経済産業省
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産業構造審議会商品取引所分科会(第9回)-議事録

日時:平成20年12月11日(木)10時から12時

場所:経済産業省別館11階共用1120号会議室

議事概要

  • 大山商品取引監理官

    それでは、定刻でございますので、ただいまから産業構造審議会第9回商品取引所分科会を開催させていただきます。

    委員の皆様方には、ご多忙のところご参集いただきましてまことにありがとうございます。

    まず配付資料の確認をさせていただきます。お手元の資料一覧をごらんいただきたいと存じます。資料1が産業構造審議会商品取引所分科会の議事次第でございます。資料2が委員名簿、資料3が日本商品先物取引協会からの「日本商品先物取引協会の委託者保護に係る取組み」という資料、資料4が報告書(案)でございます。それから、資料番号はございませんが、「株式会社東京工業品取引所の経営理念」という一枚紙を配付させていただいております。資料に不備等ございましたら、事務局までお申しつけください。

    それでは、以後の議事進行は尾崎分科会長、よろしくお願い申し上げます。

  • 尾崎分科会長

    最初に本日の委員の出欠状況でございますが、18名中16名ご出席です。したがいまして、産業構造審議会令第9条の規定により、本分科会は成立しております。なお、上村委員、家森委員は本日ご欠席でございます。

    それでは、議事に入りたいと思います。資料1にありますように、本日の議題は、産業構造審議会商品取引所分科会報告書(案)についてでございますが、この議題に入る前に、議事次第のところに書いてありますように、「日本商品先物取引協会の委託者保護に係る取組み」についてということで、お手元の資料に従いまして、協会の会長であります荒井委員からよろしくお願いいたしたいと思います。

  • 荒井委員

    荒井でございます。おはようございます。日本商品先物取引協会、日商協の委託者保護に係る取り組みにつきまして説明申し上げる時間を割いていただいて、大変ありがとうございます。前回までのご議論の中に、日商協の役割でありますとか、取り組み状況についていろいろご意見がございました。現在、日商協がどういう取り組みをしているか、また、前回終わりのところでちょっと触れさせていただきましたこれからの取り組みについて、もう少し敷衍した形でご説明をさせていただければありがたいと思います。

    きょうの資料3でございますが、前に第5回、10月15日の資料9というところで、日商協の取り組み、一通りの説明をさせていただいたのですが、それとかなり重複してございます。しかし、より一層、日商協についてご理解をいただきたいということで、あえて重複をいとわず掲げてある部分がかなりございます。

    1ページから触れさせていただきますが、これまでの取り組みについてであります。もともと日商協は自主規制機関ということでありまして、平成11年に現在の組織ができまして以来、自主規制ルールをいろいろとつくって、委託者保護の目的を達するために、その制定、見直しをやってまいりました。例えば受託、勧誘等の適正化のルール、それから、電子取引が広がってきて以来、電子取引に係るガイドライン、会員役職員に対する指導、勧告、処分に関する規則、広告等に関する規制、企業情報の開示に関する規則等々の自主規制規則を制定、改正をして活動しているわけであります。特に平成16年、18年の商品取引所法の改正で行為規制が厳しくなる等々の改正がありましたことを受けて、今申し上げたような規則について、かなり強化の方向で改正を重ねてきております。

    前にも申し上げました平成16年改正を受けた形で、トラブル解消アクションプログラムの策定・実施ということに力を入れてまいりまして、会員の法令遵守の、特に社内管理体制の整備ということに重点を置きまして、各会員取引員、企業に要請をしてきました。それから、特に実務を担当する中堅外務員の人たちの特別研修を実施して、コンプライアンスの意識を深めてもらう。苦情等に対する個別指導、内容に応じて個々の企業に対しての個別指導も重ねてきております。外務員の諸活動に対してのコンプライアンスの徹底というだけではなくて、日商協が大変重視しておりますのは、何といっても会社の経営者、トップの人たちのコンプライアンス意識の徹底ということが大変大事だと考えておりまして、外務員に対するもろもろの形での指導ということはもちろんでありますけれども、経営者、代表者の方々に対しての意識の徹底ということも、研修とか会員懇談会等、いろいろな場を通じて力を入れてきております。

    1ページの(3)に書いております会員の役職員等に対する特別指導等プログラムの策定・実施、これはもともとそういう趣旨の規則はあったわけでありますが、平成20年3月に、会員の役職員等に対する特別指導等プログラムを策定しまして、もろもろの措置を実施してきたわけであります。平成19年、昨年10月以降に商品取引事故に3件以上関与した役職員、日商協が受け付けた未取引に係る苦情に関与した会員の役職員を対象に特別指導をやってきておりまして、特別指導の対象になった場合には、その後、事故に関与した場合には処分につながるという前提で徹底をしてきているわけであります。

    それから、登録外務員に対する一斉調査を行いまして、一斉調査の結果、これまでの苦情等に関与した件数が10件以上という場合、これが200人ぐらいが対象になったわけでありますが、これについて指導を行い、今後の事故に関与した場合には処分をいたしますよという前提で徹底をしてきております。

    2ページの(4)でございます。会員の商品取引受託業等、業務に関する苦情・紛争の解決、これは日商協の活動のかなり重要な部分ということになっておりまして、相談センターで委託者からの電話、手紙、訪問、日商協においでになるような形で相談、苦情がありますと、それに対応してきているわけであります。苦情については、すべて関係する会員企業に連絡をして、まずは当事者間の話し合いによる解決を仲介する。

    それから、あっせん・調停制度というのがあります。担当するのはほとんどが弁護士の方でありますが、法律専門家を中心にしての紛争のあっせん・調停、これは委託者保護に重点を置いたシステムになっておりまして、例えばあっせんの申し立ての段階では、顧客の側からの申し立てには手数料は全くかからない。業者の側は、以前は手数料はいただいていなかったのですが、今では、あっせんはあっせん、調停は調停の段階で、それぞれ5万円の手続手数料的なものを申し受けております。そのほかに、会員業者のほうもあっせん・調停手続を利用することはもちろん、申し立てはできるわけですけれども、顧客のほうは何かの理由で申し立てを取り下げるというときには自由にできますが、業者のほうが取り下げるというときには、相手方であるところの顧客の同意がなければ、勝手に自由には取り下げはできない。それから、あっせんが不調で調停に回りましたときに、業者のほうは正当な理由がない限りは調停案を受諾する義務がある。正当な理由なくして調停案の受諾を断ったときには、日商協の自主規制規則に反するということで、処分の対象になる。かなり厳しい仕組みになっております。日商協は発足以来、これまで会員の取引員が調停案を断って制裁に至ったなどという例は幸いにしてございません。

    ということで、顧客保護にかなり力を入れたシステムになっているわけでありますが、やはりあっせんにしろ調停にしろ、それを両者に十分納得してもらって解決に持ち込むということが大変大事でございます。それには、あっせん・調停に当たる人の信頼を得られることが大事であるということでありまして、仕組みは顧客保護ということにがっちりとつくられておりますけれども、実際のあっせん・調停の運び方としては、いうまでもないことですが、双方の言い分を十分に聞く耳をもつ。それから、公正な目で事実を評価するということが大変大事なことでありまして、あっせん・調停委員の人選に当たっては、そういう観点を非常に大事に考えて、お願いしている結果がこの43人の法律専門家を中心にしたあっせん・調停委員ということでございます。

