経済産業省
文字サイズ変更

総合資源エネルギー調査会電気事業分科会制度改革ワーキンググループ(第6回) 議事要旨

日時:平成19年11月1日(木)13:00~15:30

場所:経済産業省別館10階各省庁共用1028号会議室

出席者

委員

金本座長、大日方委員、鶴田委員、松村委員、山内委員、山地委員、横山委員

オブザーバー

川崎関西電力株式会社お客様本部料金企画グループ部長、菅野有限責任中間法人日本卸電力取引所理事長、白羽株式会社エネット取締役営業本部長、内藤有限責任中間法人電力系統利用協議会事務局長、西澤東京電力株式会社執行役員企画部長、松本東京ガス株式会社エネルギーソリューション本部副本部長、三村社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会監事

説明者

岩上アイ・ビー・エムビジネスコンサルティングサービス(株)公益事業部長

事務局

西山電力・ガス事業部長、後藤電力・ガス事業部政策課長、伊藤同課長補佐、片山電力市場整備課長、山口同課長補佐、吉野電力基盤整備課長、江澤同課長補佐、太田同課長補佐、生越電力需給政策企画室長

議事概要

(1)開会

  • 吉野電力基盤整備課長から、資料確認。

(2)電力の安定供給と環境適合について

  • 吉野電力基盤整備課長から、資料3に基づき説明。

(3)岩上アイ・ビー・エムビジネスコンサルティングサービス(株)公益事業部長からのプレゼンテーション

  • 岩上部長から、資料4に基づき説明。
  • 以下の発言があった。
  • 連系線の増強について、大量に確保しても100%停電をなくすことは不可能。確率は非常に少ないが、停電が起こり得ることを認識頂きたい。また、長期的に電力量が不足する場合、連系線を確保したとしても、最後は他社の応援可能な電力量(燃料制約等)で決まるということを認識頂きたい。ただし、ESCJで安定供給に関する調整プロセスを追加し、検討の場を用意するということには賛成。

    P10、11にある自社電源の新増設により対応する場合について、電源選択として石油火力が有力との件については、長期的に見ると、ガス火力や原子力等も選択肢として有り得て、必ずしも石油火力のみではないと思うので、今後の新規電源開発のプロセスを見ながら、全体的に判断して連系線問題を検討していく必要がある。

    P15にある「あらかじめ備えておく必要がないとの考え方もありうる。」との表現は、ネガティブな印象を与える。瞬時調整契約等の既存の制度を有効に機能させることによって、コストをかけずに、停電を回避できればいいと思うので、現在の制度を有効利用する手段もあることを認識頂きたい。

    P40にある全ての系統利用者に対する需給バランスの状況を供給区域ごとにモニタリングする論点の方向性については賛成。

  • 非常時も含めた安定供給確保策については、ESCJにおける広域流通を通じた安定供給に関する調整プロセスを追加するということを明記することには賛成。

    P15、16について、自由化との関係でどのようにとらえていいのか認識できていないが、停電に対する備えは、社会全体で考えると、供給側で確保するのか需要側で確保するのかとの論点は相当重要な問題。社会的に最適なのは、もしかしたら、需要家側である程度対応しておくことの方が、停電発生が現在よりも低くなったとしても許されるかもしれない。需要家側の対応ができる仕組を考える手はあるかもしれない。後半で需要家が需要を抑制するインセンティブを付与する枠組の項目があるが、需要家に対して一定程度の割引をしてもらえるのであれば、緊急時に供給電力の遮断を受け入れることとワンセットのメニューにすれば需要家側の対応が可能ではないか。

    平常時の安定供給確保については、自由化されても新規参入者の比率は低い、かつ、電力会社間の相互乗り入れも少ないので、供給力不足の問題は顕在化してないのではないか。真剣に考えるにはまだ値しない印象がある。しかし、自由化の本来の姿を考えて、先手を打つべきことであろうと考える。P40の論点の方向性については賛成。

  • 4点質問したい。

    P11の電源選択において、石油火力が有力とあるが、単純化できないと思う。各企業に選択を委ねる方が自然ではないか。企業は費用対効果を考えて、選択すると思うから、石油火力が有力というのはやや言いすぎではないか。

