経済産業省
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産業構造審議会割賦販売分科会・消費経済部会合同会合(第1回)‐議事録

開会

安井消費経済政策課長
それでは、定刻が参りました。ただいまから産業構造審議会割賦販売分科会・消費経済部会の合同会合を開催させていただきたいと思います。
私は、経済産業省で消費経済政策課長を拝命しております安井と申します。後ほど行いいます部会長・分科会長の選任の確認手続が終わるまでの間、暫時議事を進行させていただきたいと存じます。
まず、お手元の資料の御確認をお願いしたいと思います。1枚目の席順の次に「配布資料一覧」がついてございますが、その後ろに、それぞれ資料1から7までつけさせていただいております。資料の不足その他がございましたら、事務局にお申しつけをいただければと存じます。

委員の紹介

安井消費経済政策課長
それでは、議事に入ります前に、委員の方々を御紹介させていただきたいと思います。あいうえお順になります。
まず、一番最初に青山委員でございます。続きまして、池本委員でございます。続きまして、大河内委員でございます。長見委員であります。久保田委員でいらっしゃいます。篠原委員の代理の佐藤委員であります。前川委員でございます。堀部委員でいらっしゃいます。山本委員であります。

割賦販売分科会長・消費経済部会長の選任について

安井消費経済政策課長
あらかじめ松本委員にはこちらに御着席いただいているわけでございますが、これまで割賦販売分科会長及び消費経済部会長を務めておられました学習院大学の野村先生がこのたび御退任されました関係で、後任の会長として、事前に各委員に御相談申し上げて、松本委員にお願いをするということで書面にて御了解をいただいておるわけでございますが、本件について特段の御発言等がございますでしょうか。
特段の御意見もないようでございますので、事前に御了解をいただきましたとおり、松本委員に割賦販売分科会長並びに消費経済部会長に就任いただくということが確認されました。
ついては、この後の議事進行につきましては、松本会長にお願いを申し上げたいと存じます。

松本会長
ただいま割賦販売分科会長及び消費経済部会長に選任されました松本でございます。
経済産業省の消費者政策においては、産業構造審議会の2つの部会に対する期待がますます高まっているところでございます。委員の皆様と御一緒にこの職務を務めさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、議事に入ります前に、事務局である経済産業省の松井商務流通審議官から一言ごあいさつをいただきたいと思います。

松井商務流通審議官
商務流通審議官の松井でございます。今回は、お忙しいところお集まりいただきまして、本当にありがとうございます。
皆様御案内のとおり、昨今、我々の消費生活を脅かす事故・トラブルが多発しております。一般に我々が使っております製品、あるいは我々が行っております取引、こういうものをめぐって事故・トラブルが多発して、我々の生活が脅かされているわけでございます。
まず製品につきましては、昨年、パロマの事件ですとかシュレッダーの事件がございまして、製品事故が急増してございます。このように製品事故がふえました背景は幾つかあると思います。1つは、まずメーカーが機能を高くする、あるいは価格を下げる、こういう面にばかり着目をして、日本のものづくりの伝統的な長所であります安全の確保、この辺に関する視点が相当薄れてきたのではないかというのが1点目でございます。2点目は、やはり規制緩和の流れの中で、行政の方も安全に対する感度が鈍ってきた、こういうことだと思います。3点目は、機器をお使いになる消費者の方々がフェールセーフ設計など機器の安全性になれてしまって、みずからの安全はみずから守るという自覚が薄れてきた、こういうことも否めないと思います。
そういう事態を踏まえまして、昨年、消費生活用製品安全法の改正が行われました。これは、メーカーの方々に事故を知った場合には国に報告することを義務づけております。国は、報告を受理したならば、速やかにその情報を一般消費者に公表して、次の事故を防ぐための注意喚起を行います。さらに製品の欠陥等々の問題であるならば、すぐ対応策をとって再発防止に努める、これらが骨格でございます。さらに、メーカーだけではなくて流通業者、修理業者、設置業者もこのような取り組みに協力をしていくという形で、日本の事業者が全員で製品安全に協力をして、日本の製品安全レベルを上げていこうという趣旨の法改正でございました。今、施行に向けてさまざまな準備をしているところでございます。その法改正の内容につきまして、今日皆様方に御報告をしたいと思っております。
いずれにいたしましても、安全な製品をつくる企業が高く評価されるような社会にしていかなくてはいけないと思います。行政も、産業振興のみならず安全面を産業振興と同等の高い価値として、この政策に全力を挙げて取り組んでいく必要があると思います。それから、消費者もみずからの安全をみずから守る、こういう自覚を再確認する必要があります。全員で三位一体となって日本の安全文化を定着させるように努力をしていきたいと思っております。
次に、今回御審議をお願いする件でありますが、特定商取引法と割賦販売法に関する事項でございます。今、特定商取引法に関するトラブル情報は、国民生活センターのパイオネットによりますと年間約80万件ほどございます。中でも高齢者の方をねらい撃ちしたトラブルがふえてきております。我々も都道府県等々と連携して一生懸命摘発に努めております。頑張って、ようやく年間80件処分をしたところでございますけれども、まだまだ足らないということで、新たなシステムが必要な状況になっております。
この訪問販売等のトラブルは、基本的には割賦販売になっているというところがございます。訪問販売等を行って、その場で現金決済をすれば、普通お手持ちの現金がそんなに多い方もないと思いますし、現金であればそれほど高額なトラブルはないわけでございますけれども、割賦販売だからということで高額な取引を錯誤のもとに行ってしまって、後でトラブルになる、こういうケースでございますので、この特定商取引法の問題というのは割賦販売法の問題と表裏の関係がある、こういうことで両審議会の皆様に一堂に会して合同で御審議をいただきたいという次第でございます。
特定商取引法の分野につきましては、もう既に検討すべき課題として、団体訴権の話ですとか指定商品制の問題ですとか、一定の課題は明確になっております。さらには、最近はインターネットのオークションをめぐる取引でトラブルが増えてきております。このような問題を中心に、さらにどのような対応策があるのか御検討をいただきたいと思っております。
それから、割賦販売法の問題につきましては、今申し上げましたように、訪問販売とか電話勧誘等の裏についているわけでございますので、与信をどのような形で適正化していくかというようなこと、あるいは与信を行うときにいかに信用情報機関の情報をきちんとチェックした上でやっていくか等の取り組みが中心だと思います。
いずれにいたしましても、課題はたくさんございます。さまざまな対応策があると思います。ぜひ皆様方からお知恵を拝借して、このようなトラブルを少しでも減少させて、安心して暮らせる社会が実現できるように最大限の努力をしたいと思っておりますので、どうぞ御審議のほどよろしくお願いをいたします。

松本会長
ありがとうございました。
続きまして、本審議会における議事録及び配布資料の取り扱いについてお諮りしたいと思います。
平成7年9月の閣議決定におきまして、審議会の透明化及び見直しが決定されており、審議会やそれに準ずる懇談会等の運営状況等はできるだけ公開することが求められております。
したがいまして、本審議会につきましても、一般の方の傍聴を認めるとともに、議事要旨、議事録及び配布資料を後日公開することが適当かと考えます。ただし、配布資料等の中で個人情報や個別企業のデータを含むもの等があった場合には、非公開とすることもあり得ると思います。各配布資料等の公開の是非や議事要旨の作成につきましては、私と事務局に一任いただければと考えます。この点、いかがでしょうか。御異論ございませんでしょうか。
それでは、そのようにさせていただきます。

報告

(1)資料の視点に立った製品安全の確保策について

松本会長
それでは、次の議題に移りたいと思います。
本日は、近時の経済産業省の消費者行政の取り組み状況について事務局から報告をしていただいた後に、委員の皆様に御議論いただきたいと思います。
お手元の資料1に、本日御議論いただく内容が3点記載されております。「消費者の視点に立った製品安全の確保策について」、「特定商取引に関する現状及び今後の主な課題について」、3つ目が「クレジット取引に係る課題と論点整理について」となっております。
それでは、まず初めに、第1の「消費者の視点に立った製品安全の確保策について」に入ります。本件は、昨年4回開催されました製品安全小委員会での議論により取りまとめられました事案についての報告でございます。
それでは、渡邊製品安全課長より御説明をお願いいたします。

