経済産業省
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産業構造審議会商品先物取引分科会(第6回)‐議事要旨

日時:平成24年6月18日(月曜日)16時~17時40分
場所:経済産業省本館17階西3国際会議室

出席者

委員出席者:
尾崎分科会長、荒井委員、江崎委員、大田委員、岡地委員、川村委員、佐藤委員、佐野委員、多々良委員、細井委員、三次委員、渡辺委員
オブザーバー:
岡本・関西商品取引所理事長、
高橋・(株)日本商品清算機構社長、
古澤・金融庁総務企画局市場課長

議事概要

事務局より資料2、資料3、資料4について説明後、意見交換

意見交換

  • 農産物市場の移管について、関係者の努力によって市場移管が合意されたのは大変喜ばしい。東工取には当業者として大変感謝。市場振興については、取引所だけでなく、取引員も含めて大々的に行い、移管時には現在よりも一段も二段も上の状態になるようにしてほしい。当業者としても協力できるところは大いに協力したい。
  • 外務員の資質向上について、市場の公正で健全な発展のためには絶対必要。商品先物市場の基本や商品特性、専門知識などを理解・習得し、機能・存在意義を理解して、外務員の本来あるべき姿を認識すれば、法令遵守やコンプライアンスもおのずと達成できると考える。市場分析とか論文等を発表する場など、資質向上を競える環境作りが重要。
  • 商品先物に関する正しい理解の拡大も重要。取引所が中心になり、業界団体も含めて地道な商品先物市場の啓蒙運動になるが、市場の正しいデータや分析などの積極的な情報提供が必要。経済情勢や商品そのものにかかわるデータなどは取引する理由や根拠になる。この情報提供については、主務省の役割が大きい。
  • 市場参加者の中で重要な位置を占める一般投資家の意見や要望を吸い上げる場を設ける必要がある。取引員がその代弁者であるが、直接そのような方々の声を聞くことに意義がある。
  • 報告書については、大きな異論はなく賛成。市場の活性化は健全な市場があってのこと。細かい部分だが、修正を検討してほしい部分がある。10頁の外務員の部分について、外務員は流動化を高める機能を発揮させる役割だけでなく、委託者保護の役割も担っているので、その点を追加してほしい。
  • 13~14頁の不招請勧誘の禁止の部分について、「施行後1年半しか経っておらず~十分に見極めることは難しいため」と「現時点においては、こうした拡大が必要な状況ではないと考えられ」が矛盾しているように思える。「現時点においては、こうした拡大が必要な状況にはないと考えられ」を削除するという形にしてはいかがか。
  • 14頁の自主規制の充実について、自主規制というのはきちんと実効性を確保しなければならないと思うので、「実効性ある」という言葉を足していただければと思う。
  • 14頁の「顧客の知識や経験に対応した勧誘のあり方」の表題部分について、適合性原則のことを意味していると思うが、顧客の知識や経験だけではないので、「等」を追加してほしい。
  • 15頁の(2)、適合性原則の確認においての最後に、「丁寧にダブルチェックする社内体制を整備することが有効である」とし、会社の中の社内体制を整備していただきたいということを書いてほしい。
  • 6頁の新規商品の上場について、電力の話も記述しているが、この点は現在資源エネルギー庁で議論がされている。そこでどういう議論になるのかよく見極める必要がある。発送電の分離とか電気料金の自由化とか、競争を促進する方向での議論がなされると思うが、それが進んで、例えば発電事業をやる時にリスクヘッジも必要だとなる場合に備えて、準備を進めたいと思う。ただ、卸電力の市場がすでにあるので、そういう関係機関とも十分連携しながらこの問題に対応していきたい。
  • 7頁の現物受渡制度の柔軟化について、海外の利用者を考えると、受渡場所も海外で行われることが必要になってくると思うので、そういうことによって市場の参加者を増やしていきたい。海外の例を見ると、受渡当事者の合意というのが前提になっているようで、どういった制度がいいのかということを考えていきたい。