    結果としまして、平成11年4月現在の日商協の組織ができましてから今日までのあっせん・調停による処理件数が、ここにありますように1,263件、解決件数で申しますと860件、解決の中身からいうと、あっせんで解決したのが675件、調停まで進んで解決したのが185件、解決率で申しますと68.1%ということになっております。それ以外のあっせん・調停で解決しなかったのはどういうことかと申しますと、あっせんの場合ですと不調というのがあります。余りにも双方の言い分がかけ離れていて、到底話し合いでは解決できないであろうということで、不調で終わってしまう。それから、やりとりの中で申立人、顧客のほうが、日商協の手続では十分満足が得られないということで、場合によって裁判に持ち込むということで取り下げる。あるいは、レアケースではありますけれども、話を聞いて、これはご無理ではありませんかということで、お引き取りを願うという事例もあるわけであります。そういうのを除いてのあっせん・調停で解決まで至ったのが68.1%という結果になっております。

    それから、会員及び会員役職員等に対する処分でございますが、これは第5回でご説明させていただいたとおりでありますので、省略をさせていただきます。処分の事例としてはここに書いたような実情になっております。

    3ページの今後の取り組みでございますが、前回にもいろいろと日商協の活動に対してのご意見をいただきました。それを考えまして、今後の取り組みをもっと強化していきたいということで、急遽とりまとめたものでございます。これまでの日商協の活動の結果と評価していただきたいと思うのですが、コンプライアンス体制の向上がみられるということで、国内商品先物取引に関しては苦情・相談件数がかなり大幅に減少してきている。平成14年度がピークでありますが、平成15年も5,000件をちょっと超えるくらいの高い水準でした。平成14~15年の苦情・相談件数を基準にしますと、平成19年度の894件というのが5分の1ないし6分の1ということでございます。

    ということで、今後、対応を強化していきたいわけですが、とりわけ前回、主務省からお示しになったとりまとめの案によりますと、法律の中に不招請勧誘の禁止についての枠組みを取り入れる。具体的な適用対象は制令で指定するという方向が打ち出されておりまして、これは前回、私もちょっと触れさせていただきましたが、大変大きな意味をもつ制度改正だと受けとめております。差し当たり、国内商品先物取引については推移を見守るということで、政令の指定対象にはしないという一応の見通しをもっているわけでありまして、それはそれで結構だと思うのですが、禁止の枠組みが法律に書かれて、政令指定によって、将来、具体的に指定の可能性があるということのもつ意味を、日商協はもちろんのことですけれども、会員の取引員に呼びかけて、十分そこを受けとめていく必要があろうと思っております。いつ何時、トラブルの推移、あるいは会員取引員の対応いかん、あるいは日商協の対応いかんによっては、不招請勧誘禁止の対象になる現実の可能性が出てくるという意味で、大変重い意味をもつと受けとめております。そういう意味もありまして、今後一層、委託者保護に力を入れてまいりたい。

    具体的には、先ほど申し上げたこれまでのコンプライアンスのアクションプログラムと、会員役職員に対する特別指導プログラムをいわばドッキングしまして、さらにその内容を強化していくという構想であります。商品先物取引委託者保護総合プログラムというものを策定して、もろもろの措置を考えていきたい。もちろんこれは、日商協の内部におきましては、自主規制委員会とか理事会の議を経る必要がありますので、そういう内的な手続はこれからのことでございますが、こういう方向で考えてまいりたいとご理解いただきたいと思うわけであります。

    まず(1)でありますが、前回、津谷委員から判決についての対応のご指摘、ご意見がございました。一般的に判決というだけでは、一審判決、二審判決、それぞれありますし、まだ未確定の段階もありますし、内容もさまざまでありますから、判決が出たというだけで、それを理由に何らかの対応をとるということは、必ずしも適切ではないのではないか。ただ、判決が確定したということになりますと、それによって紛争は解決されるわけでありますけれども、やはり違法行為の確認がされた上での判決でありますから、社会的な信用に及ぼす影響が大きいであろうということで、それを大きな1つの理由、きっかけにして、これを取り上げて、会員に対する措置をとる必要がある。しかし、確定判決といえども、内容を吟味しなければならないということは当然であろうかと思います。内容に応じて、会員の指導、勧告、さらには公表を考える必要があろうかと。次の段階で勧告、公表まで行って、さらに次の段階では、ものによって制裁の対象にするという仕組みをつくってまいりたいと思います。

    次の(2)でありますが、商品取引事故と申しましても、確定判決で解決されるものばかりではありませんで、もちろん従来もやっておりましたように、日商協にあっせん・調停の申し立てがあって、そこで違法性が確認されるというような事例もございますし、前回の改正で損失補てん禁止が導入された関係で、あらゆる解決事案が大臣確認、あるいは大臣報告、あるいは日商協への報告ということで、すべての解決事案が日商協を通過することになります。そういうルートで、日商協が把握した商品取引事故等の内容をそれぞれ調査の上で、これも内容に応じて、会員に対しての指導、勧告、公表、最終的には制裁の対象とする道をきっちりとつけていきたいということであります。

    それから、会員役職員に対してどういう措置をとるかということになりますと、現在の会員役職員等に対する特別指導等プログラムに盛り込まれております特別指導を引き続き推進していくということであります。

    それから、トラブル未然防止のための情報開示の拡充ということで、これも新しい取り組みを含みますが、まず苦情・紛争レポートを公表する。これは従来、3年ほど前から行っていることをもちろん続けてまいりたい。

    それから、イのところで、日商協が受け付けました苦情紛争案件を会員別に集計して公表する。これも、従来は会員に対しては個々の結果を周知してきたわけでありますが、公表していく。具体的に社名まで入れたものを、苦情・紛争の件数を発表していくということを考えております。

    ウのところで、会員のホームページで、顧客が取引に当たって注意すべき事項、これは実は受託契約の締結の前に、顧客にもろもろのリスクの説明などをしていく際に、日商協で編さん、作成しております委託のガイドというものがありまして、それを必ず説明、交付しなければいけない。こういう冊子でございますが、この中に、取引に当たって注意してくださいということを丁寧に説明してございます。ホームページにもそれを載せるように会員に勧めてまいりたい。それから、振興協会からも前回、取り組み姿勢ということでご披露がありましたが、会員の相談窓口等、日商協の相談センターの連絡先をそれぞれの会員取引員のホームページに掲載することを義務づけているということでございます。

    これが新しい取り組みを含めての内容でございますが、現在のあっせん・調停の仕組みをさらに充実していくことを検討してまいりたいということがございます。日商協のあっせん・調停制度について、まず解決の迅速化ということを考えてまいりたい。今、件数が減ってきたと申しましても、日商協に申し立てがありまして、あっせんの期日を開始するまでに平均すると4ヵ月ぐらいかかっているわけです。これをもっと早くとりかかれるような体制を考えていきたいということでございます。これが1つ。

    それから、裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律、いわゆるADR法というのが出ておりまして、ここに法務大臣の認証のあるADR機関について、もろもろの手続的な、あるいは解決の結果に対しての効力を強めるようないろいろな手当てがされておりまして、日商協につきましても、認証の取得ができる方向で検討、取り組んでまいりたいということでありまして、全体として日商協のあっせん・調停制度はもっと信頼性が高まるようにという取り組みを考えてまいりたいということでございます。

