経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会制度改革ワーキンググループ(第8回) 議事録

平成19年11月26日(月)

【金本座長】
それでは、時間になりましたので、ただいまから第8回の制度改革ワーキンググループを開催させていただきます。本日は皆様ご多用のところご出席を賜わりまして、大変ありがとうございます。
まず審議に先立ちまして、事務局から資料確認を行っていただきます。片山課長、お願いいたします。
【片山電力市場整備課長】
おはようございます。それでは、配付資料の確認をさせていただきます。お手元の資料をごらんいただければと思います。資料1から資料3、それから参考1から参考3をお配りしております。不足はございませんでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。
【金本座長】
それでは、早速でございますが、本日の議事に入らせていただきます。
資料3につきまして事務局からご説明いただいて、その後、討議の時間をおとりしたいと思います。片山電力市場整備課長、お願いいたします。
【片山電力市場整備課長】
それでは、お手元の資料3をごらんいただければと思います。この資料は、11月15日の電気事業分科会と当ワーキンググループの合同会議におきまして、これまでのこのワーキンググループの検討結果について中間的な報告をいたしまして、分科会の委員のご議論も踏まえて、事務局としてこのワーキンググループの競争環境整備に係る検討結果の案として取りまとめたものでございます。
おめくりいただきまして、目次のところでございますが、発電・卸電力市場の競争環境整備、同時同量・インバランス制度改革、託送供給料金制度改革という3章立ての構成になっております。
それでは、少し時間をいただきまして丁寧にご説明をしたいと思います。まず、発電・卸電力市場の競争環境整備についてでございますが、この発電・卸電力市場の競争環境整備に当たっては、卸電力市場における流動性向上・競争活性化が小売市場の活性化にも資するほか、全国規模での供給力の有効活用となり、安定供給にも資するという点も踏まえ、その実現に向けた方策について、このワーキンググループで検討を行ってきていただいたわけでございます。具体的には、卸電力市場の現状や市場構造に今後変化を与え得る諸要因等を踏まえ、発電事業者の卸売先やPPSの電源調達手段についての選択肢が実質的に拡大されることが望ましいという視点も重視しつつ、卸電力取引所がその期待されている役割を十分に果たせるよう、取引所取引活性化に向けた方策を中心に検討を行った。この下の目次にございますのが主な検討項目であったわけでございます。
おめくりいただきまして、まず、発電・卸電力市場の現状といたしまして、我が国の発電容量シェアを見ると、現在、一般電気事業者が約73%と大宗を占めており、発電事業者は約27%であり、PPSの自社電源の発電容量のシェアは約0.3%にとどまっている。卸電力市場においては、自由化の進展に伴い、徐々に取引形態が多様化し、流動性の高い取引も徐々に増加しており、今後その拡大が期待されるところであるが、現状では一般電気事業者による長期の相対取引が大宗を占める構造に大きな変化は生じていない。ただし、現在、一般電気事業者以外の事業者による新たな電源開発計画が進行しており、一般電気事業者と契約を締結したIPPは2010年代半ばごろから契約更新時期を迎える予定である。
次に5ページでございますが、PPSの電源調達の現状と常時バックアップについてでございます。PPSは、現在、一般電気事業者からの契約に基づく卸供給である常時バックアップに4割程度依存している。それ以外は自家発余剰からの購入や自社電源等により賄っており、卸電力取引所からの調達は全体の2.6%にとどまっている。常時バックアップは、各PPSの電源調達状況に応じ、常に一定の高さの電力を調達するためのベース用電源、ピーク時に必要な電力を調達するためのピーク対応用電源として利用されている。また、通常、前日計画策定後の通告変更機能を持ち合わせるため、スポット市場入札締め切り後の需給ミスマッチに対応するための調整電源としても利用されている。PPSの電源調達手段として、常時バックアップから卸電力取引所取引への移行が望ましいとされていることを踏まえて、取引所活性化策等を検討する際には、取引の厚みの十分性に加えて、こうした常時バックアップの機能がどの程度代替し得るかという視点も必要になる。
おめくりいただきまして、卸電力取引所に期待される役割と具体的検討項目についてでございます。第3次制度改革において創設された卸電力取引所には、その創設に当たって以下の役割が期待されていた。全国規模での供給力確保に資すること。投資リスクの判断の一助となる指標価格の形成、需給ミスマッチ時の際の電力の販売・調達手段の充実など事業者のリスクマネジメント機能の強化に資すること。発電・卸電力市場に大きな構造的変化が生じていない状況下では、卸電力取引所がこれらの役割を担うことが引き続き期待されるところであるが、現状では、卸電力取引所の取引実績は、我が国の小売り販売電力量の0.2%にとどまっている。したがって、発電・卸電力市場の競争環境を整備するため、卸電力取引所の取引活性化に向けた方策を中心に、以下の点について検討を行った。(1)取引メニューの充実、(2)取引ルールの改善、(3)取引量の増加、(4)卸電力取引所取引に係る市場監視のあり方、(5)卸電力取引所のガバナンスのあり方。
ここから先がこのワーキンググループとしての検討結果ということでございます。まず、取引メニューの充実として、先渡し取引の活性化についてでございます。卸電力取引所において、前日スポット取引の取引量は徐々に増加をしているが、先渡し取引はスポット取引に比して低調であることから、現行の取引メニューに関しては先渡し取引の活性化が求められるところであり、取引参加者のニーズを踏まえた商品の多様化、決済や託送手続の改善等の方策を具体的に検討することが必要。この点については、第3回の制度改革ワーキンググループの議論も踏まえ、卸電力取引所において具体的検討を行っているところであり、現時点では、先渡し取引の活性化阻害要因の分析に基づき、託送申し込みや決済などの事務手続を取引所が代行・仲介する新たな先渡し商品分を追加導入する方向で検討中。引き続き、卸電力取引所において先渡し取引の活性化に向けた検討が行われ、早期に活性化策が実施されることを期待する。
次に、取引メニューの充実として、時間前市場の創設についてでございます。現在、諸外国と異なり、取引所の取引メニューが限定的な我が国においては、前日計画策定後に発電不調や需要急増等により不測の需給ミスマッチが生じた場合、発電事業者やPPSが市場を通じて電源を調達することはできないことから、これら事業者の事業リスク低減に資する時間前市場、これは現物受け渡しの一定時間前に電気の取引を行う市場でございます。この時間前市場を創設すべきである。創設する際には、安定供給確保の観点から系統運用への影響に十分留意することが必要であることから、時間前市場が前日計画策定後の不測の需給ミスマッチに対応する市場である点についての認識を市場参加者の間で明確に共有した上で、前日計画が供給区域の需給バランス確保、潮流状況把握のために果たしている現在の機能が損なわれないよう事後検証を行うなど、何らかの措置を講ずることとすべきである。取引対象とする市場の範囲については全国市場とし、市場参加者のうち、買い手側については発電事業者も含め、前日段階で電気の供給の計画を有していることを要件とすべきである。開場時間や値決め方式等の取引形態についてはさまざまな選択肢が存在するところ、市場参加者のニーズに適切に応えるものであることを前提に、24時間連続型の市場とはしない方向で検討し、何時間前までの電気の取引が可能かどうかを含めた具体的な取引形態については、我が国の系統運用実態や費用対効果の観点も踏まえて、詳細制度設計を行う中で検討を行うべきである。
その後、参考資料として、このワーキンググループで議論をいただいたときの海外の事例等が3ページほどつけております。12ページをお開きいただければと思います。
取引ルールの改善、発電事業者から見た事業リスクの低減でございます。卸電力取引所の現行取引ルールに関しては、発電不調時に適用されるインバランス料金の求償ルールや発電不調時の通告変更等の事務手続について改善を求める意見が存在する。これらの点の改善は、発電事業者から見た取引所取引に係る事業リスクの低減に資するところであり、取引実態等も踏まえ、特にスポット取引の約定後における電源脱落に起因するインバランスの発生、求償リスク、事務処理負担を低減させる方向で検討することが重要。具体方策についてはさまざま考えられるところ、託送供給制度との関係や取引所外における相対契約との関係にも留意しつつ、スポット取引に係る以下の方策について、卸電力取引所を中心に検討を行い、詳細制度設計を行う場に検討結果を報告すべきである。具体的には、スポット取引の発電不調に起因するインバランスについては、供給区域ごと時間帯ごとにスポット売り約定総量を3%内外判定の母数として取引所が料金精算を行い、原因者に実際の発電不測量に応じて求償する仕組み。代表契約者制度の活用容易化、これは後でまたご紹介をいたしますが、この活用容易化を踏まえ、取引所取引の買い手同士の間でバランシング・グループを組成し、インバランス支払い額の低減を図った上で取引所におけるインバランス求償ルールを見直し、第3に、スポット取引約定後の通告変更に係るシステム・手続等の改善でございます。
なお、以上の点のうち、スポット取引約定後のシステムの整備につきましては、卸電力取引所における検討が進展し、平成20年3月末までの取引所側でのシステム構築を目指し、設計に着手されたところである。