  • 11頁の税制・口座の一元化について、特に金融商品の取引をしている投資家が商品にも資金を投入していただくということを考えると、こうした税制ないし口座の一元化は非常に重要な要素である。
  • ヘッジ会計制度について、ヘッジの制度的な枠組みが整うと当業者もヘッジの場として利用しやすくなるので、税制の問題、会計処理の問題も併せて考えていただきたい。
  • 13頁のOTC取引については、JCCHとこれから相談しながら取り組んでいきたい。海外の商品取引所でうまくいっていて、経営が安定している取引所はOTCとうまく連携しており、我々も是非そういう方向にもっていきたい。ただ、実は課題もあって、例えば商品先物取引法に類似施設の開設の禁止という規定があり、それとの関係をどう考えるのかや、現実的には例えばJCCHの資金力の問題をどう考えるのか、今の段階ではかなり制約がある。
  • OTCでクリアリングをするということは、つまりカウンターパーティーリスクを遮断する要素があると思うが、石油製品を考えるとまだ依然として縦の系列の流通というのも圧倒的なウェートを占めている。その中でどの程度のクリアリングニーズがあるのかということも見極めないといけない。また、海外でもCMEのように法的なクリアリングをやっているところがあって、日本の商社も参加している。それらと競争してやっていくというのは相当エネルギーがいることなので、我々としても研究し、また努力しなければならないと思う。
  • 先程委員から指摘があった不招請勧誘の禁止に関する記述で、「こうした拡大が必要な状況にはない」という記述を削除すべきだという御意見について、ここ数年の苦情の件数、トラブルの件数は激減しているので、そのような状況から見ると「拡大が必要な状況にはない」というのは非常にもっともである。したがって、これは削除せず、きちんと記述すべき。
  • 基本的には、全体の報告書(案)の取りまとめについては、この分科会での議論が十分反映されているということで賛成。
  • 15頁(2)において、「適合性の原則の確認において、年齢など」とあるが、これまでガイドライン等で収入や資産についても具体的な考慮要素があった。年齢に加えて「収入、資産など」を加えていただきたい。
  • 14頁の不招請勧誘の禁止について、国会の附帯決議でなされている議論を見ると、被害がゼロに近くなるということを前提にして附帯決議がなされている。被害が減少しているから現時点で拡大の必要がないと言い切れる状況にはまだないと思う。スマートCXから一般先物への被害例等もあるので、「こうした拡大が必要な状況にはない」という部分は削除していただき、「引き続き、規制の効果と被害の実態を検証」するということにとどめておくべき。
  • 14頁の経験者等の取扱いについて、証券取引などの取引に既に参加している方について、経験のない方と比べて区別を設けることについては反対するものではない。しかし、商品先物被害の中では、経験者ということでいろいろなトラブルが生じているので、かなり詳しい明示的な制限を設けて、経験者という名の下に、一般投資家の被害、消費者被害と位置づけられるような被害がないよう十分な配慮が必要。
  • 世界最大の金属取引所であるロンドン金属取引所(LME)を香港取引所が買収するというニュースが先週金曜日にあった。最終的にLMEの取締役会にかけて、必要な手続を取った上で承認され実行されるということになる。香港取引所、米国のインターコンチネンタルエクスチェンジ(ICE)、シカゴのマーカンタイルエクスチェンジ(CME)の3社の大きな取引所がLMEを巡って競合し、最終的に香港取引所が1,700億円という破格の金額で買収した。これはLMEの年間収益の百数十倍に当たるような金額。
  • 香港取引所の主要株主は中国政府であり、証券取引所なので商品の取引経験はほとんどない。どうして香港取引所がこのような買収をやったのかというと、私の解釈は、中国は海外で鉱物資源であったり、エネルギーであったりを買いあさっているが、今回は、資源と同時に資源の値決めの場も押さえに来ているということ。香港が非鉄金属市場の中心となり、上海に巨大な商品市場があり、シンガポールに大きなエネルギー取引市場が存在する現在、中国と同じくらい資源を必要としている日本は、アジアの大きなマクロ経済の中で、どういう商品市場を作るのかを考えないと、10年後には商品先物業界が日本にない可能性がある。日本の経済にとって何がベストか、国益にとって何がいいのか、周辺の現状を踏まえて考えるべき。