    P13の連系線稼働率について、「予備力利用の場合、平常時は必要な連系線容量を常に空けておく必要がある」と書いてある。非常に気になるのは、ESCJで連系線のマージンを巡る議論を行っている最中であり、既設の連系線もこれに該当するのかどうか。逆に、非常時用の連系線を作るとしたら、既設連系線の全容量を使ってもいいのかとも言える。そうだとしたら、既設連系線の使い勝手がよくなると思うが、もし、既設連系線のマージン議論にも波及するとなれば、ESCJで2年くらいかけて検討していることが全く無駄になる。

    P40にある安定供給を確保するためには、エリアごとの需給バランスの把握は重要なことだと思う。ただし、PPSの場合、供給区域を有していないことや需要家がどの電力を活用するかはその時の事情によって変化すると思うので、エリアごとのPPSの供給力を把握できるのかどうか疑問。仮に把握できたとしても、PPSの企業秘密に係ることだから、情報管理をしっかりしなくてはならないと思う。

    最後に、自家発の情報把握が書かれていないが、自家発は4,000万kW弱あり、5%電力側の需要増となるだけでも200万kWとなり、今のPPSと同程度になることから、全部無視していいのか疑問。

  • P11の石油火力が有力との件、スポット市場の状況、貯蔵能力の状況やピーク電力対応で現に利用されていることから、事務局としては石油火力が有力ではないかと示したところだが、今後の検討については、御指摘を踏まえて議論していきたい。

    P13について、今後、連系線整備を検討するに当たって、コスト評価やどのような留意点が必要かを書いている。今後、安定供給という観点からの整備となれば、これに資するように活用する前提で留意点を掲げているが、現実的にルールをどのように整備していくかは、詳細な制度設計の中で議論されるべきものと考える。

    PPSの供給力の確保状況については、御指摘のとおりと思うが、エリア需給についても相応に把握しなければならいと考えており、できる限り可能な情報については御提出頂きたい。また、情報管理については、十分留意していきたいと考えている。

    自家発の戻り需要については、電力側の需要として供給計画の中で示して頂くと考えているが、供給力そのものに関しては、各企業の製造現場の電源になることから、そこまでの把握は現行電気事業制度上難しい。

  • 発生確率が低いと言っても、ここでのことは100万年に一度という稀頻度ではなく、現実に起こっているもの。一定の確率で起こり得るものについては、考えることは当然必要なこと。連系線については、今回提案された重要な役割があるのは事実であり、これについて連系線の調整プロセスに追加してESCJに検討して頂くというのは大賛成。しかし、P6で指摘されているように、連系線には不慮の事故に役立つのは事実だが、原子力や新エネルギーの推進等多様な役割があることを認識すべき。また、コスト評価のみを追求して、小規模な火力発電所を各地域で確保した方が安いという結果が出てきたとしてもそれだけで連系線を作る必要がないことには当然にはならない。この場合、予備力を各地域で確保した方がコストが低いということは連系線増強が不用であるということの必要条件であるかもしれないが、十分条件ではないことを認識すべきだと思う。

    ESCJへの要望として、国民に対する説明責任ということがあるが、連系線は利用者の利益のみならず、国民の利益と関連していることから、一般電気事業者、PPS、卸電気事業者に対してだけでなく、国民に対する情報公表・説明責任を負っていることを認識頂きたい。連系線の増強に関して、事業者の経営情報等公表できないものもあるが、公表できるものに関しては、速やかに積極的に公表頂きたい。

  • P13にある連系線増強の現行調整プロセスにおいて、連系線増強の検討開始は、特定/不特定電源開発の2つがある。しかし、元々連系線増強の検討の中には、地域間で予備力を共有化する等の信頼度維持の観点があった。その他、特定電源として、電源が遠隔地にあり、電源線としてのニーズがあった。また、自由化になってから市場活性化として、不特定電源のニーズが出てきた。これらのニーズによりESCJルールが策定されたが、当該ルールを見てみると、元々あった信頼度という観点が明記されておらず、これをルール化することは了解。P13にも示されているとおり比較的費用がかかることから、コストとメリットを総合的に評価した上で、国民経済的なメリットの有無をESCJで検討している。このプロセス終了後、研究会、理事会の場でまとめ、広く結果を公表し、透明性をもって説明していきたい。

  • 3点申し上げたい。1点目は、連系線議論については、自家発火力の活用等想定ケースを広くして、政策の費用便益の選択肢を多くした方が良い。

    2点目は連系線について、情報の非対称性があること。様々な連系線効果やコストの問題がある。政策を実行する側、受ける側、ESCJの3者がおり、非常時リスクの問題をどうするのか。適切に判断する基本原則はマネージャビリティであり、リスクを安いコストで効率的に対処できる主体がある。費用対効果の考え方が必要であり、最も効率的に行うのがマージャビリティーであり、ESCJの詳細設計の話になる。

