経済産業省
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化学物質審議会審査部会安全評価管理小委員会(第32回) 議事録

開会

前川委員長より、化学物質審議会審査部会・管理部会第32回安全評価管理小委員会の開会が表明された。

事務局挨拶

事務局より、配付資料の確認、議事内容の確認及び委員・委員以外の参加者の紹介が行われた。引き続き、事務局より、資料2に基づき、第31回委員会議事録(案)の確認がされた。

有害性評価書について(10物質)【審議】

審議に先立ち、各物質において、化評研より、資料3-0に基づき、有害性評価書に関する修正点が説明された。

(1)セレン及びその化合物(原案修正対比表説明担当:化評研石井聡子)

前川委員長:
まず最初に戻って、物化特性から8頁の環境中の運命の前まで。
西原委員:
全体的なもので、1番目の生物濃縮性について私が出したコメントを確認する。化審法の会議では、「濃縮性がない、または低い」というふうに判定はしていない。「高濃縮性ではない」という表現である。それはまだ私はよいと思うが、下の方の推定結果に基づいて「濃縮性がない」というふうに判断しているのは、言葉の意味から言うと、BCFが1.0以下、あるいは未満である場合は「ない」というのかという気がした。しかし、そんな例はまずないような気がする。むしろ逆にBCFの推定結果に基づいて「ない、または低い」という表現の方がいいような気がする。先ほどの「BCFの値から」という値とは何かという確認をしたい。
化評研:
まず化審法の点について、先生ご指摘のとおり、最近のものについては高濃縮性かそうではないかという判定であるが、以前のものについては、NITEのホームページ等々で「濃縮性がない、または低い」というふうに発表されている。したがって、最近のものについては、高濃縮性ではないとNITEで発表されているものについてはそのように記載している。
2点目のBCFの値については、U.S.EPAの開発したソフトを使って推定している。そのソフトの結果、濃縮性がないという結果になっている。
西原委員:
ではそのソフトの名前も書いておくべきである。そのソフトの結果は推定結果ではなく、判定結果であって、その結果として「濃縮性がない」という表現を使っている。
化評研:
推定ソフトについて引用しているが、記載の不備の点はご指摘の点を踏まえて記述は変更する。
西原委員:
もう1つ、311行には「低濃縮性」という言葉が出ているが、これは統一しなくてこれでいいと思う。しかし、「ない」というのがものすごく引っかかる。特に推定結果から内容的にそこまで断言できるかどうかということ自体が引っかかる。今後そういう表現を考えていただきたい。
西村企画官:
使用したソフトの名前を明確にして、その結果、何倍と予想されたかを書いたらよいと思う。
化評研:
了解した。ソフトの名前を入れ、その値を記載しているが、ご指摘のように、その値から現状では「ない」と記載しているので、それは「低い」という方が適切であれば、その辺も含めて検討したい。
前川委員長:
それでは、8頁の環境中の運命、あるいは環境中の生物への影響まで。
若林委員:
前回、重金属が出てきたときに、例えば3価の対象物質、5価ということで整理するように指摘したことがあったが、今回、セレンの環境中、水中での動態などを見ると、これは4価と6価で存在するということになっている。整理の仕方として4価と6価という価ごとの整理の仕方をして、使用した試験物質のところに物質名を書いた方がよい。重金属全部に関して、何価であるかというのはそこのところに記載すべきだと思う。そこで、「まとめ」をみると、最後のところで、「余り差がなかった」とか、そういうことがきちんと書かれているので、よく把握されてまとめられていると思う。その方が一般の国民が見たときに見やすいのではないかと感じた。また、その単体のイオン形についても記載すること。
化評研:
前回のご指摘は十分把握していたけれども、今回は最初の6.1のところの水生生物に対する影響のところで価数を入れている。今のご指摘のように、価数ごとの整理ということでもう1度検討させていただきたい。
前川委員長:
セレンの生物濃縮性に関しては先ほどの説明でよろしいか。
若林委員:
生物濃縮性については、確かに西原先生がおっしゃるように、「ない」とは何を意味しているか、全然わからない。企画官がおっしゃったように、計算によると幾つだったと事実を述べることの方がすっきりすると思う。
前川委員長:
ささいなことだが、文章的に、8頁170行、「セレンは、6つの安定な同位元素(省略)の混合物として天然には存在する」となっているけれど、「セレンは、天然には」と、「天然」を前に持っていった方が文章としてはよい。
もう1つ、9頁333行、「これとは別に、セレノメチオニンを用いた濃縮性試験があり」となっているけれど、前にも濃縮性試験のデータが書いてあるので、これはあくまで「別の」だから、「別の濃縮性試験」と「別」を入れた方がすっきりすると思う。
それでは、23頁のヒト健康への影響について。
福島委員:
48頁の急性毒性の1055行。ラットで6700というLD50の値を再確認してほしいと質問を出した。「記述ミスでないことを確認」ということだったが、この値をなぜとったのかという意味をお聞きしたい。というのは、マウスの7.幾つが削除になっているが、吸入、静脈、いずれも33とか6ミリと非常に低い値である。要するにセレンは非常に毒性が強いとわかっているけれども、なぜ6700という方の値をとって、マウスの方を削除したのか、そこのところを聞きたい。実際にこういう記述だったとしても、この委員会ではこの値をそのままうまのみにするのはどうかと思う。
前川委員長:
私も再度見直して、どうも納得できない値である。亜セレン酸のデータなどと比べて、亜セレン酸の場合はマウスとラットとそんなに変わらないけれども、金属セレンがこれだけ変わる、本当かというのが実際の感じである。
化評研:
マウスについては、亜セレン酸と間違えていたので今回訂正した。ラットの6700は、間違いないということでこのままにしたが、もう1回確認させていただきたい。
前川委員長:
了解した。もう1度確認をお願いする。
福島委員:
50頁の1113行の「小葉中心性のび漫性微小結節性病変」、これは「漫」を平仮名にして「びまん性」というのが一般的であるので、直すように。それから、「による皮膜」の「皮」の字が違っている。「被」に直すように。
化評研:
了解した。
前川委員長:
「び漫性微小結節性病変」というのは像が浮かばない。それと、表7-6にその原語として、「微小結節性病変」として「micronnodular projection」という表現があるけれど、「n」が1つ多い。
化評研:
修正する。
西原委員:
さきほどの説明の中にもあったと思うが、マグロとかイルカがメチル水銀をたくさん持っている。ところが、毒性が出ない。亜セレン酸が共存するという説が一般的によく知られている。セレンの性質の1つとしてそういうものもあるということは大事であると思うので、どこかに入れてほしい。
前川委員長:
ささいなことだが、64頁1379行、発がん性のデータのまとめに「肝細胞がん、リンパ腫、乳腺腺がんがみられている」という記載になっているけれど、「乳腺腺がん」というのが、発がん性を記載した文章、あるいは表のどこにも出てこない。確認をして、どこかに入れるように。
化評研:
了解した。
前川委員長:
それでは、66頁のヒト健康への影響のまとめについて。
ないようなので、これでセレンに関しては読了とする。

