経済産業省
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化学物質審議会審査部会安全評価管理小委員会(第29回) 議事録

開会

前川委員長より、化学物質審議会管理部会・審査部会第29回安全評価管理小委員会の開会が表明された。

事務局挨拶

事務局より、配付資料の確認、議事内容の確認及び委員・委員以外の参加者の紹介が行われた。引き続き、事務局より、資料2に基づき、第28回委員会議事録(案)の確認がされた。

有害性評価書について(7物質)【審議】

審議に先立ち、各物質において、化評研より、資料3-0に基づき、有害性評価書に関する修正点が説明された。

(1)1,4-ジクロロ-2-ニトロベンゼン(原案修正対比表説明担当:化評研石井)

前川委員長:
まず1頁の物化特性から3頁の環境中の運命までのところで、いかがか。
藤木委員:
3頁の環境中の運命の大気中での安定性、OHラジカルの反応のところで、半減期は確かに長いとは思うが、これは文献にこうなっていたのか。
化評研:
今回修正した。
藤木委員:
文献がそうなっていれば、それを変えるわけにはいかないと思う。文献どおりに記載すべき。
化評研:
文献からの読み間違えがあり、今回の指摘が正しいので文献の通りに修正した。
藤木委員:
了解した。
前川委員長:
それでは、4頁の環境中の生物への影響、9頁の終わりまで、いかがか。
6頁の148行で、QSARから云々ということでデータの信頼性が低いと書いてある。逆にいえば、QSARのデータをかなり重要視しているということになろうかと思う。QSARそのものは、経産省が今いわゆる分解性蓄積性とかなにかの方でいろいろ検討されている。ただ、今その結果は、審議会には補足資料、参考資料というような形では出ているが、実際には審議にははっきり使っていない。ただ、これは審議というよりは、そこに表現することだからそれでもいいとは思うが、このQSARのデータ、特に環境生物、生態毒性に対してのQSARの信頼性というのがどの程度なのか全くわからないため、ひっかかり、若林先生がおられればお聞きしようと思ったが、化評研では、どういう印象でこれをまとめられたのか。
化評研:
この物質についてはかなり調査した。これはU.S.EPAのQSARで検討したのだが、もちろんすべてが予測できるわけではないが、ある物質群についてはかなりの精度で予測でき、かなり物質数も検討しており、この物質については信頼性があるということでこの記載にした。
前川委員長:
了解した。
森田室長:
こういう生態毒の評価に関しては、比較的QSARのデータも参考として使うというようなU.S.EPAとしての一つの判断があるのではないか。それを踏まえて、U.S.EPAはQSARを受け入れているという前提でこの文章は多分構成されているのではないかと思うので、もし誤解があるようであれば、U.S.EPAがそういう立場でこれを引用しているというような形に表現を変えればよいかと思う。
前川委員長:
確かに今回のこの委員会では初めてのことだと思うので、その辺のところも少し書いておいていただいた方がよいかと思う。この物質はニトロベンゼンの構造を持っているので、ある意味では構造的な上でもいろいろな相関はできるかとは思う。
大前委員:
5頁132行、引用文献が「Environment Agency Japan」、これは多分環境庁だと思うが、何カ所かあり、これは日本語に直した方がいいのではないか。
それから、環境庁のこの文献がない。後ろの方を見ると、この文献はどうも欠落しているようなので加えていただきたい。
化評研:
文献については追加させていただく。ただ表記については、大本がOECDのSIDSだったと思うが、それから引用しており、それは英語になっているため、その通りとしている。「環境庁」という記載もできるかとは思うが、一応原著に則ってここでは記載している。
前川委員長:
了解した。他によろしいか。
それでは、10頁「ヒト健康への影響」に関してはいかがか。先ほど説明があったように、特に血液系に対する影響に関して間接的なことでしか書かれてなかったデータに、はっきりとヘモグロビン値あるいはヘマトクリット値の減少であるとか、そういうようなことを書いていただいた。いかがか。
大前委員:
10頁265行、このパッチテストをやった目的は、感作性をみているのではないかと思う。そうすると、この265行で「この報告のみから皮膚に対する影響を評価することはできない」というのはちょっと違和感があり、これはアレルギー性か何か、別の言葉の方がいいのではないかと思う。
化評研:
了解した。表現を変える。
前川委員長:
よろしいか。ほかにないか。細かいことだが、13頁352行、新しく病変を追加していただいたが、雌に脾臓のヘモジデリン沈着、その後に「好酸滴」となっているが、これは表を見ると腎臓のようであり、好酸滴はもともと腎臓である。なので、前に「腎臓」を入れる。これでは脾臓の病変になってしまう。
化評研;了解した。腎臓を追加する。
前川委員長:
13頁最後に、「以上より」ということでまとめとして、特に経口投与では肝臓、腎臓、精巣に加えて血液・造血系という標的臓器を加えていただいたが、この形でよろしいか。
先ほどの発がん性のところで、最初に皆に配付した資料にはそれが載っていなかったが、公表された論文があったので、今回はそれを入れて、説明していただいた形の文に修正していただいた。そういう点で、発がん性に絡みその前の遺伝特性も含めて、特に何か質問はないか。あるいはこの物自身、精巣への影響も見られているわけだが、そういう意味で生殖発生毒性も含めて、特に何か追加するようなことがないか。
細かいことだが、19頁442行、「がん原生」の「生」の字が違っている。
化評研:
了解した。修正する。
前川委員長:
よろしいか。
以上のことを踏まえ、20頁ヒト健康への影響(まとめ)で、いかがか。特に最後のところに発がん性のデータの追加がなされているが、よろしいか。
最後のところのなお書きで、「国際機関等では(省略)評価していない。」という文章が消されている。これは評価されてないことは事実だが、先ほど説明があったように、厚労省では特に労働者向けへの喚起として告示をしている。そういうようなことも踏まえれば、「今の時点ではまだ」、あるいは「現在まではまだ評価してない」というような形でそれを加えた方がよろしいのではないか。
化評研:
了解した。ほかの物質との並びを考えて入れるようにする。
前川委員長:
そして告示をしているということも踏まえ、こういうデータはあるが、IARCその他では評価をしていないと。今までデータがなかったら評価もしてなかったのであろうが、これからいつか評価はされると思われ、「現在までのところ」とか、「現時点では」というただし書きで記載する。
大前委員:
発がんのところで、ラットの方のデータを見ると、雌は何も出てなくて雄だけが出ている。そうすると、まとめの最後のところ、あるいは発がん性の439行あたり、これは雄ということにした方がいいのではないか。
化評研:
了解した。後ほど修正する。
清水委員(鈴木代理):
遺伝毒性のところで、18頁419行「遺伝毒性の有無については明確に判断することができない。」というふうに書いてあるのが、先ほど前川委員長が言われたように、「現在のところは」というような意味合いに変えた方がよいのではないか。データがないとかそういうことに基づいた判断なので。あとは、最後のまとめの21頁までのように475行、「明確」という言葉が入っているが、「現在のところではまだ判断できません」というような形の方がよいのではないか。
前川委員長:
あるいは「データが少なく」とか。
飛騨補佐:
データは結構あるのはある。
清水委員(鈴木代理):
その前にデータはたくさんあるが、「明確に」ということは陰性か陽性かどちらかにするという意味合いが含まれるので、「現在まだ判断できない」というような意味合いの言葉の方がよいかと思う。
化評研:
了解した。「現時点では」という表現を追加する。
前川委員長:
ほかにないか。
それでは、この物質はこれで読了。

