経済産業省
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化学物質審議会管理部会・審査部会安全評価管理小委員会(第33回)-議事録

日時:平成20年3月12日(水)13:30~17:30
場所:経済産業省本館7階西1共用会議室

出席者(敬称略)

委員:
前川 昭彦(独立行政法人製品評価技術基盤機構技術顧問)、内田 直行(日本大学生物資源科学部教授)、大前 和幸(慶応義塾大学医学部教授)、清水  英佑(東京慈恵会医科大学名誉教授)、福島 昭治(中央労働災害防止協会日本バイオアッセイ研究センター所長)、藤木 素士(熊本県環境センター館長)、山口 広美(社団法人日本化学工業協会環境安全部部長)

事務局:
経済産業省製造産業局化学物質管理課化学物質安全室長 森田、課長補佐 飛騨 他2名

評価書作成者:
(財)化学物質評価研究機構安全性評価技術研究所13名、住化テクノサービス(株)3名

オブザーバー:
(独)製品評価技術基盤機構5名

その他:
 14名

議事次第

  1. 事務局挨拶
  2. 有害性評価書について(8物質)  
    1. ほう素及びその化合物
    2. アンチモン及びその化合物
    3. ピロカテコール(別名カテコール)
    4. 1,3,5-トリス(2,3-エポキシプロピル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン
    5. 2-イミダゾリジンチオン
    6. 1,1-ジメチルヒドラジン
    7. エチル=3-メチル-4-メチルチオフェニル-N-イソプロピルホスホロアミダート(別名フェナミホス)
    8. 2-クロロフェノール
  3. その他

議事概要

前川委員長より、化学物質審議会審査部会・管理部会第33回安全評価管理小委員会の開会が表明された。
 

事務局挨拶

事務局より、配付資料の確認、議事内容の確認及び委員・委員以外の参加者の紹介が行われた。
 

有害性評価書について(8物質)【審議】

審議に先立ち、各物質において、化評研及びNITE(住化テクノ)より、資料3-0に基づき、有害性評価書に関する修正点が説明された。
 

ほう素及びその化合物(原案修正対比表説明担当:化評研北村)

  • 前川委員長

    まず、物化特性に関してはいかがか。あるいは発生源の情報だとか、環境中の運命について。12頁の環境中の生物への影響までいかがか。

  • 山口委員

    5頁に表4-2と4-3があるが、どちらも重複しているということは無いのか。

  • NITE

    重複していない記載となっていると思うけれども、指摘の内容を確認し、対応させていただく。

  • 前川委員長

    よろしいか。ほかに、どうぞ。

  • 大前委員

    ジボランは、別の評価書があるのか。

  • 化評研

    ジボランは無い。

  • 前川委員長

    些細なことだが、8頁156行、「ほう素は温泉水中に含まれる微量成分物質のひとつであり、日本全体で9.42mgB/kg」となっているが、これは温泉水だから、キログラムではなくてリットルか何かだろう。

  • NITE

    修正する。

  • 前川委員長

    それと12頁の生物濃縮性のところだが、298行から301行と、302行から307行の文章は、ちょっと入れかえた方が良いのではないかと思う。というのは、後のほうが古いデータで、最終的に2002年の報告では高濃縮性で無いと判定されているということなので、これは後にした方が良いのではないかと思う。どちらでも構わないけれども。

  • 化評研

    指摘のとおりの方が良いかと思うので、修正させていただく。

  • 前川委員長

    ほかにはないか。

  • 山口委員

    10頁235行の大気中での動態のところで、蒸気云々とあって、235行目で「セラミック製造、肥料の散布、石炭火力発電所等の人為発生源から放出される」と書いているが、主なものが農薬ということで推計されているので、ここの肥料というのは、農薬にかえた方が良いのではないかと思う。

  • 化評研

    指摘の点を踏まえて、もう一度確認し、修正する。

  • 前川委員長

    ほかにはないか。

  • 内田委員

    19頁の412行、「LC50はそれぞれ145mgB/L、130mgB/L」と2つ羅列してあるけれども、145mgB/Lのほうが7日間のLC50で、130mgB/Lのほうが9日間のLC50なので、後で括弧でその日にちを、例えば「145mgB/L(7日間LC50)、130mgB/L(9日間LC50)」と入れたほうがわかりやすいのではないかと思う。その下の123mgB/Lと135mgB/Lも同様である。

    それから、その次の414行、これは両方とも、ただLC50になっているけれども、「9日間LC50」と入れたほうがいいかと思うが、いかがか。

  • 化評研

    わかりやすく記載し直す。

  • 山口委員

    12頁290行で、「イオン交換による除去性があり、逆浸透により除去できるとの報告がある」と書いているが、イオン交換による除去性と逆浸透は違うので、ここは文章を切るように「また」とか何か言葉を入れないと、イオン交換性の除去性により逆浸透で除去できるように読めるので、文章を修正した方が良いかと思う。

  • 化評研

    そのように修正する。

  • 前川委員長

    それでは、既に環境中の生物への影響に入っているので、20頁まででいかがか。環境中への生物に対する影響としては、いずれもGHSの急性毒性有害性区分には該当しないというのが結論のようだが、いかがか。

    それでは、21頁のヒト健康への影響。非常に膨大なデータがあり、52頁までである。

    なお、「生殖毒性と発生毒性を一緒にしてはどうか」というコメントに関しては、別に分けて書くということである。きょう審議いただく物質の中には、ほかにアンチモンとイミダゾリンチオンという物質がある。やはりそこでも同じようなコメントがついており、最後のイミダゾリンチオンに関しては一緒にまとめてあり、今のほう素とアンチモンに関しては、従来どおり分けてまとめてあるということである。そういうことも踏まえて審議をお願いしたいと思う。

    まずは、27頁の上段まで、生体内運命に関してはいかがか。

    23頁の一番下のほう、579行からのまとめに書いてあるように、また、先ほど説明もあったように、動物実験では、明らかに精巣への影響が出ている、精巣毒性が非常に強い。けれども、ここでは、特に精巣への分布とか蓄積というのは無いようである。ただ、ここのまとめのところには、そういうことに関する言及が無いけれども、その辺のところを、この箇所のまとめ、あるいは最後のまとめに記してもいいのではないかという気もするが、いかがか。特に、入れなければいけないということではないと思うが、その辺も含めて、生体内運命についていかがか。

    それでは、27頁の疫学調査及び事例に関してはいかがか。

    とにかくヒトにおいては、精巣毒性を示す報告はただ1つしか無い。それ以外は特に精巣毒性に関して触れていないわけだが、大前先生、例えば用量の問題などだろうか。あるいは十分注意を向けていないために見逃されている可能性もあるだろうか。

  • 大前委員

    その可能性もあると思う。それから、あるという1つのデータがロシアの文献で、よくわからないので、何とも評価のしようがないという気がする。

  • 前川委員長

    疫学的には、どうもはっきりしないというのが事実なのかもしれないが、動物実験では明らかであるということである。

    それでは、31頁の実験動物に対する毒性。このものは皮膚に対して刺激性がある。それから、先ほど申し上げたように、精巣毒性への影響、刺激性への影響に基づくいろいろな変化が明確かと思う。