次に13ページでございますが、取引量の増加に向けた新たな目標設定と手段の検討。我が国の卸電力市場は、そのほとんどが一般電気事業者間、発電事業者と一般電気事業者、一般電気事業者とPPS(これは常時バックアップでございますが)の相対取引で占められており、卸電力取引所の取引実績は小売り販売量の0.2%にとどまっているのが現状である。こうした現状を打破し、卸電力取引所がその期待される役割を十分に果たせるよう、今回の制度改革においては、取引メニューの充実、取引ルールの改善等を検討してきたところである。今回の制度改革を実効あるものとするため、取引量に関する目標については、卸電力取引所の取引の厚みが常時バックアップの取引所取引への移行の主な条件として議論されてきたことなどを踏まえれば、常時バックアップの動向も見きわめながら、例えば現行の取引量に常時バックアップの移行に十分な量を追加した水準を将来的に目指すことを関係者間で共有すべきである。目標達成に向けては、欧州の一部取引所で採用されているマーケットメーカー制が、電気の現物受け渡しを前提とする我が国の取引所で導入することが困難であることなどを踏まえ、一般電気事業者、発電事業者、PPSがおのおの積極的に取引所取引を活用することとし、特に発電容量で圧倒的なシェアを有する一般電気事業者には、取引量増加に向けた相応の努力を期待する。また、こうした将来目標等を踏まえ、取引所取引について参加者の入札状況及び取引量を定期的に検証するとともに、小売り自由化範囲拡大の再検討時に、改めて卸電力取引所に期待される役割の達成状況を検証し、必要があれば改善策を検討すべきである。
14ページでございます。取引所取引に係る市場監視の徹底と取引所のガバナンス。取引所取引の公平性・信頼性を高めていくためには、市場監視の徹底が必要。卸電力取引所においては、現在、学識経験者から構成される市場取引監視委員会を設け、不公正な取引の監視や支配的事業者の行動の検証を行っているところであるが、独立性の強化や監視機能の強化を求める意見が表明されていることを踏まえ、市場監視について取引所と規制当局の間でさまざまな形の役割分担が行われている海外事例等も参考にしつつ、市場監視の徹底に必要な方策について、さらに詳細制度設計の中で検討すべきである。卸電力取引所のガバナンスについては、前回制度改革時の骨格答申において、以下のように整理をされていました。1、各市場参加者のニーズに対応し、効率的な運営を担保する観点からは、法令の規制による公設の市場とするのではなく、私設の任意の取引所として発足させることが適当。2として、取引所は株式会社の形態によるのではなく、参加者平等の組織形態、オープンな参加資格、透明公正な手続、公正なルールに基づく中立性が担保された法人、例えば組織形態については中間法人等によるものとすることが適当ということにされていたわけでございます。
今般の検討に当たり、卸電力取引所に期待される役割や取引開始後2年半程度の経験を踏まえ、今後、市場参加者のニーズに一層迅速に対応し、中立・公正な事業運営を図っていく観点から、卸電力取引所の内部組織のあり方等において見直すべき点がないかどうか、さらに卸電力取引所において検討を行うべきである。
この後、海外における市場監視方法について、このワーキングでもご提示した参考資料を2ページ添付しております。
次に、17ページでございます。同時同量・インバランス制度改革について。同時同量・インバランス制度改革においては、一般電気事業者とPPSとの間でイコールフッティングを図るとともに、系統利用者の同時同量を達成する上でのモラルハザード防止やPPS及び発電事業者にとっての事業遂行上の負担、リスク低減の必要性の観点にも十分留意しつつ、インバランス料金制度の改革案の検討を行った。また、PPSのインバランス発生、負担実態等も踏まえ、PPSや発電事業者にとってのインバランスに係る事業リスクの低減策についてもあわせて検討を行った。
次に、おめくりいただきまして、現在の同時同量・インバランス制度についてでございます。電気は瞬時瞬時に需給が一致する必要があるが、一般電気事業者は系統運用者としての系統エリアのインバランス管理と小売り・発電部門としての自社の発電・需要の管理を一体として行っている。PPSは30分単位で発需の不一致を契約電力の3%以内に抑制することが求められており、一般電気事業者の系統運用部門から一元的に補てんを受け、対価としてインバランス料金を支払っている。インバランス料金については、インバランスの不測量に応じて段階別料金が課されているが、特に変動範囲外インバランス料金については、PPSに不利益を与えるような設定ではないとの指摘がある一方、高額でありPPSや発電事業者の事業リスク低減のため、その低廉化が必要との指摘が多い。
次に19ページ、PPSおけるインバランスの発生量についてでございます。PPS全体で見た接続インバランスについては、変動範囲内インバランスが量で約94%を占める。他方、高額な料金を反映して、金額では変動範囲外インバランスが約23%を占める。料金支払い総額は約17億円であり、全PPSの電力販売額の約1.1%となっている。PPS全体で見た振替インバランスについては、変動範囲外インバランスの占める割合が比較的多く、量で2割程度、額で6割程度になっている。PPSの事業活動拡大に伴って振替インバランス料金支払い額も急速に増加しており、支払い総額は約1.4億円となっている。
このような現状を受けまして、20ページ以降に具体的な改革案について記述をしております。
まず、一般電気事業者とPPSとのイコールフッティングについて。イコールフッティングの考え方といたしまして、現在のインバランス料金制度のもとでは、一般電気事業者の発電小売り部門とPPSとの間でイコールフッティングが確保されていないとの指摘があることを受けて、以下のような改革案をまとめております。
系統エリアの同時同量のために要するコストを抽出した上で、一般電気事業者とPPSが公平に負担する形に改めることとすべきである。具体的には、運転予備力に相当する固定費及び燃料代等の可変費を一般電気事業者、PPSがおのおの公平に負担する仕組みとすべきであり、その具体的方法については詳細制度設計の中で検討すべきである。また、一般電気事業者が送配電部門収支の中にインバランス料金に関する収支を計上することとすべきである。
なお、これらの点の詳細制度設計に当たっては、発送配一貫体制のもとで一般電気事業者が系統運用者としての系統エリアのインバランス管理と小売り・発電部門としての自社の発電・需要の管理を一体として行っているため、厳密なコスト等の抽出が困難であることを踏まえ、コスト等の抽出・収支への計上に一定の仮定を置かなければならない点に留意すべきである。
次に、インバランス料金の水準等の検討についてでございます。変動範囲外インバランス料金については、以上の考え方を踏まえ、例えば変動範囲内インバランス料金のX倍と設定することとし、具体的設定方法等については以下の3点でございます。まず1、PPSや発電事業者にとって参入阻害的とならない価格。2、PPSの同時同量達成に係るモラルハザードの防止。3、卸電力取引所のスポット価格の水準。これら3つの視点を考慮して、詳細制度設計の中で検討すべきである。
その他の留意点といたしまして、不可避的に発生する変動範囲内インバランスについては季時別に展開しないこととし、変動範囲外インバランスについては需給の逼迫等を勘案し、季時別に展開すべきである。PPSの事業遂行上のインバランス料金の重要性にかんがみ、インバランス料金の算定方法変更に伴って、PPSの負担が現状より重くならないことが重要。同時同量を達成する上で、託送に伴う余剰電力はいわば不可避的に発生することを踏まえ、余剰電力の買い取り料金は適切に設定されることを期待。
次に、インバランスリスクの低減策ということでございます。22ページでございます。バランシング・グループ(代表契約者制度)の活用容易化でございます。バランシング・グループを形成するPPS全体で同時同量を達成することにより、グループ規模が大きくなるほどインバランス発生の事業リスクは低減することとなります。しかし、現状では代表契約者となるPPSに精算等の事務作業や責任が集中し、各PPSの情報が共有されてしまうなどの問題点がございます。したがいまして、改善策といたしまして、代表契約者から委任されたPPS以外の第三者がインバランス料金等の託送料金の精算等の役割を代行できる仕組みを構築すべきである。
次に23ページでございますが、発電事業者の発電不調時の調整容易化でございます。現在は、発電事業者の発電不調時には、発電計画の提出、計画変更の申し出はPPSを介して行っております。このため、発電事業者が主体的に発電計画を変更できず、PPSの変更手続の時間の分だけインバランス発生時間が延びる可能性がある。また、事故により停止していた電源が復旧しても、PPSの了承を得るまで発電を開始することができない。したがいまして、改善策といたしまして、PPSと発電事業者の間の事前の合意があった場合において電源脱落等が生じたときには、発電事業者が直接一般電気事業者に連絡して発電計画の変更等の手続を行うことができる仕組みを構築すべきである。
最後、24ページでございますが、変動範囲外インバランスの裾切り値設定でございます。PPSが新たに事業を開始したり、新しい系統エリアに参入したりした直後は、需要や電源の規模が小さく、変動範囲外インバランスを発生させる確立が高い傾向にある。他方で、小さなPPSが発生させるインバランスは、エリアの系統に与える影響も小さい。
以上を受けまして、参入直後のPPSの事業リスク低減の観点から、新たな系統エリアに参入したPPSについては、一定期間に限り、この量以下の場合は変動範囲外インバランスとは見なさないとするような裾切り値を設けることとすべきである。具体的な仕組みについては、詳細制度設計の中で検討すべきであるが、裾切り値の水準の検討に当たっては、エリアの系統に与える影響を考慮すべきであり、適用期間については、会社分割等による制度の悪用を防ぐ観点に加え、参入したPPSの規模的成長を促す観点から検討を行うべきである。