渡邊製品安全課長
渡邊でございます。このたび、小型瞬間湯沸かし器の事故につきまして、国民の皆様方、消費者の皆様方に本当に不安を与えてしまいまして、この場をかりまして改めておわび申し上げたいと思います。
それでは、資料4でございます。「消費者の視点に立った製品安全の確保を目指して」ということで、製品安全小委員会で御議論いただきました内容について御紹介をさせていただきたいと思います。
全体で大きく5つの部から成っております。「はじめに」が1番目、2番目が報告義務について、3番目が事故情報の公表について、4番目が再発防止について、5番目がその他、こういうことでございます。
それでは、1枚おめくりいただきまして、最初の「はじめに」というところでございます。冒頭書いてございますように、国民の真の豊かさの実現には、消費者の安全・安心の確保が必要不可欠であります。そのためには、消費生活用製品に関連いたします事業者、行政機関、消費者自身のそれぞれが、みずから果たすべき責任、役割を自覚して、製品安全の向上に向けた持続的な行動を自律的にとっていただくことが重要だ、このような形で御審議をいただいたわけでございます。
少し飛びますが、5段落目、かかる社会的枠組みのもと、特に製品安全に前向きな事業者が消費者からの御支持を受けて一層業績を向上させ、その結果、サービス、付加価値を創造するという好循環を生んでいく、こういう形で、事業者が製品安全に対して継続的かつ前向きに取り組んでいくインセンティブをビルトインした製品安全文化の価値観の醸成が必要ではないかという御審議をいただきました。
次の4ページをごらんください。大きな2番目、事故報告の義務化でございます。まずは、関係各主体の事故情報収集に関する基本的な責務でございます。昨年12月6日に公布をいただきました改正消費生活用製品安全法におきましては、製造事業者、輸入事業者、販売、修理、設置事業者それぞれにつきまして、それぞれがかかわった製品に係る事故について、その情報収集を積極的に行い、消費者に対して適切に情報提供を行うよう努力すべきだということを御審議いただいたわけでございます。
また、次の(2)でございますが、5ページでございます。報告義務者としましては誰になるかということでございますが、(1)製造事業者または輸入事業者、この5行目でございますが、みずから製造・輸入した製品に係る事故情報を知ったときは、その情報を国に報告することを義務化すべきである、こういう御審議をいただきました。
(4)でございますが、消費者と直接的に接する立場にあります事業者である小売販売事業者、修理事業者にありましては、事故の発生を知った際には、その旨を製造事業者、輸入事業者に通知するよう努力すべきではないか、こういう御審議をいただいたわけでございます。
次の6ページをごらんください。こうした報告義務及び関係事業者の努力義務の対象となる製品として、中ほど(3)報告義務の対象となる製品ということでございますが、特にほかの法令により個別に規制をされているもの、自動車、化粧品、医薬品などを除いた消費生活用製品を広く対象とするということで御審議をいただきました。
(2)でございますが、対象となる製品をポジティブリストアップする方式では対応が不完全になるおそれが高いということで、対象外の製品を除いたネガティブリスト方式ということにすべきではないかとのお考えを御審議いただいたわけでございます。
7ページでございます。(4)行政庁に報告すべき事故の範囲でございます。4行目の報告すべき事故の範囲については、重大製品事故とするという旨が改正消費生活用製品安全法では規定されておるわけでございますが、具体的には、a)死亡、重傷、身体欠損、一酸化炭素中毒。b)火災、特に各消防本部が火災として認定したものであって、製造事業者または輸入事業者がその事実を覚知したものという形で御審議をいただいたわけでございます。
また、これらの報告をいただく際に、その期限などについてでございますが、(5)の(1)でございます。製造事業者または輸入事業者は、事故を知った日を起算日といたしますが、その10日以内に行政庁へ事故報告を行うべきである、このように御審議をいただいたわけでございます。
8ページでございます。(6)製品の欠陥によって生じたものでないことが明らかな事故と書いてございます。これにつきましては、(1)でございますが、製品の欠陥によって生じたものではないことが明白な事故につきましては、今回の事故報告義務化の対象からは除外する旨、改正消費生活用製品安全法に規定されたわけでございます。
具体的な内容といたしましては、自動的に対象外とすべきものとして、故意に人体に危害を加えたり、あるいは製品自体は健全に機能しているものの製品外の事故が生じたような場合、このような御審議をいただいたわけでございます。
また、個別に判断を要するものといたしまして、例えば天ぷら鍋を自動消火装置のついていないこんろにかけたままその場を離れた場合に発生した火災事故といったものは、報告の義務の対象外にすべきではないかといったような、こうした個別に判断を要する場合が、やはり消費者の目的外使用とか重過失の場合にはあるだろう、このような御審議をいただいたわけでございます。
下の方の(2)でございますが、(b)に該当して、報告を要しない事故事例につきましては、経済産業省のホームページで今後順次公開し、事例の蓄積を図りながら安定的な制度運用に努めるべきではないか、このような御審議をいただいたわけでございます。
いずれにいたしましても、(3)でございますが、個別に判断を要する事例につきましては、事故報告をすべき事故であるか否か判断に迷う場合が少なからずあるわけでございますが、消費者保護の観点からは、とにかく可能な限り幅広く行政庁に報告することが望ましい、こういう御審議をいただきました。
9ページの中ほど、大きな柱の3番目、事故情報の公表でございます。具体的な公表方法でございますが、10ページをごらんください。第1段階と第2段階の2つの公表に分かれておりますが、第1段階の公表につきましては、まずは、御報告をいただいたところで1週間以内に事故報告の概要をホームページで公表いたします。
また、b)でございますが、報告を受けた事故情報を分析し、一般消費者の生命、身体に対する重大な危害の発生、拡大を防止するため必要があると認めますときは、国は製造事業者、輸入事業者に対して再発防止の対応を求め、事業者の名前、製品の機種、型式名、再発防止策などについてホームページで公表するとともに、記者発表を行うようにすべきではないか、このような御審議をいただきました。
また(3)、下の方でございますが、改正消費生活用製品安全法では、製造事業者、輸入事業者が報告の義務を怠ったり、あるいは虚偽の報告をした場合におきましては、消費生活用製品の安全性を確保するために必要があると認められるときは、国は、当該製造あるいは輸入事業者に対しまして、社内の体制をきちんと整備して、報告を怠けたり虚偽の報告をしないようにすべきだという社内の体制整備命令を発することができる旨規定されているわけでございます。
11ページの4.でございます。再発防止に関する責務でございます。製造・輸入事業者は、みずからが製造・輸入した製品に係る事故が生じた場合には、その製品の回収その他の措置をとるよう努めるべき旨、改正消費生活用製品安全法において規定をされているわけでございます。
また、販売事業者において、そうした回収努力に協力するよう規定をされているわけでございます。
また、(3)でございます。製造事業者などが倒産あるいは廃業となっている場合においては、経産省あるいは独立行政法人製品評価技術基盤機構が製品の危険性に関する情報を消費者に周知して、消費者の方々が危険を回避できるようにすべきではないか、このような御審議もいただきました。
最後の5.でございます。(1)任意の製品事故報告制度でございます。事故報告の義務対象から除外される製品事故につきましては、引き続き独立行政法人製品評価技術基盤機構におけます任意の報告制度を通じて幅広く把握をすべきである、このような御審議をいただいたわけでございます。
(2)でございます。製品安全に関する自主行動指針についてでございます。法律に規定をされた義務だけではなくて、やはり自主的な行動を促進していくということで、12ページでございますが、自主的な行動メカニズムを構築するために、まず国が自主行動指針を示し、その指針に示された内容に沿って、あるいは参考にして、各事業者が自主行動計画の策定を促進すべきではないか、このように御審議いただいた次第でございます。
また、12ページの上の方の(2)でございますが、こうした形で製品安全に対して前向きに取り組み、高く消費者から評価されている事業者を表彰する制度を検討してはどうかとの御審議もいただきました。
(3)でございます。中小企業者への配慮ということで、やはり一生懸命やろうという気持ちがありながらも資力が足りないという中小企業者への保険制度の活用、あるいは既存の中小企業融資制度の活用などについても御審議をいただいたわけでございます。
最後、13ページ一番下の(6)でございます。製品安全文化の定着というところでございます。冒頭にも申し上げましたが、一番最後の2行、消費生活の安全・安心が経済社会における重要な価値として位置づけられる。そうした製品安全文化を経済社会全体に定着させていくために、事業者、国、消費者、関係者が一体となって取り組んでいくべきではないか、こうした御審議をいただいたわけでございます。
大変はしょった説明で恐縮でございますが、以上でございます。