(2)無機シアン化合物(錯塩及びシアン酸塩を除く)(原案修正対比表説明担当:化評研山根)

前川委員長:
それでは、物化特性から環境中の運命の前まで。あるいは環境中の生物への影響に関してはいかがか。
内田委員:
15頁360行、ミジンコに対する48時間LC50の0.083mgを最小値として採用しているが、前頁354行、これは「いずれも原著が入手できず、詳細は確認できない」ということになっている。今までは、こういうのは外していたのではないか、あるいは何か理由をつけて信頼できるから採用するかという一文が入っていたと思うが、どうか。
化評研:
普通は確認できないデータやあるいは信頼性のないものはまとめに入れていないので、もう1度確認して、修正すべきところは修正する。
若林委員:
シアン化合物の水生生物に対する影響であるけれど、一般的な毒物としては、この内容について私はよいと思う。ただ、私も東京都にいたときに、年に何回か魚の浮上事故があった。そのときの原因物質で、酸欠の次に多分多かったのがメッキ工場からのこの流出であった。そういうのはもし書ければどこかに1行ぐらい入っているといいという気がした。
前川委員長:
確かにこの物質は環境中への排出量も非常に多いし、ほとんどが大気だけれど、その10分の1ぐらいは公共用水域の方にも排出されるようなので、大事なことかとは思う。
化評研:
もし先生の方でそういった資料をお持ちだったらぜひ提供していただきたい。
若林委員:
都の環境局で毎年データをためているから、そのうちに何件シアンが原因というのは出ると思う。水関係の部署に聞いてみるように。
化評研:
了解した。
前川委員長:
それでは、19頁のヒト健康への影響について。
先ほど30頁837行で、「神経細胞」ではなく「神経節細胞」だというが。
福島委員:
原著には確かにganglion cellとなっているかもしれないが、少なくとも解剖学的に中枢神経系のところでganglion cellという言葉は使わない。中枢神経系なので、むしろ神経細胞としておいて、原著ではganglion cellと表記されているとした方がむしろ正しいのではないかと思う。
前川委員長:
837行を見ると、「中枢神経の神経節細胞に変性が」「特に小脳のプルキンエ細胞系に」とある。これはどう見たって神経細胞である。では、そのように一応括弧づけで修正すること。
化評研:
そのように変更する。
福島委員:
36頁の表の方も修正するように。
前川委員長:
山口先生からのコメントを含めて、化評研の方で修文その他をお願いする。
大前委員:
まとめの1158行に「甲状腺腺腫やクレチン」とあるけれども、シアンではクレチンはできるか。本文の中にクレチンのことはどこかに書いてあったか。
前川委員長:
今さっと見たが見当たらない。もう1度確認し、本文中に出ていなければ削除するように。
化評研:
承知した。確認する。
前川委員長:
47頁1190行、実験動物への反復投与のデータのまとめとして、標的臓器として心血管系、呼吸器系、中枢神経系、内分泌系と書いてあるが、34頁の1000行から1001行のところでは、そこに生殖器が入っている。確かにデータから見ても生殖器への影響があるようなので、これは加えるように。
化評研:
そのように修正する。
先ほどシアンの件で大前先生の方からクレチン病のお話があったけれども、探したら、生体内運命の分布の副作用のところ(21頁484行)に記載があったので、それを引用したということである。確かに場所的にどうかという感じがする。
大前委員:
シアンを蓄積すればこうなるのだろうけれども、クレチンまでいくか。これはシアンの評価書なので、クレチンまで書く必要があるかという気がするが。いや、このままで結構である。
化評研:
では、このままとする。
前川委員長:
では、これで無機シアン化合物は読了とする。

(3)グルタルアルデヒド(原案修正対比表説明担当:化評研石井聡子)

前川委員長:
物化特性のところから環境への影響の前まで。
このものは良分解で、水生生物への濃縮性は低いということのようだが。
化評研:
修正文案の中で「濃縮性がない」とお答えしたが、これは間違っているので、「濃縮性が低い」と訂正をお願いしたい。
先ほど何回かお答えしたけれど、具体的には記述に関して、200から203行目のグルタルアルデヒドの例では、SRCのBcfWinの計算結果3.2を引用し、「濃縮性は低い」と記述している。「濃縮性がない」という部分について、誤りがあったことをおわびする。
前川委員長:
よろしいか。
それでは、7頁、環境中の生物への影響に関して。
内田委員:
7頁225行で、NOECの表記がEC50に変わっている。表6-2の方では変更が反映していないで、「96時間NOEC」とそのまま残っている。どちらが正しいのか分からないので、統一していただきたい。
化評研:
了解した。
山口委員:
6頁174行の「1,5-ペンタンジオールの分解中間体と推定されている」とあるけれども、これは恐らく前のグルタルアルデヒドの分解物なのに、これだと分解した後のものの分解という表現になっている。これは恐らくグルタルアルデヒドの分解中間体とする方が正しいと思う。以前送ったコメントの中で「文献で確認してほしい」といったが、この結果はどうだったか。
化評研:
ご指摘の部分について再度確認して、修正すべきところは修正させていただきたい。
若林委員:
まとめのところもそうだが、「水生生物に対する試験中に、分解して試験濃度が維持できないので、注意しろ」ということがかなりしつこく書かれている。全体のバランスの話だが、測定データがないもので引用することがあると思う。そういうときに、生分解性のあるものというのは今まであったのか、そのときにこんなにしつこく書いたのかどうか。私の感覚だと、藻類などの試験ではそのまましているとこういうものは減るのは当然だと思う。BODの分解率は実測して4週間後で60%ぐらい、4割は残っている。そういう程度の物質は結構ある。これが本当に特別なものだとすればこういうふうに何度も注意しろと書くのはいいと思うが、他とのバランスをちょっと見ていただきたいと思う。
化評研:
もう少し他の物質についても確認して、バランス等を検討したいと思う。
若林委員:
実測したもので最低値をとっていなければ、その旨はどこかに書いたらよいと思う。
西原委員:
今の指摘と関連して、「環境中の生物のまとめ」で、このコメントを出したのは私であるけれども、ここにこう書いて、そのまとめの下の方でNOECを消している部分がある。これは分解するとわかったから消したのか。なぜ消したのか。測定値のあるものだけを採用するとすればまたそれでよいし、その旨を記すなら記すというふうにしてもいい。何かその辺を区別した方がいいと思う。
化評研:
削除した最初の部分では、ミジンコの繁殖試験のデータは信頼性がないと分かったので、削除した。それに関連して、この文章もない方がすっきりするであろうということで削除している。
西原委員:
先ほど大前先生が言われたEC50かNOECか、その辺もきっちりと確認するように。
化評研:
了解した。
前川委員長:
それでは、11頁のヒト健康への影響に関して。
大前委員:
対比表3番の13頁356行、一番右側のところで「指摘通り修正(原文は一分量で記載)」とあるけれども、これは一分量か。だとしたら、修正したのは私の感覚と違うという気がする。
化評研:
原著では一分量であった。
大前委員:
一分量で何を見るのか、そこのところがよく分からないので修正を求めた。一分量とすると、私が修正を求めたのは間違っているので、これは原著を1回見せてもらい、それで修正あるいは原文どおりということにしてほしいと思う。
前川委員長:
先生の方へ送って確認するように。
化評研:
了解した。
前川委員長:
それでは、18頁、実験動物に対する毒性について。
23頁の578行から583行のデータについて、値から見ると、0.049ppm以上云々は一番低い。一番低いけれど、そこにも書いてあるように、原著が入手不可能で、信頼性を確認することができないというように書かれている。その一方で0.1ppmあたりではエフェクトがあるというデータはいっぱいあるので、このデータは削除してもいいのではないかという気がする。
化評研:
そこは以前にもご指摘を受けている。これはオーストラリアの評価書、SIDS文書、OECD文書等にもデータとして載っているので、参考までに挙げさせていただきたいと思う。
前川委員長:
それでは、35頁、ヒト健康への影響のまとめについて。
西原委員:
有害性評価書なので、こういうことを書いていいかどうかわからないが、グルタルアルデヒドの場合、殺菌剤としていわゆるスポア(胞子)に一番よくきく。だから、いろんな微生物に対しての最小増殖阻害濃度、あるいは殺菌濃度という値のデータはあると思う。その辺を書くべきかどうか。いわゆる有効性の方になるが、シュードモナスは載っているけれども、他にも多分たくさんあると思う。その辺をどうするかということが気になったので、代表的なものだけでもどこかにちょっと触れておいてもいいかなと思う。
化評研:
こちらも検討させていただく。
前川委員長:
ほかにないか。では、一応これでグルタルアルデヒドは読了とする。