    長時間ありがとうございました。

  • 尾崎分科会長

    ありがとうございました。ただいまのご説明を踏まえまして、ご質問、ご意見等がございましたらご自由にご発言いただきたいと存じます。なお、議事を円滑に進めるために、挙手の上、ご発言いただきたいと存じます。唯根委員、どうぞ。

  • 唯根委員

    日本商品先物取引協会さんの紛争処理の取り組みについては評価させていただいているのですが、2ページの先ほどのご報告の解決に関しまして、私ども消費者相談の窓口にいらした被害者の方といってしまうのですが、ご紹介するケースがあるのですが、戻ってきてしまう。要はお話が通じなかったというようなことで、あきらめてしまわれる方、先ほどのご報告の中で、解決率があっせん・調停のほうでも3割弱の方が未解決というか、取り下げる方もいらっしゃるというお話もございまして、専門家の方々を擁していらっしゃるようなのですが、人選とおっしゃられた部分、消費者が使いにくい、専門用語ですとか仕組みや何かがわからないままに巻き込まれて、私どもが入ったときでも、やはりどうしてもわからない。協会さんにお尋ねするケースが非常にございますので、そういった部分での人選ですとか取り組みについても幅広い。弁護士さんに関しましても、やはり消費者問題に明るい方でないと、酌み取っていただけないようなところ、不招請勧誘禁止が入りますと、さらに勧誘時の問題ということでは、実態をよくご理解いただけている方の人選をお願いしたい。

    最後のADRに関しまして、検討されると。ここは確認なのですが、認証をおとりいただけると理解してよろしいのでしょうか。先ほどちょっとおっしゃられたように、認証をとっていただけていないと、時効の中断等の問題もございますので、ご紹介制というか、ご利用いただくのがいいのかどうかというところ、非常に選択肢が違ってくると思いますので、ぜひここは認証をとって、努めるというようにご発言になられておりますので、ここは認証をとっていただけると理解してよろしいでしょうか。

  • 荒井委員

    後のほうのご指摘ですけれども、実は正直なところを申し上げますと、ADR法ができましたときに、日商協が認証をとるかどうかという検討を早速考えてきたというわけではありませんで、現時点でのいろいろな状況を考えますと、とる方向で取り組んでいく必要があるだろうという考えでございます。これはどういう要件が必要であるかということが十分まだ検討ができておりません。したがって、とる方向で考えてまいりたいということで、法律上のADR法で求められるいろいろな要件がございます。今の日商協のあっせん・調停の手続だけで認証を得るだけの要件が備わっているかどうか、そういう検討がまず必要だろうと思いますので、今ここでとれるかどうかという結論は、むしろ法務省が最後はお考えになることでありますから、とれる方向でいろいろ整備が必要なら整備に力を入れていきたいということでございます。

    最初のほうのご指摘でありますけれども、消費者問題についての理解がある人が望ましいと。これは確かにそういう面もございますけれども、冒頭で私がご説明申し上げたのは、逆にあっせん・調停において、委託者保護に十分配慮された仕組みである。ここが大事なところであります。あっせん・調停の担当する委員は、消費者専門家ということになりますと、逆に相手方のほうが必ずしも協力する気に十分なってこない。これはADR機関、あるいは裁判外の手続であることでありますけれども、例えば労働委員会などもそうです。公益委員というのは、労働専門家はむしろ外すといような面がございます。そのかわり、労働委員会でいえば、労働側、使用者側のそれぞれの委員を別に配置して、その意見が反映されるようにと。日商協のあっせん・調停委員で申しますと、むしろ委員になってもらうときに、双方の意見を十分聞いてもらう素質なり資質なり経験があるか、それから、消費者問題について十分な理解、勉強をするだけの下地があるかという観点。引き受けていただくということになりますと、研修というわけではありませんけれども、日商協の事務局からあらゆる資料を提供して、日商協の仕組みがどうであるか、委託者保護のためにどういう仕組みになっていて、どういう事件が来るのかというようなこと、それから勉強していただくということに十分注意しております。唯根委員からご指摘いただいたことは、これからの人選に当たっても十分考えてまいりたいと思います。

  • 尾崎分科会長

    よろしゅうございましょうか。ほかにどなたかございますでしょうか。津谷委員。

  • 津谷委員

    いろいろ公表していただきましてありがとうございました。

    まず3ページの国民生活センターのデータで、ピーク時から6分の1という言い方で、日商協独自では苦情・相談等を受け付けているわけですから、日商協のデータではどうなるかということをまず聞きたいと思います。6分の1になっていますかということ。

    それから、質問でいうと、この中に不招請勧誘の禁止云々がということが出ていますけれども、今後、国内公設の場合、海外の場合、この辺は、日商協として不招請勧誘禁止を自主規制としてやっていくつもりはあるのかどうか、そういった心構えがあるかどうか、気概があるかどうかということ。質問はこの2点。

    それから、意見といいますか、それにも当たるかと思いますが、今後の件について、確定判決に基づいて確定された事案はということについて公表して、さらにその後、制裁ということを書かれているのですが、制裁についてでは、今もって白を証明できなかったものは黒とみなすというのが制裁規定として日商協はあるはずなのです。裁判で確定判決というのは、法廷で一生懸命、まさに白を立証しようとしてだめだったという結論が出ているにもかかわらず、さらにまた白を証明させるというのは、随分回りくどいというか、随分丁寧な話だなという感じがするわけです。だから、このようなことでなくて、確定してしまったのなら、それを尊重するというようにできないものかということで、白を証明できない場合は黒だということとの整合性というか、そういったものを感じないのであります。

    それから、あっせん・調停の部分については、それを行う調停委員のあり方、選任のされ方、公正ということで、それはそれとしてわかるのですけれども、やはりもう少し委託者側に立ったといいますか、立場のわかる人も入れるべきではないかという感じがいたします。

    それから、日商協は委託者保護のための自主規制機関だと考えております。にもかかわらず、理事の構成をみますと、委託者側の理事というのはどのぐらいいるのだろうと。各種委員会がありますけれども、それはみんな商品取引員の人たちが委員長その他、理事とか、たくさんいる。私は、理事とか主要な委員会については、委託者側の委員、理事を入れるべきではないかと考えております。今後、検討していただきたいと考えます。

    以上です。

  • 荒井委員

    何点かございましたが、3ページのトラブルの苦情・相談件数の推移でございますが、日商協の受理した苦情、あっせん・調停の件数がどうだったのか、前にご説明できたかどうか、ちょっと自信がないのですけれども、苦情件数で申しますと、昨年の2007年が197件、1999年が503件ということで、半分以下であることは間違いないと思います。苦情とあっせんに直接持ち込まれたものの数をみますと、1999年は515件、2007年が286件ということで、大体半減。ご指摘のように、5分の1とか6分の1というように減っているわけではございません。しかし、ある程度の減少傾向はみていただけるかなということでございます。

    それから、確定判決で認定されているのに何でまた改めて日商協で調査をするのかということですが、いわば違法行為の存在そのものは判決が出ていれば、あえてそれをまた改めて白か黒かということをいう必要はそんなにないと思います。それはご指摘のとおりであります。ただ、違法行為も内容がそれぞれにまちまちでありますし、判決の中で、例えば過失相殺がどの程度に評価されているか、これは制裁対象にする場合に審査、調査していかなければならないということで、やはり個別性ということは考えていただかないと、確定判決が出たから即ということは必ずしも適切な対応といえないのではないかと私は考えております。

