経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会制度改革ワーキンググループ(第4回) 議事録

平成19年10月15日(月)

【金本座長】
それでは時間でございますので、ただいまから第4回の制度改革ワーキンググループを開催させていただきます。本日は皆様ご多用のところご出席いただきまして、大変ありがとうございます。
まず、本日の審議に先立ちまして、事務局から資料の確認を行っていただきます。片山課長、お願いいたします。
【片山電力市場整備課長】
それでは、お手元の配布資料の一覧をごらんいただければと思います。資料1「議事次第」から資料3、それから参考1、参考2とお配りしているかと思います。過不足ございませんでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。
【金本座長】
それでは、本日の議事に入らせていただきます。資料3につきまして事務局からご説明いただいて、その後、約100分程度残るはずでございますので、討議の時間をおとりいただきたいと思っております。片山課長、お願いいたします。
【片山電力市場整備課長】
それでは、お手元の資料3をごらんいただければと思います。送電、・系統運用部門の公平性担保のための方策についてということで、今回は同時同量・インバランスをテーマにご審議いただければと思います。
1枚おめくりいただきまして1ページ目でございます。同時同量・インバランス制度に係る検討項目といたしまして、これは7月30日の分科会で本ワーキングで検討すべきとされた論点の抜粋を掲載させていただいております。
簡単にご紹介させていただきますと、現在のインバランス・同時同量の仕組みについて、一般電気事業者とPPSとの間でイコールフッティングとなっていないといったような指摘がある。また、発電事業者がPPSや取引所に卸売する際のリスクを相対的に高める要因となっているとの指摘がある。また、変動範囲超過インバランス料金が非常に高額となっているといった指摘がある。また一方で、系統エリアの同時同量を瞬時瞬時に達成している実運用を不用意に変更すると安定供給に支障を及ぼしかねないといった指摘がある。また、現行のインバランス料金はPPSに不利益を与えるような設定ではないといった指摘等々があると。さまざまな議論があったわけでございます。
これらを踏まえまして、系統エリア全体の同時同量をいかにして確保し、また個々の系統利用者のモラルハザードをいかにして防止するかという観点から、適切なインバランス料金体系のあり方について具体的に検討すべきというのが本ワーキングのミッションでございます。
その際、インバランスの補てんにかかるコストやPPSによる実際の負担等の実態についての検証を踏まえた上で、インバランス料金体系・料金水準が参入阻害的な効果を持ってはならないとの視点が必要ではないか。
また、系統運用部門が経済合理性に基づいて、その役割を果たしていることについて説明責任を確保し、安定供給のすそ野を拡大するとの観点からも、インバランス電源調達先を一般電気事業者以外の発電所も含めて拡大することについても検討すべきではないかというふうにされているところでございます。
それでは、1枚おめくりいただきまして、まず現在の同時同量・インバランス制度はどういうふうになっているかということでございます。
3ページでございますが、今の同時同量制度でございますけれども、一般電気事業者は系統運用者として、系統エリア全体の運用業務を行っているということでございます。その際、系統運用者としての「系統エリアのインバランス管理」と、小売・発電部門としての「自社の発電・需要の管理」を一体として行っておられるということでございます。
PPSは、30分単位で発需の不一致を契約電力の3%以内に抑制することが求められている。これが30分同時同量と言われているものでございます。一般電気事業者の系統運用部門から、不足した場合には一元的に補てんを受け、その対価としてインバランス料金を支払っているということでございます。
次、4ページでございますが、同時同量のタイムフレームということでございまして、毎日毎日、こういうタイムフレームに乗って、系統エリア全体の同時同量が行われているということでございます。PPSを主語に書いてございますが、まず前日までの相対取引や前日スポット市場取引といったようなことを通じまして、需要と供給を一致させるという計画を立てるわけでございます。そして、前日の12時に託送契約上の計画の締め切りというのがあり、同時に連系線利用計画の提出の締め切りというのがございます。その後、前日の17時に一般電気事業者の翌日の運転計画がここでセットされるということでございます。PPSにとって前日計画が締め切られた後につきましては、自社調達電源の持ちかえや相対取引(この場合、速やかな系統運用者に対する通告変更というのが必要になるわけでございますが)といったいろいろな調整手段というのが準備をされているということでございます。さらに、その上で30分の同時同量を達成できなかった場合には、一般電気事業者によるインバランスの補てんが行われるといったような順番で、エリア全体の同時同量が達成されていくわけでございます。
なお、前日計画提出後の時間前市場というのは、諸外国ではこういうサービスがあるわけでございますが、我が国では現在開設されていないということでございます。
おめくりいただきまして5ページでございますが、現在のインバランス料金の体系でございます。ここは、まず接続インバランスの料金体系でございますが、PPSと一般電気事業者が託送契約を結んでいて、接続インバランス補給を受けた場合、この不足量に応じて段階別の料金が適用されるということになっております。
まず、第一変動範囲内というのが契約電力の3%以内の不足電力に対応するもの。料金水準は、下の表にございますように、平均して9円25銭という料金水準になっているということでございます。
次に、第二変動範囲内料金というのがありまして、3%から10%の範囲でPPSが任意に設定した値と3%の範囲の不足電力に対応した料金ということでございまして、下の表にございますように2部料金制をとっているということでございます。
なお、下の米印にございますように、この第二変動範囲内料金、前回の制度改革に伴って設定されておりますが、基本的にあまり利用は多くないということでございます。
それから、変動範囲外料金でございまして、第二変動範囲を超過する不足に対応。選択していない場合には、第一変動範囲を超過する料金に適用されるわけでございます。これは、下の表を見ていただければわかりますように、料金水準というのはかなり高いものになっているということで、冒頭の論点でご紹介いたしましたように、この料金水準に対する不満が非常に大きいということでございます。
次に、6ページ以降でございますが、ここはPPSにおいてどのようにインバランスが発生し、その負担がどうなっているかということを簡単にまとめたものでございます。
まず、6ページは接続インバランスについてでございますが、量ベースでは変動範囲内インバランスがほとんどを占めていると。他方、金額ベースでは高額な料金単価を反映し、変動範囲外インバランスが約23%を占めているということでございます。PPS全体の接続インバランス料金支払い額は、平成18年度の実績で約17億円になっております。PPSの電力販売額に占める割合は約1.1%ということでございます。
次に、7ページでございます。PPSにおける振替インバランスの発生ということでございますが、振替インバランスにおきましては、変動範囲外インバランスの占める割合が多く、量で23%、額で6割程度になっているということでございます。
PPSの事業拡大に伴って、振替インバランス料金支払い額も急速に増えておりまして、全体で約1.4億円ということになっております。したがって、両方足しますと18億円を超える支払い額になっているというところでございまして、PPSが巷間あまりもうかっていないと言われている中で、この負担額というのをどういうふうに考えていくかということではないかと思っております。
次に、8ページでございます。これはPPSの規模とインバランスに係る事業リスクの関係について言っております。実同時同量ということでございますので、当然規模が大きくなればなるほどインバランスの発生確率というのは小さくなる傾向にあるのではないかと思います。そういう意味で、PPSのあるエリアにおける販売電力量で大小を分けてみた場合に、相対的に販売量が小さい場合には、販売額に占める接続インバランス支払い額の比率が高くなっているということがうかがえるのではないかと思います。
また同時に、販売額に占める変動範囲外接続インバランスの割合というのも高くなっているということで、水準的には倍ぐらいの違いがあるということでございます。
おめくりいただきまして、次に、こういった制度の現状あるいはPPSにおけるインバランスの負担といったようなことを踏まえまして、このワーキングでどういう点についてご議論いただくのかということでございます。10ページにございますように、大きくインバランス料金制度そのものについて、もう一つは、インバランスに係る事業リスクの低減策についてご議論いただければと思っております。
インバランス料金制度につきましては、PPSと一般電気事業者のイコールフッティングの考え方、インバランス料金の水準、モラルハザードの防止といったような論点。事業リスクの低減ということにつきましては、時間前市場、バランシンググループ、発電事業者の発電不調時の調整容易化、託送に伴う余剰電力の買い取り料金水準、新規参入者に対する裾切り値の設定といった5つの論点を提示させていただいております。
おめくりいただきまして、インバランス料金制度でございます。まず、12ページでございますが、イコールフッティングについてということでございます。これまで電気事業分科会等々におきまして議論がなされているポイントのご紹介でございますけれども、一般電気事業者は系統運用者としてエリア全体の系統運用業務を行っておられる。その際、「系統エリアのインバランス管理」と「自社の発電・需要の管理」を一体として行っており、インバランス供給、自社需要と分離した運用は行っていないという指摘がございます。また、この点につきまして、競争主体としての発電・小売事業者としての機能に着目すると、一般電気事業者は自社の発電・需要そのものにおいて同時同量を管理しているわけではない。「一般電気事業者はインバランスを発生させない」こととなっているとの指摘もあるということてございます。
したがいまして、イコールフッティング論を議論する際、難しいのは、実態として分かれていないというところと、他方で一般電気事業者さんとPPSさんとがお互い競争関係にあるというところ、この2つをどういうふうに切り分けながら同時同量インバランスのところのイコールフッティングを考えていくのかということでございます。
方向性ということでございますけれども、エリアの同時同量のために要するコストというのを何らかの方法で抽出した上で、一般電気事業者とPPSが公平に負担する形に改めることを検討していくべきではないかということでございます。
さらに、イコールフッティングの観点から、一般電気事業者がインバランス料金に関する収支を作成すること等を検討すべきではないかということでございます。こういうことをやることによって、エリア全体の同時同量をいかにして確保していくかということと、相互に競争関係にあるというところをどういうふうにうまくミックスしていくかということに答えを出していけないかということでございます。
1枚おめくりいただきまして、上の四角に運転予備力について書いてございます。これは、先ほどのエリアの同時同量のために要するコストというところで、このコンセプトが使えないかということでございます。米印のところは、中立機関ルールからの抜粋でございます。ここでは、一般電気事業者の送電部門は、管轄制御エリアの電力系統の供給信頼度を確保するため、以下の項目というところで、最大需要の予測差や発電機械自体の故障等を勘案してということでございますが、原則として当日の最大需要に対して、少なくとも3から5%、または最大電源ユニット相当量の運転予備力の確保に努めると書いてございます。こういう運転予備力というコンセプトというのが、需要の急増や電源脱落といったものに対応する供給力であると概念的には位置づけられているということでございます。
