経済産業省
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産業構造審議会商品取引所分科会(第4回) 議事要旨

日時:平成19年11月28日(水)10:00~11:40

場所:経済産業省別館10階各省庁共用1028号会議室

議題

商品先物市場の金融分野との連携・融合のあり方

今後の商品先物市場のあり方について(中間整理)(骨子案)

出席者

尾崎委員、荒井委員、池尾委員、石戸谷委員、加藤委員、久野委員、高井委員、多々良委員、南學委員、唯根委員、渡辺委員

議事要旨

1-1.商品先物市場の金融分野との連携・融合のあり方についての説明

事務局より、資料3に基づき説明

1-2.当該説明に対する意見交換

  • これまで、本分科会において、商品市場と金融市場の連携の問題に関連して、投資信託の特定資産に商品あるいは商品先物を指定することや、金融市場で運用されている資金が商品先物市場に流入しやすい環境を整備することを要望してきたが、本日の資料にはこれらの事項が盛り込まれており、評価している。政府が年内に策定を予定している金融・資本市場競争力強化プランに反映するよう最大限の努力をお願いしたい。資料3の5頁に記載されている取引所間の連携や競争のための環境整備を図ることについて、前向きに取り組んでいくべきものであり異存は無い。しかし、5頁の(注)に記載してあるように、金融商品取引法と商品取引所法は異なる規制体系を有しているので、商品先物取引の産業インフラとしての機能が損なわれることのないよう、様々な角度から十分に議論した上で方向付けを行ってほしい。
  • (資料3の5頁の四角囲いの中に)「商品取引所が金融商品を取り扱うことについて」とあるが、商品取引所の子会社等が金融商品を取り扱うことになると思っていたが、商品取引所本体で扱うことを含んでいるのか。
  • 資料を見ると商品取引所本体が金融商品を取り扱うようにも読めるが、今の金融商品取引法の考え方を踏まえると、基本的には本体とともに子会社が取り扱うことを前提としている。今の商品取引所法が商品と金融商品の双方を取り扱う場合には、当然、金融商品取引法と商品取引所法の両方の規制がかかることが自然ではないかと考えており、例えば、持株会社をつくってその下に子会社をつくり、その子会社が金融商品のみを取り扱う場合には、金融商品取引法の規制がかかると考えている。
  • 私は金融審議会第一部会長を務めているが、今日提示された資料3の4頁から6頁までの方向性については、基本的に金融審議会と一致しており、結構なことである。取引所間の連携を可能にする制度整備については、まだ詰めなければならないポイントはあるが、資料3の8頁に記載されているとおり、金融審議会としては喫緊の課題であると考えている。既に世界の取引所では、とっくにグループ化が実現しており、今すぐにグループ化を可能にしたとしても、世界に追いつくだけの話である。日本の商品取引所がアジアにおける中心的な地位を占めることを政策目的として考えている限り、あまり時間をかけている余裕はない。拙速は避けるべきだが、喫緊の課題という認識を持って欲しい。
  • 他の委員の論点と同じポイントだが、以前、金融審議会第一部会でコモディティ・デリバティブの話をした際にも述べたが、最近の流れでは、オルタナティブ投資がメインストリームになっている。このような中で、産業政策と金融商品の整理について、これまでの日本的な考え方でよいのか疑問に感じる。どういうことかというと、金、原油、トウモロコシ、不動産、排出権等であっても、現物を扱っているところには産業政策の観点が必要。しかし、これらが一旦デリバティブ化すれば、それは金融商品であり、これは世界の常識となっている。この点について、海外と日本の間には非常に大きなギャップがある。私どもは商社として様々な原資産を扱っているが、昨今は原資産が金融商品化して、株の先物、為替の先物、金の先物、原油の先物という先物という範疇で一つのグループとなっている。海外の投資家も同様に考えている。日本の法律上でも国際標準に合った形に整合性をつけていく時期に来ているのではないか。他の委員が言われたように、金融審議会でものすごいスピード感をもってやっていることになっているので、非常に複雑な悩ましい議論もあるが、商品取引所においても、スピード感をもって取り組んでいく必要がある。
