経済産業省
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審議会・研究会

産業構造審議会商品取引所分科会平成15年度第3回 議事要旨


日時:平成15年7月24日(木)14:00~16:00
場所:経済産業省本館17階西3国際会議室 
出席者:後掲 
議題: 商品取引員による市場仲介機能の適正化
   (商品取引員の資格構成、行為規制、監視・監査の在り方 等)
       
議事概要:以下のとおり。

1. 資料説明
 事務局より、以下の資料について説明。
資料-1 商品取引員の資格構成について
資料-2 商品取引員の受託業務等に係る規制について
資料-3 商品取引員に対する監視・監査の在り方について

2.意見交換
 委員から、以下のような意見があった。

・ 取引員の純資産額要件は、許可制に密接に関連しているが、取引員のリスク負担能力に
対応した合理的な基準にすべき。また、証券や金融業との対比において、整合性のある制
度にしてほしい。第1種/第2種の区分については、導入以降の電子取引の普及等の業務
の多様化も踏まえ、廃止する方向で見直すべき。
  取次ぎ制度について、現行の商品市場ごとから市場横断的な位置づけにするとともに、当
事者能力を持つ位置づけとし、取引員の兼業が円滑に進むようにすべき。また、代理店制度
を導入すれば、地域密着の事業展開がやりやすくなり、ヘッジャーや投資家ニーズを踏まえ
た業務多様化に資することにつながる。
  「ラップ・アカウント口座」の開設が可能となるようにすべき。

・ 取次取引員の純資産要件が、現行では受託取引員の1/2となっているが、紛議が多い現
状を踏まえれば、取次ぎが損害賠償責任を負った場合、むしろ不十分。米国型IB
(introducing broker)への転換や破綻の際の損害賠償債権の保全による対応等も含め、制
度全体として検討すべき。取次という問屋と受託取引員という問屋の二重構造によりリーガ
ルリスクが分断された形で拡大することには反対。
  一任取引について、商品先物に対する社会的信頼が十分でない現状においては、少なく
とも個人顧客に対する解禁には賛成できない。

・現行のような「問屋」の二重構造はわかりづらいので、現行の取次ぎは、IB的な「仲立ち」と
した方が明確になる。
  現行の取引員の資格は、商品取引員一本で、実際の業務の多様化に対応できていない。
したがって、資格を細分化し、クリアリングメンバー、取引参加者、取引員、IBの各々の業態
に応じた財務要件を設定すべき。

・ 平成10年に取次ぎが導入された際には、手数料自由化による競争激化に備え、取引員の
経営合理化、グループ化を図ることをねらったが、純資産額要件の問題等により、ねらいど
おりに活用されていない。権利義務の主体となる「取次ぎ」かIBか、実際のニーズに即して
整理すべき。

・第1種/第2種の区分は不要なので廃止すればよい。純資産基準額の単純合算制につい
ても、市場ごとの実態がまちまちであることも踏まえ、緩和の方向で見直すべき。
  取次ぎについては、IBに純化する方向で考えるべき、クリアリングメンバーについては、ク
リアリングハウス、取引所が別途基準を設定すればよい。
  一任取引については、長期的には実現させたらいいと思っているが、一気にやるのは難し
い。投資顧問業者を通じてファンドとして一任的な運用ができるようにし、それを突破口にし
て商品先物市場の拡大を図るべき。ファンドについては、証券、金融、商品を横断的に
扱うようにすべき。
  商品市場ごとの許可の問題については、取引所の意見を聞く形にすれば予定調和する。

・純資産額要件について、現行の簿価主義ではなく、米国の「調整済(純資産)」のように時価
を折り込んだ算定とすべき。こちらの方が実態に則している。

・(取次ぎについては、)今回の証券取引法改正で導入された「証券仲介業」(顧客資産の預
託を受けず、トラブルがあれば提携している証券会社が責任を持つ制度)が参考になる。

・最近の商品先物市場の国際化、システム化の進展等を踏まえ、証券、金融と並んで一任取
引規制を見直し、非居住者からの注文や「システム売買」を許容していくべき。
  商品投資顧問業の活動範囲を個人投資家を対象とした業務にも広げ、また、個人の資格
も認め、IB的業務も兼ねられるようにすべき。また、顧客資産の有利な運用を図るために
も、商品ファンドの運用先の規制も緩和し金融商品の中で自由に組成できるようにすべき。

・商品先物取引に関する(弁護士の)受任件数が高いレベルで増加傾向にある。証券会社横
並びの内部統制による規制は、商品先物の現状ではうまくいかないだろう。適合性原則等勧
誘規制も徹底されていないのが現状であり、各社のコンプライアンスに委ねればいいという
ことではない。
  罰則付きの規制についての違反はあまりないが、罰則の対象行為が限定されている。罰
則規定を広げるべき。
  10万口座を有する業界について、行政(処分)のみで対応するには、相当の人的・物的ス
タッフの拡充が必要で、実際には限界あり。柔軟な対応を可能とするための処分メニューの
見直しも必要。日商協(日本商品先物取引協会)は制裁規程を有するが、そのための調査
権限が現行の規定では弱い。制裁措置の中で最も重い「除名」も、強制加入でないので不十
分。
  司法機能の活用は、個別の紛争処理というだけでなく、法の実効性確保の面からも重要。
公正競争の観点からも、業者が法令を遵守するインセンティブを持つようにすべきで、民事
効の付与により裁判や日商協による紛争処理の実効性が向上する。金融商品販売法の適
用除外としていることもおかしいので、整合性をとるためにも必要。
  ネット取引に関する苦情が少ないことから明らかなように、商品先物取引においてト
ラブルが多いのは、ハイリスクな取引だからではなく、勧誘方法に関連している。英国のよう
に不招請勧誘を禁止すべき。米国でも、大統領が電話勧誘撃退キャンペーンを行っている。
(我が国においても)勧誘ルールの整備が必要。
  証券では、適合性原則が重視される傾向にあるが、商品先物についても、個人投資家は
原則として適合しないということを明確にすべき。したがって、マスコミを使った一般向けの広
告は問題である。