    それから、委託者に理解のあるあっせん・調停委員をというご指摘、これは今後とも十分、人選、あるいはあっせん・調停委員の勉強のしていただき方について配慮していく必要があると思います。

    不招請勧誘の点でございますが、これは私が一存で自主規制として海外先物についてどうだとかいうことをいえる立場ではありません。私の委員としてのこれまでのいろいろな経験を含めての意見から申し上げると、海外先物については参入規制プラス行為規制がかぶってくるということでありますから、即、不招請勧誘禁止の対象にすることが適当とは思わないという考えでございまして、ご意見はご意見として、日商協の組織としては念頭に置きながら検討はしてまいりたいと思います。

    それから、もろもろの委員会、理事会その他で、委託者側のことが十分わかる人をもっと入れるべきだというご指摘でございますが、現在でも理事会、自主規制委員会、規律委員会は、過半数がいわゆる会員外の委員、あるいは理事となっております。純粋に委託者保護、あるいは消費者サイドの仕事をしていらっしゃる方も配慮はいただいておりますが、やはり広くということになりますと、会員業者以外の方が過半数を占めるということで、委託者保護についても十分配慮のある会議の運営ができているのではないかと思っております。

  • 尾崎分科会長

    どうもありがとうございました。ほかにいろいろとご議論があろうかと思いますが、きょう初めてADRの問題が出てきたかと思います。後ほど報告書(案)の中にもADRの問題が少し出てくるかと思うわけなのですが、この点に関しましては、後に報告書のところで詳しくご説明いたしますけれども、ADR促進法に絡む部分で何かご意見があれば、今の段階で少し。この部分については、今、日商協から認証を受ける方向でこれから検討していくと。これはいろいろとさまざまな要件があるということで、その検討がなされていないわけですので、この段階で認証を取得するとか、こういった問題はなかなか言明できないのかもしれませんが、その方向で、これは認証者としては法務大臣が当たっているわけでございまして、それについてはいろいろな手続があろうかと思いますけれども、その点、後でまたご説明いたしますが、何かご意見があれば今の段階で。特にございませんでしょうか。、それでは、日商協からのご説明とご質問等についてはこれで終わらせていただきたいと思います。

    それでは、本来の議題でありますところの分科会の報告書(案)についてご議論いただきたいと思います。まず事務局より、資料4、産業構造審議会商品取引所分科会報告書(案)についてご説明いただき、その後、ご意見をいただきたいという段取りでいきたいと思います。それでは、小山課長、よろしくお願い申し上げます。

  • 小山商務課長

    それでは、手元の資料に基づきまして報告書(案)を説明させていただきます。基本的には前回ご説明申し上げました骨子(案)の内容をより拡大したということで、それに沿った内容となっております。

    1枚めくっていただきまして、目次であります。「はじめに」等々、前回と同じ構成でございます。

    2ページ目が「はじめに」ということで、この審議会に至るまでの経緯等も含め説明をしております。ポイントだけ申し上げますと、今、日本の商品市場というのは大きな転換点にあるということであります。商品価格が大きく動く中で、経済競争力の強化を図る上で重要な点というのは、価格変動リスクへの適切な対応である。一方、それを担う商品取引所の出来高は低迷しており、国際競争力強化が喫緊の課題である。我が国にふさわしい商品先物市場の構築が求められている状況にある。一方で、海外先物、店頭先物取引に関するトラブルは急増ということで、早急な対応が必要ということであります。

    これらの件につきまして、本分科会、各種研究会で今までいろいろとりまとめを行って、それに対して一定の対応をさせていただいておりますが、このような取り組みを超えて、さらなる制度的対応が求められているということであります。

    このような認識のもと、この3月に大臣からの諮問がなされまして、審議を行い、とりまとめを行ったということで、この報告書のとりまとめの経緯及びその位置づけを説明しております。

    3ページからポイントだけ申し上げます。まず商品先物市場をめぐる環境であります。商品先物市場は現物市場と表裏一体の関係にあるということで、資源等の価格、生産・流通というのは、広く国民経済に深い影響を与えつつあるということで、具体的に3つの内容を書いてございます。

    第1に、商品先物市場のグローバル化、ボーダレス化と金融的要因の拡大ということで、ITの発展等によって、取引所内のみで独占的に商品先物取引が行われてきたという構造が大きく変化してきている。店頭商品先物市場が急速に発展している。さらには、伝統的な参加者構造が変化しつつある状況にあるということであります。

    第2番目としまして、資源等の需給構造の変化及び商品価格変動率の増大です。今後、資源等への需要の増大が予想される中で、供給構造の変化は追いついていない等々の理由もありまして、価格変動率が非常に大きくなっているということにつきまして、WTIの原油価格及びCBOTの大豆価格を例として載せてございます。

    第3に、世界的な取引所間競争の激化と国内取引所の流動性の低下であります。ご存じのように、海外へ非常に出来高が伸びておりますし、国境を越えた合従連衡も活発に行われている。一方で、我が国取引所については、総じて流動性が低下しているし、金融機関等の参加も十分ではないという状況にあります。

    このような中で、求められる課題につきましてまとめてあります。まず、商品先物市場の機能を前提として書いてあります。商品先物市場の4つの機能ということで、価格形成、ヘッジ、資産運用、その他現物受け渡し・在庫調整機能ということを改めて書いております。このような機能が有効に活用されることによって、経済の安定的発展が可能であるということでありますし、このような先物市場が存在しなければ、合理的な価格形成が行われにくい。特に我が国にとっては重要なことではないか。また、事業者にとっては、価格を適切にヘッジすることができず、不透明な事業展開を強いられる。さらには、現物受け渡し機能があるということで、事業活動の上でもこれは重要な機能であるということであります。

    5ページにまいります。そのような市場が我が国にある必要性を改めて書いております。2行目でありますが、我が国に所在し、活発な取引が行われることが重要であるということで、これは経済活動における時差、通貨単位、現物受け渡し等々の便宜がある。そして、我が国経済の動向を反映した価格形成が行われるということが、国際競争上も有利な経済活動につながることが期待されるという点であります。

    今後、解決しなければならない課題ということで、制度面を含めおおむね次の3つということに集約させていただきました。キーワード的でありますが、使いやすい市場、透明性を向上させること、トラブルがない商品先物市場の実現ということであります。

    次のパラグラフは、現在の法律体系について概要を説明してございます。商品取引所と海外先物で二分される構造にあること及び、その下の段落でありますが、店頭先物市場の大部分は法の対象に入っていない。海外と国内との連関も視野に十分に入っていない等々であります。

    そういう中で、3つの課題の1番目でありますが、事業者にとって使いやすい市場を構築することである。先ほど申し上げましたように、商品先物市場のヘッジ機能が重要な役割を果たしている。かつてに比べ、いろいろな商慣行及び各競争環境の変化ということもありまして、次のページにございますが、ヘッジをしない安定的な事業活動は困難な状況になっている。現に石油製品についても、卸値を市況に連動させる事業形態が拡大しているということを述べております。

    ただ、このような機能を果たしていただくべき取引所の出来高は過去4年間で半減している。そういう意味では、我が国の商品先物市場が現状では十分に事業者の期待にこたえるに至っていないのではないかと判断されます。さらに、そのような防御的な考え方だけではなくて、我が国企業がリスクに果敢に挑戦するということが難しくなってしまい、結果として経済全体の停滞にもつながりかねないという指摘もございました。