  • 国内から商品先物市場がなくなって国民は困るのか、中国は値決めの場や価格決定権を国がもつことの重要性を認識しているが、日本はどこまで商品先物の重要性や現在を脅威と感じているのかが疑問にある。
  • 11頁の商品先物市場の正しい理解について、これまでも投資家に啓蒙する際には、資産運用の場だけではなく、リスクヘッジとか価格指標としての意義も伝えていると思うし、審議会の委員は理解されていると思う。しかし、それが本当に投資家に理解されているのか、商品市場が国内に必要なものとして理解されているのかという視点で啓蒙が必要。
  • 今回の商品先物取引分科会のメインテーマは、第3章の見出しにあるとおり、商品先物市場の活性化・健全な発展の方策である。活性化を考える場合、健全な発展でなければならないので委託者保護の観点も出てくると認識している。報告書をみたが、委託者保護の観点は総論にも各論にも十二分に触れられているので、バランスが取れているという印象。
  • 13頁~14頁の不招請勧誘禁止の取扱いについて、前段は、規制を取り外すことについてはまだ1年半しか経っていないから、それはただちに見直すわけにはいかないというものであり、後段は、附帯決議の関係でむしろ広げるべきという観点で、現状からすれば拡大が必要な状況にはないということを記述しているもの。したがって、14頁の「拡大が必要な状況にはない」という記述は削る必要はない。
  • 自主規制のあり方について、コンプライアンスの遵守、外務員の資質の向上を含めて自主規制機関として、分科会の議論を踏まえて対応していかなければならない。システムとして外務員の資質の向上のために自主規制機関として何ができるのか、各社でどういう体制が組めるのかということを後方支援的に見守っていきたい。
  • 15頁に適合性原則の部分について、社内体制整備の表現を加えるべきとの指摘があった。これはもっともなことで、現在でもダブルチェックは行われており、そういう体制が敷かれているかどうかを自主規制機関や主務省がチェックすることが必要。
  • 先物市場を考えるにあたって、必ず表裏一体にある現物市場を考えなければならない。石油については、かつて石油産業が規制されていたときから、自由化されて大きく変わってきて石油先物市場が活性化された経緯がある。近年、いろいろな環境変化により、多くの商品が国際化され、ヘッジニーズが高まっている。ガソリン、灯油は国内市場だが、その原料となる原油、一部石油製品は海外市場から輸入している。現物市場が国際化される中で、その反対売買である先物取引についても必ず国際化が必要。原油の価格を固定化するためのヘッジは、東工取だけでなく、OTCでもできるし、NYMEXでもできるというように、市場間での競争がある。ロンドンでも、ドバイでもドル建てであるのに、日本だけ円建てになっているのは違和感がある。また、店頭取引を取り込み、OTCクリアリングを東工取や日本の市場でできれば国際化に繋がる。
  • 報告書のサブタイトルにある「我が国経済の競争力強化を目指し、開かれた、健全で、活力と魅力ある市場の実現へ」というのが今回議論しようとしたことであり、目的であると思う。マクロの議論とミクロの議論があるが、専門的にきっちりやらなければならないことはミクロで議論すべきで、今回はマクロの議論、競争政策という観点からみるもので、その観点からは、細かい修正は必要ないと思う。
  • 健全性という点について留意が必要なのは、証券取引も同じであるが、すべてのものにはリスクがあるということを投資家が理解し、外務員は投資家の予見可能性と財力その他が必要であるということを投資家に理解してもらい、投資家にリスクある取引を勧めているのだと理解してもらうことが必要。リスクがあるものを、いかに投資家がきちんと理解して行動するかということが投資家保護で、そのために十全を期すことが大事。
