経済産業省
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審議会・研究会

産業構造審議会商品取引所分科会(第6回) 議事要旨


 

日時:平成15年11月11日(火)14:00~15:35

場所:経済産業省本館17階西3国際会議室 

出席者:後掲 

議題:「商品先物市場制度の改革について」(素案)
    


議事概要:以下のとおり。


1. 資料説明
 事務局より、以下の資料について説明。
資料-1 商品先物市場制度の改革について(素案)


2.意見交換
 委員から、以下のような意見があった。

(1) 全体

・素案は、これまでの議論を踏まえ、よくとりまとめられており、評価する。前回の商品取引所
  法改正から5年がたっており、法律外の話も含め、根本的に見直すべき時期に来ている。

(2) 商品取引所を中心とする市場機能の向上

・必要証拠金の取引所預託と完全分離保管の徹底については、是非こういう形でまとめてほ
  しい。ただし、これを円滑に実現するためには商品取引員の手元流動性の確保が必要であ
  り、取引証拠金の日次計算及び全取引所を横断する計算センターの整備によるネット決済
  を実現すべき。そのためには場勘銀行の協力も必要。

・証拠金制度の見直しについて、「一般委託者に関しては、過当投機防止の機能に配慮が必
  要」としているが、過当投機防止機能は、当業者にとっても妥当するものなので、「一般委託
  者に関しては」というのは不要では。

・過当投機防止機能は確かに一般委託者のみの機能ではないが、証拠金には、不適格者排
  除の観点があり、そういう意味で一般委託者についての考え方を書いておくことは意味があ
  る。

・無体物については、将来的課題と整理されているが、CO2排出量取引はかなり早い段階で
  実現する可能性もある。排出量については、化石燃料の延長で捉え、現行法でも対応可能
  という見解もあるが、改正が必要であれば、将来必要が生じたときには所要の手当をしてほ
  しい。

・商品取引所法が産業の必要から刑法の賭博罪の適用除外として成立していることから、無
  体物が今の法体系上入りづらいというのはわかるが、排出量、天候等のニーズはいずれ出
  てくるので、社会的要請に応える上で、他省庁との協議条項を入れても手当は必要。

・取引所の株式会社化について「株式保有等に一定の規制」とあるが、商品取引所が株式会
  社化され、ある株主が仮に40%の株式を所有しても、支配権を行使することはできないは
  ず。それは、株主の意思より、商品取引所法の目的の方が、上位にあるから。電力会社が
  株式会社化しても株主支配によって電気事業法に抵触することがないことと同じで、株主支
  配の問題はないので、この部分の記述にはそういう観点は含まないと認識。

・取引所に必要証拠金が預託されるようになれば、取引所自身も委託者資産の保全の監督
  の一翼を担う旨を明らかにすべきでは。

・市場監視体制の一層強化について、実際にそうするなら、行政、取引所等の人員、予算を
  さく努力が必要。

・取引所としても財務関係の監視は必要だが、取引所の役割として一義的には市場の監視
  を行い、市場参加者の財務基盤の安定については、主務省と連携をとりながら、主務省の
  監督を補完するために会員の監視・監査を行う必要がある。

(3) 商品取引員による市場仲介機能の適正化

・「商品市場ごとの区分及び受託と取次ぎの区分を見直し、市場横断的な市場仲介業者としての
  資格にする」ことは結構である。、商品取引員の競争環境の変化の状況を踏まえ、額取次ぎ
  の純資産要件等についても見直しを行い、5年前に導入されたこの制度を活かしていくこと
  が、業界全体の構造改革のためにも必要。また、国際的な制度整備の観点から、IB(イント
  ロデューシング・ブローカー)の導入についても引き続き検討すべき。

・商法との関係で難しいかもしれないが、IBの問題は前向きに検討し導入してほしい。

・受託と取次ぎの区別がなくなるのであればいいが、普通「取次ぎ」というと、商品取引所法で
  いう受託行為を指す。商品取引所法上の取次ぎという言葉の使い方がおかしいので、この
  際、用語の工夫が必要。

・財務要件について、「個々の取引員のリスク負担や業態に応じた要件を設定」とあるが、こ
  れは、証券等で導入しているような早期是正措置を考えているのか。そうであれば、実質的
  なリスク管理が強調されることになり、証券、銀行等にあるような検査マニュアルが必要。ま
  た、純資産要件の中味はどのようなものを想定しているのか。証券ではリスク資産を評価し
  ている。

・資産要件については、何か事が起こった際に現金化できる資産に着目する必要がある。海
  外においても現金化できるものを基準にしており、そうした基準を導入すれば取引員の信頼
  性も向上する。

・米国の場合、行政と取引所が、仲介業者に対する監視・監査に日本より厚いリソースを充
  てている。また、取引所間で設置するJoint Audit Committeeを通じて仲介業者ごとに監査・
  監視を担当する取引所が決まっていて、例えばCME(シカゴマーカンタイル取引所)が自分
  の担当取引所であれば、CMEに監査をされ、そこで得られた情報は関係する取引所間で
  共有されるという仕組みになっている。

・行為規制について受託業務の適正化については、是非この方向でお願いしたい。適合性
  原則については厳格な運用には賛成するが、現行法では改善命令の事由の一つとされて
  おり、一方、証券取引法では、平成10年改正以降、証券会社の義務と整理されており、商
  品取引所法上も同様の手当をしてほしい。

