経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会(第29回)・制度改革ワーキンググループ(第7回)合同会議 議事要旨

日時:平成19年11月15日(木)14:00~16:30

場所:東海大学校友会館

出席者

分科会委員

鳥居分科会長、植草委員、長見委員、勝俣委員、金本委員、河野委員、小柴委員、齋藤委員、佐々木委員、末次委員、武井委員、鶴田委員、常盤委員、鳥原委員、内藤委員、南雲委員、中垣委員、八田委員、三田委員、三村委員、森委員、横山委員、松村委員、山内委員、山地委員、横山委員

WG委員

大日方委員、山内委員

WGオブザーバー

菅野有限責任中間法人日本卸電力取引所理事長、神宮司公正取引委員会事務総局経済取引局調整課長

事務局

平工資源エネルギー庁次長、西山電力・ガス事業部長、後藤電力・ガス事業部政策課長、片山電力市場整備課長、吉野電力基盤整備課長、生越電力需給政策企画室長

議事概要

(1)開会

  • 後藤政策課長より委員交代及びWG委員、WGオブザーバーについて紹介の後、資料確認。

(2)競争環境整備、安定供給・環境適合についてのWG検討状況について

  • 制度改革WG座長の金本委員より、以下の発言があった。
  • WGでは、非常に広範かつ詳細な論点について熱心に議論いただいた。WG委員及びオブザーバーに対して御礼を申し上げる。

    一言申し上げると、日本の電力自由化は終わったわけではなく、まだ解決すべき課題が残っている。一方で、解決すべき課題には一歩ずつ進んでいくべきことと、大きな変更を伴い今すぐ実施できないもの双方あることを前提として、現実的に改善がなされるべきものについて議論を行った。全ての人にとってパーフェクトなものはあり得ないが、そうした点を留意していただきたい。

  • 片山電力市場整備課長より、資料3について説明。
  • 吉野電力基盤整備課長より、資料4について説明。

(3)自由討議

  • 委員より、以下の発言があった。
  • 卸電力市場の活性化に向けた更なる競争環境の整備の観点から述べさせていただく。事務局説明にもあったように、卸電力市場における流動性の向上、あるいは競争の活性化が全国規模での供給力の有効活用となり、安定供給に寄与することを電気事業分科会のメッセージとして発信することは重要なことと考える。

    その中で卸電力取引市場の役割は、長期および短期の供給力の販売、調達の場であること、またこれは平常時あるいは需給逼迫時いずれの場合にも効率的に安定供給の達成に資する機能を果たすものと考えられる。

    具体的には、取引所での事業者の需給バランス調整を容易化し、全国大での電源の効率的な運用を図ることが重要。そのためにも長期の先渡取引から、前日のスポット取引、今回ご提案の時間前市場での調整に至るプロセスが期待通り機能するように、取引所の商品やルールの改善、更には取引所取引に関連する託送制度の改善が不可欠であると考える。こういった取引所の機能的な充実と量的な品質が確保されることで卸電力市場の活性化ができると考える。本日提案の方向で今後具体的な検討をお願いしたい。

    卸電力市場全体で流動性の高い取引が増えていく中で、発電事業者である当社としては、取引所をはじめとした卸電力市場への販売を通じ、今後とも市場の活性化に貢献して参りたい。

  • 詳細な取りまとめについて事務局の努力に感謝するとともに、高く評価する。基本的な考え方には同意。その上で、今後のWGの検討に際して2点申し上げる。

    この報告の中身は大きく分けると2つのことを言っている。1つは重要度の高いもの、もう1つは詳細なテクニカルな部分である。テクニカルで実務的なものについては、本日の資料の中にかなり新しいアイデアが盛り込まれていると感じる。他方、重要度の高いものは、検討中という収め方をしている。