    3点目は安定供給の項目について、自由化に伴い様々な競争者が参加している中で非常時以外でも常に安定供給を確保しなければならない。基本的に事務局の提案は現実的なものだと思う。地域ごとに需給を把握していく中で、安定供給を見ていくことは、別の見方をするとリダンダンシーをどう作るかということ。リダンダンシーの必要性は社会的な供給の安定性であり、誰が責任を持ち、さらに誰が費用負担をするのかという問題がある。PPSについては、規模がまだ小さいため問題が明確になっていないが、将来的には明確になる可能性もある。

  • ESCJルールに安定供給の観点の調整プロセスを追加することについては、一般電気事業者にとしても異論はない。検討に当たっては、費用対効果等があるが、ESCJの専門家、関係者等が集まり、幅広い視点から公平に議論して欲しい。一般電気事業者は連系線を利用しており、建設に当たって費用対効果は非常に大きな柱となっているが、実際は用地交渉における地権者の理解を得ないといけない。費用対効果の検討も必要だが、実務としては用地交渉の影響が大きい。P14の設備投資へのインセンティブ付与の説明があったが、インセンティブが付与されることと、立地を進める話は別問題。インセンティブを作ることと、連系線を作らないといけないこととは切り離して議論して欲しい。

  • 前回のWGにおいて、託送料金規制の在り方を議論した際にも、今後の送配電投資を考慮した料金規制が必要なのではないかというのがコンセンサスだったと思う。今回の提案は、特に重要なFC/連系線について更に設備投資インセンティブを付与することであり、決して設備投資を強制するという趣旨ではない。

  • 1点目として、P40にある需給バランス状況の把握・公表について、一般電気事業者が電気事業法に基づき供給計画を届出しているが、PPSは対象外であり、PPSの供給力確保情報が公表されていないことから、供給区域全体の短期及び長期の需給バランスについて必要な情報が考慮されていないことの改善手段として、PPSの現状のシェアを考慮し、供給計画ではなく、まずは報告徴収とする観点について、一定の合理性があるものと認識している。今後需要規模を増やす中で、微力ながら安定供給に貢献する上で、PPSの需要と供給力に係る情報提供について前向きに協力していきたい。

    その際、考慮頂きたい点については、需要面について、PPSの需要は特定規模需要の自由化部門であり、需要量の報告値は販売電力量の目標値となる。したがって、目標値を策定基準としては、各PPSで異なった需要になり、そういった数字が国全体の需給状況を確認する数値として妥当かどうかについて、議論の余地がある。他方、供給面については、PPSの電源は自社管内のものよりも契約期間が短く、不確実性の高い他社からの余剰電源等の購入が圧倒的に多く、中長期的な供給力の確保見通しを立てるのは容易ではない。また、全国大で事業を行っていることから、供給エリア単位での需要と供給力を把握することは相当難しいため、十分配慮してもらう必要がある。また、P40に「PPSについても、短期及び長期の自社需要に対する供給力の確保状況にかかる情報が、一般電気事業者と同程度の精度及び確度をもって把握されるべき」とあるが、精度や確度を問われると困難であり、詳細な運用検討をする際には、PPSの特性を考慮して欲しい。また、PPSとしては、これらを明らかにすることは競争上難しい。この点については、資料に明記されているが、情報の取扱や公表に当たっては、十分な配慮を重ねてお願いする。

    2点目、P51の「全国ベースでのバランスのとれた電源構成の確保にかかる論点の方向性について」における石炭については、地道な効率の改善など、地球温暖化対策との整合をとる際に、京都メカニズムクレジット等で排出係数の問題が解決しないと導入が図れないという方向に安易に流れてしまうと、クレジットの価格が高騰し、調達が困難になった際に、石炭の導入ができなくなる。クレジットの獲得が既成事実化することにより、バランスのとれた電源構成の確保に支障が生じることがないように十分留意することが必要。石炭に限る話ではないが、新たな電源を作る際には、地球温暖化の観点からは、単に効率の悪い電源を置き換えるだけではなく、電気事業全体で考えた場合にCO量の増減を考えていくことが重要。