したがいまして、1つのご提案として、こういうコンセプトを使うことによって、下の四角でございますが、こういった運転予備力に相当する固定費を、一般電気事業者が自社の発電・需要の管理と一体として行っている「系統エリアのインバランス管理」のために要するコストととらえて、この運転予備力の使用実態に応じて一般電気事業者、PPSが公平に負担する仕組みへと変更してはどうかということでございます。この使用実態という言葉そのものを具体的に数値にどのように落としていくのかというのも、なかなかテクニカルに難しいところだとは思いますけれども、コストと、それに対応する電力量というものを何らかの形で定義することによって、エリア全体のコストを公平に負担するといったような料金体系ができないかということでございます。
また、当然のことながら、こういった固定費とは別途、燃料代等の可変費も含めて、このコストを算出していくということでございます。
次に、14ページでございます。変動範囲外インバランス料金の水準についてというところでございます。ここにつきましては、現在の変動範囲外インバランスが非常に高額だということで、より一層の低廉化が必須だという指摘があるということでございます。
他方で、この変動範囲外インバランス料金を安くし過ぎますと、PPSがこのインバランス料金を支払うということによって、同時同量を達成するためにみずから負荷追従を行うことを放棄するおそれがあるのではないか。つまり、モラルハザードとの関係をどう考えるかということでございます。
3番目は、少し視点が違いますけれども、卸電力取引所のスポット価格のこれまでの水準といったようなものにつきましても、この変動範囲外インバランス料金の水準を検討する上で参考になるのではないかということでございます。
以上を踏まえまして、変動範囲外インバランス料金の設定の考え方でございますが、例えば変動範囲内インバランス料金のX倍というふうに設定してはどうかということでございます。これは、変動範囲外インバランス料金自体はモラルハザードの防止といったような観点もあるということでございまして、ある一定のペナルティー性を持たせると考えることによって、X倍というのを設定していくという考え方でございます。同時に、そのX倍を設定するためには、水準自体につきましては、1つは、PPSや発電事業者にとって参入阻害的とならない価格である必要がある。もう一つは、PPSの同時同量達成に係るモラルハザードを防止できるような水準であるべきである。3番目に、卸電力取引所のスポット価格の水準というものを参照して決めていくということも一つの目安になるのではないかということでございます。
15ページでございます。その他の留意点ということで、1つは、変動範囲内インバランス料金というのも、ある意味で不可避的に発生するものだと考えた場合、ここにつきましては季時別には展開しない。現在の変動範囲外インバランス料金自体もそういう考え方になっているかと思いますが、引き続きそういう考え方を維持してはどうか。他方で、変動範囲外インバランスにつきましては、需給の逼迫等を勘案し、季時別に展開していくということを考えてはどうかということでございます。
2番目は、具体的な料金水準自体、今の段階で議論していくのはなかなか難しいところでございますが、PPSの事業遂行上のインバランス料金の重要性にかんがみて、こういったインバランス料金の算定方法の変更に伴って、PPSの負担が現状より重くならないことが重要ではないかということでございます。
最後に、選択変動範囲内の料金が今あるわけでございますが、利用実態というのを踏まえながら、存続の是非について、今後改めて検討していってはどうかということで、きょうの段階ではどういうふうにすべきというところを、事務局としてまだ提示するには至っていないというところでございます。
インバランス料金制度につきましては、以上でございます。
次に、16ページ以降でインバランスに係る事業リスクの低減策についてでございます。
1枚おめくりいただきまして、まず時間前市場の創設の検討でございます。前回のワーキングで時間前市場というものをつくってはどうかというふうにご提案をさせていただいたところでございます。その際、委員の方々からは、もう少し具体的なイメージというものに基づいて検討すべきではないかといったようなご示唆があったのではないかというように思っております。
1ページ目に書いてございますのは、前日計画策定後に発電不調や需要急増等により不測の需給ミスマッチが生じた場合、諸外国と異なり取引メニューが限定的な我が国においては、現在、発電事業者やPPSが市場を通じて電源を調達することはできない。
このため、これら事業者の事業リスク低減に資する「時間前市場」の創設を検討することが重要ではないか。
ただ、検討に当たっては、前回のワーキングでもご議論が出ましたが、安定供給の確保の観点から系統運用への影響に十分留意し、費用対効果の観点も適切に考慮することが必要である。したがって、インバランス料金を始めとする電気事業制度との関係にも留意の上、海外事例も参考としつつ、創設するとした場合の市場設計の枠組みを一定程度具体的に想定した上で検討していってはどうかということでございます。
18ページでございますが、ヨーロッパにおきます当日取引市場の特徴ということで一覧表をつけさせていただいております。欧州の電力取引所の多くでは、当日取引市場が開設されておりますが、その多くはザラバ方式で価格決定が行われている。ただ、一部ではシングル・プライス・オークション方式を採用している取引所もあるということでございます。
また、実際、何時間前まで取引ができるのかというのがちょうど中段ぐらいにありますけれども、早いもので1時間といったようなものもあるということでございます。市場参加者というのは、基本的に北欧、ドイツ、フランスなどではバランシンググループに所属しているものといったようなことになっておりまして、実際の電気の受け渡しに着目したマーケットになっているということ。それから、一番下でございますが、当日取引の電力消費量に対するシェアというところで見ますと、0.1%から0.4%。スペインはちょっと例外的に、若干特殊な取引形態でございますので比率は高いですけれども、前回のワーキングでご紹介したようなスポット市場の規模に比べると、1けた小さいような規模になっているということがうかがえるかと思います。
おめくりいただきまして19ページでございますが、ここは今のような実例を参照しつつ、我が国で創設を検討するとした場合の具体的なイメージについてご提案させていただいております。
まず、時間前市場の基本的な性格でございますが、前日計画策定後に発電不調や需要急増等により不測の需給ミスマッチが生じた場合に、市場を通じた電源調達を可能にするものと考えられる。こうした性格のもとでの市場参加者には、「取引所の取引会員であること」に加えて、買い手側については、発電事業者も含め、「前日段階で電気の供給の計画を有していること」を要件とすべきではないか。
系統安定の観点からは、前日計画が供給区域の需給バランス確保・潮流状況把握のために果たしている現在の機能が引き続き保持され、安定供給が確保されることが必要であることから、時間前市場を創設する場合には、上記の基本的性格についての認識を市場参加者の間で明確に共有した上で、当該機能が損なわれないよう、基本的性格を逸脱するような利用がなされていないか事後検証を行うなど、何らかの措置を講じることとしてはどうかということでございます。
次に、取引対象とする市場の範囲でございます。この市場の範囲につきましては、上記の基本的性格のもと、取引の成立容易性というものを考慮して、現行の前日スポット市場の運用も踏まえれば、全国市場とすることが適当ではないかと考えております。
次に、20ページ目でございます。取引形態でございます。時間前市場の開場時間や値決め方式等の取引形態については、これはさまざまな選択肢があるところでございます。海外事例も参考にしつつ、市場参加者のニーズ、費用対効果、系統運用への影響などの観点を総合的に考慮して検討すべきだというように考えられます。
検討すべき要素を4点ばかり並べております。
まず1点目でございますが、買い手側のニーズからは、買いニーズが発生した後、できるだけ早く取引を行い、実物の受け渡しができることが望ましい。したがって、前日スポットの入札締め切り後は常に市場があいている24時間連続型が理想的と考えられる。ただ、発電不調や前日計画における翌日の需要予測とのずれの判明といった事態というのは、一般的には夜中には生じにくいのではないかというように考えられるところでございます。
2点目として、海外の取引所の多くは、前日スポット取引終了後から実受け渡し1時間程度前まで取引が可能なザラバ方式が採用されている。他方で、1日数回場を開くオークション方式を採用している国も存在しているわけでございます。
3点目に、費用対効果の観点からは、システム費用、人件費などが主な考慮点となると考えられ、詳細検討に当たっては取引所や系統運用に係る追加コストを精査する必要があるわけでございますが、少なくともこれまで市場取引を行っていない夜間にも開場することとすれば、相当の追加費用を要することは確実というように考えられます。
また、4点目でございますが、系統運用への影響の観点からは、約定量の多寡にも左右されるわけでございますが、一般的には常に取引が成立する可能性があるザラバ方式のほうが、特定の時間に取引が成立するオークション方式よりは、特に系統運用者に係る負担は相対的に大きいというように考えられるということでございます。
以上の点を踏まえますと、時間前市場を創設する場合には、市場参加者のニーズに適切にこたえるものであるということを前提に、24時間連続型の市場とはしない方向で検討し、何時間前までの電気の取引が可能かどうかを含めた具体的な取引形態については、我が国の系統運用実態や費用対効果の観点も含めて、詳細制度設計を行う中で検討してはどうかというように考えております。
21ページは、北欧、ドイツ、フランスの当日取引の取引スケジュールをまとめたものでございます。
22ページは、スペイン、ポルトガル、ここはオークション形式でやっているところでございますが、それのスケジュールをまとめたもの。一番下は、我が国でかつて行われていました経済融通の取引スケジュールをまとめたものでございます。詳細な説明は割愛させていただきます。
23ページ、24ページは、ドイツのEEXにおけます当日取引の価格と取引量の推移というものを見たものでございまして、23ページは月単位でまとめたもの。見ていただきますと、ボリューム的には消費量に対して0.1から0.2%ぐらい。1日の平均の取引量は、300万キロワットアワーぐらいで最近推移している。価格につきましては、スポット価格を若干上回るような価格水準がついているということでございます。
24ページは、日単位での推移を見たものでございまして、取引量は増加傾向にあるわけでございますが、これまでの一番大きな取引量は1,206万キロワットアワーだったということでございます。また、取引量は日によって随分違う、また、価格も非常に大きく動いているわけでございます。ちなみに、2006年は当日取引量がゼロという日が2日あったということでございます。以上が時間前市場についての説明でございます。
次に、25ページ、26ページでございますが、ここはバランシンググループの活用容易化ということでございます。バランシンググループの利点といたしましては、こういったものを形成することにより、グループを形成するPPS全体で同時同量を達成するということになりますので、規模が大きくなるほどインバランス発生の事業リスクは低減していくということでございます。現在の託送制度の中にも、代表契約者制度という複数のPPSをまとめて代表契約者が一般電気事業者と契約するという仕組みがございます。ただ、現状では代表契約者となるPPSに精算等の事務負担や責任というものが集中するということで、各PPSの情報が共有されてしまうなど、競合するPPS同士でグループをつくりにくい仕組みになっているということでございます。
したがいまして、26ページでございますが、改善策といたしまして、代表契約者から委任されたPPS以外の第三者が、インバランス料金等の託送料金の精算や一般電気事業者に対する事務連絡等の役割を代行することを可能にするなどの運用改善を行うということを考えてはどうかと考えております。