    そういう意味で、何よりも利便性の高い商品先物を実現することが求められているということであります。こういうことが事業者の経営の安定、さらには競争力の強化に寄与するということが期待されております。また一方で、流動性を供給していただく方にとっても、円滑な資産運用を行い得るための環境整備も重要である。

    このように、中核となっていただくべき参加者がみずからの判断で積極的に利用できるプロ市場化の実現ということで、流動性の上昇、さらには円滑な機能の発揮が強く期待されているという状況にあります。

    2番目の課題が、透明な商品先物市場の構築であります。ご存じのように、資源等の先物価格は現物の取引価格に非常に大きな影響を与えております。これが大きく変動する場合には、実体経済の攪乱要因ともなり得るということであります。

    今までのこのような金融商品市場との違いに着目して、取引所では、ここに書いてありますような建て玉制限、値幅制限等の市場管理が行われてきたということでありますし、そのための不公正取引の監視も行われておりますが、他方で、店頭商品先物取引についても、その機能が拡大したということもあり、価格形成への一定程度の影響を持ち得る状況になっております。このような状況の中で、ことし7月の洞爺湖サミットでも、商品先物市場の透明性の向上について合意がなされたというところでありますが、我が国も現在の制度では、店頭、海外市場を十分に視野に置いていないということも留意しながら、対応に万全を期す必要があるということであります。

    課題3として、トラブルのない商品先物市場の構築ということであります。かつて我が国市場は、個人が不当な勧誘により非自発的に取引に参加して多額の損失をこうむる事例も多く存在していたということでありますが、今ご説明がありましたように、関係者の皆様のご努力によって、国民生活センター等に寄せられる苦情・相談件数は5年で約8割減少ということで、一定の改善が見られる。ただ、規制が弱い部分、海外商品先物取引、店頭商品先物取引については、苦情・相談件数が急増しているという実態があります。次のページにまいりますが、中小企業と金融機関との間の店頭取引についてもトラブル事例は存在しております。

    個人が利用することにつきましては、一定の効果があるということで、自発的な利用は否定されるべきではないというものの、利用したトラブルは撲滅する必要があると考えております。制度面も含め一層の対応が求められる。

    そういう中で、今後の基本的方向性であります。このような課題につきましては、関係者の皆さんの間で一定の取り組みが行われております。使いやすい市場のためには、工業品、農産品、それぞれの研究会が行われ、取り組みも進んでいるということであります。また、振興協会におかれましても、研究会の開催などで当業者の利用促進のための検討の課題に着手されていらっしゃいます。

    次に、透明な商品先物市場を構築するという観点から、ここに書いてありますような組織的な対応及び海外との連携、協定の締結も視野に入れた対応が行われております。

    次に、トラブルのない商品先物市場の実現のためには、消費者、弁護士等の団体の皆さんの取り組みが行われておりますし、日商協、さらには振興協会においても、各種の取り組みが行われております。その結果として、苦情・相談件数の減少については前述したとおりであります。

    このようなさまざまな取り組みがなされておりますけれども、必ずしも十分な対応を行うことができないところもありますので、制度自体の改善に取り組む必要があるものと考えられる。まず世界的な潮流に合わせ、国内、海外、店頭商品先物取引を横断的に継ぎ目なく規制する法体系を構築することが欠かせないということであります。

    具体的内容見直し項目として、それぞれの3つの柱に沿って説明をさせていただきます。

    まず、使い安い商品先物市場の実現ということでありますが、店頭商品先物取引に関する規制の整備であります。現行法上の基本的な考え方は、取引は商品取引所にのみ集中させるというような考え方に基づきまして、店頭商品先物取引については消極的な姿勢がとられている。一部類型を除けば、法律上の位置づけも不明確であるということであります。

    次に、近年の事情の変化でありますが、事業者のヘッジのニーズに対応するためには、オーダーメイドな店頭商品先物取引というものがより適合した取引を行い得る可能性があるということで、実際にも幾つか使われている。また、FX取引に類似した一般投資家向けの差金授受取引というものがあり、これについては適正な規制が確保されればという前提ではありますが、資産運用の観点から一定の意義を有し得るということは否定できないかと考えております。これらは店頭先物取引であります。

    次の3行は海外先物でありますが、海外先物取引は、品ぞろえが豊富なこと等によりまして、リスク管理上の意義は大きいということであります。実際にポジションをもつ例も増加しております。

    基本的な考え方としましては、次の3行にまとめてありますが、店頭商品先物取引、海外商品先物取引はそれぞれ適正な規制のもとでは一定の経済的意義をもつと評価することが可能だということでありますし、店頭商品先物取引のカバー取引が取引所で行われるということになれば、取引所取引と相互補完関係になり得る側面があるということであります。したがいまして、店頭商品先物取引、海外商品先物取引を商品取引所法において適正に位置づけ、横断的な規制体系を整備することが適切であると考えられます。

    ただし、価格形成のあり方につきましては、店頭商品先物取引では商品価格の形成が行われないような制度設計をすることが適切である。

    農産品につきましては、一般的に価格弾力性が低い等の理由がありまして、慎重な扱いが必要となる場合があり得るということであります。

    規制の枠組みは、繰り返しでありますが、事業者、一般投資家が安心して店頭及び海外先物取引ができるための環境整備が適切である。

    次に2番目のポイントでありますプロ・アマ規制につきましては、一定のプロにつきましては過剰な行為規制を緩和し、アマについては十全な委託者保護を行うということで、規制の柔構造化を行うことが望ましい。これは詳しく後ほど3.のところで説明をさせていただきます。

    12ページにまいります。証拠金制度の柔軟化につきましては、取引所を利用する事業者の負担を軽減するということから、現金、有価証券のみならず、銀行保証での代用を認めることが適当である。

    次に商品先物取引仲介業、いわゆるIBでございますが、現在、商品取引の事業者数、外務員数が減少する傾向にある中で、ヘッジ等を行うことを意図する事業者等が商品先物市場を利用できない可能性が生じているという中で、アクセスを容易化するという観点から、商品先物取引仲介業を導入することが適切である。具体的にはということで、幾つかの条件が書いてあります。まず商品取引員からの委託を受けること、媒介行為のみを行うこと、そして、ふさわしい資質を有する者を確保するということで参入規制(登録制)を設けまして、これに次の条件であります商品取引員と同様の行為規制を課す。さらに、委託した商品取引員と連帯した民事責任を負わせる等の万全の措置が必要である。

    次に取引所関係であります。取引所の兼業規制の緩和、現行につきましては、非常に限定的にしか認められておりません兼業規制につきまして、海外、諸外国でも取引所の経営基盤の強化、サービスの提供という意味でも一定の貢献があるということでありますので、3番目の段落でありますが、我が国取引所の経営基盤の強化、利用者の利便性を向上する観点から、支障がないことが確保されることを前提として、関連する業務の兼業を認めることが適当である。子会社についても同様であるということであります。

    次に、取引所に対する主要株主規制であります。現行法は、11月12日に説明いたしましたように、5%超の保有は禁じられております。一方で、下にまいりますが、世界的に競争が激化する中、経営の効率化、提携を可能とする観点からの法整備を行う必要があるということで、公共性・中立性を確保することを前提に、また、他の法制の例を参考としながら、保有規制を緩和し、主要株主に対する規制を整備することが適当である。その際、国境を越えた合従連衡にも適切に対応することが望ましいということであります。

