経済産業省
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産業構造審議会商品取引所分科会(第5回)-議事録

日時:平成20年10月15日(水)
場所:経済産業省別館11階共用1120号会議室

議事概要

  • 大山商品取引監理官

    それでは、定刻でございますので、ただいまから産業構造審議会第5回商品取引所分科会を開催させていただきます。

    委員の皆様方には、御多忙のところ御参集いただきましてまことにありがとうございます。

    まず配付資料の確認をさせていただきます。

    (省略)

    それでは、以後の議事進行は、尾崎分科会会長よろしくお願い申し上げます。

  • 尾崎分科会長

    それでは、最初に本日の委員の出欠状況でございますが、18名中14名が御出席です。したがって、産業構造審議会令第9条の規定により本分科会は成立しております。なお、上村委員、中島委員、福田委員、家森委員は本日御欠席です。

資料説明

  • 尾崎分科会長

    それでは、早速ですが、議事に入ります。

    今回は、前回に引き続きまして、「プロ市場化の推進及び委託者トラブルの解消に向けた論点(案)」に基づきまして議論を進めさせていただきたいと思います。前回第4回は、プロ・アマ規制を中心に御議論をいただきました。プロ・アマ規制の導入が必要である。当業者に対する一定の配慮もまた必要であるということについては、皆様の間で合意がいただけたものと考えております。ただ、プロとアマの線引き等については引き続き整理が必要であろうということだったと考えております。

    本日の分科会におきましては、まず前回の積み残しである「商品取引仲介業」、いわゆる「ラップ口座」のあり方、その他海外先物取引に国内の商品先物取引と同様の参入規制、行為規制を導入することに伴う調整事項である代理、媒介、行政処分期間、また今回新たに論点として追加しました委託者保護基金のあり方等を最初に御議論いただきたいと存じます。また、前回の分科会で複数の委員から御指摘のありました不招請勧誘の禁止の問題に関して、既にこの制度を導入している金融商品取引法の考え方を紹介させていただいた上、御議論いただきたいと存じます。

    それでは、まずお手元の資料3「プロ市場化の推進及び委託者トラブルの解消に係る論点(案)」について、基本的には前回の資料と同じものですが、追加部分を中心に事務局から説明いただき、あわせて資料4、資料5、資料6についても御紹介をお願いいたします。

    事務局からの説明の後、プロ市場化の推進及び委託者トラブル解消のための取り組みについて、日本商品先物振興協会・加藤委員、日本商品先物取引協会・荒井委員から御説明をいただきます。なお、池尾委員から御指摘がありました商品ファンドの現状に関しても、商品投資販売業協会から御意見をちょうだいしたので、資料7として配付させていただいております。その後、皆様から御意見をいただきたいと考えております。

    本日は以上のような進行を考えております。

    それでは、まず小山課長、よろしくお願いします。

  • 小山課長

    それでは、事務局から資料3から資料6について説明させていただきます。資料3については、ただいま御紹介のありましたように前回概要を説明しておりますので、項目名の確認のみをさせていただきます。

    資料3の1ページ目、2ページ目は、現状及び基本的認識であります。

    3ページから6ページまでは、前回集中的に御議論いただきました規制の柔構造化(いわゆる「プロ・アマ規制」)の部分であります。

    7ページ目が、「商品取引仲介業」、いわゆる「IB制度」についての論点であります。

    8ページ目が、商品取引所法及び海先法における業規制の範囲の整理ということで、その2つの間の整理が必要な部分について論点として掲載させていただいております。

    10ページ目が、いわゆる「ラップ口座」ということで、現行制度の概要とそれに対する論点というものを2ページにわたって掲載させていただいております。

    12ページは、商品取引員に対する業務停止期間のあり方ということで、海先法と商品取引所法の間の整理が必要な点として論点を提示しております。

    今回追加しましたのは、13ページにあります「7.委託者保護基金制度の強化について」であります。これにつきましては簡単に説明をさせていただきます。

    まず現行制度の概要ですが、委託者保護基金については、現行の商品取引所法269条以下で、商品取引員が破綻した場合における対応を行う機関として位置づけられております。商品取引員は強制加入ということで、この点線の中にあるような業務、主として一番上にあります破綻等の場合における一般委託者に対する支払い、いわゆるペイオフ業務及びそれに関連する業務を行っております。

    (2)に書いてありますが、委託者保護基金となるためには、商品取引所法に基づいて設立される準則法人として主務大臣の登録を受けることが必要とされております。

    論点でありますが、これは今まで何回か説明が行われておりますが、商品取引員の経営状況は近年悪化しているということで、今後、商品取引員の破綻とか弁済事案が増加する可能性があるということであります。

    このため、委託者保護基金が事前に取引員の経営状況を的確に把握することを可能にするような規定を整備するべきではないか。結果として、それが商品市場に対する信頼性の向上につながるのではないかという点であります。

    なお、金融商品取引法において投資者保護基金、これは同法の第4章の2以下で規定されておりますが、同様の業務を行っておりますが、その中では、必要がある場合には、会員である金融商品取引業者に対して、その業務または財産の状況に関し、報告または資料の提出を求めることが可能となっている、という規定がございます。これに比較して、いかがかということであります。

    そして、14ページであります。新たな論点として「8.その他」ということで、7月25日の全体の論点を説明しましたときも提示させていただいた文章でありますが、国内商品先物取引に係る委託者保護のあり方について、行為規制を累次強化してきたところでありますが、昨今の動向、関連制度の整備等を踏まえ、今後、さらなる対応を図るべき事項はあるかということについて御意見をいただきたいと存じます。

    続きまして、資料4以下について説明させていただきます。

    資料4は、前回のポイントのまとめであります。総論及びプロとアマの区分、プロ・アマの移行についてということで、これについては、ただいま座長から御説明がありましたような内容ですので、省略させていただきます。

    資料5であります。資料5は、ただいまの8.に書いてあります「その他」、委託者保護のあり方のところに関連する資料として提示させていただきました。これについては前回、前々回等に不招請勧誘禁止のあり方について御意見をいただいておりますので、関連する法案として、金融商品取引法制においてどのような考え方で規定が行われているかということについて資料を用意させていただきました。

    まず1ページ目であります。不招請勧誘禁止の対象取引につきまして、パブリックコメント及び金融庁の考え方をまとめました。コメントの概要は、基本的には不招請勧誘を金融商品について全面的に禁止すべきではないか、こういうコメントに対しまして、金融庁の考え方が以下のように書かれております。

    不招請勧誘の禁止については、これを一律に適用することになれば、利用者の金融商品・サービスのアクセスを制限する面があるというデメリットがある。一方、レバレッジが高いこと等の商品性や、執拗な勧誘や利用者の被害の発生という実態といった点を考慮して対象商品・取引を定めることが適当である。その結果、店頭金融先物取引を定めることとしているということであります。

    実際の法文は、次のページにその抜粋を掲載しております。関連条文ということで、金融商品取引法の第38条で、禁止行為として、金融商品取引業者またはその役員等が、次に掲げる行為をしてはならないということであります。

    その第3号で、金融商品取引契約、括弧をちょっと飛ばしまして、その締結の勧誘の要請をしていない顧客に対し、訪問しまたは電話をかけて、金融商品取引契約の締結の勧誘をする行為、すなわちこれが不招請勧誘と言われているものですが、それについては禁止する。

    また括弧に戻っていただきまして、ただしということなんですが、これは当該金融商品取引契約の内容その他の事情を勘案し、投資者の保護を図ることが特に必要なものとして政令で定めるものに限る、というふうにされております。すなわち政令で定めるものに限って不招請勧誘が禁止されるというのが、金融商品取引法の法律の制定の仕方であります。

    政令の内容については、そのページの下半分に書いてありますが、金融商品取引法施行令ということで、不招請勧誘等が禁止される契約につきまして、16条の4で、顧客を相手方として店頭デリバティブ取引のうち次に掲げる取引を行うこと、またはこれらの媒介、取次ぎでありということであります。ですから、店頭デリバティブ取引について、次に掲げる取引に関しては不招請勧誘は禁止されるということであります。

    条文は多少長うございますが、ポイントだけ申し上げますと、第1号が、現物の売り戻しまたは買い戻し、または差金の決済が行うということで、いわゆる私たちの商品取引所法における現物の先物取引であります。

    2号が、金融指標の利率等と書いてありますが、これは指数と差金決済で行う先物取引であります。

    第3号が、この売る権利、買う権利ということで、いわゆるオプション取引というものがここでカバーされております。ですから、基本的には先物取引に関するものについて、ここですべてがカバーされているということで、店頭デリバティブ取引のうち次のものについては、金融商品取引法では不招請勧誘は禁止されているということになっております。

    また1ページに戻っていただきますが、このような考え方のもとで、店頭金融商品先物取引が不招請勧誘禁止の対象となっておりますが、この四角の右の下半分であります、どのようなものが対象となるかにつきましては、今後、商品性や実態、適合性の原則の遵守をおよそ期待できず、利用者被害の発生やその拡大を未然に防ぐために不招請勧誘の禁止の対象とすべきものについては適切に対応してまいるという書き方となっております。

    以上、御参考までに金融商品取引法上の不招請勧誘禁止の規定について説明させていただきます。

    あわせまして資料6、A3の非常に大きな紙でありますが、これは現在まで皆さんに御議論いただいたものを、あくまで1つのイメージでありますが、現行法上の規制体系と制度改正後の規制体系を比較した表として出させていただきました。