次に、27ページ、28ページでございますが、発電事業者の発電不調時の調整容易化ということでございます。現在の託送制度では、託送供給の主体はPPSでございまして、発電事業者は託送契約の主体となり得ず、発電計画の提出あるいは計画変更の申し出もPPSを介して行うことが必要となっております。また、託送供給約款上、個別の供給電源と供給量をPPSごとに事前に特定することが必要となっているということでございます。
以上のような仕組みになっているということから、特に発電事業者が複数の発電所から複数のPPSに販売している場合、1つの発電所に事故が発生した場合でも、発電事業者が主体的に発電計画を変更できない。PPSを介しての発電計画の変更となるということでございます。そのため、変更手続の時間の分だけインバランス発生時間が延びる可能性がある。また、事故により停止していた電源が復旧しても、PPSの了承を得るまで発電を開始することができないということでございます。ここは、発電事業者側でインバランスの発生リスクというのをコントロールするのがなかなか難しいというのが今の現状になっているということかと思います。
28ページでございますが、その改善策といたしまして、PPSと発電事業者間の事前の合意があった場合におきまして、電源脱落等が起こった場合は、各PPSを介して一般電気事業者に通告変更を行うのではなく、発電事業者が直接、一般電気事業者に連絡して、発電計画の変更等の手続を行うことができる仕組みについて具体的に検討していってはどうかということでございます。
次に、29ページでございます。託送に伴う余剰電力の買い取り料金水準でございます。PPSが同時同量を達成していく上で、需要に対する供給の不足分につきましてはインバランス料金が適用されるわけでございます。他方で、需要に対する供給の余剰分については、余剰電力の買い取り価格が適用されます。ここは、要するに極めて短期の卸電力取引というふうに考えて非規制になっているということでございます。
実際の各社の余剰電力の買い取り価格というのは、下の表にございますように季時別に設定されているところもあれば、一定の価格に設定されているところもあり、水準も含めてさまざまになっているということでございます。この点につきまして、一番下の四角でございますが、同時同量を達成していく上で、この余剰電力というのは、いわば不可避的に出るようなところもあるということを踏まえまして、この料金水準自体が適切に設定されていくということが必要なのではないかというように考えております。
次に、30ページでございますが、変動範囲外インバランスの裾切り値設定でございます。冒頭ご説明いたしましたように、PPSが新たに事業を開始したり、あるいは既存のPPSでも新しいエリアに参入した直後というのは、需要や電源の規模が小さいことから変動外インバランスを発生させる確率が高い傾向にあると。新しいところに出ていく上での障害になっているのではないかということでございます。
他方で、規模の小さなPPSは、みずからの規模に対する割合では大きなインバランスを発生させるわけでございますが、仮にそうであったとしても、エリア全体から見たインバランスの規模は小さいということで、系統に与える影響は小さいということが言えるのではないかというように思います。
したがいまして、新たなエリアに参入したPPSにつきましては、参入後の一定期間に限って、ある量を設定して、その量以下の範囲の場合には変動範囲外インバランスとみなさないとするような裾切り値を設けるということは考えてはどうかということでございます。
1枚おめくりいただきまして、31ページは、今年出ましたアメリカのFERCの規則、オーダー890でございますが、ここでインバランス料金設定の標準的な考え方というのが示されているところでございます。詳細は省きますけれども、アメリカの場合、これは計画同時同量が前提になっておりますけれども、逸脱の範囲が大きくなるに従って、段階的にインバランス料金というものが設定されているという点。それから、最低逸脱電力というものが設定されているといったようなことになっておりまして、このあたりが今回のインバランス料金制度改革の一つの参考として、こういうものがあるというものをご提示させていただいております。
それから、32ページ以降は、主としてインバランス料金制度をマーケットを使ってやっているところのご紹介ということで、今回の制度改革とは直接には結びつきませんけれども、海外ではこういった仕組みも採用されているということをまとめさせていただいております。
【金本座長】
どうもありがとうございました。それでは、これから100分ちょっとございますので、ただいまのご説明につきまして、各委員及びオブザーバーの方々からご意見を承ります。
前半十四、五ページまで、インバランス料金関係の話と、それからその後、インバランスに係る事業リスクの低減策という2つに分けてご議論いただきたいと思います。まず最初の15ページまでというところでご議論いただきたいんですが、通常どおり、ご発言がある場合にはネームプレートを立てていただくようお願いいたします。それでは、どなたからでも結構でございます。よろしくお願いいたします。山地委員、どうぞ。
【山地委員】
ありがとうございます。きょう、ちょっと後半、途中で抜けなきゃいけないということがありますので、早目に発言させていただきます。
12ページのところに書いてあるイコールフッティングという件なんですけれども、ここに書いてあるとおりと私も思いまして、PPSは30分同時同量ということで需給バランスをとっている。一方、一般電気事業者は瞬時のバランスをとっているというわけで、そもそもこれはイコールでないわけですから、その部分をインバランス料金と、それからアンシラリーサービスの料金をPPS側が電力会社側に払っているということなんです。そうすると、インバランス料金をイコールフッティングで決めるというのが原理的に非常に難しくなる。
だから、12ページの下のほうの、さらにイコールフッティングの観点からと書いてあるところはちょっとわかりにくいんですけれども、結局、電力会社もPPSと同じような立場にして、ちょっと言葉がきついですが、アンバンドリングのシミュレーションのようなことをして30分同時同量ということにすれば、どれぐらい電力会社にインバランス料金が発生するかということを計算するのかなと思っているんですが、それでよろしいのかどうかということが1つの質問です。私は、それは合理的と思います。
それから、きょうの資料全体がそうなんですけれども、今のように一方で垂直統合された電気事業者があり、そこに新規参入者があって電源を調達しながら小売するという状態では、イコールフッティングにすることは非常に考えにくい。これは、今回の議論でできるとは思ってはいないんですけれども、やはり最終的な方向というのは、電源部門、発電部門というのをある程度分離していく方向ではないか。原子力とか水力など、長期固定電源は別途対処するとして、火力発電についてはそういうふうにしておけば、今のシミュレーションというのが実際に起こる。電力会社も電源を調達していくということになります。その中で、電源の予備力の運用もそういうところで行う。そうすると、予備力も電力会社もPPSも共通で管理する、管理する人は別にいるんでしょうけれども、共通にアクセスできる。そういうことを考えないと、今のままの仕組みの中でイコールフッティングの問題を何とか実現しようとすると、非常に複雑なプロセスにならざるを得ないなというのが私の感じでございます。
【金本座長】
とりあえず、発送電分離を議論するということになっていませんので、ここでは一体型を前提にして、どういうものが導入が可能かということだと思います。山地委員言われたように、なかなか難しい、若干フィクションになるような感じの計算をしなければいけないというのは事実でございますが、なるべく公平というのは何かということをきちんとやるというのが今回の目標なのかなと思います。鶴田委員、お願いいたします。
【鶴田委員】
ありがとうございます。事務局が随分苦労されたなとの印象を持ちました。インバランスに対する考え方は、私は今、山地委員がおっしゃったように仮想的世界ですから大変複雑になっていると思います。それは日本の垂直統合型供給システムを維持するためのコストだというふうに割り切って考える必要があると思います。ここはアンバンドルの議論をする場ではございませんけれども、仮に系統部門をアンバンドルにして、例えばISOみたいなものを立ち上げたとするならば非常にシンプルな形になると思います。しかし、垂直統合型供給システムを維持するという前提に立つとイコールフッティングという観点から考えた場合にバーチャルな世界ですからどうしても複雑になるし、どこかで割り切らざるを得ないところがあるのではないかと思います。
考え方としては垂直統合型供給システムを一方では維持しながら、他方では、機能的に考えた場合にはアンバンドルした状態と同じような仕組みを理念的に入れていかざるを得ないと思います。シミュレーションの仕方いかんによって確かに難しいし、煩雑になることはやむを得ないわけでありますけれども、そこのところは割り切って考えていかざるを得ないと思います。
12ページでのイコールフッティング確保の方向性についてで2つのことが指摘されております。ここのインバランス料金に関する収支を作成することですけれども、この作成の仕方はある仮定を置いて計算することになると思いますけれども、もし計画同時同量を入れることができるならば、ルールとしてはもっとシンプルになる可能性があると思います。ただ、いろいろな事情によって、計画同時同量というコンセプトは一つも入っておりませんし、またそれは採用しないという前提に立っているのだと思いますそうすると指摘されておりますように、エリアの同時同量のためのコストを抽出した上で一般電気事業者とPPSとが公平に負担するために一般電気事業者がインバランス料金に関する収支を作成することを最低限実施していかざるを得ないと思います。
一般電気事業者の方々はインバランスは発生していないというふうにおっしゃる方が多くおられますけれども、このレポートにありますように、エリア全体の同時同量と、事業者としての事前の計画と実績とに分けて考えてみると、一般電気事業者はインバランスを認識できないけれども実態的にはインバランスは発生しているという前提に立って考えるべきだと思います。
12ページの事務局がご提案になったイコールフッティング確保の方向性について、山地委員がおっしゃったようにシミュレーションは大変難しいかもしれませんけれども、いくつかの仮定を置きながらここに書いてあるようなゴールに到達してほしいと私は思います。
【金本座長】
そのほか何かございますでしょうか。横山委員、どうぞ。
【横山委員】
ありがとうございます。12ページの考え方に私も賛成でありまして、13ページ以降の話に入りたいと思うんですけれども、変動範囲内のインバランス料金の料金算定に当たり、この12ページにありますように、コストを考えて合理的に抽出して算定するということは賛成でありますけれども、13ページ以降にあります運転予備力というのは、この資料のESCJルールにありますように、会社により総需要の3から5%を保有する場合と、短期の最大容量の確保する場合という違いがあるわけです。現段階では、ここで用いている予備力の詳細については、ESCJルールの解説を読んでいただくと、詳しい予備力の定義が書いてあります。その辺、また詳細議論のところでやっていただければいいと思うんですが、予備力ですので、やはりコストというのは高くなるということを考えるのが普通ではないかというふうに思います。ですから、そのときにはPPSさんの負担増をできるだけ回避するという現実的な要請があるわけですから、そことのやり方をどう考えるかが、先ほど皆さんがおっしゃるように非常に難しいんじゃないかなという気はいたします。
それから、変動の範囲外の超過料金につきましても、引き下げるにしましても、事実上、これが卸電力市場のプライスキャップになっていると思うんですね。ですから、資料にもありますように、市場価格の形成を阻害しないような水準を慎重に考えるということは非常に重要じゃないかというふうに思います。
【金本座長】
どうもありがとうございます。そのほか何かございますか。川﨑さん、どうぞ。
【関西電力(川﨑)】
同時同量インバランスについてですけれども、今、山地先生並びに鶴田先生おっしゃいましたように、非常に難しい問題があると思います。それで、電力会社の立場から申し上げさせていただきますと、電気という商品をお届けするに当たっては、やはり電圧・周波数を一定にしたきっちりとした品質でお届けするということになりますので、これは電力会社、電気事業者としてはやらなければならない責務であり、それについては共通のご認識をいただけると思います。
