経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会制度改革ワーキンググループ(第12回)-議事要旨

日時:平成20年5月12日(月)15:30~18:00
場所:経済産業省本館17階第1~3共用会議室

出席者

委員:
金本座長、鶴田委員、松村委員、山地委員、横山委員

オブザーバー:
川崎関西電力株式会社お客様本部料金企画グループ部長、菅野有限責任中間法人日本卸電力取引所理事長、白羽株式会社エネット取締役営業本部長、神宮司公正取引委員会事務総局経済取引局調整課長、西澤東京電力株式会社執行役員企画部長、松本東京ガス株式会社エネルギーソリューション本部副本部長、三村社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会監事

事務局:
西山電力・ガス事業部長、後藤電力・ガス事業部政策課長、片山電力市場整備課長、山口同課長補佐、田中同課長補佐、吉野電力基盤整備課長、生越電力需給政策企画室長

議事概要

開会

片山電力市場整備課長より、資料確認。

同時同量・インバランス制度の見直しについて

片山電力市場整備課長より、資料3に基づき説明。

その他

西澤オブザーバーより、資料4に基づき説明。

委員より以下の発言があった。

  • 今日は論点毎に進めていきたい。まず論点1「インバランス料金のあり方」について、意見をいただきたい。
     
  • 私はこのWGの最初の頃、運転予備力案を技術的に詰めていくと、どうしても変動範囲内インバランス料金が高くなる懸念があるので、今後できるだけ工夫をしていただきたいと申し上げていた。今回の案はいろいろと大胆に仮定を置くことで、一般電気事業者とPPSが同時同量のために要するコストを公平に負担するかたちに少しでも近づいたのではないか。また、結果として料金水準が高くならなかったことも評価できる。
     
  • インバランス料金がどうなるのかは、詳細制度設計の検討項目の中でも最大の関心事であったが、本日示されたシミュレーションによると、変動範囲外は下がり、変動範囲内はやや上がる結果となっている。資料中の平成18年度実績をもとにした試算では、変動範囲内外のインバランス合計負担額は最終的に下がるということで、我々の負担は軽減されることとなるが、PPSにとって不可避的に発生する変動範囲内が上がることには、若干複雑な思いがある。変動範囲外についてはシミュレーション通りであれば現状より低下するということで、水準そのものについては個々の事業者でとらえ方は異なるだろうが、少なくとも現状よりは変動範囲外のインバランスリスク低減により卸電力市場が活性化することを期待している。
     一点お願いをしたい。第8回のWGにおいて、託送に伴う余剰電力の買取料金が変動範囲内インバランス料金よりも相当に安いので、両者の差をより縮めてほしいと主張させていただいた。この件について、基本答申確定後に一部の電力会社が買取価格を引き上げる見直しをしており、この場を借りて御礼申し上げる。ただし、今回の料金見直しに対し、仮に変動範囲内料金が上がる一方で買取料金がそのままとなると、両者の差は現状より開くこととなる。PPSにとって、変動範囲内外合わせたインバランス料金負担は軽減しても、仮に余剰と不足での不整合が生じれば事実上の負担感はこれより増すことになり納得感が得られない。従って、託送供給約款を改定する時には、買取料金の水準も合わせて見直しを行うこととしていただきたい。
     