    1ページ目は、御存じのとおり現行法上の規制体系であります。国内については、現物、現金決済等について、商品取引所法上のもとで許可という参入規制、受託・取次ぎという対象業務があります。それに対して、ここに書いてあります行為規制及び行政処分がかけられるという法体系であります。

    真ん中の海外先物取引につきましては、現物の部分については左側にございますが、海外先物法によりまして規制されておりますが、参入規制がない。一方、対象業務については受託・取次ぎだけではなく、媒介・代理といったものも対象業務として規制されております。行為規制、行政処分についてはここに書いてあるとおりであります。

    現物以外の現金決済、商品指数、オプションについては、特商法による規制が昨年の7月15日からかけられております。

    また、下に参りますが、あくまで海先法は39の政令指定の市場のみが対象となっておりますが、それ以外につきましては特商法による規制がかけられているという状況であります。

    一方、店頭の商品先物取引につきましては、一番右上に書いてありますが、国内相場利用は、第329条で相場による賭博行為の禁止という規定の中で原則禁止されておりますが、一部例外として、349条以下で店頭商品先物取引が認められております。ここに書いてありますが、当業者相手にした差金の取引につきまして参入規制、行為規制、行政処分等々が規定されているということであります。ただ、この中で、海外及び店頭に近いロコ・ロンドンまがい取引というものがいろいろ問題を起こしているというのは、今まで御説明したとおりであります。

    それに対して、制度改正後の規制体系の案として、もう1枚の紙に全体をまとめております。これはあくまで現在までのイメージ、議論を踏まえたイメージでありますが、できるだけ継ぎ目のない規制を目指すということで、国内、海外、あわせて店頭も含めまして一体的な規制を行っていきたいということでございます。参入規制としては許可。ただし、一定規模以上のものについては届出。これについては今後店頭等の議論がありますので、P、これは暫定的に書いております。

    対象業務につきましても、国内、海外とも受託、代理、取次ぎ、媒介というものを穴のないように対象業務として規制していく。店頭取引についても、同様に代理、取次ぎ、媒介を対象としていくということであります。

    行為規制につきましては、前回議論を集中的にいただきましたが、プロ、アマに分けた上で主体、それぞれの規制につきまして、プロについては、公正な市場秩序の維持確保の観点から行為規制をかける。一方、アマについてはそれに加えまして、プロとの間での情報の格差等ありますので、不当な勧誘の禁止、適合性の原則等々をさらに規定するという考え方でまとめてあります。

    これはあくまで1つのイメージでございますが、今までの議論を踏まえた上での法体系の案、考え方としてお考えいただければと考えます。

    以上であります。

  • 尾崎分科会長

    どうもありがとうございました。

    それでは、引き続きまして資料説明を続けさせていただきます。加藤委員より、日本商品先物振興協会の取り組みについて、資料8に沿って御紹介いただきます。なお、資料7は配付のみということになっておりますが、何かありましたら御発言いただければと思います。

  • 加藤委員

    それでは、大変貴重なお時間をいただきましたので、なるべく簡潔に御説明したいと思います。

    資料8「商品先物業界の現状と商品先物市場」についてということで、あけていただきまして、1ページ目から御説明していきたいと思います。

    商品先物市場の現状と私どもの協会の取り組みについてお話ししていきたいと思います。前回までの当審議会において何度か、マーケットの現状について触れられておりますが、商品先物市場の直近の現状は大変危機的状況にあろうかと思います。

    2ページをあけていただきますと、直近の現状を御理解いただくために、月単位での売買高、取組高を対比しております。9月の売買高は、ピーク時でありました2003年度と比較して、3分の1以下に低下しております。また、取組高は5分の1以下に落ちております。

    3ページ目には2005年からの月別の推移、4ページには2003年からの年度の推移をあらわしております。グラフを見ていただければ一目瞭然かと思っております。

    また、次のページには商品取引員の経常収支は非常に極端に悪化しているということを提示しております。2003年度には黒字が55社、赤字9社であったものが、2007年度には黒字が16社、赤字が42社となっております。

    このような現状にありまして、市場の流動性の急激な低下は、「公正な価格形成」と「指標価格の提供」、「リスクヘッジ」の場を日本から失いかねない状況にあると思われます。喫緊の課題は、市場振興にあると思っている次第であります。

    続いて、7ページから我が協会の取り組みについて御説明を申し上げていきたいと思います。先物振興協会における、今回このプロ・アマ議論もありますが、プロ市場化の推進及び委託者トラブルの解消に関する観点から、主体的・積極的な取り組みをやってまいりました。

    第1点が、信頼性確保・向上に係る取り組みであります。顧客トラブル減少に向けた取り組みに関する理事会の決議をしまして、決議内容について全会員への周知徹底を行いました。その内容でございますが、会員における勧誘方針の公表を積極的にやっていこうということで、勧誘方針を公表しております。また、ルール遵守の姿勢を対外的に表明して、あわせて会員、役職員に周知徹底しようということで、後ろのほうに添付しておりますポスターを見ていただければありがたいんですが、11ページ、12ページに載せております。このようなポスターをつくりまして、本店や各支店に張って周知徹底したところであります。また、日商協の苦情相談窓口を会員みずから対外的に周知徹底していこうということで、そういった取り組みも含めて行ってまいりました。

    次に2点目でございます。取引員のビジネスモデル転換への取り組みでございます。2005年5月1日の改正商品取引所法の施行を目前にした2005年3月に、市場新興戦略会議というものを設置しまして、こちらは主務省、取引所、関係団体にもオブザーバーとして参加していただき、電子取引受託の促進のための電子取引普及部会、また商品ファンド受託、あるいは海外法人受託の促進策等の検討に着手しました。

    資料の7ページの(2)に、「2005年(平成18年)」となっておりますが、これは平成17年の誤植でございます。大変申しわけありません。

    この市場戦略会議の設置につきましては、改正商取法が対面個人営業依存度の高いビジネスモデルの脱却を迫っているということを強く意識した結果の取り組みでありまして、部会運営については、先ほど申し上げましたとおり主務省、取引所からは積極的なサポートをいただき、感謝している次第であります。

    戦略会議の検討結果に基づき具体的提案をしましたけれども、ここには市場のプロ化を誘引する提案事例を紹介しております。8ページに具体的提案を記載してあり、実現したものにはアンダーラインを施しております。

    この会議には、先ほど申し上げましたように取引所、主務省の方がオブザーバーで参加していただいたおかげで、提案根拠についての理解が比較的円滑にいった結果、提案が現実に結びついたと言えます。

    なお、ここに下線は引いておりませんが、トランスファー制度並びにギブアップ制度も、十分とは言えないまでも実現を見ております。

    それから、第3点は、当業者の市場利用の促進に向けた取り組みであります。当業者等への市場利用知識の普及活動は、取引所における新規商品の上場等の機会をとらえてタイムリーに、この関係産業界のビジネスリーダーに「フューチャーズレポート」というものを送付してまいりました。現在では、当協会ホームページで取引実例を紹介しております。

    ことしは、原油等の原材料価格の変動リスクの高まる中で、当業者は大変なコスト負担を強いられ、消費者に価格転嫁をしたくてもできないという状況があった。中小事業者は特にそういう状況にあったために、ダメージを受けたことがマスコミで報道されておりましたが、これまで私ども協会のほうで、2回にわたってヘッジ取引に係る実態調査を行ってまいりましたが、本年は中小事業者にスポットを当てて、こちらに載せてございます「中小事業者の市場利用に係る研究会」を設置し、市場利用により事業を円滑化、経営を安定化するに当たっての課題と解決策について検討を行うこととしております。

    こちらの研究会の座長には、池本正純専修大学経営学部教授にお願いしておりまして、委員には、中小企業事業者団体、金融機関、市場参加者、取引所等に御委嘱をお願いしているところであります。また、両主務省の御協力も得まして、10月中に第1回の開催を予定しております。

    9ページには先物商品別参加者売買比率等、10ページには市場参加者の現状を載せております。

    以上、今現在の我々の取り組みを簡単に御説明申し上げました。

  • 尾崎分科会長

    ありがとうございました。

    それでは、引き続き荒井委員より、委託者トラブル解消のための日本商品先物取引協会の取り組みについて、資料9に沿って御紹介いただきます。それではよろしくお願いします。

  • 荒井委員

    荒井でございます。

    資料9について、まず1ページ目でこの資料についてのポイントをまとめておりますが、商品取引員の自主規制団体であるのが私どもの日本商品先物協会でありまして、これは商品取引所法、あるいは定款に定めてある商品取引の受託の公正かつ円滑の確保と委託者の保護を図るため、自主規制規則の制定、コンプライアンスに係る会員指導、苦情・紛争の解決等の事業、これが私どもの協会の事業でございます。

    特に、平成16年、18年の商品取引所法の改正を受けまして、最近では、トラブル解消のための具体的な活動を盛り込んだプログラムを相次いで策定・実施して、会員並びに外務員に対する指導を徹底してきているということであります。

    その結果、会員のコンプライアンス体制がだんだんと整備されてきておりまして、苦情も減少してきていると言えるかと思います。日商協としては、今後とも委託者保護のための事業を強力に展開してまいりたいということであります。