(2)アクリル酸(原案修正対比表説明担当:化評研石井)

前川委員長:
1頁から7頁の「環境中の生物への影響」の前まで、物化特性その他に関して何か追加のコメントその他はないか。
製造・輸入量が非常に多いもののように見受けられるが、生分解性は良分解ということで、高濃縮性ではないというのは推定である。良分解というのは、もう既にそういう判定が下っているということであり、よろしいか。
廃棄物として外へ出ているのが非常に多いようだが、廃棄物というのは埋め立てなどか。
長谷川委員:
これは産業廃棄物の廃油だと思う。燃焼でやっていると思う。
前川委員長:
燃焼させる。それでは、埋め立てなどはできず、外へ云々ということはないだろうということか。よろしいか。
それでは、7頁「環境中の生物への影響」から、12頁まで。特に藻類に対して非常に強い毒性を示すというデータが出されている。今日、若林先生がおられないが、特に若林先生から事前のコメントその他は出ていない。
それでは、12頁「ヒト健康への影響」、12頁生体内運命について、よろしいか。
大前委員:
確認をしていただきたいのだが、代謝の図7-1のところのアクリル酸からアクリリル-CoAになるところで、それはアクリリルそれとも、アクリルか、確認していただきたい。本文の方にも1カ所ある。
化評研:
了解した。
前川委員長:
では、それは確認していただくとして。とにかくこの頃の特徴としては、炭酸ガスとして呼気から出ていくというのが特徴のようだが、よろしいか。
そうすると、17頁疫学のデータは残念ながらないようであり、18頁の実験動物に対する毒性に関していかがか。
大前委員:
18頁398行、「マウス及びウサギで運動性刺激」というのは、少し奇妙な気がする。
化評研:
了解した。原著で確認しながら表現を考える。
前川委員長:
他にはないか。21頁のところ、先ほど「異形成」という言葉が、「呼吸上皮化生」と修正された。原語は確かに呼吸上皮化生ということなのだろうが、一般的には呼吸上皮化生というのは、呼吸上皮の例えば扁平上皮の化生、あるいは嗅上皮が呼吸上皮に変わるなど、そういうような表現をするかと思う。呼吸上皮の化生というのでは、何か意味がよくわからない。原文からはそう訳さざるを得ないのかもしれないが、毒性データの文章からはどういうようなことなのか、その辺もう一度確認していただけないか。
化評研:
了解した。
大前委員:
21頁479行目、BUNの日本語訳で、確かにBはブラッドのBだが、通常血清を使って測るので、例えば日本語は「血清尿素窒素」というのではないかと思う。
もう一点、489行目の「Bowman腺」について、Bowman嚢というのは聞いたことがあるが、Bowman腺というのは余り聞いたことがない。これはあるのだろうか。
化評研:
もう一度原著で確認する。血液尿素窒素、これは「血清」の方がよろしいか。
前川委員長:
血清である。
化評研:
了解した。では、こちらはそのように修正する。
前川委員長:
ほかにいかがか。生殖発生毒性あるいは遺伝毒性に関して。遺伝毒性も陰性、陽性ばらついてはいるが、そんなにデータが多いわけではなさそうである。in vivoはいずれもマイナスであり、現時点では遺伝毒性の有無を明確に判断することはできないということでよろしいか。
30頁から発がん性のデータが載っているが、余りはっきりとしたデータは出てないようである。それらのデータを基に、IARCの方ではグループIIIに分類をしているということである。よろしいか。
34頁ヒト健康への影響(まとめ)をもう一度お目通しをいただく。よろしいか。データを見る限りは、さしたる強い毒性ではなく、このものの持つ刺激性に起因した病変がほとんどであろうかというように思われるが、よろしいか。
では、アクリル酸も読了。

(3)ヒドロキノン(原案修正対比表説明担当:化評研星野)

