経済産業省
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産業構造審議会商品先物取引分科会(平成23年度第4回)‐議事要旨

日時:平成24年4月17日(火曜日)13時30分~15時30分
場所:経済産業省本館17階西3国際会議室

出席者

委員出席者:
尾崎分科会長、荒井委員、江崎委員、大田委員、岡地委員、川村委員、佐藤委員、佐野委員、多々良委員、細井委員、三次委員、唯根委員、渡辺委員、大橋氏(高井委員代理)
オブザーバー:
岡本・関西商品取引所理事長
高橋・(株)日本商品清算機構社長、
古澤・金融庁総務企画局市場課長

議事概要

大田委員(資料2)、江崎委員(資料3)、ギンガ・ペトロリアム・新村社長(資料4)からプレゼン

意見交換

  • 市場の活性化は健全化と一体であるということを重視すべき。一般的に健全化と言えば、1つは事業者、業界団体の自主基準、もう1つは法的規制、そして3つ目はそれのベストミックスである。商品先物取引の特性を踏まえた適正な措置を考えなければならない。
  • 商品先物取引は、ハイリスクの取引であることに加えて、取引を繰り返して、事業者に高額な手数料が入る取引。悪質な行為は自主基準だけで是正できるのか疑問であり、法的規制が必要ではないか。
  • 商品先物取引のトラブルには様々な業種の方々がいて、誰にでも起こりうる極めて深刻なもの。消費者も相談や訴訟をしているが、昨年の国民生活センターの国民動向調査では、PIO-NET1件の相談の裏には、28件の被害があると言われている。いわゆる相談をする人は、たった4~5%にすぎない。平成20年度版の国民生活白書によると、不招請勧誘で被害を受けたのに、事業者から自己責任を強要される場合が多く、被害者本人も自分の責任であると考えて、相談しない高齢者が多いということも明らかになっている。つまり、被害は表面化している件数よりはるかに多い。
  • 不招請勧誘禁止を導入したから全てがうまくいくということを考えているわけではないが、少なくともその入口において、本来は被害を受けなくてもいい人の被害防止を図る措置として、不招請勧誘の禁止は必要不可欠な措置。不招請勧誘規制が導入された後もまだ被害が続いているということもあって、不招請勧誘禁止は是非続けていくべき。それが健全化や活性化につながる。
  • 前回(平成20年度)の産構審の答申によって、商品先物取引は不招請勧誘禁止の適用除外にされると期待していたが、法案審議の過程でそれが導入されたことに非常にびっくりした。金商法では、取引所取引は周知性のある商品である、透明性がある等により、不招請勧誘禁止の対象外となっている。これと同様に商品先物取引についても、前回の産構審の内容に戻してほしい。早急に改善措置ができないということであれば、金融デリバティブ取引の経験者は、取引所取引及び店頭取引の別なく不招請勧誘禁止の対象外とする緩和措置をとってほしい。
  • セミナー参加者への勧誘について、改めて勧誘してよいかというような確認をしてから勧誘すべきであるという点はあまりに過剰な規制で、セミナーは様々な分野で行われているがそのような事例は聞いたことがない。セミナーに来られた方に失礼ではないかと思っている。
  • 商品先物取引業界においては、商品先物取引の契約を巡るトラブル防止について、関係団体をあげて取り組み、取引業者、会社の経営方針の中にトラブルゼロを当然のこととして位置づけている。トラブルは相手が存在し、その相手との関係で発生するものであるから、近年、その相手方との関係が従来と大きく変わってきており、特に委託者にかかる自己責任について、それを放棄して、責任を業者に押しつける傾向がないとはいえない。
  • 当社では、適合性原則に照らして不適格である者を営業の対象から外すことは当然のこととして、例えば専業主婦や高齢者といった社会的に弱い立場の人に関する条件を非常に強く付加しており、女性の場合には部長職以上が、高齢者の場合にはコンプライアンス担当者が契約に先立って面談を行い、お客様の属性や取引の意思の確認をしている。新たな取引をする方には、コンプライアンス担当者が電話で本人に確認を行っている。書面だけでなく、直接お客様に確認することによって、リスク等について誤解されている方や、不十分な理解にとどまっている方の排除に努めている。また、資産状況や取引の意思の確認も行っているので、資産状況の間違った申告をしている方については、場合によっては取引を辞退してもらっている。
