経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会制度改革ワーキンググループ(第1回) 議事要旨

日時:平成19年6月28日(木)10:00~12:30

場所:経済産業省別館10階各省庁共用1028号会議室

出席者

委員

金本座長、大日方委員、鶴田委員、松村委員、山内委員、山地委員、横山委員

オブザーバー

西澤東京電力(株)執行役員企画部長、川崎関西電力(株)お客様本部料金企画グループ部長、白羽(株)エネット取締役営業本部長、松本東京ガス(株)エネルギーソリューション本部副本部長、三村(社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会監事

プレゼンテーター

小笠原電力・ガス事業グループグループリーダー

事務局

宮川電力・ガス事業部政策課長、伊藤同課長補佐、片山電力市場整備課長、山口同課長補佐、田中同課長補佐、後藤電力基盤整備課長、生越電力需給政策企画室長

議事概要

(1)開会

  • 片山電力市場整備課長より、資料確認。その後、委員及びオブザーバーの紹介
  • 金本座長より、挨拶。

(2)制度改革WGの設置趣旨及び議事の公開等について

  • 片山電力市場整備課長より、資料3、4について説明。

(3)家庭部門も含めた小売自由化範囲の拡大に係る検討について

  • 片山電力市場整備課長より、資料5について説明。
  • 財団法人日本エネルギー経済研究所小笠原グループリーダーより、資料6について説明。
  • 片山電力市場整備課長より、資料7について説明。

(4)討議

  • 上記説明を受けて自由討議。
  • 座長・委員・オブザーバー・事務局より以下の発言があった。
  • 資料5から7まで紹介頂いたが、始めの2つは小売自由化範囲を拡大する方が良いかどうかにかかわる論点であり、資料7は小売自由化範囲を拡大するとしたらどのような影響が発生するかの論点と整理できる。まずは、資料5と6について御質問・御意見お願いしたい。
  • 資料6の2ページ目の右下の枠のところについて聞きたい。2段落目に、「海外事例を考慮し2015年度に2005年度比10%の効率化効果」と書いてあるが、資料5の説明だと、海外事例では顕著な変化はないと書いてあった。これらの説明の間に整合性がとれているのか。

    同じく資料6、で自由化範囲拡大による競争促進効果として係数「1.3」が設定されているが、根拠が薄弱に思われる。

    また、検針・メーター費用と営業活動費用は、ベースとして用いている戒能経済産業省研究所研究員のレポートの効率化効果に既に織り込み済みではないのか。仮に、そうだと、更にこれら費用を計上することはおかしいのではないか。

  • まずは、海外事例の整合性についてご回答する。いくつか海外事例で効率化効果ポテンシャルの研究事例があったが、5~20%まで幅があり、検討の結果、10%と置いた。

    次に係数1.3についてであるが、考え方に幅があるところであり、現行の自由化範囲が全市場の6割であるため、全面自由化によりマーケットが現在の1.6倍になることから、最大で1.6倍で効率化効果が生じるという意見がある一方で、マーケット拡大による効果は全くないという意見もあり、ここでは間を取って1.3倍を基準に設定し、感度分析も合わせて実施している。

    3点目、通常行う検針メーター費用はもちろん営業費用に入っている。しかし、制度移行にともなって、プロファイリングをやる場合にはインターバルメーターをサンプル的に需要家に取り付けてデータを推計する、又はインターバルメーターを離脱需要家に付けるなどを行うこととなり、別途追加的費用が発生する。

  • 資料5の海外における自由化の効果と資料6の費用便益分析における効果との整合性について追加的に補足する。

    資料5では、特に便益の程度ではなく、「今までの自由化にプラスして家庭部門を含めて自由化を行うとどの程度の効果がでるか」についての情報が集められており、大きな効果が生じないであろうことが示されている。