前川委員長:
1頁に戻って、物化特性その他、7頁の「環境中の生物への影響」というところまで、いかがか。
内田委員:
6頁163行目、「写真工業からの汚泥などから分離」というのはちょっと言葉としておかしい。「写真工場の汚泥などから」でいいのではないか。
長谷川委員:
「写真工場」というのも少しぴんとこない。「写真工業で発生する汚泥などから分離した」という文ではいかがか。そもそもどういうふうに書かれていたのか。
化評研:
原文の記載を再確認し、今いただいた指摘も踏まえて修正する。
前川委員長:
わかりやすい日本語に直すように。
それでは、7頁「環境中の生物への影響」、次に12頁の「ヒト健康への影響」に移って、まずは14頁までの生体内運命に関していかがか。
大前委員:
13頁335行目の「ほとんどは第2相反応により抱合体に」は、「ほとんどは抱合体に解毒され、速やかに」として、「第2相反応」という言葉は要らないのではないか。
前川委員長:
「抱合体に解毒され」というのも、何か変な言い方である。抱合体として排泄され、結果として解毒ということではないか。
化評研:
では、335行目のところを、「一部はp-ベンゾキノンなどに酸化されるが、ほとんどは抱合体として速やかに尿中に排泄される。」と、それに合わせてこの章のまとめのところも修正する。
前川委員長:
18頁疫学事例についていかがか。
大前委員:
18頁急性毒性の440行、「腹部のけいれん」というのがあるが、腹筋が痙攣しているように読めてしまう。これは恐らく腸管が痙攣して強い腹痛があったという意味だと思うので、「強い腹痛」、あるいは「腸管の攣縮」の方がよい。
もう1点。19頁455行の疫学調査で、後ろの文献を見ると、これはモータリティスタディなので死亡調査である。したがって、この後半の循環器系の疾患、消化器系の障害というのは、恐らく循環器系の疾患による死亡、あるいは消化器系の疾患による死亡ということを意味しているのではないかと思うので、確認していただきたい。
それから、あえて腎がん、肝がん、白血病というふうにここでピックアップして示しているのは、何か理由があるか。本文を見るとみんなネガティブなので、「循環器障害では発がんによる過剰死亡はみられなかった」だけで済むのではないか。
化評研:
がんについて記載してある部分は、「発がんによる過剰の死亡はみられない」という表現でよいか。
前川委員長:
言葉の問題であるが、20頁486行から487行にかけて、「リンパ球からの分泌(エキソサイトーシス)」となっている。これだと、ちょっと意味がよくわからない。エキソサイトーシスとわざわざ書いてあるので、例えば海綿状の湿疹があって、そこの表皮内に例えば細胞浸潤でもあるのか。
ヒトへの影響に関しては、特に神経症状もかなり出ている。それから呼吸困難もあるし、消化管、皮膚への影響というようなことがまとめられているが、大前先生、こんなものでよろしいか。
大前委員:
はい。
前川委員長:
それでは、次に24頁からの実験動物に対する毒性ということで、いかがか。実験動物でも一応中枢神経系への影響、肝臓、腎臓あるいは消化管、それから造血系に対する影響がみられているということで、かなりヒトでの疫学事例が実験動物でも反映されているかというようには思われる。
大前委員:
30頁697行、「プロB細胞」というのはあまり聞いたことがない。リザーブの前駆細胞みたいなものか。
化評研:
確認する。
前川委員長:
29頁657行から660行までの論文の中に、「赤血球数及びヘモグロビン濃度の減少」という記載がある。そういう記載があるのはこの論文だけのようである。データを見ると、ヒトでチアノーゼみたいなものも出ているし、実験動物でも大量投与でチアノーゼというようなものが出ていることをみると、この記載が正しくて、ほかのところにむしろ出てないのがおかしいという気がする。もう一度ほかのところにもそれがあるかどうか確認していただきたい。なければ、ないで結構である。
また、30頁702行のまとめで、中枢神経系への他に「肝臓、腎臓、消化管及び造血器」となっているが、この「造血器」という表現が正しいのか。むしろ「赤血球への影響」であって、溶血を起こしてチアノーゼを起こしているのではないか。ヒトでも確かにチアノーゼが出ているようなので、恐らく赤血球への影響がメーンだろうと思う。骨髄にはそんなに影響はないという感じがするので、その辺も含めてもう一度確認をしていただきたい。
それでは、34頁の生殖・発生毒性、遺伝毒性、発がん性のところまでで、いかがか。
長谷川委員:
これは確認であるが、先ほどの原案修正対比表の中の指摘の15番に関して、表から「有意に」を取ると、先ほど説明があったが、本文833行にも同じような記載がある。ここからも「有意な」を削除するということでよろしいか。ここには残るのか。
化評研:
本文の記載通りで、「25mg以上で腎細胞腺腫の発生率の増加」とする。表の腎細胞腺腫の発生と書いてあった部分を「発生率の増加」にしたらどうかというコメントをいただいたが、そのコメントに対応するときに、表の方には「有意な増加」というふうに書き過ぎたところがあった。実際には、表の数値を見るとわかるように、25mgでは有意ではない。ただ、増加はそこから出ているという意味合いで、「25mgから発生率の増加」とした。
長谷川委員:
了解した。50mgの方はそのままということか。
化評研:
その通りである。
大前委員:
41頁822行「Some evidence」の日本語訳だが、これはほかの評価書も全て「いくつかの証拠」という形になっているか。「いくつか」というと数を数えているようで、少し変な気がする。多分以前の評価書にも「Some evidence」という言葉はあったと思うので、統一していただきたい。
同じ頁の831行「α2u-グロブリン腎症」、よく「2u」と書くが、日本語にするときは「α2-マイクログロブリン」である。
前川委員長:
先ほどの「Some evidence of」も今までのものとの整合性を含め、確認するように。
清水委員(鈴木代理):
36頁765行目と769行、チャイニーズハムスターのいわゆるCHO細胞やV79細胞という呼び方について、修正対比表の「担当者の気付いた修正」に第28回の小委員会の決定事項と書いてあるが、普通、教科書や一般にはこういう言い方をしていないので、あえて発言する。
例えば、「チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞」を修正するのに「チャイニーズハムスター卵巣線維芽CHO細胞(CHO細胞)」と書いてあるけれども、チャイニーズハムスターOvaryが2度繰り返される意味になる。ちゃんとするのであれば「チャイニーズハムスター卵巣線維芽細胞(CHO細胞)」、要するに卵巣の線維芽細胞のうちの一つのCHO細胞だという言い方にした方がいいのではないかと思う。
もう一つは、その下のチャイニーズハムスター肺線維芽細胞のうちのV79細胞、もしくは、例えばCHL細胞もそうだと思うけれども、そこで区別するという方法もあったのではないかと思う。最初に株の名前を持ってくるなら、それは固有名詞だというふうに。例えばCHL/IU細胞であれば、それは固有名詞だと思う。英語の論文などを見ると、V79細胞で通用しているし、CHO細胞でも通用している。それにどういう意味かということで、チャイニーズハムスターOvary胚胞Blastomaというふうに説明がついている論文もある。ただ、ここに載っているような書き方をしているものはほとんど見かけたことがない。直された後の方がすごく違和感があるというふうに感じた。
化評研:
前回非常に逆に悩ましかったのが、チャイニーズハムスター肺由来で、CHLとV79と両方出てきた。肺線維芽由来の細胞を全部CHLだというふうに勘違いするケースが起きて、(CHL)V79みたいに書いたことがあった。その間違いが起きないように、できるだけCHLなりV79というのがまさに固有名詞として使われるようにするにはできるだけ括弧は外した方が間違いは起きないのではないかと考え、前回の委員会ではご了承いただいた経緯がある。
清水委員(鈴木代理):
固有名詞だけで、確かに普通の人が読んだらわかりにくいのはわかる。でも、それをわからせるのだったら、やはりこのCHO細胞はチャイニーズハムスターの卵巣の線繊芽細胞由来の細胞であるということを説明するのが。
前川委員長:
委員会の決定と書いてあるけど、決定して、ずっとこれから後もそういう同じ言葉でというわけではないので、やはり不備があれば改めたいと思う。このときには何が一番いいのか清水先生あるいは鈴木先生と相談してほしい。
清水委員(鈴木代理):
了解した。
前川委員長:
44頁のヒト健康への影響(まとめ)について特にないか。
では、ヒドロキノンも読了。