  • 商品先物取引の現状をみるに不招請勧誘の禁止措置を含めた商品先物取引における勧誘のあり方について、トラブルの実態などを分析、検証した上で、早急に具体的な緩和措置を整理して、できるものから順次実施してほしい。
  • 商品先物取引のトラブルが多くひどい状況であった、あるいは営業姿勢が大変問題があった点について、資料2では裁判例も引用しており、事実があったということは受け止めなければならない。しかし法改正後の事例についてはご留意いただきたい点がある。トラブルというのは相手の言い分も聞いた上でないと実態がわからない。委員の資料2による指摘は、被害者の申し出の事実であって、一方的、一面的な指摘ということをご留意願いたい。
  • 資料6でPIO-NETの数字を用いているが、苦情・相談が大変減ってきている。日商協でいうトラブルは、解決や解決のあっせんをしてほしいという申し出になるが、例えば平成14年に500件を超えていたものが、平成22年、23年ではそれが50~60件に減ってきている。
  • 平成17年5月施行の法改正で、再勧誘や迷惑勧誘の禁止等、勧誘規制でかなり厳しい規制が盛り込まれた。規制の強化にあわせて、主務省では厳しい勧誘規制の下での検査が行われ、検査結果を踏まえてかなり厳しい行政処分が続いた。外務員をたくさん抱えて、電話勧誘で誘い込むというやり方をする業者は、今回の法改正施行となる平成23年前に撤退していったという経過がある。
  • 現在、商品先物取引の業者の営業の仕方は、資料請求、セミナーを通じて、あるいは既存の委託者に紹介してもらうというような形を通して、商品先物取引に関心のある人たちを選別して勧誘していくという姿勢になっている。あるいは登録外務員の勧誘を伴わないネット取引を中心に展開している。ビジネスモデルがかなり変わってきているのだということを報告しておきたい。
  • 1社あたりの外務員の登録状況の変化は、平成16年3月末に97社、外務員数1万4,894人、これは1社当たりの平均で153人である。平成21年3月末に49社、外務員数4,801人で1社平均98人である。ところが、平成24年3月末では33社で外務員数2,405人、1社平均72.9人ということになっており、平成16年に比べると1社当たりの外務員は半減している。勧誘規制を徹底するために、一度誘いをかけて断られた人には電話の発信規制装置をそれぞれの社で導入しているというような具体的な取組も出てきている。
  • 平成23年1月の商先法施行後に勧誘行為が行われて取引に至ったケースで、勧誘に関して日商協に苦情を申し立てたのは33件あった。そのうち、広めに捉えた場合の不招請勧誘絡みは12件あり、7件は通常取引の勧誘で、5件がスマートCXから通常取引に切り替える段階の勧誘に係るもの。一つ一つ確認するとそのようなものにかかわった社は、確認できた範囲で6社であり、33社中の6社が広く拾い上げた場合の不招請勧誘絡みの苦情にかかわっている。業界全体、あるいは商先業者の姿勢として変わっていないという指摘は少し厳し過ぎる。
  • 自主規制団体である日商協としては、不招請勧誘禁止の遵守をはじめとして、勧誘規制はきちんとやらなければいけないし、適正な勧誘行為を確保するということが一番大事な課題であるという位置づけをしている。日商協では苦情にかかわったということがわかったら、その会員商先業者1社ごとに営業の仕方等について個別指導を行っている。このようなトラブルの実態や商先業者の経営姿勢にも鑑み、一律規制よりは個別の事後規制の方が実態に合うのではないか。
  • 委員のプレゼン資料(資料2)には不招請勧誘禁止導入後の5つの被害事例が報告されているが、これには2通りの受けとめ方がある。これら5つのケースは何を禁止してもそれを無視する、違反するような悪質な業者のケースであって、それ以外の業者は不招請勧誘の禁止の効果があったのだと解釈するべきなのか、逆に、実は出てきているのがたまたまこの5ケースにすぎず、現在の商先業者の相当部分が禁止しても効かない悪質なものであるということなのか。つまり、悪者を相手に議論をするのか、善良な業者を相手にルールを考えるのかということを伺いたい。
  • 今回出てきた5件は、いろいろな方にお願いして集めた事例。全ての業者について調べた訳ではない。不招請勧誘禁止規制以前の状態ではほとんどの業者が問題を起こしていて、その中で今現在残っている業者の中から被害が出ている。それが全部の業者なのかどうかはもちろん検証しなければいけないが、従来の業界の営業姿勢がほぼ業者全体に及んでいたことを考えると直ちにこれが一部の業者といえるかどうか。今の段階では他の業者について問題はなかったというように簡単に言える状況ではない。