次に、託送供給料金制度改革についてでございます。託送供給料金制度改革においては、託送利用者であるPPSから、高圧を中心とした料金水準の一層の低廉化と透明性向上への期待が表明されていること等も踏まえ、託送供給料金に求められる公平性・透明性を一層確保する観点から改革案を検討してまいりました。具体的には、送配電部門における超過利潤の発生状況等も踏まえ、事後規制である変更命令の発動基準や超過利潤の使途について、透明性、料金の低廉化、設備投資インセンティブ、効率化インセンティブ確保の観点から見直しを行うとともに、託送供給料金の事後チェックの方法についても公平性担保の観点から必要な見直しを行いました。
まず、26ページ、現在の託送供給料金制度の枠組みでございます。託送供給料金は、小売り市場における健全な競争の基礎となるものであり、公平性・透明性が求められるところ、現行制度下では、下に書いてございますような事前・事後のルールのもと、適正な料金を実現するための改定サイクルが存在いたします。下のところで、左側は事前のところでございますが、省令によりまして料金算定に係るルールというものが定められ、これにのっとって一般電気事業者が料金算定を行い、経済産業大臣に届け出ます。事後におきましては、一般電気事業者に対して毎事業年度、送配電部門収支計算書の作成・公表を義務づけ、これに基づいて計算される超過利潤等が2年連続続いた場合には、変更命令を発動するといったような規制の枠組みがあるわけでございます。
このような枠組みのもとで、27ページでございますが、送配電部門における超過利潤の発生状況を見ますと、平成17年度は約2,000億円、平成18年度は約850億円の超過利潤が発生をしております。託送料金の水準は、小売り部分自由化の開始以降、一貫して低下傾向にありますが、こうした多額の超過利潤の発生を受け、PPSの間ではその水準に不満の声がございます。
おめくりいただきまして、28ページでございます。現在の変更命令発動基準の問題点、主として変更命令発動のトリガーを引くトリガー要件についてでございます。託送供給料金の公平性を担保するための事後ルールである変更命令の発動基準は、現在、送配電部門収支で超過利潤または欠損、あるいは想定総原価と費用実績の乖離のいずれかが2年連続で黒字または赤字となった場合、原則として変更命令の対象とすることとされております。しかし、現行基準のもとでは、例えば下のケース1、ケース2としてグラフで示しておりますけれども、ある事業年度に多額の超過利潤となっても翌事業年度に少額の欠損となれば対象とならない。あるいは、減価償却費の変動等により、ある程度不可避的に生じる超過利潤または欠損が2年続くだけで変更命令の対象となってしまうといった懸念があるわけでございます。変更命令発動基準の本来の目的が総括原価方式における適正な料金水準の事後的な担保にあるところ、これらのケースは本来、変更命令の対象とし、または対象とすべきではないとすれば、現在のトリガー要件につき見直しが必要と考えられます。
これを受けまして、29ページ、変更命令発動基準の見直しの方向性でございます。以上の問題点に対応した見直しを行うべく、現在の単年度の超過利潤等に着目するトリガー要件を改め、毎期の超過利潤または欠損の額の累積額の管理を一般電気事業者が行うこととし、当該累積額が一定の水準を超えた際に、当該累積額を発生せしめた託送供給料金に対する変更命令を発動するストック管理方式を導入すべきである。ストック管理方式の導入に当たっては、当該累積額に係る計算書の作成、公表を一般電気事業者に義務づけることとし、新たなトリガー要件の予見可能性が高いことから、現在の停止条件、2年で7%以上値下げをしていれば問わないというものでございますが、これは廃止すべきである。また、効率化インセンティブや料金改定サイクルの関係では、変更命令発動のトリガーとなる一定水準の設定方法が特に重要となるところ、設備投資インセンティブの重要性も考慮し、例えば送配電部門固定資産の期末帳簿価額に報酬率を乗じて得た額とすることなど、その具体的設定方法については詳細制度設計の中で検討すべきである。
なお、導入する場合、現行基準から新基準への移行に係る措置のあり方についても、詳細制度設計の中で検討すべきである。
おめくりいただきまして、30ページは、今ご説明をしたストック管理方式のイメージを図示したものでございます。
次、31ページでございます。超過利潤の処分の問題でございます。現在のルールにおきましては、送配電部門において生じた超過利潤については、送配電部門における効率化インセンティブとして留保が許容されているが、その処分につき制度上の手当はございません。処分についてルールがないだけではなく、その処分の状況についての説明責任は、適切なタイミングと方法で対外的に十分な説明を行い、託送利用者の理解と納得を得ることが必要として、一般電気事業者の自主性にゆだねられております。前述のとおり、超過利潤が全社合計で平成17年度、18年度いずれも相当程度の額が発生しており、現在のところ、一般電気事業者の自主的な説明責任にゆだねる自主的対応方式では、超過利潤の使途に関する納得感は必ずしも高くないという声がございます。
したがって、超過利潤の処分につき一定のルールを定めることを検討すべきではないかと考えられますが、その際、送配電部門における効率化意欲及び設備投資意欲を阻害することのないよう適切なインセンティブのあり方についてあわせて検討が必要となります。
具体的な改革案でございますが、32ページに「『超過利潤』の使途明確化~『ルール方式』の導入~」ということでまとめております。
以上のような課題に対応すべく、自主的な説明責任を負うのみにとどまっている超過利潤の使途明確化について、超過利潤累積額は原則として設備投資原資として内部留保を一定程度認めつつも、その一部を利用者に還元していく制度を導入すべきである。具体的には、まず、留保を認められた超過利潤累積額は無利息の設備投資資金と考えられることから、当該累積額相当額については、次期の料金改定時に送配電部門のレートベース額から控除することとし、他部門に内部補助されないことを料金上明確にすべきである。
次に、超過利潤の還元の手法としては、託送利用者に対し、現金での精算を行う方式も考えられるものの、最終需要家への還元効果の波及を考えれば、託送供給料金の値下げ、例えば料金算定時に事業報酬額から控除により還元していくこととし、詳細制度設計の中でその具体的な仕組みについて検討すべきである。
なお、超過利潤のすべての額を還元すると効率化インセンティブを阻害するとともに、必要な設備投資への活用の道をもふさいでしまうおそれがあるため、還元ルールの設定に当たっては、効率化インセンティブ及び設備投資インセンティブとのバランスに十分留意が必要であり、その具体的あり方について詳細制度設計の中で検討すべきである。また、超過利潤の累積額の一部につき、一般電気事業者による自主的かつ機動的な還元を可能とするため、値下げのための託送供給料金の変分改定に係る規定の整備を行うことが適当と考えられ、託送供給料金を変分改定する場合には、規制小売り料金についても同時にその相当額を反映することが必要と考えられることから、詳細制度設計の中でその実現のための具体的な仕組みについて検討すべきである。
なお、安定供給の観点から重要な連系線・FCへの設備投資インセンティブとして、託送供給料金設定に係る事業報酬算出に当たり、レートベースのうち連系線・FCの帳簿価額相当分は、通常の報酬率に一定割合を上乗せした割合を乗ずることを許容することとし、その枠組みや具体的水準等については詳細制度設計の中で検討すべきである。
このレートベース控除方式のイメージにつきましては、33ページ、34ページに図を載せております。
次に、35ページでございます。託送供給料金の事後チェックでございます。現在の託送供給料金は、算定の段階においては機動的な料金改定を実現するため、一般電気事業者の自主性が尊重されており、当局による厳格な査定手続が設けられていない。一方で、送配電部門収支計算書の作成を毎期義務づけることで、当該料金の事後的な妥当性について常に検証可能となるように措置をされている。現在の送配電部門収支計算書は、営業利益ベースの数値となっており、当期純利益ベースの数値となってはいない。このため、営業外損益や特別損益の状況を把握できない。トリガー要件の見直しによって、変更命令発動の要否判断の基礎に超過利潤の累積額を置く場合には、その適切性を担保することが必要となる。
以上を踏まえまして、送配電部門収支計算書において、現在の部門別収支と同様、当期純利益まで算出することとすべきであり、詳細制度設計の中でその具体的な仕組みについて検討すべきである。
36ページは参考で、そのイメージを掲載しております。
37ページでございます。需要種間の託送供給料金の公平性担保。託送供給料金は、特別高圧及び高圧それぞれに託送供給料金が設定されており、PPSからこういった特別高圧、高圧ごとの託送供給料金間の公平性の担保を求める声がある。一方で、料金算定に係る需要種間の費用配分は、設備利用の実態を費用配賦に反映するための配賦ルールが省令上規定されていることから、需要種間の公平性について一定の配慮が共通ルールとして既に措置されており、事業者が特定の託送供給料金を不当に高く設定することは困難との意見もある。
以上を踏まえまして、現行制度下では、託送供給料金の説明責任を負っているのは一般電気事業者であることから、PPSから需要種ごとの託送供給料金間の公平性に係る疑念が寄せられていることを踏まえ、料金改定時等において、一般電気事業者が省令に基づいてみずから設定した託送供給料金の適切性について自主的な説明を徹底することとすべきである。また、行政当局においては、今後変更命令を発動する際においても、従来同様、例えば主に高圧特有の配電費用において、想定原価と実績費用との乖離が顕著であることが直近の乖離状況を確認した結果判明した場合には、配電原価を圧縮するような料金改定を行うべき旨を含む変更命令とすることとすべきである。