(4)4-ビニル-1-シクロヘキセン(原案修正対比表説明担当:化評研清水)

前川委員長:
1頁から5頁の「環境中の生物への影響」まで、いかがか。
藤木委員:
4頁の直接光分解性のところで、確かに指摘通り増感剤の存在というのは全く直接光分解には関係ないので、これは修正する必要があるが、今までは、例えば既に審議した資料3-2のアクリル酸のところと同じ直接光分解のような表現、アクリル酸は297nm以上の光を吸収しないので云々となっている。今までこういう表現で全部来たので、それに統一する方がよい。
そして、今度は水中での安定性の非生物的分解性の最初のところに同じようなことが書いてあるけれども、ここは光増感作用がある物質が存在していてもよい。これは光分解のことをいっているのではなく、非生物分解性のことをいっているから、直接光分解ということが間違いだろうと思う。5.2.1の場合には「直接光分解」のその「直接」を取れば、あとは全部生きるのではないか。
化評研:
dの直接光分解性については、アクリル酸と同じ記載に改める。
5.2.1非生物的分解性については、108行の「直接」を取り、消したところを生かして、「直接光分解反応」を「光分解反応」と改める。
前川委員長:
それでは、8頁の7章「ヒト健康への影響」に入って、生体内運命から実験動物に対する毒性までで、いかがか。
大前委員:
13頁315行、白血球が減少して好中球が増えて、リンパ球が増えるというのは、これはどうみても矛盾である。何か記述の間違いがあるのではないかと思う。後ろの文献を見ると、ロシアの文献でNTPのデータを孫引きみたいな形で引用しているので、ここのところの解決がつかなければ、むしろここの部分は消した方がいいのではないか。
その後の色素と炭水化物の代謝異常、これもよくわからない。炭水化物の代謝異常はわかるけれども、色素の代謝障害とは何か。これも元に戻れなければ、ない方がいいかもしれないという気がする。
化評研:
疑わしければ疫学のデータを全部消すということになるので、少し考えさせていただきたい。
前川委員長:
先ほど卵巣に対する毒性が前に出ていて、その書き場所として奇異に感ずるという話があったが、一応前のところへ残すという話だった。そうすると、例えば14頁353行から始まるパラグラフのその論文では、卵巣への影響が書いてある。あとは生殖毒性のところに出てくるかと思うけど、そこのところに、例えばまとめのところに書いてあるように、「卵巣への毒性の作用は、その代謝物4-ビニルシクロヘキセンジエポキシドによる」というようなことを、1行ここに付け加えたらいかがか。初めてここで具体的な卵巣の毒性のことが出てくるが、前の方にしかメカニズムは書いてない。
化評研:
この著者はそういうことは言っていないので、中には入れられない。論文結果の記述の後に、こう考えられるとこの評価書をつくっている者が加えたことになる。
前川委員長:
「という」、「○○によれば」、あるいは「考えられる」として、その引用論文を括弧して書くというようにしてはどうか。それならもう少しすっきりすると思う。
化評研:
卵巣毒性が書いてあるところはみんな書くわけでもなく、反復毒性の最後のまとめあたりに書けばよいか。
前川委員長:
それでも結構である。生殖毒性のところでも卵巣の毒性が出てくる。というのは、最後のヒト健康へのまとめのところで、エポキサイドが関係しているという1行があるから、少なくもこの毒性のところにも、それは書いた方がいいと思う。
化評研:
了解した。
前川委員長:
それから15頁403行から始まるところで、著者は、硝子滴の蓄積あるいは嗜眠、雌での卵巣萎縮というものはこの検体投与の影響ではないと判断しているということだけれども、説明があったように腎臓の硝子滴は恐らくそうであろう。ただ、嗜眠とか雌での卵巣萎縮というのが本当にこれに起因してないという理由、それがどうもはっきりしない。データをみると、少なくもやはり何らかの形で神経系への影響が現にみられている。それから、一応先ほどの機序のところではマウスに特異的にと書いてあるけれど、卵巣への影響がみられていることも事実である。そうしたときに、影響ではないと判断したという根拠がどうも私としてはすっきりしない。文章、原著をもう一度確認してほしい。
ラットでは卵巣に対する影響はこの論文しかない。少なくもこの論文では、萎縮がみられていることは事実であるし、嗜眠というような症状も気にかかるところである。ほかの毒性試験でも神経系への影響がみられているので、これを影響ではないと即片づけるのはどうも疑問があるというのが私の意見である。原著を一度私と福島先生の方へ送って、福島先生のご意見も聞いていただきたいと思う。それで、この論文からはこの判断しかできないとなれば、それでいいし、もしもやはり影響が考えられるとすれば、著者はこう言っているけれども、この委員会ではこのように推定するとかいうように、あるいは考えるとか、いうような表現でそこを書いていただきたい。