  • 福島委員

    34頁735~739行の試験について、この試験は発がん性試験である。したがって、最後のところに「発がん性は認められなかった」という言葉を入れてもらいたいと思う。あと、非腫瘍性変化はどうのと書いてあるが、発がん性があったかどうかというのは、ここには全く触れていない。

  • 前川委員長

    このように、発がん性の試験でありながら、一般毒性的な情報を反復投与毒性の項目で取り扱ったケースに関しては、今まではどのようにしていたか。

  • 福島委員

    入れるほうがいいと思うが、少なくとも発がん性は無いということをきちっとうたっていく必要があるということである。

  • 化評研

    原著を再度確認させていただき、内容を確認する。

  • 福島委員

    内容を確認というより、これはあくまでも発がん性試験だから、発がん性はあるのか、無いのかというのは、本評価書の結果でも何でも良い。原著で発がん性がなかったと書いてあれば、それはそれで結構である、ということが1点。

    それから、マウスの発がん性試験が、これはNTPの試験である。NTPは、基本的に1つの物質に対してマウスとラットの実験を行う。そうするとラットのデータが無いので、本当にラットは実施していなかったのかどうかという確認だけをしておいていただきたい。

  • 前川委員長

    今の福島先生の質問は、49頁の1003行~1005行のデータである。発がん性のデータである。それだと、発がん性は無いというようには書かれている。同じデータだと思う。

  • 福島委員

    そうしたら、前のほうにも書いておいた方が良い。

  • 前川委員長

    では、前の方にも記載すること。

  • 福島委員

    少なくとも「発がん性試験」という言葉をうたってあるので、お願いしたい。

  • 化評研

    了解した。そのように記載する。

  • 福島委員

    それからもう1つ、ラットのほうだけ念のために確認しておいていただきたい。

  • 前川委員長

    確かに、ペアで実験されるのが普通である。

  • 大前委員

    今の点について、50頁の表7-8、2つ目にラットの実験があって、括弧内で「U.S.NTPは発がん性なしと解釈している」と書いてある。ということは、このWeir&FisherがNTPの実験なのか。

  • 化評研

    NTPの試験報告書の中で、このデータを考察しているのだと思う。

  • 福島委員

    だから実験しなかったのだろう。これは35匹使っている試験である。35匹使っている試験で影響がなかったから、NTPであえて試験しなかったということではないだろうか。

  • 前川委員長

    ほかにはないか。

    先ほど言ったように、この評価書では生殖毒性と発生毒性を分けて記載してあるが、一緒にまとめたらどうかというコメントに関して、2-イミダゾリンチオンに関しては実際にまとめて記載してあるということである。今までは分けてきたので、今までのデータとの整合性を考えれば分けたほうがいいことは確かだが、非常に難しいケースもある。記述の上だけではなく、分けて評価するというのが非常に難しいケースも確かにある。また、データが非常に少なくて、分けて書くまでもないものもあるかと思う。その場合は一緒でも良いかと思うが、このように膨大なデータがあり、しかも、報告者自身が分けて評価をしているとすれば、こういう形で記載したほうが、今までの整合性も含めて良いかと思う。

    それでよろしいか。

  • 福島委員

    はい。

  • 前川委員長

    それでは、そういうことで発がん性まではよろしいか。

    最後、51頁のヒト健康への影響のまとめについて、もう一度、検討をいただければと思う。先ほど申し上げたように、ヒトでのデータでは、特に精巣への影響が不明である。だけど、実験動物では明らかであるというようなこと、その辺のヒトと動物との違いみたいなものを、一回、このまとめのところに再記する必要があるかどうか。ここのまとめのところでは、特にそういうようなことを意識して書かれているわけではないかと思うのだが。大前先生、その辺はいかがか。

  • 大前委員

    これで良いかと思う。ただ、後ろのデータはまだよくわからないので、むしろ文章にしないほうが、かえっていいかという感じがする。

  • 前川委員長

    それでは、このままで。

  • 福島委員

    49頁1006~1008行の実験と、1010~1012行の実験、その2つの試験の結果について、最後のところで「2年間混餌投与した試験で、組織学的な変化はみられなかった」と記載されているが、これは腫瘍の発生はなかった、腫瘍性変化はなかったということ、発がん性なのでそういうことだと思う。2年間投与して組織学的変化は無いというのは絶対あり得ない。

  • 前川委員長

    書くとすれば、投与に関連した組織的変化ということだろう。

  • 福島委員

    腫瘍性変化の一番下を見ると「投与に関連した腫瘍性変化はみられなかった」と書いてあるので、同じパターンにしておいていただきたい。

  • 前川委員長

    それとあわせて、表7-8との記述の整合性を合わせること。

    それから、申しわけないけれども、間違いを指摘するのを忘れていた。9頁177行、あるいは表4-7で、土壌へ45トンというところである。初めは「土壌へ4トン排出されると推定した」を5トンに修正したが、5を加えて4を切っていないから45になっている。

  • 化評研

    履歴が重なり見にくくなっているが、5トンに直っていると思う。

  • 前川委員長

    送られた有害性評価書案では45トンになっていた。

  • 化評研

    確認して修正する。

  • 前川委員長

    これで「ほう素及びその化合物」は読了。
     

アンチモン及びその化合物(原案修正対比表説明担当:化評研浦谷)

  • 前川委員長

    まずは、物化特性の情報に関していかがか。12頁の6章、環境中の生物への影響までに関して。

  • 山口委員

    文章の修正だが、6頁94行で、「金属アンチモンは、鉛やスズなどの硬度の低い金属と合金にし」となっているが、これは「合金となり硬度を増加させたり、被削性や耐磨耗性を向上させるなどの特性がある」ということで、「となり」というふうに文章を直した方が良いかと思う。

  • NITE

    指摘通り修正する。

  • 山口委員

    それと8頁のb.人為発生源、この人為発生源は前のところにもあるように、推計対象以外のところを述べるということなので、145行の「精錬及び精製」は表4-5の非金属製造業に入っていると思うので、「精錬及び精製」のところは削除した方が良いのではないか。

  • NITE

    指摘の部分を修正するとともに、もう一度再確認し、ほかに重複している部分があったら削除する。

  • 山口委員

    それと、10頁目の大気中での動態について、231行からの後ろの文章がよくわからない。「風により移動し、重力沈降云々」ということで、アンチモンの大気からの除去としては、重力沈降、乾性沈着、湿性沈着、雨滴による洗浄により大気中から除去と4つに分けているが、この湿性沈着と雨滴による洗浄というのは、区別が同じではないか。文献にそう書いてあるから分けているのだろうが、何かあいまいで、この区分の4つに割り方が、学会等ではっきりしているのかどうか。もし重複していたのであれば、何か補足の説明を入れないとわかりづらいと思う。