  • インバランス料金には様々な課題があると認識している。特に系統エリアのインバランスと、自社の発電用のインバランスの問題は仮想的な世界であるとはいえ、PPSとの負担の公平性を保つということがスタートだった。それを実現するために様々なシミュレーションを行ってきたことと思う。結論から言うと、神業的にシミュレーションされたという印象である。制約条件として、PPSの負担額が現状より重くならないこと、というものがあったが、PPS全体で約1億7千万円が軽減されることとなっており、PPSは満足されているのではないか。
     結論としてはこの案で良いと思っている。しかし、一般的には電気事業者はコストの低いところから電気を供給していくというメリットオーダー的な管理をしていると考えられる。運転予備力はメリットオーダーにおける劣位、つまり高コストが高い。そうなると、運転予備力案では変動範囲内のインバランス料金が上がる可能性があるのではないか、ということを申し上げてきた。その点から言えば、インバランス料金がこの額の範囲におさまったことは、PPSにとっては幸運。
     この運転予備力案の最も大きなポイントは、電源が特定できない点にある。今までのインバランス料金は全電源平均で、変動範囲外のところで限界コストに近い考えで割高に設定していた。今回、電源特定が不可能との前提のため全電源平均の考え方がメインとなり、そのX倍の変動範囲外も当然全電源平均である。現実に動かしていくにはこうならざるを得ないと思う。
     スポット価格の上限は変動範囲外インバランス料金に影響を受けると考えられ、その天井が30円程度になるのではないか。適切な資源配分という観点から多少懸念があるが、電源特定が不可能であることを認めれば、この案で仕方がないのではないか。大筋賛成である。
     
  • 現行の枠組みでは、電源特定というのはなかなか難しいということ。
    次に、論点2「裾切り制度のあり方」についてご意見をお願いしたい。
     
  • 資料3、18ページにおいて、10%上限設定が提案されていることについて。規模の小さいPPSがネットワークに与える影響が小さいことから裾切り制度を導入することとされた。他方、ネットワーク全体にかかる負荷が小さいにもかかわらず、ここで10%上限を設け、それを超えた場合は変動範囲外インバランスを徴収するというのは、論理的には整合していないのではないか。
     18ページの図を見ると、3%から10%という変動範囲について段階的な条件を設けて、3%から順次緩和していく内容となっている。従って、制度の呼称としては「変動範囲の緩和」とすべきであり、裾切り値を設けたことにはならないのでは。分科会において裾切り値という表現で報告がとりまとめられているので、詳細制度設計の段階で10%上限を設けるという形で制度内容に修正を加えることについては、電気事業分科会からの委任事項の範囲に入るかは疑問である。
     
  • 系統に与える影響に配慮することも、基本答申に含まれている。ただ、具体的にどのくらいで影響するかの数値を特定することは困難である。以前のWGでも議論となったが、例えば、一つの大きな発電所から小分けで契約をしている多数の小規模PPSが参入し、その電源が落ちてしまった場合は、当然影響があると言わざるを得ない。このようなケースを事前にどう特定していくか考えねばならないとされていたはずである。詳細制度設計をする際、系統影響についてボリュームで制度化することが難しかったために、ここではそれぞれのPPS毎に10%の上限を設けることで、同時同量のインセンティブ与える、要するに系統に与える影響を個々のPPSで抑制できる仕組みが良いのではないかと考えた。
     10%の理由については、前回の制度改革の際に基本料金を支払えば10%までは変動範囲外インバランスとはしないという仕組みがあったため参考にした。当時の10%は、ある意味、PPSにとっての同時同量のバッファーとして意識されていた数値だったのではないかと思っている。
     
  • 今の議論について、新規参入にはかなりイニシャルコストがかかるので、小さいPPSが多数出てくることはあまり想定できない。従って、そこまで考えて制度を作ると空振りになる可能性があるのではないかというのが個人的な意見。規模の小さいPPSに変動範囲外が無くなるという変更はかなり大きな変更となるため、10%上限を設けたものである。
     
  • 資料3、19ページに「平均的なPPSは、裾切り値制度が閾値である66.7MWを2年目で卒業」とあるが、「平均的な」の意味を知りたい。もしPPSの規模が左右対称の分布だとすると、平均的なPPSが卒業するということは約半数が卒業するということだと思うが、数の割合で言えば2年で卒業する割合はどれくらいになるのか。
     
  • 手元にデータはないが、PPSの数で言うと半数より少ない可能性はある。全く新しくPPS事業を開始する事業者だけではなく、既存のPPSが新しいエリアにPPS参入するものも1件としてカウントしている。また、PPSの参入が集中しているエリアとそうではないエリアがあるのも、影響しているのかもしれない。いずれにしろ、数がちょうど半分というわけではない。
     