    次に、金融商品取引所との相互乗り入れにつきまして、これは昨年12月の中間整理にもまとめたことでありますけれども、経営基盤の強化に資する可能性があり、また、流動性供給者の方にとって、一定の利便性が想定されると評価することができるということで、商品取引所に対して、子会社方式、グループ会社方式など多様な形態による相互乗り入れを認めることが適切である。また、2つの法律がありますが、この2つの法律について一定の監督が及ぶことが必要であるが、監督関係につきましては簡素化されることが望ましいということであります。

    また、相互乗り入れを行う場合、取引の清算機関についても相互乗り入れを認めることが、取引参加者の利便性の向上に資するのではないかという指摘があります。既に現行法上では、これは禁止されてはおりません。清算機関の業務範囲につきましては、各種の議論のほか、一般論としてさまざまなクリアリング機関が多様な業務について相互に切磋琢磨することが、顧客の利便性向上の観点から望ましいと考えられる。

    なお、相互乗り入れにつきましては、世界的に強い競争力を有する企業・企業グループが必ずしも相互乗り入れを行っているわけではない。当然している場合もございますが。そういう意味では、次のページにまいりますが、相互乗り入れということについてはシナジー効果が期待できないという一面もあると考えられます。したがいまして、相互乗り入れにつきましては、それ自体は否定されるべきものではありませんが、ただ、競争力の強化はそれのみによって実現できるものではなく、あわせて商品設計の優位性、公正性の確保等によって、事業者にとっての利便性、信頼性の向上をあわせて行うことが前提となるということに留意する必要があると考えております。

    次に、取引所の品ぞろえの多様化であります。温室効果ガス等につきましても、事業者の価格変動リスクの一部になっております。そのようなヘッジの場を整備するということが、事業者の競争力向上にも寄与し、また、取引所自身の競争力の向上にも重要な意義を有するものと考えられます。そこにつきまして、現在は上場商品は農産品、鉱物等の一次産品に基本的には限られておりますけれども、各種の考慮する要因がございますが、他国の実情、法制等も踏まえながら、兼業業務としての上場を含め、取引所が上場できるための制度整備を進めることが適切である。

    なお、取引所の上場商品の範囲拡充についてもさまざまな検討、工夫が可能であると考えております。

    その他取引所に対する諸規制の合理化につきましては、制度整備につきまして、取引所の競争力強化等々の観点から、次のページにありますように、定款記載事項を変更する、一部につきまして業務規程を変更することが適切である。業務規程につきましても、軽微な変更につきましては主務大臣の認可を要しないとすることが適切であるということであります。

    取引参加者資格・会員資格の法定制度についても、現在の法律は30条で規定されておりますが、これを廃止する。事後的な規程の認可で対応することが適当である。

    次に試験上場制度につきましても、これは要望、議論がございましたので、3行目にまいりますが、取引所による積極的な商品の上場を図る観点から、既存の商品市場においても、範囲変更による試験上場を可能とすることについて、商品取引所における市場概念との整合性を確保しつつ、検討を行うことが適当である。

    なお、その他上場制度につきまして、上場手続の簡素化についての必要性を指摘するご意見がありましたが、これにつきましては、ヘッジニーズの有無、国の政策との整合性について審査することが必要であるとの考えもあるため、今後、継続的に検討していきたいと考えております。

    次に、1-(10)であります。一任口座、いわゆるラップ口座であります。これは一般の委託者が資産運用のプロに資金の運用を一任して、運用残高に応じて手数料を支払うという口座につきまして、これを認めるべきだというご指摘もありました。ただ一方で、ニーズが明らかになっていない、不当な一任売買による被害増加に対する懸念を表明するというようなご指摘もありましたので、本分科会におきましては、顧客一般に対するラップ口座については今後の検討課題ということとしたいと思っております。

    ただ、なおと書いてありますが、投資顧問業、取引員の両方の許可を得た者が、十分な知識、経験、財産を有する一定の顧客のみから一任を受けることにつきましては、一定の需要が想定されること、弊害は少ないと考えられることから、一定の弊害防止策を前提として認める方向で必要な法整備を行うことが適当であるということであります。

    次に、2番目の柱であります透明な商品先物市場の実現につきまして、店頭商品先物市場につきまして、これは実態把握が必要だということであります。17ページの下の行に書いてございますが、一般委託者を相手方として行われる店頭商品先物取引につきましては、委託者保護の観点から、仲介業務と同様に許可制を導入する必要がある。一方、一定の大規模事業者を相手とする場合には、原則として必要性が乏しいということから、許可は不要とすることが適当である。ただ他方、取引所の価格形成に対して一定の影響力を持ち得るということもあり得ますので、実態を把握する必要のために、届け出を求め、必要最低限の実態把握のための枠組みを整備することが適切である。

    次に、幅広い相場操縦行為に対する規制の整備であります。現在の商品取引所は、あくまで取引所内において実行行為が完結する行為を対象としているということでありますが、グローバル化、ボーダレス化に伴いまして、多様な相場操縦行為が登場しているということを含めまして、幅広い相場操縦行為に対する規定を整備することが適切である。その際、犯則調査権、課徴金制度につきましては、必要性を指摘するご意見もありましたけれども、今後の検討課題とすることが適切であるということで、19ページにその理由として、それぞれにつきまして現行法上の状況及び、課徴金につきましては、原則として刑事罰で対応すべきである、また、近年の裁判例が存在しない等々の状況を踏まえまして、先ほどのような結論案にさせていただいております。

    次に、海外当局との情報交換手続につきましては、相互主義等々の原則からも、海外当局と連携して相場操縦行為を摘発するというためにも、個別取引情報を初めとする情報収集・交換手続を整備することが適当であるということであります。

    次に20ページ、取引所から当局への報告事項の拡充ということであります。一定の大口建て玉を有するに至った委託者について報告義務がかかっておりますが、3つ目の段落でありますが、今後は透明性を向上させるという観点から、一定数量を保有するに至った後の経過についても日々の報告対象とするなど、より詳細な報告を求めることが適当であるということであります。真ん中の段落に欧米の例として、その概要を説明してございます。

    次に、緊急時の市場管理規定の整備につきましては、現行商品取引所法では、主務大臣は、取引の参加者に対して、取引または受託の制限ができるという規定のみになっておりますが、最近の動向にかんがみまして、一番下の2行にまいりますが、相場の異常な過熱時などの緊急時において、取引所がみずから適切な市場管理策を行わないまたは行えない場合には、主務大臣が商品取引所や商品取引清算機関に対して、多様な措置を命ずる権限を整備することが適当である。

    次に、取引所による自主規制業務の実施であります。これにつきましては、現在の法律は第三者機関として市場取引監視委員会が法定されております。透明性の向上の必要性の一層の拡大、その自主性ということから、自主規制業務を恒常的に行うということで、金商法ではここに書いてありますような内容の制度整備が行われているところでありますが、商品取引所に対しましても、不公正取引に対する対応など一定の自主規制業務の実施を義務づけるということと、その具体的な方法として、例えばということで、社外取締役から構成される自主規制委員会を株式会社商品取引所の意思決定機関として設けるというような制度整備を行うことが適当であるということであります。

    なお、金商法にございますような自主規制業務を外部に委託するための制度の用意というものにつきましては、その違いが幾つか書いてございますが、その必要性はないものと考えております。