    同じように238行の後ろのほうから「湿性沈着と乾性沈着の重力沈降に対する比率は云々」とあるけれども、湿性沈着と乾性沈着、この2つの重力沈降に対する比率が、粒子径が小さくなると大きくなるというのはわかるのだが、その後ろの「アンチモンでは、その他多くの金属類と比較して雨滴中での存在割合が大きい」との関係がわかりにくい。あと、その後ろに説明の文献がついているが、ここが全体的に読んでいて関係がわかりにくいので、もう一度文献等を確認いただき、文脈としてわかりやすくなるのであれば修正した方が良いのではないかと思う。

  • 化評研

    まず、最初の11頁231行、湿性沈着と雨滴による洗浄については、ほぼ同義語なので、これをまとめて一つの表現に改める。

    238行から文章がわかりづらいという指摘については、原文を確認し、わかりやすい文章に書き改めさせていただく。

  • 前川委員長

    他には無いか。それでは、12頁の環境中の生物への影響に関してはいかがか。これは、特に甲殻類に対してGHSの急性毒性有害性区分のIIIに相当するということだが、それほど強い毒性ではないけれどということか。

    よろしいか。

  • 内田委員

    17頁のまとめについて。411行から「致死、遊泳阻害、成長阻害などを指標にして」ということだが、成長阻害という項目は表中のどこにもにない。ただ「生長阻害」は、すぐ上の表中にある。要するに、成長の項目は指標に載っていなかったと思う。だから、「成長」というのを「生長」にしておいた方が良いと思う。

    それと433行、0.58が最初ということだが、表6-5にアメリカヒメアマガエルの7日間LC50が0.3というのがある。これを何で使わないのかということについても検討願えたらと思う。

  • 化評研

    ただいまの指摘、最初の「成長阻害」については訂正する。

    0.3mg/Lの毒性値をなぜ使わないのかということだが、本評価書では水生生物への影響ということで、まとめの最後のところでは、藻類、甲殻類、魚類の中での最小値を採用しており、ここにある他の水生生物、ここではカエルの毒性だが、これは用いないということで記載している。

  • 内田委員

    その前の水生生物に対する最小値というのも。

  • 化評研

    今までの評価書との整合性ということで了承いただきたいと思う。

  • 前川委員長

    GHSの急性毒性区分も同じようなことで、まとめのところでは藻類と甲殻類及び魚類だけについてしか述べていない。よろしいか。

    18頁からのヒト健康への影響で、まずは生体内運命に関してはいかがか。物によって多少違うようだけれども、甲状腺とか、あるいは赤血球等に非常に蓄積するようである。ただ、実験動物でのデータその他を見ても、特にそういう臓器に毒性があらわれているというわけではないようである。その辺りが、22頁にまとめとして書いてあるが、経口投与されたら消化管からは吸収されない。ただ、吸入暴露すると肺に長くとどまるということのようである。

    それから分布は、先ほど言ったように、甲状腺、肝臓、腎臓等に分布するようである。いかがか。

    22頁607行、「体内からも速やかに排泄される」、それから、また「体内に吸収された場合」と、前のほうは排泄で、こちらのほうは吸収。これは分布という項目になるので、「体内に吸収された場合」のところで改行したほうがいいかと思う。ほかに、いかがか。

    それでは、27頁の疫学調査及び事例。心臓病が疑われ、胃潰瘍も認められる、あるいはじん肺、アンチモン沈着症と言われるようなものが発生するということのようである。それから刺激性もあるし、皮膚炎も起こるということである。

  • 大前委員

    27頁640行、先ほどの対比表の5番で、アンチモンに暴露されたというところについて、これは焙焼物の電気精錬の工程であるということだった。電気精錬の場合は酸を使うので、当然、酸ミストが出る。だから、ここで出ている肺炎、上気道の刺激等は、そちらの影響ではないかと思う。

    もう1つの根拠は、同じ頁の650行である。これは用途は違うけれども、皮膚、粘膜、気道刺激症状はなかったとある。だから、この精錬工程で出てくるアンチモンよりも、むしろ酸ミスト等々の可能性のほうが私は強いと思うので、ここで、あまりアンチモンに暴露されたと書かない方が良いのではないか。要するに、「アンチモン精錬工程では」とか、あるいは「アンチモンの電気精錬である」とか、そういう書き方をされた方が良いのではないかと思う。

    それから同じ頁の653、654行のACGIHの最大許容濃度という言葉だが、これはTWAの濃度である。そうすると、やはり時間加重平均なので、書くとしたら暴露限界値くらいがいいと思う。最大許容濃度だと、天井値みたいなイメージになってしまう。ここでは多分、平均濃度のことを言っていると思うので、その方が良いのではないか。

  • 化評研

    正確に書いた方が良いということになるだろうか。

  • 大前委員

    最大許容濃度というのは、日本の産業衛生学会が使っている言葉でシーリングに当たる。天井値に当たるものだから、この言葉を使うのはよくないので、あくまでも8時間の話だということで時間加重平均値、もしくは暴露限界値という言葉を使われた方が良いと思う。

  • 化評研

    了解した。

  • 大前委員

    それから28頁663行で、「この不透明像を三酸化二アンチモンが形成していると推察された」ということだが、これは、もちろんレントゲンを撮っても三酸化二アンチモンが見えるわけではないので、これは三酸化二アンチモンによって陰影、この場合、不透明像というのは、多分陰影のことだと思うのだが、陰影が観察されたというような書き方だと思う。

    それから、同じ頁の675行。この右側で「X線検査で、肺の中央及び下部に」と書かれているけれども、肺の場合は普通、中葉もしくは下葉というように記載する。

    それからもう1つ、31頁793行、先ほどのプロスペクティブスタディについて。前向きコホート研究が行われたという部分で、これは後ろ向きコホートではないかと指摘したが、読んでみると、1961年から勤務していて61年から90年の間で死んだ人を、この文献が94年だから93年か94年で調べている。そうすると、これはやはり前向きコホートではない。ところが、原文は、確かにプロスペクティブコホートになっている。だから、ここは原文にこちらの判断を加えて、前向きという字は削り、単なるコホート研究ということで記載すると良いのではないか。これは、間違いなく前向きコホートではないので。

  • 化評研

    了解した。

  • 前川委員長

    これらのコメントに関して、よろしいか。

  • 化評研

    はい。

  • 大前委員

    31頁778行、濃度の単位について。空気中平均アンチモン濃度が0.052μgSb/m3ということは、52ナノグラムということである。通常、作業環境だと、ナノグラムの単位で物が出てくるのは非常に少ないので、それで確認をお願いした。原文でこのマイクログラムがミリグラムではないということを確認していただいたとしたら良いのだが、非常に低い濃度で、これはバックグラウンドとほとんど変わらないのではないかという感じもした。これは確認していただいたので結構である。

    前川委員長

    それから、肺がんの疑いに関しては、発がん性の有無に関しては判断できないという結論である。

    日本語の問題だが、29頁701行~703行までの文章で、「しかし云々」の後また「しかし」という文章が続いているので、修正すること。「いない」のほうが結論なので、後の「しかし」を残した方が良いだろう。