    次の資料6は、便益の試算を行っているものである。海外では、ある程度自由化進んでいて、更に自由化範囲を家庭部門に拡大する際の効率化効果を分析したスタディーはなかった。他方、海外において全面自由化されたケースで、かつ、かなり事業者の数が多く、競争性が高いケースを想定して効率化効果を分析したスタディーはいくつもあり、それらのスタディーでは効率化効果が5%から20%とかなり幅があった。こうした効率化効果を踏まえて、全面自由化をし、かなり大胆な競争促進策を実施したDケースの効率化効果を1割と設定した。この1割の効率化効果の中には、競争促進策など様々な要素が組み合わさっており、全面自由化だけの効率化効果は、更に様々な想定をおいて数字が作られている。

    基本的に大きな制度変更をした場合、競争促進により事業者がどのような効率化効果があるかを正確に試算するのは難しい。様々な情報を集めて概算したものとご理解いただきたい。不適当なものではなく、可能な限り材料を集めたものであるが、この試算だけを持って短絡的に結論を判断するのではなく、他の要素も含めて総合的に判断することが必要。

  • 試算が難しいことは理解。実務的費用が多くかかることになるということはわかる。
  • イギリスの有名な経済学者で全面自由化に反対した人が莫大なシステム構築費がかかることを計算したものがあった。

    戒能研究員のレポートには入っていないので、別途追加で推計した。

  • 便益サイドとコストサイドで試算の容易さに非対称性があり、どちらが何故難しかったかは重要。こうしたことについて、追加的な情報はないのか。
  • まず、便益サイドは自由化拡大で競争効率化効果がどれだけあるかを推計するものなので難しい。トータルで1割という推計をしているが、0ではないだろう、2割は難しいだろうという数字である。

    実務的費用については、検針・メーター等の費用についても、公表資料に基づいて推計したものであり、電力会社に見積もりを出してもらったものではない。

    広告宣伝費用は、他の産業のデータを下に推計したものである。つまり、幅がある数字と思っていただいていいと思う。

  • 事業者を選ぶことができるようになると、消費者が事業者を選ぶための情報収集コストもあると思うがこの推計には入っていないということか。
  • 検針メーター費用、紛争費用は海外でいくらかかったかを基に試算している。確かにメーターの技術開発や大量生産でコストが下がるかもしれないため、幅を見込んである。

    営業費用は諸外国の例を見ても具体的には判断できないので、推定を置いて計算した。

    したがって、これらの費用については幅を持って見る必要があるが、効率化効果は更に確実性が落ちる。情報収集コスト、需要家教育費用などは今回計算していない。追加的に発生する可能性がある。

  • メーターについての費用推定で、高費用と低費用があった。高費用は全数設置を前提としているのか。

    メーターはコストが高いことは分かっている。今後の家庭需要家の分散型電源の設置など、将来の家庭の電気の使い方・作り方も考えながら、分散電源の制御、配電線の技術問題と共にメーターを多目的に使用することを考えないとなかなかペイしないはず。イタリアのスマートメーターも単なる自由化のためのデータ収集だけでない。需要家の引っ越し時にメーターを切る等のコントロールをして、始めて効果が見合ってくる。全部の需要家に入れることはコスト的に見合わないが、分散型電源の普及などを考えて、その効果を考えていくことが必要だと思う。

    ユニバーサルサービスの費用は、託送料金に含まれることになると思う。その辺の定量的な情報を一般の需要家に示して議論をすることが良いと思う。

  • 一点目のメーター費用については、離脱需要家に対して設置するという考え方に基づいていて高いものと低いものを想定している。
  • 今後のスマートメーターの設置についての御指摘だが、当省で海外の事例を調査したことがある。ヨーロッパやアメリカ・カナダでは、スマートメーターを全数設置する動きがある。ヨーロッパとアメリカでは導入した理由が違うようだ。ヨーロッパでは元々検針頻度が低く、年に1回といった頻度である。日本のように毎月というのは稀な例かもしれないが、検針頻度が低い地域では検針の間に電力会社を切り替えると様々なトラブルが起きる。検針の頻度が低いと盗電などを制御するのに、スマートメーターを利用し、費用を回収できるようになる。こうした比較考量が考えられるのがヨーロッパだと思う。アメリカでは、デマンドサイドマネジメントを追求する動きがあると考えている。いずれにせよ、日本のように人手をかけて検針をする仕組みができあがっているところで、新しいシステムを導入した場合にどういうメリット・コストが発生するかに依存すると思う。