    2ページ以降に少し触れさせていただきますが、平成16年、18年の法改正を受けて、自主規制規則の作成ないしは見直しをいたしました。電子取引の普及が見えてきたために、「商品先物取引の電子取引に係るガイドライン」の作成・実施。

    2つ目に、18年改正の施行に関連しまして、「会員の広告等に関する規則」、「広告等に関する指針」の制定、「受託業務に関する規則」の見直し、同じく、18年改正において取り入れられた損失補てんの禁止に伴いまして、「商品取引事故の確認申請、審査等に関する規則」の制定を実施しております。

    3つ目が、20年5月、ディスクロージャーの関係ですが、企業情報の適切な開示の徹底を図るための規則の制定を実施しております。

    会員指導については、これは前にも申し上げましたが、商品取引トラブル解消アクションプログラムというものを作成・実施してきております。登録外務員の法令遵守状況に関する一斉点検を行いまして、その結果をにらみ、また業界を取り巻く環境等、これは主として委託者保護についての要請の高まりを踏まえておるわけでありますが、平成18年12月に「商品取引トラブル解消アクションプログラム」というものを策定して、ここに(1)から(4)まで書き出しましたような諸々の措置を実施してきております。

    特に(1)、(2)において、会員に対し、法令遵守の体制の整備の要請、具体的にはトラブル解消に向けての一層の取り組みについての要請、これをした上で、(3)にありますような法令遵守状況に係る監査。この監査の内容は、(1)、(2)で要請しました内容がそれぞれの社内でどういうふうに実行されているかということを見てまいったわけであります。その結果、不十分と思われたところについては、さらなる指導をさせていただくという経過であります。

    それから、(4)番目が、実際に業務を担当している中堅外務員特別研修の実施で、登録期間5年以上の外務員約5000人を対象にした特別研修を実施しました。

    4ページに参りまして、これまでいろいろやってまいりましたのは、会員の企業に対する指導であったわけでありますが、実際の一人一人の会員の役職員に対しての特別指導等プログラムを本年3月に策定して、指導を実施してきております。

    (1)は、19年10月1日以降というのは、18年改正の施行後になりますが、3件以上商品取引事故にかかわった役職員、それから、本会が受け付けた未取引に係る苦情、これはまだ入り口段階で受託の契約に入っていない段階でありますけれども、日商協が苦情を受け付けた場合は、1件でありましても、それぞれ関係した役職員を協会に呼びまして特別指導を実施しております。

    その結果、その後に事故に関与するということになりますと、処分の対象になるという前提での指導でございます。現在のところ、ことしの3月から10月までの間に、20社にかかわる34人について指導してきているところであります。

    5ページに参りまして、個々の登録外務員に対する一斉調査と集中指導は、日商協発足しました平成11年以後の苦情を全部洗いまして、苦情の多い外務員を対象にして、これが合計で200名弱になりますが、集中指導を行って、今後商品取引事故にそういう人たちが関与したときには処分の対象になるんだという趣旨を徹底してきております。

    それから、3のところは、恒常的な日商協の苦情、紛争の解決の業務を書き出しております。ここに書いてありませんが、前にも報告しました特別無料電話相談を昨年から本年の3月にかけて3回実施しておりまして、これは延べ179件の相談がございました。

    6ページに参りまして、会員並びに外務員に対する処分でありますが、会員である商品取引員に対し過怠金を賦課する等の制裁を実施してきた。最近の事例として、商品取引員に対しては2社の過怠金、1社についてはこういう内容の過怠金、これは19年、20年にわたっております。

    それから、外務員については、登録の拒否等の処分を加えております。制裁の内容、制裁の理由になりましたのは、会社の関係で言いますと、この3社のうち、委託者が公金の取扱者であるということがわかっていながら取引関係に入ったというケース。それから、仮名なり借名の口座による取引をした会社についての制裁であります。

    それから、処分の理由として比較的多かったのが、仕切り拒否、借名口座による取引、再勧誘の禁止に違反をした、このあたりが多い理由でございました。

    7ページを見ていただきますと、1999年、平成11年度からの日商協が受け付けた苦情・紛争件数の推移でございます。2007年度・平成19年度までの推移でございますが、この苦情の件数と直接日商協にあっせんを申し出た、それぞれの年度の上にトータルで書いてあります515件から始まりまして、昨年度が286件、これが日商協受付の実質的なトラブルの数と見ていただいてよろしいかと思います。一昨年から昨年は数件増加ということになっておりますが、全体として見ていただくと、減少してきていることがおわかりいただけるのではないかと思います。

    最後に8ページでございますが、これは海外先物の小委員会の中間取りまとめで発表された資料を引用させていただいているわけであります。真ん中の商品先物取引に関する全体の相談のうち、国内公設先物取引が全国の消費生活センターに寄せられた苦情相談件数の推移でありますが、平成15年度の5159件から、19年度が894件、これはパーセンテージにすると15年度の17.3%ということで、15年度と比べると約5分の1に減っているということでございます。

    ちなみに、右側に規制海外先物取引の数字がありますが、これはおおむね横ばいである。一番右の欄の非規制海外先物取引が近年、大変ふえてきている状況でございます。

    説明は以上でございます。

意見交換

  • 尾崎分科会長

    どうもありがとうございました。

    それでは、これまでの資料及びそれぞれの御説明を踏まえまして議論を進めていきたいと思っております。なお、本日も大変論点が多うございまして、議事の進行上、まず資料3の前回の続きを中心に御議論いただき、その後、それ以外の部分についての御議論をお願いしたいと考えております。御意見等ございましたら御自由にお願いしたいわけでございますが、円滑に進めるために、挙手の上御発言いただきますようお願いしたいと存じます。

    それでは、多々良委員。

  • 多々良委員

    まず2つありますが、資料3の6の処分のところなんですが、現行法では、取引または業務の停止となっておりますが、特に今後、プロ・アマによる区別を導入すれば、処分の種類ももう少しきめ細かくしたほうがよいのではないかと考えております。法律的には、金商法で定めるように、取引または業務の全部または一部の停止とするべきではないかということをお願いしたいということでございます。

    それから、今振興協会と日商協の説明がありましたが、委託者保護基金についてもお願い等含めて説明したいと思います。先ほどの主務省から説明があった委託者保護基金制度の強化の必要性について、そのものは全面的に賛成しております。ただし、ちょっとつけ加えさせてほしいなと思っております。

    委託者保護基金は、平成17年に設立以来、取引員企業財務の常時監視と破綻、あるいは自主廃業の際の委託者債権の保全という二本柱の業務を的確に実施しており、その結果、これまでのところ一般委託者弁済、俗に言うペイオフ弁済は発生しておりません。商品清算機構による証拠金返還と相まって委託者資産は保全されてきております。

    また、取引員の破綻等により委託者資産が毀損されることを未然に防止するため、日ごろから定款等に基づき監査・指導等を随時しております。平成19年度中の監査実施件数は約80件に上っております。しかしながら、近時において商品取引業界の厳しい状況を反映して、破綻あるいは自主廃業による委託者債権弁済案件自体は増加してきております。当基金設立から本年9月までの取引員企業の破綻、あるいは自主廃業は35件に上っておりますが、特に本年度は、9月までの半年間で11件と、これまでの3年間の2倍を上回るペースで弁済案件が発生しております。

    先ほどの主務省からの説明もあったとおり、今後も現在の状況が続けば、大型あるいは連続的な破綻事案や前例のない案件が発生する可能性はぬぐえないことから、健全な自己責任により市場に参加した委託者の資産の保全を十全に図っていくため、委託者保護基金制度の一層の充実・強化が必要であると考えております。

    具体的には、これまで定款等に基づいて実施していた会員企業の経営状況を把握するための報告徴収等の権限を法律上の権限として付与していただくなど、証券取引にかかわる投資者保護基金と同様の法律上の位置づけを与えていただくことが、委託者保護をさらに強化する上で極めて大きな前進であると考えておる次第でございます。各委員の御理解を賜りたいと思っております。

    以上でございます。

  • 尾崎分科会長

    どうもありがとうございました。

    ここで何かございますでしょうか。よろしいですか。

    津谷委員どうぞ。

  • 津谷委員

    前回、一任とラップ口座について原則として反対、少なくとも個人に対する勧誘できるような形にはすべきでないということを申し上げましたけれども、その補強といいますか、その理由なんですけれども、まず1つは、一任するためにはそれなりの強い信頼関係がなければいけないはずですけれども、これまで商品取引員に対する個人の、結果から見てなんですけれども、そういう一任するほどの信頼関係はないということであります。

    それから、現在、商品取引員の方々は経営が悪化しているということでございますけれども、そういう経営を悪化した人に金を預けて一任するということ、これは常識的にできるものかどうかということであります。

    それから、ラップ口座をやったって、今までの弊害が除去できるという保証は全くないということからであります。

    それから、IBの解禁等について、先物取引が国民への資産運用手段の多様化に資するという書き方なんですけれども、私これはミスリードではないかという感じがいたします。なぜかというと、一般個人の人にとって取引途中の段階で7割以上が損している。平均すると平成19年では253万円だそうです。そうすると常識的に途中経過で7割以上、私たちの経験では90%以上が損ということなんですけれども、そういうような先物取引というのは資産形成の場を提供しているということを言えるんでしょうか。私は正しくは、それは資産喪失の場を提供していると言うべきではないかと思うわけであります。ですから、現状はそういった状況ですので、IBだ、一任だということには非常に拒否感というか嫌悪感さえ覚えるわけであります。