  • 化評研

    そのように修正する。

  • 前川委員長

    それでは、37頁の実験動物に対する毒性ということでいかがか。

  • 福島委員

    39頁921行から下の実験について。著者らが採用したNOAELと、この評価書で採用したものが違うという問題で、これはそもそも実験が公比10で非常に幅広くとってある。最高500ppmから落としてきて、0.5と50というように非常に大きな幅がある。私も判断に迷っているけれども、この評価書として、あくまで50ととるのなら、もう少し明確な解釈を加えておいた方が良いのではないかと思う。

    ただ、ほかの人もこの文献を引用して50としているということか。Lynch et al.か。そちらのほうももう一度整理させていただいて、もう少しクリアにしていただきたい。

  • 前川委員長

    私もこれは、特に福島先生にお尋ねしようと思っていたところである。

  • 福島委員

    前川先生に判断をお任せする。

  • 前川委員長

    一番の問題は、最終的にこれは肝硬変なども起こすようだが。

  • 福島委員

    その通り。肝硬変を起こしているから、何かもう1つあるはずである。

  • 前川委員長

    その前に、例えば今の0.5ppm以上で起こっている変化として、細胞核の大小不同があって、これをどう判断するかということだと思う。

  • 福島委員

    これを「軽微で」ということで消しているけれども、これの用量相関が、これだけ見てもわからないし、肝硬変がみられた量の下のところでNOAELをとると、何か、そこにもう1つ変化がありそうな感じがする。そこが、非常に不思議なところである。

  • 前川委員長

    一足飛びに肝硬変になるわけではないから、もう一度確認をお願いしたい。今、ここではデータがないとわかりにくいかもしれないので。

  • 化評研

    了解した。

  • 前川委員長

    ほかに、いかがか。

    一般毒性のまとめが41頁の下3分の1あたりに記載されている。それから、44頁から生殖・発生毒性、遺伝毒性、発がん性というところへつながっている。

    特に遺伝毒性の有無に関して結論を出すことはできないという結論になっているけれども、このような結論で良いか。

  • 清水委員

    はい。

  • 福島委員

    発がん性について、前川先生にお聞きしたい。ラットの肺にこれほど硬がんが出るのを意外に思ったのだが、すべて吸入暴露である。これは、スキラスということだから、基本的に腺がん系統からということである。そうすると、腺腫、腺がん、肺、細気管支と書いてあるけれども、そことどういうふうに区別しているのか。これは、あくまで病理的な興味だが。

    自然発生では、硬がん、硬性がんが出るのは確かに珍しいと思うが、49頁1096行、Wattらのデータでは、非常に高率に34匹中15匹という形で出ている。これは、明らかに有意である。最後の50頁では「アンチモン及びその化合物の発がん性に関して明確に判断することはできない」という結論になっているが、少なくとも三酸化二アンチモンに関しては、1つの実験系でポジティブ、それからもう1つ下のラット、ウィスター系の実験を見ても、やはり硬がんというのが出ている。これは51頁の表で2つ目のカラムだが、雌で19/70、27%に肺腫瘍が発生している。ここにコントロールの値が書いていないから何とも言えないが、ラットで27%だったら、恐らく一用量であり対照群に有意かと思う。そうすると、この2つの実験系でポジティブということから、この物質に関しては十分な証拠にはなりはしないか。そのあたりをしっかりと、もう一度見ていただきたい。また、恐らく論文にはコントロールの値が書いてあると思う。そうすると、何かもう一言強いことが言えるのではないかという気がする。そこのところの検討をお願いしたい。

  • 前川委員長

    私個人としても、もう少し踏み込んでも良いのではないかと思う。しかも、IARCでも、少なくとも三酸化二アンチモンに関しては、グループ2Bという判断をしている。

    福島先生にお尋ねしたかったのは50頁の1120行。これは私が出したコメントだが、「通常の発がん性試験では発生のみられない硬性がんがみられた」と記載している。より発がん性を疑わせる変化ではないかと思ってコメントを出したのだが、確かに、自然発生ではみられない。ただ一方で、アンチモン自身、実際には肺の線維腫を起こす。そうすると、ある意味では腺がんが、たまたまそういうものを起こすために硬性がんに近いような形であらわれただけで、特に硬性がんだったから云々ということは言えないのではないかというのは、コメントを出した後で気づき、先生の意見をお聞きしたかった。

  • 福島委員

    前川先生の言われるのは、硬がん、スキラスと言っているものが誤診であり、フィブローマではないかということか。

  • 前川委員長

    その通り。ここで追加した文章だと、自然発生ではないから、発がん性をより強く疑わせるようになってしまうが、逆に言えば、硬性がんということを強調していることになる。いかがか。

  • 福島委員

    吸入暴露でスキラスというのはないと思う。

  • 前川委員長

    実験的には、胃の発がんでは、たまにスキラス的な症状が出る。だが、肺に関しては確かにほとんどなかったと思う。それではその辺りを、先生にもう少し検討していただきたい。

  • 福島委員

    私も調べてみる。

  • 前川委員長

    では、文章としてはこのままにしておく。そういう意味では余り強調しないほうがいいのかもしれない。

    ただ、結論も含めて、明確に判断することはできないという結論を本当に書いていいかどうか。私も福島先生と同じように、もう一歩踏み込んでも良いのではないかという気はする。確かに、1つ発がん性がなかったという報告はあるが、2つの報告がポジティブとなっているので、頻度的には明らかに有意差はあると思う。IARCも評価している。

  • 化評研

    委員長の最終判断をお願いしたい。

  • 前川委員長

    それでは、福島先生から化評研へ送っていただいて、それから、私へも連絡いただければと思う。

  • 化評研

    よろしくお願いする。

  • 前川委員長

    ほかにはないか。

    それでは、それも含めて52頁、ヒト健康への影響のまとめについて。今さっき申し上げたように、発がん性に関するところで、まだペンディングなどもあるけれども、それを除いてはいかがか。

    それでは、これで、アンチモンに関しても読了。
     

ピロカテコール(別名カテコール)(原案修正対比表説明担当:化評研石井聡子)

  • 前川委員長

    物化特性からいかがか。

  • 山口委員

    6頁192行の下水処理による除去に関して、流入が0.01mgで、流出も0.01mg/L未満というのは、ほとんど変化が無いように見えるが、もとの文献ではどういっているのか。

  • 化評研

    この測定方法の検出見解が0.01だということで、流入水が、その検出限界ぎりぎり のところで、数値上は余り変化が無いようだ。この報告 では、東京都の下水道局の処理状況の報告で詳細な報告がなされていないので、詳細ははっきりしない。

  • 山口委員

    流入が0.01で、流出も0.01で、どちらも分析限界ぎりぎりのところなので、除去できたのかどうかというのは判断できないということか。

  • 化評研

    除去できたというのは判断できると思う。流入した値が0.01と検出限界ぎりぎりのところで検出されている。しかし、処理した後は検出限界以下になって検出されなくなったということである。