それに対して、そういうことをきっちりやっていくためにはどうやっているかということになりますと、今の垂直一貫体制のもと、いわゆる電力会社で言う全電源を一体に運用しながらやらせていただいている。しかも、それは同時同量という意味では、1分なり、数分なり、そういった形で常々需要と供給の見直しをしながら、瞬時瞬時の同時同量を行っているというのが実態でございます。したがって、先ほど両先生がおっしゃいましたように、この中でインバランスと自社需要分に分けるのは非常に困難があると、これはまさにそのとおりでございます。そういったところから、いわゆる全電源のもとにインバランスを供給させていただくということで、いわゆるインバランス料金の変動範囲内料金につきましても、全電源の平均コストということで、私どもの一般のお客様に提供させていただいている小売料金と同じ考え方で料金を設定させていただいているというところでございますので、そういった考え方と今のインバランスの料金の水準といったものは、トーンとしては私もきっちりとれているかなと思っております。
変動範囲外につきましては、事故時のようなところで、ほとんどまれにしか使われないということもありますので、そういった意味で事故時等を考慮いたしまして、今の料金水準になっておりますけれども、ある意味単純従量制で発生したときだけPPSさんにご負担いただくという形になっておりますので、負担も考慮しながら設定はさせていただいていると考えております。
PPSさんの同時同量につきましても、本来、参入していただく上は、電力会社と同じように瞬時瞬時の同量ということは、事業者の責務としては当然あるべきだと思いますけれども、そこには非常に限界があると思いますので、いわゆる30分の積算値のもとでの同時同量とし、しかも、その中には3%というような変動範囲内の水準というのも設けさせていただきますし、しかもそれはPPSさんが年間8,760時間の中で、託送上、最大に使われるキロワットに対しての3%ということでございますので、夜間とか端境期につきましては、倍以上の、6%以上の変動範囲内というものも生じてくる場合がほとんどでございます。そういったところから、確かにイコールフッティング的に眺めるのは非常に難しいかと思いますけれども、それぞれの電力会社なら電力会社、PPSさんならPPSさんの中でおのおのの責務を、いわゆる電気事業者の責任者としてやっているという今の体制においては、この考え方はある意味きっちり筋は通っているかなと思っております。
それと、資料にあります運転予備力という考えですけれども、これは先ほどの全電源平均ということとはちょっと異なってまいりますので、先ほど横山先生がおっしゃいましたけれども、普通に考えるなら若干高くなる可能性があるということでございますので、そういったところをもし仮に置いて計算するということになるならば、どういった側面からそういったことをするのかといったようなことを含めて、チェックならチェックということもあると思いますけれども、そういったところを考えながら検討していく必要はあるかと思います。
【金本座長】
実際に落とすとなかなか難しい点が多いんですが、松村委員、いかがでしょう。
【松村委員】
一番基本の考え方のところで既に確認されたと思ったことが、また引き戻されたような発言が出てきたので、一応僕の認識は全く違うということを言っておきたいと思います。
今の川﨑オブザーバーからの説明だと、あたかもPPSも実同時同量をするのが望ましいのだけれど、それというのはまけてやっている、30分単位という緩い同時同量で、一般電気事業者は実同時同量という厳しいことをやっているんだというような認識がまたぞろ出てきたという印象を受けました。私は根本的に考え方がおかしいと思っています。PPSは、本来はそのような責務を負うべきであるなどと私は全く思っていません。そんな不気味な制度というのを構築するのが理想の姿だということはあり得ないと思います。
給電指令を持っていて、ここの部門を管理してくださるという意味で、一般電気事業者さんは重要な役割を果たしてくださっている。それは垂直統合という制度の前提です。その役割を果たしている者の責務として、電圧なり、周波数なりというエリア全体のものを見ながら、全体の需給を合わせていくという責務を負っているわけです。これをエリア全体ではなく小さな単位の個々のところがやるなんていうことというのは、全く無意味であるし、社会的にも無意味です。だからこれを一つの事業者さんにお任せしているわけです。その部門だけ分離独立していないで、その事業者さんが発電小売事業もするということを認るのが基本的な垂直統合の考え方です。
この制度の下で、一般電気事業者さんは実同時同量をやる責務があって、その責務を誠実に果たしてくださっている。その責務を果たす者が、圧倒的なマーケットシェアを持っているということを前提にすると、発電小売部門は、PPSと同等の努力をしなくても必然的に30分同時同量は満たされてしまうことになる。つまり垂直統合していることの圧倒的な有利さが生じているわけです。本来は一般天気事業者の発電小売部門とPPSが対等に競争すべきであるのに、垂直統合している結果として、その発電小売部門というのが果たすべきとされている30分同時同量の制約というのを事実上クリアしてしまうことになる。、垂直統合の有利さというを持っていってしまう。形式的には確かに実同時同量を満たしていれば、必然的に30分同時同量を満たしているわけですから、インバランスは発生していないというのは正しいかもしれないけれども、それでは実質的なイコールフッティングになっていないのではないか、というのが議論の出発点だったと思います。PPSは本来は当然、実同時同量を満たすべきだと、それをまけてやっているという発想は根本的におかしい。
もともと日本型の垂直一貫体制というモデルをつくっていこうというのは、垂直一貫の社会的なメリットを全部とりながら、競争上、不公平になるというデメリットは、基本的な制度の手当てによって解消できるということを前提として、垂直統合モデルが正当化されているのだと思います。イコールフッティングになっていない、今言ったような垂直統合の有利さというのを、競争上の有利さに変えてしまうというような制度があるとすれば、日本型の垂直一貫モデルを作ろうという基本的な発想に反すると思います。本来的に垂直一貫だとしても、山地先生がおっしゃったように、バーチャルには、頭の中では、機能は分けて整理できるはずで、一般電気事業者の発電小売部門には、本来はインバランスが発生しているはずだ、ということは議論の出発点だと理解しています。したがって、インバランスの収支というのが出てくるというのは、第一歩として絶対重要なことであるし、現在の制度ではイコールフッティングというのは必ずしもなっていないということは議論の出発点として確認していく必要があると思います。
【金本座長】
どうぞ。
【東京電力(西澤)】
松村先生がおっしゃった、先ほど山地先生もおっしゃった議論なんですけれども、同時同量は安定供給の基本であり、これをどのように考えるかということは、前回の制度改革も含めて何回も議論してきたわけです。
それで、電力としては、PPSさんにまけてやったとか、そういう意味ではなくて、おのおのが安定供給を果たすためにはどういう役割を果たしたらいいかということで、さっき松村先生がおっしゃったように、最終的には誰かが瞬時瞬時も含めてしっかりやらなきゃいけませんが、電力は全体の系統を見ていますから、それは電力がやると。PPSさんはそこまでという形ではなくて、30分同時同量という形でそこに参加してもらいましょうと。皆さんそれでいいということになって、今までやってきたわけです。そういう形で、我々は安定供給をこの一貫体制のもとで果たしていこうということです。
今回、そもそもこの議論が始まったのは、そういう形でやってきたんですけれども、非常に料金水準が高いというようなことが、PPSさん等や、先ほど片山課長からありましたけれども、いろいろ指摘されているということでした。そこを一体どういうふうに考えたらいいのか。我々としては、先ほど川﨑オブザーバーが言いましたけれども、平均の電源コストという形で、我々が客さまに出しているのと同じコストでPPSさんに提供しており、これはまさにコスト的に見ればイコールフッティングとなっています。ですが、もっと違う考え方でいいのがあれば、それはそれで考えていこうということであります。ただ、アンバンドル云々という話になりますと、これはこの場で議論する話じゃなくて、上の分科会でしっかり議論してもらわないといけない点で、そこの考え方がずれていてはこの議論には入れないと思うのですけれども。
【金本座長】
レトリックが若干違っていますが、それほど今の段階で考え方が違うわけではないんだろうと思います。とりあえず一貫型でやるときにインバランス料金をどう設定するかというところがあって、それは公平じゃなきゃいけないというところがあって、それを具体的にどう担保するかというのはなかなか難しい。それをどうしようかねという問題を何らかの形で解決しようとしているということかと思います。ということで、プラクティカルな解を見つけたいなというふうに私自身は思っております。じゃ、白羽委員。
【エネット(白羽)】
ありがとうございます。インバランスにつきまして、熱心なご議論ありがとうございます。今回の資料にございますように、インバランス相当分を切り出した上で、電力会社さんとPPSが公平に分担する仕組みへ変更するという方向にしてはどうかというご提案につきまして、今、電力会社さんとPPSのイコールフッティングの確保に寄与するものとして期待できるものではないかというふうに思っています。
一方、事業者の立場といたしましては、公平性の観点とともに、こうしたインバランス料金算定方法の変更に伴いまして、インバランスに係る料金負担がどう変わるのかというのが最大の関心事になってまいります。PPSにつきましては、資料に書かれてございますように、インバランスの過去実績を見ても、不可避的に発生せざるを得ない変動範囲内のインバランスのほうが圧倒的に多くなっておりますので、変動範囲内のインバランス料金の負担もどうなるかというのが大変重要になってまいります。
この点につきまして、資料では変動範囲外につきましては変動範囲内のX倍という設定にしてはどうかというご提案がなされております一方、変動範囲内につきましては、季時別には展開しないということしか書かれてございません。先ほど横山委員のほうからもご指摘ございましたけれども、資料の15ページのその他の留意点についてというところの2つ目の矢印のところにございますように、インバランス料金の算定方法の変更に伴いまして、PPSのインバランスの料金負担が逆に現状より重くなるということがないように、ぜひお願いしたいというふうに思っております。
【金本座長】
そのほか何かございますでしょうか。鶴田委員、どうぞ。
【鶴田委員】
安定供給という観点から、系統エリアのインバランスを管理することだと思います。日本の電気の質は非常にすぐれているというという評価がございますけれども、それは一般電気事業者さんの系統エリアのインバランスを管理する能力が非常にすばらしかったと私は思います。その機能は将来にわたっても維持していただきたいし、また維持しなければ安定供給ができないと思います。ただ、それにしても電気事業者の小売と発電との関係で言えば、前日の計画段階から実績に至る過程で、私はインバランスが発生していると思いますから、その部分についてPPSとイコールフッティングの関係にすべきだと私は思います。
先ほど川﨑委員のほうから、電力は全電源一体となってサービスを提供しているというふうにおっしゃいましたけれども、やや言葉が不正確ではないかと私は思います。どういう意味かと申しますと、一般電気事業者さんはコストの安い電源からコストの高い電源まで多様な電源をお持ちになっておられるわけで、ある意味ではメリットオーダーで電源管理をされているはずだと思います。そうなりますと、PPSさんのインバランスにつきましては、PPSが前日計画した需要量に対して、当日に電源を確保できなかった場合にはそれを電気事業者さんに依存して充足して貰いPPSはそのコストを払う、これがインバランス料金だと認識しておりますが、そうしますと電気事業者さんにとりましては、メリットオーダーの中で相対的にコストの低い電源は一般電気事業者のお客様にすでに充当されておりますから、インバランスのための電源はコストがより劣位な電源に移行していかざるを得ないので、その場合にはマージナルコストという概念で考えますと全電源平均コストよりも高くなることは必定だろうと思います。したがって、全電源一体と言うのではなくて、やはり電力さんはメリットオーダーで電源管理をされているというところが非常に大事です。