  • 2年で平均的なPPSが卒業すると記すのは、少しミスリードになると思う。実質的には、卒業した数は半数を下回るはず。従って2年は相当短いという印象である。
     裾切り値を上限1000kWhとあるが、初めて制度を導入することを考えれば、大きい値だと言えなくはないが、諸外国に比べて突出して大きいわけではない。2年という期間で切らないところもある。10%上限を設定するのは十分意味のあることだが、このような工夫がされて相対的に系統への影響についてかなり配慮されていることを前提とすれば、2年はいかにも短い感じがする。わずか2年の免除で、本当に初期コストの低減や参入促進になるのかは疑念を持っている。しかし、これは初めて採用する制度であり、長い年数継続させる設定をして既得権益を与えたのにも関わらず、制度開始後に大きな問題が出てきたために急にそれを無くすようなことになると制度の安定性からも問題がある。従って、自由化拡大のタイミングを待たず、期間を短めに設定して当該期間経過後すぐに検証入るのは一つの作り方なのかと思う。
     その結果、系統安定性に悪影響が生じた場合はこの制度の継続を見直す必要があるかもしれないし、2年では不十分という状況が明らかになればすぐに見直せばよい。
     
  • 今の委員のご指摘は、新しい仕組みなので、最初は慎重にやること自体に反対はしないが、期間が短い以上、その効果の検証は早くできるのではないか。検証の結果、この仕組みが上手くいっているのか否か、全く空振りなのか分かるはずなので、その時にどうするのかを考えてもいいのではないか、ということと理解。
     資料3、21ページにあるのは、そもそも裾切りの仕組み自体をやめてしまうのかどうかの議論だと思う。定期的な検証については、基本方針に「定期的な検証の結果を踏まえて、改革した制度が期待通りに機能するよう、不断の見直しを行っていくことが必要である」と書いてあるが、ここを拡大解釈するのも問題であるが、現時点で何をどのように検証していくかは今後の検討課題。今の松村委員の意見を念頭において考えていくものと認識。
     
  • 実際にどのように検証したらよいかについてはなかなか難しい問題。制度自体の存続ではなくて、適用年数を見直すということは許されるのではないか。
     次に論点3「インバランスに係る収支等」についてご意見をお願いしたい。本日欠席しているご専門の大日方委員からは、特に指摘はないということであった。(意見無し)
    では、論点4についてご意見をお願いしたい。
     
  • 全般的に、発送配電一貫体制の一般電気事業者と、新規参入のPPSの両者が共存する複雑な枠組みの中でルールを作るという難しい作業をよくやっていている。求償ルールについても良く考えられていると思う。資料3の31ページの図も分かりやすい。
     資料4について。スポット取引は30分ごとのランダム・バーチャル紐付けであり、従って受領過多・求償漏れというのもバーチャルなものと理解。紐付けはランダムなのだから、何回か繰り返せば受領過多・求償漏れは均等化されていくのではないか。
     資料4中の「卸電力取引所内の私的自治の範疇において解決されるべきもの」という文章の意味するところが分りかねるものの、その点を考慮しなければ、スポット電源脱落分以外、スポット電源脱落分を区別するというエネ庁案のほうが電力案に比べて分かりやすい。
     また、スポット電源脱落分の料金請求についてはPPSをスルーする形になっている。ランダムに紐付けしているのだからエリアごとのマクロなインバランスとして扱って、直接一般電気事業者から取引所に請求する形とすれば手続きも簡略化されると思うが、それができない理由とは何か。
     
  • 現行託送制度を前提とすると、発電側で補給する関係にない。つまり取引所に電気を売るという関係には無いことから、一般電気事業者がPPSに対して補給をするという建て付けになる。
     
