経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会制度改革ワーキンググループ(第9回) 議事要旨

日時:平成19年12月10日(月)10:00~11:20

場所:東海大学交友会館

出席者

委員

金本座長、大日方委員、鶴田委員、松村委員、山内委員、山地委員、横山委員

オブザーバー

川崎関西電力株式会社お客様本部料金企画グループ部長、菅野有限責任中間法人日本卸電力取引所理事長、白羽株式会社エネット取締役営業本部長、内藤有限責任中間法人電力系統利用協議会事務局長、西澤東京電力株式会社執行役員企画部長、松本東京ガス株式会社エネルギーソリューション本部副本部長(代理:笹山グループマネージャー)、三村社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会監事

事務局

西山電力・ガス事業部長、後藤電力・ガス事業部政策課長、伊藤同課長補佐、片山電力市場整備課長、山口同課長補佐、吉野電力基盤整備課長、江澤同課長補佐、太田同課長補佐、生越電力需給政策企画室長

議事概要

(1)開会

  • 吉野電力基盤整備課長より、資料確認。

(2)電力の安定供給及び環境適合に係る検討結果について

  • 吉野電力基盤整備課長より、資料3について説明。
  • 委員より以下の発言があった。
  • この報告書の内容は大変結構。制度の詳細設計に関し、2点質問したい。資料P7、3つ目の矢印に「安定供給に関する調整プロセスを(省略)ESCJにおいて速やかにルールの改正等を行うことが期待される。」としており、ESCJもまたルールの改正等を行う旨表明されたが、実際にESCJにルールの改正等を要請する際、どのようなルールを検討するかについて、細かいルールの条件を付加するのかどうかお聞きしたい。細かな条件をつけるのか、それとも大まかな枠組みとしてお願いするのか、それによって将来の制度設計におけるイベントの仕方も変わってくるのではないかと思う。

    また、P15の4つ目及び5つ目の矢印に記載されている件について、WGで詳細設計をしてからESCJに検討をお願いするのか、それとも本報告書に示されている大まかな枠組みとしてESCJに検討をお願いするのかを聞かせて欲しい。

  • ESCJにルール改正等をお願いする件について、キックオフ条件として、大規模の電源が脱落して連系線制約が顕在化した場合とした。次に、(1)、(2)、(3)、(4)と基本的には連系線の議論をして頂くのだが、その際、配慮して頂く点は資料に示してある。検討の内容として、P5の留意点でも、「平常時においても必要な連系線容量を確保する必要がある。」というところがポイント。それぞれ鍵となることは資料に記載しているとおり。ESCJは、法的位置付けがある独立性が確保された機関ということもあり、基本的には従来同様法令事項に関して独立した形という前提で検討をお願いするということが現下の制度上の整理と考えており、その前提で検討をお願いしたい。可能ならば、詳細制度設計と平行して速やかに議論して頂き、詳細制度設計の場で進捗状況などを聴取するなどして議論していきたい。

    供給先が確定していない電源についてどのように把握するのかについては、現状もESCJにおいてある程度は各電源を把握しているが、現況を踏まえて、いかに幅を広げるか、課題としてはそれなりに残っているが、具体的に検討していきたい。

  • 基本的にはESCJの自主性を尊重すると私は理解したが、それでよろしいか。
  • そのとおり。
  • ESCJにおいては、エネ庁との関係上、資料の文言からどの程度自主性をもって対応できるのか。または、ある程度詳細制度設計を検討して指示を頂かないとできないものなのか。
  • 連系線プロセス、信頼度評価をそれぞれ充実させる件について、2件ともESCJが本来取り組むべき課題と認識している。このWGや分科会等で発言頂いた主旨を当然尊重するが、各事業者が入って議論するESCJのルール策定委員会においてルールを作成するなど具体的な枠組の中でしっかり論議していきたい。
  • 大体のスケジュール感はあるのか。
  • 連系線のプロセスのルールについては、これから考えるところ。いつまでにルール化できると約束はできないが、資料に記載されているように速やかに議論を尽くした上でルール化を図りたい。