  • 山口委員

    そういう数値の幅の中で、一応判断したということか。

  • 化評研

    これは我々の判断ということではなくて、東京都の下水道局が、原水と処理水の値を比較して行った判断である。

  • 山口委員

    どちらも大丈夫な値で、何も減っていないという印象なので、何か注釈をつけてほしい。この「未満」というところは、検出限界以下であったということが分かるようなコメントを入れた方が良いかと思う。

  • 化評研

    0.01未満というのが検出限界以下を意味するので、0.01が検出限界ということが分かるように補足する。

  • 前川委員長

    次に進んで、7頁からの環境中の生物への影響に関してはいかがか。後に出るが、「ヒトへの健康」で実験動物あるいはヒトに対する影響を、特にフェノールと比べて、フェノールよりも云々というような記載があるけれども、この辺の生態毒性に関してはいかがか。

  • 化評研

    調査した範囲では、特にそういう比較は見当たらなかった。

  • 前川委員長

    比較していないのであれば、余り踏み込んだことを述べるわけにはいかない。このままとする。

  • 山口委員

    環境中の生物への影響が、最後のところで、いつも「以上から云々」と書いているが、もし藻類の毒性が強いことがあっても書かないのか。

  • 前川委員長

    今まではより強いものだけを書いてきた。その上のまとめのところを見るとわかるように、10頁で299行から301行までは、その中でも一番強いのをより強調したというのが今までの書き方である。

    それでは、次に進んで、10頁の下のヒト健康への影響に関して。ヒトでの急性毒性としては、非常にフェノールに似た症状を示す。特に、中枢神経系への影響としてはフェノールより強い。それに比べて、12頁からの実験動物での毒性は、反復毒性では、神経系への影響あるいは貧血の報告はないが、急性毒性では神経系への影響あるいはメトヘモグロビン血症が同じようにヒトと同様に起こっている。

    12頁の366行、実験動物でヒトと同じような徴候が見られているというが、この実験動物が何なのか。もしわかれば用量も含めて書き加えるように。

  • 化評研

    調べて追加する。

  • 前川委員長

    14頁からの反復投与毒性では造血障害も見られないし、あるいは貧血も見られないし、神経系への影響も余りはっきりはしない。フェノールの反復投与毒性のデータがもしわかれば、今まで比較をしてきているので、書いた方が良いと思う。

  • 化評研

    了解した。検討したい。

  • 前川委員長

    16頁からの生殖・発生毒性について。16頁466行、奇形を持つラットの割合は333mg/kg群で23.1%と用量相関で割合がふえていることは事実だけれども、対照群の割合が書いていないので、書いておくように。

  • 化評研

    追加する。

  • 前川委員長

    17頁からは遺伝毒性のデータがある。陽性・陰性が入り混じっているけれども、結論的には遺伝毒性を有すると判断するというが、この結論で清水先生、よろしいか。

  • 清水委員

    結構。

  • 前川委員長

    それから、20頁からは発がん性のデータがある。

  • 福島委員

    前もっての指摘の言い方が悪くて恐縮だけれども、もう一度直してもらいたい。先ほど「腺胃の粘膜下組織過形成」に直すと言ったが、それはおかしいので、「腺胃の粘膜下過形成」に直すように。

    それから、「中期発がん性試験」を「多臓器中期発がん性試験」に直すように。

  • 化評研

    項目のところで「多臓器中期発がん性試験」に修正すれば良いか。

  • 福島委員

    中にも3~4カ所あるが、いずれも「多臓器中期発がん性試験」に統一してもらいたい。

    あともう1点は21頁589行、これは「BrdU」に略すこと。英語の「labeling index」も、カタカナのラベリング・インデックスでも良いが、日本語の標識率に直したらどうか。

  • 前川委員長

    特に、「腺胃の粘膜化組織の過形成」というのは間違いである。少なくとも、それを前がん病変というような形にとっているので、意味が全然違ってくる。粘膜化組織の過形成から起こったものは腺がんではなくて肉腫になるはずである。

  • 福島委員

    それは表の方も含めて見ていただきたい。

  • 化評研

    了解した。見直す。

  • 前川委員長

    25頁687行で、前胃、腺胃におけるプロモーション作用は明確ではなかったと書いているけれど、データを見るとプロモーション作用もあるようにとれるが、福島委員、いかがか。

  • 福島委員

    明確にあるはずである。

  • 前川委員長

    例えば23頁の634行、635行、636行は、むしろプロモーション作用ありと載っているし、24頁の667から668行でも同じようなことが記載してあって、それで明確ではなかったというのは、おかしいと思う。むしろ「ある」とすべき。肝臓に関しては抑制だが。その辺のところをもう一度確認して修正、まとめのところも同じように修正するように。

  • 化評研

    了解した。

  • 前川委員長

    それでは、30頁のヒト健康への影響のまとめに関してはいかがか。

    ないようなので、これでピロカテコールも読了とする。
     

1,3,5-トリス(2,3-エポキシプロピル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン(原案修正対比表説明担当:化評研山根)

  • 前川委員長

    1頁からいかがか。物化特性、よろしいか。

    それでは、6頁、環境中の生物への影響。

  • 内田委員

    7頁211行、「本評価書では」というのが2つ入っている。どちらかを取るように。

  • 化評研

    修文する。

  • 前川委員長

    それでは、8頁からヒト健康への影響。

  • 福島委員

    14頁409行。「前立腺の分泌低下もみられた」とあるが、これはどういうことを意味しているのか。

  • 化評研

    確かに、英語でこのような直訳に近いと思う言葉があったが、よく意味がわからなかった。もし英語名が必要であればそのまま書くか、本当に疑問であれば削除する形にしたいと思う。

  • 前川委員長

    これは前立腺の分泌液の量を測ったわけではなくて、形態的に前立腺の染色性が薄いというようなことから言ったのではないかと思うけれど、調べ直すか、削除するか。

  • 福島委員

    削除しても余り影響が無いような気がする。NOAELをとる根拠としては、前の方のことで十分である。

  • 前川委員長

    NOAELの根拠には、確かに余りはっきりしない。

  • 化評研

    削除したいと思う。

  • 福島委員

    411行の「この試験」というところで「非腫瘍性影響のNOAELは云々」と言っている。わざわざ「非腫瘍性影響」ということは要るか。それでは、腫瘍性影響のNOAELはどうかとかという議論になるから、「この試験でのNOAELは」と簡単にしておいた方がいいと思う。

  • 前川委員長

    発がん性試験のデータで、結果的には発がん性はなかったという。そこで、発がん性以外の非腫瘍性病変からNOAELを求めたということだろうから、「非腫瘍性影響云々」は削除すること。