(4)ニトログリセリン(原案修正対比表説明担当:化評研山根)

前川委員長:
物化特性のあたりからいかがか。
環境中の生物への影響はいかがか。特に藻類に対しては非常に強い毒性があるということのようだが。
よろしければ、10頁、ヒト健康への影響ということで、このものの特徴としては、皮膚経由で吸収されると全身利用能が高いということのようで、経口投与では生物学的な利用性は非常に低いという特徴があるようだが、いかがか。では、15頁から、疫学、ヒトの事例が載っているが、いかがか。続いて、その次、23頁からの実験動物に対する毒性では、チアノーゼと運動失調を特徴とするような、特にメトヘモグロビン血症を起こすということのようである。反復投与でもやはり同じような変化が出てきているということのようである。32頁からは生殖・発生毒性が出ているが、いかがか。先ほど桶谷の論文は用量が低過ぎるのではないか云々というご説明があったがよろしいか。32頁の833行、「雄の病理組織学的検査で精巣間質の増加と精巣の萎縮」という表現になっているが、「間質の増加」というのは、ライディッヒ細胞の増加のことか。確認してほしい。
化評研:
文献で確認する。
前川委員長:
ほかの臓器と違って、精巣の場合、精巣間質の増加というような表現はしないと思う。
生殖・発生毒性のところで、桶谷の論文がかなり引用されている。先ほどの話にもあったように、用量が少し低いのではないだろうかというようなことを考えると、特に34頁の894行で「発生毒性はみられていない」というような断定する表現でいいのかということになるが。「ここで発表された論文を見る限りは」とか、何かそういう条件みたいなものをつけておいた方がいいのではないかという気がするのだが。少し論文の内容に信頼性が欠けるようなときにはそういう表現をした方がいいのかなという気がする。
化評研:
その辺りを検討して、必要であれば修正する。
前川委員長:
37頁に遺伝毒性があり、結論として「遺伝毒性を有する可能性は低いと推察される」という、今までとは違う表現になっているが、清水先生、そのあたり、いかがか。
清水委員:
その前にちょっと見落としていたのだが、38頁の表7-8の2つ目で、in vitroで、ネズミチフス菌のTA98、100、1538が1000μg/plateで、マイナス、マイナス、それから1535と1537の1000μg/plateで(+)(+)、これは同じ人がこういう結果を出している。本文中の説明と違うような気がするのだが、このEllisという人が2つの論文を出しているのか。最初見たときは気がつかなかったのだが。
化評研:
記憶は定かではないが、恐らく1つの論文の中でこのような結果が出ていたと思う。
前川委員長:
念のため確認してほしい。
化評研:
承知した。
清水委員:
この結果、表だけから見ると、このような結論かと思う。
前川委員長:
それから、39頁には発がん性のデータが載っていて、肝細胞腺腫/がんの増加が見られているということのようだが。
福島委員:
事前に指摘はしていないのだが、発がん性のところで39頁から40頁にかけての論文で、胆管線維症という記載があり、これはまた後の方で表にも出てくるのだが、ここにも書いてあるように、「腫瘍性病変ではないが」というふうに断りを入れてある。この病変というものは、悩ましいのだが、確かに腫瘍性病変ではないという形になっている。そうすると、ここのところにあえて書く必要があるかどうかということで、人によっては書くべきというような意見もあり、いや、これは腫瘍病変ではないから書かなくていいよというような人もいる。僕はどちらかというと後者の方なのだが、前川先生はそのあたりはどういうふうに判断されるか。
前川委員長:
私としては、表を見ると、この物質の胆管線維症の発生率というのは非常に高くて、ある意味ではこんなに胆管線維症を高率に起こす物質はそうそうないのではないかという気がする。私は個人的には書いておいてもいいのではないかと思う。ただ、そこにも書いてあるように、「腫瘍性病変ではないが」という断りがあるので。
福島委員:
というのは、くどいようだが、テーブルの方はあくまで腫瘍が載せてあるわけで。腫瘍の頻度が載っていて、そこに胆管線維症というのが入ってくると、このテーブルだけを見ると、これは腫瘍なのかという誤解を招かねないかということだ。これは明らかに腫瘍ではないということがはっきりしている。
前川委員長:
そのとおり。それは確かである。
福島委員:
そのあたりをどういうふうにこの評価書で表現するかというだけの問題である。
それから、ここのところの腫瘍の統計的な結果がテーブルの方には載せてないのは、原著では統計計算してなくて、これはそちらの方でされたから、ここに有意差を書かなかったということなのか。肝細胞がん/腫瘍結節のところは、これは明らかに、文中では有意となっているのだが、ここのところにはあえて星印をつけてない。
化評研:
確認しないとわからないが、もし文献に記載があれば多分表中にも表記していると思うので、これは確認して、そのような書き方にする。もし統計処理されていないのであれば、されていないということをどこかに明確にしたい。
福島委員:
それで、先ほど最初に言った胆管線維症の方は、前川先生とよく相談していただいて、どうするかを決めていただきたい。
前川委員長:
この表では腫瘍のところとは別の、その他の病変ということでまとめるのはいかがか。腫瘍結節と肝細胞がんというのは1つの表にして、胆管線維症は枠外ぐらいで。
それから、肝臓腫瘍結節という言葉が出ている。文章では、39頁の一番下982行あたりにも腫瘍結節となっている。昔は確かに、neoplastic nodule(ネオプラスチック、ノドル)という言葉を使ったのだが、それは言葉として不適切であるということで、今はむしろ腺腫という言葉になっているので、「腺腫」にして括弧して腫瘍結節とした方がよいのではないか。