そうしますと、運転予備力でコストをはかっていく場合に、先ほど松村委員が懸念されたように、3%未満のところでも私はインバランス料金が高くなるのではないかという懸念を持っております。それはどの程度の水準なのかよくわかりませんけれども、その懸念は残りながらも、やはりPPSと一般電気事業者さんとが計画と実績との間で発生するインバランスの分について、収支表をつくり透明性を高めてイコールフッティングの仕組みを入れていくということは極めて重要だという認識であります。
【片山電力市場整備課長】
資料自体が少しぼかしたような形になっているものですから、いろいろとご議論を呼んで事務局として非常に恐縮なんですけれども。13ページの下のところで「運転予備力相当の」というふうに書いてあるところが、ある意味事務局として非常に思いがあるところでございまして。
今、鶴田委員からご指摘のあったような点もあるんですけれども、実態上、給電指令という形で、ある意味で電源を特定というか、切り分けることなく、川﨑オブザーバーのご発言にあったように、要するにいろいろなすべての電源を、実際には鶴田委員ご指摘のあったように、社内でメリットオーダーが決められているのかもわかりませんけれども、そういう形で運用されているというものを、ある意味で忠実に再現するような形で、冒頭、山地委員がシミュレーションという言葉を使われたかもしれませんけれども、そういうような形にまで詳細に果たしてやっていけるんだろうか、こちらは規制当局でございますので、規制コストというのを考えなきゃいけないというところがありまして、そのあたり、詳細というのはこういうコンセプトでいいということであれば、今後、詳細制度設計の中で考えていかなきゃいけないという点だと思っておるんですけれども、ある程度割り切ったような形で考えていかなきゃいけない。コンセプト自体はイコールフッティングでということになるわけですけれども、実際の規制としての運用がどの程度上手にできるかどうかという点も踏まえながら、我々としては考えていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思っているところでございます。
そういうことを考えていく上で、具体的に料金水準が問題なんだといったようなご指摘もありましたけれども、そういったこともあわせて考えていくという中で、現実的な解が出てこないかということでございます。
【金本座長】
この運転予備力のところの計算を具体的にどうやるかということを議論するというのはなかなか難しいことかと思いますが、通常、予備で持っているものというのはコストが高くなるというのが基本的にあるんだろうと思いますが、それをそのまますぐに使っていいかというと、さっき川﨑オブザーバーの発言がありましたように、最も効率的なように、ほかの電源もあわせてうまく使っていくということですので、あまり機械的な適用はできないなという前提で、大ざっぱな方向性を出していくという感じかなと思いますが、そんな感じでしょうか。そのほか何かございますでしょうか。山地委員、どうぞ。
【山地委員】
先ほどの9.何円というのが全電源平均の発電コストであって、そういう意味では安くしてあるとはあからさまには言わないけれども、そういうようなニュアンスです。これ、理論的に言うと、マージナルな原価とすべきで、長期マージナルであれば固定費を含むわけですけれども、現下の現実を考えると、電源には余力があって、実際にかかるのは運転のマージナルコストがかかっているだけです。そこに対して9円.幾らですから、もちろん長期を考えるとまたいろいろあるんですけれども、現実には償却が終わり、あとはメンテナンスがかなりかかる、燃料費は高いという電源が予備電力になっていると思うんです。そう考えると、全電源だからといって本当に安くなっているのかどうかも、私は多少疑問に思う。理論的に考えると、固定費も長期限界コストにいくわけですから、高くなってくるだろうと思うんですけれども、現実は違うんじゃないか。つまり、現在のキャッシュフローで言うと。そういうところも明らかにしていただけると、参考にはなるんです。電力会社のほうにお願いすることですが。
【金本座長】
なかなかそこまで明らかにするのは大変ですが。
【関西電力(川﨑)】
全電源平均ということで言っていますのは、確かにいろいろベース、ミドル、ピークというふうに電源はあるのですけれども、例えば積み木を積んでいきましても、積んでいくと、その積み木自体はきれいな四角ではなくて、ぶるぶると揺れておるんですね。そういうことなので、一番上に何を積むかという話が当然ありますけれども、上に積むものでも実際に下に入れているものとのバランスをとりながらやらなければならないというところはありますので、そういう意味で全体なんです。だから、どれがどれかというのは非常に区分しづらいというのが実態でございますので、いろいろ分けたいというお気持ちはよくわかるんですけれども、そういう意味での全電源というと、全電源平均コストというようなことだと私も理解しております。
【金本座長】
大日方委員、どうぞ。
【大日方委員】
インバランス以外の料金体系との整合性ということを考えると、おそらく予定原価というか、将来原価を予測して回収すると。かつ実績も集計して、そこに差異があれば何らかの措置をとるということになろうかと思うんですね。それは、制度設計の当初からできるんだったら、やっていたはずのことで、知らなかったことではないんだろうと思うんですね。ただ、そのためには、おそらく系統と発電との分離計算をしなければいけないとか、あるいは発電機のひもつき関係を明らかにしなければいけないというようなことがあって、相当に難しいということがあって、現在のような形になっているのかもしれないんですが、このイコールフッティングという言葉が2種類あるように聞こえていて、1つは、インバランスの料金がいくらであろうが、仮に形式的に決まったとして、一般電気事業者さんのほうで部門別計算をやって振替計算をしていれば、自社内振替計算をしていれば、少なくとも計算上はイコールフッティングに見える。
ただし、たぶんここで言っているのはそういうことじゃなさそうで、実発生コストに見合っていないのではないかというような疑念がおそらくどこかにあって、それが一般電気事業者でおそらく内部的に生じている調整費用のほうが安く、PPSがひたすら高いというのがイコールフッティングでないという感覚になっているんだと思うんですね。それを解消するためには、原理原則に戻って正確な計算をしてということになると、やはり難しいんだろうと思うんです。どうもいくつかの料金の中で階層があるというふうに私は聞いていたんですが、1つは、ある程度想定範囲内のもの、それは3%という数字が妥当かどうかわかりませんが、想定範囲内のものと、それから想定範囲外に事故等で生じてしまうものと、それからペナルティー部分というのがあって、最初のやつについて物すごい争いがあるのかというと、そうは聞こえてなくて、それはセカンドベストとして平均をとっているというのに対しては、それほど悪くはないかなという気がするんですが、資料でいただいている範囲外のものについて、私は個人的感覚としてばかに高いという印象があるんですが、最も料金の高い事業主の料金を超える根拠というのがどこにあるのか、ちょっと私、よくわからないので、全体系からして大きな変動部分、それからペナルティーについて、もう一度、Xという話になるのか、全然わからないので、階層を分けて話をしたほうが多少収束しやすいかなという気がしています。
【片山電力市場整備課長】
13ページの一番下の四角で書いてある考え方自身というのは、ある意味でエリア全体の同時同量を管理するために必要な平均的なコストというのをまず出しましょうというアプローチでございます。それがキロワットアワー当たりの平均的なコストというのが仮に算出された場合に、おそらくここから先は2つ分かれ道があって、それを変動範囲内インバランス料金にしましょう、それをもとにX倍という変動範囲外インバランス料金をつくりましょうというアプローチがあり得ると思います。もう一つは、これは平均的なコストなんだから、変動範囲内で発生する量と変動範囲外で発生する量をあらかじめ想定して、これで案分して平均的な、要するに変動範囲内と変動範囲外をつくりましょうと。その場合に、変動範囲外は変動範囲内のX倍ですよという2つのアプローチがあり得ると思います。
ただ、実態上、エリア全体の議論なものですから、変動範囲内外を3%ということを基準にした場合に、ほとんどが変動範囲内になることが想定されるものですから、あまり厳密に分ける意味はないのかもしれないんですけれども、基本的に変動範囲内自体はこの13ページの四角というところからほぼ出てくるということになるんじゃないかと思います。その上で変動範囲外をX倍にするといったような考え方にしていくのが自然なのではないかというふうに考えております。
【金本座長】
その辺の細かいやり方は、ここでは詰め切れないということで、将来に残しておくということかと思います。
山地委員がおっしゃった、固定費が入っているどうこうという話も、これはほんとに公平性をきっちり詰めるというのはなかなか大変でありまして、PPSの側ですと、オフピークで自分のところの電源コストが安いときには、8円とか9円とかというやつをなるべく出さないようにするはずで、そこは電力会社さんからいくと回収されない。より高いときにだけそっち側を使っていくというふうな構造にたぶんするはずで、それを考えたら何が公平かとか、ありとあらゆることがたくさん出てきます。それを一々つぶしていくというのは無理ですので、ある程度大ざっぱなところで当面やっていかざるを得ないのかなという気はいたしております。そのほか何かございますでしょうか。
また後から戻っていただいても結構ですが、2番目の部分に進ませていただきます。次のインバランスに係る事業リスクの低減策についてというところについてご意見をお願いしたいと。よろしくお願いいたします。じゃ、横山委員、どうぞ。
【横山委員】
ありがとうございます。前回のワーキングでも時間前市場についてはいろいろ発言させていただいたんですけれども、18ページに海外の、特に欧州の当日取引市場の特徴というのが出て、いろいろ比較されているわけです。これはあくまで参考資料ということなんですけれども。日本でこういう取引市場を制度設計するとき、後で詳細設計をやられるわけですけれども、やはり欧州と日本の系統の管理方法、特に連系線の管理方法が違うんだということはよく皆さんに認識しておいていただきたいというふうに思います。ご存じのように、欧州、これは分科会でもいろいろずっと前に議論されたことですけれども、非常に大きな系統容量で、周波数は非常に変動しにくいということで、その連系線の潮流管理というのは非常にいいかげんにできていると。そのいいかげんさのゆえに、昨年11月に大停電が起こったわけですけれども、それに比べて我が国は非常に系統容量が小さくて周波数変動が非常に起こりやすいということで、連系線の潮流管理というのは非常に厳密に行われているわけです。ですから、そういう意味で、市場がクローズした後の処理にも、欧州と違って、平常時間、実受け渡しまでに欧州は時間が非常に短いわけですけれども、日本ではそれなりの時間がかかるということを、技術的にはぜひご認識いただきたいということが1点。
前回のワーキングの議論で、人とコストをかければいくらでも時間を短縮できるんじゃないかという議論がありましたけれども、やはりこれは人をふやして並列化できる部分、また機械を入れて自動化できる部分もありますが、どうしても人間に頼らなきゃいけない部分とか並列化もできない部分というのが技術的にありますので、その辺、詳細設計のときに十分考慮していただいて決めていくということが重要ではないかなというふうに考えております。
それから、時間前市場で約定した契約にかかわる業務に、従来の系統利用者の通告変更依頼というもの、そういう業務も一緒に入ってきますので、従来の系統利用者の利便性というのが損なわれないように、設計のときにはぜひご留意をいただくのが非常に大事ではないかなというふうに思います。