  • 化評研

    「非腫瘍性影響の」という部分を削除する。

  • 大前委員

    1頁に戻るけれども、不純物の節にエピクロロヒドリン100ppmと入っているが、100ppmが常に添加されているということか。

  • 化評研

    添加ではなくて、合成上での不純物である。常にということではなくて、そのぐらいのものが、一般的なものには入っているということである。

  • 大前委員

    それでは、その程度を入れること。

  • 化評研

    追加して、誤解の無いように修文する。

  • 前川委員長

    21頁、ヒト健康への影響のまとめ。

  • 山口委員

    22頁603行の前立腺の分泌低下も削除となるか。

  • 前川委員長

    そのとおり。

    では、この物質に関しても読了とする。
     

2-イミダゾリジンチオン(原案修正対比表説明担当:化評研石井かおり)

  • 前川委員長

    この物質の2-イミダゾリジンチオンは、別名、エチレンチオ尿素といい、別名の方が一般的な物質名としてよく使われているかと思う。

    それでは、物化特性から。

  • 山口委員

    排出量及び移動量のところで、届出外の排出量が2.1トンで、届出が0.004トンというのは、余りにも違い過ぎるので、もしかすると単位が間違っていないか。

  • NITE

    間違っていないと思うけれども、再度確認する。

  • 前川委員長

    6頁、環境中の生物への影響については良いか。それでは9頁、ヒト健康への影響。生体内運命からいかがか。

    今日の委員会に向けた事前コメントへの対応ということで、遺伝毒性の最初の案と、修正されたコメント対応案とで違いがあり、遺伝毒性の有無は明確に判断できないという結論に修正されている。ある意味では、ここの修正が一番重要であるかと思うけれども、清水先生、これでよろしいか。

  • 清水委員

    このコメントは私が出したものではない。遺伝毒性が陽性という試験がサルモネラだけである。しかも、2万とか1万とか非常に高濃度でようやく括弧付のプラスである。rec-assayも括弧付であるので、これだけでは多分、最初の文章のままでいいと思う。あったとしても非常に弱い陽性ではないかと思うし、in vivoの試験系では一切出ていない。発がん性の方から見ると、発がん性はあるという報告であるが、変異原性の方は「明確に判断できない」というほど躊躇するようなデータではなくて、明らかに、はっきりとこれはなさそうだ。最初の「有さないと考えられる」でもいいような気がする。

  • 前川委員長

    今の遺伝毒性に関して、ほかの先生方はいかがか。福島先生、いかがか。

  • 福島委員

    発がん性に絡んでメカニズムも考えると、今の清水先生の結論の方が非常に理解しやすい。

  • 前川委員長

    発がん、あるいは毒性の機序としても、遺伝子が云々ということは考えられない。一番の問題はやはりin vivoの陽性データが無いということか。そればかりではないかもしれないけれども。もとへ戻した方がよろしいか。

  • 化評研

    「有さないと考える」というもとの文章に戻すということか。

  • 前川委員長

    それでは、一応もとへ戻すということにする。遺伝毒性があるということを全面的に否定するわけではないけれども、非常にその可能性は少ないまたは低いだろうと思う。

    発がん性に関しても、恐らく発がん性は有名なことであるが、メカニズムとしては特殊なものではないと思う。それから、IARCはグループ3に分類している。産業衛生学会でも2Bということである。IARCの評価は少し古いけれども、1987年以降再評価していないから、それが今の時点で生きているということだそうである。

  • 福島委員

    書き方だけの問題であるけれども、日本産業衛生学会では2B、IARCは1987年からまだグループ3にしている。その後、発がん性のデータが出てきた。そこで日本産業衛生学会も最新のデータをもとに評価していると思うので、産衛学会での評価は何年にしたということを書いておいた方良いと思う。ここは重要なポイントだと思う。

  • 大前委員

    これを見て、何で違うのだろうかと疑問に思った。今のIARCの発がん性の評価が1987年のときであるから、もう20年前となるが、当時の産衛の評価と変わっていなかった。その後、この物質を産衛で見直した記憶が実はないので、もう一回確認をしたい。

  • 前川委員長

    本文では、IARCは1987年にグループ3にしたとなっているが、括弧して、例えば、1992年にNTPのデータが出る以前の1987年の評価だということを書いておいた方がいいかと思う。

    再評価されないから、これが今の時点で生きていることは事実だけれども、実際問題として、今の基準であるいはNTPのデータをもとに評価すれば3にはならないだろう。

  • 福島委員

    大前先生、文献欄の44頁の一番下に「日本産業衛生学会(2006)許容濃度等の勧告」とあるけれども、これは違うのか。ここで何か数字を言っているということはないか。

  • 大前委員

    ない。この評価書を書かれた時点で、2006年の産衛のデータが一番正しいということだけれども、発がんの表に関してはどの物質を何年に変えたかということに関する記載はない。それで、先ほども言ったけれども、この物質をいじった記憶がないので、それも確認したいと思う。

  • 前川委員長

    それでは大前先生に確認していただくと同時に、それが、余りはっきりしなければ、なおさらIARCの評価が、NTPのデータ以前の評価であるということをただし書きでわかりやすく書いておくこと。

  • 化評研

    了解した。

  • 前川委員長

    よろしいか。それでは、これでイミダゾリジンチオンを読了とする。
     

1,1-ジメチルヒドラジン(原案修正対比表説明担当:住化テクノ大下、細川)

  • 前川委員長

    それでは、1ページに戻って、物化特性から。説明があったように、ロケットの燃料として有名な物質だが、いかがか。

    本日これまでに審議した5物質と本物質の物化特性で一番異なっているのは、排出源の情報が全く記載されていないところであるが、NITEが評価書作成に関与していながら、なぜ記述が無いのか。逆に、化評研が作成した評価書の中では、発生源の情報の担当がNITEであったが。

  • NITE

    化評研で作成しているものは、すべて化管法の第1種指定化学物質ということで、そもそも排出源のデータがあるものだが、それに対し、これから審議されるこの物質を含めた3物質は、PRTRのデータがないということがあり、排出源の情報は記載していない。

  • 前川委員長

    もしそうなら、排出源の情報がないとか、やはり項目を起こして書くべきである。

  • NITE

    これまでにNITEが作成した評価書の横並びも確認しつつ、適切に対応したい。

  • 前川委員長

    そうして頂きたい。少なくとも今までの評価書では、4-3として排出源の情報が書いてあったが、この後の3物質は、項目すらない。データが無いのなら、「無い」と書くべきである。以前に作成したものも含め検討して欲しい。

    この物質は難分解であり、蓄積性が無い、または低いと判断ということ。

    それでは4ページ、環境中の生物への影響について。

  • 内田委員

    6ページの表6-2の「10日間のNOEC」の右の欄は不明で空欄なのか、バイオマスという意味なのかがわからない。

  • 住化テクノ

    確認して訂正する。

  • 内田委員

    8ページ238行の、「データが得られなかった」は、データが全くなかったという意味になるので、「信頼性あるデータは得られていない」とするべきと思う。

  • 住化テクノ

    了解した。

  • 前川委員長

    9ページの252行から253行のまとめでは、「魚類に対してGHSの急性毒性有害性区分はIIである」ということ。その上に、アフリカツメガエルの胚を胞胚期から孵化まで暴露して、催奇形性がみられたという記載がある。今まで、水生生物への影響で、催奇形性が云々というデータはほとんどなかったかと思うが、そういう意味で、まとめにも書いておく必要があるのではないか。内田先生、どう思われますか。