    今後の詳細制度設計を行う上で、テクニカルな論点については、この通り実現した場合にどの程度の効果をもたらすのかを検討していただきたい。他方、わが国が目指す日本型モデルは、欧米のような全面自由化ではなく部分自由化の下において、全面自由化により得られるであろう成果を達成するというもの。従って、検討中とされている重要な論点について、部分自由化の下においても全面自由化の成果を目指せるような具体的な方策を盛り込んだものを、是非作っていただきたい。

  • 一番難しい送配電部門に切り込んだ事務局、WG委員の皆様のご努力に対し、評価する。

    ただ、非常に皮肉な印象がある。PPSと既存電力会社がイコールフッティングでなければならないというアジェンダを設定し、日本型モデルの系統運用部門に対して競争環境整備と称して、インバランス、同時同量に関して数値化・料金化していくという難しく、かつ矛盾する仕事をどういう方法論でWGは進めたのかという点に関心がある。詳細は分からないが、どうやら英米流のアンバンドル、ISOをバーチャルに設定し、既存の電力会社とPPS等がサービス提供、料金面でイコールフッティングでなければならないということを念頭においているように思われる。このことは、自ずと日本型モデルの発送配電一貫体制、系統運用といった本質の部分へ迫り、一貫体制の良さを非対称規制という形で削ぐのではないかと危惧している。そのため、WGにおける同時同量等ネットワークに関わる部分におけるイコールフッティングの料金化・数値化を、どの程度わが国の日本型モデルを維持するといった点に照らし、どのように調整していくかが非常に難しい問題である。例えば、3%以上のインバランスのコストの算定について、既存電力会社もPPSも同様の公平なコスト負担をすべきとすれば、結局ISO、アンバンドリングを想定することになる。また予備電力の固定費の部分だけが既存電力会社と一緒であれば良いのではないかとなる。

    しかしながら、一貫体制の良さというのは、供給義務を負い、常時バックアップを提供し、変動時に対するあらゆる安定供給を保障している点にある。しかも発送電部門だけでなく営業部門、事務部門が、わが社のためにと生産性を上げている、部分経理では計りえないプラスαの部分があるということ。料金化によるイコールフッティングの追求は、そういうファクターを無視せざるを得なくなるとの危惧がある。その部分を後半のWGではどのように留意していただけるのかが気になる。

  • 発電事業者としてこれまでの分科会において、主に事業リスクの低減という観点からいくつかの要望事項を列挙してきた。それらをWGの場でご議論いただき方向性をとりまとめていただいたことに感謝申し上げると共に、WGの金本座長はじめ、各委員および事務局の皆様にまず御礼申し上げる。

    今回は、継続審議となった項目の中で発電事業者にとって特に重要な項目である「取引量増加に向けた新たな目標設定と手段の検討」について意見を述べたい。卸電力取引所はこれまで、メニューやルール等について一部見直しを行いつつ、資料3の6ページにも記載の通り、取引所導入の目的である需給ミスマッチ時の電力の販売・調達手段の充実等、事業者のリスクマネジメント機能の強化に資する取引所の実現を目指してきた。しかし、現状の取引が必ずしも十分でないということから、新たな対策の導入が必要であり、資料3の11ページに記載の通り、目標設定を行うと共に、スポット取引の活性化はもとより、先渡取引の活性化や時間前市場の創設等についても積極的に検討すべきと考える。

    目標設定にあたっては、十分な取引量の確保を前提に、火力全面入札制度が取引所に代替された経緯、さらには取引所に期待された役割がいまだ十分ではない状況等も考慮していただきたい。その上で、事業者毎の電源活用だけではなく、全国規模で効率的な電源を有効に活用する全体最適の実現に向けて、電力会社をはじめ全事業者が可能な限り取引所を活用することが重要である。

  • まず、ESCJは時間前市場の創設に対応するつもりである。ただし、システム形成に相当の時間とかなりの額の投資が必要である。さらに卸電力取引所、9電力においても相当の投資が必要である。これについて十分に留意して対策を練っていただくよう要望申し上げる。