【金本座長】
どうもありがとうございました。それでは、鶴田委員どうぞ。
【鶴田委員】
最初は質問です。この事務局のおつくりになったペーパーを見ていますと、ドイツ(23ページです)では時間前市場で成約した取引量は全体の大きいところで0.2%、小さいところで0.1%。これは、ある特殊な仕掛けがあって、スポットマーケットと比較してかなり制約の強い異質の時間前市場になっているかどうか、その辺を最初に教えていただけませんでしょうか。
【片山電力市場整備課長】
制度的な制約が何かあるということではないんじゃないかと思いますが、おそらく電気の供給力そのものの調達がメーンのマーケットではないということで、市場参加者がこのマーケットを利用しているということだろうと思いますし、したがって、当然のことながら量的には小さなマーケットになっているということじゃないかというふうに推測はいたします。
【鶴田委員】
詳細制度設計に至るまでに、各国の時間前市場のマーケットで制約条件か何かが設定されているのかどうか、時間前市場の取引量が何故少ないのかその辺を精査していただきたいというのが希望でございます。
そして、この時間前市場の議論も厄介なことがあります。このペーパーで基本的性格が書かれておりますけれども、前回も議論になったところでございますが、時間前市場を考える場合には、安定供給確保の観点、系統運用への影響、費用対効果、こういうことから市場設計の枠組みを考えていかなければいけないと思います。私の理解では、ここでも24時間市場にしないということが書かれております(20ページ)。連続型市場とはしない方向で検討するということでございますけれども、事前に頂戴した電事連さんのペーパーを見ておりますと時間前市場に対する懸念が示されております。例えば、スポット市場の自主的なゲートクローズを後倒しするのではないかとか、あるいは前日の契約段階の需要を絞って、それを時間前市場のところで手当てしていくというような懸念が表明されております。これはあくまでも懸念だと思いますけれども、そういう懸念がある限り、時間前市場をどういう性格づけをするかというのが非常に重要であって、私はスポット市場を補完する意味だと前回申し上げましたが、この24時間市場にしないということが明記されていることを考えると、かなり限定的な性格づけなのかなという気が私には致します。
したがいまして、スポット市場の実質的なゲートクローズ後の後倒しとか、そういうことが起こらないような措置をきっちり行っておく必要があると私は思っております。以上は意見と要望です。
【金本座長】
西澤さん、どうぞ。
【東京電力(西澤)】
鶴田先生、ここには電力のペーパーはないんですけれども、以前にお話ししたときにいろいろ懸念を申し上げました。まさに鶴田先生がおっしゃったとおりでございまして、資料の17ページと19ページは重要な点と思っております。
私どもの懸念としては、前日の12時に一旦閉めて、そこで需給の計画をある程度確定させるんですけれども、その後、電源の不調が起こった等の理由により時間前市場で調達しようという場合、鶴田先生もおっしゃったように、そこを悪用する例が出てくるんじゃないかという懸念がどうしてもぬぐい切れないものですから、そこに対してはこれからいろいろ検討していく必要があると思いますので、十分に吟味してほしいというのが1つございます。
もう1点は、実務上、先ほど横山先生がおっしゃいましたけれども、通告変更をPPSさんから受ける際には、そのたびに潮流をチェックしたりとか、いろいろ手順を踏んでいかなきゃいけないというのがございます。今、前日のスポット市場でもそうなのですが、時間前市場を導入するとなればその約定処理の間、通告変更の使い勝手の面でPPSさんに不便が生じるということもあって、そこをどう考えたらいいか、これはちょっと実務上の話ですけれども、もし仮にやるとしたら、そういうことが結構大事な点になります。検討してもらうことはやぶさかではございませんので、そういう点も含めて検討していただければと思っております。
【金本座長】
時間前市場にたくさん取引が出てくるというご懸念かと思いますが、実際、カリフォルニアでリアルタイムにたくさん出てきたケースがあって、ある種イレギュラーなことがおきうるんだと思いますが、あのケースはもともとマーケットの設計が間違っていてこういったことがあり得るようなおかしな設計だったんだということがありますので、そういうおかしな設計をしないようにというところがここでの問題なのかなという気はいたしております。そういう変な取引をしないようにということで、行為規制をしてもあまり有効でないのかなという気がいたします。シンプルに考えれば、手数料が高ければ、当然前日市場に行っちゃいますし、手数料が高くて流動性がないところをわざわざ当てにして残しておくという人はあまりいそうにないという感じがあって、自然にそれなりのちゃんとした仕組みをつくれば、変なことは起きないのかなといった気がしております。そのほか何かございませんか。
私自身、全国一体の市場というところが具体的にどういう姿なのかなと事務局の方にご質問したんですが、連系線をまたぐような供給があるときに、連系線は大丈夫かというチェックをしなきゃいけなくて、そういうのと、すぐそばの発電所から出てきているやつと差別化しなくていいのかなというふうなものもあったりしますので、とりあえずきょう、そういうことを全部詰めるわけにはいかないと思いますが、実際にどういうマーケットにするのかというときにはいろいろなことを考えて、もうちょっとちゃんと考えなきゃいけないかなという気がしております。そのほか、PPSさんのほうから何かございますでしょうか。
【エネット(白羽)】
ありがとうございます。私どもPPSといたしましては、発電事業者さんと同じように、自社の発電所に突発的なトラブルが発生した場合には、同時同量を達成するための電源を早く調達したいというニーズがございまして、この時間前市場に期待しております。
また、小売事業者としては、例えば前の日の計画時には明日雨というのが当日晴れてしまったりして、需要が前日の予測より上振れしたりする場合に電気を出さなきゃいけないんですけれども、PPSとしては当日の電力調整に限りがあるため、柔軟に前日送達が可能となるような前日市場の創設が事業運営に貢献するのかなというふうに思っております。
海外と日本の違いですとか連系線の問題とか、いろいろあるとは思うんですけれども、既に整備されているいろいろな事例ですとか運用上のいろいろな課題について、ぜひご議論いただいて、創設に向けて前向きな検討をお願いできればというふうに思っております。
【金本座長】
松本さん、どうぞ。
【東京ガス(松本)】
ありがとうございます。発電事業者も系統の安定確保のために同時同量の達成に向けて努力しております。しかしながら、不調時でございますが、現状のインバランス料金というのは重くて、事業の大きなリスクになっております。今回の事務局の資料にありますように、不調時において、料金の水準とか、それから代替手段として取引市場とか、それから発電者が購入することができること、これらをあわせてご検討をよろしくお願いするところでございます。
それから、27ページ、28ページにあります運用面でございますが、これにつきましてもご検討をよろしくお願い申し上げます。
【金本座長】
そのほか何かございますか。大日方委員、どうぞ。
【大日方委員】
特定の内容についてというわけではないんですが、今回の事務局の整理で私自身、前段が料金の水準の話、後段はできるだけインバランスが起こらないような状況をつくったほうがいいのではないかというふうに受けとめているんですが、その中の後段のインバランスができるだけ起こらないようにというところの最後の2つ、買い取り料金水準の話と裾切りの話、料金に絡んでいるような感じがするのが1つと。もう一つ、買い取り料金の話というのは非規制というふうに書いてあるので、ここに書いてあることはどういう位置づけ、要望ということなのか、ちょっと教えていただきたいんです。
【片山電力市場整備課長】
最後の2つ、なかなか位置づけが難しい、整理学の問題かもしれませんが、一番最後のもの自体というのは、PPSが新しいエリアに入って規模が小さい間というのは、やはりインバランスのコントロールがなかなか難しかろうと。そういう意味で、変動範囲外インバランスにいくところの値を従来よりも大きく、言ってみると系統全体への影響なんかも考慮しなきゃいけませんけれども、裾切り値をつけるというのはどうだろうかという提案でございます。ここは事業リスクの低減のところという意味で整理できるんじゃないかと思います。
託送に伴う余剰電力のほうの話というのは、規制下にあるインバランス料金とは違うものですから、確かに事業リスクの低減とは違うものかもしれないんですけれども、ここで整理させていただいておりまして、ある意味でここはこういうふうにしていってほしいという明確な意思をワーキング、分科会の議論を経て事業者の方々に求めていくということではないかというふうに思っております。
【金本座長】
じゃ、神宮司さん。
【公正取引委員会(神宮司)】
私が今から申し上げることが、このワーキンググループのマンデートの範囲内に入っているのかという点については、今までの各委員のご発言を聞いていて少し疑問が出てきましたので、そういうことであれば範囲外のことを話しているということでご理解いただきたいと思います。平成18年6月に公正取引委員会は電力市場に関する報告書を出しています。そことの対比ということで、今回検討になっているもののうち、インバランスに係る事業リスクの低減策ということに含まれていない部分についてだけご説明申し上げておきたいと思います。
1つは、公正取引委員会の平成18年6月の報告書で述べていることの中には、計画同量制度の導入ということが入っております。これは、需要予想量と供給実績とのインバランスに対してのみインバランス料金を課すというもので、内容自体はもう皆さん十分ご存じのことだろうとは思います。それで、そのことがワーキンググループのマンデートの範囲内に入っているのかどうかという点については、わかりませんけれども、発想としてみると、30ページにおいては、小さいPPSは自らの規模に対する割合では比較的大きなインバランスを発生させたとしても、エリア全体から見たそのインバランスの規模は小さいために、系統に与える影響は小さいということが書かれております。
それで、こういう発想を前提とするのであればということなんですけれども、ガスについては、今、限定的ではあるんですけれども、計画同量制度が導入されているというふうに承知しております。発想としてみると、規模というものがまだ小さい、系統全体に対する規模の割合が小さいということを考慮した上で、そういうような制度があるということですね。この点、コメントしますと、この文章で書いてあることというのは、規模が小さいから系統のエリア全体から見たインバランスの規模は小さいという割合の話をしている、この文章はそう読めます。一方で、30ページの矢印の下のほうに書いてある話というのは、参入後の一定期間ということで、期間の話になっているということですね。
片山課長のご説明ですと、習熟するまではインバランスを確保することが能力的に難しいから期間というふうに書かれているのかなと理解したんですけれども、文章だけ読みますと、あくまで矢印の上のほうに書いてあるのは、規模に対する全体としての割合ということですから、別にそれは一定期間が経過しようと、規模が小さければ矢印の上で言っていることには当たるわけですね。それで、そういう論旨を認めるのであれば、計画同量制度というものについて検討することも、リスクの軽減策の一つにはなり得るだろうというふうに私どものほうには思えるということがございます。いずれにしましても、客観的に6月の報告書に入っていない部分について申し上げました。それが1点目でございます。
もう一つは、公正取引委員会の報告書の中で触れている需給調整市場の話についてです。この需給調整市場というのは、このペーパーで言いますと34ページに記載されています。公正取引委員会の報告書ではイギリスだけを例に挙げておりますが、34ページの表の中に英国のところで需給調整市場、ドイツのところで需給調整市場、米国でもリアルタイム市場ということが出ております。ここでは受け渡し1時間強ぐらい前から受け渡し終了までの間のリアルタイムのインバランス調整というものに関して、需給調整市場が設けられている例があるということを述べています。このことは、公正取引委員会の報告書では、先ほど申し上げました計画同量制度の話と結びつけて述べております。したがいまして、今回議論されている時間前市場の話とは別の話でございます。もちろん、ここで言っている需給調整市場のほうというのは、系統運用者のほうが主体になっているということは承知の上で申し上げていることではありますけれども、その点がここのペーパーで書いてある時間前取引の市場の話と別の話として設けてあります。