  • それは理解できるが、結局は同じことなのでまとめて代行するなどの制度は考えられないのか。
     
  • 現在の仕組みを前提とする限り、それは難しい。本案もギリギリ現行制度の範疇という認識。
     
  • 我々は現在の託送制度を変えるつもりは無い。一般電気事業者とPPSとの関係で行うものであって、PPSが一義的に責任を負うもの。PPSと発電事業者の間は私的契約の世界であり、託送制度において細部まで決まっているものではない。あくまでも、PPSに供給責任を持ってもらった上で託送契約を結ぶ。このような制度の下で、発電事業者との間に生じる債務不履行的な事態への対応を行うべきで、一般電気事業者としてはインバランスの3%内外という考え方は守るべきであると考える。
     
  • 山地委員が言っていたのは、エリア単位でスポット電源脱落に起因するインバランスを一括して取引所で精算するということ。これに対して、今の制度を前提とするとそのような選択肢はないという回答があった。また基本答申においても現行託送制度を変えるということにはなっていないので、従って詳細制度設計の範囲でも無いと理解している。
     しかし、今の山地委員の発言は非常に重要で、複雑な仕組みを取らざるを得ない制度にいつまでも固執するのか、という問題がある。今回の改革では無理だと思うが、将来検討する際の重要な選択肢として考えて頂きたい。また、このシンプルなやり方と比べて2つの案がどう違うのか見ていくことが可能ではないか。
     資料4でいわれている「卸電力取引所内の私的自治の範疇において解決されるべきもの」の意味について確認したい。「私的自治」であるから、どちらの案を採るかは取引所が決めるべきであってWGで決めるべきではないということなのか、もしくはどちらの案をとるかWGで議論することは許す、という意味か。
     
  • WGからの示唆等は大いに参考とすべきと思うが、基本的には取引所で決定すべき、という意味である。
     
  • そうだとすると、WGとしての1つの案を出すべきかどうかの是非が問われているわけであり、この点についてまず議論すべきではないのか。
     
  • 取引ルールについて、最後は取引所で意思決定をしていただく必要はある。これが私的自治の範疇ということだろう。他方、3月10日の分科会においてWGで検討すべき事項として決められた中に、取引ルールの改善についての具体的な仕組みもあがっていた。WGで議論を行い一定の結論を出すことが、分科会からWGに対して期待されていることであり、つまりそれ自体を否定するものではないと事務局としては考えている。
     
  • 本件について議論することとなった発端は、分科会におけるプレゼンにおいて発電事業者が取引所求償ルールの見直しを訴えたことを受けたものと理解。それまでに取引所の私的自治で改善できなかったからこそ、発電事業者から問題提起があったのだろう。つまり、私的自治の中で解決できなかったからこそWGの議題としてあがっているわけであり、最終的には取引所で意思決定をする必要はあるが、案を提示することもWGのミッションであると考える。
     また、エネ庁案・電力案とも、現行の託送制度が前提とはなっているものの、託送制度に対してエネ庁案が中立的かどうかというのが争点となっている。電力は、エネ庁案は系統利用ルールに踏み込んだものとの判断をしており、一方で事務局は中立的であると言っている。
     従って、内容に入る前に、私的自治の世界で解決できるのかということ、系統利用ルールに対してエネ庁案が中立的か否かという2点に決着を付けなければ、前進しないように思われる。
     
  • エネ庁案について技術的な観点から質問したい。取引所で取引する電気と、自社電源や相対取引で調達する電源で、3%同時同量を達成するインセンティブに違いが出るのではないか。スポット市場が大きくなった状況を仮定した場合、同じ量のインバランスが発生しても、PPSにとってスポットから調達したものと相対で調達したものでは、価値が異なるのではないか。
     