    次に、託送料金制度の見直し案を高く評価する。本案は変更命令付き届出制度を維持しながら、料金設定と超過利潤の処理について公正報酬規制の考え方を導入したもの。英米でプライスキャップを導入した後に、次第に公正報酬規制に近づいていった事例と似た考え方として興味深く拝見した。また本案は、従来の超過利潤のうち公正報酬分を除いた新たな超過利潤の一部を電力会社に内部留保することを認め、経営効率化と投資促進にインセンティブを与えている。他方で超過利潤の一部を託送料金の引下げにまわし小売価格に反映させることを通じて、需要家にも利益還元する制度としている。これは専門的には利潤分配方式というもので、実は各国でも採用されており、特に米国では長い歴史があり高い成果をあげてきた。本制度の導入には非常に注目している。なお、この中で連系線・FCへの投資インセンティブ付与が指摘されているが、ESCJとしても是非進めていただきたい。

    第3に、ESCJは広域流通を通じた安定供給確保のための設備増強プロセスをルール化し、この増強プロセスに取り組んでいく。ESCJはこれまで全国一本の供給信頼度評価報告書を作成してきたが、上記のルール化に伴い、さらに地域ごとの供給信頼度評価報告を作成する必要があるので、これにも取り組んでいく。なお、大規模災害等による大型電源の脱落に対処するため、今回の報告では連系線の増強を通じた広域流通による安定供給確保案と共に、電力会社による予備電源の建設案が提示されている。しかし、この他にも対策は考えられるので、それらを総合勘案すると共に、費用対効果を十分に考慮し、国民負担を可能な限り軽減しつつ、安定供給を確保する対策を考えていただきたい。

  • まず、取りまとめについて敬意を表する。

    一方、自由化範囲拡大の是非について議論をしていたところと状況が大きく変化している。具体的には、燃料価格が上昇し、特にPPSが経営への打撃を被っている、ガス会社が大規模発電所の建設に着手しており、これまでの新規参入者対電力会社という構図に変化が生じている、7月の中越沖地震のあと、柏崎の原子力発電所が運転を停止し再稼働の目途が立っていない、という状況変化。これらを加味しながら検討を行う必要がある。

    分科会にWGの検討状況を報告してもらうべきと進言した理由は、WGにおける検討の方向性チェックのため。今日、報告を受けて概ねいい方向に検討が進んでいると感じたが、WGには、極端な優遇や否定ではなく、バランスのとれた案を作っていただくことを期待。

  • 規制と事業者の自主性の適切なバランスを堅持していただきたい。細部までがんじがらめに規制し、企業経営の活力を損なうことは避けるべき。欧米においては多様化するリスクマネジメントへの対応と持続可能な成長のために、企業の懐を広げること、原則を堅持すること、現場を尊重し活性化を図ることの3点を大切にするというトレンドにあるが、これを見習うべき。自由化という観点からあまりに細目に入りすぎると、企業経営の活性化を損なうことになる。インバランス収支の導入を例に挙げると、電源部門と系統部門の協調により需給バランスを的確に維持し運営するという原則とは異なる、バーチャルな(アンバンドリング)システムの導入は、企業経営をがんじがらめにする一つの典型的な例であると考える。

    安定供給と環境については、技術開発の推進が世界的にも重要であるとされている。一方で、OECDの調査によると研究開発予算が減少傾向にあり、それは日本でも同様。IGCC、原子力技術、デマンドレスポンスにしても研究予算投入が十分ではない。また、技術開発について体系的に議論出来る体制が無いように思われる。コンセプトばかりでなく、実現に向けた十分な予算確保と、検討体制の整備を行っていただきたい。

  • 基本的には提案された方向性で良いが、先ほど発言のあった「非対称規制」についてはまさに同感。自由化の過渡期にあっては非対称規制もやむを得ないが、一方で非対称規制は規制需要家の負担のもとに成り立っていることを認識いただきたい。非対称規制をできる限り早期に是正すべきであり、仮に継続するのであればその理由および規制需要家に対するメリットを明らかにすべき。

