化学物質審議会審査部会安全評価管理小委員会(第28回) 議事録
開会
池田委員長より、化学物質審議会管理部会・審査部会第28回安全評価管理小委員会の開会が表明された。
事務局挨拶
事務局より、配付資料の確認、議事内容の確認及び委員・委員以外の参加者の紹介が行われた。引き続き、事務局より、資料2に基づき、第27回委員会議事録(案)の確認がされた。
有害性評価書における遺伝毒性の有無の判定基準(案)について
【審議】
審議に先立ち、化学物質評価研究機構(以下、「化評研」と略す。)より、資料3に基づき、有害性評価書における遺伝毒性の有無の判定基準(案)について説明された。
遺伝毒性について
- 池田委員長:
- 議事に従い、資料3をご覧いただく。有害性評価書における遺伝毒性の有無の判定基準は、従来からときどき議論になっており、化評研で過去の経験の集積、あるいは3省合同の審査会の経験を集積して、案を作っていただいた。化評研から説明の後に、説明自体のわからない部分の質問を承って、質問は10物質の審査が済んだ後、時間のある限りを使って議論させていただく。
- 化評研:
- 有害性評価書の遺伝毒性の評価では、国際機関等の既存の評価書を中心に、遺伝毒性に関するデータを幅広く入手し、データを整理し、評価してきた。その際の手引きは、私どもが経験を重ねる中で評価方法として作ったマニュアルである。
- 遺伝毒性の評価は、試験データを基本的には原著まで遡らず、評価書の中のデータを入手し、それらの幅広い試験データを主に表を使って整理し評価し、本評価書としては、遺伝毒性を示さない、有する、あるいは明確に判断できない、の三つのパターンで判断を行っている。
- 手引きと、検討会の中でのディスカッションあるいは外部レビューを通して物質ごとに総合判断をしてきたが、物質間で判定や判定に至る根拠にばらつきが出たり、小委員会の場でも指摘をいただいたりしてきた。そこで昨年度までに作成した物質の有害性評価書の判断について整理作業を行った。
- まず初めに化審法等の化学物質管理法令において、遺伝毒性試験をどのように判断しているかを調査。Amesらがネズミチフス菌を用いた試験法を確立して以来、さまざまな試験がある。これらの中で、特に復帰突然変異試験あるいは染色体試験、さらには必要に応じて小核試験が法令に利用されてきている。これらをまとめたものが8ページの参考資料2である。
- 農薬、医薬、化学物質、化審法では、細菌を用いる復帰突然変異試験を基本として、in vitroでは染色体異常試験、マウスリンフォーマ試験、in vivoでは、げっ歯類を用いた小核試験というように、これらの試験が、多数存在する遺伝毒性の試験系の中でも、遺伝毒性の有無を判断するスクリーニング試験として採用されているということがわかる。
- そこで、昨年度までに作成した120物質のうち、特に復帰突然変異試験で明確な判断がなされた90物質を対象とし、この3試験を参考に区分に分け、その区分の中の組み合わせによって、どういった判断がされたかという検討を行った。
- 試験区分としては、先ほどの復帰突然変異試験を代表とするin vitroの突然変異誘発性、染色体異常誘発性、DNA損傷性、それから小核試験を代表とするin vivoの突然変異誘発性等に分け、各試験区分の結果と判断との関係を整理した。このときの区分の試験系作用機序による分類をまとめたものが2頁の参考1である。各区分に該当する試験は、マニュアルに基づいている。
- 3頁目に、この整理作業で得られた結果をまとめてある。この図は、試験区分Iの突然変異誘発性を基本として、この試験区分で陽性、陰性となった結果に対して試験区分II、IIIの結果がどういうときにどんな判断をしたかをまとめた。試験区分Iで陽性で、区分IIで陽性、区分IIIで陽性の場合、今回の作業の結果、20物質あり、遺伝毒性がありと判断されたものが19物質、判断できないとしたものが1物質という結果になっている。
- これらの結果を総合的に見たところ、この三つの区分の中で陽性とすべてが判断されたものについては遺伝毒性ありと判断できることがわかる。それから、すべての区分で陰性と判断されたものについては遺伝毒性なしと判断でき、それ以外のケースでは、判断できないとするのが妥当であると考えられるが、今回の整理結果でも、こういった傾向が見られているということがわかる。
- したがって、法令による承認申請の際に使われる試験に着目し、また試験区分に注目して判断を行うことにより、的確な判断が行えるものと考え、こういった考え方をマニュアルの中に盛り込みたいと考えている。
- 池田委員長:
- 今の説明に対する質問はないか。
- 質問であるが、試験区分Iで、突然変異誘発性で例えばAmesを考えたとき、Amesの試験で幾つかのテスト系があり、意見の一致しない結果がいろんな著者から出てくる場合がある。このときはどのような判断がされたのか。
- 化評研:
- 指摘通り、情報収集の中で多くのデータが集まり、その中でいろいろと結果が分かれる場合がある。そういったときには、基本的に原著にさかのぼり、そこで確認をするという作業を行っている。
- このときの陽性の判断としては、用量、用量相関の問題を考慮しながら、それぞれのデータについて判断し、最終的な判断をしており、ケース・バイ・ケースと申し上げるしかない。
- 池田委員長:
- 了解した。ほかにも質問はないか。
- 清水委員:
- 3頁の陰性57物質で、陽性で、しかも試験区分IIIの陽性という場合の判断は何も書いていないが、遺伝毒性ありと判断するのか。
- 化評研:
- 実際に判断したものが一つしかないので、まだ十分に解析はできていない。
- 前川委員:
- 3頁一番上で、陽性、陽性で、あと陽性となっていながら、判断できないというのが1例あったが、判断できないとした根拠は何か。
- 化評研:
- これはブロモメタンで、in vivoの小核試験については陽性だが、ラットの優性致死試験など幾つかのin vivoの試験で、陰性の判断がなされていたためである。
- 前川委員:
- 試験区分IIIの陽性は、必ずしも陽性でないかもしれないということか。
- 化評研:
- そうである。
- 池田委員長:
- これから議論いただく10物質は、こういう方式に従って作業されており、意見を承りながら、その方式に従って行った作業結果を提示するというのは、ある意味では議論を聞く耳は持たない、我が道を行くという意思表示になるが、この方式に従うと、こんな具合になるというモデルのつもりで今日の10物質について作業をしている。あわせてご了解いただく。10物質をできるだけ速やかに仕上げて、今の議論に戻り、あるいは10物質の経験を踏まえて、この案でよいかどうかというあたりまでご議論いただければありがたいと思う。
有害性評価書について(10物質)【審議】
審議に先立ち、各物質において、化評研より、資料4-0に基づき、有害性評価書に関する修正点が説明された。
(0)全体(原案修正対比表説明担当:化評研石井さ)
- 化評研:
- 6章の環境中生物のまとめで、GHS区分の記述されていない物質に対するコメントへの回答を承った。
- 通常の物質では、環境中生物のまとめの中に、生物種ごとにGHSの区分を参考に入れているが、指摘物質は、速やかに加水分解し、分解生成物を見ている。この場合、親化合物としてのGHS分類は行わない方針できているので、今回もそれにならった。
- また、遺伝毒性の表記の仕方について、「チャイニーズハムスター肺(CHL)細胞V79」と書いてきたが、今後は「チャイニーズハムスター肺CHL細胞(V79細胞)」とし、その後はV79細胞と省略して記載したいと思う。CHO細胞にいても、同様である。
- 池田委員長:
- CHOは明らかだが、上の方はCHLであるという表示が抜けてしまうが、よいか。清水先生。
- 清水委員:
- この記載の方がよいと思う。
- 池田委員長:
- V79の方がよい。
(1)テトラヒドロメチル無水フタル酸(原案修正対比表説明担当:化評研星野)
- 池田委員長:
- 事前コメント14番「この物質の感作性試験の報告がないとは信じられません」というコメントをいただいた先生、今回の化評研提案関連情報を追加したほうがよいか。
- 大前委員:
- 再調査の結果、報告はないということなので、これはこのままでよい。
- 関連情報は追加する必要はない。
- 西原委員:
- 5頁118行目、「構造が類似している」とある。これは構造が類似しているのではなく、メチルの位置が違うだけの代表的な物質の一つであるので、「代表的な物質であるメチル(省略)」という表現がよい。
- 化評研:
- そのように修正する。
- 前川委員:
- 本日の審議物質には加水分解しやすい物質がいくつかある。これ以外の物質に関しては、加水分解物についての物化特性も記述されているので、統一をするという意味で、これについても記載したほうがよい。
- 化評研:
- この物質についても調べたが、加水分解生成物についての物化性状データはなかった。
- 池田委員長:
- では、この物質読了。
(2)1,2,4-ベンゼントリカルボン酸1,2-無水物(原案修正対比表説明担当:化評研石井か)
- 長谷川委員:
- コメント4番、経産省の製造量、輸入量のデータを秘匿データという扱いにして、ここには載せないとするという結論に全く異議はないが、例えばCERIのホームページに、このデータは載っている。だれでも閲覧できるデータなので、秘匿データ扱いとするという理由がわからない。
- 池田委員長:
- 後で検討して、場合によってはホームページから削らなければならない。
- 森田室長:
- 多分、大丈夫と思われる。
- 西原委員:
- この物質のまとめのところに、濃度は分解産物であるという記載はないが本文中には記載されている。ところが、前の物質、テトラヒドロメチル無水フタル酸に戻るが、10頁、246行目のまとめの中に「また、測定された濃度については、分解物」云々というのがある。この文は1,2,4-ベンゼントリカルボン酸1,2-無水物と同様記載の必要はないと思われ、246行の「また」から247行を全部削除した方がよい。
- 化評研:
- 削除する。
- 池田委員長:
- この件は、無水物についての共通のコメントということで扱わせていただく。
- 前川委員:
- 18頁の452行目、LOAELが0.01、また、肺の病変を指標にすればというただし書きがあるけれども、NOAELは同じく0.01と記載されている。しかし、最後のまとめのところには、実際には、これは別のデータからだが、NOAELは求められないというまとめになっている。これでは、誤解を受ける可能性もあり、この452行のNOAELは削除し、LOAELまでの記載にとどめておくほうがよい。
- 前川委員:
- 464行及び表中の「肺胞内中隔」は一般的には「内」はいらない。「肺胞中隔」に統一。
- 福島委員:
- 18頁の465行及び表中の「炎症細胞の増加」の「増加」を「浸潤」に変更。
- 前川委員:
- 19頁の483行から484行にかけての「標的器官は吸入経路では肺であり」と「肺」に限定されているため、「肺組織中」は削除し、「応答機序により、肺、気管支に炎症及び出血」は、むしろ肺胞と考えられるので、確認していただく。
- 大前委員:
- 12頁336行目、286人についての調査ということだが、これを見ると、3年間でクラス1では29%の人が免疫疾患にかかっているわけなので、最初の年がゼロということはあり得ないと思う。そのため、事前のコメントのサバイバルポピュレーションから始めているのか、新規に始まったのかという質問に対し、今ある工場を3年間、追いかけたとの回答だが、それにしては、クラス1のところで29%が出ている、しかも最初の年はゼロだというのは納得いかない。また、暴露濃度の範囲が0.0053未満から0.13で暴露量を5段階に分類したということで、5から1までのクラスがあるが、これは平均値なのか、例えば理屈でいくと、通常クラス4よりクラス5の数字が小さいはず。この場合は、クラス5が0.0053未満でクラス4が0.0051なので、クラス4の数字の方が小さい。