福島委員:
その方がいいと思う。
前川委員長:
一般的に腫瘍結節となると、腺腫もがんも全部含めたような形になってしまい、今は使われていない。
それと、42頁、表の一番上に精巣の「間質細胞腫」となっているが、「間質」の「質」をとってほしい。「間細胞腫」である。よろしいか。
化評研:
修正する。
前川委員長:
それでは、43頁、ヒト健康への影響のまとめはいかがか。
山口委員:
43頁1040行に「しばしば吐き気を、時に嘔吐と腹痛を伴う。耐性と習慣性がある」というふうに書いてあって、文章が続くのだが、この「耐性と習慣性がある」ということがぽつんと入っていて、何も説明がないので、文脈上どういった意味があるのかよくわからない。本文の方で何か説明があったか。
前川委員長:
本文にも出ていたと思うが。
山口委員:
何か触れているか。
前川委員長:
たしか本文に触れてあったかと。
山口委員:
文脈上、何か説明がないと、ぽつんと入っている印象で、どういった意味で書いているのか、明確ではないような感じがする。前の文章で「しばしば吐き気を、時に嘔吐と腹痛を伴う」ということに対して、耐性があって、こういうことに対しては、習慣的に飲むとなれてくるという、そういう意味合いなのか。何か意味合いが不明確な感じである。
化評研:
もう少し丁寧に説明するよう修正する。
前川委員長:
今の耐性と習慣性というのは16頁の461行から462行のあたりにその辺が触れられている。確かにまとめのところの1行だけではよくわかりにくい。その辺の文章を検討していただきたい。
化評研:
承知した。そのあたり工夫する。
福島委員:
44頁の下から2行、1078行で、その前の行から、「肝細胞腺腫/がんが認められた。ニトログリセリンはラットに発がん性があると推測された」と。「認められて、判断した」ではわからないか。
前川委員長:
なるほど。
福島委員:
まずは推察が必要なのか。
前川委員長:
いや、それはいいのではないか。1078行目、認められ、カンマして、発がん性があると推測されたということで記載したまでかと。
福島委員:
いや、「判断した」。あるいは「ある」でもいいと思う。
前川委員長:
「ある」。このデータからは明らかに。
福島委員:
明らかではないのかということである。
前川委員長:
少なくとも肝臓には発がん性がある。
福島委員:
いかがか。
化評研:
もう1度お願いしたい。通して言うと。
前川委員長:
「推察された」ではなくて、もう、「ある」と言っていいのではないかということである。
化評研:
「推察」を「判断」という言葉に置きかえるということか。
福島委員:
いや、その辺り、どういうふうにお考えかと。
前川委員長:
恐らく国際機関で評価されていないからそう言われたのではないかと思うのだが。
福島委員:
データから言うと、明らかにこれは発がん性があると僕は判断する。この委員会でそれをあくまで「推察」とするのか、「判断」と言うのかということだが、僕は「判断」でいいのではないかという意味である。
前川委員長:
私もそう思う。「判断」でよいかと。
化評研:
それでは、「判断」にさせていただく。
前川委員長:
しかし、国際機関などではまだ評価していないということである。よろしいか。一応これでニトログリセリンも読了。

(5)メタクリル酸n-ブチル(原案修正対比表説明担当:化評研石井かおり)

前川委員長:
では、その次、メタクリル酸n-ブチルについて。1頁からの物化特性から。
このものは非常に製造、輸入量が多い。そして、良分解であり、濃縮性は低い物質のようである。5頁の157行のところ、pH7では半減期が81年となっている。これは本当なのか。pH8では8.1年だが、81年というのは、ちょっと信じられないような気がするのだが。
化評研:
この値について確認して、81年で値自体に間違いはないのだが、ここにこのような形で記載すべきかどうかご指摘をいただければ、文章自体は修文させていただきたい。
前川委員長:
その辺はいかがか。
西原委員:
計算上ということだと思う。
化評研:
ご指摘のとおり、これは計算上の値である。
前川委員長:
たしかであるならいいのだが。
吉田委員:
普通、加水分解というのは、アルカリ加水分解と酸加水分解というのがあって、ここはアルカリ加水分解のみの計算結果なので、pHが1つ下がると10倍になる。酸で加水分解する可能性もあるので、pH7あたりという両方が弱いけれども寄与するようなところというのはちょっと書き方に注意された方がいいかと思う。
前川委員長:
その辺り、ご検討いただきたい。
化評研:
指摘を踏まえて検討させていただく。
前川委員長:
それでは、環境中の生物への影響、あるいは環境中の運命、そのあたりはいかがか。
それから、10頁、ヒト健康への影響。今までのものと比べて少しデータそのものはそんなに多くはないようだが。刺激性のある物質であるということである。ヒトではアレルギー性の病変を起こすということのようだが、動物を用いた実験では、アレルギー感作性はむしろマイナスのデータの方が多いようだ。それから、14頁、実験動物で反復投与毒性のデータが載っている。これは先ほどもあったように、吸入暴露では標的臓器は脾臓だけということのようで、骨髄とかその他のリンパ腺などには影響はないということのようである。どうもよくわからないような話ではあるが、書いてない以上、これ以上の書きようがないかと思う。遺伝毒性は示さないと判断する。発がん性に関しては、データがなく、もちろん国際機関でも評価をしていないという結論だが、いかがか。続いて、18頁からのヒト健康への影響へのまとめに関してはいかがか。よろしければ、メタクリル酸n-ブチルに関しても読了ということにさせていただく。