    3点目、連系線の件について、ESCJでの検討に賛成。PPSにおいても非常時を含めた安定供給にかかる検討を中立機関において行う必要性があると思う。広域的電力取引の確保が連系線需要の一つとして改めて共通認識された上で、従前の調整プロセスに加えて広域流通を通じた安定供給の観点からの検討プロセスを追加され、検討の場が用意されることは賛成。

  • 3点ほど最終的な報告に向けて検討頂きたい。分科会で提示された論点に対して、WGがどのように答えたらいいのか、論点を解決するための全貌の話と直近何をすべきかの話が適切に整理されていない。

    直近何をすべきかについて、ESCJへの投げかけがあるが、これだけが強調されるとESCJの役割に論点が偏りすぎることになりかねないので、国の役割とESCJの役割を整理して頂きたい。ESCJの役割と規制当局の役割の解説を付け加えないと一般人には分かりづらい。

    2点目は、安定供給(需給バランス)の現状と将来見通しの2つの点について問題があるという認識だと思う。現状はうまく把握できていない。将来見通しについては、集約システム等の制度があると思うがあまり、現状と将来の論点が整理されていないので整理して欲しい。

    3点目は、需給バランスの効率的達成手段として連系線増強/電源増設という問題があるが、これらはこれまでの各委員の意見のとおり同時決定になる。異なる区域に電源を作って託送で需要を賄うとすると容易には供給区域を切り離せない問題がある。また、連系線はともかく、電源の立地あるいは燃料セキュリティー、環境を含めた観点から電源構成をESCJにお願いできるのかというのは違う気がする。最初の問題点に立ち返って、直近すべきことについてまだ残っていることがある気がする。どこかで誰かが行わなければならない仕事が残っているような気がする。直近キックオフができるかわからないが、全体の作業マップのうち複数の関係と同時に今何をすべきかの見通しがあった方がいいと思う。

  • 長期的なタイムスパンにおいて、この後の具体的な取組をどのように行っていくのかは、安定供給の観点から言えば、例えば、アメリカの制度では、系統運用者が参入している事業者に予備力の義務付けを行っているが、日本の場合には、今後何が具体策になっていくのかこれから把握していく。前提となる情報の把握をどうするのかが今般のポイント。また、安定供給を考える上で、電源構成、燃料の問題、電源構成に係る立地の問題等の非常に多くの問題が出てくると思う。その点は今後の情報の把握をしつつ、出てきた問題に関して電気事業制度の中で行うのか立地問題に対する別途の施策で行っていくのかについては、個々のケースを切り出してみて対処していく。

  • ESCJが重要な義務を果たすことが改めて認識された。ESCJと国の役割分担、ESCJとPPSを含む電気事業者との関係を整理し、分かりやすく報告書にて示した方がいい。

    ESCJの経営資源の量や質に制約がない前提で話をすると、連系線について、安定供給を確保する上で広域ネットワークを整備することは非常に重要。その場合には事故が起こった際、他の供給区域に波及するといったリスクもあるので電気事業者の系統管理が一層重要になる。その場合でも連系線だけではなく、供給予備力との関係を絶えず考えていかなければならない。その際、具体的なコスト比較を行わなければ究極的には判断できない。このような観点から、ESCJに検討のプロセスを設けて発電所の建設、連系線の増強等の具体的な事案を含めていくつかのオプションについて定量的なデータに基づいて比較することが重要。また、資料には石油火力とあるが、発電所を建設する場合においては、燃料調達性や各社の特性を踏まえた取組が重要。

    需給バランスについて、自由化と安定供給を両立させる上で供給区域ごとに需要に見合った供給力の見通しを把握することは重要。供給区域全体の需要は、流通設備の形成・更新に大きく影響するので流通設備計画の担い手である一般電気事業者の供給計画を通じて把握することは適切である。その際、自家発の戻り需要も念頭に置いて欲しい。また、供給計画を今の段階でPPSに課さないことは理解することができる。一方、ESCJにおいては、エリア別の需給バランス評価について、送電線制約を加味した上で行うことが必要。また、自由化の時代であることを踏まえると、発電事業者等の売り先の決まらない供給力についても供給力見通しに反映させることが重要なので、経営資源の制約がないことが前提だが、供給信頼度評価の内容を一層充実させて欲しい。

  • P40にある供給区域ごとの需給バランスの状況を把握することは、安定供給確保の上で重要なので基本的に賛成。発電事業者としても協力していきたい。ただし、供給先が確定していない、又は長期的な契約をしていない場合があり、部分的な内容について精度が悪い部分があることを留意して欲しい。