    それから、委託者保護基金関係では、これを充実させるということ、それはもちろん賛成なんですけれども、今問題となっているのはこの委託者保護基金、その保護される債権の範囲なんです。この委託によって生じた債務とは何ぞやということについて、単なる証拠金の返還請求だけではなくて、私としては実質的に不法行為に基づく損害賠償債権、債務も実質的には同じようなものだと考えますので、これが委託によって生じた債権でありますから、これも含めるというように現在の最高裁の判決が出ておりますけれども、そこは立法的にそういった形で解決したらどうかと思います。

    以上です。

  • 尾崎分科会長

    御意見どうもありがとうございました。

    この点いかがでしょうか。渡辺委員どうぞ。

  • 渡辺委員

    津谷さんの、その7割の方が損する場だから資産喪失の場だというのは、実は去年来の議論を十分御認識いただいてないのじゃないかと思います。商品先物単体で損するとか、得するという話を積み重ねてきたわけではないのでありまして、非対称性商品の組み合わせによって投資家なり一般の方々の財産の全体としての資産運用に資するという議論をしてきたわけであります。商品先物だけで勝った負けたと、あるいは、もうかった損したという議論ではないわけでありまして、貯金と証券と商品といったいろいろなものを組み合わせることによって資産運用の場が広がり、結果的に資産が安全にかつ保全されていくという議論を我々はたしか去年来してきたと認識しているんですが、そこは事務局のほうに確認していただきたいと思います。そういうものの上に立って議論を進めていただきませんと、また一からやり直し、リセットでは困るなと思うんですけれども、いかがでしょうか。

  • 尾崎分科会長

    加藤委員どうぞ。

  • 加藤委員

    まず商品取引仲介業については、ぜひ導入をお願いしたいと思っております。それは第1に市場参加チャネルの拡大、第2点としてはヘッジ商品の普及、定着化への寄与という観点から、ぜひともこのIB制度を導入していただきたい。こちらの資料にも載っておりますとおり、恐らく金商法でもそうでありますが、登録などの参入規制、あるいは原則として取引員と同様の行為規制が必要と考えられるということが載せてありますけれども、そういった観点から見ても、基本的に仲介業者から仲介を受ける商品取引員がすべての責任を追うという形になろうかと思いますので、そういう意味で安易な仲介契約が行われる可能性は非常に低いのではないかと思っております。そういう意味で日本においても、いろいろな地域に定着、密着した商品先物取引の普及に尽力するIBというのは非常に望ましいと思っております。

    前回、私は最後のほうの発言で、IBの営業対象を当業者に限定するような発言をしましたけれども、このように登録制、許可制などの参入規制を前提とするのであれば、顧客の適合性が基準になるのであって、当業者に限定する必要はないと、発言を修正させていただきたいと思っております。

    いずれにいたしましても、証券業のIBの状況を見ますれば、株式会社組織のIBと個人型のIBとあるわけですけれども、この株式会社組織のIBがほとんどではないのかなと。株式会社組織のIBは複数の証券会社と契約が可能となっておるみたいでありまして、個人の場合は、事実上複数ではなくて、1社とかの証券会社と契約しているように見受けられるようであります。

    あとラップ口座については、これはぜひとも導入をお願いしたいと思っておるわけであります。現在、投資顧問業というのがありますが、商品投資顧問業は個人投資家の場合は、純資産額が3億円以上ないとプロである商品投資顧問業者との契約ができないことになっておりまして、逆に投資顧問業のほうからすると金額の一般的に低い、低いという言い方がいいのかどうかわかりませんが、個人の方の運用を引き受けるのは採算が合わないということで、結局個人の方の運用には対応できていないというのが現状であります。

    津谷先生が御心配なされているポイントも、例えば手数料稼ぎがあるのではないかといったことがあるのかもしれませんが、基本的には証券ラップもそうですけれども、口座の残高に合わせた管理手数料と成功報酬という形で基本的に成り立っておりますので、売買の枚数に応じて手数料を稼ぐということではなくて、パフォーマンスが上がらないと成功報酬が取れないというのが通常ですので、売買が頻繁になされたとしても、手数料は請求できない構造商品としてしまえば問題ないのではないかと思っております。

    以上です。

  • 尾崎分科会長

    ほかに御意見ございますか。南學委員どうぞ。

  • 南學委員

    私から2点。1点は、今加藤委員の言われたIB制度についてであります。私も津谷委員とは反対に、このIB制度というのは、次の理由からぜひ導入をすべきであると考えております。もちろん、それを導入するに当たっては不当な行為や被害の拡大を防止するということが大前提でありますが、そうした前提に立って導入されますと、まず第1に市場利用者に対する商品先物市場の情報提供者としての機能や、多様なサービスへのアクセスを可能とする手段として有効であるということ。

    それから第2点が、今商品先物業界は戦後最大の転換期にありまして、取引員の業態転換が進展しつつありまして、商品取引員の業態転換の受け皿の一つとしても極めて有効な手法ではないか。こうした意味で、ぜひIB制度の導入に前向きに検討いただきたい。

    第2点は、今まで論点として出ておりませんが、業務停止期間のあり方であります。海先法と商取法の関係、論点の12ページに書いてございますが、私自身、悪質な業者に対する罰則を緩めてほしいということをいささかも主張するつもりはありませんが、業務停止期間というのは、商取法では6カ月、海先法では1年以内とされております。この論点整理では、海先法のどうも1年以内のほうに合わせようというニュアンスが受け取られるわけでありますが、海先法が業務停止期間を1年以内としているのは、参入に当たって許可要件が課せられていないこともあるのではないかと思います。

    それから、また1年もの長期にわたり業務停止を行うとなりますと、委託者はその間、新規の取引を行えないために、かえって委託者保護に反する結果になる場合もあると思われます。それから、そもそもこのように長期間の営業停止処分を科されるような企業を商品取引委員として存続させておくことが妥当なのかどうかという基本的な問題もあろうかと思います。

    さらに、金商法では、金融商品取引業者や登録金融機関に対する営業停止期間は6カ月以内とされておりますので、もし海先業者に参入要件を設けるような場合には、金商法と他の法律とのバランスを考慮の上、営業停止期間を決めるのが適切ではないかと考えております。

    以上です。

  • 尾崎分科会長

    どうもありがとうございました。

    高井委員どうぞ。

  • 高井委員

    商品のマーケットが資産運用の場としては不適格であるという発言が先ほど津谷委員のほうからあったんですけれども、全く違うと思います。この1カ月、金融危機で証券の時価総額は約3分1失われたわけです。時価総額がすっ飛んでしまった。日本の国民の富が3分の1消えてしまったわけです。その中でマネージドフューチャーズ、これは先物を使って運用するCTAと言われている運用手法なんですけれども、これは1カ月で十数%のプラスのパフォーマンスを上げているんです。ですから、この証券の株式のロングとマネージドフューチャーズをポートフォリオに入れているだけで、ものすごく非相関ですから、全体のリスクのウエートが非常に減っていたんです。実際我々も、自分たちの自己資金の運用でマネージドフューチャーズを必ず全体のポートのうち何%か入れるということをやっております。ですから、株の下落がこれをやることによってリスクが軽減されるということが言えます。

    それからもう1つ、この金融危機の中でいろいろなものが下落したわけです。株式だけではなくて為替もそうです。ドルもユーロも高金利通貨も、FXをやっていた人たちはものすごく損失を今回被っているわけです。それだけ物事が下がっている中で、唯一上がった商品というのは金なんです。ですから、もし株をやっている、FXをやっている方が東工取でゴールドのポジションを先物でロングされていたとしたら、恐らく全体のリスクもかなりミニマイズされたと思います。

    ですから、必ずしも商品先物イコール悪であると、資産運用としては不適格であるという考え方は私は非常に間違っていると思うし、それをいかに資産運用のポートの中に組み入れていくかということが一番重要ではないかと思います。

    ラップ口座の議論になっていますけれども、商品の中だけでラップ口座というのではなくて、ある人の資産のポート全体を見た上で、株式に振り向けているポーションが幾らある。債券で運用しているのが幾らある。その中でオルタナティブ、特にコモディティーを全体の10%入れようというサゼスチョンをできるような販売員を教育していくことが正しい方向性ではないかと思います。

  • 尾崎分科会長

    佐藤委員どうぞ。

  • 佐藤委員

    ラップ口座について一言申し上げたいんですが、ここに書いてあることが余りイメージできなくて、証券等とは性質的に違うのではないか。弊害、いわゆる手数料稼ぎができないようになるということが余りよくわからないんですが、レバレッジの効いた証拠金取引、信用取引をやっている中で、日に日に価格が大きく変動して、今ボラティリティーがすごく高いものですから、そういう中で長期的な見通しを立てて資産を運用できるかというとかなり難しい面があって、常に売買をしていくのが自然の場合もあるかなと思うんです。そういう意味では手数料稼ぎと見えないようなやり方、それを防ぐ方法と、実際に取引をどうしていくという必要性と、どうやって分けるのかという感じがします。