    信頼度評価については、我々自身の課題として、平成19年度事業計画の中で現在進行形で取り組んでいるものであることから、議論を尽くしながらできるだけ早い期間で検討するよう可能な限り詳細設計のスケジュールに合わせる形で努力していきたい。

  • 今回のとりまとめは既にWGで決定した内容であることから、環境適合について再確認の意味で質問したい。P25において、京都メカニズムクレジットの取引はCOフリー電気を作るための道具のように見える。環境適合のための取引については、基本的には、京都メカニズムクレジットの取引に本質があると考えているが、このWGで検討している取引は、京都メカニズムクレジットを購入することにより、事業主体としての排出係数を下げることも含まれているのか。
  • また、クレジットやCOフリーの原子力、水力、再生可能エネルギーの供給が厳しいと考えられる中、クレジット供給者として電気事業者しかイメージ図に記載されておらず、できるだけ供給を増やす手立てを考慮していただきたい。

    P26において、石炭火力は大変重要であり、環境適合とどのように調和していくのか。IGCCを開発していく上で、CCSとの組み合せの重要性を関係者に強く認識して頂きたい。

  • P25のイメージ図については、京都メカニズムクレジットのみの売買も考慮した図であり、その取引を排除していない。京都メカニズムクレジットの調達状況や分科会の指摘も踏まえ、実験的な取組について、様々な可能性を模索していく。水力、原子力や再生可能エネルギーについて関心を持つ者もおり、クレジットの供給者を増やしていく手立てとして、様々な取組や努力をしていく。

    技術開発については、重点的・効率的に投資しながら、将来の安定供給に資する石炭火力の導入を図りたい。CCSについては、国も研究開発を進めており、成果を期待している。諸外国に比べると、日本は地質条件等の技術課題についても対応する必要がある。

  • 大筋ではこのとりまとめで結構。P7の(1)自社電源の新増設において、各電気事業者は経営資源等で多様性をもっており、石油火力が有力とは限定せず、企業の自主性を大事にしていただきたい。今回新たに入った「幅広い検討」との記載は、企業の自主性を重視するということか。
  • (1)自社電源の新増設の候補を石油火力としているのは、燃料調達や備蓄の容易性、原子力利用率が低下している状況等を踏まえ、石油火力が活躍している現状を取り上げている。ただし、石油火力もいろいろな制約がある点を記載している。将来の電源について、天然ガス等の石油火力以外の電源を排除していない。
  • 戦後日本の産業政策において、企業の自主性を尊重した政策はうまくいくが、役所が指導するものは大抵失敗する。企業の自主性を尊重することが、良い結果をもたらすという点を念頭において対応を進めて頂きたい。

    P28の環境適合に係る検討において、「京都メカニズムクレジットの取引」、「COフリー電気の取引」について「実験的な取組として試行する」とされており、「可能な限り卸電力取引所の人的・財務的負担の少ない形で実施する」とあるが、どのような形か。   なお、実験的な取組は大賛成であり、卸電力取引所にあまり過度の負担をかけない形も望ましい。

  • 実験的な取組とは、定型商品ではなく、様々なプレーヤー間で卸電力取引所の掲示板の仕組を使っていろいろな工夫をしていくというのが基本的な考え方。よって、人的・財務的負担は少ない形になると思う。ただし、別途、時間前取引制度の導入等によって卸電力取引所の負担はある程度重くなるものと認識。
  • 道路政策では社会実験に国費を投入することもあり、そのような実験的な試みもあるかと思うが、今は議論する段階ではない。
  • 安定供給について、電気事業者の使命として、低廉で安定的に電力を供給することをこれまで行ってきた。そのポイントは長期を見据えるということ。先々の需要を見据えて、いかに適切な設備形成(ベストミックス)を図っていくかということを考えている。   

    しかし、ベストミックスを図る上で供給安定性、経済性、環境保全を組み合わせつつ、現在、特に燃料をいかに安定的に確保するかが非常に重要になってきている。このアンコントロールな国際的なエネルギー市場にいかに柔軟に適応していくかが求められている。一方、国内において、設備形成を図る上で、様々な関係者との調整を図らなければならない。経済や社会の情勢は刻々と変わるので、いかに柔軟に、ある意味では強靭に対応していくことが大事になっている。これらについては、企業として、自主性を持ってきちんと責任を持って果たして行きたい。