  • どのような情報をどのような手段で取るか、また、確度の低い情報もあった方がいいが、情報の取り方を上手に行わないと返ってリスキーなことが起きてしまう。

  • 今回の議論は、需要家である一般家庭にとっても重要な議論。この議論に繋ぐためには、連系線をFCの部分で整備することが大事と前回申し上げた。その後いろんな勉強をした結果、そんな簡単な問題でないことが分かったが、50Hz/60Hzという周波数の違いを乗り越えることが重要な問題と認識。連系線/FCのことも考えて欲しい。先ほど発言があったコストの問題だけではなく住民の問題が絡むとしても、高速道路や成田空港用地買収の問題と根本は同じ。20年近くの間FCを作るために努力をしてきたという事を知ってしまうとモノが言いにくくなるが、自分が被害者になる立場の人と一般家庭の消費者との情報がどれだけギャップがあるかということを知った上で、みんなで考えることが重要。

    需要抑制について、一般家庭の観点から考えると、自分が今どれくらい電気を使用しているのか省エネナビがあれば、特に、子供のいる家庭だと丁寧に見るのではないか。省エネナビについて、今は高価で簡単には買えないが、安価になれば買えるのではないか。スマートメーターが家庭に導入されてきて、簡単に使用電力量が見えるようになるならばそれなりに歓迎できる。

    電気製品は昔に比べ省エネになったが、待機電力がかかる製品が多くあり、「待機電力を消すのが面倒だから、私一人くらい消さなくても大丈夫」という人がいることを見ると、自分の生活レベルを変えずに省エネを行えればいいと考えている。国の調査でも、60%が生活レベルを変えたくないと言っている。しかし、生活レベルを維持しつつ省エネを推進するということであれば、待機電力がかからない製品を購入する等を考えていかないと需要抑制はなかなか難しい。

    省エネ課の補助金で省エネを説く出前講座を始めた。今年度は500箇所実施するという。自分一人なら大丈夫と思っている人が多い。電気の使用はCOを排出しないと思っているようなレベルの低い国民の意識レベルの底上げをしていかないと需要抑制は難しい。また、需要抑制をする際には情報をどのように流すかを考えないと先進的な事を言ったとしても達成しない。後追いの情報提供を行っていくことも議論のまとめに入れて欲しい。

  • COフリー電気について、ものめずらしく興味があるが、RPS制度を導入した結果を見ると、RPS制度では理論的にはRPS相当量の取引を期待していたが、現実には電気相当量との抱き合わせのものが多い。電力分野における地球温暖化対策には、まずは、京都メカニズムの取引の活性化を図ることを工夫するのが重要ではないか。P64に「ただし、CO排出係数の優劣を経済価値として考慮する電気の取引においては、参加主体が限定されるものとなる可能性も否定できない。」という記載があるが、COフリー電気に係る取引の活性化を図るには工夫が必要。また、取引所における京都メカニズム取引の参加主体には、基本的には電気事業関係者であり、買い手は小売事業者が主体だと思うが、発電事業者がいても良いのではないかと思う。売り手は電気事業者だけに限定すると、現下の電気事業に係るCO排出原単位の現状があることから、CDMでギャップを補完しようとするとなると、取引所にCDMを出せる余裕があるのか。この対策として、例えば、売り手には商社等に参加枠を広げる等の知恵を出さないと、このアイディアがあまり活性化されないのではないかと心配。

    需要家のインセンティブとIBMのスマートメーターについて、需要家にインセンティブを与えて需要を抑制することやコントロールするという考え方は重要だと思う。これは需給調整契約とともに、安定供給にも資することであるから活かして欲しい。この意味では取引所のとの関係も将来的には考えられるのではないだろうか。自分の需要をネガティブに削減する、つまり、自家発を有している者が自家発余剰分を取引所に出すのではなく、自分で使用する系統電力の需要を減らすことによって、その部分を取引所で取引するというようなことも、今回とは言わないが将来的には頭に入れておいて頂きたい。

    スマートメーターについて、我が国は対策が遅れている。特に、需要家との接点の部分で遅れているのがポイントだと感じている。分科会で全面自由化の議論をした際に、電灯需要家を対象にするにはコスト-ベネフィット上難しいとした理由の一つがメータリングの話であった。そこにも関係することであるで重要だと思うのでIBMさんにも頑張って頂きたい。