ただ、先ほどお話しした33ページと34ページの表の部分については、今回の議論対象ではないというようなご趣旨かなというふうには受けとめましたけれども、一応念のためそのことは申し上げておきたいと思います。それが2点目です。
3点目ですけれども、インバランス料金の話に関して、リアルタイム市場の話を公正取引委員会の報告書で書いた趣旨としては、コスト積み上げではなくて、市場でインバランス料金の水準を決めるということです。つまり、米国のことを例に挙げておきましたけれども、インバランス料金というのはリアルタイム市場を通じて決まった料金が適用される、そういうような仕組みになっている部分があるものですので、そのような部分も含めて提言してみたということです。
ここの部分は、先ほどのところでお話になっていた部分と関連することではあるかと思いますが、やはり先ほどのご議論を聞いていても、コストというものを積み上げていくということが、従前のインバランス料金のコストとの関係で、先ほど言っていたような運転予備力の料金のコストをどう考えるかということを議論することは非常に難しいのかなと思います。ですから、インバランス料金の水準というものをどうやって決めるのかということを考えるときに、コストの積み上げという形でやっていくということについて一定の限界があるというふうに思ってはおりました。その意味で、マーケットで決まるというものを前提にインバランス料金の水準を考えるということについても言及させていただいたということでございます。
先ほど来、リスクの低減ということについて、電力会社の方からもいろいろお話はありましたし、技術的に周波数の維持ということのためにどの程度の厳密さが必要かということについてはいろいろご意見あろうかと思います。したがいまして、計画同量制度ということを言っていることについて、そういう御意見はあるかもしれませんが、例えば33ページの表のところを見ていただきましたときに、算定期間というのは30分、15分、1時間、とありますけれども、この表には何%以内までが許容範囲かということは書いてありません。確かそれはドイツではなかったかと思いますが、5%というところもあったかというふうに記憶しております。したがいまして、周波数の維持のために技術的にどれぐらい厳密にインバランスの発生を防がなければならないのかということは技術的にいろいろあろうかと思いますけれども、我が国における見方だけが唯一のものではないだろうとは思います。5%と3%でどれぐらいの影響があるのかというのは、技術的な話になるので、これ以上コメントは控えますけれども、そういう部分で言えば、先ほどの30ページに戻りますけれども、小さいPPSの場合には、自らの規模に対する割合では、エリア全体から見た場合、そのインバランスの規模は小さいという視点をもう少し取り入れることができるのではないかというふうに考えるということです。
私が今、申し上げていることが、ISOとか、そういうものの導入につながるような部分を含んでいるのであれば、このワーキンググループのマンデートの範囲外のことになるのかもしれませんが、私どもは別にそこまで、要するに垂直分離の問題にどこまで踏み込むかということに行かずとも検討できる問題だと認識して、そういうことを述べておりますので、そのことは申し上げておきます。
もし、ある程度中立的な形で系統運用者のほうが運用できないということであれば、先ほどちょっとペナルティーという言葉が14ページのX倍に関連して出ていましたけれども、ペナルティーというのは、例えば国とか、明らかに中立的なところが取るべきものです。競争者が競争者に対してペナルティーを科すのはおかしいと思うので、ある程度変動範囲外バランスについてX倍、それをペナルティーと科すということだとすれば、現行の制度のままでも中立的な立場からの運用をするということが期待されて、そういう言葉が出ているのかなとは思います。今、申し上げた点についても検討できる範囲内には入ってくるのかなというふうに思っております。
【金本座長】
裾切りとかという話をどういうふうに考えるかということがあると思うんですが、これは基本的には系統安定性リスクをもたらさない範囲内においてというのが基本だと思います。それで、この一定期間というのを置く必要があるかどうかというところがたぶん問題になって、小さいのが10万も100万も来ると当然リスクがありますので、この辺はそれほどかっちりとした考え方かどうか、私もよくわかりませんが、当面様子を見るために置いてあるのかなという気がいたしております。
あと、リアルタイムのマーケットというものとか、いろいろなものを私も以前、公正取引委員会の報告書を拝見させていただいて、非常に重要な考え方だと思うんですが、発送電一貫体制のところでリアルタイムマーケットをつくって、ほんとに機能するかというところがなかなか難しいところでありまして、ヨーロッパ、フランスとかドイツとか、遅ればせながらこういう制度設計をかなり最近になってやっておりますが、発送電分離すればあっという間にリアルタイムのマーケットが機能するようになるといったたぐいのものだと思います。この辺は、とりあえず一貫かどうかという話は議論しないということでありますので、公正取引委員会の報告書を最初から無視しているわけではなくて、なかなか難しそうだなということが前提にあるかなという気がいたします。
【公正取引委員会(神宮司)】
別に私どもの報告書を無視しておられるというふうには決して受けとめておりません。しかし、やはりインバランス料金の水準についてコストを積み上げる形でいくかというのは、難しい問題があると思っております。したがいまして、報告書の中で一番重視したことというのは、市場で決まる価格というものを基本にできる仕組みというものを将来的にはつくっていけないかということになるかと思います。先ほどの運転予備力の費用を基にしたときのほうがインバランス料金が上がるという言葉が出ていることが気にはなっているわけですけれども、もしそういうことだとすれば、それこそリスクを低減する策については、やれる限りのことはやっておくことが必要だろうなということだけ申し上げておきたいと思います。
【金本座長】
片山さん、何か。
【片山電力市場整備課長】
インバランス料金制度というのを建て値でつくるのかどうかというところは、なかなか難しいところがあって、厳密にやればやるほど、ほとんどそれは市場価格と同じじゃないでしょうかという、前段のところで議論があったところはまさしくそういう議論だったんじゃないかというふうに思いますけれども。市場価格に連動して決めるような仕組みができるのかどうかというところは、何せ1日前市場も、できてまだ2年数カ月しかたっていないという我が国でございますので、さらに系統運用部門に負担のかかる世界というのを一気につくってうまくいくのかどうかというところは、若干ちゅうちょのあるところでございます。
ただ、運転予備力というコンセプト自体、ある意味で一定の前提を置いて料金というのはつくっていくものでございますので、その前提の考え方を今回変えていくということではないかというふうに思っております。実績を積み上げているわけではなくて、想定総括原価をつくっていくということでございますけれども、そういう中で今回、考え方というのを変えることによって、なるべくイコールフッティングというのを実現していきたいということでございます。そこのところは、我々も全否定しているわけではないんですけれども、非常に時間の足の短いものを市場で解決していくということについて、やはりテクニカルに難しい点というのもあろうかと思いますので、そのあたりをきっちり詰めた上でステップ・バイ・ステップでなるべくやるというのがいいのではないかというふうに思っております。
【金本座長】
ご参考までにですが、変動範囲の分について、前日市場がリクイディティーがあるところは前日市場のスポット価格をベースに決めておられるところがほとんどだと思います。日本の場合、それをやらずにこういった格好で積み上げというか、原価計算でというところは、前日市場がどの程度リクイディティーがあるかというところで、そこに頼り切るのはまだ不安だなということもあるのかなというふうに思っております。松村委員。
【松村委員】
裾切りと買い取り料金のところなんですが、まず裾切りができるなら計画同時同量もという発想と、私は全く逆の発想を持っています。計画同時同量を本格的に入れるということの代替物なのかなと理解していました。30ページの前段に書かれているような理由で、規模の小さなところというのは現行の30分同時同量の体系だと不必要に不利になっている、30分同時同量が社会的に無意味な参入障壁になっている、という側面があります。計画同時同量をうまい格好で導入できれば、この問題はかなりの程度解消すると思っていました。今回は前段の議論であったとおりに本格的に導入するということはしないということであると、規模の小さいところが不利だというような状況がそのまま放置されることになってしまいます。この弊害の解消というと変なんですが、応急処置という発想だと理解していました。
したがって、前段のところで計画同時同量という言葉が消えちゃって残念だというご発言もあったかと思いますが、それを前提としたときに、それでも少しでもある種のゆがみをただすために入れる制度だと理解しているので、ぜひとも導入していただきたいと思います。
2人の方と重なってしまうのですが、一定期間と限定する合理性というのがないと思っています。ここの理由づけからすると、一定期間以上過ぎれば規模が大きくなって卒業ということになるとのことですが、これが正しければ別に一定期間という制約を加えなくても卒業することになるわけですから、初めから一定期間と限定する理由は、この前段のところの説明からは出てこないと思います。この一定期間という意味が、抜本的に制度が変わって小規模なところが不利という側面がなくなるまでという意味ならともかくとして、参入期間後の一定期間とする必要はないのではないかと思います。
それから、託送に伴う余剰電力の買い取り料金ですが、これに関しては実質的に一般電気事業者さんの独占になっているわけですね。独占というのは、マーケットシェアが高いから事実上の独占という意味ではなく、買えるのは一般電気事業者さんしかいないという意味で、完全な買い手独占の世界になっています。そうだとすると、実質的な卸取引だから非規制でいいと整理してもよいのかどうか、ほんとうは議論の余地があると思います。仮に規制をしないとしても、特に公正取引委員会には、独占になっているという認識のもとで、ここについても少し注目していただきたい。もちろん、現行の水準が不当に低過ぎると断言しているわけではないのですが、この水準を何らかの形で見る必要があるかもしれないと考えています。
それで、もしこれが正当な価格の水準だということであるとして、ぜひ取引所さんにお願いしたいのですが、これは実質上の買い手独占のもとでの電力の買い取り価格というわけですから、ある種の価格支配力の行使を判断する場合のマージンを計測するベースとなる情報として使える可能性があるわけですよね。もちろんマーケットメーカー制が導入されれば、そんな議論をする必要は一切なくなるので、今の発言は完全に取り消しますが、そうでなかったとするならば、この水準は、取引所における価格支配力の指標であるマージンを計測、監視する際のデータの一つになるはずなので、マーケットメーカーを導入しないのであれば、是非監視委員会で検討してください。
【金本座長】
川﨑さん。
【関西電力(川﨑)】
裾切り値の設定につきましては、今、松村先生から計画同時同量の代替物的なというお話がありましたけれども、これは全くそういうふうにとらえるものではないとは私ども思いますし、そうなると、また大変なお話になってくると思います。この辺はあまり議論しませんけれども。
