは10で結構と思う。ただ、p.33にある表7-4にはLOEL 3mgとあり、NOAEL 10mgという記載がない。書き替えていただきたい。
- 化評研:
- LOEL 3mgは、著者がそう言っているので記載した。
- 前川委員:
- 文章には残っているので、表中からは外した方がよい。
- 化評研:
- 対応する。
- 池田小委員長:
- 今の700~702行にかけて、この委員会として、この表現でよいか。つまり、LOELは3、NOAELが10という判断。
- 前川委員:
- LOELというのは向こうが言った話だ。
- 池田小委員長:
- 著者Butenhoffがそう言っている。だから、その部分は評価の対象にならない。だけど、我々はNOAELとして10だと考えているというのでよいか。
- 前川委員:
- サルなので、動物数が少なくて、おまけに途中で死んだやつがいるということで、確かに、ちょっと難しいところもあるが、それ以外は3も10もほとんど変わっていないことを考えると、よいのではないか。
- 大前委員:
- ヒトの疫学のところに戻るが、p.16の412行あたりからずっと「標準化死亡率」という言葉になっているが、これは「標準化死亡比」である。もう一つは、422行目の「脳血管性疾患」は、「性」は要らない。「脳血管疾患」でよい。それから、その2つ下の424行目、「用量関係」は、「用量反応関係」と表現した方がよい。
- 化評研:
- 「用量-(ハイフン)」か。
- 大前委員:
- ハイフンはあってもなくてもよい。それから、ここのところは確認していただきたいが、415行目の、PFOA非暴露群と比べて3.3倍という記述がある。ということは、この調査の対照群が、一般人口ではなくて非暴露群の可能性がある。標準化死亡比を計算する時に、一般人口を対象としているのか、あるいは非暴露群を対象としているのかで疫学の価値が違ってくるので、もし判れば、一般人口なのか、あるいは非暴露群なのかということを書いた方がよい。前立腺がんが「非暴露群と比べて」と書いてあるので、多分、一般人口ではなくて、3Mかどこかの調査だとは思うが。
- 化評研:
- 多分そうだと思う。要するに会社の中で、事務職とかそういう人だろうと思うが、一応確認させていただく。
- 大前委員:
- それが確認できれば書いた方がよい。それから、p.18の513行目、「東北地方(岩手、宮城、秋田の三市)」とあるが、これは「三県」か。
- 化評研:
- そうだ。具体的には特定の市だ。盛岡市とかいうふうに書いた方がよかったか。
- 大前委員:
- 文献にそう書いてあれば、その方がよいのではないか。書いてなければ県でよいと思うが。
- 池田小委員長:
- 元々の著者はどちらで書いていたか。盛岡と書いていたか、岩手と書いていたか。
- 化評研:
- これは英語で、多分、両方だったと思う。具体的には、岩手は盛岡市である。
- 池田小委員長:
- 「Morioka,Iwate」であれば、正に盛岡市であろう。
- 化評研:
- もう一度調べて、多分、両方を併記する。
- 大前委員:
- 528行の「エアダスト中」は、大気粉塵中でよいのではないか。また、531行に「いずれの試料も膜フィルターを通してエアダスト粒子を回収し」とあるが、これは通常の方法で自明なので、書かなくてもよいのではないか。
- 化評研:
- 対応する。
- 池田小委員長:
- 928行の新しく書いてくださったところで、「道路や室内汚染」というのは「道路粉塵や」、それから、932行で、「消化管からよく吸収される」というのは先ほど削除した部分であるから、「経口投与した場合に、尿・糞中への排泄速度には」としていただきたい。
- 化評研:
- 対応する。
- 池田小委員長:
- 本物質は、読了とする。
その他
事務局より、資料5に基づき、安全評価管理小委員会活動状況が説明された。次回の審議会は、11月中旬から12月を予定している事が伝えられた。
閉会
池田委員長より、化学物質審議会管理部会・審査部会第23回安全評価管理小委員会の閉会が宣言された。
以上
最終更新日:2008年2月7日