福島委員(大林代理):
今の嗜眠ということだが、吸入チャンバーの中に動物を入れた吸入試験の最中の一般状態というのは正確性に欠ける。そういうところもあるかもしれないので、原著を送ってもらい、確認したいと思う。
前川委員長:
これは吸入暴露のデータであり、吸入暴露試験は福島先生方が専門であるので、私としてはそちらの方へ結論はバトンタッチしたい。いずれにしても論文を送ってほしい。あとは生殖発生毒性、そして遺伝毒性についていかがか。
清水委員(鈴木代理):
20頁471から472行まとめで、「しかし、実施された試験の種類と数が少なく、この物質の遺伝毒性が陰性であるとは断定できない」と、非常に強い言葉が書かれている。これは発がん性の方の分類がII群のBとなっているからかもしれないが、この場合も「この物質の遺伝毒性の有無は、現在のところ判断できない」程度にしておいた方がよろしいのではないかと思う。
前川委員長:
今日も最後に相談したい遺伝毒性の判定基準の表現に従えば、「判断できない」という表現の方が適切である。
それでは、20頁からの発がん性について、先ほど質問にあった副腎の被膜下腺腫、そこではカプスラーアデノーマ(Capsular Adenoma)となっているけれど、「被膜下」という訳にはならない。大体サブカプスラー(Subcapsular)とサブがつくのが普通であるけれども、その辺は書いてなかったか。
化評研:
サブは書いてなかった。
前川委員長:
「カプスラー」という言葉がある以上は、いわゆる副腎の皮質から起こる腺腫とは少し違う形の腺腫だろうと思う。マウスでは、むしろ皮質の腺腫の中の一つの亜形みたいな形で取り扱われているようである。この腫瘍は、もちろん自然発生でも起こるけれども、頻度としては高いものではない。性腺などを摘出すると発生率が変わるので、確かにホルモンの影響を受けて発生率が変動するということは事実のようである。これは雄でも雌でも同じである。ちょっと特殊な腫瘍というように考えたらよいと思う。ここでは少なくも卵巣に影響が出ているので、この副腎の被膜下腺腫というのは恐らく二次的なものだろうということには、私も同意する。
化評研:
「下」は取った方がよいか。
前川委員長:
いや、被膜下腺腫の方がよい。被膜下がないと、いわゆる皮質腺腫と混同されるので。
そうすると、21頁516行、「経口投与で雌に卵巣及び副腎への発がんがみられたこと」となっているが、先ほどの二次的云々というのと少し矛盾する。そこで、「卵巣の病変に伴う副腎の」を入れた方がよいかと思う。
これも表現の問題であるが、22頁525行、日本産業衛生学会では、「人間に対しおそらく発がん性があると考えられる物質である。」と、そこで切ってあり、「証拠が比較的十分でない物質。」となっているが、確かに産業衛生学会の規定ではこういう表現だろうと思われるが、ここでは文章になっているので、526行は、「考えられる物質であるが、証拠が比較的十分でない物質。」の「。」を取って、「・・・として、第2群Bに分類する。」というように文章をつなげた方が、ここではわかりやすいように思う。
化評研:
一般的にはこう切ってはあるが、指摘のようにする。
福島委員(大林代理):
22頁の発がん性試験の結果の表の下のところに#が生命表検定というふうに書かれているが、いわゆるPeto検定のことをいっているのか。
一時的にはPeto検定と、認知された時期もあるが、最近は余り使われてないのが現状である。
前川委員長:
どういう用語を「生命表検定」と訳されたか。
化評研:
Petoという表記はなかったと思うが、引用文献をみて、もう一度確認する。
大前委員:
今のところの下に0mg/kgがP=0.005というのは変な感じがするので、これも確認していただきたい。
化評研:
確認する。
前川委員長:
24頁のヒト健康への影響(まとめ)について、先ほどの「工場の作業者に」云々、最後の563行「卵巣及び副腎に発がん」というところも含めて、幾つかのところで用語の修正が加わるかもしれない。
それから541行「4-ビニル-1-シクロヘキセンの卵巣への毒性作用は、」というのがあるが、マウスでの話なので、前に「マウス」を入れるように。
化評研:
「マウスの卵巣」か。
前川委員長:
その通り。
それでは、この4-ビニル-1-シクロヘキセンも読了。

(5)メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル(原案修正対比表説明担当:化評研山根)