  • COフリー電気の取引について、技術的な観点から言うと、P64にはCOフリー電気として原子力/水力/(LNG+CDM)/(石炭+CDM)とあるが、P65の絵が風力発電所の絵になっている。風力発電も蓄電池を装備した上でESCJルールを満たしていれば、当然取引ができるのだが、注意しておかなければならないのが、エリアの外に出て連系線を使用する場合、日本の場合、連系線の管理が厳しいことから、連系線の管理の問題をよく考えておかないといけない。

  • 取引所で取引を開始する場合、京都メカニズムクレジットなのか、COフリー電気なのかという議論は今からする必要はないと思うが、京メカクレジットは電力以外の外側でもマーケットがあることから、取引所にどのように頑張ってもらうかも含めて今後の検討ということではないか。

  • 電源構成の構築について、CO排出量を経済価値化する望ましい電源構成を作り上げるという目的もあるのかも知れないが、一般的には、P41にある電源ベストミックッスとして経済性や環境性や供給安定性の3つを有することであり、この多元方程式を解くのは非常に難しい。中長期的に考えると、エネルギー情勢や社会情勢等を考え、フレキシブルに対応できるような仕組を構築したい。石油ショック時に体験したが、フレキシブルに対応できることが大事であって、確かに環境という十分考慮しなければならないものではあるが、それだけで電源選択を行っているのではないことの基本的なコンセンサスが得られるのではないかと思っている。

    具体論については、我々は現在、自主行動計画を実行しており、社会的にコミットしていることから、絶対やり遂げるという形にしているが、並大抵の苦労ではできない。その意味では、余裕がないのかと問われれば、全く余裕が無い。当社は少なくとも、全然無いと言い切れるほど厳しい状況だが、社会的コミットメントは当然守って行きたい。P72に実験的にCOフリー電気の取引を試行すると記載してあるが、我々に期待されているところがあったとしても、内部では厳しい状況であるということを理解して欲しい。また、参加を強制することや、試行が上手くいかなかったので後で何かして欲しいといった強化的な手段をとるというのはぜひ避けていただきたい。

    さらに、実験的に試行するにはコストがかかると思うが、その費用負担をどのように考えるのか。国が試行するということではあるが、国が予算をつけてくれるのかよく分からない。取引所で試行する場合にしても、取引所はPPSも参加して手数料で運営されていることから、是非費用がかからない方法を考えて欲しいし、又は国で試行するというのであれば国も知恵を出して欲しい。

  • 環境、経済、安定の多元方程式のバランスをとりながら電源構成を構築していくのは、全くそのとおりであると思う。他方、足元で、COの問題をどうするか。電力各社だけでなく、日本の産業全体で相当の企業コストをかけて取り組んでいることについて、如何に市場メカニズムを活用しながら円滑に行っていくのか、何らかの調整メカニズムが必要ではないかと考え検討しているところ。

    今回実験的に試行して方向性を見つけることについては、電力各社が置かれている状況も踏まえて考えていくこと。一方、実験的としているのは様々な方法、つまり京都メカニズムクレジットもあれば、それを電気と合わせたCOフリー電気もあり、その供給主体としても一般電気事業者のみならず、他の事業者の可能性もあり得るということで、あえて実験的とさせて頂いたことについて理解して欲しい。

    参加の強制については、ボリュームを確保して活性化を図るとしている前回までの卸電力取引所の電力取引活性化の議論とは異なるフェーズのものであり、そのようなことは基本的に考えていない。まずは、メカニズムを作っていくための実験的なものを是非進めていきたい。

    費用負担の件は、今後詳細設計の中で議論していくものと思っている。

  • P13の稼働率に係る文章について、「常に空けておく必要がある」と記載されているので記載を工夫して欲しい。

    環境適合について、電力会社は、自主行動計画を達成することで精一杯と推測されることから、CDMの売り手がいないのではないか。他者に売るくらいなら、更に買い増しに走るのではないか。ただし、COフリーの電気の取引について、P64、72に記載しているその精神はよく理解できる。したがって、実験的取組として試行することには賛成するが、実験的取組にも様々形態があり、例えば、RPSを立ち上げたときには、仮想的な世界を作って、そこで実験的なテストを行ってから現実に移行したという経緯がある。それとも、今回の提案では、現実的な取引所の中で試行錯誤的に取り組んでいくのか。COフリーの電気の取引には、様々な人が多様なイメージを持っているので、多くの人々のイメージを融合していくという位置付けなのではないか。もし、取引所を活用するなら、取引所にそういうことができる基盤が整備されているのか。相当な労力が必要。特に、時間前取引のことも考えていくと取引所という言葉からイメージする世界と現実とは大きなギャップがあるため、そういうポテンシャルについても十分考慮して取り組む必要がある。しかし、私自身はCOフリーの電気の取引イメージはよく理解しており、いずれは取引を行わなければならないと自覚している。