    また、検討内容が細に入りすぎて自由化の本来の目的に立った議論がなされたのか疑問を感じる。今一度十分に検討していただきたい。

  • 揺籃期という位置付けのためか、これまではPPS側に電力会社が歩み寄るという構図と認識。そういった状況下で、大口を中心とした価格低下に一定の効果があった。一方、地震や資源価格高騰のため安定供給が強く認識されるようになった現状において、市場メカニズムをうまくワークさせること自体が目的化しているように感じるが、これは全体の利益につながるのか。

    環境適合については、CDMクレジットの部分的導入が提案されているがそもそも電力会社は自主行動計画の達成に苦慮している現状において、実効性があるのか疑問。

    取引所については、ニーズがあることを前提としてスタートしたはずなのに、シェアが0.2%というのはいかにも小さいが、メニュー不足が取引所の活性化しない真の原因なのか。むしろ日本の垂直一貫体制を前提とした市場構造が、比較的取引所取引が活性化している欧米の市場構造と質的に異なることが原因なのではないか。この点を考慮しつつ費用対効果についてよく考えていただきたい。

    今回の取りまとめは労作であるが、強引に市場原理を導入することは、国民の期待を裏切りかねない。今後の検討に際してのプライオリティは、1に安定供給、2に環境、3に市場原理としていただきたい。市場原理はむしろツールでしかないと認識。

    自由化が常に正しいということではない。自由化をどこでおさめるかについてそろそろ議論すべき時期にきているのではないか。

  • 託送供給料金規制について述べたい。これまでの超過利潤をトリガーとした変更命令発動付きの託送料金規制は、設備投資意欲を減退させかねないものであった。連系線・FC以外の送配電設備についても絶えず計画的に投資しメンテナンスを必要とする。また、これから高度経済成長期に建設した送配電設備の更新時期を迎えるところ。提案された超過利潤の累積管理は、事業者の経営効率化・中長期投資・託送料金の安定化に配慮されている。

  • この会議は電力会社とPPSの戦いの場ではない。両者とも事業者である限り株主に対して忠実的な行動をとることは当然であり、必ずしも国民の利益に沿った議論をするかというとそうではない。そこに、別途国民経済的な利益を追求する第3者が加わって議論をしながら、妥協点を見つけていくという形であろうかと思う。

    また、PPSは過度な保護を与えられてきたという発言もあったが、一般電気事業者も過去には大変な保護が与えられてきた。今回の提案がPPSに優しすぎるかというと必ずしもそうではない。PPSはインバランス料金の低減化を要望しているが、それだけに対応して今回の方向が出てきているわけではなく、国民経済的な利益増進を目指して、バランスをとって検討された結果であろう。

    資料4の3ページ目だが、地震等による設備容量の激減がおこったときの対策として3点ほど書かれているが、同時に需要家自らによる需要抑制も大事。市場を使って、全体の供給量が足りないときは価格を上げて、需要量を抑えさせる。逆に、一旦買ってきた電気を、高く売れる時は市場に売りに出す。そういうことが出来れば望ましいが、今回の資料には入っていない。また、現行の需給調整契約を合理化し、事前に入札しておいてもらって、入札額に応じて上から電気を切っていく。諸外国ではそういう取り組みも見られる。IT産業に導入するのはさすがに厳しいだろうが、可能な業界もあるはず。

    また、CO排出を改善しようというとき、日本では一般電気事業者が大部分のシェアを占めているわけだから、昼の電気を減らして、夜の原子力中心の時間帯にシフトしていく、という何らかのメカニズムを導入しては。そのために、排出係数を何らかの形で時間帯別に設計して価格差を設ければ、夜間に使おうというような技術振興を促すことが出来る。その差をつけない限り、そういった技術振興を促すインセンティブがない。