    3つ目の柱であります。トラブルのない商品先物市場の実現につきまして、まず海外先物取引につきまして記載しております。22ページにまいりますが、現行法上については、取引につきましては海先法で規制しておりますが、取引類型は、いわゆる現物先物取引のみが対象とされております。また、店頭先物につきましても、法の対象として、ごく一部を除けばなっておりません。

    近年の事情変化につきましては、ロコ・ロンドンまがい取引等について苦情・相談が急増している。これらは参入規制及び行為規制の不十分さが原因ではないかと考えておりますので、基本的考えとしましては、海外商品先物取引、店頭商品先物取引に対する参入規制を導入し、現行商品取引所法並みに行為規制を強化することが適切である。

    規制対象につきましては、継ぎ目のない規制の実現ということから、現在の現物だけではなく、ここに書いてあります現金決済、商品指数先物取引、オプション取引を含む海外商品先物取引全般、さらには店頭商品先物取引全般とすることが適切である。これにあわせまして、市場の政令指定制度は廃止する。

    23ページであります。その他の法形式につきましては、ビジネス実態等々の観点から、海先法を商品取引所法に一体化して、単一の業として、国内、海外、店頭商品先物取引の受託を横断的にできるものとすることが適当であるということであります。国内の先物取引の受託のみを行う事業者につきましては、新たな負担を求めることは適当ではない。他方、海先、店頭を行う業者につきましては、その範囲に応じた適切な体制を整備することが必要である。

    さらに、商品取引所法と海先法の一本化に当たっての整理であります。幾つか法的な違いがありますので、まとめて説明をしております。

    まず海先法独自の行為規制であります。熟慮期間規定、成立価格の推定規定につきましては、新たな参入規制、さらには適合性原則、商品取引所並びの行為規制も適用するということでありますので、そのままの形で行為規制に追加する必要はないものと整理することが適切である。

    営業目的取引、これは現在、適用除外となっておりますが、委託者が零細事業者である場合は、個人と保護の必要性が変わらないということで、一律の適用除外は行わず、プロ・アマ規制で対応する。

    業の規制行為につきましても、広く取り次ぎだけではなくて、代理、媒介も対象とする。

    自主規制業務の扱いにつきましては、受託を横断的にできるというように整理するということで、商品先物取引協会が自主規制機関としての業務を行うものとする。

    業務停止命令期間については、上限は6ヵ月とする。

    次に、規制の柔構造化ということで、プロ・アマ規制であります。基本的な考え方につきましては、次のページ、25ページにまいりますが、繰り返しになりますが、知識、経験、財産を有すると見られるプロについては、過剰となっている行為規制を緩和する一方、アマにつきましては、十全な委託者保護ということで、規制の柔構造化を図るべきだと。

    金商法でもプロ・アマ規制が既に入っております。資産運用という観点から考察すれば、2つの間に異なる規制とするべき理由は乏しいということで、金融商品取引法のプロ・アマの制度設計と可能な限りにおいて共通した設計とすることが適切である。ただし、当業者という概念につきましては、別途の考慮を行う必要があるということであります。

    プロ・アマの区分につきましては、(2)にもありますけれども、金融商品取引法では4区分が行われておりますが、商品取引所法でも同様の区分を採用することが適切である。ただし、当業者につきまして、これは金商法には存在しない概念でありますが、商品に関するリスク特性について事業を通じて把握していると考えることを踏まえて、一定規模以上の当業者はプロとして取り扱うことが適当である。

    次に、プロ・アマ間の移行制度につきまして、これもアマの場合は知識、経験、財産の状況について業者の確認を受け、また顧客の同意を受けた上でプロに移行することが適切である。

    プロに対して緩和すべき規制の内容は、情報の非対称性に基づくものについては適用を免除する。それ以外の部分については免除しないということが適切であるということであります。

    次に、26ページの3-(3)、不招請勧誘の禁止の規定の導入、これについては非常に長い時間を議論に割いていただきましたので、特に今までの議論についても経緯を書いてございます。一方で、商品先物取引全般について、不招請勧誘を禁止することが必要であるというご意見がありましたが、さらに一方では、被害が急増しているのはロコ・ロンドンまがい取引であって、国内商品先物取引に関する苦情・相談が著しく減少しているとのご意見や、取引の非定型性、商品設計の複雑性等々、取引自体に内在する潜在的な危険性に着目した制度設計を行う必要があるのではないかというご意見もございました。これらの意見を踏まえまして、特に危険性が高く、被害も実際に多数発生しているような取引類型については、不招請勧誘行為自体を禁止することは一定の合理性があるということで、このような類型につきましては政令で指定し、不招請勧誘を禁止することが適当である。

    具体的にはということで、レバレッジ、取引の複雑さなどの商品性、さらにはトラブルの実態を勘案しまして、一般委託者を相手方とする店頭商品先物取引を政令において指定することが適切である。なお、海外先物取引につきましては、今後のトラブルの実態の推移を注視し、継続的に拡大する場合には指定を検討する。国内商品先物取引については、近年、苦情・相談件数が大きく減少しているということから、その推移を見守ることが適切であるということであります。

    次に、委託者保護基金制度の強化であります。現行法上は、商品取引員に対して強制的な調査を行う権限がないということであります。実効性の確保が困難になる可能性がございます。

    一方で、取引員の経営状況が近年悪化しているということで、今後、その支払いが行われる可能性があるということでありますので、商品取引の財産状況を適切に把握することを可能とする規定を整備することが適当である。

    なお、その際、法の対象が広がりますので、ペイオフの対象についても整理を行う必要があるということで、ペイオフ制度の目的にかんがみまして、また海外先物取引等を対象とすることは、基金に過大な負担を課すということになりますので、ペイオフの対象は国内商品先物取引のうち、商品取引員の国内営業所に係る顧客のみとするということで、海外先物、店頭先物に係る顧客及び外国営業所に係る顧客につきましては、ペイオフの対象から除外することは適切である。

    そして最後のページ、28ページでありますが、利用者トラブルへの対応の強化であります。今、商品先物取引協会はトラブルの紛争解決業務を行っておりますし、中でも、先ほどご説明のありました日商協につきましては、その中核的な役割を果たしていただいております。原則として応諾義務を課しているというような状況もあります。

    このような中、信頼性を向上させるという観点から、あっせん・調停業務の一層の強化によって紛争の解決を行うことが必要だということで、ここは今回初めて出てくる論点ですが、Pということで書いております。ADR促進法の認証事業者による客観性が高く、また法的効果も強い、このようなあっせん・調停を実現することが有効である。例えば、商品先物取引協会が同法の認証を受けてあっせん・調停を行ったりとか、他の認証事業者の行う調停について、商品先物取引業者の協力などについて、ここでまた自主規制による多様な措置を講じることが考えられるということで、そのために実際に機能する対応策を検討する必要がある。

    なお、その際、消費者の救済を受け得る環境を整備する観点から、商品先物取引協会やそれ以外のADR機関が個性を生かしながら複線的にADRを行い、相互に競争を通じて切磋琢磨することが適当であると考えられております。

    関係者に求められる役割ということで、この報告書を踏まえた上で、関係者に次のような取り組みを期待したいということで、まず商品取引に対しては、利用者のニーズを組みあげて、適切に対応できるか否かというのが重要であるということで、商品取引員がその専門性を磨き上げ、我が国事業者のヘッジニーズや資産運用等に付加価値の高い貢献を行うことを強く期待したい。