  • 商品先物業界で実際に営業を10年以上経験してきた経験から言うと、お客様から取引をしたいというような申し出があった場合も、適合性の原則に照らして、遠慮させていただいた方がいいと判断された場合には実際にお断りすることも数多くあった。業界全員が悪質な営業という訳ではないのではないか。ただ一方で、同じ会社の中でも営業マンの中では、お客様が1,000万円の投資資金を持ってくれば、1,000万円の手数料が落ちると言われていたことも事実。必ずしも全員が全員そのような考え方に基づいて営業している訳ではなかったと思うが、同じ会社の中でも部署とか上司の考え方によって、そのような営業をせざるを得なかった人もいるだろう。
  • 市場の活性化のために必要なことは流動性を高めること。流動性が高まれば、海外の当業者、ファンド、プロップ、国内の商社等はおのずと入ってくると推測される。つまり、その流動性をどのように回復させるかということが一番大切ではないか。
  • 流動性を高めるために考えられる柱が3つある。まず柱の1つめは個人投資家への啓蒙。投資する金融商品が増えていく中で、あえて商品先物市場を投資先、投機先として選択させるための動機付けが必要。一つは証券と商品税制の一元化。もう一つは証券と商品における取引口座の一元化。この二つがあれば、商品先物市場を選ぶメリットが出てくる。また、各社のセミナーにおいて取引所も説明に参加すること。これは東金取のFXの普及活動が参考になる。すでに関西商品取引所も行っているようで、人的、コスト的に厳しいかもしれないが、是非やっていただいた方がリスクを知らない人が入ってくるということも少なくなる。現在、取引開始時、若しくはスマートCXから通常取引への移行時に、会社の管理部やコンプライアンス部門の営業とは別の人がお客様に面談や電話でリスク等の説明をされていると思うが、同じ会社だと断る方向に持って行くのは難しい部分がある。例えば振興協会や日商協が第三者としてリスク説明に行くとか電話するとかいう工夫はあってもよいのではないか。その方が投資家も相談しやすい。
    柱の2つめは当業者への啓蒙。これは中小企業等に対するリスクヘッジの必要性認識のための啓蒙。銀行等が販売する店頭デリバティブを買う中小企業は増えてきており、その中で店頭ではなく取引所取引を選ぶ動機付けや啓蒙が必要。全部で6つ考えた。(1)商品の季節性や地域需給差を考慮したヘッジ会計への改正。(2)外務員のリスクヘッジやヘッジ会計に関する知識の向上。現状はリスクヘッジやヘッジ会計については勉強する機会や資料があまりない状態。(3)関連する業界団体への啓蒙活動。(4)会計士・税理士に対するリスクヘッジについての啓蒙活動。現状は会計士・税理士自体が商品を使ったリスクヘッジというものに関する知識がないため、中小企業に対して提言できない。(5)農業高校、大学、経営学部、経営学部、農学部等における寄附講座の拡大。(6)銀行において取引所取引を取り扱うことができるようにする。銀行の一部では、店頭デリバティブを扱っているところもり、中小企業のオーナーとの付き合いも深い。銀行の方が商品のリスクヘッジの知識を深めれば、担当する中小企業にとってリスクヘッジが必要かどうかも判断しやすい。
    柱の3つめは、商品先物市場のイメージアップと情報提供。(1)商品先物取引の個人投資家向け・中小企業向けの書籍の充実。必要な書籍は主に3つで、i)商品先物市場の仕組みについての解説本、 ii)各銘柄について解説したものやデータ集、iii)商品先物市場を利用したリスクヘッジやヘッジ会計の解説本で商品特有の部分に言及したもの。(2)クロスメディアによる一般消費者と投資家の啓蒙。例えば商品市場を舞台、題材にした物語のようなものが作れるのではないか。インターネット、テレビ広告、ドラマ、映画などのメディアをクロスさせる戦略によってイメージアップを図ることは検討できないだろうか。その際、各社単体で行うのはコストの問題もあるので、取引所、振興協会、日商協、業界各社全体がイメージアップ戦略を描いてやった方が費用対効果がいいのではないか。(3)外務員資格の一般開放と商品仲介業者の活用促進。証券外務員二種試験は資格が一般に開放されていて、そのことによって、例えば知識欲が旺盛な方は学校に行き外務員二種を取るような宣伝知識副効果というものもある。現在、外務員資格は会社に帰属するものであって、会社を辞めた場合は資格自体がなくなる。外務員資格を会社とは切り離して、証券外務員のように一般開放することを考えてもよいのではないか。また商品仲介業もあまり活用されていないようなので、例えば会計士・税理士が取れるような何かしらの啓蒙策を考えてはどうか。