後ろの38ページ、39ページでございますけれども、38ページは託送料金の改定の都度、一般電気事業者がホームページ上で公表している原価のつくり方、具体的な数字が入ったベースでございますが、これを関西電力さんの例ということで掲載をさせていただいております。また、39ページは、第5回のワーキンググループにおいて川﨑オブザーバーから説明のあった資料を参考として添付させていただいております。
説明は以上でございます。
【金本座長】
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまから事務局の説明につきまして、各委員及びオブザーバーの方々からご意見を伺いたいと思います。いつもどおりご発言に際してはネームプレートを立てていただくようお願いいたします。どなたからでも結構でございます。よろしくお願いいたします。
鶴田委員、どうぞ。
【鶴田委員】
ありがとうございます。
今、課長からご説明いただいた論点については、このワーキンググループなり分科会で議論した内容がほぼ正確に盛り込まれていると思いますから、大筋において私は了解するところであります。それを前提として、取引所関係で2点ほど質問させていただきます。1つは、13ページの取引量の増加に向けた新たな目標設定と手段の検討というところでございまして、3段目と4段目の段落ですが、ここで常時バックアップをめぐっての論点と取引の増加に向けた論点が2つありますが、3段目では「現行の取引量に常時バックアップの移行に十分な量を追加した水準を将来的に目指すことを関係者間で共有すべき」という文言になっております。もう一つ、取引量の増加については、「一般電気事業者には、取引量増加に向けた相応の努力を期待する」となっております。これはどの程度実現可能性があるのかちょっとよくわかりませんが、前者の場合には目標を共有すべきであって、関係者間で目標を共有していくプロセスがどういうふうになるのかよくわかりませんが、ここに書かれている文言がどのようにして十分担保されるのかどうか。4段目につきましては、一般電気事業者が取引量増加に向けた相応の努力を払うことをどうやって担保するのだろうかというところが私の率直な質問の1点です。
2点目は、取引所の内部組織のあり方等々を含めて、幾つかの宿題が書かれていると思いますが、今日ここに菅野理事長がご出席でございますから、もし差し支えなければ、現在の段階でどういう検討を行って、将来に向けてどういう改善がされるのか、もし今の時点でお答えいただけるならお話しいただけたらありがたい。もし取引所の事務局と相談する必要があるならば、今日ではなくて次回でも結構でございますけれども、その2点についてよろしくお願いします。
【金本座長】
まず最初は質問でございます。
【片山電力市場整備課長】
私が答えるのが適切なのかどうかというところはあろうかと思いますが、おそらくこの電気事業分科会あるいはワーキンググループでの議論というものを踏まえてここに至っているわけでございますが、その間、委員の間からも取引所は積極的にこれからも使っていきたいといったご発言というのは、いずれの事業者、一般電気事業者さん、発電事業者さん、あるいはPPSさんからもあったのではないかと思っております。今回、取引所についての種々の改革というのもかなり具体的に何をやるのかが明確になってまいりましたし、環境整備というものも具体的に始まっていようかと思います。
そういうことを踏まえて、取引所の取引量を、要するに取引所で使い勝手がよくなってくれば、使う意思は皆さん表明されているわけでございますので、おそらく具体的に何をどう担保するのかというご質問だと思うんですけれども、なかなかそこのところは難しいところもこれあり、そういう取引所にかかわられる各事業者さんがそういう意思をお持ちだということが担保なんじゃないかなと思っております。
あと、常時バックアップの移行云々をめぐりましては、これは分科会の場でも、あるいはこのワーキンググループの場でもいろいろとご議論があったところだと思っております。これ自体、取引所にいつ完全に移行していくのかというのはなかなか難しいところだとは思うのですが、やはり将来的には取引所取引へ移行していくべきだということは明確に共有しながら、常時バックアップというのは個々の事業者内での相対契約でございますけれども、そういった動向あるいは取引所がどの程度これから活性化していくのかというのを見ながら、そこのところはそういう目標に向かって、それぞれの関係する事業者の方々が行動していっていただければというのが事務局としての期待でございます。
【鶴田委員】
関連して質問させていただきたいのですが、取引量の増加に向けた一般電気事業者の相応の努力ですけれども、前回の制度改革のときに取引所をつくるに当たって、分科会の席上で一般電気事業者さんに決意表明をしていただいたことがあると記憶しております。玉出しをしますという決意表明です。そういうことまでも念頭に置いているのかどうかということですが、今は答えられないかもしれませんけれども、少なくとも「相応の努力を期待する」という文言に一般電気事業者がどう答えるのかということは、やはり分科会の席上で公式にご発言いただいたほうが望ましいのかなと私は思っております。これは希望でございます。
もう一つ、先ほど申し上げた取引所について菅野理事長のほうからお聞きしたいと思います。
【金本座長】
では、菅野理事長、お願いします。
【菅野理事長】
ご指摘いただいた各種の問題について、既に具体的詳細制度設計というこれから行いますプロセスがございますので、そこに向けて全面的にご協力するという基本方針はそういうことでございますが、既に取引所だけで相当できることがございまして、それには今事務局からのご報告に触れておられますけれども、一日も早く確実に実施することを考えております。
それから、さっきのお話の中で監視とかガバナンスについてもちょっと触れていらっしゃいますが、市場監視のあり方につきましては、事務局の報告にありますように、これから今やっていること自体、今の方式の中でも実は改善に努力しておりまして、外部に発表する、つまり市場監視のどういうことをやっているか、あるいはどういうふうに認定したかというような表現の仕方とか、どういうことまでをチェックしたかということも差し支えない範囲でぎりぎり公表することによって、市場監視の実態をなるべく信頼あるものとして受け取っていただけるようにしようという方向でやっております。
それから、ガバナンスのほうでございますが、これはもちろん取引所の設立目的に沿って、これまでは我々の機能を確実に果たすということを中心にしておりましたので、どちらかといえば取引参加者の希望あるいは望んでいることをなるべくきちんとくみ上げるということにしておりましたけれども、今回のワーキンググループの議論などを拝聴しておりますと、それに加えて、さらにエネルギー市場といいますか、電力市場全体の中での取引所の役割ということがだんだん複雑かつ高度になってきておりますので、取引関係者だけではなくて、一般の有識者の方にも入っていただいた何らかの勉強の場所というものをつくれるかどうか、これも早速検討したいと思っております。今差し当たり考えておりますのは、そういうことでございます。
それから、今、会長からもご指摘ありました取引量の問題でございますが、これはまず議論してみませんとわかりませんが、基本方向は、お話が出ておりますように、常時バックアップと今の市場取引との間に何らかの量的な補完関係があるので、これを全体として市場の活性化の方向になるようにするにはどういうふうにしたらいいかと、単純に数値目標というわけにはまいりませんし、これまでやってまいりました玉出しの問題も、ご承知のように状況によって電力会社のほうにニーズが出るような場合もございまして、そういうものの吟味といいますか、あるいは約束、目標というものも弾力的に考える必要もあるかと思っておりますので、ここに書かれておりますような関係者間での共有ということは、これから私どもも具体的に詰めてまいりたいと思っております。
以上でございます。
【鶴田委員】
関連してよろしいでしょうか。
【金本座長】
はい。
【鶴田委員】
ありがとうございました。お話を伺っていて、取引所自体で検討すべきテーマでも、短期的に比較的早くやれるものとやや時間のかかるものと、この2つがあると思うんです。もう一つ、時間前市場の問題とか、あるいはバランシング・グループ等々の論点でありますと、取引所だけじゃなくて、多分ESCJ等と協力・協調しながら対応しなければならない事もあると思います。その場合でも比較的早くできるのと時間前市場のシステムの変更等時間がかかるテーマがあると思います。いずれにしてもどこかの場で、検討結果なりこれからの対応の時間軸等をめぐって一度きっちりご報告いただいたほうがいいのかなと私は思います。
【片山電力市場整備課長】
おそらく、詳細制度設計をやっていくタイミングで、具体的に何はいつできるのかといったあたりをきちんと整理していくことが必要になろうかと思いますし、おっしゃるとおり、せっかくいいものができても、それがすぐ実現されなければ意味がないというところはあろうかと思いますので、早くできること、できないこと、いろいろあろうかと思いますけれども、そのあたりは事務局としても仕分けをしていきたいと思っております。
【鶴田委員】
ありがとうございました。
【東京電力(西澤)】
鶴田先生からいろいろご意見がありましたので、当事者として一言コメントさせていただきます。
13ページに今回のまとめがあるわけですけれども、取引所の取引量は0.2%などといろいろ書いてございますけれども、着実に増えてきており、私はこれは長い目で見ていくのが大事かなと思っております。取引所というのは、いろんな取引がありますけれども、諸外国等を見ても、やはり10年とかそれ以上かけてようやく育ってきたようなところもあり、前回の制度改革でも小さく生んで大きく育てるという議論があったと思うんですけれども、ぜひ長い目で見ていただければと参加者として思っております。