  • そこが一番難しいところと認識している。取引所のスポット取引量がどれくらい大きくなるとご懸念のような状況になるのかということについては、昨年のWGでの議論では常時バックアップの移行について議論した際に、十分な量として5倍程度というような話もあったが、その程度であれば、委員がご懸念されるような状況にはならないだろう。しかし、理論的に発生しうることは否めない。現行制度の中で工夫しようとするとそのような問題は発生せざるを得ないと考えている。
     ただ、電力案でも同じような事象は生じうるものと考えている。基本的な考え方は同じで、それをどこで解決するかが異なっているだけであって、従って解決される事項も一緒であれば問題となりうる事項も同じように出てくるのではないかと考えている。
     例えば、エネ庁案でスポット電源が10MW脱落した場合に、PPSが自社電源で焚き増しをすると発電事業者からは10MW分の求償額をもらえるが、一般電気事業者への支払いが発生せずに自社の焚き増し費用との相殺となる。委員がご指摘されたように求償額が非常に小さくなるような状況まで取引が活性化すれば別かもしれないが、このような意味では同時同量を達成するインセンティブは措置されているものと考えている。
     インバランス支払額と求償額との差額を全て積み立てる電力案では、例えばこの額を触ると、同時同量を達成したが求償額のうち実際の支払額との差額は積み立てることにならざるを得ず、そこにどういう風に踏み込んでいくかを詰めていくと、電力案の詳細がわからないとにわかには言えないものの、基本的インセンティブの構造は同じような形にならざるを得ないのではないかと考える。
     
  • 電力案では、契約電力とスポット取引量の大小関係によって積立か還元かが決まる。スポット取引が発展していくと積立収支は赤字に向かうのではないか。その赤字は取引所が被ることになり、結果として取引手数料が上がるもしくは手数料の引き下げが阻害されて、取引を阻害することになるのではないか。
     
  • はじめにエネ庁案と電力案の違いについて。我々としては大きな違いがあると思っている。託送制度に関する中立性について、電力案は現行制度の延長できっちり処理されるのに対して、エネ庁案はPPSのインバランスをスポット電源脱落分とそれ以外に分けているという点で大きな違いがある。
     今の委員の指摘について、取引のボリュームによって収支が変わってくるのはそのとおり。しかし、ずっとこの仕組みでなければならないということではなく、そもそも現在の求償ルール下で、発電事業者が過多に損失を被る状況を是正しようというもの。状況が変わってくれば、見直しするのは取引の中での必然事項であり、そうであるべきと考える。
     質問だが、エネ庁案の説明の中で、PPSに一般電気事業者が供給するという説明であったが、これは電力会社がPPSに卸相対として現物のKW/KWhを提供する契約を結ぶ仕組みと理解した。そうすると、通常の卸相対取引で電力を確保するということは固定費部分が当然発生してくる。従って、現行インバランスのような処理というのは費用回収の面で料金設定上難しいのではないかと考える。PPSが30分同時同量を維持する中で不可避的に発生する不足について電力が補給するものとして現在のインバランス料金は設定されている。これ以外に新たにあらかじめ補給にかかる契約をするとなると、契約の考え方が変わってくると思う。この点についての考え方はどのようになるのか。
     
  • エネ庁案は、スポット電源脱落分とスポット電源脱落分以外のインバランス料金を一致させない限り、きれいな仕組みとして整理しないことから、端的に言うと二者を一致させた形で契約を結んでいただくことを一般電気事業者にお願いする案となっている。
     電力案において「受領過多」という概念がでてくるが、買い手が一般電気事業者の場合にこれはどうなるのかお聞きしたい。
     
  • このルールは取引所会員にあまねく適用されることになると考えられるため、まだ詳細を議論したわけではないが、個人的には一般電気事業者だけが適用対象外になることはないと考えている。このことも含め今後の検討課題である。
     
  • インバランスの売り手側リスク回避について検討頂きありがたい。買い手の事業リスクを高めないための措置については、松村委員発言のように現行制度下でやるということに無理があると感じる。長い目で先々についてよろしく検討していただきたいと思う。
     