  • 商先業者全体がいいのか悪いのかという話について、全体を性悪説のような前提で一律に規制をかけていくのは問題ではないか。
  • 現在のコンプライアンス問題の一番の要は、会社の体制として適切な勧誘が行われるように体制を組まなければいけないということ。法改正後の主務省の監督指針などをみても、個別の外務員の教育、レベルアップ、コンプライアンスの徹底ということはもちろん、会社として全体の法令遵守体制をどう構築していくかということにかなり目が向けられている。日商協としてもそのように指導し、各会員に守ってもらうという姿勢。
  • 委員から、スマートCXから通常取引への移行の時にどのような確認、あるいは説明をするかといういくつかの指摘等があった。現状、招請の意思があることを確認し、なおかつそれを証拠に残すという努力を各社行っている。
  • 先程委員からも意見があったように、PIO-NETは全体の4~5%であり、声が出せるのがその程度だということ。金融業界のトラブル連絡会に参加しているが、各業界団体はトラブルをゼロにしようと自分たちの取組を公開し、細かく分析している。業界団体が自主基準で頑張るのであれば、もっとその効果についても消費者にわかりやすいようにしていただきたい。
  • 商品先物は専門用語が難しくて、一般の消費者は本当に自分が理解しているのか不安を抱えているところもある。一般消費者に勧めるには、イメージアップだけでなく、商品説明などをしっかりする体制が必要。
  • 手数料については、前回の改正の時にも実態として手数料稼ぎの被害が非常に多いということだったので、見直しをしていただきたいというのは申し上げた記憶がある。これについてももう少し具体的にみて、見直してほしい。
  • 業界としては、すでに何年にもわたって健全化や信頼性の向上に積極的に取り組んできており、その結果が近年の苦情トラブルの件数の大幅減少につながったということ。不招請勧誘禁止が導入されたから減ったということではなく、それ以前から自主規制機能の強化、健全化への取組の成果によって大幅に減ったということを理解いただきたい。
  • 問題のある事案が発生したり、特定の会社に苦情が集中した場合、自主規制機関である日商協が適切かつ厳格な対応をしている。今後とも規制環境のいかんにかかわらず、自主規制の強化、健全化への取組の姿勢が変わることはない。
  • 商品先物取引はレバレッジ取引なので、時として相場の予期せぬ変動などで大きな損得が短期間で発生するとういことはある。価格変動に対する運用リスク、リターンという点では他のレバレッジ取引の株式先物やFXと全く同じ。こうした種類の取引に興味、関心とか経験のある投資家には、他のレバレッジ取引と商品先物を同じ土俵で選択肢の一つとして考えてもらいたい。
  • 日本においては、コモディティに対する一般の認知度、あるいは情報が少ないため、より丁寧な説明、時間をかけた理解が必要である。それが現在では、他の業種では普通で当たり前の説明・接触すらできない。今後は商品先物市場を通じたコモディティにおける資産運用を健全に普及啓蒙できるよう、バランスの取れた規制のあり方を求めたい。
  • 前回(平成20年度)の産構審でも流動性向上を議論したが、惨憺たる結果になっている。先物市場の理解度が足りないのは日本の一つの大きな特徴。そのメカニズムや特性、機能がなかなか理解されない。国際競争力向上の観点から、幅広く商品先物の理解を求めるための説明会、情報交換会、勉強会を持つべき。当業者が協力できる場があれば協力する。
  • 農産物は工業品に比べて非常に厳しい状況にある。その意味では、農水省の積極的な取組をお願いしたい。農産物市場が東工取に移管されれば、工業品取引所の農産物となるわけだが、それだけでも新規に商いができるとは容易に思えない。農水省がしっかりバックアップしていくと言うことを明確に示していただきたい。また、コメは現在試験上場期間中であり、業界の要請を受けて認可しただけということではなく、しっかりバックアップしてほしい。

事務局から資料5、資料6、資料7、資料8、資料9の説明

閉会

以上

関連リンク

 
 
最終更新日:2012年6月5日
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