電力としてもここの取引所は、先ほど申し上げましたように、ぜひ活発にしていきたいと思っております。前回の制度改革では、当時の鎌田委員が市場投入について決意を述べて、皆さんのご了解を得たという形ですので、今回もしかるべき分科会でそういう形になろうかどうかはありますけれども、一応この場でも、私が言っても、おそらく何の保証にもならないでしょうが、電力を代表して積極的な取引には努めてまいりたいということは申し上げておきたいと思います。ただ、これは売り手と買い手がございますので、我々だけじゃなくて、買い手であるPPSさん、もう一つは売り手であります発電事業者さんもいますので、これはみんなで努力していくというのが大事かなと。そういう形で関係者がいろいろ入って取引所を盛り上げていくといいますか、いろいろ使い勝手の悪いところもありますので、そういうところは日々改善していくという方向で努めていきたいと思います。今回の資料では残念ながら目標量と常時バックアップの移行については明確になっていませんけれども、最後のほうに、取引状況をまた検証して、次回制度改革のときにはそこをきちっと検討するという形になっていますので、それまでの実績なり改善度合いを見ていただきながら、またこの場で議論していただくことになるのかなと考えております。
【金本座長】
鶴田委員、どうぞ。
【鶴田委員】
ありがとうございました。前回の鎌田委員が玉出しをしますということでおっしゃったとき、私は日本の社会だからこれが成立するのだと思いますが、これはジェントルマン・アグリーメントだということをその場で申し上げた記憶がございます。したがいまして、分科会の場でもどなたから決意表明をしていただければ、私たちもそれがひとつの担保になると思いますから、ぜひよろしくお願い申し上げます。
【金本座長】
そのほか何かございますでしょうか。松村委員、どうぞ。
【松村委員】
24ページです。裾切りのところです。4点あります。この「一定期間」とついたのは残念だと思っていることを述べさせていただきます。まず、私は前にも言いましたが、この裾切りの話は基本的に非対称規制ではないと認識しています。これについては既に詳しく発言いたしましたので、ここでは繰り返しません。
2番目ですが、ここに書いた目的からしても、一定期間後に廃止するというのでほんとうに十分かという点に関してはちょっと懸念しています。新規参入を十分促せるような力があるかどうかという点に対しては若干懸念しています。
3番目です。私は今「懸念しています」と言ったのですが、この予想はぜひとも外れてほしいと思っています。何年か後、この一定期間後という段階で、松村の予想は全く外れていた。大変強力な制度で新規参入が促せたということになっていたら大変ありがたいと思っています。そのときには、もちろん反省して認識を改めますが、そのような楽観的な状況にならないのではないかということを懸念しています。
新規参入に関しては、いろんなことが原理的にあり得ると思うんですが、新しいPPSの人が入ってくるということもあり得るでしょうし、今いるPPSが別の域外に出すということもあり得るでしょうし、あるいはもっと広くとらえれば、一般電気事業者が域外供給をするということも入ると思います。こういったものに関して、今回の制度改革全般、裾切りだけでなくて、全般を通じて促進されるという効果がきっとあるのだとは思うのですが、このことについては特に一定期間後というところできちんと事後的に検証していただきたいと思います。
4番目ですが、残念だとさんざん言ったわけですが、一方で裾切りに関しては、制度の設計の仕方を間違えれば非対称規制になる可能性もあるわけですし、制度の仕方をすごく間違えてしまうと、系統安定性に影響を与えることも十分あり得ます。これらの点を考えれば、ここは一定期間で切って、その後はゼロベースで見直す。デフォルトとして継続するというのではなくて、ゼロベースでこの制度を見直すのは1つのリーズナブルな発想だと思いますので、ここで「一定期間」とついてしまったというのは、大いに理由のあることだとも思いますので、反対はしません。ただ、そのときには当然、先ほど2点目、3点目で言ったことをきちんと検証して、効果があったのかどうかという観点も、系統安定性の問題とあわせてぜひ検証していただきたい。
以上です。
【金本座長】
裾切りが新規参入を促進するためかどうかということは若干異論もあるのかなという気はいたします。基本的な構造として、小さくて系統を危うくするようなことがない人にがちがちといろんな要求をするのは意味がないというのが基本だと思いますが、そのことについてまだよくわかっていないというのが多分あるのかなという気がいたします。期限を切っている理由はいろいろあるんだと思うんですが、私自身が一番重要だと思っているのは、こういう仕組みをつくったときにほんとうに系統安定性が大丈夫かというところをちゃんと見る必要があって、そういうことをやる前に恒久的な制度にするのは難しいかなという気がしているところであります。その点について、横山先生、何かございますでしょうか。
【横山委員】
今、先生がおっしゃったとおりで、そういう期限をもって様子を見るというのは妥当なことではないかというふうに思います。
【金本座長】
神宮司オブザーバー、お願いします。
【公正取引委員会(神宮司)】
委員の方々から反対はしないという御意見が出ていることでございますので、オブザーバーの立場からコメントを残させていただくという観点からだけ発言をさせていただきます。
今の24ページの「一定期間に限り」というところについては、前回の合同会合のときにはなかった部分が付け加わった部分であると理解しております。その上で文章を見ますと、結局、24ページ1行目にあるとおり、「需要や電源の規模が小さく」、これが変動範囲外インバランスを発生させる確率が高い傾向にあるということになっている形で出ておりますけれども、この部分について実証がなされているのかどうかということもありますが、結局、規模が小さいということの理由が、同時に系統に与える影響も小さいということの理由として用いられている以上、参入した直後だからこそこういうことが起こるというよりは、結局ここの文章で言っていることは、規模が小さいということの評価として、エリアの系統に与える影響も小さいということを言っているに過ぎないのではないかと思われます。そうすると、規模が小さいということに応じて制度をつくるということであれば、参入後一定期間が経過したからといって、なお事業者の規模が小さいという状況があるところで変動範囲外バランスをその段階で課すということに、制度としての合理性がどういう点にあるのかということは、問題点の1つとして指摘できるだろうと思っております。
ここの中では、参入したPPSの規模的成長を促す観点からという文言がありまして、よく分からないところはあるんですけれども、大きなPPSが少数存在するか、小さなPPSが多数存在するか、いずれの形にせよPPSのシェアが伸びていくことは望ましいだろうと思います。しかし、参入したPPSの規模的成長というものについてどの程度の規模が望ましいかということ自体について言えば市場メカニズムに任せるべきで、そこで行政がどういった規模が望ましいかということを言うのはいかがなものかというふうには思います。PPSが最も効率的と考えられる規模で事業活動をして、それでコストが一番低くなるということであれば、別に特に規模的成長を促す必要は必ずしもないのかなとは思います。
一方で、ここの文章の趣旨が、規模に基づく裾切り値というものを設けておくと、事業者の規模的成長を阻害するおそれがあるという意味で裾切り値制度の問題点を指摘されているということであるとすれば、制度を導入した後で見直すというときに、見直しの方向性としてはその段階で計画同量制度の導入を検討すべきであろうと思います。したがいまして、制度が導入された後の見直しの方向性としていえば、そのような形で計画同量制度の導入という方向での検討も項目に含まれるべきであろうと考えております。
【金本座長】
川﨑オブザーバー。
【関西電力(川﨑)】
裾切りの話でございますけれども、確かに系統に与える影響がどうかという見方も一方ではあるとは思いますが、ただ、この影響というのは非常に把握しがたいというのも一方である事実でございますし、そもそも今回の自由化の前提におきましては、いわゆる新規事業者さん、PPSさんにもみずからの需要にきっちり責任を負って供給していただくという大前提があります。それに伴いまして、PPSさんのほうでも供給力確保、さらには同時同量といったものの役割分担、系統をご利用いただく上でのルールというものを遵守していただいて、新しく自由化の中でご活躍いただくということから考えますと、規模の大小という考え方からそういうことをするものではなく、そもそもの役割責務というものを一義的に負っていただいているということが大事な点ではないかと思います。
ですから、ここにあります「一定期間」というものについては、そういう意味では、私どもとしては、期間限定を設けるというのは前提であると思いますし、そもそもこの策そのものがそういった自由化の前提から見ますと、産業育成的な観点から、電力事業者からすればウルトラC、ウルトラE的な観点からご発想があったものというふうに理解しております。
【金本座長】
山地委員、どうぞ。
【山地委員】
今の議論について私なりに整理するために発言させてもらうのですが、1つは、この24ページにすべて書いてあると思うんですけれども、まず1番目に書いてある需要及び供給の規模が小さい、そうすると大きなインバランスを発生する確率が高い、これがまず1つの事実、一般的な傾向です。つまり、ネットワークを大きくすると、いわゆる不等率が上がるとともに不確実性が減る。小さいとそれがないから不確実性が大きくなる。これが1つ。2番目は、系統規模に対して事業規模が小さいと、系統全体に与える影響も小さい。もう一つは、新規参入者は必然的に多分小さいことが多いだろうから、新規参入者育成のためにある程度の保護をしなきゃいけないというのが3番目の論点。これは全部正しいんですけれども、1番目のことと2番目のことというのは矛盾しかねないわけですね。つまり、系統規模といっても小さいのばかり集まって大きな系統が成り立っていると、1番目の事実は保持されたままになってしまうわけですね。したがって、ここの最後のところに「参入したPPSの規模的成長を促す観点」というのがありますけれども、それは正しいと思うんです。したがって、私の解釈は以上のような理解から一定期間という条件を付すのは妥当と考えます。