(6)ブロモメタン(別名臭化メチル)(原案修正対比表説明担当:化評研石井聡子)

前川委員長:
それでは、ブロモメタンについて。物化特性のところからいかがか。このものは特にオゾン層破壊物質に指定されたので、生産量とかも少しずつ減ってはいくものとは思うが、しかし、まだ今の時点では膨大な量が大気の方へ排出されているということのようである。このもの自身は難分解性であり、濃縮性は低い、あるいはない。
藤木委員:
環境中運命の次の頁になる。7頁のdの直接光分解のところで、最後に「上層の成層圏大気中に拡散すると」以下のところは、今まではこういう性格のものであっても記載しなかったと思うのだが、ここは要らないのではないか。
化評研:
ここの部分の記述については、先生が御指摘のとおりである。すなわちこの部分は、ほかのものについては記述していない。ただ、ここに原案として記述したのは、オゾン層保護法に引っかかっているオゾン層破壊物質ということで、この物質については成層圏大気中での話も簡単ではあるが、記述したということである。
藤木委員:
ここで入れると、今まで既につくっていたものでもこれと同じような例があるので、さかのぼると大変なことになるから、むしろ削除した方がよろしいかと思って発言した。
化評研:
承知した。ほかのものとあわせてこの部分については削除させていただく。
前川委員長:
環境中の生物への影響に関してはよろしいか。
13頁、ヒト健康への影響ということで、肺とか消化管からこのものは速やかに吸収されるということのようである。17頁からは疫学調査、ヒトへの影響が載っていて、一言で言えば神経系に対する影響ということかと、それも中枢及び抹消の両方である。それから、21頁からは実験動物に対する影響が載っていて、やはりこちらの方も神経系に対する影響は確かに実験動物でも出ているということである。それ以外にもいろんな臓器に影響が実験動物では出ているようだが、いかがか。28頁には生殖・発生毒性、30頁には遺伝毒性。遺伝毒性の結論としては、31頁の792行にあるように、「遺伝毒性を示すと判断する」という結論である。
発がん性に関しては、出されたデータからは発がん性は認められていないし、IARCの方もグループ3に分類をしているということである。
37頁にヒト健康への影響へのまとめが出ているが、よろしいか。
それでは、一応これでブロモメタンも読了ということにさせていただく。

(7)2,6-キシレノール(原案修正対比表説明担当:化評研浦谷)

前川委員長:
それでは、次はキシレノール。このものは2つ前のものと同じように、データとしては今までのものよりデータが少ないために評価も限られるかと思うが、それでは、物化特性からいかが。
山口委員:
4頁111行からの文章で、「クレオソート油中の2,6-キシレノールが木材防腐剤等として使用されることで」という記載があるが、これは「2,6-キシレノールを含むクレオソート油は木材防腐剤等として使用されることで」ということが正しく、前の3頁73行に情報として「クレオソート油中に0.4%以下の2,6-キシレノールが含まれる」ということで、これが防腐剤として使われているので、キシレノールが防腐剤として使われるのではなくて、クレオソート油が使われるというように、この表現は直した方がいいと思う。同じように、5頁139行も同じように直した方がよろしいかと思う。
前川委員長:
よろしいか。
NITE:
了解した。
前川委員長:
ほかにはいかがか。これは第三種監視化学物質になっている。
若林委員:
この物質はフェノールである。両側に置換基があるので、裸のものに比べればそれほどではないのかもしれないが、pHの影響をすごく受ける。藻類は培地でやるので特段問題ないと思うが、これで見ると、魚類はpHが測定されているものを数値として選んでいるが、ミジンコの場合にはLC50が11.2というのはpHがNDになっているので、どうなのかと思う。その上をとった方がいいのか、そうではなかったらpHは測定されていないがということをきちんと断っておく必要があるのではないかと思う。それからもう1つ、魚類に対して出ている数値について、これは確かに確定値ではないけど、27mg/L以上ということで、多分この条件でいくと結構しっかりした試験だと思うので、例えばGHS区分は3、あるいは区分なし、それ以上というのか、よくわからないが、それは書いておいた方がよいのではないかと思う。わからないではなくて、毒性はある程度弱いということははっきりする結果だと思う。
化評研:
ただいまの御指摘、ミジンコについてはもう1度原著を確認して、pH等、もしあればそれを記載するし、なければまた検討したいと思う。魚類のGHS区分も、記載しにくいのだが、検討したいと思う。
前川委員長:
ほかによろしいか。
大前委員:
2頁の物化性状のところで、これはどなたかに教えていただきたいのだが、47行目に爆発限界が1.04vol%とある。これは融点が49℃で、外観が固体なのだが、これは粉じん爆発ということなのか。
前川委員長:
いかがか。
化評研:
先生の御指摘のとおり、粉じん爆発になる。この書き方がそういう意味では通常のガス蒸気の爆発限界と区別がつかないので、注意書き等で、粉じん爆発がわかるように記述させていただく。
山口委員:
確認した方がいいと思うのだが。
化評研:
当然粉じん爆発かどうかを含めて確認した上で対応する。粉じん爆発でなければこの記述自体削除させていただく。
前川委員長:
承知した。それでは、その辺りも含めて、まずは確認をお願いする。ほかにはいかがか。
では、10頁、ヒト健康への影響に関してはいかがか。フェノールと類似の毒性、いわば刺激性が非常に強いということのようだが、ヒトでも実験動物でも同じような変化が出ている。よろしいか。11頁からは実験動物に対する毒性である。ただ、動物での実験の場合、報告数も少ないのだが、記載が不十分等の理由で、内容が必ずしも信頼性に乏しいということで、この評価書としては一応のNOAELに設定しないということである。確かにデータが不十分であれば設定は難しいとは思う。いかがか。それから、遺伝毒性に関してもデータが非常に少ないということで、有無を判断できないということである。発がん性のデータも余りしっかりしたものはないし、国際機関でも評価していないということのようであるが、よろしいか。
では、14頁、ヒト健康への影響のまとめが出ているが。これも先ほどからの続きでデータが非常に乏しいために、ほかの評価書に比べれば少し書き方も短くなっている。よろしいか。
福島委員:
遺伝毒性の判断だが、例えば13頁399行からだが、少数のin vitro試験では陰性で、in vivoでの試験データがないために、遺伝毒性の有無は判断できない、と、こういう書き方は一般的なのか。In vitro試験では陰性であったが、invivoでの試験データはない、そこでは切ってはいけないのか。あくまでin vivoのデータがない以上、遺伝毒性の有無は判断できないというふうにやるべきのか。その辺り、どういう判断をしたらいいか。
清水委員:
これは今まではどういう書きぶりだったか。確かずっとこのような書き方だったと思う。
福島委員:
はい。
前川委員長:
では、よろしいか。
大前委員:
今まとめのところを見て気がついたのだが、11頁の327行目、「胃の循環血液量の過多」というのは、これはどういうことを意味しているのか。「胃の循環血液量」というのはあまり聞かないが。
化評研:
この点については確認する。
前川委員長:
私も気がつかなかった。確認をよろしくお願いする。
まとめも含めてほかにはよろしいか。一応これで2,6-キシレノールも読了とする。