  • PPSもそれなりの会社が事業を行っているわけだから、我々が甘えることによって国民負担を増やしてもいいとは思っていない。我々の存在が一般電気事業者を刺激し、レバレッジ効果によって料金値下げにつながり、安定供給、地球環境、効率化のいずれの面においても役立っていると思っている。しかし、PPSと一般電気事業者は、未だにモスキート級とヘビー級がけんかするようなもの。ヘビー級同志が戦うのであればいいが、今のところそんな様子もない。PPSがミドルヘビー級程度になるまでは、ある程度のハンディキャップは認めて頂かないと。

    今回の資料では、全体としてはPPSにも配慮頂いているように思うので、事業改善がある程度期待できるように思う。しかし、若干不安な点もあり、例えばインバランスコストはそれに要する費用を抽出して一般電気事業者とPPSが公平に負担するように改めるとある。そのコストを運転予備力に相当するものとしたら、メリットオーダーの観点から、現行の全電源費用より上昇するのではと懸念している。資料3の15ページのインバランスの発生量のグラフのとおり、3%以内のインバランスはどうしても出てしまう。この部分が大半なので、この料金がわずかでも上がると、事業運営に相当深刻な影響が出てしまい、たとえ制度の仕組みとして良くなったとしても、我々にとっては制度改悪となる。資料3の17ページの留意点にもあるとおり、くれぐれもPPSの負担が今より大きくならないよう、慎重な検討をお願いしたい。

    また、託送料金については、以前の分科会で特高と高圧の託送料金の整合性が取れていないのではないかという問題提起と、送配電部門の超過利潤の問題の2点を指摘していた。前者の託送料金の整合性についてはWGでも電力会社から御説明頂いたが、同じ電力の使い方をしている客が電圧が違うというだけで値差があることについては、依然として納得感がない。ただ、こうした取り組みは情報開示の充実への第1歩でもあるので、今後とも系統利用者に対して十分な説明責任を果たしていただくとともに、特高と高圧が同じ競争条件になるように少しでも近づける是正をして欲しい。

    超過利潤の問題については、系統利用者の本音としては即座に還元して欲しいものではあるが、内部留保を一定程度認めつつ、系統利用者に還元していただくという手法で使途を明確化していくという方向性については、少し長いスパンで見れば効率化インセンティブを確保することで託送料金の低減に繋がることが期待できるので、納得。この方策を実効性のあるものにするために、詳細なルールについて適切に設定していただき、当初の目的どおり有効に機能しているかどうか、しっかりとした事後的な検証をお願いしたい。

  • 大口需要家として、6月の分科会でも、今とかわらず良質な電気を保っていただくことを大前提として、更に効率化努力による料金の低減化が実現するとありがたいと発言した。また、需要家の目線として、今回の制度改革によって需要家にはどのような効果があるのか整理していただくよう、お願いも申し上げた。

    今回、明示的に安定供給に目配りされていることを評価したい。安定供給の確保については、今後も既存の一般電気事業者につとめてもらいたいが、そのための条件整備はとても大切。その際いくつか選択肢がとりうる場合には、流通設備の整備か、発電設備の整備かにかかわらず、最も効率的かつ低コストの方策が選択され、我々需要家の負担が最小となるような設計をお願いしたい。

    競争環境整備の各論点については、卸取引の活性化や、時間前市場の創設など、PPSや発電事業者のリスクを軽減するような施策が一層の価格低廉化につながるのであれば歓迎したい。その際には、省エネや省資源も含めて、中長期的な地球規模での環境適合の観点も忘れずに、推進して頂ければ。

    若干気になるのは、リスクを誰が引き受けるかという点。余り無理な設計をすると、市場全体として高コストとなりかねない。あくまでも需要家全体のメリットを増進していくことを大前提として、的確な制度設計をお願いしたい。

  • 従来から石炭火力を推進しているが、その実績を踏まえ、2020年以降本格化する老朽火力の対応や新設火力建設に対しては、IGCCやIGFC又はこれらを組み合わせたCCSの技術開発と適用が石炭火力の推進と環境適合にとって重要と確信。