  • 買い手側の求償漏れという問題について、エネ庁も電力も真剣に検討いただきありがたいと考えている。
     電力案について。積立収支が赤字になった場合や、エリアを跨いだ取引の清算はどのようになるのか。また、取引所にPPSのインバランスに関するエビデンス情報の提供をする必要が新たに生じるのか、など様々なことが考えられる。積み立てと還元のバランスについての予見性が困難、また情報管理の観点からも懸念がある。また複雑な仕組みとなってしまい、取引所内での関係者間調整に時間を要してうまく進行していかないことも懸念。PPSのインバランスは発電側・需要側の複数の要因が複合して生じるもの。電力案ではスポット取引以外に起因するインバランスを特定して求償額との差分を積み立てる形となっているために、系統からの請求と取引所への求償の整合性に問題があるのではないかと思っている。また、同時同量インセンティブが適切に付与される仕組みとなっているのか、その仕組みの合理性についてもあわせて懸念しているところ。
     一方、エネ庁案は個々のPPSのインバランス実績とリンクさせて、2者間でやり取りが完結するため非常にシンプル。PPSと電力会社との間での契約が整えば比較的速やかに実施可能と思われる。
     買い手リスクに係る懸念等を踏まえて考えると、エネ庁案のほうが望ましいのではないか。詳細についてはこれからということだが、広く検討していただければと思う。
     
  • 理解が浅いので極めてシンプルに考えたが、エネ庁案は、同時同量を維持するというインセンティブについて、求償制度を通じて変な歪みが生じないようにスポット電源脱落分を分け、スポット電源以外のものについてインバランス料金請求をたてるわけなので、この方がインセンティブには影響を与えないと思う。バーチャルではあるが理解できる判断である。
     一方、電力案の詳細については理解をしきれていないところではあるが、なぜエネ庁案では駄目なのかという理由について不明。内容は一種のプール制度と見受けられる。プール制度は競争制限的に働く可能性のある制度であることから、仮に導入する際は慎重に配慮する必要がある。
     到達目的から見れば同時同量インセンティブに影響を与えないエネ庁案が適当ではないか。
     
  • エネ庁案と電力案でどの程度同じなのかというと、電力案ではPPSと一般で記事業者の関係が書かれていない。これを踏まえると、私の理解では、エネ庁案では一般電気事業者がインバランス料金を請求するときに、計算の仕方が変わるので今までよりも安くなる。一方、電力案は安くしないことを前提に作られている。また取引所内にインバランス請求額と求償額の差額をプールする仕組みは、売り手側の求償額は軽減されることを踏まえると、全体をならすと赤字になるのではないか。
     
  • 料金を高くするとか低くするということではない。あくまでもインバランスは一般電気事業者とPPSとの関係で処理されるものであり、その現行制度に対する変更は無いため、資料4の図中ではその辺りの記載が省かれているが、発電事業者の求償額を、母数を大きくすることにより小さくすると、PPSにしわ寄せがいく例がありえるということを示したもの。スポット取引の状況にもよるが、我々の見立てでは積立は増える方向に行く。そもそも求償ルールは、売り手と買い手のプラスマイナスが必ず合致しなければならないというものではない。関係者間で納得のいくルールを決めるというのが出発点。
     エネ庁案については、当該案によりインバランス料金が安くなるということ自体がおかしな事象を招くのではないかという点を問題視している。PPSのスポットからの調達比率の程度や、エリア分断がされた場合には母数も変わってくる、こういった点がそもそものインバランス料金の考え方と整合しないのではないか。
     