(8)メタクリロニトリル(原案修正対比表説明担当:化評研浦谷)

前川委員長:
それでは、メタクリロニトリルについて。物化特性のあたりから、ヒト健康への影響の前までいかがか。
西村企画官:
2頁の「国内供給量」という表現についてはNITEのクリップを見ておられると思われるが、「製造輸入量」という表現ではないかと思うので、確認をお願いしたい。ほかの物質については「製造輸入量」という表現がほとんどになっている。この物質ともう1つ、グルタルアルデヒドが「国内供給量」との表現なので、整合性をとっていただきたい。整合性というか、原文に忠実にお願いできればと思う。NITEの製造輸入量のデータは多分経済省の生産実態調査からきていると思うので、それであれば出所はNITEではなくて経済省だと思う。
NITE:
確認し、処理する。
前川委員長:
よろしいか。4頁117行では、公共用水域への排出はないと。121行のところでは化学工業からの大気及び公共用水域への排出という、一見矛盾しているような形だが、上の方はよく見ると製造の段階での排出はないということである。下の方は使用の段階での排出ということである。ぱっと見ると矛盾しているような感じがする。何か区別ができるように、文章を修正していただきたい。
NITE:
わかりやすく修正する。
前川委員長:
検討すること。
それから、このものは良分解で、水生生物への濃縮性は低い。環境中の生物への影響もそんなに強い毒性ではないというような感じである。
次は、9頁、ヒト健康への影響に関しましてはいかがか。吸収、排泄、代謝、その他のデータが出ているが、このものが入ると、チオシアン酸イオンが検出されるということである。いかがか。
20頁からは実験動物への影響が出ている。神経系にも影響するし消化管にも影響するし云々ということだが、非常におもしろいのは、吸入毒性ならわかるけれど経口投与でもメインの標的臓器の1つに鼻粘膜があるということである。それが非常に珍しいというか、ただ、生体内運命での吸収とか分布のデータからはこの鼻粘膜というのがよくわからない。けれど、1つだけのデータではなくて幾つかのデータで鼻粘膜に影響が出ているようなので、間違いはないだろうと思うのだが。
福島委員:
22頁528行で、細かいことで確認だけお願いしたい。20匹中1匹だけ「胃重量の増加がみられた」とあるが、普通、胃の重量は測らない。
前川委員長:
確かに測らない。
福島委員:
これは腎重量ではないかという気がする。確認していただきたい。
化評研:
了解した。確認する。
前川委員長:
神経系以外にもこのものとしては貧血を起こす。溶血性貧血を起こすというようなことが書かれてあるが、よろしいか。
24頁のまとめのところでも主な標的臓器は、肝臓、鼻腔粘膜及び中枢神経系であるということのようだが、よろしいか。
27頁には生殖・発生毒性ということである。精子数が減少するというような、そんなに強いものではなさそうだが、そのような変化は出ているということのようである。
それから、30頁には遺伝毒性データが載っていて、ある論文の著者は染色体異常誘発性を有するというような報告もあるけれども、結論的には、31頁にあるように、メタクリロニトリルは遺伝毒性を有しないと判断するという結論になっているが、よろしいか。
32頁には発がん性のデータが載っている。先ほどもあったように、マウスのデータは少し用量も低いこともあるだろうけれど、発がん性は認められていない。
福島委員:
発がん性だが、32頁のマウスのところで、これが用量不足の可能性ということである。ただ、この文章からすると、なぜ用量不足かということが読み取れないものだから、ここのところに体重増加の抑制を調べていただいて、体重増加の抑制がないということを一文入れてもらいたいと思う。そうすると、用量不足だということがはっきりするので、その点、お願いしたい。
前川委員長:
確かにおっしゃるとおりかと思う。では、その辺は確認の上、ある、なしを入れること。
化評研:
了解した。
福島委員:
もし体重抑制がなかったら用量不足とは言えなくなってしまう。
前川委員長:
そのとおりである。
福島委員:
そうすると、「判断できない」ではなくて、むしろ発がん性はないという結論になる。
化評研:
了解した。そこはもう1度確認した上でまとめたい。
前川委員長:
33頁から34頁のヒト健康への影響のまとめはいかがか。
例えば34頁813行では主な標的器官・組織は、肝臓、鼻腔の粘膜及び中枢神経系というような記載である。確かにそうだと思うが、その2行上には生殖器への影響のことも触れているし、貧血のこともある。その辺はいかがか。「主な」となって、そうなのかなと思う。だけど、貧血のデータなども何も1つだけではなく幾つかあった。やっぱり加えておいた方がいいのではないか。生殖器への影響は確かに軽い変化で、精巣上体の精子の数が減ったぐらいだったかと思う。これはいいが、少なくとも貧血に関しては書いた方がいいのではないかと思うが。御検討いただきたい。
化評研:
その場合だと、例えば標的器官についてはどのように書いたらよろしいか。血液系か。
前川委員長:
血液系ということである。
化評研:
了解した。
福島委員:
前もって確認をしていただければよかったのだが、ラットで、経口投与で鼻腔の嗅上皮の萎縮変化が見られるということである。ところが、吸入試験の方では見られていない。
福島委員:
非常に不思議である。経口で見られて、なぜ吸入で認められないかということである。そのところ、もう1度確認をお願いしたいと思う。
化評研:
了解した。
前川委員長:
確かにその通りである。そういう意味では非常に奇異である。
化評研:
いろいろ調べたところ文献の中でそういうことは記載はされてはいるのだが、やはり今御指摘があったように、総合的に考えたらどうかということでは見落としたと思うので、もう1度そこは確認したいと思う。
西原委員:
12頁の図7-1、代謝経路図について。左の一番下、二酸化炭素と酢酸がデオキシウリジン異性体になるというふうになっているのだが、本当か。
化評研:
文献の上ではそのように書いてある。これもラベルされているのを見ており、それがこのデオキシウリジンの異性体というのだろうか、入っているというところである。
西原委員:
でも、ちょっと考えにくい。「(Ghanayem and Burka,1996)より作成」となっているから、削っておいてもいいかと思った。そのまま引用というのだったらまた違うけれど。
化評研:
もう1度原著を確認して、やはりない方がいいということとなったらそうしたいと思う。
前川委員長:
ほかにはないか。
若林委員:
先ほどの対比表7番の39頁の引用文献の話である。「須永ら」ということでやられるのはいいと思うが、私が引用文献の39頁のところで何とか報告でたどり着けるのかというのが不安になった。例えば報告書で、括弧して、厚生労働省とか何か書いておかないと、よく御存じの、周辺の先生方は(引用文献に)たどり着けても、私なんかたどり着けないと思ったので、その辺、御配慮をお願いしたい。
化評研:
その場合だと、「化学物質毒性試験報告」ということだけではわかりにくいということか。
若林委員:
これだけでは、厚生労働省とか、括弧して書いてあれば別だが。
化評研:
了解した。
前川委員長:
今のことに関しては、著者名を出すということでよろしいか、ほかの先生方。ただ、今、おっしゃっていたように、たどり着けなければぐあいが悪いわけだから、やっぱりその辺のところはもう少しきちんと書いていただくことが必要であると思う。特に各省庁で出しているものに関してはやっぱり省庁名が入った方がわかりやすいかと思う。よろしいか。
化評研:
そこは工夫させていただきたいと思う。
前川委員長:
では、これではメタクリロニトリルも読了。