    ユニバーサルサービスの件については、今の日本の電気料金は、ユニバーサルサービスの費用が含まれた形で負担していただいている。元々検討のフレームワークにあったように、ユニバーサルサービスや最終保障は全面自由化を実施することを前提にした場合、どう制度設計するかの話である。今は、まずは全面自由化を実施するかどうかを議論していただければと考えており、今ただちにユニバーサルサービスを見込んだ影響について試算している訳ではないことはお断りをさせていただければと思う。

  • この試算は、現時点で自由化したらどうなるかである。5年後、10年後では変わる可能性がある。
  • この資料6の1ページの算定式を見ると、効率化率の「α」が非常に重要。「α」は外生的に与えるしかないため、戒能推計を容認するか否かで結論が変わってくる。平均費用が変わるのは構造変化が起きているということである。こうしたことを厳密に考えることは、おそらく不可能で、定量分析の限界がある。しかし、今のところ、外生値はこれ以外にないし、代替案もないから受け入れるしかない。ただ、こういう分析の結果は将来の事情で変わってくる。構造変化への企業の対応力、トレンドを延長する分析からはわからないものである。

    効率化効果の「0.49」は将来変わりうることを容認した上で、試算結果のインプリケーションを読み取ることが重要である。損益計算をしてみると、競争促進ケースが最も余剰が大きい。

  • 経済産業研究所の戒能研究員のモデルは、制度改革評価小委員会で制度改革が電気料金に与えた影響の定量的分析を行ったもの。影響のうち、明確な説明変数で説明出来ない残差を制度改革によるものとした。あのときは、4割程度が制度改革要因となっているとした。
  • 今回のモデル分析においては、ベースケースの設定に戒能研究員のモデルを用いた。ベースラインのケースからどれだけ振れるかについては、仮定を置いて決めた。あるべきストーリーを作ることを念頭にデータ・エビデンスを集めたものではなく、結果としてこのような結果がでたと御理解頂きたい。
  • この試算結果を見ていて、競争環境を整備しないで全面自由化をすると相当悲惨なことになる可能性があると読み取った。4つの選択肢の中で競争促進策のみが良いと示しているものではないと理解している。

    広告費の置き方は理解した。ただ、明らかに過大ではないかと思う。電力を全面自由化した後の市場は、通信のメタル市場にかなり似ていると思う。実際、家庭まで自由化されており、成熟産業であり、ドミナントなエッセンシャルファシリティーを持っている企業があり、それを使って参入しようとする企業がある。こうした分野の広告費に近いと考えることが、自然なストーリーではないかと考えている。光ファイバーはさかんに宣伝しているが、これはメタルからのマイグレーションをもたらすためにやっているものであり、電気であれば既存のガス事業からエコキュートなどで市場を奪ってくるものなどが該当し、これは自由化しようがしまいがやっているものである。敢えてメタルといったのはそれが理由である。

    海外の事例も手がかりになるのではないか。この試算は一つ例になると思うが、広告費は一番の大きな割合なので、他のストーリーも計算してもらえると幸いである。

  • 広告宣伝費については、海外事例も調べたが、そこまで費用の内訳が分からなかったので他の国内産業を参考にした。参考にした全産業平均と通信の平均にしているが、変えることは簡単にできる。
  • 資料6について、便益については一つの仮定である。戒能レポートの効率化効果は残差で4割になっていて、それを伸ばしていったものである。移行コストは、幅はあるとは思うが、メーターなどを含めコストがかかりそうということ示したことは一つ評価できる。

    資料5のところで、海外の様々な事例が述べられている。ここをどう評価するかも一つ大事である。やはり家庭用は母数が大きい。そのために諸外国の新規参入も低い。諸外国はそのために強制的・人為的に供給先を変更させる形をとっている。この規制圧力をどう考えるか。

    最終保障について。フランスの基金方式のようにみんなで出し合うやり方をどう評価するかについて議論があってもいいのではと思った。

  • 非常にうまい整理をしてもらったと思う。

    移行コストがかなりかかるのは確かである。それを上回る便益が単に自由化範囲を拡大しただけでは生じず、もっと効率化効果がでるような合わせ技を出した方がいいというように読める。