- 化評研:
- 原著を確認しているが、クラス5は0.0053未満、クラス4が0.0051となっている。
- 大前委員:
- 原著が間違っているのかもしれない。この数字自体が平均値か。
- 化評研:
- 数値は5作業場のそれぞれの平均値である。
- 池田委員長:
- さっきの0%というのは不思議である。
- 大前委員:
- 最初のうちは起こらなくて、3年間で起こったというのは不思議である。
- 化評研:
- 原著を確認しているが、クラス1については28名中8名で29%という値が出ている。
- 大前委員:
- 最初の年に0%というのが不思議である。
- 森田室長:
- 先ほどの件、大至急確認したところ、生産数量の関係についてはそれぞれ統計の種類に応じて扱いが変わっている。一般的な物質、例えば工業統計とか、一般的に手に入る統計ベースのものは当然、公開資料のため、そういうものは生のデータが出ている。
- 私どもの部署でやっている3年に1度の生産流通実態調査の調査結果については、原則、生データは出さずに、生産数量区分ごとの表示をするということで、生産数量区分の形で公開をしている。これはNITE CHRIPにも、そのように載せている。
- ただ、個別の生データは出さないという意味で秘匿データであるということで、こういった統計上のデータを扱うときの書き方は、もう一度、後ほど確認をし、すべて等しく出せるものは、工業統計的なものはその旨出して、私どもでやっているような調査のものは区分で出すという形で書き分けることになろうかと思う。
- よって、一律に経済産業省何年という書き方になっているが、データのソースによって多少扱いが違うということがあるので、そこはこちらで修正させていただく。
- 池田委員長:
- 15頁371目、肺のfluid-filledを「水腫」と訳してよいか。
- 前川委員:
- これ以外に訳しようがないと思う。
- 池田委員長:
- 以上、この物質は読了。
(3)無水マレイン酸(原案修正対比表説明担当:化評研山根)
- 西原委員:
- 7頁の161行目で、生分解性のところで、「濁度測定での」という記述がある。これは私が実施した試験で、濁度測定ではないので削除していただきたい。また、「分解率」という表現も加水分解で原体がなくなった率で求めているので、「変化率」の方がよい。
- 内田委員:
- 12頁のまとめの最後、302行は最小値がニジマスの75mg/Lになっている。しかし、表6-3では、無脊椎動物に10mg/Lという値が21日間のNOECとして記載されている。なぜこれを使わないのかということにコメントが必要ではないか。
- 化評研:
- 9頁の6.1.3の無脊椎動物に対する長期毒性としては、21日間のNOECが10mg/Lのデータがあるがこれは未公開データであり、原著が入手不可能で信頼性を確認できなかったため採用せず、魚類の75mg/Lを最小値としたと記載している。
- 内田委員:
- 了解した。しかし、まとめの部分に何らかのコメントを入れたほうがよい。
- 福島委員:
- 16頁、446行、「腫大、褐色、皮質部尿細管拡張、ネフローゼ」と書いてある。これに関連する表中では、18頁の腎臓肉眼的変化「腫大、褐色、皮質部尿細管拡張」に対応する。肉眼的に皮質部尿細拡張は見えないため、これは削除してもらいたい。また、原著にネフローゼという言葉で書いてあると推察され、やむを得ないと思うが、ネフローゼというのは、いわゆる症候の疾患名で、組織学的な所見とは違うため、他の言葉に置きかえた方がよい。どうするかは任せる。
- 吉田委員:
- 12頁の313~316行目、コンパートメントモデルの吸入速度定数の単位は「/日」ではなく、血中濃度の単位ではないか。原著をもう一度確認願いたい。
- 福島委員:
- 20頁531行目、受胎率に修正されているが雄の授精率とは言わないのか。
- 化評研:
- 雄の受胎率というのは、国立衛生研究所の「毒性試験用語集」にあり、確認して修正している。
- 前川委員:
- ドイツ語の文献の場合には、文中にあっても名詞は大文字、それ以外は冠詞とか動詞、形容詞すべて小文字である。
- 化評研:
- 修正する。
- 大前委員:
- まとめの614行のところで、「溶血性貧血と職業喘息とを起こした症例では、無水マレイン酸との関連が報告されている」とあるが、これのもとの13頁の351行では、結果については異論もあり、喘息は職業と関係なく、貧血とは関係ないとの記載もあるとのことなので、まとめの部分では消した方がよい。
- 化評研:
- 削除する。
- 池田委員長:
- 以上この物質も読了。
(4)無水フタル酸(原案修正対比表説明担当:化評研石井か)
- 大前委員:
- 8番目のコメント、これ以上データがないので加筆はよいが、日本語が少しおかしいので、変えていただきたい。2行目、「皮膚及び肺から感作性を起こす。」を「皮膚及び肺感作を引き起こす」、「から」と感作性の「性」を取るとよい。
- 化評研:
- 指摘通り修正する。
- 池田委員長:
- 196行から水生生物、陸生生物。陸生の部分はほとんど何もない。エコトックスの部分でコメントがあったら、承りたい。
- 西原委員:
- 文章的なもので、8頁の199から201行目「フタル酸の毒性を示しているものと考えられる」となって、なお書きがある。なお書きで、逆に、それを否定しているような感じになるので、その一つ上の「推定されており」から、「調査した範囲内では、これこれの報告は得られていないが、実際は」というふうにしておいた方がよいのではないか。まとめのところにも同じようなところがある。