  • 他の委員が言われたとおりの認識である。ただ一方で、今回、そこまで行けないのならば、金融といわゆる商品のデリバティブの間で、規制、取引所ルール、マージン計算やクリアリングの方法等を合わせるよう、ユーザー側として要望する。また、ある特定のプロダクトの範疇の中で、産業インフラ、あるいは何らかの政策の観点から、金融商品に組み込めないものについては明らかに区別し、基準を設けた上で、金融と商品の規制を同じにする方法もあるのではないか。例えば、米国では、金属、穀物や畜産系商品について、それぞれのプロダクトごとに、例えば、マーケット・マニピュレーションへの対応等、規制のかけ方や真剣さが異なる。したがって、原則としてある程度、規則を一緒にした上、例外を設けるといったやり方の方がユーザーは使いやすいのではないか。
  • 商品と金融の連携の理念について必ずしも反対という立場ではないが、これから取引所間の競争が始まる中で、現在の取引所がその機能と競争力を維持・強化していけるのかどうか一抹の不安がある。工業品先物市場の競争力強化に関する研究会でも述べたように、24時間化した市場を実現すれば事足りるわけではなく、いかに流動性を確保して市場の厚みを増していくのかということについて、関係者が必死になって考えることが最も重要なポイントではないか。
  • プロ市場化の方向を目指していると思うが、(金融商品取引所が)新たに商品デリバティブを扱う取引所ができると、規模の大きなものができることが想定され、一般個人も大きな影響を受けることになるので、プロ市場に相応しい参加者の構造にすることを強く申し上げたい。
  • 意見を伺う限り、いわゆる商品と金融との連携・融合という基本的な方向については異論がほとんどない。ただ、その方法に関しては議論があり、その方法の選択において、拙速は問題だが、スピード感を高めるというのが落としどころではないか。とはいえ、他の委員が仰ったとおり、商品デリバティブは金融商品としての性格を強めており、流動性を高めるためには市場参加者の多様化が必要。ユーザーにとって魅力ある市場にするためには垣根をどのように取り払い、利用勝手を高めていくのかといった方法が、喫緊に求められている。
  • 資料3の5頁の(注)にあるように、今回の話は、商品取引所が証券先物もできるようになる、証券取引所が商品先物もできるようになるといったリシプロシティーの関係で競争を促進していくという観点で結構なこと。ただ、証券と商品のマーケット規模から言って、金融市場は太平洋であり、商品市場は琵琶湖ぐらいの規模感の違いがあり、商品取引所が証券先物を扱うのは非常に非現実的と考える。また、金融商品先物取引所、証券取引所が開設する商品取引所については、商品取引所法のもとでこれを行うべきとあるが、金融商品取引法だけでも大変なのに、商品取引所法が加わり、さらに、商品取引所法の規制当局は農林水産省と経済産業省の2つもある。事業家の立場から見ると非常に煩雑であり、競争促進の流れの中で利便性に欠如する。やはり、この2つの法律を統合して、新しい事業を行う者にとってフレンドリーな法体系にしないと、スピード感をもって取り組むべきとしても、うまくいかないのではないか。
  • 資産運用、デリバティブ取引を行いたいという立場からすると、他の委員の指摘のとおりであるが、商品取引所法の枠外で商品市場を証券取引所の下に開設するとなると、産業政策上の配慮、産業インフラの機能がどのような形で担保されるのか、(担保されなければ)産業インフラとしての機能を損なうという懸念が生じるので、そういう面に配慮して方向付けを行って欲しい。もっとも、他の委員も商品取引所の持つ産業インフラの機能について、まったく無視してどんどんやるべきというわけではないと考えている。
  • 産業インフラとしての重要性については、例えば、主食の米を取引所で扱う際に、米の先物が投機家等や国際マネーの玩具にされてよいかということ考えると、よく分かる。ただし、従前のコモディティを二分化して考えていく必要がある。つまり、日本にとって必要で国際マネーに翻弄されてはまずい産業商品や農業商品は別扱いにして、価格がニューヨークやロンドン等の海外で決まっている国際商品である原油、金、アルミ等については、金融商品として取り扱ってよいのではないか。したがって、産業政策を一律に考えるのではなく、ある程度現実に即した考え方をしていく必要がある。