    最終的にどういう形で分科会に出していくかはまた御議論させて頂きたい。

  • 自由化すれば、多様な事業者によってお客さんの奪い合いが起きる、需要家にとっては価格競争の中で事業者を選択出来るということが当たり前のことになる。選択肢が担保できれば、自由化できると考える。

    資料6の試算結果を見ると、移行の費用を含め様々な費用が生じる。こうした費用の発生は、一般の人は考えていない。費用がこんなにかかるならば、一般の人に見えるようにして頂かないと困る。結局誰が費用を負担するのかを考えると、客である一般家庭にかかってくると思うが、もう少し基盤を作ってから自由化しないと、需要家が路頭に迷うのではと思う。

    一般消費者のアンケートの結果にもあるが、「自由化すると料金下がる」くらいしか、消費者団体の人でも考えていないと思う。事業者と一般人の情報の格差をよく考えないといけない。

    電力会社に電気料金が「安い」と説明されて、後に価格が上がるようならば、消費者契約法の不実告知になりうると思う。したがって、電気も自由化されたら消費者契約法の対象となると思う。

    消費者は自由化されたら安くなるとしか思っていないし、ユニバーサルに供給されることはあたり前という感覚になっている。郵政の例などをよく見て検討すべき。

  • 非常に良い論点である。アンケートの解釈は難しい。聞かれたことに答えてもらっているのだが、どこまで考えて答えているかについて考慮して、アンケート結果を活かしていくということが重要だと思う。
  • アンケートは私も見たが、読み方が様々ある。地元の電力会社以外にメリットを感じないという結果についても、見方がいくつかある。

    我々は手を抜いていたり、サービスもおろそかにしていたら、自由化によって新たな参入者に顧客を取られてしまうという潜在的な競争圧力を感じ、営業活動も頑張って効率化・サービスの向上に働いている。弊社も営業を増やして頑張っている。アンケートでは、いい意味での潜在的な競争圧力を感じてやっていることが、結果としてここに出てきているように思う。

  • アンケートについて、家庭は自由化に対して意外と関心をもっているという印象をもった。また、自由化した方がよいという意見も多い。期待感はそんなに低くないというのが印象。

    私はやはり企業を選びたい。企業が環境問題へどう対応しているか、効率化に対してどう対応しているかなどを見て選びたい。ただ、前提として、企業と客の情報の格差を生める努力をしなければならない。

    自由化すると、送配電部門以外は自由な料金となる。それによって企業の対応は変わるはずであり、期待感はある。制度がすっきりするという利点もある。

    海外との比較が重要な意味を持ってくると思う。料金の推移、家庭への対応状況、ペンシルバニアの新規参入者のシェアなどを見ると、全面自由化をサポートする材料は少ない。海外と比較する場合、大雑把な比較をしがちであるが、アメリカは日本の23倍国土がある。日本は、カリフォルニアより小さい。日本は、面積が小さい中で可住地面積は国土の2割しかないため、非常に狭いところで、効率的に参入活動が行われている。産業の密度も産業の密度も高いので日本独特の生産の仕組みができてくると思う。海外と比較する場合、日本の特性をしっかり頭において、海外の情報を読み取るようにしなければ、結論は出てこない。ただ、海外を無視するわけにはいかず、参考にしなければならない。海外の全面自由化ケースを見るとあまりいい効果を生んでいないといえるのは事実である。

    今ある材料を基に判断せざるを得ないが、将来を考えると、日本社会の中で自由化した場合、ユニバーサルサービスを含めてどのような費用が発生するかを検証していく必要性がまだ残っていると思う。

  • 日本でどうなるかはなかなか予測が難しいところがある。

    広告宣伝費の話があったが、営業が各家庭を回るビジネスモデルはペイしないのであろう。海外のようにネットで家庭が選択するような形でないと全面自由化が社会的にペイするような形にはならないのであろう。全面自由化をすることにとなると、こうしたことを含めて様々な検討が必要だと思う。