  • 電力案の魅力的な点は、プールを介した売り手と買い手のリバランスにあると思っている。シンプルイズベストという観点から見ると、電力案の資料4はわかりにくい。希望を言えば、エネ庁案のように全プレーヤーが示された比較しやすい図を作って頂ければと思う。
     スポット電源脱落分について一般電気事業者が補給を行うというエネ庁案はシンプルで分かりやすいと思うが、常時バックアップに似ているのではないか。常時バックアップについては、以前適正取引WGで議論したようにいつまでも存続させられないだろうということであったが、現在のPPSの事業環境を見ると継続せざるを得ないように感じる。しかし、常時バックアップと似た仕組みが電源脱落をフォローする仕組みとして導入されることにやや抵抗感がある。これまでの常時バックアップの取引所取引移行に関する議論を踏まえると、仮にエネ庁の考え方が採用されるのであれば、常時バックアップとは異なる制度であるとどこかで明示しなければならないのでは。一つの案としては適正取引ガイドラインに記述することが考えられるが、この点についてどのようにお考えか。
     
  • 我々は今回のエネ庁案について、常時バックアップとは本質的に位置付けが異なると考えている。市場化というのも困難と考えており、卸供給契約としてうまく処理をすることにより対応したい。託送制度下での供給かつ常時バックアップとも異なる位置付けを与えなければならないという点が辛いというのは承知しているが、本質的に制度を接合するのは難しいというのが検討の出発点。解決したいと考えている事項は、電力側が考えていることとなんら変わらないと認識。
     
  • エネ庁案は常時バックアップとは全く関係ないと理解している。
     先ほど電力オブザーバーが予想もしないことを言われたので驚いており、確認したいことがある。一般電気事業者がこの枠組みに入る場合、一般電気事業者の契約電力は非常に大きいことから、相当スポット市場が発達しない限りはほぼ確実に受領過多となり、ファンドに積み立てを行うことになる。一方、自助努力でインバランスを調整した場合には積み立てをしない。PPSと同じ立場でやるということはインバランスの買い手として一般電気事業者が明確に位置付けられることになるのでは。インバランスの買い手として明確に位置付けた上で、実同時同量を行っていて、なおかつPPSシェアがこれだけ小さい状況であれば、実同時同量をすれば必然的に30分同時同量を満たすことになるから、自助努力によってすでに対応済みである、したがってファンドに積立はしないというようなごまかしでおっしゃったのでは決してないと思っている。
     30分同時同量に対応する部分と系統管理とをきちんと峻別して位置づけ、30分同時同量の範囲で対応したところについてはファンドに入れないが、そうでないところについてはファンドに入れるというように一般電気事業者が明確にインバランスの買い手として位置付けられるものと理解。
     インバランスと系統管理とを上手く分けられるのであるとすると、そんなことは決してできないという前提で今まで議論されていたのだから、この制度の導入により、どのようにインバランスと系統管理とを分けるのかという点において、ヒントを得られるとするのならば、長期的には非常に素晴らしい制度ではないかと思う。しかし、この考えはどうも誤解のような気もするが、いかがか。
     
  • 今のご発言については、誤解であると思われるが、一般電気事業者は瞬時瞬時の同時同量を達成しておりインバランスは発生していないというのは何度か申し上げてきたことである。なんとかこの求償に係る問題を解決しようとするときに、取引所のルールの中で、一般電気事業者だけが対象外というので済むのか、この点についてバランスを気にしたのであって、取引所のルールとして割り切った中でやると申し上げたつもり。従って 「インバランスの買い手」となるといったような制度上の考え方を変えるということではない。
     
  • 電力オブザーバーの説明では、一般電気事業者は買い手の方としても当然出てくるし、もちろん売り手としても出てくるとのこと。一方、エネ庁案を説明する資料3の31ページの図では一方的な売り手としてのみ一般電気事業者が記載されている。つまり電力案では、本質的には売り手と買い手が分かれているということと理解してよいか。
     
  • インバランスを売っている・買っているという明確な概念の中で整理することはできないと思っている。
     従来の立場でいうと、一般電気事業者が瞬時瞬時の同時同量を行っている中で、PPSについては30分同時同量をお願いしており、それが達成されない場合はインバランスにより対応している。今回の提案は取引所ルールという枠組みの中で、特別に対応する考え方ということで捉えていただければありがたい。ただ、今回示した案も一例であり、母数をどうするか等の具体案について詳細に議論しているわけではないという段階だが、制度そのものについては今までの枠組みをしっかり守った上で、その前提に立った上での議論をさせていただければと思う。
     