(9)りん酸トリ-n-ブチル(原案修正対比表説明担当:化評研奈良)

前川委員長:
それでは、りん酸トリ-n-ブチル。
8物化特性からヒト健康への影響の前までいかがか。難分解であり、濃縮性はない、または低いということである。
環境中の生物への影響は、藻類とか甲殻類、魚類、すべての動物に関して有害性区分でIIということだから、強いということか。よろしいか。
それでは、12頁、ヒト健康への影響に関しましてはいかがか。疫学事例はほとんどないようだが、16頁からは実験動物での毒性のデータが出ている。このものも非常に刺激性を有する物質ということであるが、いかがか。先ほどもあったように、肝臓、腎臓、膀胱というようなところに標的性を持っている。それから、神経系への影響も認められているということである。よろしいか。
大前委員:
20頁493行、「コリンエステラーゼの減少に示唆される神経系への影響」について、これはコリンエステラーゼ活性の低下ということか。量が減っているわけではないか。ひょっとしたらほかのところにもあるかもしれない。
化評研:
何カ所かに出てくるので、原文をもう1度確認する。
前川委員長:
これも確認していただきたいのだが、18頁412から415行、Mitomoという方のマウスでの毒性試験と、19頁457から460行、やはり同じ著者の、これはラットの実験について、用量のところで、ppmまでは、括弧してmg/kgで用量が書いてあるが、それが違うだけで、それ以外の所見、その他は全く一緒である。本当にそうなのかどうかを確認すること。
化評研:
了解した。
前川委員長:
恐らくmg/kgであらわしたマウスとラットのデータは違うので、恐らく間違いないのだろうとは思うが。現われた変化からすべて一緒のようなので、確認さえしていただければ結構である。
化評研:
了解した。
前川委員長:
ほかにはないか。
大前委員:
今のところについて、対比表だと4番と88番のところ、「用量に相関した」ということだが、「相関」という言葉はこの場合は使わない方がいいと思う。dose-dependentだから「用量に依存した」である。それから、大体この評価書を書く場合はおおむね原因と結果が明らかな話をずっとしているので、「相関」という言葉はまず使うことはないと思う。ほかの評価書も全部含めてであるけれど。
化評研:
修正する。
前川委員長:
ほかにはないか。それでは、その後、生殖・発生毒性、遺伝毒性、発がん性に関してはいかがか。
遺伝毒性は、遺伝毒性を示さないと判断されている。発がん性に関しては、ラットで膀胱の資料が出ているけれども、国際機関としては評価していないということのようである。
福島委員:
膀胱を標的として発がん性は認められているのだけれども、この評価書の書き方を確認したい。まず発がん性をありということを言う。ただ、この場合には、遺伝毒性が陰性であるということから、がんを指標としたNOAELは700ppmというふうに求めているのだけれど、非遺伝毒性の発がん物質の場合に、今まではこういうような書き方をいつもしているのか。あえてNOAELを求めるというような、そこまでは踏み込んだ評価を今までこの評価書の場合しているかどうかということである。
化評研:
いつもしているかと言われるとわからないが、過去にした物質はある。
福島委員:
その点をどうするかということだと思う。一般には発がん性はありという形にして、そして、あと、確かに管理、マネジメントに入ってくると、こういう場合にNOAELを求めて、量的なものを判断するのだが、それをここの委員会でするのか、あるいはこの委員会ではあくまで発がん性ありという形にとどめていくのかである。
前川委員長:
私も個人的にはNOEL、NOAELの判定は、反復投与毒性試験のデータがなければいたし方ないのかと思う。それも遺伝毒性がないとすればである。今回は遺伝毒性試験がたくさんあるので、何も付記する必要はないかと思う。
福島委員:
あえてNOAELを求めなくてもいいのではないかという気がする。非常に誤解を招く気がする。ただ、以前に対応した物質との整合性の問題が出てくる。
化評研:
本物質に関しては、国際機関等でもまだ発がん性を評価していないこともあり、発がん性があるとあえて書かなかった。
福島委員:
評価していないという意味は、この物質がまだその対象になっていないのか。
化評研:
その通りである。
福島委員:
だから、我々としては発がん性があるということをまず言うべきだと思う。発がん性があるというだけにしておけば僕はいいと思う。あえて、700ppmをNOAELとする必要はないと思う。前川先生もおっしゃったように、ほかにNOAELを求める材料はいっぱいあるので。
前川委員長:
特に19頁466行を見てみると、NOAELは200ppmとなっているから、これより低い評価をNOAELとしては判断しているわけだから、今の指標のところは消しておいていいのではないか。
化評研:
削除する。
前川委員長:
ほかによろしいか。それでは、28頁の健康への影響のまとめとしてはいかがか。よろしいか。
森田室長:
確認だが、29頁のNOAELの記述も削除ということでよいか。
前川委員長:
その通りである。ここも削除すること。
化評研:
あわせて削除する。
前川委員長:
よろしいか。では、これでりん酸トリ-n-ブチルも読了。

(10)2-(ジエチルアミノ)エタノール(原案修正対比表説明担当:化評研石井かおり)