  • 他の委員から指摘があったとおり、資料3の5頁の(注)の一番大事なところは、「産業基盤としての機能等を踏まえ」の部分である。この「機能等」については、本分科会でも共通理解になっていると思うが、公正・透明な価格形成機能やリスクヘッジの場の提供を通じて、産業を振興するということである。これに加えて、資産運用の機能もある。機能によって規制の在り方は異なるので、形式的に法律を一つにしても、適用される章や条は分けられるので、結局、二重監督、三重監督となり、かえって手間がかかるという現象だけが残ることになる。したがって、法律を一本にすれば良いということではなく、機能に応じたあり方を強く認識すべきである。
  • 方向性としては賛成である。ただ、商品先物市場は金融市場とは異なる部分があり、両理事長が仰ったように産業インフラとしての機能が一番重要なポイントと認識している。したがって、単純に金融市場と一体化するという発想は違うのではないか。
  • 金融審議会と商品取引所分科会と別々に開催しているが、両方にまたがる話を議論しており、合同の検討体制を作った方がよいのではないか。取引所の連携に比べると小さな話ではあるが、資料3の4頁に記載されているとおり、投信法の特定資産に商品と商品先物の権利が含まれるようにし、運用業者に対する商品ファンド法の規制が大幅に緩和されれば、有価証券デリバティブも扱えるようになる。商品ファンド法は有価証券が50%を越えると金融商品取引業者の登録が必要になるが、資料3だと、運用業者はファンド法の適用がないということになりわかりにくい。投信法は商品及び商品先物関係の権利の割合を一定ラインで決めるのかわからないが、組成面はともかく、運用面において投信法と商品ファンド法の違いが分かりにくくなるといった論点があるのではないか。
  • 先程議論があったように、法体系が異なる場合にはそれぞれが自己完結的規制体系を持っているということになるため過剰規制の問題が出てくるが、機能に対して必要な規制をかけなければならない。したがって、横断的法制というのは、どこまで実現可能なのか、法律論として大変重要なポイントである。
  • 資料3の6頁の(4)は、前回他の委員が仰っていたとおり、金融機関が商品市場に入ってくるときに、現受け、現渡しのところで制約があるため、なかなか踏み込めないということであったが、制度改正をして入りやすくすることは大変結構なこと。保険会社からの参入があるのかは疑問だが、メガバンクなどは商社と同じように商品デリバティブの専門部署をつくってビジネスを行っている。彼らは商品先物市場を使えないという制約があるため、お客様に販売した店頭デリバティブ商品をほかの店頭デリバティブでカバーするという歪な形でのオペレーションをしているので、顧客に販売した店頭デリバティブを日本の東京工業品取引所もしくは東京穀物商品取引所で素直に(リスクを)カバーできることになれば、良い流れになると思うので、賛成である。
  • 現在、証券会社は、デリバリーがついている商品先物を自己アカウントで取引することはできるのか。金融庁の資料では、証券会社はできるとのことであった。銀行が商品デリバティブの現物決済をできるようにするのはよいことだと思うが、証券会社が現在扱うことが可能であるならば、あまり大きな効果はないのではないか。なぜかというと、言いにくいが、日本のメガバンクはノウハウやソフィスティケーションという点で10年ほど遅れており、そんなに期待してよいのか。
  • 本分科会において、これまでの議論をまとめ報告するに当たって、金融・資本市場競争力強化プランへの対応を含めて、基本的に資料3の対応の方向性で異論はない、基本的な了解はいただいているものと考えている。スピード感が必要だという意見がある一方で、拙速はよくないという意見もあったが、規制のあり方が法改正に及ぶことはあり得る。当面の課題は資料3の中に組み込まれていると思うが、基本的にこうした方向性で対応することでよいか。
  • 本日の議題と直接的な関係はないが、現在、商品先物に係る税制が証券等の税制と異なっており、今後、商品先物を含めた金融所得の一体課税についても視野に入れておいてほしい。