松本会長
ありがとうございました。
なお、御意見、御質問等につきましては、残りの2つの報告を事務局から伺ってから、一括して議論していただきたいと思います。

(2)特定商取引に関する現状及び今後の主な課題について

松本会長
それでは、続きまして「特定商取引に関する現状及び今後の主な課題について」、安井消費経済政策課長より御説明をお願いいたします。

安井消費経済政策課長
お手元の資料5をお願いいたします。特定商取引法につきましては、平成16年に改正をしております。これまでも何度も改正をしておるわけですが、直近の改正は点検商法とか、あるいはアポイントメント・セールスなど、販売目的をはっきり言わずにお宅に上がるなどして、そのまま販売行動に移る、あるいはマルチ商法などにおいて被害が多発しているといったような当時の状況に合わせまして、訪問販売などに行ったときに、一番最初に目的を告げなければならない。あるいは販売目的を隠匿した形で、個室などで勧誘してはいけない。あるいはクーリング・オフ妨害と言うんですけど、クーリング・オフができないという虚偽の説明をしてクーリング・オフをさせなかった場合には、クーリング・オフができますよといった時点からクーリング・オフ期間がスタートする。つまり、事実上、クーリング・オフ期間が延長できる等々の改正を行いまして、その当時問題になっていた問題については、ある程度の成果が上がっておるところでございます。
その後、法改正の後も毎年毎年新たな手口が出てまいるというのが現状でございます。2ページ目でございますけれども、幾つか顕著な例を挙げますと、例えば悪質リフォーム訪問販売というものがございます。高齢者の方々のお宅に行って、次から次へとさまざまなリフォーム高額契約を結んで、非常に多額の被害をもたらす、こうした事例が見られました。私どもも通達改正を行い、あるいは関連企業に行政処分を行うという手だてを打ちまして、下にございますように、国民生活センターによれば、一時、月間1,500件ぐらいあった苦情の件数を、かなり減らすことができたというものでございます。
また、悪質電話機リースというものもございました。これは特に個人の零細商店主のような方のところに行って、営業のためということになると、特定商取引法は基本的には消費者の保護の法律でございますので、それをある意味悪用してといいますか利用して、実質的に廃業しておられるような個人商店主の方などと高額な電話機リースの契約を結んで、これはクーリング・オフもできない、特定商取引法の保護も受けられないと、こういったようなやり口で多大な被害を与えたような例もございまして、これにつきましても、販売事業者とあっせん事業者が別々であっても、一体的な取引としてとらえられるものはとらえるべきだという通達を出し、あるいはまた、関連企業を行政処分するなどによって一定の効果を得て、今のところ、一時よりは約3分の1に苦情件数が減るに至っております。
ちょっと飛ばしまして、3ページ目(4)でございますけれども、訪問販売契約などを行う際に、同時にと言ったらいいのでしょうか、クレジット契約を結ぶわけですけれども、その中で消費者の方を被保険者とする生命保険をつける。個別に、あなたはこのときにあわせて生命保険に入るんですよといったような明確な意思確認がないまま、一つのクレジット契約の署名をもってそうしたことも包括的に、むしろほとんど認識されないままに保険加入させられてしまう、こういったことがありましたものですから、これはまさに今から2カ月前、昨年の12月に特定商取法の省令を改正いたしまして、別途きちっと書き分けて、赤字で書いて個別の署名をいただいて、確認をしていただくという手続をしないのであれば、この種の生命保険をつけたクレジット契約を結んではいけないといった省令改正を行うというような手だても打たせていただいているわけでございます。
こうした訪問販売あるいは昔ながらの手口の世界とはまたちょっと別の世界ですが、技術の進歩に伴いまして、インターネット商取引が非常に普及をしております。こういう分野に対応するため、私どもも通信販売におけるルールのあり方に関する検討会も行いました。また、そうした検討を受けまして、その中で、インターネットの世界では、個人として参加しておられる方と事業者として参加しておられる方となかなか区別がつかないので、何らか区別をするべきガイドラインが要るのではないかというようなことで、ガイドラインを出しております。これは参考5についてございますけれども、そういう意味では特定商取引法に基づく義務がかかる方々を明らかにして、さまざまなルールに従っていただくという基本的な判断基準をお示ししたわけでございます。
また、特定商取引法は、悪質事業者、法律に違反する事業者を取り締まるという性格を持っておる法律でございますので、しっかりとした執行が必要でございます。4ページ目にもございますように、私ども経済産業省のみならず、都道府県にも権限を移譲いたしまして、私どもと都道府県を合わせまして、平成17年度で80件、平成18年度は12月、年末までの数字なんですが、約60件の行政処分をしておるわけでございます。先ほどうちの松井の方からもお話し致しましたように、パイオネットに寄せられる苦情件数80万件という世界からいいますと、なかなかすべてをカバーできるわけではないのですが、できるだけ多数かつ厳格な法の運用に努めておるところであります。
また、こうした行政処分型とちょっと違うのではございますけれども、迷惑メールとか通販のサイトなんかで電話番号、連絡先などを書いていないようなものについては、私どもの方でモニタリングをいたしまして、それらの迷惑メールを送っている方、あるいはWebサイトを出されている方に警告をさせていただく、あるいはどうしてもそれに従っていただけないような方については、消費者への注意喚起のためのIDの公表などもさせていただいております。こちらは非常に活発な取引、活発な活動になっておりますので、件数も非常に大きい件数になってございます。
また、特定商取引法につきましては私どももとして、各地の消費者行政センター、消費者の方々への普及や啓発、あるいは新しいルールの御連絡などのための普及啓発活動にも努力をしておるところでございます。
そうした流れの中で、5ページ目でございますが、最近の大きな動向といたしましては、被害者に高齢者の方が非常にふえてきているという特徴が見られます。5ページ目の図6や図7を見ていただきますと、例えば訪問販売における年代別の相談割合を見ますと、60歳以上の方が大体25~30%の間だったものが、現在は全体の45%を占める。あるいは電話勧誘でも、1けた台のパーセンテージであったものが、今は25%を占めるに至っております。
それから、これはちょっと厳密に特定商取引とは言えないんですけれども、一応それに非常に近いエリアとして選び出されたものに従って年代別の契約金額を調べますと、やはりお年を召した方の契約金額が非常に高い、つまりトラブルになったときの被害が大きいという傾向にあることが見てとれると思います。
また、判断能力が少し衰えた方々に対する契約においては、この図9にもございますけれども、訪問販売を中心とした分野におけるトラブルは非常に多うございます。高齢者に対する次々販売。「次々販売」という言葉は法令用語ではないんですけれども、従来型の訪問販売、ある相手先のところに行くというパターンだけではなくて、特定商取引法との関係で言えば、やや限界事例に近いのかもしれませんけれども、店舗の方に逆に誘い込むようなパターンもございまして、非常に多くの件数が寄せられておるわけでございます。
次でございますが、インターネット取引の方は先ほど迷惑メールやWebサイトのお話もいたしましたが、実は昨年、一昨年は非常に架空請求の件数が多うございまして、こちらを除きました件数が図11にございますが、いわば電子商取引の活発化の要素が非常に大きいとは思いますけれども、相談件数は着実に伸びております。
その中身を見てみますと、下の円グラフでございますけれども、表示ミスというのは表示が間違えているという方なので、こちらの方はまだいろいろと処理のしようもあるんですけれども、お金を払ったんだけれども商品が届かない、あるいは広告とか画面に出ていたものと非常に違うんだけれども、返品したいんだができない、お金がなかなかうまく返ってこない、こういったタイプのものがネット通販──オークションではもっと比率が高まっているといった傾向がございまして、こうした面も含めて、消費者保護のためのルール整備が必要ではないかという問題意識があるわけでございます。
この点につきましては、消費者政策会議による消費者基本計画の検証・評価・監視の中でもインターネット・オークションに係る消費者トラブルの増加を踏まえて、インターネットを利用した通信販売における利用者保護のための方策について、法制度を改めて検討するということが私どもに対して求められておるところでございます。
次の課題でございますけれども、特定商取引法は訪問販売とか電話勧誘とかそれぞれの取引の形態がございますが、それに対して、また商品あるいは役務等を指定しておりまして、ある意味でこの法の対象になる商品、役務等がポジリストになっております。先ほど製品安全の際にも少し御紹介をいたしましたけれども、次々と新しい商品、手口がどうしても出てくる中で、こういうポジリスト方式では対応が事後的になるのではないか。こうしたことについて見直して、ネガリスト化ができないかという検討が求められていると認識をしております。これについても、先ほど申し上げました消費者政策会議から同様の検討が求められているところであります
さらに、団体訴訟制度でございます。昨年の5月に消費者契約法が改正をされておりまして、消費者団体訴訟制度が導入されたわけでございますが、同消費者契約法の改正の際にも、衆議院、参議院の附帯決議におきまして、特定商取引法についても同様の制度の導入ができないのかということが求められているところであります。
私どもといたしましても、先ほど申し上げたように、行政処分に積極的に取り組んでいるところではございますけれども、国だけでやるにも限界があるのではないかといったような指摘をいただいている面もございまして、こうした問題についてもしっかり取り組まねばならないと思っているところでございます。これもまた、先ほどの消費者政策会議からの宿題でもございます。
本日は、時間、紙面の関係もございまして、主要なもののみに限らせていただいておりますが、毎年、常に私どもが規制の整備をすると、それをある意味ですり抜ける新しい手段がどうしても出てくるわけでございまして、かなり頻繁に改正をしている特定商取引法ではございますけれども、しっかりとした制度論についての議論をさせていただく必要があるというふうに考えているところでございます。
以上でございます。