前川委員長:
それでは、1頁に戻り、物化特性あるいは「環境中運命」その他、6頁の「環境中の生物への影響」の前まではコメントはあるか。このものは良分解ということで、濃縮性はもちろん低いと。
内田委員:
細かいことだが5頁147行、「なお、なお」でつながっているので、一つ消した方がいい。
前川委員長:
ほかにはないか。それでは、6頁「環境中の生物への影響」、9頁それらのまとめまで、コメントはあるか。それでは、9頁の「ヒト健康への影響」ということで、生体内運命あるいは疫学事例、実験動物に対する毒性というあたり。このものが体内に吸収されると、2-(ジメチルアミノ)エタノールとメタクリル酸になるというようなこと。あるいはそれらが毒性に関係しているのだろう。12頁に反復投与毒性のまとめがあるが、よいか。
大前委員:
10頁の疫学調査及び事例のところだが、この結果は最終的にはメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチルはアレルギーを起こさないという結果か。
化評研:
事実としては、1名がアレルギーを起こしたが、頻度は低い。
大前委員:
ということは、この1名がアレルギーだとして、全部で79+46名であるから、そのくらいの数をやってたかだか1名しかこの物質に反応しなかったということは、この物質はヒトのアレルギー性に関しては、ないと言ってはいけないのかもしれないが、非常にショックは弱いという、そういう意味でここに持ってきてあるわけか。
化評研:
その判断を示してはいないが、1/79というのをどういうふうに表現していいかわからなかったため、事実をそのまま書いてある。
大前委員:
もう一点、もともとアクリル樹脂に陽性を示した人はたくさんいた。歯科で使うのはMMAだと思う。この物質は歯科では使ってないのではないか。
化評研:
実際に現場で使っているかどうかか。
大前委員:
そうである。
化評研:
それは確認していない。この試験は類似物質数十物質について行なった試験であり、メタクリル酸のこの物質に関しては1例があったということで、専門的にやった試験ではない。関連物質全てやっている。
前川委員長:
ほかにはコメントはないか。先ほどの話の続きだが、この物質は目や皮膚に対しては刺激性があるが、ヒトではどうも感作性ははっきりしない、実験動物でも感作性は認められていないと記載されている。反復投与毒性では、標的臓器は主として中枢神経系、次いで肝臓、腎臓あるいは造血系への影響であろうと記載されている。副腎の重量の増加などが書いてあるが、それは死亡するような実験条件下での副腎の重量変化であるので、恐らくストレスに伴うもので、直接的な標的臓器ではないだろうということで副腎が除かれている。よろしいか。それから、13頁の「生殖・発生毒性」だが、母性行動がみられたけれども母動物の哺育機能の障害という表現との不一致をこのように直したということである。その次、14頁に遺伝毒性試験、in vitro、in vivoのデータが幾つかあるが、結果として明確に判断することはできないということが記載されている。「発がん性」に関してはデータがないということで、16頁のヒト健康への影響(まとめ)というところをもう一度お目通しいただき、よろしいか。
では、これでメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチルも終了。

(6)m-フェニレンジアミン(原案修正対比表説明担当:化評研浦谷)