  • COフリー電気の取引に係るイメージについて、この議論をしてきたそもそものきっかけは排出係数の原単位を今後下げていくときに、一方でCDMを買うこともある、一方で原子力稼働率を上下することもある、出水率の問題もある。こうした不透明さを調整するために過達成になったところは売りに出す、未達成のところはそれを買うニーズが出てくるだろう。それをより透明性のある手続の下、取引できないかということで始まった議論。自主行動計画達成そのものが大変だという中にあって、トレードを具体的に成立させていくということが必ずしも簡単ではないということも一方では認識している。そのためには、1つはCDMの取引が考えられるし、もう1つは原単位がゼロである電気を取引することによって売り手、買い手でのそれぞれの協調性が起こるということを考えて企画してきた。出せるモノの話だが、それは今後の課題であるが、火力+CDMなのか、ミクロな水力などの一般電気事業者以外の小さい水力なのか、ごみ発電みたいなものなのか様々なものが考えられるが、実験的取組を試行していきたいと考えている。その際、取引所のキャパシティーの件は十分踏まえて今後検討していきたい。

  • 電力業界は、自主行動計画達成のために非常に厳しい状況にあって、CDMの売り手として期待されたとしても到底できそうにない厳しい状況にあるというのは理解できる。また、売り手が少なかったということでうまく市場が立ち上がらないということも理解できる。しかし、逆に言うと、COフリー電気の需要には非常に強い需要があると表明していただいたと理解できる。もし、事実だとすると、ニーズが高いということだから、普通の電気に比べて高くても買うということ。価格シグナルが出てくれば、現在の状況では風力を取引所に出すということが技術的に困難であっても、「こういう市場が存在すれば高い値でも買います。」というそれだけのシグナルだけでもあれば、技術革新を促して太陽光/風力/小規模な水力が商品となるきっかけになるかもしれない。環境の問題が深刻であって、自主行動計画を達成するのが難しい状況であったとすれば、ある程度の値段でも買うこと、ある程度コストがかかっても開発するというのは社会的にも望ましい。こうしたシグナルを出すという意味でも重要だと思う。

  • 電力会社としては、CO排出係数削減への努力は、需要家に販売する立場でもあることから、需要家に対しどのような省エネしてもらうかの情報提供も考えていかなくてはならない。そうのような意味でも、昨今、商品機器の開発はメーカーとも協力しており、高効率ヒートポンプにおいては、空調分野や給湯分野において一生懸命頑張っているところ。また、昨今では、ヒートポンプが洗濯機にも装備されており、kWhが減っても効率が良く、電力会社にとって販売電力量が減り収入も減少するが、環境への貢献という意味でも取り組んでいかなくてならない。

    メーターについては、可視化の必要性もあると思うが、あくまでも費用対効果を考えて対応して参りたい。

  • 環境適合に係る論点の取りまとめは、分科会で了承された論点とほぼ同じだが、基本的には賛成。1つだけ加えて欲しいのが、電力は現在自主行動計画を提出し、それを実行しているところであることから、クレジットの保有について、年度ごとのモニタリングが必要。それは、一般電気事業者だけではなく、可能ならば卸電気事業者、PPSも含めてモニタリングして欲しい。それがないと、取引所におけるCDM等の取引は、強制ではないので実効性がない。最終的に調整するメカニズムも必要だが、元々は、インバランスになってしまうということ、効率的に評価したいということから始まっており、基礎データの収集は規制当局でないとできないかもしれないが、今からでも検討して頂き、報告書への追加を期待。

  • クレジットについて、公表しているものは把握できるが、クレジットの性質上、投資先との関係、関係するファンドとの関係などで、個々のものを公表出来ない場合もあり、これらを勘案しながら制度設計したい。