2-1.商品取引員ディスクロージャー資料に基づく苦情等に係るデータについての説明

荒井日本商品先物取引協会会長より、資料4に基づき説明(前回の分科会において、日本商品先物取引協会が説明した苦情件数の正確性について、他の委員から指摘があったため。)

2-2.当該説明に対する意見交換

  • 苦情等の数字について提供いただき、平成16年の法改正により、再勧誘規制や適合性原則の徹底が定められたため、苦情等の件数が増えたのではないかという説明があった。私は相談を受ける現場にいるが、件数でみるのではなく、一件一件の相談内容に大きな問題を孕んでいるものがある。苦情内容や紛争内容に関する資料はあるか。
  • 日商協においては、「平成18年度苦情解決レポート」として、平成11年の日商協の発足以降の苦情等について、内容の分析も含めてまとめたものをHPに公表しており、指摘のあった苦情内容については御覧いただければ分かると思う。
  • 今、日商協において把握しているのはどのような問題か。また、過去のデータもレポートには出ているのか。
  • 前にも述べたが、商品取引の入口段階における不当勧誘が6~7割ということもレポートに出ており、例えば2006年度ではトータルで171件の苦情の申出のうち、入口段階での苦情が101件で全体の59.1%、仕切回避が21件で12.3%、無断売買が14件で8.2%を占めている。平成16年の法改正前には、入口の苦情件数が相対的に少なかったが、これは苦情全体の件数が減る中で、入口の苦情件数は減らなかったため、相対的にパーセンテージが多くなってきたということ。出口の仕切回避などについては、昔と比べると随分減ってきている。(今説明したとおり、)過去のデータについてもレポートに出ており、詳しく分析している。
  • 相談窓口における件数の減少は、必ずしも苦情の減少を示すものではない。消費者も訴訟で解決する方法を大分理解しており、また、我々も早く訴訟にして救済する方法を推奨することもある。このため、そういう部分も含めて、苦情の具体的な内容について、当局の方も是非把握してほしい。
  • 商品取引員のディスクロージャー資料の苦情・紛争の内容までは把握できてない。
  • 把握できてないということで大丈夫なのか。把握なしでは、指導や制裁に繋がらないのではないか。
  • ディスクロージャーの目的は、商品取引員が顧客との間でどの程度のトラブルを抱えているかを、顧客に対し情報提供するもの。
  • 日商協も私たちも、ディスクロージャー資料では明らかにしていないが、それ以外の苦情・相談の中で、例えば、不当勧誘がどういうものでどういう企業に多いのか、具体的にどういう苦情が来ているのかについては、これらを詳しく分析した上で、検査や処分に活用しているし、今後も他の委員の指摘を踏まえて対応していきたい。また、日商協においても、苦情内容については、ディスクロージャー資料には入っていないが、十分にやっているものと理解している。
  • 苦情等の件数については、2004年と2005年の間に大きなギャップがある。2004年の法改正時に委託者保護のあり方をどうするのか議論を行ったわけだが、議論の基礎になる被害実態の数字が過少であったという点については大変遺憾である。法改正というのは、立法事実を踏まえて対策を考えていくものであり、そこのデータが違っていると中身に大きく影響してしまう。これは、苦情等の件数を少なく出してしまおうという意識が各社にあったことは否定できない。平成18年度を見ても、10万口座しかない中で訴訟が1000件も毎年係属しているというのは、他分野と比べても非常に多い。例えば、FX(外国為替証拠金取引)でも60何万口座あるが、訴訟がほとんどなくなっている。また、証券の世界においても、証券不祥事以降、一時期全国各地で証券事件を扱う研究会などを立ち上げたが、訴訟に至るのは従来型の営業で過当取引をやっている類型であり、個人の投資家がネット取引に移行していることもあり、訴訟の数はめっきり減っている。要するに、やり方如何で、苦情等が劇的に減ることは可能であるが、2004年改正で再勧誘の禁止を盛り込んだことによって、逆に苦情が増えているのは、大変深刻な問題である。昨年、金融商品取引法の審議における附帯決議にも関係あるが、残念ながら先程の説明だと逆に増えていることになるので、プロ化したときに委託者保護策について十分に検討する必要がある。取引所のあり方に議論が集中しているが、紛議は取引員と顧客の間で発生するものであり、そこの手当てをよく考えていく必要がある。
  • 今後、日商協から会員に対して、ディスクロージャー制度の趣旨を踏まえて、引き続き、正確な情報を開示してもらうようにすると聞いているので、これにより正確な情報が開示されることを期待している。また、行政としても、立入検査の結果、商品取引事故の未報告について、違法行為が確認された場合には、業務停止命令や法令遵守体制の整備等について業務改善停止命令等を発するなどしているが、できるだけ迅速かつ厳正な行政処分を実施しており、今後も日商協と協力しつつ、適切に開示が行われるよう努力していきたい。
  • 透明性を確保していく一方で、企業の内部統制の体制についても同時並行的に進んでいかないとうまくいかないと思う。
  • 今、指摘があった点については非常に重要で当然のことであり、コンプライアンスの問題等についても各社真剣に取り組んでいる最中である。確かに苦情の件数等はこのように出ているが、他の委員が仰った数字の問題ありますが、我々としても、できることを一つずつまじめに早急に取り組んでいるのが実態であり、その点について理解いただきたい。