・リスクに係る説明、情報開示をきちんと行った上で、主体性ある投資家が自己責任において
取引に参加するのはよいことなので、むしろ適切な新聞広告は認めるべき。
  ネット取引については、事前説明及び取引成立の通知に係る書面交付義務を外し、電子
的手段での代替を認めるべき。主務省等への書面での報告についても、電子化を認めれ
ば、取引員のコスト削減が図られる。

・ネット取引でトラブルがないのは、自己の判断により行っているから。今の日本の現状では、
プロ(BtoB)については一任取引を認めてもいいが、個人投資家(BtoC)については時期尚
早。

・取引員に対する監査・監視について、関係機関間のの役割分担が重要。取引所は、市場取
引の公正確保の観点からの監視が中心であり、会員と委託者間の紛争処理については、日
商協に一元化すべき。

・不当勧誘等の禁止行為や分離保管に係る罰則の在り方について見直しが必要。
  登録外務員について、毎年5000人ずつ入れ替わっている現状を(商品先物)業界はどう
考えているのか。

・為替証拠金取引(FX)が最近問題になっているが、(業として)規制すべきという議論は別と
しても、兼業業務に係る届出義務違反に対する罰則(30万円以下の罰金)が甘すぎるし、勧
告に従わなかった場合の改善命令も「特定業務」に限定されており不十分。

・FXについては、商品取引員固有の問題として議論せずに、FX自体の問題として議論した方
がいい。FX業者としては、商品取引員、証券会社、それ以外の3つにグループ化でき、「そ
れ以外」が最も問題が多いと思う。

・FXについては、早晩、その定義、ガイドライン、規制(登録等)を定めて対応していく必要あ
り。
  一任取引については、リテールの顧客(個人)に認めている例は海外にもほとんどない。銀
行、ファンド、証券会社などsophisticatedな者を相手にするものに限られている。海外では、
こういった投資家がブローカーに一定の裁量を与えて取引しており、こういったものは前向き
に考えてもよいだろう。
  分離保管及び純資産等の報告について、電子化による方法を整備すべき。

・今回の資料には含まれていないが、相場操縦及び重要事項に係る虚偽表示等の禁止につ
いても、検討してほしい。

・相場操縦については、取引所としても責任を持って管理すべき問題。

・紛争案件について、特定業者に集中しているので、そういう形で件数を整理してほしい。

・取引員の資格構成と監査・監視の問題は関連している面がある。取引員の業態の多様化に
応じた資格の細分化については、業態が変化をした場合には、その後の発展の「桎梏」とも
なりかねないので、法制レベルでは包括的なものとし、自主規制機関のレベルで弾力的な形
で追加的資格要件を課すべき。商品先物業界については、行政により一律の監督ではなく、
自主規制機関との連携により、規律とフレキシビリティのバランスを図る必要性が大きい。

・取引所は、取引員と顧客間の紛争に関与すべきでなく、日商協が一元的に対応することが
当然。

 最後に、次回日程について、9月4日(木)14:00~16:00に開催する、場所については後
日事務局より連絡することとされた。

【出席者】
 分科会長   神 崎 克 郎  関西学院大学法学部教授
 委  員   池 尾 和 人  慶應義塾大学経済学部教授
 委  員   石 戸 谷 豊  日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員長
 委  員   岩 瀬 史 明  住友商事株式会社理事・金融事業本部長
 委  員   尾 崎 安 央  早稲田大学法学部教授
 委  員   河 村 幹 夫  多摩大学・同大学院教授
 委  員   久 野 喜 夫  FIAジャパン・チャプタープレジデント
 委  員   鳥 居 敬 司  株式会社みずほコーポレート銀行常務執行役員
 委  員   中 澤 忠 義  東京工業品取引所理事長
 委  員   藤 田 庸 右  (社)商品取引受託債務補償基金協会理事長
 委  員   二 家 勝 明  日本商品先物振興協会会長
 委  員   堀 口   亘  日本商品先物取引協会会長
 委  員    森   宏 史  明治製菓株式会社執行役員
 委  員   森 實 孝 郎  東京穀物商品取引所理事長

【事務局】
 農林水産省 田中 大臣官房審議官
       田辺 商品取引監理官
 経済産業省 青木 商務流通審議官
       小川 消費経済部長
       前野 流通政策課長
       横尾 商務課長

【問い合わせ先】
 農林水産省 総合食料局 商品取引監理官 五十嵐
 経済産業省 商務流通グループ 商務課 柳橋、山崎
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最終更新日:2004.04.01
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