    というよりも、本当に完全な一任勘定口座といいますか、最初からお任せですと。これは一般の方々にはやらせるべきではないかなと。一定の条件を持った、どちらかと言えばプロと言われるような人たちがお任せをする。なぜかと言えば、そういう人たちは市場がどう動くか、またどういう対応したかというのは、後からでも検証がいろいろな意味でできるということを考えると、要するにいいかげんな取引はできない。お任せした分、真剣にやらなければいけないということが行われるのではないか。どちらかというと一般大衆ではなく、アマではなくて、プロのための口座として認めてあげるということが有益ではないかと思っています。

    以上です。

  • 尾崎分科会長

    どうもありがとうございました。

    荒井委員どうぞ。

  • 荒井委員

    IBと商品取引仲介業(仮称)の2つについて、委託者保護の観点を考慮しておく必要があるということで申し上げたいと思うんですが、いずれも導入については私自身は異存はございませんけれども、委託者保護という観点から申しますと、例えばIBについてどういうイメージでとらえるのか、保険代理業的な業態を考えるのか、あるいは歩合による外務員的な業態を考えるのか、それによっても大分違ってくるかと思うんですが、このIBを利用しようとする取引員がいろいろな問題についてトラブルが起これば、その責任を持つというのは、それはそれで必要だと思いますし結構なんですが、IBになろうとする人についても、このペーパーにもありますけれども、参入規制なり行為規制なりをかぶせる必要があるのではないか。

    さらに言えば、もしIBと顧客との間でトラブルが起こったときに、どういう場で紛争を解決していく仕組みにしていくのか。取引員の場合と同じような考え方になるのかどうか、IBについてもいわば自主規制の枠組みというものを商品取引員と同じように考えていくのかどうかということが1つの問題点として検討が必要ではないだろうかという気がいたします。

    それから、代理、媒介についても、同じようなことが言えるのではないかと思うわけでして、やはり委託者保護の観点から言いましたら、特に代理の場合に委任の範囲というものを意識して検討しておく必要がありはしないだろうか。これもIBと同じように、お客との間でトラブルが起こったときの苦情処理とか紛争解決の仕組みをどういうふうに設計していくのかという問題点が1つあろうかと思いますので、申し上げておきます。

  • 尾崎分科会長

    ほかに何かございますか。唯根委員。

  • 唯根委員

    国民のというのが私もやはり、IBのところについても、ラップ口座のところにも文章の中に出てきて、どうしても個人をイメージしてしまって。そうするとやはり消費者を巻き込んでほしくない、こういう仕組みがあっていいのかなという疑問を感じたんですが、ほかの委員のお話を伺っていて、国民全体の資産運用ということの仕組み、プロの方たちが導入されるということであれば、逆に消費者が巻き込まれない形であればこういう制度があってもという、皆様も同じ思いだと思いますが、委託者保護というよりは、消費者保護の部分がしっかりとしていただければ、アマを守るというところがあればと思います。

    それと津谷委員がおっしゃられたように、委託者保護基金制度のほうでは、不法行為の場合の債権も含めていただけたら、救済制度として1つの仕組みになるのではないかと思います。

    以上です。

  • 尾崎分科会長

    多々良委員どうぞ。

  • 多々良委員

    保護基金のところで津谷委員がおっしゃった紛議とかの賠償のことについては、一応その問題については、商品取引事故等の問題については、責任準備金制度等積立制度があるということだけを申し添えておきます。

  • 小山課長

    幾つか御質問がありましたが、資産運用の場かどうかということなんですが、少なくとも商品先物市場には資産運用の機能というものはあるかと考えております。従来、3つの機能ということで既に私ども説明しておりますし、そのやり方によっては、そういう機能として十分発揮できるのではないかと思っております。一方で、津谷委員がお話になったように単体で見れば、ここ数年一定の方が損失を出している実情もあるということも考えなければいけないと思います。

    先ほど業務停止期間のお話について南學委員からお話がありましたが、確かに金商法との横並びで見ますと、6カ月ということもお考えの中にあるかと思いますが、一方で登録なり免許ということで、例えば貸金業法などは1年間という例もありますので、その法制度はより正しいのか、適切なのかということも含めて検討していく必要があるのではないかと事務局としては考えております。ちなみに、例えば6カ月を過ぎて8カ月になると、すぐ業務停止命令ではなくて、取り消しになるということが果たして適切なのかということも、御指摘も踏まえた上で検討していきたいと思っております。

    それから、多々良委員からお話がありました責任準備金制度というのは、その制度自体がどういう目的のためにつくられたのか、過去の判例等も踏まえて今後検討していかなければいけないかと思っております。すぐにそれが賠償の中に含めるべきかどうか、いろいろな判例も出ておりますので、それを踏まえて引き続き検討していくべきものではないかと考えております。

  • 尾崎分科会長

    特に何か意見がありますか。よろしゅうございますか。

    ここの部分は最高裁判例が出たばかりのところでありまして、なかなか難しい部分、理屈ですよね。理論的にどのように不法行為債権、あるいは債務不履行債権をどうするかという議論、損害賠償ですね。そういう問題もいろいろとあろうかと思いますが、前回の積み残し部分に関していろいろ御意見をいただけたかと思います。この御議論を踏まえて事務局のほうでおまとめいただければと思います。

    それでは、ほかの部分に関して御意見があればお願いします。いかがでございましょうか。

  • 津谷委員

    先ほどの資料6の表の2枚目、対象業務のところで国内、海外、店頭と分けて、対象業務として国内、海外の先物取引の受託と書いていまして、いわゆるロコ・ロンドン系のものはどこに入るんですか。店頭取引というものに入れてしまうんですか。それとも、先物取引等なんですか。

  • 小山課長

    ロコ・ロンドン取引については、いわゆるロコ・ロンドンまがい取引では、いろいろなパターンがあるんですけれども、一番典型的な例としては、ロコ・ロンドンの価格を提示して、それに見合ったもので委託者との間で直接の契約を結ぶということで、基本的には店頭取引の中に含まれるものが多いのではないかと考えております。

    ただ、ロコ・ロンドン取引と言いましても、実際の正式なものから、ロコ・ロンドンまがい取引、さらにはそれが新しいタイプのものが出てきたりしますので、必ずしもその内容によって異なるかと思いますが、基本的には店頭取引の中に入っていると考えていただいて結構かと思います。

  • 尾崎分科会長

    よろしいですか。

    ほかにございますでしょうか。不招請勧誘の問題等があれば。

  • 渡辺委員

    幾つかの周辺事情を申し上げた上で、不招請勧誘禁止措置の導入についての考え方を申し上げたいと思います。

    前々回の会合で申し上げたとおり、現在の取引状況は、流動性が著しく低下して、産業インフラの機能を失いかねないところまできている。加藤さんがその話をされました。非常に危機的な状況であります。したがって、繰り返しになりますけれども、今優先して急ぐべきは振興方策でありまして、規制問題については、とりあえず立ちどまって、まず足元を固めるべきだと思います。

    それから2点目ですけれども、累次にわたる政府の規制強化と業界の自主規制強化、荒井さんがまさに説明されました。業界の体質は急速に改善されつつあると認識いたしております。また、業界全体としても信頼性回復、信頼性向上のための自浄作用というか、そういうことに向けた議論が振興協会内部でも始まっていると聞いております。

    それから3番目、ここが重要なんですが、不招請勧誘の問題について言えば、資料5の右側、金融庁の考え方のところにも出ておりますように、情報へのアクセス機会の提供をどういうふうに考えるかということであります。情報へのアクセス機会を少なくさせるようなことが、果たして真の意味での消費者の地位の向上につながるのかどうかということがポイントであります。

    情報へのアクセスというのは、大きく言えば3つあると思います。1つは、みずから要請してみずからアクセスするという形。2つ目には、勧誘であるとかセールスの機会を利用して入っていくというやり方。3つ目には、一般のマスコミ等の情報の中から選択していく。こういうふうに大きく分けると3つあると思いますので、このルートが多様であればあるほど、貯蓄社会から投資社会へという世の中の方向に対して、消費者に正しい情報、一般投資家に正しい情報を与え、選択の機会を広げ、レベルを向上し、そして育っていく。ですから、こういう機会を奪うがごとき制度改正は、目下私は適切ではないし、不必要だと思っております。

    なお、取引所、取引員ともに許可を通じてオーソライズされているものでありますので、ここでの取引というのは十分に透明性のある公正なものであります。他の非公認の場合や取引と混同すべきものではありません。各種の行われている行為についても規制があるわけであります。

    以上申し上げまして、今回の制度改正において不招請勧誘の禁止措置を導入することは、私は適切ではありませんし、絶対に反対であります。

  • 尾崎分科会長

    どうもありがとうございました。

    この点はいかがでございましょうか。

  • 大河内委員

    先ほどからさまざまなIBですか、ラップ口座とか聞いておりましても、資産運用というのは本当の素人にとってはさっぱりわからない難しいものでありまして、日々はそのことばかり考えていられないものでありますから、やはり資産運用をされたい方、もちろんプロフェッショナルな方に委託することしかないのではないかと思うんです。今は改革の途上にあるということで、しかもこの市場がすごく疲弊しているという話ですけれども、先物の市場ですごく長いこと被害を受けていた人たちのことを考えますと、それから、これからそのままにしておけばまた苦情も減っているとはいえあるわけですし、未然の防止策としても、絶対に転換するのだという姿勢をはっきり見せる、そして生まれ変わるということからしても、不招請勧誘の禁止というわかりやすい制度を入れることこそが、プロの方のためなのではないかと私は思っております。