3-1.今後の商品先物市場のあり方について(中間整理)(骨子案)についての説明

事務局より、資料5に基づき説明

3-2.当該説明に対する意見交換

  • 強い要望を2点申し上げたい。第1は、資料5の「I 3.(1)基本的な考え方」の中に、キーワードとして「プロ市場化等」という言葉があり、この点について方向性は否定しないが、プロとは何か、プロ市場とは何かについて、必ずしも認識が一致していない可能性があるため、「プロ市場化」という言葉が一人歩きするおそれがないよう、是非とも丁寧な記述にしてほしい。前回、他の委員から、現状は個人委託者の割合が、東工取と東穀取では違うが、相当高いシェアを占めているとの発言があったが、こういう現状から議論をスタートしないと、仮に表現がプロのみの市場ということになると、絵に描いた餅になる可能性が大いにある。つまり、AかBかでなく、AもBもであり、商品先物取引全体としてのパイを広げることが目標であるため、この点に気をつかった表現にしてほしい。2つ目は、資料5の「I 3.(2)(1)市場の流動性の増大に向けた課題」の中に、「上場商品構成の多様化・拡大」とあり、これは非常に魅力的な言葉であるが、言葉だけで終わらないようにしてほしい。私どもは、柔軟かつ迅速な商品上場のあり方をいろいろなところで要望しているが、ワーディングだけで終わってしまわないよう、実現をするような表現まで高めてほしい。
  • 資料5の構成については、今日議論した「II」は「連携・融合のあり方」となっており、前回まで本分科会で議論したものは、「I」の論点整理となっているが、「I」については、今後のあるべき方向や示唆を行わないということか。また、これまでの本分科会の議論において重点を置いてきたのは、金融・資本市場競争力強化プランとの関係であり、ここの提言をとりまとめるという理解でよいのか。
  • 基本的に、「I」の「論点整理」には、1~3回で議論いただいたものをまとめ、併せて4回の議論についても入れ込もうと考えている。「論点整理」を踏まえて、特に今回本分科会を開催した目的の一つである金融・資本市場競争力強化プランの中に、論点整理のうち関係部分をどのように盛り込んでいくのかというのが、「II」の主要な目的であり、「I」を踏まえて、「II」を書いていくということを考えている。「I」と「II」のどちらかというよりも、「I」も「II」もと考えているが、書き方については、もう少し詳しく書いた上で皆さんに議論いただき最終的に決めていきたい。ただ、今の時点でおかしいものがあれば、意見をいただければと考えている。
  • 先程の他の委員の発言と前回の私の発言に関連するが、資料5の「3.(1)」と「3.(2)(3)」に「委託者保護」という言葉があり、「委託者保護」は本分科会の大事なテーマの一つであり、これまでの資料の中に、個人投資家の位置付けというテーマが出ていた。委託者保護の論点は、市場を現実に支えているのは、ウエートの高い個人投資家であるという意味で大事であるが、(資料5については)今後、プロ化を指向していく中で個人投資家を今後どう見ていくのかという議論を掲げて、委託者保護との関係を十分踏まえた上で、委託者保護の重要性を明確にしてほしい。
  • まさに今の点が重要であり、「I 3.(1)」の「基本的考え方」をどう書くのかだが、これまでの意見を聞いているとまだ認識が一致していない部分が残っているのではないか。確かに、白地から絵を描ける状況ではないし、足元の現実から出発する必要はあるが、足元の現実をどれだけ肯定的に捉えるのかという点には随分違いがある。私は基本的な方向性としては、プロ市場化を目指すとはっきり打ち出してほしい。もちろん、1~2年で個人委託者がいなくなるのを想定するのは非現実的であるということは認識しているので、基本的な方向性としては、プロ市場化を目指し、過渡期において存在する個人投資家に対しては十全な委託者保護の措置を取っていくというトーンにしてほしい。ただ、いつまでも個人投資家が大切という書き方にしてほしくない。個人に関しては、「II」の「商品を対象としたETFの実現」と「プロ市場化」はセットで考えており、個人投資家の資金は、投資信託一般や商品ファンド等の集団投資スキームを通じて、間接的に商品市場へ入り込む構図をつくりだすと同時に、商品先物市場自体はプロ投資家を中心としたマーケットにする。どうしても直接取引を行いたい個人については、ネット取引を中心とした市場構造に、できるだけ短期間で組みかえていくのが基本的な考え方ではないか。実際にビジネスを行っている方は、足元の現実が大切なのは良く分かるが、やはり目指すべき方向性という基本的な考え方を打ち出してほしい。
