経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会制度改革ワーキンググループ(第2回) 議事要旨

日時:平成19年7月11日(水)10:00~12:00

場所:経済産業省別館10階各省庁共用1028号会議室

出席者

委員

金本座長、大日方委員、鶴田委員、松村委員、 山内委員、山地委員、横山委員

オブザーバー

西沢東京電力株式会社執行役員企画部長、 川崎関西電力株式会社お客様本部料金企画グループ部長、 白羽株式会社エネット取締役営業本部長、 松本東京ガス株式会社エネルギーソリューション本部副本部長、 三村社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会監事

事務局

後藤電力・ガス事業部政策課長、伊藤同課長補佐、 片山電力市場整備課長、山口同課長補佐、田中同課長補佐、 吉野電力基盤整備課長、生越電力需給政策企画室長

議事概要

(1)開会

  • 片山電力市場整備課長より、資料確認。

(2)家庭部門も含めた小売自由化範囲の拡大にかかる検討結果

  • 片山電力市場整備課長より、資料3について説明。
  • 委員より以下の発言があった。
  • まとめについて。小売自由化範囲を拡大するにあたっての前提条件が整っていない、したがって小売自由化範囲の拡大を行うことは適切ではないとのことだが、今後、自由化範囲拡大の是非について再検討するにあたっては、電気事業者の企業行動に与える影響に対して適切な措置が事前になされることが必要とある。その内容について同意。

    再検討の際には、ユニバーサルサービスのコストや供給責任の話を含めて議論してほしい。

  • まとめについては、全面的に賛成である。

    今回で自由化の旗を降ろすのではなく、様々な制度改革を行った後、需要家選択肢の確保状況について検証を行った上で、全面自由化について議論を行うべき。

    需要家選択肢や競争環境をめぐる論点については、参考資料の論点整理(案)の前半部分に書かれている。

    全面自由化をすすめるにあたっての前提条件について、幅広く奥行きのある論点提示がなされている。競争的環境の維持が電力市場の健全な発展にとって好ましいという考えの下、結果としての平等、機会としての平等いずれをとるのか、公正な競争環境を整備していく上でどちらが必要かについて、WGで議論すべき。

    また、論点整理(案)の5ページから7ページに「電力市場における競争環境・需要家選択肢をめぐる論点」として(1)~(3)が挙げられているが、これらについて議論することが重要ではないか。

    (1)では、自由化の「広さ」「深さ」というのはうまい表現。前提条件はこの「深さ」を計るものと理解。(2)の「送配電部門の透明性・公平性について広く市場参加者の信頼が確保されることは重要」とあるが、同感。極めて重要な課題であると認識。また託送料金規制についての指摘については、改めて前回制度改革でとりあげたものが達成されているかについてこのWGで検証をすべき。インバランス・同時同量については、一般電気事業者とPPSのイコールフッティングが達成されているか非常に重要な問題。(3)の取引所活性化も重要課題である。

    これらの重要な論点を積み残したまま全面自由化に進むのではなく、問題についてしっかり議論し、日本の電力市場の制度の整備をすることが当面の課題。

  • 需要家選択肢の確保状況について。これまで電気事業者としては、事業効率化に努めてきた。このことは、需要家アンケートにおいてほぼ半数のお客様が現在の契約に満足しているという結果として表れたと理解。

    制度改革の目的はいうまでもなくお客様利益の拡大にある。競争を通して効率化を進めることが、お客様に選択頂くことにつながることが重要。

    制度改革評価小委員会で評価されたように、自由化部門については自由化開始以来電気料金が2割低下し、効率化効果が家庭部門へも均てん化しているということはご承知いただいているものと認識。

    現在の家庭部門は、効率化効果の均てん化以外にも、ガス・他エネルギーとの競争があり、また地球環境問題対策のPR、選択約款の充実などサービスの拡充に努めてきた。このようにお客様ニーズ・利便性向上については少なからず貢献しているものと自負。全面自由化によって今まで以上にお客様の利益拡大ができるかということを念頭に、本WGでご議論頂いているものと認識。