    当社としても、石炭ガス化の技術が石炭火力推進の鍵と認識していることから、国の政策的な支援を得て、現在実施しているパイロット試験、その後の実証試験を全力で取り組みたい。

  • 限界排出係数について。電力需要は時間、曜日、季節、天気等それぞれ異なった動きをしており、一般電気事業者は需要に応じたベストミックスで電源を運用している。このため、理論上は限界排出係数という話ができるかもしれないが、またある断面を捉えると可能だが、年間を通じて限界排出係数を算出することが可能かというと非常に難しい、かなり無理があるというのが実態である。

    資料4の28ページに「「COフリー」の電気の取引については、参加主体が限定される可能性も否定できない」とあり、全く同様の懸念あり。

    水力又は原子力の電気については、一般電気事業者は、供給安定性、経済性、環境特性等の観点から、水力、火力、原子力を適切に組み合わせて一体として運用していることから、これら重要な供給力を有している電源を取引所に切り出せる状況にない。

    また、CDMについては、とても厳しい状況の中で自主行動計画を達成するために調達努力していることから、当社含め同業他社についても取引所に出す余裕はないものと認識。

    「COフリー」の電気の取引を実験的な取組として試行することについて、先のWGにて、事務局から取引ニーズ、取引の成立性を検証するのが目的であり、強制的参加や投入量の増加方策はとらないと説明があったことから、この試行は淡々と実験して欲しい。詳細設計に当たっては、取引所の財務や人的負担、費用対効果等を踏まえて、よく検討して欲しい。また、実験段階から本格運用へ移行するか否かについては、実験中の取引のニーズ、取引の成立性を踏まえ、十分な検討を尽くして欲しい。

  • 燃料高騰中における電力セクターにあって、エネルギーセキュリティの観点からも石炭火力の増強が大事。27ページの「石炭火力の新規運転開始計画と老朽化」の資料を見て、既に環境省の石炭火力抑制政策が反映されているものと考える。

    「COフリー」の電気の取引については、様々な留意点はあるが、このアイディアが持つメッセージは効果有り。この際、CDMは武器の一つではあるものの、CDMのみに依存した取引メニューにしないよう工夫して欲しい。全電源でCOを低減するのが基本であることから、原子力発電の稼働率を高めることによって、供給力を高めそのメリットを卸取引市場に活用できるようなメカニズム作りが必要。また、この取引のメカニズムの中に、石炭火力の技術革新を促進する要素を入れる工夫をして欲しい。

  • 取引所が実施しなければならないことが多々あり、また実施するに当たって、難しい点も指摘されたが、国民経済的観点を踏まえて、取引所が果たす役割をよく考えて検討を進めていきたい。
  • WGでの議論の重要性を再認識。議論に当たっては、社会的利益を最大にするような解を出していきたい。また、一つ一つの施策における効果やインパクトの分析がまだ十分でないので、情報の提供を受け、勉強しながら議論を深めたい。
  • 方向性として、安定供給確保・維持に配慮してあり、感謝。

    今年の夏は幸いにも停電が発生しなかったが、連系線を含め費用をかけて様々な対策を講じたとしても、電力システムは巨大な人工物であることから、100%停電しないことは不可能。また、連系線を数多く確保したとしても、他社の余力に依存するので連系線が活用されないおそれもあり。供給信頼度に関する費用対効果の総合的な検討が必要。結果として、連系線や自社火力の建設という選択肢を取らなかったとしても、それは費用対効果を見てそれほど信頼度が低くならないと判断されるということ。その場合は、随時調整契約等の既存の対策をうまく機能させていくことが必要。

  • 会計の区分や仕切り、分類等を細かくすればするほど透明化し、事業体の経営が効率化するというのは一面では当たっているが、常にそうではない。ある程度、約束事の中で計算していることによる限界がある。