  • 電力案について。受領過多になるか求償漏れになるかは、契約電力とスポット市場の大きさとの関係だけで決まる。今後、スポット市場が拡大すると皆が求償漏れということになってしまうのではないか。そうするとプールして調整ということもできずバランスが取れないのではないか。
     
  • 様々なアイデアのうちの一つ。そもそも母数を増やすのは、発電事業者のリスクを低減させることを目的としたもの。
     今の託送制度をガラガラと変えるつもりはない。この点についてはエネ庁も同じ考えであるはず。
     3%同時同量ルールを変えない前提で、スポット電源脱落分を求償するとしたらこうした積み立てなどを考えなくてはならないが、一方でエネ庁案は3%の枠を広げようとする点が大きな違いである。我々は今の3%を変えなくて良いと思っており、この前提で発電事業者やPPSの負担を、これは債務不履行と思っているが、これをどうならすか知恵を出したのが電力案である。制度を変えるのではなく、取引所の様々なやり取りの中で何とかならないかと思い考えたもの。
     
  • エネ庁の案は3%の変動範囲内を事実上拡大しているのではないかという指摘であるが、取引所のスポットの電源脱落については今のインバランス精算と違う建て付けで整理できないか、つまり今の託送制度の外に置くという建て付けにできないか、そう整理しないとシンプルなルールはできないのではないか、というところから来ているもの。別に変動範囲内を引き上げるつもりで言っているのではなく、スポット取引量が何十倍と大きくなれば別であるが、そこに至るまでは求償額は変動範囲内インバランス料金と比べて相当程度高いものになるのは間違いない。そういう意味では、同時同量を達成しなければ、もらった求償額をそのまま一般電気事業者に払うことになるが、そこでPPSが同時同量を達成すれば求償額は入ってくる一方で一般電気事業者への支払額が少なくて済むかもしれない。この点で、同時同量のインセンティブがあるのではないかと思っている。もちろんスポット市場が大きくなれば、そのインセンティブが極端に縮小するリスクがあるのではないかという意味において、未来永劫これで完結すると胸を張って言えないところはあるが、我々としてはスポット市場が拡大することは望ましいが、5年後の再検討の時までそういう状況になるとは想定できない。少なくともしばらくは維持可能な仕組みであると思っている。
     そういう意味で、変動範囲内の3%という閾値を事実上拡大することでPPSの同時同量のインセンティブを低下させる仕組みであるとの烙印を押されるほど酷くはないのではないか。苦心の策の建て付けであることは認めつつも、そのような思いである。
     
  • まだ詰め切れていないところもあるが、本日の議論を整理したい。
     論点4以外についてはご了承をいただいたものと認識。進めていただきたい。
     論点4について。発電事業者が支払う求償額とインバランス料金の差が大きくなることを軽減する方向性については、エネ庁案と電力案も同じと解釈している。エリアにおける総約定量を母数にするという点も同じ。
     さらにPPSも求償漏れで損をしない仕組みとすることについても同じであると捉えているが、電力案とエネ庁案では、一般電気事業者が求償額をエリアベースで請求をする仕組みといったことで具体的な違いはある。エネ庁案・電力案のどちらがいいのか、もしくは第3の案がいいのかについては関係者で議論を行って、適切な案を作っていただきたい。取引所に任せるべきか否かという問題については、WGで方向性を示した上で取引所に任せることが理想である。従って次回または次次回に取りまとめできるように協力をお願いしたい。
     
  • 次回は、5月22日(木)13:00から開催。テーマは安定供給の確保・電力分野の環境適合。本日の積み残し論点についても事務局と関係者で議論の上、場合によってはWGで再検討いただきたいと考えている。

以上
文責:事務局

 
 
最終更新日:2008年5月20日
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