  • その他の論点、IBMのプレゼンについて2点ほど発言したい。

    1点目は、P75にある省エネナビ事業やIBMのプレゼンにあるスマートメーターの導入は、一般需要家がリアルタイムで電気の使用量を確認でき、家庭部門での省エネ行動を促す意味で地球温暖化対策の効果を期待。特に、需要家と供給者が一体となって協力することは、電力の効率的な供給という観点からも重要。PPSとしても、将来の家庭部門の自由化範囲の拡大において、その拡大に伴う社会的な便益を高める観点からも、可視化の仕組や需給協調システムを整備する枠組の構築を期待。また、国においては、必要な法制度の整備や旗振り役としての役割を期待。欧米の例を参考にしながら、産官学一体となって幅広く叡知を結集する必要あり。

    2点目は、P76下のまとめに「需要家が需要を抑制するインセンティブは、安定供給のため」とだけ書いているが、電力分野における環境負荷の低減を目指すためには、供給サイドの発電所からのCO削減とともに需要家サイドが電気の使用量の削減を主体的かつ積極的に行うという適切な役割分担が必要。需要家が需要を抑制することを環境負荷低減のためにも明記を要請。

    なお、需要家サイドと供給サイドの適切な役割分担を達成する上で、需要家による電気事業者の選択を行わせている今の温対法の制度の問題についても議論して頂き、分科会においてもしかるべきところへ情報を発信することが電力分野における環境適合を図る上でも有意義。WGで検討項目に上げられていないことは残念。

  • スマートメーターについて、消費者に情報を与える形で消費量を適切に測定できることから、非常に重要。今日の資料は、BtoBで京都メカニズムに対応するということになっているが、他分野ではBtoCでカーボンオフセットを図る手法が出てきており、そういうことも視野に入ってくる。

  • 取引所についての課題や検討に向けた御指摘については、自分の考えと一致。これから協議されることになるが、その方向を踏まえて検討したい。また、検討の方向が固まるまでは意見を言わないつもりだが、実現可能性を踏まえ、皆様の役に立てるものを実現していく。

  • 原子力はイヤだという人が圧倒的に多いが、風力や太陽光の電気であれば購入したいという人もいる。東北地方に行けば風力発電があり、その電気を買いたい人もいる。電気が送電線を通過すれば、混合され、同質化されるものであると思っていたが、色付けができればとても良い。取引所の議論も、COフリーの電気が販売され、高値で取引されると思うが、その監視をどうするのか、昨今の食品の問題と同じになっては困る。消費者ですらクリーンなエネルギーを買いたいという人がいることを踏まえ検討して欲しい。

  • 今日の議論をまとめたい。本日の議論では、事務局の提案に対して、特段、反対はなかったかと思う。

    基本的に3つのテーマになっていた。まず、連系線の整備については、発生確率は低いながら設備容量の激減を招く事象への対応として、その検討のプロセスをESCJに設けることがまとまった。安定供給の確保に関しては、全国及び供給区域ごとの需給をより精緻に把握するため、供給力の確保状況等を把握していくことについて検討していくことになった。第三に、電力の環境適合については、電気事業者による温暖化対策への努力が公正かつ円滑に実施されるような「透明な制度的枠組み」を構築すべきという提案があった。これらについて、概ね意見が一致。その他、石炭火力やディマンド・レスポンスについてもいくつか意見があった。

    具体的には、連系線については、電力系統利用協議会(ESCJ)の連系線整備に関わる調整プロセスに広域流通を通じた安定供給に関する調整プロセスを追加し、大規模な電源脱落により、連系線制約が顕在化した場合など、調整プロセス開始の要件等を規定すること。

    2番目には、供給区域ごとの需要については供給計画によって、PPSの自社需要に対する供給力の確保状況等については電気事業法に基づく報告徴収によって、それぞれ把握・公表すること。ESCJにおける供給信頼度評価については、供給区域ごとの供給信頼度評価や発電事業者からの情報を把握することによって、より充実させること。

    その他、「COフリー電気」の取引については、電気事業者から指摘があったが、そういった中でCOフリー電気等の方策について検討していく。

    以上の議論を踏まえ、11月15日の分科会との合同会議で方向性につき確認し、具体的な検討をお願いする。

  • 次回の第7回制度改革WGは、電気事業分科会との合同開催。11月15日14時~16時30分、霞ヶ関ビル33Fの東海大学学友会交友会館。本日のご意見を踏まえ、過去4回のWGの議論を分科会に報告し、審議を頂く。

(4)閉会

以上
文責:事務局

 
 
最終更新日:2007年11月12日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.