    仮に、欧米流の競争条件があった場合にどのような結果になるかについては、具体的には部門別純利益計算を想定している。しかし、そのバーチャルな想定には日本的な条件等の制約を付けて考えていることをご承知願いたい。また、発送電一貫体制でのインバランス料金の抽出というのは、基本的に無理。従って、代替的な手段でやるのかやらないかを選択するしかない。代替案のメリットや、やらないことのデメリット等いろいろあると思うが、その辺りを議論が進む前に確認しておきたい

    バーチャルな世界で、真のイコールフッティングを実現することは無理である。ここにある事務局案はインバランスそのものを表すものではなく代替案でしかない。会計の約束事がどこまで有効なのか、もしくは混乱をもたらすのかもう少し検討させていただきたい。

  • 熱心な議論を交わしていただき、様々な観点からご議論いただき感謝申し上げる。

    2点ほど申し上げたい。1つは検討に際してのプライオリティ。エネルギー政策の観点では、安定供給と環境とマーケットメカニズム、いずれもが重要であるが、時々の状況変化を踏まえながらどこに重点を置くかについて考慮の上、対応してまいりたい。また、関係者間のバランスをとりつつ、事業者を含めた日本国全体での利益を検討しながら進めていく。

    技術開発についてのご指摘があったが、経済産業省全体では技術を重視しており、省庁再編時には産業技術環境局という局を一つ立ち上げているところ。加えて資源エネルギー庁の中でも、電力・ガス事業部だけではなく、他の部・課も踏まえた対応を総合政策課において検討しているところ。革新的技術を含めて新しいイニシアティブをとれるよう予算要求も大幅な強化を要求している。特会改革もあり非常に厳しいが、引き続き頑張ってまいりたい。

  • 多様なご意見に感謝。事務局としては頂いたご意見を踏まえて、WGで実りある審議をしていただけるよう努めたい。競争環境整備では、電力の小売市場を自由化していくということは、従来、規制当局と事業者との間で決めてきた電気料金を市場原理の中で決めていくという改革を行っていくということ。その中で電気料金が需要家の皆様に納得して頂けるものにするには、競争環境の整備が大事。現実には外的要因は変わってきているところであり、その中でどのように競争環境整備が出来るのか考えなければならない。

    イコールフッティングと非対称規制をどのように考えるのかについて多くのご意見をいただいた。方向性としては、自由化であるのでイコールフッティングは当然。ただし、現実とうまく調整しながら対応していきたい。非常に難しい中、日本型のモデルを検討しているところであるので、引き続きよろしくお願いしたい。

  • 環境適合について多くのご意見を頂いたが、現在与えられている制度の下で、事業者の方が取り組まれているものをさらに円滑化させるためにCOフリー電気や京都クレジットの活用などについて議論をしてきたところ。様々な問題点についても認識しており、実験的な取組として取りまとめさせていただいた。今後WGや詳細制度設計の中で、前向きに何が出来るのか議論していきたい。また、環境に対する取組は、政府全体としては中央環境審議会や産業構造審議会でのとりまとめ、さらには年度末に向けては目標達成計画の閣議決定に向けて議論が進んでいるところであるが、大枠の議論と、その枠組みの中で個々の事業者の取組については分けて検討していくべきと考えており、今後議論していきたい。
  • 当分科会は日本の電力産業について、責任をもって答えを出していく立場にあり、それを受けた大臣が責任を持って政策に反映させていくという仕組み。我々に課せられた責任は非常に大きなものである。従って、今日の議論を日本の電力産業の将来のあり方のイメージにつなげていきたいと考えているので今後もよろしくお願いしたい。
  • 11月26日、12月10日と2回のWGを行い、それぞれ、競争環境整備、安定供給・環境適合についてご議論いただく予定。その結果を受けて、12月14日の15時から17時30分に分科会を開催予定。

以上
文責:事務局

 
 
最終更新日:2007年12月3日
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