【金本座長】
鶴田委員、どうぞ。
【鶴田委員】
特段つけ加えることはないのですけれども、今、山地委員がおっしゃいましたけれども、僕はこの「一定期間」というのは素直に読むことができました。と申しますのは、ペーパーにも指摘されておりますが、やっぱり規模が小さい段階ではインバランスが発生しやすくなりますし、逆に規模が大きくなるとインバランスの調整が非常に楽になるというのは当たり前のことであって、したがいまして新しいエリアに参入した直後に、今のPPSとは限らず、今後新規参入することもあり得るわけで、そういう方々が参入しやすいように一定期間変動範囲外インバランスを課さないというのは、私は素直に理解したところなんです。
特に前々回の制度改革でPPSが参入しやすいということを念頭に置きながら、部分供給を推進するために常時バックアップをつくった経緯があったと思います。そういう意味で、やはり片方は大きな企業体である電気事業者が存在していて、もう一方で新しく参入する場合に何らかのサポートをするというのは私は当然だというふうに思っております。私はこれを産業政策的な観点で読んだわけでございまして、そういう意味では「一定期間に限り」という文言を入れることは必要だと思います。PPSの場合、規模が大きくなってくると、現実の問題としてインバランスが調整しやすいだけではなくて今度は新にバランシング・グループが提案されているわけで、そういうものを組み合わせていけば一定期間に限ってこういう裾切り値を設定しておくことは私は非常に合理的だと思います。
以上です。
【金本座長】
では、山内委員、どうぞ。
【山内委員】
今皆さんがおっしゃったのと同じことなんですけれども、やっぱり情報的にというと不確実なところがあって、今、山地さんがおっしゃったことは非常に合理的だなと思ったのは、相矛盾する方向に動くかもしれないということがあるわけですから、基本的には一定期間を限って、その中での影響を検討した上で次の制度を考えるということだと思います。
【金本座長】
そのほかにございますでしょうか。今の一定期間という話には2つあって、制度自体が一定期間というものと参入後一定期間という2つの話がございます。参入後一定期間というところに若干議論があるというところですが、小さい人が参入してずっと小さいままでということが起きたときに、これをどう扱うべきかというところは川﨑オブザーバーのおっしゃられたような意見もありますし、多分そうでない意見もあるのかなと思いますが、それを今決着をつけるというのは空振りになるかもしれないと思いますので、とりあえずこれで様子を見るという会かなと私は個人的には思っております。
では、山内委員、どうぞ。
【山内委員】
あんまりこれに比較するかどうかわからないですけれども、私が専門のエアラインの件数なんかで、羽田空港の発着枠を一定程度留保して新しい航空会社に分け与えるというレギュレーションはしているんですけれども、それがここで言うところの裾切りと比較できるかどうかというのはちょっとあれなんですが、ただ、そのケースでご参考になるかどうかわからないですけれども、新規参入した企業が例えば倒産して大手企業の資本出資を得て営業しているとき、それも比較的出資率が低いときに新規参入企業というようなことを言われたり、ある意味では出資会社の意図に従ってネットワークが固定されるというケースがないわけではないです。そういうことも考えると、少しいろんな影響が出そうだなというのはあると思います。
【金本座長】
多分、新規参入促進のために非対称規制をするということは言われたことはないと思います。ただ、そういうことと無関係に新しい小さい人に対する制度というのは、系統安定性の面からどこまでどう担保をするのが合理的かということがあろうかと思いますので、当面、新規参入促進というのは目標としてはあるんですが、そのために非対称にするということではなくて、合理的な基礎のある制度をつくるといった感じかなと思います。小さいのが大きくなるかならないかというのは勝手に選ぶことだと神宮司さんが言われたのは当然ですが、そのことと系統利用に関する制度というのはリンクせざるを得ないという面があって、小さい人をずっと特別扱いをし続けるかどうか、それが系統全体の安定性に影響を及ぼすかどうかという問題は競争政策を別の次元で考える必要があるのかなという気がいたしております。これで全部長期的な制度ができるというわけではありませんで、様子を見ながら考えていくことかなという気はいたしています。
そのほか何かございますでしょうか。大日方委員、どうぞ。
【大日方委員】
20、21のインバランス料金のところなんですが、20ページの下の四角のところの内容のうち、これには2つのことが書かれていて、1つは範囲内のインバランス料金をどういう方式で算定するかということと、一般電気事業者も社内取引を振替収支計算をするという2つのことが書いてあるのですが、上のイコールフッティングの考え方という目的達成のためには、一般電気事業者も一定の料金を使って社内振替計算をするということで達成されるんですが、もう一つの現在の方式と料金算定方式を変えるという点については、必ずしもイコールフッティングからは出てこないので、イコールフッティングというのは、PPSと一般電気事業者が同じ料金を使って計算すると、同じ単価で計算しさえすればいいので、ここをイコールフッティングという一言では説明しにくいかなと思うんです。
私のただ記憶違いなのかもしれませんが、範囲内のインバランス料金についての計算方式の透明性というか納得感を出すというのが多分あって、それがどこかで抜け落ちているのかなという気がします。ですから、イコールフッティングプラス料金算定方式を変えるという積極的な根拠が欲しいかなと。議論の経過を知っている人はわかってしまうのですが、もしもこれだけ見ると、なぜこれで予備力を使った計算が正当化されるのかというのはわかりにくいというのは1つです。
それと、21ページで範囲内については季時別に展開しない、範囲外については季時別に展開すると。範囲内と範囲外の違いは何かというと、範囲内で一定の単価を計算したら、範囲外についてはX倍ということになっているので、ここでの趣旨は、これは質問になるんですが、季時別にXをかえるという理解でよろしいのかということなんです。これは非常に単純な質問です。
【片山電力市場整備課長】
季時別にXをかえるというのか、もとの出てきた変動範囲内インバランス料金を季時別に、仮に展開したものに同じX倍を掛けるのか、計算結果は同じだと思うんですけれども、多分料金のつくり方からいくと、まずは1本の変動範囲内インバランス料金が出て、それを通常やられている方法で季時別に展開して、同じX倍を掛けるというふうに整理をしたほうが、いきなりその季時別に分けてX倍つけるというよりも料金のつくり方としては素直なんじゃないかなとは思います。
【大日方委員】
おっしゃる意味はよくわかるんですが、完全な仮定の話で、仮にXが3だとして、現行で季時別に倍違っていると、実際には6倍になるということでしょうか。現在、季時別にピーク時に何倍かついていると、さらにX倍を掛けちゃうとものすごく大きくなっちゃうんですよね。
【金本座長】
掛け算なのか足し算なのかという議論ですね。ペナルティを掛け算で掛けていいのかという感じだと思いますが。
【片山電力市場整備課長】
何倍でもいいんですけれども、仮に5倍だとして、5倍の5倍で25倍になるんじゃないかということですね。そういうふうにはならないようにしないと、全く何をやっているのか意味がわからなくなると思いますので。
【大日方委員】
引き続き同じところなんですが、変動範囲外についてはあまり参入組織的とならないと。これは前のほうのPPSの負担感が大きいということと、これが多少経営に与える影響が大きいということがあって、このXを設定するときには考えるということになっているんですが、振り返って、20ページの範囲内について算定方式を現状からかえるというときに、必ずしも現状が維持されるのか、下がるのか、上がるのかはやってみないとわからないのですが、ここについてはひょっとして、各社各様なので何とも言えないんですけれども、現状より上がることもありということを、むしろこの算定方式を決めるので、それは全く結果であって、そのことは問わないということでよろしいんですか。
【片山電力市場整備課長】
そのあたりまで踏み込んで、これまで分科会、ワーキンググループではご議論いただいていないと思います。まさしく詳細制度設計の中でご議論いただくべき課題じゃないかというふうに思います。ただ、21ページの「その他の留意点」で「PPSの負担が現状より重くならない」ようにというのが入っているということではないかと思います。そういう中で、具体的にどういう料金算定式を詳細制度設計の中でつくっていけるかということではないかと思います。今の段階で事務局に問われても、事務局はなかなか答えにくいところがあるんじゃないかと思っております。
【金本座長】
あと、最初のご質問のイコールフッティング、何かありますでしょうか。
【片山電力市場整備課長】
確かに6月の論点整理の段階でどういう観点が入っていたのかというのは、改めてもう少し見てみたいと思います。そういう中で、料金の透明性の議論というのも入っていたんじゃないかと記憶しておりますので、そのあたりは全体をまとめる段階で少し留意をしていきたいと思います。
【金本座長】
これは、私の個人的な頭の整理は、このイコールフッティングかどうかというのは当然いろんな批判がある。それに対して、アカウンタビリティーをどう確保するか。そのちゃんとした説明ができるかどうかというところでそれなりにきちんと対応をするというラインかなと思います。したがって、そういう意味では透明性の話なのかなと思いますが、ただ、単なる透明性ではなくて、当事者がおれたち不利にされているんではないかと言ってきているところに対してきちっと説明できる仕組みをつくるということかなと思います。