- 池田委員長:
- 「推定されており、調査した範囲内ではこれこれは得られていないが、実際は何とかだと考えられる」と、文章を先に置く。
- 西原委員:
- 今と同じようなところが279から281行目にあるので、同じように直した方がよい。
- 池田委員長:
- ヒト健康に進ませていただく。
- 大前委員:
- ヒト健康の慢性影響のところで、317行目から322行目の調査の件だが、これは2カ月以上にわたって無水フタル酸の開封作業をする作業所の話で、320行の文章が重複しており、「携わる作業者118名の調査で28名に喘息、鼻炎及び上気道の炎症がみられた」ということで、これは無水フタル酸に吸入暴露した調査で、暴露期間が2カ月以上というのは重複しているので、要らないと思う。
- それから、その次のところで、「また、1か月~16年にわたる潜伏期間中で」というのはどういう意味か。2カ月以上の28名にこういう症状があって、さらに13名が慢性気管支炎で、21名が喘息で、その前に1カ月から16年にわたる潜伏期間中という、これは何を言っているのかよくわからない。発症したのが2カ月後から16年の間という意味合いで書いているのか。
- 池田委員長:
- 観察期間ではないか。
- 大前委員:
- 観察期間か、暴露から発症までの期間という意味か。
- 池田委員長:
- なるほど。
- 大前委員:
- 329行目「さらに、気管支過敏症の発症率は暴露された作業者で87%、暴露しなかった作業者では56%」とあるが、この気管支過敏症というのはどういうことか。ここのところも意味がわからないので、チェックをしていただく。
- 池田委員長:
- これは原著があるか。
- 化評研:
- 原文、取り寄せてある。
- 池田委員長:
- あるいは、前の方に記載されているWernforsは普通のジャーナルなので、ありそうである。
- 化評研:
- 両方とも取り寄せてある。
- 池田委員長:
- 大前先生からの指摘部分、後ほど原著で確認をすること。
- 長谷川委員:
- 12頁309行から314行、急性影響のところの記載で、無水フタル酸のローリー輸送ということだが、これはホットメルトで、液体状態で運んでいたのが流出して高濃度の無水フタル酸のガスを吸入したということなのか、あるいは、そうではなくて、固体状態。固体状態だとローリーではないと思うが、恐らくは融点以上に加温した状態で運んでいたものが液状で流出してというつながりのように私は思ったのだが、この記載の中ではよくわからない。もし原著なりでその辺がわかるようであれば、仮にもしこれが液状だとしたら、わかるような言葉を足した方がよいのではないか。
- 池田委員長:
- 用語としてホットメルトでよいか。
- 長谷川委員:
- よろしい。あるいは溶融状態でと書くか、言葉は本当にそうかどうか、不明である。
- 池田委員長:
- これも確かめていただく。そうでなかったら、タンクローリーで運べない。
- 大前委員:
- 同じ頁のWernfors et al,1986とNielsen et al,1991の報告は、ともに内容が良く理解できない。
- 化評研:
- 原著で確認し、分かりやすいようにする。
- 西原委員:
- 生体内運命で報告なしと書かれているが、フタル酸エステルの生体内運命は山ほどあると思う。あるいは変異原性に関しても、ネズミチフスのAmesなんかでも、水に溶かしてやっている。その辺はいかがか。
- 池田委員長:
- 最初のフタル酸エステルは、この場合、確かに外す。無水フタル酸+フタル酸の2つについて考えるかである。
- 西原委員:
- 物理化学情報は酸も書いて、言い切っている。その辺、統一をする。試験報告は得られていないというと変である。
- 清水委員:
- 19頁の表7-6で、処理条件というところに、in vitroの復帰突然変異試験はAmesテストと書かれているが、ここはプレート法とかプレインキュベーション法と記載すべきところで、もしそういう記載がなければNDと記載していただきたい。
- 池田委員長:
- 確かに、ほかではプレインキュベーション法となっている。これは統一していただく。わからなかったら、下と同じようにする。これは後ほど確認して、正しく修正していただく。
- 藤木委員:
- 16頁の417行に「生存例では、結膜への刺激、肺胞の充血、呼吸器粘膜のうっ血」と書いてある。粘膜のうっ血という意味がわからないのと、17頁へいくと、429行目も「肺の粘膜の炎症」と書いてある。粘膜を取った方がよいかと思う。前川先生、これはどう思われますか。
- 前川委員:
- 確かにその方がよい。
- 池田委員長:
- 417行は「呼吸器のうっ血」か。
- 福島委員:
- そこも違和感あるが、これは「要旨しか確認できないため」云々と書いてあるので、恐らく要旨にそうなっているのかと思う。ただ、もう一度、確認だけお願いする。少なくとも病理学的に粘膜の炎症、粘膜のうっ血という言葉は絶対あり得ない。
- 池田委員長:
- 以上この物質も読了。
(5)ヘキサメチレンジイソシアネート(原案修正対比表説明担当:化評研金井)
- 池田委員長:
- 23番のコメントは少し検討しないといけないため、そこで議論する。
- 西原委員:
- 物化性状のその他のところに、生成物が濃度によって違ってくるかもしれないが水との反応性について、たとえば「反応して、ヘキサメチレンジアミンその他を生じる等」記載しておくべきである。
- 化評研:
- 追記する。
- 吉田委員:
- 10頁の312行から、「加水分解」という言葉は「反応しやすい」と直された方がよい。以下何箇所かあるので、直していただきたい。
- 大前委員:
- 14頁、表7-2の三番目のBaurのデータに「621人」との記載がある。HDIに暴露した人が621人中の82人とあるが、これは恐らくHDIのみの暴露ということだと思うが、82人中何人が喘息を起こしか、あるいは何人が閉塞性疾患を起こしているのかということを記載すべきである。この結果だと、全部621人をまとめていて、何人というような書き方になっていると思うが、そうすると、HDIだけの人数が出てこない。
- 化評研:
- 原著を確認する。
- 池田委員長:
- 先ほど疑問点として残っている20頁の529行目、これに対応した528行の実験の本文はどれになるのか。
- 前川委員:
- 514行からの部分である。これは私がコメントを出したもので、非常に迷うようなデータではあるが、先ほど説明があったように、確かに0.005ppmで変化は出ているが、それは軽い、対照群にも同じような変化もあるということで、またこれがNOELではなくNOAELなので、これでよいと思う。
- 藤木委員:
- 23頁、遺伝毒性のところの568から570行目、最終的に「試験系が限られており、遺伝毒性の有無は判断できない」となっているが、あと何の試験があれば、先ほどでいうと区分の判断ができるか。何が不足しているのかを教えていただきたい。
- 化評研:
- 記載されている試験は、全部マイナスが出ており、必要な試験はin vitroの染色体異常試験か、DNA損傷試験である。これらの結果がマイナスであれば、in vivoでの小核試験はマイナスであり、そのときは遺伝毒性なしと判断する。
- 池田委員長:
- どういう条件がそろったときに、ある、ないと決めるか、この後でも議論をさせていただきたい。とりあえず、ここのところはそういう事情でご了解いただく。
- この物質は読了。
(6)メチル-1,3-フェニレンジイソシアネート(原案修正対比表説明担当:化評研浦谷)
- 内田委員:
- 11頁の298行で「TDA」とあるが、12頁では「トルエンジアミン」と片仮名書きであり、記載方法を統一した方がよい。
- 池田委員長:
- 了解した。
- 化評研:
- TDAで統一する。
- 西原委員:
- 物理化学性状のその他のところへ、水と反応性が高いということを書いておくべきである。
- 化評研:
- 了解した。
- 池田委員長:
- これはA、Bに共通である。
- エコトックスのまとめの部分で、361行から400行まで改めて確認をいただきたい。
- 西原委員:
- 先ほどと同じように、加水分解のものもあるし、そうでないのもあるので、用語を逐一検索すること。
- 化評研:
- 了解した。
- 池田委員長:
- ヒト健康に進む。403行から。これは代謝関係のデータがかなりあるので、生体内運命のところでコメントがあれば承る。
- 大前委員:
- 16頁の416行で、「TDIの空中濃度はフィルター式モニターで常時測定され」とあるが、これは当時、紙テープ法とか、ペーパーテープモニターといわれていたものではないかと思う。フィルター式モニターというのは、当時、あまり聞かなかったためである。紙テープに薬品をしみ込ませて、そこに空気を通して発色させて見るものだと思う。
- 化評研:
- 了解した。再度、原著で確認する。
- 池田委員長:
- それは紙テープ式というのか。
- 大前委員:
- ペーパーテープ方式といっていた。
- 池田委員長:
- これは原著でそうだということを確認してもらう。
- 化評研:
- 了解した。
- 池田委員長:
- 疫学へ進む。25頁の一番下の部分から、発がん以前のところでコメントがあれば承る。
- 大前委員:
- 先ほどの26番の質問について、30頁の762行目、肺機能と感作の性質との関連だが、この辺に出ているのは感作とは関係なく、純粋に肺機能だけのデータのはずである。というのは、感作している方々は、もともとこういう調査に入ってこないためである。
- 池田委員長:
- 文章としては、どうすればよいか。
- 西原委員:
- 文章として、このままでよい。
- 池田委員長:
- 41頁の904行から。随分たくさんデータがあるが、急性毒性のところでコメントがあれば承る。
- 前川委員:
- 41頁の919行だが、「病理学的変化は肺に限定して現れ」と書いてあり、後に「気管と気管支」云々と書いているが、厳密に言えば、気管は肺ではない。
- 「肺に限定」を例えば「呼吸器系に」に変更した方がよいのではないか。もしも本当に上の方だけであれば、上部気道か何かいうことがあるだろうが、後には細気管支とかいうような表現も出てくるので、全般的に「呼吸器系」といった方がよい。
- 化評研:
- 了解した。
- 池田委員長:
- ほかにコメントがあるか。
- 長谷川委員:
- コメントの37で既に指摘されて直されている文章だが、45頁の1058行から1059行にかけて、「ヒスタミン放出を示したが」とあり、「感作されたが」とあって、「示さなかった」とあり、「が」が二つ続いている。日本語的にいうと、例えば「ヒスタミン放出を示し、0.02ppmで感作されたが」とすると、つながるのではないか。
- 化評研:
- 了解した。
- 池田委員長:
- 0.02ppmで感作されたのは、ヒスタミン放出を示した細胞か。
- 化評研:
- これは感作という、処方というか、行ったということで、結果としてはヒスタミンの放出は示していないと思われる。
- 池田委員長:
- 「0.02からが」までの文章が前にくっつくのか、後ろにくっつくのかで、意味がひっくり返ってしまう。
- 化評研:
- ここももう一度、確認する。ヒスタミン放出のところばかり気にしていたので、そこのところは確認していない。
- 池田委員長:
- それでは、後ほど確認していただく。
- ほかに動物実験のところでコメントがあるか。
- 発がん性もよいか。
- 大前委員:
- 発がん性の64頁の1419行だが、循環器系の血管腫と血管肉腫というのは、臓器は特定できない場所か。もし特定できれば、特定すること。
- 化評研:
- 了解した。調査する。