松本会長
ありがとうございました。

(3)クレジット取引に係る課題と論点整理について

松本会長
最後に、割賦販売をめぐる最近の取り組みについて、船矢取引信用課長から御説明をお願いいたします。

船矢取引信用課長
それでは、資料6に基づきまして御説明いたします。
昨年の6月に割賦販売分科会の基本問題小委員会におきまして、「クレジット取引に係る課題と論点整理について」と題する報告書を取りまとめたところでございます。取りまとめの結論から申し上げますと、この報告書での提言内容に即して、また実態に照らした問題点に対する対応策を早急に検討することを政府に要請するとともに、その前提として、消費者トラブルの実態、業界の自主的取り組み状況及び海外の諸制度の把握と分析を行って、これを踏まえて割賦販売法等の見直しを検討せよというふうになっております。
提言の内容でございますけれども、まず報告書では、クレジット取引の実態と環境変化を指摘しております。資料6の1枚目の左下のボックスにありますように、クレジット取引と利用分野の拡大でありますとか、IT技術の進展でありますとか、業態を超えた競争の拡大という環境変化があって、その中で個人情報保護にまつわる不正利用の問題でありますとか、先ほどから話題になっております個品割賦をめぐる消費者トラブルが多発をしていること。クレジット全体のトラブルの8割は個品割賦絡みというふうに言われております。及び多重債務問題が引き続きあることを指摘しているわけでございます。
特に個品割賦をめぐる消費者トラブルにつきましては、特定商取引法に関して、先ほど安井課長から説明がありましたように、最近は高齢者をねらい撃ちにした悪質商法が増加しておりますけれども、その被害を助長し、あるいは被害額を拡大させている要因として、クレジットの存在が指摘されているところでございます。
さて、そうした実態と環境を踏まえて課題を検討していったわけでございますけれども、その際の基本的視点として、真ん中のボックスにもありますように、業界の自主的取り組み、行為規制、行政措置、罰則及び民事ルールなどを組み合わせて、それらのベストミックスを実現させていくことが重要であるという視点が提起をされております。
また、割賦販売というよりは、より広く販売信用という視点、さらには国際的動向でありますとか、貸金業等の他業態の動向にも注視が必要であるとも指摘されております。貸金業については、皆様御承知のとおり、この提言は6月に出されましたけれども、その後、昨年12月に貸金業法が改正をされたところでございます。
そこで、こうした基本的視点を踏まえた課題の内容の抽出を行ったわけでありますけれども、この部分が論点整理のコアでございます。大きく分けると、与信事業者の責任、クレジット取引関連事業者の責務と役割、そしてクレジット取引の規制対象範囲の3点でございます。
特に最初の与信事業者の役割の部分がコア中のコアでありますけれども、そこからさらに2点に分かれております。1点目は、悪質な勧誘販売行為を助長するような不適正与信の排除という、いわば与信の質的な問題にかかわる部分であります。中心は、与信事業者による加盟店の審査、あるいは特に個品割賦業者に対しましては、現行の割賦販売法では消費者への書面交付義務が課せられていないというような点について、新たに法的責任を課すことの是非、それから違法な販売行為を認識して行う与信事業者さんの参入を排除する措置。具体的な例を挙げますと、登録制のような参入規制をしくであるとか、あるいは法律違反を行った与信事業者に対する行政処分などについて検討すべきとされたわけでございます。
第2点目は過剰与信の防止、これは与信の主として量的な問題にかかわる問題でございますけれども、この点については個人信用情報の一層の有効な活用。具体的には、個人信用情報機関のデータベースの利用義務づけなどが検討課題になってまいります。
続きまして、クレジット取引関連事業者の責務と役割につきましては、主にクレジットカード情報の保護、個人情報保護という問題意識から、現在のクレジットカードの業界というのが、従来、クレジット会社がカード発行という業務を一手にやっていたわけでありますけれども、最近は、アクワイアラーと呼ばれる加盟店の獲得を専門特化して行うような事業者が出現をしているとか、あるいは決済代行業者、国際ブランド会社といったさまざまな関係者がカード情報を取り扱っていることから、それぞれの責務と役割分担あるいは個人情報保護の実効性ある対策について検討すべきことが提起されております。
3つ目のクレジット取引の規制対象範囲でございますけれども、ここでは割賦販売法の規制対象範囲が支払い回数2カ月以上、かつ支払い回数3回以上という割賦の要件がありますけれども、これを見直すべきではないかということ。及び特定商取引法と問題意識は同じでありますけれども、割賦販売法でも指定商品制をとっていることの是非について検討すべきことを提言しております。
以上が論点整理の概要でありますけれども、いずれも昨年6月の時点では、特定の方向性を打ち出したものではなくて、論点を整理してニュートラルな書き方をしたという位置づけでございます。今後は、これらの点について内容の細部も含めて方向性を議論していく必要がございます。
さて、以上は昨年6月の報告書の内容紹介でございましたけれども、基本問題小委員会では、これに先立って昨年の3月に、これは2ページ目になりますが、個人情報保護に関連しまして2つの報告をまとめております。「クレジットカード情報漏えい・不正利用対策について」と題するものと、「個人信用情報機関の利用と保護に係る環境整備について」でございます。
内容についての説明は省略いたしますけれども、問題意識としましては、平成17年に施行されました個人情報保護法、これが国会審議で成立した際、衆参両議院から附帯決議がつきまして、その中で信用情報の分野というのは、医療、ITと並んで特に個人情報保護が強く求められる三大分野でありまして、それに応じて特別の対策を講じるべきとされたことを受けて、必要な検討を行ってきたものでございます。
この2つの報告を受けまして、それぞれ個人情報保護法に基づくガイドラインの改正・強化を行っているところでありまして、このうち後者の個人信用情報機関については、昨年の10月にガイドラインの改正を行ったところでございますし、クレジットカードの方につきましても、現在改正作業中、パブリックコメントをかけているというような状況でございます。
今後の議論との関係を申しますと、クレジットカードに関しましては、左下のボックス「基本的考え方」の3つ目の○にありますように、クレジットカード情報が個人情報保護法の対象外となる場合には別途の政策的手当てが必要とされておりまして、一般法である個人情報保護法のみでは十分な対応ができない場合は、個別法である割賦販売法で何らかの措置が必要になるということも想定されているところでございます。
それから個人信用情報機関につきましては、先ほどの論点整理の中でも、過剰与信防止の観点から、その利用促進が検討課題とされたところでありますけれども、その前提として、個人情報保護の一層の強化が必要でありまして、ガイドラインによる対応だけでは不十分ではないかという点も今後の検討課題になってまいります。
最後に、3枚目に前回の法律改正がありました平成16年以降の動きについて簡単に御紹介をいたします。割賦販売法の前回の改正は、特定商取引法の改正にあわせて平成16年に行われたものでございます。このときは特定商取引法につきましては、先ほど安井課長から御説明ありましたようにいろんな改正点がございまして、例えばマルチ商法、連鎖販売に関する規制強化などが行われたわけでありまして、割賦販売法でも連鎖販売取引に対する消費者保護規定の適用というのがなされました。つまり、従来連鎖販売取引は、法律上は事業者間取引だという扱いで、消費者保護である規定の対象外であったんですが、この際に消費者取引の対象にマルチ商法はしたということでございます。
割賦販売法は、これまでも何回か改正されておりますけれども、この16年の改正が典型的であります。大抵は、特定商取引法の大きな改正が行われるたびに、ついでと言うとなにですが、それに連動して若干部分的な修正を行うというパターンで改正を行ってきたところでございます。
2点目に、インターネット商取引とクレジット事業研究会という私的研究会を立ち上げて、こういうテーマで議論を行ったということですが、この成果はその後の基本問題小委員会でありますとか、あるいはクレジット業界における検討ということに委ねられていったものでございます。
3点目の基本問題小委員会については、先ほど説明したとおりでございます。
続いて、4点目の個別消費者問題の対応でございますけれども、まず平成16年12月に特定商取引法、割賦販売法の改正が11月に施行されたことを受けまして、改めて加盟店強化について通達を出したということでございますけれども、加盟店強化につきましては、昭和58年以降何度も通達を出したわけでありますが、この時点でも法改正に合わせて再度出したということでございます。
このほか住宅リフォーム、電話機リース、団体生命保険に関しましては、それぞれ通達をクレジット業界あるいはリース業界向けに出したところであります。この通達を出した背景は、先ほど安井課長が説明をしたとおりでありまして、説明は省略をいたしますけれども、このように特商を担当する商品経済政策課あるいは執行を担当する対策課と連携をいたしまして、私ども取引信用課としましても、業界団体を通じて会員企業に改善策を求めるという対応をとってきたところでございます。
5点目が、個人情報保護に関する取り組みでございますが、これも先ほど説明したとおりでございます。
以上です。