    本当にそのほうが市場のプロフェッショナルな方たちにとっても、そこでは自由に公正というか商品の中身も売買もやっていただいていいと私も思っておりますので、そんなふうに変わることが大切かなと思いますので、ぜひそういうことをやりたいと言わない人に、誘わないでと、重ねて言いたいと思います。

  • 尾崎分科会長

    唯根委員どうぞ。

  • 唯根委員

    大河内委員にあわせてというか、被害に遭っている、9割の方が損しているのが実態だと、消費者の方、個人の資産が失われていくという部分では相談現場で日々感じていますので、不招請勧誘を個人の方にしないということが第一のアピールになるのではないか。今回の改正で、プロ市場化ということを目指していらっしゃる。今情報とおっしゃられたんですが、消費者の方たちは、怖い世界だ、こういうところには近づかないほうがいいというのを、逆にやってみたいという方までが入れないようなイメージの悪さが今起きているのではないかと思います。

    というのは、リコール情報なんかも、ひと昔前までは製品回収や何かのテレビコマーシャルなんて流れなかったのが、今は逆に見つけたら、何十年前のでも出してくだという事業者の方のイメージのほうが消費者には真摯に伝わるような情報開示の仕方もあるわけですから、今回の改正で、市場がプロ化をするんだ、それこそ一般の消費者が巻き込まれないんだというイメージアップのためには、第一の効果的な方法が不招請勧誘ではないかと思うのです。

    やりたい方が御自分で、個人の方でも参加されるのは自由だと思いますが、最初に声がけがくる。わからない。私も何度お話を聞いてもこの仕組みはわかりません。商品と為替と両方の要素をどうやって理解できるのかというところは、本当に自分の資産がなくなっちゃうよと言われて最初から誘われたら、皆さん入らないと思うんです。ですから、そういう希望していない方を誘うことだけはやめていただきたいと思います。ですから、不招請勧誘に関してはぜひ設けていただきたいと思います。

  • 尾崎分科会長

    どうぞ。

  • 荒井委員

    不招請勧誘については、この時期に導入は不適切であると。委託者保護は大変重要であると思いますが、不招請勧誘の導入は不適切だという立場で意見を申し上げさせていただきたいと思います。

    この分科会での議論を昨年来振り返ってみますと、プロ市場化を目指すという流れは恐らく大方のコンセンサスでありましょう。これは間違いのないところであると思います。ただ、私は前にも申し上げたと思うのですが、一挙にプロ市場に変化を迎えるわけにはまいらないであろう。個人委託者によって市場が支えられている部分と、それから、嫌なわけのわからないまま市場に引きずり込むことは問題でありますけれども、個人は個人、アマチュアはアマチュアで開かれた市場であってほしいという意味で、個人を排除することまでは言わないということが一面のコンセンサスではなかったかと理解しているわけであります。その場合に、規制のあり方としては、いわゆるプロ・アマ規制の導入ということで、プロについては現状の規制のあり方を緩和の方向に持っていく。こういう枠組みも結構だろうと思います。

    さて、プロではない顧客に対しての規制のあり方を考えた場合に、私の見るところでは現在の規制の状況というものが、市場の活性化、国際競争力の強化ということを目的とした施策と、委託者保護の規制のための規制の状況というものがバランスがとれているのが現在の状況ではないか。平成16年、18年の改正によって適合性の原則が導入され、行為規制が再勧誘の禁止を初めてとして大変厳しい規制がかぶさってきております。国会の附帯決議のことも後で申し上げたいと思うんですが、日商協としてそういう状況を本当に、一日たりとも忘れたことはない。国会の附帯決議というものが頭にこびりついている状況であります。

    先ほど御説明申し上げたように、日商協は日商協としてコンプライアンスの徹底ということで、会員各社に語りかけて、随分体制が変わってきている状況でございます。数回前のこの分科会で津谷委員から、なるほどトラブルは減っているとはいうものの、それはいわば売買取引高が減ったことのあらわれに過ぎないという趣旨の御指摘がありました。しかし、それも必ずしも当たっていない。なるほど取引が減ってきたがゆえにトラブルが減ったという側面があることは否定いたしませんけれども、例えば先ほど私御説明させていただいた消費者センターの苦情相談件数の変化ですが、これは平成15年と19年を比べた場合に、約5分の1になっている。17.3%にとどまっているわけです。

    片や、その間の平成15年と19年で、これは振興協会の説明資料の4ページに出ておりましたが、売買枚数の比較で申しますと、15年から19年で54.4%、ほぼ半減している。苦情相談件数は82.7%減っているわけです。だから、必ずしも売買が減ったからというわけではなくて、数字的に言えばそれ以上の苦情の減少が一応統計数字上も見受けられると言っていいのではないかと思うわけであります。

    それで国会の附帯決議の関係なんですが、これはいろいろな御意見があって国会の附帯決議というのは出てくるものだと、文章についてはかなり練り上げた文言が使われると私は承知しているつもりなんですが、今後のトラブルが解消していかない場合には、不招請勧誘の禁止の導入について検討する、こういう表現になっておりまして、トラブルが極端に言えば解消し尽くさなければ導入という言い方ではないわけです。

    私が先ほど申し上げたように、傾向として苦情、トラブルが減少の傾向にあることは明らかなわけでありまして、附帯決議をきっかけにして、このたび不招請勧誘を検討するという状況にはない。附帯決議で掲げられた導入検討の要件は満たされていないと、これは言い切れるのではないかという気がいたします。

    さらに、先ほど渡辺委員からも御指摘がありましたが、きょうの資料5の金商法の不招請勧誘禁止導入のときのパブリックコメントについての金融庁の考え方というのが1つの枠組みとして参考になってくるかと思うのですが、ここで言われているところの、適合性の原則の遵守をおよそ期待できず、利用者被害の発生やその拡大を未然に防ぐために不招請勧誘の禁止の対象とすべき追加すべき金融商品、これが出てくれば政令指定を行うという枠組みを設定しているわけですけれども、商品のほうで申し上げれば、先ほど申し上げたように平成16年の改正で適合性原則がきっちりと導入されて、これの実施に向けた会員の努力が続けられているわけであります。

    さらに被害の拡大があるかどうかということを言えば、これは減少していると見るのが素直な見方ではないかと思うわけであります。そういう意味で、今の状況からいいますと、不招請勧誘禁止というのは過剰な規制になるおそれがあるということを申し上げたい。

    さらに申し上げると、海外の商品についてどういうふうに考えるかという問題があるかと思うんですが、これも前回か前々回に申し上げたかと思うんですが、海外商品につきましても今回、参入規制なり行為規制をかぶせる。その内容については、私自身は国内の商品取引と同レベルのものでいいと思っているわけですが、その結果を見てから考えるということで十分ではないだろうか。国内のものについては、16年、18年の規制の強化によってかなり効果が見えてきているという1つの例があるわけであります。

    そうではないという御意見もあろうかと思うんですが、そんなに外れたことを申し上げているつもりもないわけでありまして、国内の例から申しましても、海外についても不招請勧誘禁止の導入は不適当ではないかと考えます。

  • 尾崎分科会長

    どうぞ。

  • 多々良委員

    プロの市場参入と言っても、一朝一夕で進むものではないと思います。他方で最近の流動性の減少は想像を超えており、これ以上状況が進展すると、市場としての機能が完全に麻痺するのではないかと心配しております。そうなれば取引員はもとよりですが、取引所の存立も立ち行かなくなるのではないかという危機感を持っております。ひいては我が国に、取引所という形態がなくなってくる懸念もある。これまでの先物取引員企業はさまざまな行き過ぎたこと、営業をやってきたことも事実でありますが、この種の取引員は、主務省の摘発や日商協等の強い指導で市場から放逐されてきておりまして、当業界の浄化はかなり進んできていると思います。

    不招請勧誘を導入をすべきだとする方々は、過去にあった極めて悪質な勧誘事例等を想定されていると考えておりますが、現実の営業現場はかなり異なってきております。むしろ1件でもクレームを出したら、担当者の責任問題に発展するという緊張感で仕事に取り組んでおるというのが実態だと思います。ようやく当業界も、そういう意味での前向きな取り組みに進んでいることを評価してほしいと考えるわけであります。

    我が国の重要な産業である商品先物市場の火を消すことがないよう、今後、プロ中心の国際市場として再生していくために、現在商品取引にとっては営業の中心となっている勧誘を完全に禁止することだけはぜひ避けてほしいと、このように理解とお願いを申し上げたいと思います。

  • 尾崎分科会長

    どうぞ。

  • 南學委員

    不招請勧誘禁止の導入の問題についてはいろいろな御意見が今まで出てまいりましたが、渡辺委員が言われたように、また金融庁のペーパーにも書いてありますとおり、1つは、投資家にとって情報提供、多様なサービスへのアクセスが制限されるという基本的な問題があるということ。第2に、商品先物市場にとっても、我々の取引所にとっても、多種多様な市場参加者を確保する観点から望ましくないという面もあること。こうしたことを考えますと、市場の競争力強化が焦眉の急になっている現在、また先ほどから説明があるように、関係者の懸命な姿勢を正そうという努力が継続されている現在、この導入には極めて慎重な対応が必要だと考えておりますので、よろしくお願いします。