  • 先程、香港取引所の動きについて発言があったが、大変脅威に感じている。商品取引の世界で中国が大きな力を持っていることは間違いない。実はその取引の反対側には当然お金があるわけで、ドルやユーロが非常に厳しい状況の中で、人民元というのが次第にプレゼンスを高めてきている。現状、貿易決済で人民元はまだ9%ぐらいで、これが3割~4割になるのは時間の問題。人民元の台頭によりアジアは中国元圏になる可能性が高い。国内の商品先物市場は、このままでは5年以内になくなり、証券市場も10年以内になくなってしまうのではないかと危機感を感じる。報告書の内容を迅速に実行することが重要。
  • 日本の商品先物市場の現状は非常に厳しい。現実にここまで落ち込んだ市場を建て直すのは決して簡単なことではないが、これ以上の衰退を防ぎ、日本の商品先物市場の国際競争力を高めていくことが重要。
  • 市場の出来高、流動性が増えることが重要。商品先物市場を発展させなければならないという認識をもって取組み、政策の検証等を継続して行っていくことも重要。業界としても委託者保護の強化と市場の活性化の両方についてバランスよく取り組んでいきたい。
  • 報告書は良くできているので、修正は全くなく、この通り実行してほしい。市場の活性化は急務。これ以上の衰退は危機に直面するので、対策は迅速にやってほしい。商品先物取引は原料の値決めと消費者物価にかかわるので、上海の市場の都合で東京の価格が決まるようになってはいけない。東京に商品市場があるということが重要。
  • 重要なのは、報告書をどうやって実行していくかということにかかっている。行政も、業界関係者も、それぞれの努力が必要。
  • 農産物市場の移管について、農産物市場の維持継続のために、東工取・関西取が好意的かつ意欲的に対応してくれたことに感謝したい。
  • これまで総合取引所構想の会合等、検討の場で何度も発言してきたが、結局のところ魅力ある商品の豊富な品揃えが重要である。しかもワンストップで便利にそこに資金を投じ、回収することができるということが重要。品揃えの少ない百貨店に人は来ないので、特に行政当局は、これからも上場の柔軟性による品揃えの豊富さということについて配慮いただきたい。
  • 今回、農産物市場の太宗が東工取に移ることになり、東工取における商品ラインナップはかなり豊富なものになる。しかも1つの画面で便利に使えることになるので、ある意味での商品先物市場の統合がその振興に繋がってくると思う。米穀市場については、大連の取引所がコメの上場に躊躇している今、日本のコメが東アジアの基軸となるべき。
  • (オブザーバーより)報告書を国、関係取引員、取引所とそれぞれの立場で実現するよう努力し、市場を健全化させなければならない。商品先物市場は国益のためにも、国民益のためにも必要。取引所は本来、市場を管理し、機能させるということが大きな目的であったが、これからは特に営業力も必要。
  • (オブザーバーより)報告書(案)について、清算機関に関する部分はもっともな課題提起を受けたと思っている。IOSCOの勧告など、清算機関に対する国際的な要求水準が高まっているし、清算機関の要求水準を高めることによって市場の活性化・安定化を図っていくということが課題。報告書は時宜にかなったものである。
  • (オブザーバーより)外貨建て取引は有効な取引であると思うが、現在円決済をやっている中で、外貨建て決済を一緒にやるのは現状難しい。ネッティングやプール計算など難しい問題があるので、きちんとミクロの検討をして、市場の活性化にするように、バランスが取れるようにやっていきたい。

報告書(案)については、分科会長に一任で了承

北神経済産業大臣政務官より挨拶

閉会

以上

問い合わせ先

商務流通グループ 商取引・消費経済政策課

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最終更新日:2012年7月19日
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