松本会長
ありがとうございました。

討議

松本会長
それでは、ただいまの3つの御説明に対しまして御質問、御意見等をございましたら、自由に御発言願いたいと思います。
なお、議事を円滑に進めるために、御発言いただく際には、挙手をいただくか、あるいは国際会議でよく行われています、名札を立てていただくと発言通告ということになりますから、手を挙げているのが面倒くさい場合は、こういうふうにしていただいて結構です。それから、発言の際には、お手元のボタンを押してから御発言くださいますようお願いいたします。
それでは、どの部分からでも結構ですから、どうぞ御発言、御質問ください。
池本委員どうぞ。

池本委員
池本でございます。非常に論点が多岐にわたる報告をいただきましたが、現実に私自身も弁護士として事件に取り組んでいる観点から、特定商取引法の問題と割賦販売法、クレジットの問題、その両方にまたがることについて少し発言させていただきたいと思います。
先ほどの御報告でもありましたが、判断力が低下、あるいは拒絶する気力・能力が低下してしまった高齢者をねらい撃ちにする次々販売というような被害が多発しておりますし、私自身も、呉服を100点以上契約させられた案件とか、あるいは生活保護の方が布団を17点も契約させられたという、本当に目に余る案件を受任・処理しているわけですが、従来の特定商取引法の考え方では、不実の告知とか威迫困惑とか不当な勧誘行為があることが証明できたときには、処分されたり、あるいは契約の取り消しとか、そういうふうにつながるのですが、判断力が低下した人というのは再現能力がないために、なかなか現行法では救われないんですね。むしろ判断力の低下、弱みにつけ込む行為というのは、社会的に見れば最も悪質、許されざることだと思うのですが、そういうものについてもっと厳しい違法評価を下すべきではないか。
そしてまた、そういう被害が、先ほどの例えば呉服の件は3,200万、布団の件は1,000万を超える被害をこうむっている。これはクレジット契約を利用しているから、そういう本当にとてつもない高額被害につながるわけですが、クレジット会社は、悪質な販売業者の販売行為について、結局見て見ぬふりをして与信を繰り返してしまっているのではないかというふうに考えると、クレジット会社もやはり適正な与信に向けてきちんとした責任をとっていただきたいということになるわけです。
問題は、そういうときに、この間経済産業省としても、さまざまな行政指導あるいは特定商取引法に基づく行政処分など一生懸命やってこられたということは、むしろ高く評価できることだと思うのですが、近年の消費者法全体あるいは消費者政策の流れとして、行政処分、罰則という流れだけではなくて、違法・不当な行為については消費者に契約の取り消しとか損害賠償という権利を与え、事業者が民事的にも責任を負う、こういうルールを整備することによって、事業者もまさにみずからのリスクのもとで適正な取引を管理するということが必要なのではないかと思うんです。そういった行政規制ばかりに余り肩入れし過ぎないで、消費者に権利を与える、そういう適正な取引ルールという観点をぜひ議論の中でも重点を置いていただきたいという希望であります。
それから、これは今後の審議の進め方の問題ですが、それぞれのテーマについて議論をするときには、やはり具体的な被害実態、被害事例などについて、例えばそれぞれの委員会に分かれて議論するときには、相談の現場あるいは事件処理の現場の事例の報告などを早い段階で入れていただくような工夫をぜひお願いしたいということは希望として申し上げたいと思います。
以上です。

松本会長
どうぞ、長見委員。

長見委員
日本消費者協会の長見です。消費者側からの要望として、今御報告のありました論点の中にかなり盛り込まれているので大変期待しておりますけれど、繰り返しこちらの方からも申し上げさせていただきたいと思います。
特に悪質商法に歯どめをかけるためにも、割賦販売のクレジット契約をシビアにするということは非常に重要なことで、水道の蛇口をひねってジャージャーと資金援助をしながら行為規制をしても、追いつかないというふうに思われます。特に個品割賦の問題は非常に重要でして、ぜひ個品割賦を行う事業者の規制というのに取り組んでいただきたいと思います。
また、信用情報を利用して、ぜひ多重債務に陥らないような対策を確実にしていただきたいと思います。現実に今もうそれは可能な形になっているんですが、余りそれは効果を上げておりませんので、ぜひ効果的な対策をとっていただきたいと思います。
また、特定商取引の方は、指定商品制だとか指定役務制とかいう指定の問題は、消費者側から見ればこの法律ができたそもそものところから課題になっているわけですけれど、どうしても対策が後追いになりますので、ぜひ指定制を廃止するべきではないかと思っております。
それから、ITを利用した消費者保護の関係ですけれど、これはかなり刻々と変化をしておりますし、現在、携帯電話の利用の中でもいろんな問題が起こっておりますので、実態をかなり調べて、今の時点だけではなくて、将来にわたって効果のあるような対策というのを考えていかなければならないのではないかなと思っております。
また総合的には、消費者側に消費者団体訴訟制度の権利を認めていくような形を特定商取引法の中に盛り込んでいただくようにしてほしいと思います。
以上です。

松本会長
前川委員どうぞ。

前川委員
私は与信事業者の協会の会長ですけれども、ただいまお二方からもいろいろ御意見があったように、この割賦販売法なり特定商取引法もいろんな時間の経過に伴いまして、特に昨今の社会情勢の変化に対して、今おっしゃったように少し立法府、行政府ともども後手に回っていることは否めないし、それによって悪質な業者が高齢者に非常に迷惑をかけたという事例も出てきたことは、私ども与信事業者にとっても非常に残念なことですし、大変反省すべきことだというふうに常々思っております。
現実、私どもの方も業界としては、自主ルールを経済産業省の御指導もあって何回もつくり変えたりして、直近でも昨年つくり変えているわけですが、従来以上に、今この与信事業者が高齢者等に対する与信で不適切な対応をしていることになりますと、最近の他業態の実例から見ても、企業自体が存続ができないような、そのぐらいの事態と認識しているわけです。
したがいまして、確かにやや後手に回ったり対応がおくれたりしていることもありますし、仕組み的にもまだまだ改善すべき余地がたくさんあると思いますけれども、我々事業者としても、企業が成り立たないところまで追い込まれているわけですから、それに対してもう少し事業者の自助努力、あるいは皆様方の御意見もちょうだいして、改善する機会を与えてほしい。あるいは、そういう時間の経過によって出てくる自主規制の対応等についてもごらんになっていただきたい。
なおかつ、昨今いろいろ見ていますと、それでも不測のリスクというのは現実に起こるわけですから、そういうものに対するいろんな手だてというのは、今回の御指摘をまつまでもなくて、当然検討されることは十分理解しているところであります。
もう1つ違う観点で申し上げますと、割賦販売法、特定商取引法にしましても、広く消費経済に大きく浸透している法律で、多種多様な消費の流通、サービスの流通に大きく寄与しているのが実態だというふうに思います。
したがいまして、特定商取引にかかわる弱者の保護は言うまでもありませんが、それに対応するために、いろんな法律をつくったり行政指導をすることによって、全体の消費経済に影響を及ぼさないような配慮、そういうことについてぜひお願いをしたいと思います。
現在、クレジットカードの決済で流通しているのは年間30兆円でございますし、自動車の販売金融等についても、クレジットでの販売金融が大きく利用されている実態等を踏まえまして、一部には、何が何でも全体のクレジットについては貸金の総量規制をしないといけないんだという意見もございますけれども、私は、消費と貸金は違いますし、いろんな観点で消費は多様性のある分野でございますので、そういった面についても配慮をいただいて、要するに弱者保護のために、全体のいろんな体系が今うまくいっている部分まで及ばないように、ぜひ慎重な御議論をしていただきたいというふうに希望しています。
なお、私、個人的には少し思うんですけれども、不幸にしてトラブル等が起こった場合に、どうしても情報の共有ですとか対策の立て方等についてやや連携が悪かったり、あるいは後手に回ったりといったことで、被害を拡大しているのではないかというふうに、私ども事業者から見ても思える節がありますので、これはなかなか難しいかもわかりませんけれども、そういう被害が起こった場合の拡大をどうやって防ぐかとかいったことについて、もう少し工夫の余地が官民であるのではないかというふうに思います。
いろいろ申し上げましたけれども、弱者に対する被害の拡大等は何をおいても排除しないといけませんので、そういった面で本論点整理等については十分理解しているつもりですので、よろしく御審議いただきたいというふうに思います。