  • まとめに賛成。これからは自由化の「深さ」について検討を行っていくという理解である。

    費用便益分析結果の表現の仕方だが、相当程度の幅が生じるのは効率化効果と営業活動費用であることを明示すべきではないか。また、メータリング・システム費用についてだが、需要家との接点について現在の人力に頼っているシステムを、情報化が進む中でいかに効率的に、フレキシブルに対応出来るようにするかというのが今後自由化範囲を拡大するにあたっての課題ではないか。この点について資料中に表現されていればより適切ではないか。

  • 今のご発言についてだが、ご異論がないようであればそのように資料に反映させていただきたい。
  • 自由化の深さに加えて、メータリング等の技術的な進歩について記載することについても同感である。少し検討させていただきたい。
  • 先ほど、一般電気事業者としては顧客満足度の向上に努めてきておりその結果がアンケートにも表れているというご発言があった。現時点でのファクトを否定するものではないが、今回の議論は、法律による参入規制の解除による競争の結果、現行の料金規制のあり方をかえることができる環境にあるか否か、今の状態で需要家選択肢が確保されているといえるかどうかという観点からのものであり、資料もその観点からまとめたものになっている。着眼点が異なっているということ。
  • テーマが自由化範囲の拡大ということに絞ったものであるので、あまり余分なことは記載していないと言うこと。おっしゃったことについて前提としては理解されているものと認識。
  • 資料3のまとめについて2点述べたい。

    「社会全体の厚生が損なわれる」という表現が一人歩きして、全面自由化に悪いイメージが付くことを危惧。

    小売自由化範囲を拡大することは適当ではないという判断は残念な結果だが、WGでの議論を重く受け止めている。また、需要家の意識を尊重した文章が含まれていることは評価。「一定期間」については、具体的な期間が示されていないが、現在の部分自由化が最終のゴールであってはならないし、需要家の期待に応えるためにも関係者間で認識の統一を図るべき。まずは競争環境整備に資する制度改革の検討をしていただき、追加的な競争環境整備の検証がなされ次第、全面自由化は時機を逸することなく実施をしていただきたい。2~3年後になるか。

  • 「厚生が損なわれる」という表現については、十分な説明をすることで対応したい。

    「一定期間」については、分科会で議論する事項であると認識。

  • 一般電気事業者は安定供給を維持しながら効率化の努力をしていると認識。事業者の方には胸を張っていただきたい。

    しかし事業者とは視点が違う。広く市場参加者から信頼を得られるような送電系統運用ができているか、系統運用に対して公平な負担の仕組みになっているのか、既存事業者と新規参入者のイコールフッティングが確保されているか、取引所の活性化など国民経済の観点から考えたほうがいいのでは。こういった論点を全面自由化の前提条件として検討することが大事。特に論点整理(案)10ページにあげられている取引所に関する4つの論点については、一般電気事業者と私の共通認識であると理解。議論を深めるため、電気事業者の立場から堂々と論陣を張っていただきたい。

  • まとめについては評価したい。しかし、何も知らない人に自由化が頓挫したと思われるのは困る。しっかり議論の内容を公表していただきたい。

    全面自由化の先送りをするのであれば、定期的な評価を行って自由化範囲拡大後の参考となるような検討を重ねて欲しい。今回、全面自由化の議論のフタを開けてみたら、選択肢確保がなされていなかったということを教訓として、どうしたら選択肢の量を増やせるかということを含めて見直しを行っていただきたい。

    取引所の活性化については、以前に不可能と言われたものの、全ての電気のやりとりを取引所を経由して行うこととしてはどうか。取引所の活性化により、PPSが電源調達先として利用しやすくなれば結果として消費者の選択肢が増える。