川﨑委員、どうぞ。
【関西電力(川﨑)】
今のご議論に関してですけれども、前々から私どもも申し上げていますけれども、同時同量・インバランスにつきましては、ここの資料にありますように、発送配一貫体制のもとで安定供給維持のための根幹のシステムであるということは前々から申し上げておりますし、そのために私ども電力業界は発電と送配電を一体不可分のもと瞬時瞬時の同時同量をやってきた。したがって、常に需要想定を繰り返しながら自社需要に追随して需給バランスの維持に努めるということにしておりますので、分けづらいということはご認識いただいていると思います。それは前回の分科会でも委員の方々のご発言にもありましたし、このワーキンググループの中でもそういった前提のもとでご議論いただいているということでございますから、今、座長がおっしゃいましたアカウンタビリティーというところにつきましても、インバランス供給のコストの抽出や、さらには収支の算定ということについては、ある意味分けられないでもやるということなので、かなりバーチャルなもの、割り切ったものにならざるを得ないということにはなると思います。
それと、先ほどの大日方委員の料金の算定のことにつきましても、今の全電源平均コストの算定方法から、いわゆる運転予備力相当に変更するというふうにおっしゃいましたけれども、その辺について一定の仮定のもとでやるということになりますと、今、片山課長がおっしゃいましたように、どういうふうにこの後詳細検討をしていくのかということは十分念頭に置きながらやっていく必要があると思っております。
【金本座長】
松本オブザーバー、お願いします。
【東京ガス(松本)】
ありがとうございます。13ページの目標設定関連でございます。この13ページの矢印の3つ目に目標のあるイメージが出ているわけでございますが、これに加えまして、前回の分科会でも弊社の鳥原がお願いしておりますけれども、火力全面入札制度が取引所に代替された経緯とか、それから6ページに取引所に期待された役割が頭のほうにありますが、これらの役割が十分に達成できるレベルも考慮し、目標設定をお願いしたいものでございます。
以上です。
【金本座長】
どうもありがとうございます。
そのほか何かございますでしょうか。鶴田委員、どうぞ。
【鶴田委員】
多分一番最後にお尋ねすべきことだと思いますが、参考の1に今後の検討スケジュールの予定表があります。これをじっと見ていましたら、12月10日に第9回の制度改革ワーキンググループがあって、ここでワーキンググループの作業は終わりますね。今年中に30回目の分科会を行い、その後に1月25日に基本答申取りまとめ、パブリックコメント行うと書かれております。多分、基本答申が最終的に纏まるのはパブリックコメントを含めて2月の下旬だと思うんです。そうすると、3月に分科会を開催し、その後に詳細制度設計に入っていくと想定できます。それも1年間やっているわけではなくて、私の想像ですけれども、多分2カ月とか3カ月間ぐらいで詳細制度設計が終わるのだと思います。そのプロセスでさまざまな作業があるのは承知いたしますけれども、仮に6月ぐらいで一応制度ができてしまって新しい制度を次年度から、つまり平成21年度から実施するというのでは空白期間が少し長過ぎる感が致します。経済は生き物でございますから、すぐ実行できるものは実行していただいて、それぞれの事業者の方が対応しやすいような環境をつくっておくことが必要ではないかと思ったものですから、事務局としてどのようにお考えになっているのかを承らせていただければと思います。
【片山電力市場整備課長】
鶴田委員ご指摘のとおりでありまして、基本答申の後のスケジュールはまだ詳細に事務局としてまとめきっているわけではございませんけれども、詳細制度設計がまとまった後、ずっと何カ月も何も動かないということであれば、何のためにお忙しい委員の方々にお集まりいただいて議論してきたのかということにもなろうかと思います。我々、今度は行政機関として答申を受けてやらなきゃいけないことというのは多々あるわけでございますけれども、そういったものもできるだけ迅速にやって、早く制度改革でおまとめいただいたものが実際のビジネスに反映できるように、そこのところは一生懸命やっていきたいと思いますし、逆に行政側がトリガー、アクションを起こさなくてもできることがあるのであれば、それは事業者の方々にどんどんやっていっていただければ、あるいは取引所のほうでどんどんやっていっていただければということではないかと思います。そのあたり、個別の項目によって随分軽重ございますので、先ほど取引所のところで鶴田委員からご発言がございましたけれども、そういったところも踏まえて、何はいつごろやっていくのかといったあたりも事務局として頭の整理をしていきたいと思います。
【金本座長】
山内委員、どうぞ。
【山内委員】
託送料金について、最後にコメントというか、私自身の何か変更を要求するものではないんですけれども、まず感想から言うと、託送料金はストック管理というのを考え出されたので、非常によく考えられていると思うんです。要するに、フローで出てくる利益水準だけじゃなくて、ストックとして考えて、変更命令の発動要件を考えたということなのでそうなんですけれども、そのときに1つだけ疑問が残るのは、これは質問でもあるんですけれども、要するに一定水準というものの、いわゆるこれは公正報酬分との比較でそれ以上になったらということなんだけれども、そこのリーズニングというか説明があったらいいのかなと思っていますが、なかなか難しいところであると思いますけれども、それは感想というか質問でもあるんですけれども。
それから、もう一つ、超過利潤の処分についてもいろいろインセンティブ等を考えられていて非常によく理解できるところなんですけれども、これもへ理屈なんですけれども、32ページの最後のところで「連系線・FCの帳簿価額相当分は、通常の報酬率に一定割合を上乗せした割合を乗じる」ということで、インセンティブで要するに補助率を少し乗っけてあげるから投資しなさいということなんだけれども、理屈から言うと、報酬率規制の場合は、報酬率が上がると、その分投資が増えるかというとそんなことはないかもしれないということですよね。要するに、アヴァーチ・ジョンソン理論みたいな形で報酬率で規制してやると投資が過剰になるというのはあるんだけれども、それをプラスしたときにどういうふうになるかというと、プラスした分だけ投資が増加しないという可能性があるのかな。要するに、最適値から言うと、その分だけ多分増加しないということになる率としてはある。ただ、直感的に言うと、乗っけてあげたんだからその部分だけ増えますということでいいのかなと思いますけれども、そういうゆがみの問題はあるのかなというふうに思いますが、特にこれは直すという話ではないんですけれども、そういう感じがいたします。
最後の需要種間の供給料金の公平性担保なんですけれども、私自身は個人的にはあまり原価を細かく区切っていって、原価ごとに収支を出すというのはあまり意味がないと思っているので、できるところまでというところなのかなと思いますし、それよりもより重要なのは、共通費の配賦問題というのは納得性の問題だと思うんです。そういったところの考え方が背後にあってしかるべきかなと思っています。
以上です。
【金本座長】
若干細かい論点が出てきましたけれども、何かお答えがあれば。
【片山電力市場整備課長】
ストック管理方式の一定水準、これがなかなか難しいご下問ではあるんですけれども、まず、送配電部門の期末の帳簿価額の動きにリンクをさせようという発想自体は、今の変更命令発動基準というもののあり方というのが各社ごとの事情を考慮せずに、ある意味で一律にすべて適用されるような基準になっているようなところがありまして、それを各社ごとの送配電部門の期末の帳簿価額にリンクさせるというのは、各社ごとのいろんな事情というのもある程度反映できるというメリットがあるんじゃないかというのが1つでございます。
それから、なぜ1年分なのかというのは、なかなか水準の切り方というのが難しいところがあるわけでございますが、一応今のやり方で17年度、18年度の実績というのはある程度出てきているところでございます。17年度、18年度での実績と、今回例えばということで例示で1年分をお出ししておりますけれども、それを当てはめてみますと、今の基準でもトリガー要件に該当するところは実は新しいところでも該当するんじゃないかというような水準じゃないのかなと思っておりまして、あまりに高過ぎて空振りに終わるような水準でもないということは、わずかなデータしかありませんけれども、言えるんじゃないかと思いまして、例えばということで例示として挙げさせているところでございます。
【金本座長】
インセンティブを具体的にどうつけるかというのはいろいろあると思いますので、ご検討いただければというところでありますが。よろしゅうございますか。
では、白羽さん、どうぞ。
【エネット(白羽)】
ありがとうございます。今回のまとめにつきまして、これまでの議論を踏まえまして、あと15日の合同部会での報告いただいたものを基本的に踏襲したものとなっておりますので、大きな方向性についてコメントはございませんけれども、個別の点で2点ほどコメントさせていただきます。
まず1点目ですけれども、資料の8ページの時間前市場につきましてです。創設する方向で今後詳細設計の中で検討を行うということですけれども、一方で安定供給の観点ですとか、費用対効果からの懸念もあるというふうに認識しております。このうち、安定供給の観点ですけれども、私どもといたしましては、時間前市場の利用者が基本的に発電事業者さんや私どもPPSだといたしますと、その電源規模全体から見て電力系統全体に悪影響を及ぼすような大量の売買をすることはあり得ないと思っておりますし、時間前市場の基本的性格が発電不調時の電源調達ですとか不測の需給ミスマッチ解消のためということであれば、逆に系統全体の安定供給に資するものになるのではないかというふうに思っております。