松本会長
青山委員。

青山委員
今の委員の御発言にちょっとだけ、一言だけお話をさせていただきたいんですけれども、適正な与信をしているところとか、あるいは適正な販売方法をしている方たちが、悪質な商法をやっている方たちのために、その陰に隠れて適正な販売行為が一般の消費者からネグレクトしてしまうということを阻止するためにも、やはり私は、この特定商取引法の改正とか割賦販売法の改正というのはぜひとも必要なのではないか。むしろ適正な販売活動をしっかりとしましようという業者さんに対しては、どんなふうに規制がかかろうとも、やることをきちんとやっていれば、それは何ら問題はないということです。今の委員の発言に対しては、ちょっと一言そういう意味があるんだということを念頭に入れていただいて、今回の改正に努めていただきたいなというふうに思います。
今、特定商取引法にかかわる販売活動をする方たち、事業者というのは、一方で非常に勉強しているか、一方で全然法律なんて無視しているかというふうに、二極分化しているのではないかなという気がいたします。今回、指定商品制を考えようということで、これは訪問販売法という法律ができた時点から非常に私たち消費者団体が願っていたことです。勉強している悪質の業者は、次々と法の網の目を潜って次の商品を開発するというのが一般的です。
一番最初のころ、シロアリの駆除剤というのが指定商品になかったときに、絶対してよということで指定された。その指定された後から、今度は、「いえいえ、シロアリ駆除じゃなくて、これは防湿剤だよ」と。防湿剤って何のためにやるのよというようなことをやりながら、どんどん悪質な業者は新しい商品を開発していった経緯があるわけです
今は、かなり網羅されているとはいいましても、例えば原野商法の二次被害で、離れた別荘地を何十年前に買わされてしまった方たちが、草むしりをしてあげるよということで依頼をした。草むしりは指定商品になった。しかしながら、お隣の原野と一緒にあわせて売ってあげるよというふうに言われて、木を伐採したら、それは指定商品に入っていないという、非常にばかばかしいことをやるわけです。
それから、新築マンションができたところに一斉に訪問が入って、例えばクリーニングをするというようなことであれば指定商品ですけれども、そうじゃなくて、新しいところだからシックハウスになったらいけないでしょう、防汚剤を塗ってあげましょうというと、そもそも防汚剤というのは入っていないわけです。そういうふうに、経済産業省さんが考えるより、悪質商法を考える人たちはどんどん新しい手口を考えてくるわけです。ですので、やはり商安法ができたように、ネガリストでどんどん盛り込んでいかないと、これは常に後追いというふうになるんですね。
私が余り長くお話しするのもあれなんですけれども、平成17年のときに、要するに個人事業者にリースが入ったというときに、あーよかったなというふうに思ったんですけど、私なんか、あれについては平成10年のころから非常に苦労したわけです。表に「洋裁の仕立物承ります」という看板を書いている、ほんとに親子2人で細々と生活しているような人に訪問に行って、これから黒電話は使えなくなりますよ、だからこういう電話機が必要ですよと言って、30万もする電話機を買わされた。しかしながら、縫製業とかいうふうに書かれて、これは事業者だからリース契約は取り消せませんというようなことで、さんざん苦労しながらお隣の池本先生に、とにかく法律で、訴訟でやってくださいと言って勝訴したというような経緯があって、そういう苦労に苦労を重ねて初めて平成17年のそういう改正になっている。やっぱり多くの被害があって初めて法改正という形になるということは、これから先もどんどん悪質な消費者被害があって改正されるという、そういう轍は踏まない方がいいということからすると、やはり今回、指定商品制の廃止というのはぜひやっていただきたいです。
それと同時に、割賦販売法の中と特定商取引法の指定商品というのは、まざり合うところと分離しているところがあります。あれも非常に現場では苦労するところです。そういう意味では、ぜひリンクして撤廃を考えていただきたいと思います。
ひとまず以上です。

松本会長
では、山本委員どうぞ。

山本委員
まず最初に、全体として、これまでの経緯と現下の状況を踏まえて的確に論点を整理されていると思いますので、こういう論点について粛々と検討を進めていくべきだろうというふうに考えます。
次に、自分の関心のあるところで少しつまみ食い的でありますが、幾つか質問と感想を述べさせていただきたいと思います。
1つは製品事故との関係でございますが、これはほんとの質問なんですけれども、たまたま今配られました「製品安全自主行動計画策定のためのガイドライン」の例えば3ページのところ、(2)情報の収集、伝達開示等の取り組みというところですけれども、製品事故等、その次に括弧して、欠陥・ふぐあい・苦情・類似製品の事故と並んでございます。今回の改正された法律、商品生活用製品安全法の立てつけと、こうしたガイドラインも組み合わせて全体としてどういうふうになっているか、どういう考え方で今動いているかということを教えていただきたいんですが、ある事故が起こったときに、それが欠陥かどうかということでいろいろともめることが多いと思うんですね。つまり、これは欠陥ではない、これは施工段階での問題である、あるいは勝手に利用者の方が直してこういうことになっているんだとか、つまり欠陥かどうかということの境界が明らかでない。あるいは、いずれ明らかになるにしても、それには時間がかかる。
そういう場合に、欠陥というふうになりますと、私などは特に民事法が専門なので、製造物責任法上の欠陥概念ということがすぐ頭にくるわけですが、あれは出荷段階で通常備えるべき安全性を欠いていたということですが、製造物責任法の世界ではそれで一応おさまっているのかもしれないけど、やはり経済産業省も含めて消費者の安全を確保するというためには、その視点だけでは当然狭いわけですね。欠陥はなくても、やはりいろいろそういった問題が起きていると。それに対してどう警告を発し、どう事故を防止していくかということが大切なのですけれども、そこで、まずこちらの消費生活用製品安全法については欠陥という概念が出てきますけれども、やはりそれをベースにした立てつけの法律なのかどうか。これは全くの質問なんですけれども、例えばそういう施工段階でのミスというようなことが起こって、しかし現に自社の製品を起源としていろんな被害が起こっているときには、この法律の方はかぶさらないということなのか、あるいは現行法でもかぶさるということなのか、その辺を教えていただきたい。これが質問でございます。
あと、特定商取引法、割賦販売法に関しましては、いろいろこれまでの委員のおっしゃられたことはそれぞれもっともでありますので、そういう視点で今後検討を重ねていくべきだと思いますけれども、もう1つ、団体訴権という話も先ほどちょっと話題に上っておりました。私は、これは非常にこれから重要な制度として育てていかなきゃいけないというふうに思っていまして、基本的な理念として、やはり広い意味での公の担い手を多様化していく、そして、それを契機としてまた民間の充実あるいは成熟を図っていくということで、非常に重要な制度だと思います。
これと関連して、特定商取引法のルールというのは、基本的にかなり明確、具体性ということに重点を置いたルールになっていると思います。
したがって、その明確、具体的なルールの執行、それは今まで行政が指示その他業務停止命令あるいは罰則という形で担保してきたところに、その執行機能を1つ付加するという意味がある。
それも非常に重要だと思うんですけれども、もう1つの団体訴権のもともとの重要な機能としては、訴訟というメカニズムを利用するわけですので、抽象的なルールを訴訟を通じて具体化していく、その一つの枠組みといいますか、そういう工夫という意味があると思うわけです。
ルールの獲得というのは、それ自体、公共財的な意味を持っている。したがって、場合によっては、諸外国においては、それはいわば公的な支援を正当化するというような議論もあるわけです。その点、これから特定商取引法に団体訴権を盛り込むという場合に、前者の執行という視点が中心ということになると思いますけれども、その際に、現実に先ほどから挙げられている事案は非常に悪質な事案ですよね。それについて訴訟をやって何年も争うというのは、何となく悠長な感じがしないでもないんですね。
ですから、特定商取引法に盛り込む場合の意味づけというか、そういうものを十分理解を一にして検討をしていくことが必要ではないかというふうに考えます。基本的に、私は盛り込むということについては賛成の立場でありますけれども、場合によっては、特定商取引法がもうちょっとより包括的なルールを導入するということも少し考える契機にもなるかもしれないなということを考えまして、そういうふうに発言させていただきました。
これは私の感想を述べただけでありますけれども、先ほどの製品安全の点につきましては、何かお答えいただくことがあれば、よろしくお願いします。