前川委員長:
1頁に戻り、物化特性、「環境中運命」、6頁の「環境中の生物への影響」の前まで、いかがか。いろいろな用途があるが、一部染毛剤の方に云々というような記載もある。この物質は、化審法上は難分解と判定されているということである。よろしいか。
6頁の「環境中の生物への影響」、これが10頁まであるが、よろしいか。
10頁7.「ヒト健康への影響」、生体内運命、疫学調査、その事例、あるいは実験動物に対する毒性というあたりで、コメントはあるか。
大前委員:
13頁の疫学調査の、347行からのソ連のデータであるが、349行「9人がアレルギー陽性反応を示した。陽性反応を示した人は膀胱内視鏡検査」云々とある。これは9人全員やったのか。全員に同じ症状が認められたという非常に確かな所見なのか、あるいは1人やったら偶然あったという所見なのか、そこで随分証拠の程度が違ってくるので、これはNを入れること。何人膀胱内視鏡検査を行なって、何人陽性だったのか。記述があれば記載すること。
同じく次の353行目からのアメリカの疫学だが、これも2人の症例が載っているが、何人中2人なのか。2人中2人なのか、1,000人中2人なのかで全然意味が違ってくるので、人数を入れてもらいたい。
それから、この2人の所見をみると、全身性硬化症という所見になっているが、それとこの著者がm-フェニレンジアミンとを結びつけた理屈、それがここには書かれていない。もし本文に書いてあれば記載すること。単にこの2人が同じものを使っていたからという理由では2人とも原因がこれだというのはちょっと粗っぽい話なので、そこのところの記述があれば、ここに加えてもらいたい。
化評研:
了解した。それぞれ文献をもう一度確認する。人数についても、わかれば記載するが、もし記載がない場合には、このままということで認めていただければと思う。
前川委員長:
よろしいか。
毒性の方はいかがか。
福島委員(大林代理):
系統名だが、21頁562行、一般的に雌を先に書いて、雄は次に書いてあってF1を使うという系統だと思うが、いわゆるBDF1というのはがん原性試験ではポピュラーではないが、私どもの研究所ではポピュラーに使っており、BDF1、系統名として表現するときはこのように書く。そこで、この評価書での系統の表記のいわゆる統一性ということでコメントしたということなので、これは非常に丁寧な書き方だが、括弧内だけの表現でも十分通用すると思う。
前川委員長:
確かに動物実験をやっているとその辺がわかるが、公開されると必ずしも専門でない方もご覧になるので、わかりやすい形で書いておけば間違いはないだろうと思う。そのF1の前に、どういう系統から来ているのかということがそれでわかるので。では、この訂正された表現で。
福島委員(大林代理):
了解した。
前川委員長:
ほかにコメントはないか。
私からなのだが、16頁443行、「本試験で、」そこでカンマが切れている。これだけを見ると、その上に「予備試験で」云々というような表現があり、その予備試験のことを指しているようにもとれないわけではない。これは予備試験に対して、あとは本試験という意味なので、そこのカンマは要らないであろう。「本試験では」ということで文章を続けていく。
化評研:
了解した。
前川委員長:
それと、463行「ヘモジデリンと色素沈着」、「と」が入っている。17頁にも同じような記載があるが、「と」となると、何かまだほかの色素があるという意味になる。これは、そのような意味ではなく恐らくヘモジデリン色素のことではないか。そうだとすれば、「と」を取っていただきたい。確認してほしい。
化評研:
了解した。確認する。
前川委員長:
それに伴い、先ほどのコメントへの対応に対する説明の中にもあったが、この物質自身、アミノベンゼンの骨格あるいはアニリンの骨格を持っている。そうなると、当然血液系への影響が考えられる。事実、幾つかの毒性でもチアノーゼなどがみられている。だが、血液系に対する影響の記載があまりなかったということで調べてもらった。そうしたところ、Sarutaという方の論文には記載があるが、それ以外のところではどうもはっきりしてないという話であった。ところが、例えば16頁434行から440行に至る論文を見ると、肝臓及び脾臓の重量の増加がみられているとあり、皮膚、肝臓、脾臓、腎臓、骨髄が暗色化したと記載されている。それから褐色色素がみられるとの記載がある。これはどうみてもチアノーゼの所見である。その辺のことが1行もこの論文に書いてないのか、確認していただきたい。
化評研:
了解した。
前川委員長:
他のところは、チアノーゼ云々を疑わせる所見がないが、この論文に関しては、少なくともその所見からみると、完全にチアノーゼを起こしていると思う。事実、チアノーゼは他の例でもあるので、構造からも当然考えられるので、ちょっとその辺は確認してもらえるか。
化評研:
了解した。ここでも確認して、血液検査の結果のような形で書かかれているかを見たが、そういうことでは記載がなく、ここにあるような症状、所見が書かれているということだけしかなかった。
前川委員長:
例えば症状でも、「貧血」というような言葉が出てくればよいのであるが。
化評研:
指摘してもらえると、そういう意味では貧血だということの症状の結果としてこのようなことがみられているのだということになるかと思うが、文献の上だと一切記載がなかったのでこのままにした。
前川委員長:
もしなければ仕方がないと思う。ただ、もう一度確認だけしていただきたい。
化評研:
もう一度確認する。
前川委員長:
それらも関係しているが、次の17頁487行に「主な標的器官は肝臓及び腎臓であり、」と書いてあるが、事実、Sarutaの実験でも血液系への影響がある論文は現にある。高濃度ではチアノーゼも起こしているので、やはりそこにも「赤血球への影響」ということも記載した方がよいかと思う。当然化学構造からみれば考えられることなので。よろしいか。
19頁生殖・発生毒性、遺伝毒性、最後に発がん性のデータがある。発がん性のデータはいろいろ書いてあるが、どうもはっきりした所見はないということで、IARCの方もグループIIIに評価している。よろしいか。
そうすると、27頁ヒト健康への影響(まとめ)をもう一度見てもらい、大前先生のコメントにもあったように、疫学調査・事例の書き方も場合によっては少し変わってくるかもわからない。
それから、そこの真ん中あたりの反復投与毒性の標的臓器の中に血液毒性も入れてもらう。
それから、非常にささいなことだが、27頁の一番下、681行で、反復投与毒性、生殖発生毒性とずっとあって、それから遺伝毒性があって、その次に発がん性に関しては、その前に「m-フェニレンジアミンの」とわざわざ入っている。それは要らないので削除すること。よろしいか。
では、これでm-フェニレンジアミンを終了とする。

(7)ヘキサメチレンジアミン(原案修正対比表説明担当:化評研金井)

前川委員長:
まず1頁から6頁の終わりまで。
藤木委員:
5頁の水中での安定性の非生物的分解性のところだが、これは、今日の資料の3-4のところと同じように合わせてもらいたい。
化評研:
4番目の4-ビニル-1-シクロヘキセンと同じように修正する。
前川委員長:
ほかにはないか。それでは、7頁「環境中の生物への影響」、11頁まで、コメントはないか。それでは、11頁7章「ヒト健康への影響」、生体内運命、疫学調査、実験動物への影響についてはいかがか。
大前委員:
11頁の生体内運命273行目、 14Cの実験があるが、これはどの位置に 14Cが入っているのかがもしわかっていれば、記載してほしい。
化評研:
原著を見て、わかれば記述する。
前川委員長:
ほかにはコメントはないか。確認だけであるが、14頁381行、「著者らはNOELを」と記載されている。本評価書ではNOAELを云々ということであるが、著者らのいうのはNOAELではなくてNOELなのか。
化評研:
NOELである。
前川委員長:
ほかにはコメントはないか。それでは、17頁生殖・発生毒性、確かに生殖毒性と発生毒性を分ける必要はないし、事実、分けられないこともあるだろう。それと同時に、さっきの説明の中にもあったように、何も生殖・発生毒性ではないが、毒性試験で著者の方が何も書いていないとしても、非常にそれが重要だと思われるデータに関しては、NOAELが論文上から読めるのであれば、「本評価書では」というようなただし書きで書くのはいいことだろうと思う。そうやってまとめたNOAELの判断が本当に正しいかどうかを、ここで審議することが重要であると思うが、今回訂正してもらったデータを見ると、確かにそう読まざるを得ないだろうと私は思うのだが、よろしいか。大林先生、よろしいか。
福島委員(大林代理):
はい。
前川委員長:
そうすると、19頁に遺伝毒性があり、発がん性のデータはないが遺伝毒性のデータがあり、遺伝毒性は判断できないという結論になっている。それらを受けて、20頁ヒト健康への影響(まとめ)が書いてあるが、よろしいか。
では、ヘキサメチレンジアミンを終了し、これにて全7物質の審議が終了とする。
また、今日は幾つかのコメントが出されたが、多少ディスカッションを必要とするものに関しては、コメントを出された先生のところへ修正の文を送って確認してもらうと同時に、単なる言葉の訂正その他に関しては、私と事務局との間で修正して最終案ということにさせていただきたいが、よろしいか。