また、時間前市場の創設によって、ややもすれば前日計画がおろそかになるのではないかという指摘があるかもしれませんけれども、時間前市場が創設されたといたしましても、時間前市場で必ず電気が調達できるという保証はございませんし、前日のスポット市場より時間前市場のほうが価格が安くなって時間前市場にシフトするといったようなことは現実的にはあまり想像できないというふうに思っております。
いずれにいたしましても、新規参入ながらも責任を持ってお客様に電力を安定的に供給する立場にある者といたしまして、前日計画の重要性はこれまでと全く変わるものではないということを申し上げておきたいと思います。
2点目です。21ページですけれども、一番下のところに託送に伴う余剰電力の買い取り料金についてというふうに記載されております。3%以内の不足の際に適用されます変動範囲内のインバランスについては不可避的に発生するとありますけれども、同時同量の実運用上は需要量に対して不足する場合だけではなく、結果として実際の需要量よりも多く発電してしまうことも同様に不可避的に発生いたします。それが3%以内の場合には電力会社さんが買い取っていただけるんですけれども、その際の買い取り料金が変動範囲内のインバランス料金よりも相当安いということで、私どもといたしましてはなかなか納得感がないことを以前より認識しているところでございます。
この余剰電力の買い取り料金につきましては規制対象外ということになっておりますので、現行制度に基づけば制度的なアプローチが難しいと認識しておりますけれども、今回の資料に「適切に設定されることを期待」と書いていただいておりまして、私どもといたしましては大変ありがたいと思っております。ぜひこれを機に不足分への補給と余剰分の買い取りの単価差をより縮める形で設定していただくよう、この場をかりましてお願い申し上げたいと思います。
個別の点は以上ですけれども、最後に私どもといたしましては、こうして打ち出されました制度改革に向けた種につきまして、詳細制度設計の検討の中で十分水をやり、畑を耕して競争環境の改善という大きな果実が得られるよう期待したいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
【金本座長】
どうもありがとうございました。
大日方委員、お願いします。
【大日方委員】
32ページの超過利潤のところなんですが、32ページの一番最後のパラグラフに、先ほど山内先生が触れられた報酬率の使い分けの議論があるんですけれども、結構ものすごいことが始まるんじゃないかという気もしているんですが、つまり、全社1本の報酬率ではなくて、活動別というか部門別によって報酬率を変え得るということが来れば、必ずしも発電と送配電で同じ報酬率を使わなくてもいいという議論も出てくるので、私はこのことは賛成なんですが、この書き方だと連系線とFCについては優遇してその他と格差をつけるということ以上に、とにかく通常の報酬率という書き方になっているので、そこにちょっと違和感があるんです。通常の報酬率に上乗せをすると。送配電部門の中で連系線とFCに高目の報酬率がつくという理由はわかるのですが、せっかく報酬率を何本か決められるんだったら、送配電部門と発電部門の報酬率が必ず一定でなければならないというふうに私は思っていないので、こういう書き方よりは上乗せした報酬率を使うというくらいに書いておいていただけるとありがたいということです。このことは、私は何気なく、皆さんも何気なくあまり反対もされないんですが、これが可能だということは、いわゆる料金規制産業において活動別に報酬率を変えることができる、そういう規制方式があるというドアを開くので、ここをちょっと書き方を、面倒くさいとは思うんですが、これで多分決まってしまうと思うので、1つ確認ですけれども、その辺は大丈夫なんでしょうか。私は何となく初めてな感じもするんですけれども。
【片山電力市場整備課長】
これはガスで前例がありまして、電気が初めてというわけではないというふうに思っております。ガスもあるパイプラインに着目をした、そういったインセンティブの与え方になっていて、そういう意味で連系線あるいは周波数変換設備に着目するというのはガスで既にある話と、極めてアナロジカルなものじゃないかなと思います。ですから、ここは大日方委員がご指摘に、あるいは念頭に置かれているような大それたことを考えているわけでは全然なくて、そういう意味で通常の報酬率というのが事務局の極めて率直な表現なんじゃないかなと思っているんですが。
【金本座長】
山内委員。
【山内委員】
今の報酬率の話なんですけれども、私も会計の先生方といろいろ議論するときに、完全に適正の不純率がわかるとおっしゃるような形で、部門別あるいは事業別にそれぞれの報酬率を計算してという理想的な形だという考え方も一方であるんですけれども、一方では、もともとレギュレーションの影響のほうから言うと、レートブリダーレギュレーションというのは全体に掛けることに意味があるというのが1つあるわけです。なぜかというと、全体に掛けておいて、その中での例えば事業別の投資をどうするかとか、あるいは資金調達をどうするかというのが経営者の裁量の余地があって、その中での効率性を図るという理屈が一方である。だから、両方とも理屈があると思うんですけれども、具体的にどうするかというのは、1つは政策問題であるし、あるいはもうちょっとこちらでも具体的に議論しないと決まらない問題ではないかと思っています。ここでは、おそらく今、片山課長がおっしゃったように、全体を抱えるレギュレーションの原則は変えないでおいて、部分的においてインセンティブとして使うという発想だと理解します。
【金本座長】
よろしゅうございますか。三村オブザーバー、どうぞ。
【NACS(三村)】
皆さんの議論からみるとぐっと次元が低くなって恐縮ですが、この資料を木曜日にいただいたものですから、時間がありましたので、じっくり読んでみましたら、まとめの部分で、文章の末尾が検討すべきであるとか、期待されるという言葉で結ばれたものがたくさんみられます。これは単なるまとめだからそういう結論になるのかなというふうに思いましたが、私は皆さんの議論を伺っていて、ここは皆さんの意見が一致しているところではないかと思われるようなところに「期待される」という言葉がついているのかなという読み方をしました。これから分科会にかけた後でパブリックコメント等にかけるのですから最終的結論はまだ先になるのでしょうが、同意が得られているものは早くどんどん前に進めていただきたいと考えております。一般消費者の立場で考えるといろんな議論が出てきましたけれども、何といっても消費者が望むのは安定供給ではないかと思います。その安定供給がひずまないようにしていくためにも今回の資料の中の期待されると結ばれたものの中には速やかに実行に移せるものがあると思いますので、一日も早く動けるように手段を講じていただきたいと願っています。パブリックコメントにかけないで動くことは無理なのかもわかりませんけれども、それは私の期待として申し上げておきます。
ありがとうございました。
【金本座長】
「期待される」と書いてあるところは、何もしなくても、やっていただければやっていただくことができるというところでありますので、それは皆様方のご努力でということになろうと思います。
そのほかはございますでしょうか。では、山地委員。
【山地委員】
時間がありそうなので、ちょっとつまらないことなんですけれども、4ページ目の現状の説明のところで、別に政策的なところじゃないんです。この見取り図はわかりやすいなと思って、実は感心して細かく見ていたんです。それはそれでいいんですけれども、ちょっと注を読まないと重複した数値があるとかということも気がつきましたけれども、ただ、私が確認したいのは、上の囲みの中の文章の一番上の矢印のところは「容量シェア」で書いてあるんですね。下はキロワットアワーですね。これは、何でこんなことをされたんですか。
【片山電力市場整備課長】
すみません。もともと第3回のワーキンググループで発電卸市場をご説明したときには、容量のシェアのグラフも載せていまして、ページ数を減らすためにキロワットのグラフを落としてキロワットアワーの、ここで言う2パラグラフ目の図だけが載っているということで、もともとワーキンググループでここをやったときは、1パラ目のグラフ、2パラ目のグラフ、3パラ目の表というのを全部載っけていたのですが、すみません、割愛しただけでございます。
【金本座長】
そのほか何かございますでしょうか。時間が大分あまってはいるんですが、皆様お忙しいと思いますので、あまり引き延ばしても意味がないかなと思いますので、とりあえずきょうはここまでにさせていただきたいと思いますが、きょうの資料の扱いですけれども、きょういただいたご意見、大体ご意見のようですが、あと事務局のほうで精査・整理をしていただいて、必要に応じて資料を修正した上で次回の分科会に報告することとさせていただきたいと思います。修正した資料の確認については、私にご一任をいただければと思っておりますが、よろしゅうございますでしょうか。
それでは、そういうことできょうのワーキンググループは終わらせていただきます。長時間にわたりご審議いただきまして、大変ありがとうございました。
最後に次の日程をお願いいたします。
【片山電力市場整備課長】
次回、第9回制度改革ワーキンググループは、12月10日月曜日、10時からの予定でございます。場所は霞が関ビルの東海大学校友会館となります。安定供給環境適合につきまして、先日の分科会の議論を受け、ワーキンググループとしての取りまとめに向けたご議論をいただく予定でございます。
【金本座長】
それでは、これをもちまして第8回のワーキンググループを閉会させていただきます。どうもありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2008年2月6日
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