    環境については、京都議定書は電気事業者として守らなければならないこととして最大限ベストを尽くしていきたいが、ない袖は振れないところもあるので、京都メカニズムクレジットの供給は難しいことを理解願いたい。

  • WGに参加させていただき感謝。私がここで得た情報をいかに消費者に戻していくかということをこれから考えていきたい。今後の電力の制度改革の中でどういう消費者が立ち上がっていくのが望ましいかも考えてみたい。

    安定供給については、需要家が一番望むこと。これまでの日本の電力供給は当たり前のように安定しているが、自由化に向けて制度改革が行われる間で、安定供給にひずみが生じてはならないと思っている。安定供給をいかに守るかということを制度改革できちっと進めていただきたい。今回の検討結果はすべて安定供給につながっていくと考えているので、1日も早い方向で実行に移して頂く必要がある。

    また、電気事業者と一般需要家の関係では、契約という観点が希薄になってきている。そういう中で、消費者に契約意識をきちんと持たせ、電気のありがたさをいつも意識的に持って頂く必要があるので、電気事業者には契約当事者として、説明責任を果たして頂くという方向で、インターネット上で説明するだけではなく、もう少し見やすい領収書を出して頂く検討も必要。

    最後に、需要家の抑制インセンティブについて、今後検討すべきというまとめになっているが、これこそ今やらなくてはならないことではないか。特に、電気の使用量が可視化できることが大事だと思うので、スマートメーターに切り替えていく際に、例えば、誰の所有物になるのか等の検討をなるべく早急に対応頂きたい。その検討の中で使用抑制は必ず出てくる論点と認識。これは無視できないことなので、今後、検討して頂きたい。

  • 需要家の抑制インセンティブについては、今すぐにどうこうということは難しい。供給安定性のコストが明らかになることが、電力自由化にとって非常に大きなプラス。基本的に、ピークを供給できなくなると停電してしまうが、ピークの時間というのは非常に短時間で、短時間当たりのコストは莫大なものになる。そのコストを料金に乗せるか、削減していただけるならお金を渡すか。こういう仕組を施行している国があるが、まだそこまではなかなか行かない。説明の前段で、供給安定化のために発電所の予備を持つのと、系統を強化するのがあったが、これから、いろいろ取り組んで頂いて、どれくらいのコストになるかわかってくる。それらの見合いで、最後、需要サイドで何ができるのかを真剣に考えていく必要があると思う。
  • 安定供給について、P15の3つ目の矢印のとおり、PPSの需給バランスの状況は、報告徴収という形で把握されることの必要性については概ね理解しているものの、これまでと大きな変化と受け止めており、実際の運用に当たっては若干の不安も感じている。第6回のWGでも述べたが、PPSにとって将来の自社需要/供給力といった情報は不確実かつセンシティブなものであると理解頂けていると思う。詳細制度設計の検討に当たっては、こうしたPPS事業の特性、PPSと電力会社又はPPS間における競争の観点からの影響にも十分配慮し、安定供給と公正競争を両立した形での検討をお願いしたい。

    環境適合について、P24(1)にある「京都メカニズムクレジットへの事業者別排出係数への反映」について申し上げたい。電気事業者が排出原単位による自主行動計画を確実に達成するとともに、需要家が電気の使用量を削減するという相乗効果、即ち両者による適切な役割分担こそが電気事業の環境適合に短期・長期の観点から寄与する。需要家が電気の使用に伴って報告する排出量は、購入する電気事業者の排出係数によって変動することがないよう一本の排出係数を用いて算定し、省エネインセンティブをより高めるよう温対法の考え方を改めるべきというのがそもそもの主張である。したがって、一本の排出係数を算定する際にそれぞれの電気事業者の京都メカニズムクレジット取得分を反映、加味するということであれば別だが、現行温対法の考え方を変えないまま京都メカニズムクレジットを事業者別排出係数に反映するということに対しては適切な措置とは思えない。電気事業者が京都メカニズムクレジットを取得した場合の努力が適正に評価されること自体は必要である。この点については、すでに環境自主行動計画においては京都メカニズムクレジットの取得分について政府の口座に無償移転すれば、目標未達成分として使用することが認められることを踏まえると、事業者の努力の可視化はすでに出来ていると考えられる。また、HP等で事業者が自主的に公表し国民の評価を得るという手段もあると思う。したがって、少なくとも温対法の排出係数に京都メカニズムクレジット取得分を反映させなければ努力を可視化できないのではないということを意見として追加したい。