遺伝毒性の有無の判定基準(案)について

前川委員長:
議案4、遺伝毒性の有無の判定基準(案)について、事務局から説明をいただく。
化評研:
前回審議以降の修正結果を二つ報告させていただく。一つは、作業が進み、今回、修正・変更も含み、107物質の整理結果に基づく内容とした。もう一つは「遺伝毒性あり」、あるいは「なし」、それ以外については「判断できない」といったフローを作成しているが、清水先生から、「判断できない」とした場合にも「遺伝毒性あり」とするべきケースがあるのではないか、例えば、in vitroの突然変異誘発性が陰性であっても、染色体異常で認められる場合には「遺伝毒性あり」とするべきではないかというコメントをいただいている。そこで、清水先生のご指摘を踏まえ、「判断できない」とした場合について注釈を入れた。また、整理作業の結果からも、突然変異誘発性が陰性であっても、染色体異常誘発性、in vivoで陽性の場合、「あり」と判断したケースを3例確認している。その他にも、「判断できない」としたケースにおいて、「遺伝毒性あり」あるいは「なし」とするべきケースがあるかと思うが、今回の整理作業の中では、そこまでの考察はできなかった。
したがって、「判断できない」とした場合についても、遺伝毒性の強さや化学構造を考慮し、「遺伝毒性あり」と判断することを注釈で示すのと、具体的ケースを示すことで対応したいと考えている。また、これらの検討結果については、作成マニュアルの中に、盛り込むことを提案させていただきたい。清水先生のご指摘にもあったように、今回のフローは機械的に行うための基準ではなく、後もさらに物質を評価することによって、その判断を変更する可能性もあるということも認識している。ただ、こういったフローを作成することによって、有害性評価書の中のまとめの記載の仕方とか、判断をする上で非常に有効であると考えている。修正については以上。
前川委員長:
今説明があったように、前回出されたフローチャートでは「遺伝毒性あり」「遺伝毒性なし」、それ以外のものは全て「判断できない」という範疇でフローチャートが書かれていたが、今回、特に清水先生のご意見を入れた。判断できないという点は、今の時点でも変わらないが、そこに※がついているように実際には「あり」と判断しているようなケースも今までにあった。今の時点では「判断できない」という※がついているが、先ほどの説明のように、さらにデータを重ねれば、「判断できるもの」と「判断できないもの」がさらに分かれていくということでよろしいか。
化評研:
その通り。
前川委員長:
鈴木先生、何か追加すべき点があれば発言をお願いする。
清水委員(鈴木代理):
この件について清水先生とディスカッションした。一つは化学構造式、例えば初めからエポキサイトを含むとか、水酸基を含むとかということで、ある程度発がん性を予期させるということがあれば、変異原性のデータが十分でなくても考慮しておく必要があるのではないか。
二つ目は発がん性の強さ、例えばエームス試験で非常に強い、それこそ1万個ぐらいコロニーが出たが、in vitroの染色体異常試験、in vivoの試験ではネガティブだという物質もあるかもしれない。通常だと「判断できない」というような分類になってしまうが、法律では、エームスが非常に強陽性であれば、それなりの措置をとられるというケースもある。ここでは既存物質で検討しているので、当てはめ方は違うかもしれないが。また、染色体異常でもD20を求めていて、0.1mg/mL以下の濃度で20%の異常が出た場合に、強い変異原性を示すと判断している。その数値を固定化することがいいかどうかはわからないが、ある程度考慮して、最終的にその物質の遺伝毒性があるかないかというところも踏み込んだ方がいいのではないか。
もう一つ、これは変異原性だけのデータなので何ともいえないが、こういう既存物質だと、背景に発がん性試験があるかもしれない、そういうことも含めて総合的に判断する必要もあるかもしれないと思う。
今考えられるのはこのぐらいの三つ、構造式、変異原性の強さ、背景として発がん性のあるなしが参考になるのではないかと考えている。ただ強さまで入れると、かなり複雑になっていくと考えている。いずれにしても、ケース・バイ・ケースになるのではないかというのが最終的な結論になると考える。
前川委員長:
今、説明とコメントがあったように、このフローチャートは、たかだか100足らずの化学物質での結果を一応まとめてみたということである。鈴木先生もおっしゃったように、既存物質であれば、発がん性のデータもあるだろうし、場合によったら、QSARのデータも出てくるかもわからない。それから、強さの問題がこの表の中には加味されてないが、その辺が加味されれば、より確からしさなどがはっきりしてくるのではないかと思う。もう少し検体を集めて検討していくことが必要で、化評研には引き続いてデータを蓄積していってほしい。現時点ではこのフローチャートを基に変異原性の判断をしていくということになろうかと思う。よろしいか。
それでは、これで予定された議題は全て終了。

その他

事務局より、次回の審議会は6月5日の開催を予定している事が伝えられた。

本日、資料2として前回の議事録を配布している。これについては、後ほど確認をしていただいて、特段の変更点、意見等があれば、今月中を目途に事務局の方に連絡をいただきたい。

閉会

前川委員長より、化学物質審議会管理部会・審査部会第29回安全評価管理小委員会の閉会が宣言された。

以上

 
 

最終更新日:2008年1月23日
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