- 前川委員:
- これは先ほどのコメントのところで修正されたことだが、64頁の1426行について、まとめでは、乳腺腫瘍/皮下腫瘍ということでまとめられている。乳腺腫瘍と皮下腫瘍ということでまとめるのはスラッシュでよいが、ここに書いてあるのは「乳腺の腺腫/皮下線維腺腫」となっている。線維腺腫はあくまで乳腺の腫瘍であり、厳密な意味では皮下ではない。線維腫なら話は別だが。このため、乳腺、腺腫/線維腺腫という方が、ネズミにかなりよく見られる特殊な腫瘍ということである。ついでに、元に戻るが、49頁の1103行に「肝臓に病変が」と書いてあるが、もし病変の内容がわかれば記載する。ただ、これは非常に古い論文であるので、わからないのかもしれない。
- 化評研:
- 了解した。原著で確認する。
- 前川委員:
- 前に腐食性云々と書いてあるので、あるいは顕微鏡的な検査をしているかもわからないため、もししていれば、記載する。わからなければ結構である。
- 化評研:
- 見た限りは余り詳しく書いてなかったように思う。確認する。
- 前川委員:
- ただ、この物質は経口でやっても肺の方へいろいろ変化が出ていて、肝臓に云々というのは、これしかない。このため、もしわかればということである。
- 化評研:
- 了解した。
- 池田委員長:
- ヒト健康への影響へ進む。1465行から終わりまで。先ほどの1541行の皮下線維腺腫は「皮下」を取る、でよいか。
- 西原委員:
- まとめのところの68頁の1505行に、「皮膚感作性に関する事例報告はない」とある。私も明確に覚えていないが、産業衛生学会の皮膚感作に関する表にTDIは載っていないか。皮膚感作、産業衛生学会はAとBと分けているのだが、人の事例があるものに関して載せているはずなので、確認していただきたい。皮膚のところにもTDIは入っていたような気がする。
- 化評研:
- 確認する。
- 池田委員長:
- このドキュメントの中には載っていないか。皮膚感作のセクションはない。呼吸器感作性である。これは後ほど調べていただく。
- 化評研:
- 了解した。
- 池田委員長:
- ほかにヒト健康(まとめ)のところでコメントがあるか。
- 吉田委員:
- 専門でもないのでよくわからないが、先ほどのヘキサメチレンのイソシアネートでは、親毒性を母毒性にするという話があり、指摘どおり修正するという形にしていたが、例えば57頁を見ると、母毒性という母親の母という字と毒性という言葉を使われているのと、親毒性と書かれていると、両方ある。ここは先ほどのヘキサメチレンジイソシアネートのときと同様に母に統一するということは必要ないか。
- 池田委員長:
- 用語として統一し方がよい。どちらに統一すればよいか。
- 吉田委員:
- どちらでもよい。私の方では、母毒性ということで使っている。
- 化評研:
- そのように修正する。
- 池田委員長:
- 以上、この物質は読了。
(7)3,5,5-トリメチル-1-ヘキサノール(原案修正対比表説明担当:化評研石井さ)
- 池田委員長:
- 同定情報から環境中運命までのところでいかがか。生物濃縮に至るまででコメントがあれば承る。
- エコトックスに進む。139行から207行まで、動物に対する毒性というところまでコメントがあれば承る。
- 環境中の生物への影響(まとめ)というところを改めて確認していただく。
- ヒト健康への影響のところに進む。生体内運命はデータがない。疫学のところも、疫学及び事例の報告はという要約である。
- 実験動物に進む。急性毒性、刺激性、感作性、反復毒性、生殖毒性、それほどバルキーではないが、発がん性に至るまでのところでコメントがあるか。
- 345行から始まるヒト健康への影響(まとめ)というところを改めて確認していただく。
- 読了。
(8)メルカプト酢酸(原案修正対比表説明担当:化評研酒井)
- 池田委員長:
- コメントそのものに対する回答に対して、もう少し質問をしたいとかあるか。
- 吉田委員:
- 生分解良好で生成物が二酸化炭素と二酸化イオウと水が考えられるということを追加しているが、これから良分解のものについてはすべてそういう記載をしないといけないと思う。構造変化したものが残っているというならわかるが、化審法のBODを測定するときCO 2とか水とかになるのであれば、特に記載は要らないと思う。
- 池田委員長:
- 加えていただいたが、114行のアンダーラインの部分は削っていただく。
- 化評研:
- 削る。
- 前川委員:
- もう一つ、9頁、281行のヒトの疫学の急性影響について、括弧書きを追加し、それを変えたということか。
- 化評研:
- 括弧書きの出血性線維素性気管支炎の記載に関して、線維素性という「素」を削除した。
- 前川委員:
- それでよい。その同じ箇所の「局所傷害」という表現について、我々が局所傷害と考えると、頭皮への影響とか、皮膚への荒れだとかを考えるから、ここで局所傷害というのは余り適切な言葉でなくて、むしろ肺傷害とか、肺傷害の中身はこうこうであったという形の方がよろしいと思う。
- 大前委員:
- 肺傷害でよい。
- 前川委員:
- 15頁、412行に甲状腺の過形成とあるが、問題は甲状腺には濾胞上皮と傍濾胞上皮の2つがある。どちらも場合によったら過形成を起こすし、あるいは腫瘍にもなる。どちらなのかということである。恐らく濾胞上皮だろうと思うが、1956年の古い論文なので、はっきり書かれているかどうかわからないが、確認していただく。
- 池田委員長:
- 267行のエーテル性硫酸化合物。エーテル硫酸というのは、かなり古い用語で、有機物に硫酸抱合が起こったときにエーテル硫酸という言葉を使っていたが、今はほとんど言わない。しかし、エーテル硫酸の方が言葉としては正しい。
- 西原委員:
- 生体内代謝で中性硫酸化合物、エーテル性硫酸化合物、有機硫酸化合物という言葉が出ているが、具体的には何か。抱合体みたいになったら中性というのか。