  • 実際に、私はいつか全面自由化に向かうのは避けられないと思っている。しかし、今は選択肢がない。電力会社が競争してくれたらといったが、選択肢がない中で自由化され、費用負担をかけられ、思ったより電気料金が下がらないことになると、自由化が失敗と思われかねない。

    今は選択肢をもっと作ることと、企業との情報格差を埋めることが必要である。情報の交流ができる場を表に出してもらうことが必要である。できれば、「energywatch」まではいかないものの、第三者が情報をチェックして流してもらう方がいい。こうしたことまで考えないで自由化をすることは怖い。

  • 一般消費者まで自由化範囲を拡大するためには、様々なことを詰めなければならず、そのための制度コストもかかるはずだと思う。
  • コストベネフィット分析だが、ベネフィットは良くわからないので、コストをつめるしかない。

    メーター費用は自由化と無関係に改善の余地がある。現状で評価すると、どうも随分高そうだが、もう少し視野を広くして社会の情報化という視点で見ると、劇的に安くなる可能性がある。それが別の社会的便益を生む可能性もある。ここでの評価は仕方ないがそういう要素を少し考えておいた方が良い。

  • 確かに、現在と5年後・10年後は異なると思う。メータリングコストに加えて重要なのはシステムのコストであり、メータリングをして情報をとることを、新規参入者が個別にやるのは非常に社会的なコストが高い。誰かが集めた情報を他の人が公平に使えるシステムを作らなければならない。そうなると、電力会社が持っているシステムを組み替える必要が出てきて、組み替えに係る費用が膨大な額だという話もある。こうした費用も将来ソフトウェアが安くできれば変わる。

    今回検討しているのは、今の時点で改革をするかどうかということである。今の時点で改革をするとなると、来年・再来年から実施できるよう準備をすることになる。当面コストが高いのでやらないということになると、先送りすることになり、何年先送りするかというのはこれから検討といったことになろうかと思う。

  • 先送りすることを考える前提として、もし、全面自由化するとしたら、ガスと電気は同時に全面自由化することが必要である。

    来年になると、大規模なガス会社の発電プラントが立ち上がる。今の時点で電気を自由化した場合、ガス会社はガスと電気は併売できるが、電力会社はガスが自由化されていないので売れないことになる。これは、競争のイコールフッティングの観点から問題。

    ガスは保安の問題もあるが、これから制度改革の議論をすると思うので、電気の方からもメッセージを送ってほしい。

    今の時点で利用できる資料、推計に限界があることを認めつつ、どう考えるかがWGに課せられた課題と考えている。

    私は、これからの電力産業を考えると制度改革をしっかりやることがミッションだと思う。諸外国の事例からは自由化を支持できない。費用分析についても、様々な見方があるが、制度改革をしない場合は悲劇的な結果になる。部分自由化の中で徹底的に制度改革を行うことが重要になると思う。

    需要化選択肢の確保状況について、資料5、11ページの要約を見ると、「将来的に選択肢が拡大する可能性は潜在的には存在している」とある。この文章の行間から、制度改革をきっちりやっていくことが今はベストの選択であると読み取った。

    資料7を見ると、1ページの冒頭に「相当大きな影響がある」と書いてある。これも小売全面自由化が無理だという認識が背景にあると思う。自由化の旗印をおろす必要はないが、競争環境をきっちり作って頂きたいと思う。

  • 資料5と7は事務局が作ったものなので、全て鵜呑みにする必要はないが、これが妥当かどうか御議論頂ければと思う。
  • 事業者と消費者の情報のギャップについて、自由化されたとしたら重要な問題ということには賛成である。ただ、規制下でも重要かもしれない。

    選択の自由がある競争的な市場であれば、消費者の信頼を失うようなことをすれば、消費者は買わないという選択ができる。その選択を行いにくいならば、情報の問題は重要となる。

    メーターの話がさきほどから出てきているが、今の家庭では従来型のメーターが入っている。今の従来型のメータリングシステムにいくらかかっていて、電気料金でどれだけ負担しているか、消費者はほとんど分かっていない。情報がなければ関心も働かない。情報の問題は自由化されてもされなくても重要。