  • 尾崎分科会長

    池尾委員どうぞ。

  • 池尾委員

    口幅ったい言い方になって申しわけないんですけれども、本当にプロ市場化することの覚悟が問われていると思うんです。こういうことの議論にすごいエネルギーを使っていること自体が私はよく理解しがたいところがあって。例えば一般個人を勧誘している暇があるんだったら、そのエネルギーをプロ市場化に向けるというのが本当の筋じゃないかという気がしてならないというのが率直なところです。

    加藤さんが御説明になった資料でも、18年改正を前にした2005年時点で、対面個人営業依存度の高いビジネスモデルから転換することをうたっているわけですから、そこから3年間努力を本当にプロ市場化に向けてしてきたら。今の議論を聞いていると、対面個人営業依存度の高いビジネスモデルをもう少し続けていきたいという思いが背後にあるとしか受けとめられないんです。私は結果としての勧誘に関しての規制がどうなるかというのは余り大した問題だと実は思ってなくて、本当にプロ市場化に向けて業界一丸となって努力していくのであれば、今言ったようにエネルギーの配分はそっちへ向かうはずですから、別に不招請勧誘の規制があろうがなかろうが、そういうことの勧誘に大いなるエネルギーを割く業者がいること自体が矛盾した話になると思うんです。

    プロ市場化と言っているけれども、実はそういうのはなかなか大変だし、従来型のビジネスモデルで行こうという、何かそういう。済みませんが、最初に申しましたように私のような者が口幅ったい言い方をするのは大変申しわけないんだけれども、そういうふうなイメージを受けて仕方がないんです。本当にプロ市場化するという決意とか覚悟がどこまで徹底しているんだろうと、そういう率直な疑問を持ったということだけは発言させていただきたいと思います。

  • 尾崎分科会長

    どうもありがとうございました。

    津谷委員どうぞ。

  • 津谷委員

    私が話すことは大体想像がつくと思うのであれなんですけれども、それで今ちょっとためらっていたんですけれども、まず本当にプロ市場化というか、日本の先物市場の現状を本気に憂えているのかという感じが私はします。本来あるべきプロ市場を、今もってまだこんなことを言っている。私は平成2年の法改正、10年改正、16年法改正のときに、日弁連の委員としていろいろ携わってきました。

    このときに、自分たちは一生懸命やっているということは昔から言っているんです。この場に及んでも、まだ同じことを言っているというのが本音であります。私自身の受けとめ方としては、現在の先物の関係者というか業界を、解体的にそこから出直すぐらいの覚悟でやらないと、こんなものはよくならないと考えます。そのためには一番手っ取り早い例は何かというと、これは不招請勧誘禁止しかないと私は考えております。

    例えば、同じような形で何度も例として挙げられておりますけれども、クリック365でしたか、あれはずっと栄えていますよね。その前には、ちゃんと金融先物取引法時代に不招請勧誘だったんです。不招請勧誘というものを通して、その中で比較的市場のほうはまともだろうということで、市場取引だけは自由にさせて、店頭が不招請勧誘が続けられている。そういった状態でもきちんと。不招請勧誘を導入したからといって、全部自分たちがつぶれるとか、そんな話ではないです。逆に言うと、不招請勧誘をずっと続けなければやっていけないような先物であれば、そんなものはやめてしまえと言いたい。あえて強く言えば。

    ですから私は、池尾先生が覚悟はあるのか、プロ化市場にする覚悟が問われていると言われましまたけれども、全くそのとおりでして、今の業界の方々の意見を聞くと、その気は全くない。これでは日本の先物市場というのはどうなるのか、外国に負けてしまうぞという感じがします。僕はそれだけ強い決意をもって望むのであれば、先物取引において不招請勧誘というのは絶対不可欠と思うわけであります。

  • 尾崎分科会長

    久野委員どうぞ。

  • 久野委員

    私は個人的にはとても揺れております。先ほど来、プロ化、プロ・アマ規制という話があって、商品市場が資産形成の一部であるし、その資産形成する方法の一部であるし、ポートフォリオを多様化することによっていろいろなリスクが軽減されるケースも多々ある。特に最近はそうなんですけれども、それはおっしゃるとおりです。ただ、ラップ口座にしても、例えば金融のほうでラップ口座で手数料稼ぎが行われていないかと言えば、よくわからない。

    9月にマーケットは荒れたんですけれども、株の売買代金、マーケットは下がったわけですけれども、売買代金が初めて株価指数先物の売買代金を下回ったんです。そういう面では先物についてのリテラシーは少しできつつあるような気が私は個人的にしています。そう言いながらもラップであってもIBであっても、いいIB悪いIBは恐らくいるんでしょうから、セールスプラクティスは別にして、クオリティーの問題ですね。ですから、それを選ぶ力、あるいは選ぶリテラシーがある人たちは十分やっていって構わないと思うんです。そういう面で言うと恐らくプロに近い人たちについては、私は比較的オープンにして、フレキシブルにしていいんだろうと思います。ですから、残ったアマの人たちについてはそれなりの規制をかけるべきだろう。私個人的には再勧誘の規制が効いてきているのか、このままでいいのかわかりませんので、その辺の意見はないんですけれども、恐らくそういうことだろうなという気がします。

    もう1つ申し上げると、個人の株のアカウントを持っている人たちのうちで、信用を認められている、信用ができるようなお客さんは約8%から10%の間です。米国の先物市場で個人が、それは金融の先物も含めて、個人がダイレクトで私のような人間が仕事の合間にこちょこちょやっているケースは、そのぐらいの数字、あるいはもっと低いかもしれない。恐らくそれがリアリティーなんです。ですから、もし大きく構造を変えるとすると、そこの部分の商売は一たん一瞬なくなる可能性があるということは、先ほど皆さんおっしゃっているように覚悟があるかないかの問題だと思います。

  • 尾崎分科会長

    高井委員どうぞ。

  • 高井委員

    久野さんと同じように私も、イエスなのかノーなのか非常に迷っておりまして、本当に池尾先生のおっしゃったことは正論なんですよ。正論なので反論しようがないんです。ですけど、この場とか過去何年間かの間に議論してきてよくしていこうという効果が、先ほど荒井委員のほうから説明があったように5分の1に減っているわけです。効果は出てきている。

    それから、ミニ金とかミニプラというのを今度やりますけれども、ああいうミニ商品に関してはレバーをすごく下げて、ストップロスなんかも入れて、苦情はほとんど起こっていないと私は東工取の皆さんから聞いております。ですから、ここで議論してきたことが実効性を生んでいるということだと思います。

    でも、不招請勧誘を入れたらこれがゼロになるのではないかというのは、恐らくそうなんでしょうね。同時に今これだけ市場全体が弱ってきている中で、特に今回金融危機が起こって泣きっ面にハチ状態ですね。来年、新しいシステムを入れて株式会社にしてということで前向きな話をしているときに、恐らくここで不招請勧誘を入れてしまうと、マーケットがなくなってしまうリスクがものすごく高いと思います。日本にこういう市場がなくなるということなんです。

    ですから、僕は不招請勧誘というのはいずれは入れないといけないと思うんですけれども、ちょっと待ってよと、今こんな大変な時期なのに、これだけいろいろな新しいことをやっていこうということをみんなで議論して、来年から新しくやろうとしている時期なので、少しタイミングを遅らせるとか、いついつまでにこれを導入しますよとか、段階的に入れていくとか、そういう議論がよりプラクティカルではないか。

    先ほど証券市場の話をしましたけど、東証の取引のうち7割が外国人なんです。今回、東証があれだけ下がったというのは、外国人がみんな抜けたから下がったんです。単純な話です。こと商品先物に関して言うと、外国人の比率がまだまだ低い。個人の比率が高いというのがあるので、ここら辺の構造変換をできるだけ早くやって、システムを新しく東工取は入れますから、来年の5月になったらスーパースピードのシステムが入りますので、外国人はものすごく入ってくると思います。それで商品先物のベースロードができれば、はっきり言って個人の投資家さんが全然入ってきてくれなくても、市場としては何とか持つのではないかと思います。

    答えになっているようでなっていないような答えなんですけれども、以上です。

  • 尾崎分科会長

    加藤委員。

  • 加藤委員

    答えになっているかどうかわかりませんが、我々商品取引員は基本的に先ほども出ましたけれども、主務大臣から許可を受けている許可業種であるということが第一義でございまして、そういう意味では基本的には透明性は確保されているし、現状、荒井委員からもお話がございましたとおり、我々は今現在、行為規制の中で、特に勧誘規制におきましては、再勧誘の禁止ということで十分対応し切れていると思っております。と申しますのも、お客様がお話を聞いてわからないというのであれば、そこでお断りになられることでありますし、お断りになられると我々はもうそれ以上勧誘はしないという大前提のもとで行っております。それに違反すると当然のことながらバッテンを食らうということでございますから、そういう状況であるというのが1つです。

    2点目は、これも荒井委員がおっしゃられましたけれども、苦情、トラブルの減少が現実にはまだまだ不十分だというお叱りを受けるかもしれませんが、現実の問題として数字は減ってきているのではないかと思っております。これはきちっとした理屈になるかどうかわかりませんが、いずれにしても、今この経済産業省におかれても、工業品の競争力強化の研究会を初めクリアリングの研究会、そしてこの産業構造審議会、いろいろな意味でマーケットをよくしていこうと改善策を立てていているわけであります。我々振興協会のほうとしても、今後さらなる事業者等にこのマーケットの優位性、先ほども御説明しましたけれども、御理解いただくための研究会を発足して早急に対応していこうとしているさなかでありますので、そういった意味で現在の再勧誘の禁止という行為規制のままで十二分に対応できているのではないかと思っております。