- 化合物の構造式を類推できない。ただ、実験的に中性の画分に来たということだと思うが、エーテル硫酸というのも中性画分に来るような気がするが、来ないのか。
- 化評研:
- 私見であるが、これはすごく古いデータで、ただ単にエーテルで抽出したときに、エーテル画分に、ラベルのSがどのくらい回収されたかをただ示しているだけと思う。当時は、それをエーテルサルフェイトと呼んでいるが、具体的な構造的な裏づけがあって決めているわけではないと思う。原著ベースで書くとなると、エーテルサルフェィトと書いてあるので、日本語にすると、エーテル硫酸と書かざるを得ない。こうしたらよいというコメントをいただけたら、担当者として非常にありがたい。
- 池田委員長:
- 西原先生がおっしゃったとおり、中性フラクチャーに入ってくると、エーテル抽出ができるというので分けていた。だから、どういう化学構造を持っているかというところまでは分析能力がない時代の話である。
- 西原委員:
- エーテル画分とか中性画分という言い方の方がよいのではないか。無機は多分水溶性画分であろう。
- 池田委員長:
- 最初はエーテルフラクションだったが、ATPで活性化されたアクティブサルフェイトがコンジュゲーションを起こしたものをエーテル硫酸という代謝物だということがわかってきた。だから、用語がどの時点で使ってあるかで変わる。いっそのこと、もとの言葉で、例えばニュートラルサルフェイトとか、インオーガニックサルフェイトとかいうふうに書いておくか。その方が言葉に対する誤解はなくなる。
- 池田委員長:
- 今の267行と274、5行、2カ所のほかに、上にもある。
- 化評研:
- 確認させていただきたい。用語としては、もとの英語をそのまま日本語の後に括弧してということか。
- 池田委員長:
- 日本語は書かない。
- 化評研:
- 書かないで、英語だけの表記をする。
- 池田委員長:
- 了解した。
- 前川委員:
- 今、気がついたが、17頁の454行。そこにいろいろな腫瘍の名前が挙がっている。卵巣腫瘍が出てくるけれども、卵巣腫瘍以外はすべて病理組織学的な診断名である。ところが、卵巣腫瘍だけ肉眼的な診断名である。1977年だから、もう少し細かい組織学的な診断名が書いてあると思う。わからなければしかたないが、統一の意味でも書いておいていただきたい。
- 池田委員長:
- これも原著で見るしかない。
- 前川委員:
- 想像はできるけれども、本当にそうかどうか確認をしていただく。
- 池田委員長:
- 最後のヒト健康への影響(まとめ)とにも中性硫酸だとか出ている。先程と同じに扱う。
- ここに至って混乱させることになるが、例えば473行では、メルカプト酢酸のナトリウム塩だから、pHは心配しなくてもよい、ほかのところは酸性のままで投与しているのか。
- 化評研:
- 試験については、生体内運命の冒頭で書いているが、アルカリ性を加えて、アンモニウム塩またはナトリウム塩で試験が行われており、それをもとにメルカプト酢酸について判断をしている。
- 池田委員長:
- なるほど。238-239行のところか。つまり、473行、あるいは488行だけ塩であることが書いてあるから、若干混乱が起こると思う。238-239行をヒト健康への最初のところに移して、ナトリウム、アンモニウム塩を取ってしまう。そうすると、最初の2行が全体をカバーすることになる。
- 化評研:
- 了解した。
- 池田委員長:
- 以上で本物質も読了。
(9)グリオキサール(原案修正対比表説明担当:化評研麻生)
- 池田委員長:
- 17頁のところで、例えばALTの減少とは言わない。活性低下である。だから、ALTあるいはAST、LDHは「低下」と書く方がよい。A/G比は上昇、重量は増加でよいと思う。
- 長谷川委員:
- コメント3に対するところで指摘された委員のご意見を伺わなければいけないと思うが、土壌硬化剤のことである。
- 実際にはグリオキサールがほかのものと一緒になって、ほとんど全部反応してしまって土を固めるというような作用をしていると思う。土壌硬化剤として使用されているからといって、グリオキサールそのものが環境中に、例えば土壌中に出ているということではないと思う。そういうことからいうと、もとの文書のとおりでよい。したがって、4頁目の追加してもらった土壌硬化剤としての用途から云々の記載は必要ないと思う。95行目の記載もPRTRデータとして当然出てこないので、土壌への排出はないと推定したということで、原文どおりの方がよいと思う。ご指摘いただいた委員の意見も伺いたい。
- 池田委員長:
- そのコメントを出したのは私です。土壌硬化のために土壌に適応するのに排出がないというのは不思議と、非常に単純に思った。けれど、すぐその場で反応して、他のものに変わるということだったら、そのもの自体の排出はないということになる。そういう理解でよろしいか。
- 長谷川委員:
- はい。
- 池田委員長:
- では、もとどおりに戻しておいていただきたい。
- 西原委員:
- もう一つ、コメントの7番。10頁の264の代謝だが、グリオキサールは両方ともアルデヒドである。グリオキサール酸までいくのに、アルコールを経てアルデヒドになって、片方は酸になってというのが、ややこしい。もとのままの方がむしろよいと思った。「から」でなくて「や」である。それから、構造式が間違っていると思う。
- 池田委員長:
- 先生の提案を最終的にまとめるとどうなるのか。
- 西原委員:
- 264行で、右端の「から」が「や」のままとする。グリオキシル酸の構造式が、片方がアルデヒドで、片方がカルボン酸になっていないとおかしい。
- 池田委員長:
- 多分、最初のCがO。
- 西原委員:
- Oで、OHCCOOH、グリオキサール自身は両方ともOHCで、またアルコールに戻って酸化されてということはちょっと考えにくいので、「や」でよいと思う。