  • 他の委員と私では認識が少し違う。商品取引の世界では、プロとアマとでどこで線を引くのかはっきりしていない。他の委員の発言の中で一番気になったのは、個人投資家はネットを通じて取引を行えばいいとのことだが、ファンドではファンドマネージャーに運用を任せているように、識見、行動、コンプライアンスの点で非常に優れた外務員がいれば、売買を一任勘定で任せることも将来あり得るのではないか。個人投資家は取引業を通じて入ってくるのはダメとか、プロは機関投資家や外資が中心であるというような誤解を生まないように、「プロ市場化」については、丁寧な表現で書いてほしい。
  • 証券とか金融商品に世界においても、そのようなプロのとらえ方はしていない。個人投資家であっても、自らプロと宣言すれば、プロになれる仕組みになっていると記憶している。単純な切り口ではなくて、個人投資家であっても自立的な投資家はプロと言える。現状は受動的投資家が取引に引き込まれることが問題であり、それが再勧誘の禁止や不招請勧誘の禁止の議論に繋がっている。したがって、個人的には、自分でリスクが背負えればよく、背負えないにも拘わらず入ってくるのはどうするのか、まさに適格性が問題であり、極めて重要になってきている。そういった意味で、丁寧に書くという指摘はそのとおりだが、基本的な認識としては、将来的にプロ化を目指すという点については、委員の皆さんに共通していると考えている。プロ市場化への移行について、どのようなタイムテーブルの中で、どのように個人投資家を扱っていくのか、また、取引員のビジネスモデルを変える必要性について、相当以前から繰り返し言及してきたが現在も変わっていないところに大きな問題である。丁寧な表現にすべきという指摘はそのとおりである。また、スピード感の問題、委託者のトラブルの問題もあるが、従来からの委託者保護についてはしっかりとやっていく必要がある。
  • 委託者保護には歴史があり、今までの委託者保護というのは、勧誘の段階では個人への勧誘を認めているため、素人でよくわからない人も市場に入ってくるので、こうした人を保護しなければならないという意味での委託者保護規制であった。しかし、このような委託者保護が必要ない洗練された人が参入する市場を作るためには、従来の様々な規制が具合が悪いということで、規制緩和を行っていくという話になっている。そういう意味では、従来用語の委託者保護というのとは少し違うと思う。私は個人の参入を認めるなと主張しているわけでない。電話・訪問販売を禁止しているFXはどんどん自分から参入しているが、証券もネット取引が多くなり、たくさん参入している。勧誘の問題も申し上げており、不招請勧誘で主体的に入ってくる人たちで構成すれば、トラブルも減るし適当である。勧誘の段階で規制ができないのであれば、プロ市場に適合した適合性原則の水準に上げなければならない。

本日の議論のまとめ

  • 資料3については様々な意見があった。喫緊の課題としてスピード感をもって取り組むべきという意見と、他方、拙速は避け様々な課題を検討すべきだという意見があった。ただ、東京マーケットをどのようにしていくかという危機感の下で議論を行っているため、基本的な方向性については皆さんの了解が得られているものと理解している。取りまとめにあたっては、意見を踏まえて若干軸を修正したり、本日事務局から提示があった中間整理の骨子案についても、言葉が一人歩きして誤解を生まないように、文章の作成については事務局にお願いしたい。今後の予定は、骨子案に基づき中間整理という形でまとめたい。今回の議論は、出発点において、当初は具体的な法改正を議論するという前提ではなかったため、論点整理というまとめ方になったと認識している。また、経済財政諮問会議への対応として、金融分野との連携のあり方について、本分科会の意見を提言したいという趣旨もあったので、「II」という形でまとまっており、「I」と「II」を一体的なものとして、中間整理として両方まとめて記載したいと事務局とも考えている。

次回の予定

  • 現在、最終調整中であるが、12月7日(金)の午前中(9:30~11:30)に開催する予定。

以上

 
 
最終更新日:2007年12月21日
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