    以上です。

  • 尾崎分科会長

    どうぞ。

  • 大河内委員

    いろいろなお話を聞いていて、この前の議論でもプロ・アマ規制をどうしようかという話があって、この境目をどこに引くかというのはなかなか難しい話だったと思いんです。そういうことで規制をうまくやっていくことよりも、望んでいない人に勧誘しないというほうがわかりやすくて、すっきり私たちにとってはいくことだと思っているんです。不招請勧誘という言葉の意味を皆さんもよく考えてほしいんですけれども、全然望んでいないわけですよ。望んでいないところに、まして金融商品を勧められることが情報のアクセス制限とか情報提供ということに、一体なるんでしょうか。私は個人であっても、お金をふやしたいと思う人はたくさんいると思います。

    むしろみんな自分の持っているお金を何とかふやしたいと思うんだと思うんです。ですから、プロ・アマ規制というよりも、個人でふやしたい方は必ず自分でいろいろな方策を調べて、その商品先物のところが自分は少し賭けになってもやりたいという市場であれば、入って行かれると思うんです。そういう市場にならないと今までの議論がすっきりいかないのかなと思うんです。今現在の処分状況、苦情は減っているということは数でわかるんですけれども、処分の中身を見ますと、再勧誘のこと、それから、お金がないからと断ったら、どこかで借りてやったらその後すぐ返せるよと言われたりとか、今でも悪質性は高いと思うんです。

    そういう現状を見ていると、一番最初のところで、呼ばない人のところに行かないということをやることが、市場をきちんとみんなが安心して、ここでリスクをとってもいいと言って入ってくるところになる近道だとむしろ思うんです。

  • 尾崎分科会長

    どうぞ。

  • 津谷委員

    しつこくて済みません。荒井さんと加藤さんの件でちょっと違うのではないかと思うようなことがありまして、その解釈の仕方なんですけれども、金商法のときの参議院の附帯決議のときに、あそこでは「解消」という言葉を使いました。それは私は附帯決議をつくった議員の先生から確認しているんですけれども、ここのみそは、トラブルは「減少」ではなくて「解消」という言葉を使ったということなんです。荒井さんが言われたことは、それは減少という言葉の話でして、解消というのはもう完全になくなる。限りなくですよ。それはゼロということはないかもしれないけれども。そういう単なる減少ではないですよということ、それを確認する意味で「解消」という言葉を使ったんですよ。だから、まだ現在では7,000件が4,000件台になったからといって解消ではないし、それから、解消とはほど遠いと思います。

    それから、金商法のときの議論の中で、不招請勧誘をやるとアクセス制限で、金融庁の言葉の中に、適合性原則がおよそ期待できない場合には不招請勧誘云々という言葉が出てきますけれども、極めてこれはおかしい話でして、適合性原則を遵守できないような取引であれば、それはもうやらせてはいけない。不招請勧誘どころではないでしょうと。適合性原則というのが一番大原則であるとして、それが期待できないような業種、勧誘の業態であればというのであれば。ですから、あの金商法のときの金融庁の解釈は、それなりにある程度合理化して、合理的に解釈しなければいけないと思うのであります。

    さらに言えば、このときの金融庁の解釈では、レバレッジ性が高いこと、それから執拗な勧誘、利用者の被害発生という3つの要件を掲げているわけですが、これは先物取引そのものであります。国内も、海外も、ロコ・ロンドンまがいもそうであります。ですから、まさに不招請勧誘禁止が必要な取引であるということを私は忘れてはならないと思うわけであります。

  • 尾崎分科会長

    どうぞ。

  • 荒井委員

    今津谷委員のおっしゃった附帯決議の文言の、私は「減少」というふうには全く申し上げたつもりはないので、「解消」であることは間違いない。ただ、日本語として気をつけたいと思いますのは、解消していかない場合にはという言ってみればある一時点をとらえて、静的な状態でとらえているのではなくて、傾向を言っているというふうに読むのが日本語ではないでしょうか。そこは1つ言いたいところです。

    それから、金商法の金融庁のいろいろな要件を掲げております。これをどういうふうに商品の世界に当てはまるかどうかというのは、これは津谷委員と見解が違うとしか申し上げようがないのです。ロコ・ロンドンまがいというようなものも全部一緒にして議論するのは、少なくともおかしいのではないかということを申し上げたいと思います。

  • 尾崎分科会長

    ほかに。

    平井委員、何かございますか。特にございませんか。

    さまざま御議論いただきましたけれども、皆さんに共通しているのは、ビジネスモデルはいずれ転換しなければいけないという点ははっきりしているわけで、ほかの研究会も含めて最近もう一つのキーワードは、スピード感だったと思います。そのスピード感をどれぐらい意識されているかということが今試されているのかなと。今すぐガチンと全部変えてしまわなければいけないという方法としての不招請勧誘というのはあるんだという御指摘もあったわけですが、そうではなくて徐々にいろいろな形で改善していって、どんどん前へ進めていって、そして望ましいスタイルのところへある意味でソフトランディングさせていくためにはどうするかということで、一方で業界が努力されていると感じている次第です。

    しかし、いずれにしてもマネージドフューチャーズの話も出たわけですが、そういう形でフューチャーズをうまく使える人にとってみれば、このフューチャーズがなくなってしまったらとんでもないことになるわけで。したがって、そういう組み合わせをうまく使える。そのためにも日本マーケットがないとこれはどうしようもないわけですので、そういった意味でマーケットをしっかり維持しようという努力を抜きには語れないというのも、御議論の中ではこの点も否定されていないと感じた次第でございます。

    そういった意味で、リテラシーがどれほど広がってくるか。そのリテラシーの広め方の手段として勧誘という手段があるのかないのか、あるいは取引経験という手段があるのかないのか、これもお考えはいろいろとありそうであります。その点で積極的にこれを使いたいと思って初めて入ってくるのか、それとも徐々にいろいろな情報が入りながら、その知識を高めていく、経験を高めていくという方法の違いのような気がするわけです。

    しかし、これは解消しなかったら、傾向が見られなければ、不招請勧誘という方法があるという1つの枠組みはあるように思われるわけでございまして、そういった意味ではこの業界の努力をさらに続けていただかなければならないという感じは、聞いておりましてひしひしと感じた次第であります。

    いずれにしても、このビジネスモデルをどのように大転換させていくか。これはいかざるを得ないというのは共通の認識、まさに業界のほうでもそういう認識を持っていろいろな委員会を設置されておられることも明らかのようですので、これはぜひスピード感をもって実施していただきたい。また、取引所のほうも世界最新のシステムを入れるということもおっしゃっておられます。そして当業者というんでしょうか、そちらのほうの利用勝手もいいようにするという方向も打ち出されているようでございますが、そのためにはボリュームを上げることも当然必要になってくる。そのときにまたそのプロセスの途中で不正がたくさん発生してしまって、やっぱり悪かったと言われてしまうと、せっかくの改革も道半ばで頓挫してしまうことがありますので、そこのところの方法においてIBとか、代理とか、媒介という方法があっても、そこでまたトラブルが起こってしまうとどうしようもないということは明らかだろう。

    そういう点でバランスのよい規制、そして過剰規制にならない規制でありながら、かつ必要な規制は最低限なされなければいけない。一体それが何かであるのかということについても貴重な御意見をいろいろといただけたかと思うので、そこのところを踏まえて事務局のほうで整理していただいて。大方の共通認識とずれている部分というか、これからまだ議論しなければいけない部分もあろうかと思いますが、そういった方向でこれからいろいろとやっていただきたい。

    本日も、法理論的に言うならば代理とか、媒介とか、取次ぎとか、こういった部分についてどうするのか少し残されているかもしれませんが、そういった部分についてこれを解禁していくとどうなるのか。これも少し議論しなければいけないかと思いますが、本日の御議論の中でそれについても少し触れる部分があったかと思います。

    ということで本日の議論では、プロ市場化の推進及び委託者トラブルの解消について、考えなければいけない論点、そして姿勢も少し示された、またそれが出てきたのではないかと考えております。プロ・アマ規制に最終的に集約する部分が幾つかあるかと思いますが、そういったプロ・アマ規制の具体的な制度設計も考えなければいけません。

    それに加えて商品取引仲介業のあり方とか、ラップ口座の導入等の可否、さらには今大いに御議論がありました不招請勧誘の禁止についての考え方など、なお検討すべきこともあろうかと思いますが、取りまとめに向けた意見の集約ということで、事務局のほうでも本日の議論を踏まえて対応していただいて次のステップに行きたいと考えておりますが、本日はこういう取りまとめでよろしゅうございましょうか。

    それでは、最後に、次回の分科会の日程について事務局より説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

  • 小山課長

    次回は10月29日、水曜日、時間帯も同じ16時から18時、場所もこの部屋で開催する予定としております。よろしくお願いいたします。

  • 尾崎分科会長

    本日は御多忙の中、長時間にわたり、また御熱心に御議論いただきましてまことにありがとうございました。次回の第6回分科会の詳細につきましては追って事務局より御連絡いたしますが、先ほどの日程で開催したいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

    以上もちまして、本日の産業構造審議会第5回商品取引所分科会を閉会いたします。

    どうもありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2008年11月18日
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