  • 事務局が作成した資料5では、「選択肢が潜在的に存在している」とあるが、何故顕在化しないかが問題。

    まだデータがそこまで蓄積されていないかもしれないが、これまでの政策の事後評価があってもいい。これまでの自由化の議論に携わっていた者としては、PPSの数とシェアは予想外に低い。PPSの数とシェアを上げること自体が目標ではなく、結果として効率化され料金が下がればいいのだが、悪い意味で想定外である。

    選択肢を確保するには、例えば、企業分割することなども議論的に考えられるが、それをしないならば参入を増やすしかなく、市場機能が重要となってくる。託送・市場機能などの現状評価がないと、自由化範囲の量的拡大でよいのか、競争政策の質的転換を迫った方が良いのか、評価がしにくい。資料があれば助かる。

  • 一応、制度改革評価小委員会で制度改革の評価をしたということになっている。それが十分かは皆さんのご判断だが、これからどう検討するかの筋道については、まず、家庭の自由化に決着を付けないと、PPSシェアの伸び悩み等、様々な問題に対する対策が本当にあり得るのか、何が問題なのかといった議論を本格的にスタートするのが難しい。そうした判断で全面自由化の是非を先に議論している。

    これまでの制度改革の評価が4月の電気事業分科会の資料がでているので、皆様方にはそれをご参考にしていただき、今後制度改革をする際は、それを踏まえてご検討いただくことになる。

  • 前回の電気事業分科会で、電力会社の請求書を分かりやすくして欲しいといった。第一段階料金、第二段階料金、第三段階料金と書いてあるが、その定義がない。それを見ても情報公開に対する電力会社の認識が甘すぎると思う。規制部門でも情報を出すべきとの御意見はそのとおり。企業と家庭の情報格差を考えると、家計の人が分かるようなものにしなければならない。電力会社はもう少しきっちりお客様に情報を提供することを考えてほしい。
  • 我々は、将来市場が全面自由化されることを想定して、新規参入した経緯がある。当時想定しなかった燃料費の高騰やCO問題などの課題があるが、自由化できるものは着実にしていくべきとのスタンスである。現状の部分自由化が最終ゴールというのは望ましいと言えない。新聞会社の調査の結果で家庭部門のお客様は自由化を望んでいるとの結果が出ていたが、今回のアンケートでも同じ結果がでている。内容がはっきりしない中でのアンケートという話もあったが、やはりお客様は、より安い料金やサービスが良いことを望んでいることは事実だと思うし、事業者としては少しでも応えていくことが大切だと思う。こうしたことを競争の中で少しでも達成して行ければと思う。

    費用便益では、今後の動向を予測に反映することは難しいとのことは確かだが、費用対効果で効果を大きくしていくように、政策を預かっているエネ庁やその中で事業をやっている私共が対応していくことが重要。是非将来にむけて効果を大きくすることが達成できるように議論を続けていくべきだと思う。

    特にお客様はコストだけでなく、サービス面での期待が大きいことを感じている。さきほどのメーターの話もコストで評価していたが、サービスの便益で幅広く見ていかなければならないと感じた。

    資料の5で海外の事例で、競争促進策を進めることによって、選択肢の確保や新規参入者のシェアを拡大することなども示されているので、現行制度の問題点を明確化し、自由化を着実に推進して、その最終ゴールとしての全面自由化が実現していくことを期待していきたい。

  • 次回で全面自由化の問題に関する検討結果をまとめて、分科会に報告することにしたいと思う。したがって、次回は報告の原案を用意するになると思う。

    議論を全て整理することは難しいが、全体の議論としては、今の時点で全面自由化することは移行コストがかなりかかり、それを上回る国民にとっての便益を達成するためには、需要家にとっての選択肢確保が必要。従って、現状で全面自由化をするのは問題があるということが、皆様の意見の最大公約数であると思う。そういった方向で今回のとりまとめについて事務局で原案を作成してもらおうと思うがよろしいか。

(5)閉会

  • 片山電力市場整備課長より、今後の進め方について説明。次回は、7月11日(水)10時~12時半。場所は、経済産業省別館1028会議室。

以上
文責:事務局

 
 
最終更新日:2007年7月3日
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