    企業の社会的責任として、ステークホルダーに情報を正しく流していくべき。電気事業者は消費者に一番近いところにおり、情報提供はやりやすいはず。

    需要家の選択肢については、将来的には通信でみられるように、消費者が自分で考えて事業者を変更したり、手続きを行う仲介事業者が出現するなどといった状況が電気においても表れるのではないか。需要家はいつまでも事業者の手の上にいるわけではない、自ら考えるようにもなるということも抑えた上で全面自由化をどのように進めていくかということを検討するべき。

  • 公開の審議会であるので、議事については全て公開される。自由化をやめるわけではないというのはそのとおり。これから更にご議論をいただくということ。
  • 全取引を取引所を介して行うことは全面プール制にあたる。海外では全面プールを採用している事例もあるが、価格の高止まりにつながるケースもあり、イギリスでは全面プールから相対取引を中心とした制度に移行している。

    PPSの電源が確保されないと需要家の選択肢も増えないというのはおっしゃるとおり。取引所の活性化については、分科会からWGへ付託されるであろう重要な課題であると認識。

    議論のプロセスについては分かりやすく公表することに努めたい。

  • 全面プールはオーストラリアで現在も行っており、実施している地域の数は減っているが全否定されたわけではない。他方で難しい仕組みであることは事実。
  • まとめについては、賛成。

    ただ、PPSシェアが議論のブレーキに使われたり逆にアクセルに使われることを懸念。

    また参考資料の論点整理とのギャップを感じている。現状ですぐにも対処できることが残されているのではないか。次のステップに進む前に対応すべき事項の重要性が高いと考えている。シミュレーション結果のみに依存することなく、喫緊に解決すべき問題があるということについても、まとめで触れられているものとして受け取りたい。

  • データの取扱いについては、断定的にならないよう十分な注意が払われているものと認識しているが、更にそのことを明確化するべきかもしれない。

    今回の制度改革の議論において、まず与えられているミッションは全面自由化の是非。したがってそういう観点からのまとめとなる。

  • 全面自由化するかしないかで制度設計が大きく変わることから、優先的に全面自由化の是非について決定することとなったもの。現行制度に問題が無いという認識ではない。

    海外でみられるような競争促進のための非対称的な措置を積極的に導入して全面自由化を行うということをサポートするようなご意見は無かったものと認識している。まずは競争環境の整備からというのが、本WGの共通認識であると思っている。

  • まとめについては、全面的に賛同。特に卸市場の活性化については、最終的にお客様価値の向上につながるものであるから是非とも宜しくお願いしたい。
  • まとめは提示されたもので良いと思う。表現上の確認だが、まとめにある「社会全体の厚生」と費用便益分析の「総余剰」は同一のものを指していると理解。

    先ほどご発言のあった「全面プールは不可能」というのは誤解であると思う。制度設計の段階で、全面プールを含めたいくつかのオプションのメリット・デメリットを比較検討した結果、採用されなかったということ。技術的に不可能なわけではないと理解している。

  • また、エネルギー間競争について言及があったが、部分自由化を継続するとなると、その状況下でどういった料金体系等が望ましいのかきちんと議論していくべき。全面自由化をしないのであれば、競争はエネルギー間競争に偏ることになる。スイッチングコストを高めて囲い込むといった偏った形がでてくる可能性がある。部分自由化を継続するということは、例えばオール電化の宣伝に力を入れたためにコストが上昇し、結果として家庭用料金引き下げができなくても、他の事業者に変更をすることができない体制を選択してしまったということ。広告活動等を完全に自由にしてもいいのかについてもきちんと検討する必要がある。選択約款についても同様。スイッチングコストを高めるオール電化割引がある一方、環境対策に資するとうたわれているエコキュートについて割引は存在しない。選択約款を自由に選べるような状況のままでよいのか。これらの問題については自由化を進めないという状況下では更に重要性を増す。次の課題として認識していただきたい。
  • 現時点で需要家の利益は確保されているという前提であれば、このとりまとめに異論はない。