それで、冒頭申し上げましたように、インバランスというか、小さなPPSさんでも、夜間とか端境期、いわゆる8,760時間の一定以内は、いわゆる3%以上のかなり余裕のあるところがありますので、そこに裾切りというわけではないですけれども、それなりの余裕がある中での調整が可能というところもありますので、そういったところでいきますと、どういった形でこういうインバランスが発生しているのかといったところも含めまして、データ的な精査がもう少し必要ではないかなとは思います。
そして、そもそも、もともと同時同量という基本のところからいくと、若干小さいとはいえ、今までの方針と違うところにかじ切りされているところが非常に気になるところでございます。
それと、買い取り料金水準につきましては、もともとインバランスというか、30分同時同量をどう守っていただくかというインセンティブ的なところが、まず第1でございますので、買い手独占というようなところだけがクローズアップされるという問題ではないと思います。
【松村委員】
代替という言葉使いが悪かったらしいということは理解しました。済みませんでした。計画同時同量が今回は本格的に導入しないことを前提にして理解すべきだ、これを導入しないならせめて裾きりぐらいは導入すべきだというつもりで言いました。
それから、市場監視の際の基礎データとして使うべきだというのは、3%内の料金のつもりで言いました。変動範囲外のところについて言えば、ある種のインセンティブという考え方はあり得ると思いますので、このデータとして使えるか否かは議論の余地はあることは理解しています。
【金本座長】
じゃ、鶴田委員。
【鶴田委員】
バランシンググループの議論に入っていいですか。
1つは質問ですけれども、25ページのチャートを見ておりますと、代表契約者はPPSと書いてあります。今の制度で代表契約者はPPSでなければいけないのですか。
【片山電力市場整備課長】
はい、そのとおりです。
【鶴田委員】
そうすると、25ページでPPS以外の第三者がと書いてございますけれども、それは法律を変えるということなのでしょうか。
【片山電力市場整備課長】
いえ、あくまでも制度のたてつけ上、代表契約者という存在は残っていて、代表契約者が担っている役割の一部を外に委託することができるようなたてつけに変えてはどうかと。もともと代表契約者という考え方自体は、各一般電気事業者さんの託送約款の中に織り込まれておりますので、そこのところの手当てで基本的にできるんじゃないかというふうに思っております。
【鶴田委員】
バランシンググループを形成することは、このペーパーに書いてございますように、PPS全体のリスクを低減させることは言うまでもないことで、そういう意味で、第三者に託送料金の精算事務とか、あるいは事務連絡等々のサービスを委託することができれば、かなり使い勝手がよくなるとは思います。
第三者ってどこをお考えになっているか、よくわかりませんけれども、例えばそういう業務をやる専業の会社が設立されれば、少なくともPPSさんの何社かの合意で専業会社を立ち上げるとかというふうにすれば、バランシンググループの使い勝手はよくなると思います。そういう意味で、ここでご提案になっている第三者はどういうイメージかよくわかりませんけれども、そういう専業のサービスを提供する企業に守秘義務を課しながら、守秘義務は非常に大事だと思いますから、そういう形で運用が容易化されると、PPSにとっては使い勝手の良い制度になると思います。
もう一つ、先ほどの30ページの裾切りの話ですけれども、ここでは一定期間と書いてありますが、今から何年か前に自由化が始まったときに、丸紅さんだったと思いますが、三峰川の水力発電で、あそこは負荷調整ができないものですから、しかも、容量は大きくないし、エリア全体から見ても規模が小さいから、そのまま系統に入れてしまうという措置をとったことがあります。ちょうどそのころに、今はもうやっているかどうか知りませんがイギリスで、かなり規模が小さいものについてはそのまま系統に入れてしまっているということを伺ったことがあります。ここで言う裾切り値の設定は、おそらく産業政策的な観点でここに入っているんだというふうに私は理解したんですけれども、そういう意味ではある規模を決めて、それ以下だったら負荷追従しなくていいよ、どうぞ系統に流し込んでくださいと、全体から見れば小さい場合、そういうようなやり方もあるのかなとペーパーを拝見しながら思っていたところです。
【金本座長】
それがあまりに優遇されると、大きな会社をばらして小さくするということがあったり、系統運用を預かる人にとっては心配な面はたぶんあるんだろうと思いますので、その辺は一応しっかりした制度をつくっておく必要があるかなという気がいたします。
【片山電力市場整備課長】
一定期間という文言に対して、何で入れているんだというご発言が相次いでいるんですけれども、ある意味で会社を分けても一定期間しかだめよということを入れていると、そこに対する防ぎにもなるのかなというような意味もありますし、あるいは当然新しいエリアに出ていった後、大きくなっていかれるであろうということを前提に、ここで一定期間というのを入れているということでもございます。いずれにいたしましても、技術的にどういうふうに、そもそもコンセプトに合意ができるのかどうかというところもありますし、仮に合意ができたとして、技術的にどういうふうに設定していくのかという議論もあろうかというふうに思っております。一定期間なり、この量と書いてある具体的なイメージなりというのは、やると決まった後に詳細、議論していかなきゃいけないところなのかなというふうに思っております。
【金本座長】
松村委員。
【松村委員】
確認ですが、例えば100万の電源というのを1,000分割すれば、裾切りに引っかかって全部オーケーになるのかなんて、そんなばかなことは絶対に許しちゃいけないことで、100万が同時にとまれば、当然系統に影響を与えるに決まっているわけですから、同時に落ちないことが前提であるということだと思います。それは別途、手当てすべきことであって、一定期間に限るかどうかの問題とは別の問題です。
【金本座長】
その辺は、具体的な制度設計はなかなか難しくて、どうも聞いていると、現在でも同じ発電所を一部いろいろな方々に売っているケースがあるようで、そういうのを全部だめだと言うわけにもいかんということがあるのかなという気がします。その辺は、詳細を詰める段階でいろいろ考えていただくことかなと思います。そのほか何かございますか。発電事業者の不調時の調整容易化については、全くご議論ございませんですが、これは事務局のプレゼンで大体よろしいということでよろしいでしょうか。どうぞ。
【NACS(三村)】
私は同時同量の話は、一般的な契約という考え方してよいのか分かりませんが、契約を結んだ上で電気を流すという形になるのですから、契約が守れないときには何らかの違約金の請求が出るというのは、当たり前のことといえます。社会の中では、ペナルティーという言葉が正しいかは別にして、実際に取られるのはいたし方がないことと、思います。しかしこの料金が一方的に高すぎると新規参入者が参加し難くなり、結局増えてこないという悪循環になります。私は、目の前に新規参入者がたくさん増えて来ないと自由化が進んだときに安定供給が得られないことになるのではと考えますので、その料金については慎重に検討を進めていただきたいと思います。
それから、もう一つ、系統の部分の監視を一般電力会社さんがされているということなのですが、34ページの海外のインバランス料金制度というところに、インバランス料金の決裁という部分で、イギリスだけが違っています。運用者がとっていないのです。決裁料金に、また別の料金を加えて請求してくるから高くなるのかなと、普通の契約という場面で考えるとそのように思えるので。ここだけが違うというのはどういう意味なのかお尋ねいたします。
【鍋島政策課長補佐】
英国の場合ですと、34ページの注1のところに書いてありますけれども、インバランス供給に要する費用は託送料金で事前に回収しているということになっております。したがいまして、ここに書いてあるインバランス料は、その後のインセンティブを与えるものだけでございまして、ここで決裁したものについては、また系統の利用者のほうに返還されていくというような仕組みになっております。ですから、これは純粋にインセンティブを与えるためだけの料金でございます。
【金本座長】
そのほか何かございますでしょうか。よろしゅうございますか。ちょっと時間はまだあるんですが、本来、かなり昼食時間に食い込んだ時間設定になっておりますので、そろそろ今回の整理をして終わりにしたいと思います。
2つに分かれておりまして、前半のインバランス料金制度につきましては、いろいろな議論がございましたけれども、13ページから14ページ、15ページあたりにあります事務局の疑問形の提案がほぼコンセンサスかなという気がいたしております。基本的にインバランス料金をいかに公平にしていくかというところの観点に立って、これから運転予備力という概念を使って、具体にどういうふうに計算していくかというのを詳細制度設計で検討するという方向です。その際、参入阻止的でない価格でありますとか、あるいは逆に系統を、危険に陥らせるようなモラルハザードを防止するとか、あるいはスポット価格と比較して、あまりかけ離れていないようにするとか、そういった留意点が必要だという話がございます。
その他の留意点についても3点ほどございますが、大体こういう方向でこれから詳細についてご検討いただくということかと思いますが、我々でそこまで決めるわけにはいかなくて、11月15日の分科会との合同会議で、こうした方向性でよいかどうか議論していただいて結論を得て、それであと、具体的には水準等については詳細制度設計で検討したい、こんなことかなと思います。これについてはよろしゅうございますでしょうか。
あと、後半のインバランスに関する事業リスクについては、いくつかの異なった論点があります。時間前市場については19から20にかけてございます。時間前市場については、計算等々でなかなか難しい問題があるというご議論がございましたが、創設する方向で考えるべきということにはご異論はなかったかと思います。ただ、系統運用の問題点等を検討していただいて、やる場合には事業を検証するといった措置をするといったことも重要であろうかと思います。具体的な取引形態については、取引所での運用も必要ですし、これから実務的に検討することも多いと思われますので、11月15日に間に合わせるというのはなかなか難しいかなということかと思います。15日においても基本的な方向について結論をいただいた上で、詳細制度設計の中でご検討していくことだなと思います。
あと、バランシンググループの容易化、それから事業者の発電不調時の調整容易化というところについては、特段のご反対はなかったということで、こういう方向で行くということでコンセンサスがあると思います。これについては、事務局で引き続いて実務的な課題を詰めていただくということをお願いしたいと思います。
あと、託送に伴う余剰電力の買い取り料金というのは、大日方先生からありましたけれども、規制下にないということで、我々が結論をどうこう出してということではなく、事業者が自由に決定していただくということですけれども、適切に決めて頂くことをお願いするということかと思います。
あと、最後の裾切り値ですが、いくつかご懸念のご議論がございましたが、もう少し具体的にどうするかというのを検討・整理していただいて、11月15日の分科会との合同委員会で改めて議論していただくということでどうかと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。では、そういうことで進めていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
あと、事務局のほうから日程について、ございます。
【片山電力市場整備課長】
長時間のご審議、ありがとうございました。
次回、第5回のワーキンググループは10月25日木曜日、15時から17時半、場所はこの別館の1つ上、1120会議室になります。テーマは、託送料金制度をテーマにご議論いただく予定でございます。済みません、30分ずれておりまして、改めて3時半か3時かはご連絡させていただきます。申しわけございません。
【金本座長】
それでは、これをもちまして第4回のワーキンググループを閉会させていただきます。どうもありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2007年11月2日
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