  • 今回の取りまとめの内容については概ね了解。前回のWGで競争環境整備に係る議論において、今後の具体的検討スケジュール案についても取りまとめて頂きたいという発言があったが、安定供給及び環境適合の部分についても競争上昨今極めて重要な課題になっていることから、こちらについてもスケジュール案を示して頂きたい。

    安定供給確保について、取りまとめに当たって、前回の制度改正の議論に振り返って見直してみた。平成15年時の「今後の望ましい電気事業制度の骨格について」という報告書の中で、その当時から安定供給が重要な課題であったが、供給源の多様性の確保の中で分散型電源によるという言葉があり、その中で「分散型電源の位置付けは予期せぬ需給逼迫に対して短期的に対応可能な電源として供給力の確保に貢献するものである。」という記述がある。また、それ以外の内容として「既存の供給エリア内の電源を有効活用することも連系線の増強に加えて極めて重要である。」ということで近接電源の立地を促すインセンティブ制度も極めて重要。引き続き重要な制度と認識。この点も引き続き重要な論点であると確認したい。

    京都メカニズムクレジットと事業者別排出係数について、P24の事業者別の可視化について課題もあると思うが、温対法が意味していることは需要家の努力を促進することにある。したがって、需要家の努力が可視化されるべきである。

    P29の需要家の需要抑制インセンティブについて、3番目の矢印が「安定供給確保のため、」とあるが、省エネ・省COという観点からもこの論点は重要。

  • スケジュールについては、今後骨格答申が出た後に詳細制度設計となるが、その中で安定供給パート、供給計画をどうするか、報告頂く内容をどうするかが議論されることになり、その議論の結果を省令等に反映させる作業が進めばそれを踏まえて具体的な情報の確保、それに伴う資料のとりまとめになる。環境パートについては、実験的な取組ということであり、今回の制度改正後に都度その後の進捗を評価することになる。

    平成15年の議論と今回の議論について、今回取りまとめているのは様々な電源や近接した電源であるかを含めてエリア内でいかなる需要があり、いかなる電源があるのか出来るだけ幅広く把握して見える形にしていくことが趣旨であるので、ご意見を踏まえて対応していきたい。

    京都メカニズムクレジットの取扱に関しては、中環審・産構審の合同会議で個別具体的検討が行われている状況。

    需要を抑制するインセンティブについては、こうした取組はそれ以外の省エネその他にも資すると思うが、このWGの議論の対象範囲は安定供給の観点となるので、その点はそのような整理としている。

  • 前回平成15年の議論を反故にするということではなく、それ以降の状況の変化を踏まえて特に今回対応するものを整理している格好。様々な他の論点について怠る訳ではないと思う。

    今後の本資料(資料3)の扱いについて、本日頂いた意見等を、事務局において整理して頂き、必要に応じて資料を修正した上で、次回12月14日(金)の電気事業分科会に報告することとさせて頂きたい。事務局が修正した資料の確認については、私に一任頂きたいがいかがか。(一同了承)

  • 今後の進め方について、「参考1」にもあるとおり、12月と1月に電気事業分科会が開催され、本日を含めたこれまでの本WGの検討結果を受け、基本答申の審議が行われ、当該答申がパブリックコメントにかけられる予定。

    基本答申を踏まえた制度の詳細設計に係る今後の具体的な審議の進め方については、今後の電気事業分科会での審議等を踏まえ、座長と相談の上、追って連絡する予定。

以上
文責:事務局

 
 
最終更新日:2007年12月19日
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