    次の全面自由化の議論では、需要家選択肢の拡大が柱であると理解しているが、その他に安定供給、環境適合をどう考えるか。家庭用電気料金のナショナルミニマムを無くした場合、セーフティネットは誰が負担をするのかという課題も考えられる。

    海外でみられるような強制的規制は望ましくないという評価をした上で、日本としてはこういった手法は取らないということを示すべき。全面自由化したときの規制のあり方がみえないことはビジネス上のリスクとなる。

    次回の全面自由化に関する議論の際は、その点の長短得失についてもっと突っ込んだ議論をお願いする。

  • 全面自由化を実施する場合にはしっかりと制度の議論をするというのはその通り。
  • 規制のあり方についてどう考えるのかが重要という意見に同意。

    また、論点整理では環境についてマーケットメカニズムの活用等の記述がある。しかし、とりまとめ案では全面自由化・部分自由化との関係で環境の問題をどう位置付けていくかについて触れられていないがそれでよいのか確認したい。

  • 環境適合については、一番影響があるのは電源構成のところ。したがって、電気事業者の企業行動への影響について電源構成への影響は否定できないとまとめている。原子力についてどう扱っていくのかについて整理をしていくことで、ある程度環境適合について応えることになると考えている。
  • 今回の議論は全面自由化の是非について焦点を当てたもの。したがって、真正面から環境適合について扱うことはしていない。しかし非常に重要な問題であるので、今後議論されるものと認識。
  • まとめに、定期的に改革の効果を検証とあるが、具体的にどのようなイメージか。
  • 具体的なイメージを固めているわけではないがいくつか手法はあると思っており、現行の仕組みを活用する場合には、年一回開催している市場監視小委員会で取り上げることも考えられる。手法の面では、制度改革評価小委員会で様々な評価手法を試している。
  • 全面自由化とは関係ないが、事業者別のCO排出係数の件は納得がいかない。排出係数が低いところから供給を受けるだけで、需要家のCO排出量が減少するのはやはりおかしい。また、深夜に電力を使うことは負荷平準化に資することから意味があると思うが、省エネになっているのか。

    負荷平準化が進むと電力需要は頭打ちになるのではないか。また自由化して価格が上がれば需要家は電気の使用を控えるのでは。また地球環境問題との関係で徐々に省エネが進展してきている状況にあり、全面自由化の議論にあたっては、このような消費者の行動をしっかりと考慮にいれていただきたい。

  • 環境の話は、難しい問題であるが、今回の自由化範囲を拡大すべきかどうかという議論との関係ではクリティカルではなく、今後のWGの議題でとりあげられるものという認識。
  • 費用便益分析では、全面自由化によるメリットを帰属を考えない総余剰でとらえている。家庭用の料金が下がらなくても自由化部門の料金が低下すれば余剰が増える、まためぐりめぐって消費財の価格が上昇しないと言う形で恩恵を得るというのは経済学的発想としては自然。しかし、資料からはところどころ規制部門の料金値下げが個人消費者の便益・厚生と読み取れるところもある。このあたりの整理をうまく表現していただきたい。
  • 費用便益分析については非常にせまい定量化できる部分に限って行っている。また、便益の帰着点を示すことは難しいことから行っていない。これらについては説明の際にわかりやすく工夫することで対応したい。
  • 企業の社会的責任に関して言っておきたいことがある。電気料金の領収書については、何か決まりがあるのかもしれないが、わかりにくく一般の人は読み方を知らない。読み方についての説明やわかりやすいような見直しをしていただきたい。
  • 領収書についてはフォーマットを行政として規定しているものではない。
  • 本日、様々ご意見を賜ったがこれを基に分科会に報告させていただく。修正については座長一任とさせて頂いてよいか。(異議なし)
  • 今日の議論を踏まえ資料を修正し、金本座長にお諮りした後に7月30日の電気事業分科会でご報告させて頂く。

    本WGの今後の具体的な進め方については、分科会における審議を踏まえ座長と相談の上追ってご連絡申し上げる。

以上
文責:事務局

 
 
最終更新日:2007年7月19日
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