  • 内田委員

    書いておいたほうが良いと思う。

  • 前川委員長

    252行の「以上から」というところですか。

  • 内田委員

    そうです。知る限りでは初めてであるので。

  • 前川委員長

    ですから、ある意味では非常に貴重なデータである。実験動物での催奇形性は見られていないようで、不一致もあると思うが、データであるので。

  • 住化テクノ

    ジメチルヒドラジン以外にも、メチルヒドラジンで同じような試験を行っていたと思うので、そちらもあわせて処理する。

  • 前川委員長

    藤木先生、よろしいでしょうか。

  • 藤木委員

    はい。

  • 山口委員

    4ページ134行に「一部は水面からの揮散により云々」とあるが、表現としては「一部は揮散により水面から大気へ移行するが、環境水中では溶存酸素などにより分解すると考えられる」の方が良いと思う。

  • 住化テクノ

    了解した。

  • 前川委員長

    10ページからの疫学調査及び事例、あるいは11ページからの実験動物に対する毒性につき、ヒトへの影響では余りはっきりとしたデータがなく、確定的なことはよくわからない。強いて言えば、肝臓への影響が疑われているということか。

    それから、神経系への影響とともに刺激性あるいは溶血性の貧血というような所見も見られており、また腎臓が標的臓器の一つであると。

  • 大前委員

    10ページの最初の米国における漏洩事故の件で、事前に指摘しておけばよかったが、2人が症状を出して、11名が肝臓の影響があったというデータにつき、これも母数があれば書いていただきたい。

    それから、この2人はほとんど消化されていない食べ物を嘔吐しているが、これは、食べた後に暴露して、4時間の間、ほとんど消化されないで出てきたということか。単純に、食べた直後に吐いたから消化されていないものが出てきたのか、あるいは4時間たっても消化されない状態であったのか、もし、その記述があれば足していただきたい。

  • 住化テクノ

    調査する。

  • 前川委員長

    12ページから反復投与毒性、それから、13、14と生殖・発生毒性、あるいは遺伝毒性とつながるが、いかがか。

    本文のほうには書いていない、13ページの表7-4では、上からマウスの2つのデータは5日間投与と投与形態としては、反復投与試験の形態をとっているがタイトルから精巣だけを見ているような試験であり、欄外のような形、あるいは枠を分けて書く方が良いのではと思う。ほかのところの臓器には毒性がなく、精巣だけにあらわれるというようにとられる。その辺も確認し精巣毒性という一つの枠で精巣のみの観察とか説明を加えるよう。

  • 住化テクノ

    そこは、精巣毒性のところを取り出して追記しているが、表の扱いについては、検討する。

  • 前川委員長

    14ページの370行、Bruce and Heddle、あるいはもう1人の論文でBC3F1/CUMとなっており、表7-4にはC3Hと書いてある。

  • 住化テクノ

    済みません。3番目の表はその通りです。

  • 前川委員長

    結局、表7-4の反復投与のところへデータを書いて、本文のほうでは生殖・発生毒性の項に説明を書いているわけであるが。

  • 住化テクノ

    前にメチルヒドラジンで同様のケースがあり、最初は生殖・発生毒性へ入れていたが、指摘によりこのようにしている。

  • 前川委員長

    生殖毒性ということで別に書く、あるいは表7-5のほうへ移すとか、検討すること。

    14ページからは遺伝毒性データで、基本的には遺伝毒性ありと判断という結論で、清水先生よろしいでしょうか。

  • 清水委員

    はい。

  • 前川委員長

    19ページ、発がん性に関しいろいろな発がん性が認められ、IARCでは2Bと判断をしている。

  • 福島委員

    19ページの421から424までは、すべて「腫瘍」という表現にとどまっているのに対し、表のほうを見ると、マリグナント・チューマーの発生もあり、もう少しクリアに記載するように。例えば「腫瘍」という表現だけでは、何となく、良性腫瘍だけなのかというようなニュアンスにとりかねない。書き方を少し工夫すると、もう少しクリアになる。

  • 住化テクノ

    例えば表7-8のマウスの2番目のがんですね。

  • 福島委員

    その下のところでも血管肉腫が出ており、あくまでマリグナントな病変が出ているニュアンスを文章のほうにも反映したらどうかということ。

  • 住化テクノ

    総括的に、悪性を含めて「腫瘍」というふうに書いてしまい、指摘通りで、修正する。

  • 前川委員長

    福島先生の質問に関連し、例えば表7-8の2つ目のパラグラフのマウスでの発がん性試験で上には、肉眼的な所見として肺の腫瘍、結節があり、その後に、肺胞/気管支腺腫、がんと詳しく書かれているのはいいが、3つ目のパラグラフには肝臓血管腫/血管肉腫として、かなり詳しい所見が書いてあるのに比べて、こちらは肺胞/気管支の腫瘍という形でまとめてしか書いていない。本当に病理を理解できる人が、このペーパーを読んでまとめたのかという疑問も感ずるような書き方である。

    例えば肝臓の腫瘍は血管腫とか血管肉腫だとすれば、肺についても同じような形で、腺腫なのか、腺がんなのかを含めて、あるいは扁平上皮がんなのかも含めた記載で並べるのが普通。

  • 住化テクノ

    確かにそうであるが、この論文では、先ほど指摘のような記載ではまとめられていなかったと思うが、再度確認し記載可能であれば、そのように修正する。

  • 前川委員長

    19ページの430行の線維細胞組織球腫という訳に対し、原文は何かと聞けば、Fibrous histiocytomaと。もしわからなければだれかに確認等今後のために必要。

  • 大前委員

    表7-9の産衛学会とIARCの発がん性評価のところで、産衛学会が分類無しとなっているが、我々は1999年に2Bにしており、産衛学会がそれをチェックしていないはずはなく、確認したい。

  • 前川委員長

    その辺の機関での評価のことに関し、大前先生に確認していただき、場合によっては、それによって修正をいただきたい。

  • 福島委員

    確認のため、20ページの表で2つ目と3つ目の実験系でマクロの所見が書いてあるが、このようにマクロを記載していいのかどうなのか。

  • 前川委員長

    特に書いてはいけないということはない。

  • 福島委員

    わかった。

  • 前川委員長

    これで、1,1-ジメチルヒドラジンを読了とする。
     

エチル=3-メチル-4-メチルチオフェニル=N-イソプロピルホスホロアミダート(別名フェナミホス)(原案修正対比表説明担当:住化テクノ大下、細川)

  • 前川委員長

    1ページの物化特性からは、いかがか。排出源の情報が書かれていないことについては、後で調べていただくということだが。

    環境中の生物への影響に関して、いかがか。

    4ページの環境中の生物への影響だが、8ページのまとめにあるように、特に甲殻類や魚類に対してGHSの有害性区分は1で、非常に強い有害性を示し、環境の生物への影響としては非常に問題があり、環境中への漏出があってはならないような物質かと思うが。