松本会長
では、渡邊課長。

渡邊製品安全課長
それでは、お答え申し上げます。
まず、私ども今回の消費生活用製品安全法の改正に当たりましては、消費者の安全をとにかく第一に考える、また、その運用に当たりましても、これを基本としているわけでございます。欠陥についてのご質問がございました。PL法との関係、事故報告の義務との関係、この2点について申し上げたいと思います。
1点目のPL法との関係につきましては、製造物責任法上の欠陥とは、この消費生活用安全法にいう欠陥とは異なるものでございます。先生御指摘のとおり、PL法上は出荷段階での製品上の問題ということでございますが、一方、消安法上では、まさに今現在使っている製品に何か問題があって、消費者に危害が差し迫っているといった場合には、その欠陥をきちんと認定をして、危害防止命令の発動などをきちっとやっていく、こういうことが重要だと思っております。まさに昨年のパロマの事案はそういうことでございまして、瞬間湯沸かし器の改造の問題であって製品の問題ではないといったような解釈をせずに、そうした改造に結果的に追い込まれてしまって、その結果としてファンが回らず燃焼が継続をして一酸化炭素中毒に至る、その状態を欠陥と認定をして、緊急命令をかけさせていただいたわけでございます。
それから、欠陥と報告の関係でございますが、先ほど資料4を御紹介いたしましたが、それの9ページをごらんいただければと思います。9ページの上の方でございますが、(4)というところがございます。今回の事故報告の義務化の制度におきましては、報告の対象となることと製品の欠陥があることとは全く別事象であるということでございます。製造事業者または輸入事業者が行政庁への事故報告を行ったからといって、直ちに民事あるいは刑事上の何らかの責任を負うことにならない、このようなことで御議論、御審議をいただきまして、この点も明確にしていただいたところでございます。
また、消費者の安全のためにはどういった自主的な行動が可能なのか、事業者の方々にも自主的・自律的な行動を求めていくという観点で、単に重大事故の情報を集めるだけではなくて製品事故、あるいは製品事故だけではなくて、あるいは不具合、あるいはヒヤリハット、苦情、あるいは関連製品のさまざまな欠陥情報といったものを積極的に集めていただきたい、こういう意味で、先ほど御指摘のありましたガイドラインにもそのような形で盛り込ませていただいたわけでございます。
簡単ではございますが、以上でございます。

松本会長
堀部委員どうぞ。

堀部委員
きょう、ここで出されました論点というのは、それぞれ大変時宜を得ていまして、こういう形で議論したことというのは大変有意義かと思います。
私は、基本問題小委員会の方にもかかわりますので、また、特に個人信用情報の保護・利用をどうするのかということは、平成9年から10年にかけて、当時の大蔵省、通産省で個人信用情報保護・利用のあり方に関する懇談会の座長として一定の方向性を当時も出しましたし、その後、平成11年の高度情報通信社会推進本部個人情報検討部会の座長として、全体のグランドデザインを描く役割も果たしまして、その中で、先ほど船矢課長が言われた、信用情報というのを個別法で対応してはどうか、こういうことなども触れました。これは後に国会、それぞれの衆参両院の特別委員会の附帯決議でも入ってきております。
現在、国民生活審議会個人情報部会でもいろいろ検討をしていますが、せんだって金融庁から、今度各法で貸金業法になりまして、その前の議員立法の貸金業の規制法が大幅に変わりましたけど、それによって特に信用情報の面で罰則が強化されたりしたことによって、個別法の一部がああいう形で実現したようなところもあるかと思います。
そうなりますと、今度は特にクレジットの関係、割賦販売との関係での信用情報をどうするのかというのが大きな問題になってきまして、昨年6月にまとまりました基本問題小委員会の報告書の段階と大きく変わってきたというふうに思います。これはまた小委員会で検討することですけど、そういう大きな流れの中で小委員会での検討というのも非常に重要ですし、また、この合同会議などでも、ぜひそのあたりについて大所高所から議論していただければというふうに思います。
以上です。

松本会長
大河内委員どうぞ。

大河内委員
私は主婦連合会という消費者団体なんですけれども、主婦連の方から去年の5月に、割賦販売についての要望書を出しております。いろいろな問題、被害が大きいので、これを改正してほしいという要望なんですけれども、その中でも、割賦払いの要件の2カ月以上3回以上の支払いというところ、年金生活者にボーナス一括払い、そういうようなことで法から抜けていってしまうところをぜひ廃止してほしいということが1点と、もう1つは、抗弁権の対象を広げて、未払い金というのは払わなくてもいいということになっているんですけれども、既に払ってしまったお金についても、おかしな販売、欲しくもないものを買ってしまったというときには、返すように義務づけをしてほしいというふうに要望もしていますし、今もその点をお願いしたいと思います。そうすることで、余り不当な利益が入らないというようなことになれば、おかしな販売業者さんも減っていくのではないかというふうに思っております。
それから、特定商取引法の方ですけれども、これは皆さん、長見委員も青山委員もおっしゃっていたんですけれども、この法律ができたころから指定商品の廃止をずっと訴えてまいりましたので、ここのところを見直すというのは大歓迎でありまして、ぜひその方向で検討が進むように願っております。
団体訴権についても、余り法律の細かいところはわかりませんけれども、消費者契約法だけではやはり狭過ぎると思っておりますので、この辺もぜひ皆さんで話をしていただきたいと思っております。
それから、これは質問なんですけれども、先ほど都道府県とも連携していろいろな規制の範囲を広げているというようなことをおっしゃっていましたけれども、通信販売と電話勧誘販売について都道府県と事務の範囲の話し合いというのはされていて、そのことで先ほどの連携というようなことをおっしゃっていたんでしょうか。何か決まりというのができたということで思っていてよろしいんですか。よろしいんでしょうか。

松本会長
では、安井課長。

安井消費経済政策課長
先ほど申し上げましたのは、まず実際の取り締まり執行の場面において、既に都道府県に権限が移譲されているといいますか、都道府県における執行ができるようになっている部分が既にございまして、それによって私ども国がやるのと同じ、あるいはそれを超えるような件数の処分をしていただいているという事実が1つございます。
もう1つ、今大河内委員の方から御指摘のあった、基本計画の中でありました、例の2つの電話勧誘などの都道府県への移譲の問題につきましては、現在準備を進めておるというところでございます。

大河内委員
ありがとうございました。

松本会長
では、池本委員。

池本委員
もう1つだけ、私が取り組んでいる事例を素材にして、少し考え方を提起したいと思います。
確か今年の1月10日ですか、暴力団が絵画レンタル商法というのを展開していて逮捕されたという報道があったと思います。実は全く同じ手口の絵画レンタル商法というのと、その前には原画版権商法といってちょっと手口を変えたような、同じようなことを繰り返している事件を複数抱えて、訴訟でやっているんです。絵画レンタル商法というのは、電話勧誘販売の方法で絵を売る、それを我が社で預かって、レンタルをして運用して利益を上げようという仕組みなんですが、それにクレジット契約があるから月々少しの支払いでいいということで、90万以上する絵を買わせる。実際にはそんな絵はないし、運用なんかも全くしていないと。詐欺商法なわけです。
そういった詐欺商法、その新聞記事のポイントは、暴力団が一般消費者に対してそういう販売活動をしているというところなんですね。数年前からやみ金融というのが大問題になりました。あれは多重債務者の名簿をもって、多重債務者に向けて暴力団がきばをむいた事件ですけれども、多重債務者だけではない、まさに一般消費者に向けて暴力団がきばをむき始めている。それだけ、こういった訪問販売とか電話勧誘販売、悪質商法と従来くくっていたところへ暴力団まで入ってきているんだと。極めて残念なことに、そこにクレジットが与信をしてしまっている。実は一般のクレジット会社だけではなくて、私が扱っている案件は、そこに貸金業者がクレジットと同じ仕組みで契約書を預けてやらせている、そういう事件もやっています。その案件では、うちは貸金業の登録をしてやっているんだから、割賦販売法なんか関係ない、というふうに法廷でも言っているんです。
なぜこの事案を御説明したかというと、先ほど前川委員でいらっしゃいましたか、自主ルールをつくって対応しているという点はぜひ配慮してほしいという御発言と、弱者保護という観点はもちろん重要だけれども、取引全体の利便性を減殺しないように配慮してほしいという2点の御指摘があったと思うんですが、私は、取引の安全・公正さを確保する法的なルールというのは、決して自主ルールに敵対するものでもないし、あるいは取引の利便性を減殺するものではないと考えるからです。
というのは、例えば訪問販売とか電話勧誘とかというのは、高齢化社会になっていけばいくほど、お店まで行かなくても買いたいというニーズは広がるはずなんですね。ところが、今例えば消費生活センターが消費者に向けて啓発しているのは、うかつにドアをあけないようにとか、うかつに書類に判を押さないようにと。非常に悲しむべきそういう啓発をしなければいけないのは、危険だからなんです。区別できないからなんです。自主ルールを幾らつくっても、業界団体に入っている人たちが一生懸命やっても、そこから外れたアウトサイダーあるいは暴力団、悪質業者がそれを無視したことをすれば、消費者からは区別できないんです。
したがって、きちんとしたルールを法的につくって、その水準をさらにリードしていく自主ルールをつくっていただく、こういうふうにして本当にいい方向へ循環していくのではないかと考えます。同じことは、そういったクレジットの業であれ訪問販売の業であれ、悪質業者の参入をきちんと排斥する、それが消費者にとっての安全・安心であるというふうに考えます。
この関係で1点だけ言いますと、実は昨年秋に日弁連のメンバー何人かがイギリスにクレジット制度について調査に行った、そのメンバーからの報告なんですが、イギリスでは、クレジット会社は販売店と解除、取り消しになった契約については、既払い金返還を含む共同責任を負うという非常に厳しい法律・制度になっているそうです。そういう厳しいものになると、信販会社は安心して加盟店と取引できなくなって信用が収縮してしまうのではないか、よくそういうふうな指摘があるので、そのことをイギリスで聞いたところ、むしろ実情は逆なんだそうです。つまり、例えば日本でいえば消費生活センターに当たるような公的な窓口でも、取引のときにクレジットを使えば安心ですよ、と逆に勧めるんだそうです。クレジット会社が、販売店が大丈夫なところかきちんと審査してくれている。万が一問題があるときには、信販会社も一緒になって原状回復、賠償責任を持ってくれるということで、行政機関もクレジットが安心ですよというふうに勧めている。その結果、EU諸国の中でもイギリスのクレジット会社というのは、その発展というのは非常に目覚ましいものがあるんだそうです。先ほどの製品安全のところで話がありましたが、安全な製品をつくっていくことで消費者もそこを選ぶという、その循環をクレジットとか訪問販売、この取引の分野でも発展させていただきたいというふうに思います。
以上です。