・説明義務の明確化については、金融商品販売法(金販法)上リスクの低いものまで義務が
  付いていることを踏まえ、リスクの高い商品先物取引にも説明義務を付けるべき。また、説
  明義務違反の場合の民事効も付けるべき。

・説明義務についてリスクだけの説明に限定するなら金販法と同じだが、仕組み等の説明ま
  で義務化するというなら、かなり広い規制になり、これについて無過失責任を課すのは困難
  ではないか。

・不招請勧誘について、他の法令との横並びで法制局的には難しいと言われるが、トラブル
  が多発している現状から、複雑でリスクの高い商品先物取引特有の必要な規制として手当
  できないか。

・電子取引については、外務員を介さずに取引するということでトラブルは少ないが、取引開
  始前の事前交付書面については、個々の取引に係る通知と分けて考えて良いのではない
  か。本人確認法では、電子取引であっても、対面あるいは郵送により本人を確認することに
  なっているので、事前交付書面だけは直接渡すなり送付しても利便性の阻害にはならない
  のでは。

・一任勘定取引について商品投資顧問業の対個人向け営業を解禁とあるが、商品ファンド法
  の商品投資顧問業者に対する規制がそのままで問題ないのか検討が必要。

・法制面での手当はよくできているが、運用面がより重要。これだけ新しい法体制になるとル
  ールの遵守、コンプライアンスが重要になる。商品取引員が自らの努力でコンプライアンス
  を高めていく方策はあるのか。

・コンプライアンスについては、商品取引員が問題を起こしたらそこで終わりという相場観を
  作っていくことが必要。

・証券では内部管理責任者とコンプライアンス・オフィサーの両方がいる。商品においてもこ
  の両者をセットとした体制が必要。

・商品取引所法の罰則規定が少なく限定的。今回分離保管についての罰則規定を導入する
  ということは評価するが、それ以外の罰則の在り方についても検討が必要。検査に乗り出し
  て当局があばくというのではなく内部統制が必要。保護法益が重ければそれに対する罰則
  も重くなるはず。

・取引員の区分を見直して許可を横断的に行い、リスク管理を監視する方式にして、許可を
  横断的に行い、早期是正措置、検査マニュアルを導入し、これを実行していくというのが今
  回の改正の趣旨と理解している。その中で、証券の議論の方向もそうだが、罰則によるより
  も、監督上の処分の多様化によるべき。。

・オプション、デリバティブ等外務員に複雑な知識等が求められるようになっており、登録外務
  員の質的向上が必要。高度な外務員の資格を制度化できるよう、将来的な検討課題とすべ
  き。

・日商協の監督権限を時宜に適したものにし、監督処分メニューを多様化することを検討する
  必要がある。

・監視、監督を日商協にさせるということだが、人的体制の拡充が必要。

(4) 取引所外取引(OTC)における市場機能の適正化

・「ユーザー業者等」の等に金融機関を入れるべき。リスクヘッジニーズは多様化しており、
  取引所に上場されている標準的な商品だけでは対応できない。金融機関が顧客ニーズに
  応えていくためにも金融機関同士の店頭商品先物取引等が可能になるよう手当が必要。

・この「等」にはファンド業者も入れる必要があるのではないか。

・OTCについてプロは立派という前提に立つべきではないのでは。OTCにファンド業者まで
  入れるということになれば、OTCが大がかりなものになるが、証券において、原市場とオプシ
  ョン市場においてもそれぞれで相場操縦が問題になっているように、OTCと先物市場間でも
  不公正取引等の規制が必要。ファンド業者や金融機関、当業者が入る大がかりなOTCと取
  引所が両立するのか。

・OTC取引と取引所での取引をリンクさせて取引していて、取引所での市場管理ルールで強
  制手仕舞い等させられるケースもあり得るが、そういう場合、OTC取引の方のルールはどう
  なるのか。

 最後に、事務局より次回日程について、12月24日(水)14:00~16:00に開催することが連絡された。




【出席者】
 分科会長         神 崎 克 郎   関西学院大学法学部教授
 委  員     池 尾 和 人   慶應義塾大学経済学部教授
 委  員     石 戸 谷 豊     日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員長
 委  員     上 村 達 男   早稲田大学法学部教授
 委  員     大 森 輝 夫   新日本石油株式会社常務取締役
 委  員     尾 崎 安 央   早稲田大学法学部教授
 委  員     久 野 喜 夫   FIAジャパン・チャプタープレジデント
 委  員      高 井 裕 之    住友商事株式会社金融事業本部
                                     コモディティビジネス部長
 委  員     鳥 居 敬 司   株式会社みずほコーポレート銀行常務執行役員
 委  員     中 澤 忠 義   東京工業品取引所理事長
 委  員     藤 田 庸 右   (社)商品取引受託債務補償基金協会理事長
 委  員     二 家 勝 明   日本商品先物振興協会会長
 委  員       堀 田 健 介   モルガン・スタンレー証券会社会長
 委  員     堀 口   亘   日本商品先物取引協会会長
 委    員      森   宏 史   明治製菓株式会社執行役員
 委  員     森 實 孝 郎   東京穀物商品取引所理事長

【事務局】
 農林水産省    田中 大臣官房審議官
          田辺 商品取引監理官
 経済産業省    青木 商務流通審議官
                  小川 消費経済部長
                  前野 流通政策課長
                  横尾 商務課長

【問い合わせ先】
 農林水産省 総合食料局 商品取引監理官 五十嵐
 経済産業省 商務流通グループ 商務課 柳橋、山崎

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最終更新日:2004.04.01
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