  • 内田委員

    7ページの203行に、「成長などを指標に」とあるが、成長は表中のどこにも記述されていないので、削除するのが良い。

  • 住化テクノ

    了解した。

  • 前川委員長

    8ページ、ヒト健康への影響。

    体内からの消失は速やかで、組織中に蓄積する可能性はなく、12ページからの疫学及び事例の項ではヒトでの注目すべき具体例や疫学調査の報告は無い。実験動物でのデータもそれほど多くはないが、急性毒性では間代性の痙攣など神経系への影響に対する所見が見られ、軽度の刺激性があり、軽度の感作性も認められる。

    反復投与毒性では、先ほども説明のコリンエステラーゼ活性の減少が一番の所見で、多くの場合、血漿のコリンエステラーゼ阻害がメインで、脳での阻害は無いというようなデータが多いかと、一部は赤血球のコリンエステラーゼ阻害作用も認められている。

  • 福島委員

    13ページの330行から335行までの実験系につき、NOAELが3.5と最高用量になっている場合、反対に教えてもらいたいが、以前は最高用量でも何もないときには、もっと上にNOAELはあるということで、3.5μg/L超という言葉を使った。最近はどうなっているか。

  • 前川委員長

    つけるケースが多い。

  • 住化テクノ

    JMPRの場合は超はつけていない。

  • 前川委員長

    一般的には、以上とか未満という言葉を使うが、気にかかるのは、赤血球のコリンエステラーゼ活性が見られるが、そんなに強いものではなかったことから、NOAELとしてはとらなかったということだと思う。

    急性毒性、非常に大量に投与したときに出る神経系への影響は、このコリンエステラーゼ阻害であることは間違いないとは思うが、少なくとも反復投与毒性で見る限りは、血漿中のコリンエステラーゼ阻害は見られるけれども、ということかと。

  • 住化テクノ

    唯一、犬において非常に高い濃度で脳のコリンエステラーゼが阻害される。

  • 前川委員長

    14ページの351行からですね。だから、(神経系への)影響があることは間違いない。

    15ページからは生殖・発生毒性で、やはりこちらでも、特に親動物にはコリンエステラーゼ活性の阻害がみられている。

    ただ、はっきりとした胎児毒性や催奇形性というものは認められていないということで、データがそんなに多くないこともあり、ここのところでも、一応、生殖毒性と発生毒性を分けずにまとめて書いているということで、これはこれで良いかとは思う。

    それから、これもまた問題として、17ページ、遺伝毒性なしと判断したことに関する妥当性に関し清水先生にお聞きせざるを得ないかと。

  • 清水委員

    これで結構です。

  • 前川委員長

    少なくともコメントの対応にも書かれてあるように、遺伝毒性なしという判断を支持するということ。

    20ページにヒト健康への影響のまとめあり、いかがか。

    先ほど、ヒトへの影響の項に、データが無い、あるいは事例が無いということが書いてあり、ここのまとめには、その旨が何も触れておらず、できれば、ヒトでの疫学データとして報告が無い旨を記述した方が良いかと思う。

  • 住化テクノ

    はい。それは追加する。

  • 前川委員長

    ほかになければ、これでフェナミホスも読了とする。
     

2-クロロフェノール(原案修正対比表説明担当:住化テクノ大下、細川、原川)

  • 前川委員長

    1ページの物化特性から。難分解性と判定されているけれども、条件によっては生分解されるだろうと。濃縮性は無い、または低いというように判断をされる物質であるとのこと。

    それでは、5ページの環境中の生物への影響からは、いかがか。甲殻類及び魚類に対して、GHSの急性毒性有害性区分としては2に相当するとのこと。

    分布としては肝臓及び腎臓への分布とまとめられている。

    11ページのヒト健康への影響、13ページからは疫学調査及び事例で、ヒトに関しては、幾つかのデータはあるが、このものだけに暴露されているわけではないから、評価はなかなか難しい。逆に言えば、信頼できるヒトへのデータではないという判断。

    14ページからは実験動物に対する毒性で、ヒトとの対比はできないが、実験動物では、急性毒性あるいは反復投与毒性ともに、神経系への影響を中心とした影響が見られている。神経系への影響は見られているが、いずれも症状であって、特に中枢神経系あるいは末梢神経系に、形態学的に影響を及ぼしている毒性ではない。

    コメントにもあった赤血球数、赤血球容積及びヘモグロビン濃度の統計学的に有意な増加は、毒性学的に意義がないということではなく、健康上の問題へは影響ない。ただ、類似物質その他でも、こういうような変化が見られているから残したということか。

  • 住化テクノ

    はい。

  • 前川委員長

    血液濃縮みたいなものが起こっているのか。

    肝臓の混合機能酸化酵素は、括弧してMOFを入れるとわかりやすい。

    18ページが遺伝毒性で、遺伝毒性の有無について明確に判断することはできないと結論しているが、清水先生。これに関しては良いでしょうか。

  • 清水委員

    はい。

  • 前川委員長

    19ページに発がん性の特にプロモーション試験のデータが出ているが、腫瘍の種類が書いていなかった。最初のパラグラフの皮膚の乳頭腫で、あくまでも皮膚に対する影響、2番目のパラグラフの試験は腫瘍の種類が書いていない。

  • 福島委員

    書いていないが、これはENUを使っていることから、恐らく、末梢ではなく(中枢)神経系腫瘍のプロモーション実験系、あるいは、ENUはマルチターゲットを持っており、末梢神経系を含むトータルの腫瘍というニュアンスの実験系であるが、論文中にそんな記載はなかったか。

  • 住化テクノ

    トータルな腫瘍と記載されていた。

  • 前川委員長

    まとめ以外の論文の文章中に、例えば、神経系を含むというような、腫瘍の名前が少しでも出てくればよいのだが。

  • 福島委員

    もう少しわかりやすいであろう。

  • 前川委員長

    それらを含む何々腫瘍という書き方ができる。ENU、特に妊娠中のラットに対するENU投与では、発現する腫瘍はほとんどが神経系だが、神経系以外の腫瘍も出てくる。一度文章を確認して、結果のところにいろいろなことが書いてあれば、それらを含む云々という書き方に直す。

  • 住化テクノ

    文献をもう一度確認します。

  • 前川委員長

    20ページ、ヒト健康への影響のまとめでは、510行に、ヒトの場合、ヒトでの明らかな事例が報告されていないと記載されている。

    プロモーションのデータは、まだ少しわからない面があるが、それを除けば、特にこのまとめでよろしいか。

    これで2-クロロフェノールも読了とする。

     

その他

事務局より、今回の審議会をもって予定されていた評価が完了した事が伝えられた。

前川委員長より、化学物質審議会審査部会・管理部会第33回安全評価管理小委員会の閉会が宣言された。

 
 
最終更新日:2008年6月16日
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