前川委員長:
では、2-(ジエチルアミノ)エタノールについて。
物化特性から始まってヒト健康への影響の前まではいかがか。
このものは難分解であり、濃縮性がない、または低いという物質である。
環境中の生物への影響もそんなに強いものではないようである。よろしいか。
では、10頁、ヒト健康への影響、特に生体内運命が大幅に修正されているが、よろしいか。速やかに吸収されて、肝臓に特に分布をするということのようである。12頁から疫学調査、その次に実験動物への影響が出ているが、すべて刺激性である。特に腐食性のある物質で、そのための影響がヒト、あるいは実験動物で出ているということのようであるが、よろしいか。
15頁からは実験動物への反復投与毒性のデータがある。ただ、444行目のまとめにも書いてあるように、特に経口投与毒性ではデータの信頼性に問題があるとのことである。NOAELを設定することができなかったというように結論されているが、いかがか。
確認をしていただきたいのだが、16頁429行で、56ppmで、鼻甲介粘膜の炎症細胞浸潤及び扁平上皮化生があると書いてあるが、この56ppmというのは中濃度である。最高用量の301ppmのところではそれはなかったのか。鼻粘膜のことが書いてないが、あるはずである。例えば56ppm以上ということではないか。高用量に出なくて、中用量だけで出るというのは考えられないので、確認すること。
化評研:
原文を再度確認する。
前川委員長:
ほかにはないか。
17頁から生殖・発生毒性、遺伝毒性、発がん性と続くが、いかがか。特に遺伝毒性に関してはデータが少ないのだけれど、得られたデータはすべて陰性ということで、この時点では遺伝毒性は示さないと判断するという結論になっているが。
西原委員:
先ほどの、12頁の計算間違いというのは、よく考えたら、35人で、5人が何も症状が出なかったのではないか。35人でやるとこの計算になる。40人中、症状が出たのが35人で、ここに書いてあるのは35人の内訳で。よって、出た症状の人についてパーセントを計算すればこのような計算になるということではないか。
化評研:
もう1度原文を確認する。
前川委員長:
場合によってはまた修文をお願いしたい。
福島委員:
19頁にラットの発がん性がある。501行で「この試験では使用動物数が少なく、また最高用量も低い等」と書いてあるけれども、一般的に見ると10000ppmというのは結構高い。ただ、エタノールというのはどれだけの毒性があるか知らないけれども、それからすると低いのかなと思ったりする。それで、最高用量も低いのだったら、その根拠が要る。先ほど言ったように、やはり一番目印になるのは体重の変化である。だから、体重の変化がないということを確認しないと、最高用量も低いということは言えないと思う。体重変化がなかったらば最高用量も低いという理由がつけられるけれども、もし下がっていたのだったら、これは削除していただきたい。
それから、35匹ということだから、「使用動物数が少ない」というのは、非常に微妙なところである。これは結構だと思う。
504行は何のことを言っているのか。「この他2-(ジエチルアミノ)エタノールの投与による腫瘍の発生は認められていない」という意味は、実験はこの1つしかないわけか。
化評研:
その通りである。
福島委員:
では必要ないのではないかという気がする。
化評研:
それでは、削除する。
福島委員:
(用量について)反復投与毒性の15頁412行のラットのデータが、同じものである。
前川委員長:
精巣への影響は出ているけれど、全身影響は見られないというような感じである。だから、必ずしも低いわけではない。
福島委員:
1000ppmを試験期間中、一時的に10000ppmに上げているのか。そうすると、さっきの19頁のところも10000ppmと書けない。
前川委員長:
その通り。
福島委員:
むしろ1000と書いておいて、一時的に10000である。
化評研:
反復と同じ書き方をすればよいか。
福島委員:
でないと、おかしい。低いことは低過ぎるようだ。全身影響が認められないということは恐らく体重も抑制もないということか。
前川委員長:
恐らくそうだと思う。
福島委員:
もう1度確認だけお願いしたい。
化評研:
体重の変化について確認させていただく。
前川委員長:
それでは、20頁、ヒト健康への影響のまとめも含めていかがか。
大前委員:
所見が強アルカリ性に起因する刺激性変化であるという記述があるが、これはpHはどこかに書いてあるか。
前川委員長:
書いていないだろうか。強アルカリ云々という文章は後から加わったのだが、本当にそうなのかどうか、ちょっと確認していただけるか。
西原委員:
構造からは言える。どこから強と言うかというのがあって、濃度とも関係する。
前川委員長:
その辺はちょっと確認していただきたい。
化評研:
強アルカリ性であるかどうか、再度確認する。
前川委員長:
刺激性も出ているしそういうものだろうとは思うのだが。よろしいか。
福島委員:
同じく20頁540行の発がん性の書き方だけれども、もう少し限定した書き方にしてもらいたいと思う。ラットだけでしかもどうも非常にあいまいな結果である。だから、ここで認められていないとなるとちょっと語弊が出ると思うので、もう少し限定した書き方にすること。
前川委員長:
よろしいか。
化評研:
修文する。
西原委員:
それから、その下の「国際機関等では発がん性を評価していない」という文章、今までもずっと出てきているが、この場合、認められていない方だとまだいいのだけれど。未評価であるというような表現にした方がわかりやすいのかなと思う。
前川委員長:
確かに今まではこれでやってきた。
化評研:
「未評価である」とすることについて、今後の検討課題とする。
西原委員:
まだ評価されていないか、評価物質ではないとか。
前川委員長:
よろしいか。
若林委員:
今アルカリ性になるということが議論されたので、私は水生生物の毒性のところがまた気になって、ちょっと戻ったのだが、pHを測ってないのもあるし、88頁の一番下のところで、LC50が147で、pHが8.0から10.8。もうちょっと濃度が高くなると10.8になる。それで別にpHが変わったことも含めて毒性だという考え方があるので、それは一向に構わないが、どこかに記述しておいた方がいいかもしれない。この物質はpH調整しないと、塩基性になるという、その影響を測っている試験もあるだろうという、どう書くはお任せする。
前川委員長:
pHを中和した試験では毒性は弱いけれど、調整しない試験域では非常に強いということが書いてある。
若林委員:
記述があるのか。
前川委員長:
232行から233行にある。
若林委員:
まとめのところに同じような文章が、pHの影響について一言触れていただければ結構である。
前川委員長:
よろしいか。
化評研:
了解した。
前川委員長:
ほかにはないか。
では、これも含めて、今まで終わったものも含めてすべて追加されるようなことはないか。
それでは、これで2-(ジエチルアミノ)エタノールも読了。

その他

事務局より、次回の審議会は平成20年3月中の開催を予定している事が伝えられた。

閉会

前川委員長より、化学物質審議会審査部会・管理部会第32回安全評価管理小委員会の閉会が宣言された。

以上

 
 
最終更新日:2008年3月12日
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