- 池田委員長:
- グリオキサールはグリコール酸やグリオキシル酸で、括弧の中はOHCCOOH。グリコール酸とグリオキシル酸の式が正しいかというのはもう一遍、メールか何かで確かめておいていただきたい。
- 福島委員:
- 17頁の399の実験と415の実験。用量相関の試験をやっていてNOAELが求まっていない。1966年と古い。異常がないといっても、いろいろなデータの不足ということから考慮して、あえてNOAELをつけなかったという解釈でよいか。
- 例えば399の文面からいうと、250だけで影響が出ているが、その下では影響が出ていない。これは3カ月の試験である。その上を見ると、今度は28日、4週間の実験。飲み水とえさと違っているが、そちらではNOAELは40という。
- 一見すると、いかにも長期の方が完全に用量が高くなるという形にとれる。しかし、恐らくここで見ているのは体重の増加とか肝臓の重量とかいう変化しかない。血液生化学的な検査とかやっていないと想像する。だから、そういうことから見て、ここではあえてNOAELをとらなかったという解釈でよいか。
- 化評研:
- 原著で確認してお答えしたい。
- 福島委員:
- 一言何か書いておいた方がよいと思う。データが不足しているから、NOAELの参考にはならない等。
- 池田委員長:
- 原著論文で検査項目が不十分であったかというのを確認し、だから取り上げなかったと記載する。
- 福島委員:
- もう一点。本評価書はNOELでなく、むしろNOAELを求めるという考え方でよいか。これは全体に通じてである。
- 化評研:
- NOAELとして判断。
- 福島委員:
- NOAELといって判断するということで、了解した。
- 池田委員長:
- 生殖・発生毒性に、先ほどのコメントがあった母動物でよいかというのも、ここにも出ている。統一していただく。
- 以上、読了。
(10)メタクリル酸2,3-エポキシプロピル(原案修正対比表説明担当:化評研星野)
- 内田委員:
- 229行目の「生長(成長)阻害」となっているが、これはどういう意味なのか。一般的に、生き長らえるということで育つ方も含むので、「(成長)」を消してよいと思う。
- 化評研:
- 藻類の方では生きる方の生長で、魚類の方の14日間の試験で、まさに成る方の成長であり、両方あわせて記載した結果である。ただ、先生のご意見どおり、紛らわしいかとは思うので、どうしたらよいか。
- 内田委員:
- 240行のところで、括弧内を生かして「体重及び体長増加を指標として」とすれば、前の方の成る方を消してもよいのではないか。
- 化評研:
- 229行の方を、生長阻害の後ろに体長及び体重、繁殖みたいな形で並べて記載してしまうという理解でよろしいか。
- 内田委員:
- それの方がはっきりするじゃないかと思う。
- 池田委員長:
- 藻類の人と魚類の人では、発音は同じだけれども、文字が違う。
- 内田委員:
- 一般にも生き長らえる方で通している。
- 化評研:
- 生長と書くと生長阻害のイメージが強いので、生きる方を普通にはとると思う。その辺、紛れがないように修正する。
- 前川委員:
- 13頁の369行に鼻腔上皮の過形成というのが書いてある。ほかのところにも鼻腔上皮の過形成はとか、変性だとか書いてあるけれども、その後に呼吸上皮であるとか、嗅上皮とか、上皮の種類が書いてあるのに、ここだけは書いていない。本当に嗅上皮なのか、呼吸上皮なのか、それを確認する。
- 化評研:
- 種類を特定するということか。
- 前川委員:
- そうである。ほかに、用語だけの問題だけれども、13頁の一番上、333行、「前胃の限界縁」と書いてあるが、普通は限界縁ではなくて、「境界縁」という。
- 化評研:
- ここら辺は、恐らく厚労省の試験報告の用語をそのまま使っているので、時として、そういう問題が起こる。
- 前川委員:
- たいしたことではないが、修正をお願いする。
- 池田委員長:
- 以上本物質も読了。
(11)その他
- 池田委員長:
- 遺伝毒性の有無の判定基準に関して、今の時点で気づき、このことはチェックしておいてほしいことがあったら、伺いたい。
- 特に清水先生には、恐縮だが、3省合同のときに使っているルールと若干違うので、そのことに関してご意見があったら、お伺いしておけるとありがたい。
- 清水委員:
- 2頁の3のマニュアルの追記内容で、陽性、陽性であれば遺伝毒性あり、陰性、陰性、陰性であれば遺伝毒性なしという判断はよいと思う。ただ区分Iにあるような試験系の中でも、化学物質の構造によって非常につかまえにくい物質もある。例えばAmesでは引っかかってこないが、区分IIの染色体異常試験では陽性になるといったケースもあるので、機械的にやるのは非常に危ないという気がする。総合的評価のところに構造活性も含めた形で判断が必要だといったようなことを書き加えておいた方がよい。
- 池田委員長:
- 他の先生方からも、こういうところを考えに入れておいてほしい等があったら、ご指摘いただきたい。
- 逆に化評研から、実質的な審議は次回回しということになるが、いつまでにコメントを化評研に送ったら、考慮する機会がふえる等、ご紹介いただきたい。
- 化評研:
- コメントの締切りを1月いっぱいとさせていただく。
- 池田委員長:
- ほかに、今日の議論全部を含めて、先生方から何か特にお話しいただくことがあったら、承りたい。
その他
事務局より、次回の審議会は3月7日の開催を予定している事が伝えられた。また、池田委員長の化学物質審議会委員としての任期満了に伴い委員長を辞任するため、池田委員長よりご挨拶をいただいた。
閉会
池田委員長より、化学物質審議会管理部会・審査部会第28回安全評価管理小委員会の閉会が宣言された。
以上
最終更新日:2008年1月23日