松本会長
青山委員。

青山委員
池本先生がきちんと整理されてお話ししたのに、私がまたぶち壊すような発言で申しわけないんですけれども、今のクレジットの問題とリンクするんですけれども、今訴訟なり調停なり、信販会社からの申し立てというのが非常にふえております。というのは、例えば今若い方を中心に、エステや何かに行って特定継続的役務取引を行って、「でも、私が思ったものと違うわ」ということで、中途解約権を主張して解約の申し出をする。しかしながら、サービスの提供は今まで支払ったものよりもたくさん受けているというと、信販契約はまだ継続して信販会社に払わなければならない。基本的に売買契約の役務提供業者が赤伝票処理をして信販契約を切ってくれればいいんですけれども、そういうことをしないために、今度は割販業者から訴訟を提起されるというような状況があって、あの特定商取引法の特契が全然機能していないという、若い方を中心にするそういうエステ業界、とてもすてきなエステ業界にそういうことが結構今蔓延しているという状況があって、やはり特定商取引法と割賦販売法をきちんとリンクさせて今のクレジット業界を健全に発展させていってほしいなというふうに思います。
もう1点、今消費生活センターの仲間たちがよく言っているんですけれども、青山さん、30条の4って全然きき目がないのねと。支払い停止の抗弁はできたとしても、既に高齢者が律儀に払ってしまったお金って全然返ってこないんですものね、あんなのあってもむだよね、というふうに極論まで言われるぐらいの30条の4なんですね。ですので、そこのところも、今大河内委員もおっしゃいましたけれども、支払ったものも、やはり売買契約に瑕疵があったらばきちんと返してよというところを盛り込むべきだろうというふうに思いますので、お願いしたいと思います。
以上です。

松本会長
前川委員どうぞ。

前川委員
今、与信業者に対して非常に手厳しい話がありまして、ごくまれにそういうことがあったのかもわかりませんけれども、最初の絵画リースの話等については、我々は暴力団がやっているようなリースに手を出すわけがないんですよ。我々も最善の注意義務を払ってそれは見ているわけでございまして、そういった点で、まだ防げない部分というものについては、確かに今ベストミックスとかそういったところで措置をしていただくことは非常にありがたいというふうには思いますけれども、いかにも暴力団とわかっていながらやるなんていうことはまずあり得ませんし、もう1つ私が申し上げたいのは、これは絵画リースなんかを利殖のために、ちょっと言い方は失礼なんですが、欲に目がくらんで御契約される方も、後で結果的に自分の思ったとおりにいかなくなって、それでいろいろ抗弁をされて、あげくの果ては裁判というようなことになるという事例も確かにあると思います。その場合でも、私どもはその債務者の方の御事情等もよく聞いて、それは十分、ただ裁判ありきという対応はしているはずはないということは少し理解をしていただきたいというふうに思っています。
以上です。

松本会長
ほかに御意見ございませんでしょうか。
大河内委員どうぞ。

大河内委員
私の意見は、簡単ですけれど、先ほど青山さんから、電話機のリースのことで裁判をしてというようなお話がありました。私の知り合いは、個人で電話機をリースで買っています。結局、それがおかしな訪問販売だということにも気づかないし、当然相談にも行かない。そういう方たちの方が実はたくさんいらっしゃるんだと思います。審議官もおっしゃってましたけど、数字に出ている何倍もの被害者が世の中にいて、皆さん知り合いに1人くらいはだまされた人を知っているのではないでしょうか。そんなふうに被害が世の中に広がっているということをぜひお考えいただいて話を進めていただきたいなというふうに思います。

松本会長
いかがでしょうか。また御発言されていない委員の方、何かございますか。久保田委員よろしいですか。佐藤さんもよろしいですか。

今後の検討体制について

松本会長
それでは、一通りさまざまな御意見をお出しいただきましたが、今後のことについて少し御相談申し上げたいと思います。
ただいままでの議論の中で多くの論点が取り上げられましたが、製品安全関係につきましては来年度の改正消費生活用製品安全法の施行も踏まえ、製品安全小委員会や消費経済審議会で引き続き御検討をいただきたいと思います。
また、取引をめぐる問題につきましては、しっかりと検討を行うために、割賦販売法を中心としたクレジット関係と特定商取引を中心とした悪質商法関係に問題を大きく2つに分けて検討を行ってはいかがかと思います。
そこで、この点を具体化した検討体制の案につきまして、事務局より御説明をいただきたいと思います

安井消費経済政策課長
恐縮でございます、資料7をごらんいただきたいと思います。
今、合同部会をやらせていただいているわけでございますが、この資料7の1枚紙、こういう紙でございますが、その下半分の絵を見ていただきますと、産業構造審議会の下にございます割賦販売分科会と消費経済部会で今この合同会議をやらせていただいているわけでございます。割賦販売分科会のもとに基本問題小委員会というのが今現在ございますので、こちらで割賦販売関係の議論をしていただくのが適当ではないかということでございます。
それから、消費経済部会には、昨年の製品安全法の改正の際に御議論をいただきましたが、製品安全小委員会というのが今既にございますが、特定商取引については、これまでは部会本体で議論することが多かったものですから、特定商取引小委員会なるものはございませんでしたが、全体のバランス、製品安全小委員会もございますということも考え合わせまして、今般、特定商取引関連の事項その他を集中的に議論するための特定商取引小委員会を消費経済部会の下の方につくってはいかがでございましょうかというお話でございます。もちろん、割賦販売分科会のもとの基本問題小委員会と今新設を御提案しております特定商取引委員会、議論は密接に関連する部分が多々あると御指摘があったところでございまして、これらの間でお互いに十分意見のすり合わせができるように、事務局もお互いにクロスしながら議論を進めさせていただければよろしいのではないかという御提案でございます。

松本会長
ただいまの御提案につきまして、御意見、御質問ございましたら、どうぞお出しください。よろしいでしょうか。
それでは、このような体制でそれぞれ御議論いただきたいと思います。
なお、小委員会の委員長、メンバーにつきましては、規定に従いまして私の方に御一任願いたいと思います。
ほかに、特に何か御発言ございませんでしょうか。

安井消費経済政策課長
それでは、次回の開催日につきましては、小委員会の検討の進捗状況などを踏まえながら、また別途、私どもの方から御連絡をさせていただくようにいたします。
また、本日の資料5の第2、第3ページのグラフにつきまして、メインテーブル以外の方には正誤表で修正をさせて頂いております。事務局の不手際で申し訳ありません。

松本会長
それでは、本日は御多忙中のところ、長時間にわたりまして御熱心に御議論いただきまして、まことにありがとうございました。
以上をもちまして、本日の産業構造審議会割賦販売分科会・消費経済部会合同会合を閉会いたします。どうもありがとうございました。

閉会

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最終更新日:2007年3月20日
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