    次に自主規制団体につきましては、現状、各種の事業に取り組んでいただいておりますが、他方、利用者からの苦情・相談のあり方については、実務に即した機動的な対応が図られやすいという特質に着目いたしまして、さらなる強化を求める期待も大きく存在することを踏まえ、一層の取り組みの強化を期待したい。

    取引所につきましては、多様な事業者、投資家のヘッジニーズを満たし、これにこたえる流動性の確保のために、利用者の利便性を向上させることが求められている。これに適切な上場商品の選択が重要であるということであります。既に一定の改革を進めていただいているところでありますが、商品先物市場のプロ市場化に向けて、今後一層の取り組みを期待したい。

    当局につきましては、報告書に記載した各事項について速やかな制度化、さらに制度化以外にも、3つの「使いやすい」「透明な」「トラブルのない」市場の実現にために、関係者への普及啓発、諸制度の改善に一層努力すること。あわせて、引き続き厳格な法執行に努めることを期待したい。その過程では、金融行政との密接な連携が必要となり得るという点についても留意する必要があるということであります。

    上記の関係者のほか、事業者の方々についても、積極的に活用する例は必ずしも多くはないという状況の中で、イメージが悪いという指摘もございましたので、関係者すべての反省が求められるという観点でありますが、産業競争力の強化の観点から理解を深め、商品先物取引の積極的な活用を期待したいと考えております。

    最後に31ページ、「終わりに」ということで、報告書の柱をまとめた上で、関係者それぞれにおける積極的かつスピード感をもった取り組みが不可欠であるということであります。国内商品先物市場の重要性について、次の段落に書いてありますが、情報、人材が我が国に集積しなくなるという危険性から、我が国経済規模にふさわしい競争力ある商品先物市場が不可欠であると考える。そういうものを通じまして、我が国経済全体の活性化、成長に貢献する、真の意味での産業、経済のインフラとしての商品先物市場へと変革できるか否かが試されているという状況にあると考えております。あわせまして、今後とも環境は速い速度で変化するということがありますので、引き続き不断の見直しを行っていくことが重要であるということであります。

    長くなりましたが、以上が報告書の概要でございます。

  • 尾崎分科会長

    どうもありがとうございました。それでは、この資料及び説明を踏まえましてご議論いただきたいと存じます。先ほど出ましたADRについては、こういう形で報告書(案)として取り込んでありますが、それも含めましてさまざまな論点があろうかと思いますので、ご自由にご発言いただきたいと思います。なお、議事を円滑に進めるために、挙手の上、ご発言いただきたいと存じます。では、池尾先生。

  • 池尾委員

    この委員会の多くの方の関心とは違うかもしれませんが、今、説明を聞いていて初めて気がついたのですけれども、事前に説明していただいたときの段階でもこういう記述があったのかどうか、ちょっとわかりませんが、11ページのところです。上のほうの「ただし」から始まるパラグラフですけれども、「商品の価格形成が行われる場については、原則として、引き続き、厳格な市場管理が確保される取引所に限られる必要があり、店頭商品先物取引によって商品の価格形成が行われないような制度設計とすることが適切である」というのは、私にはこれは全く容認しがたいです。こういう議論はこの委員会でやったのでしょうか。私が欠席したときにやられたのでしょうか。価格統制を引き続き続けたいのだという思いが透けて見えますけれども、社会主義国なのかなという感じしかしなくて。少なくとも経済学者として、こういう記述が入っている報告書を承認できないです。

    店頭先物市場における商品の価格形成が、取引所に比べて、ある意味で公正性だとか効率性を欠くような可能性はあり得るかもしれないけれども、できる限り公正かつ効率的な価格形成を促すような制度設計とするというのだったら話はわかりますが、価格形成が行われないような制度設計とは一体何なのだということで、だから、いろいろなことをいっているけれども、結局、商品先物市場を発展させたくないということなのではないかと思わざるを得ないので。冒頭にいいましたように、ここの委員会での議論の大方の関心とはずれて、一人経済学者がこういうところに引っかかるのかもしれませんけれども、私はこれは今申しましたように、厳格な市場管理が店頭の場合は行われていないわけですから、できるだけ公正かつ効率的な価格形成が行われるような制度設計とするというように修文していただきたいと思います。価格形成が行われないなどということはどういうことなのでしょうと。取引をやっていて価格形成が行われないというのは一体何なのだと思います。

  • 尾崎分科会長

    どうぞ、お答えになりますか。

  • 小山商務課長

    書き方については、これからこちらとも考えさせていただきますが、基本的には取引所において公正な価格が形成されることが重要であるということをより強くいいたいということでありまして、やや誤解を生むような表現であれば、先生のご指摘も踏まえた上で考え方を提示させていただきたいと思います。

  • 尾崎分科会長

    私もこれをみまして、価格形成するなというように読めてしまったので、今おっしゃったそのとおりでありまして、つまり店頭と公設市場とのバランスよい併存というのですか、そういうことをいっていたはずなのです。そういう意味での議論をずっと続けていたはずだと思うのです。ですから、これは今おっしゃったように表現が少し強過ぎるというか、誤解を生みそうな状況であります。これは明らかに修文すべきだろうと思います。

    関連しますか。では、渡辺委員。

  • 渡辺委員

    今、池尾さんから店頭取引等の話が出ましたので、それも私の申し上げたいことの1つなので、南學さんより先にさせてもらいます。

    私は3つ申し上げます。1つは具体的な修文要求であります。これは最後までこだわります。2つ目は質問ないしクラリフィケーションの問題です。ここが店頭取引と関連いたします。最後は意見です。

    まず第1の具体的な修文要求ですが、8ページをお開きいただきたいと思います。上のほうです。「商品先物市場を個人が利用することについては」という、ここの文章は非常に悪文だと思います。ですから、ここはこのように直していただきたいのですけれども。もし仮に個人が商品先物市場を利用するということについて言及するならば、「自発的な利用は決して否定されるべきものではない。一方、利用者トラブルは撲滅される必要がある」。そうでなければ、上の2行は不必要であります。なぜこのような文章が出てくるか、極めて不明確で情緒的な接続詞、「ものの」というのは、審議会の報告書の文章に使うべきものではありません。

    その背景には恐らく、これは私の推測でありますけれども、スペキュレーションないしはスペキュレーターに対する認識の欠如、もしくは不足があると思います。先物市場は、これまで議論してきましたけれども、スペキュレーターがいなければ成立はいたしません。当業者のヘッジも機能しません。個人投資家は、過去、現在、将来ともに先物市場の最大の構成員の1つであります。プロかアマかという議論は、個人か組織か、あるいは個人か法人か、個人か機関かといった属性の差異によるものではありません。意識、認識、意欲をもっている者は個人であってもプロであるということは、ここの文章の中にも入っているわけでありますので、このところにつきましては、ぜひ修文をしていただきたい。最後までこだわります。

    余談になりますけれども、ミネアポリスでしたか、シカゴでしたか、たしかメリルリンチの方から聞いたのか、カーギルから聞いたのか、「スペキュレーションは男の甲斐性」というのが国際的な常識であります(笑声)。

    次は池尾先生のご発言と関係いたしますが、ここは質問ないしクラリファイをさせてください。10ページから11ページにかけて、店頭商品先物取引が出ております。そして、取引所取引との関係が出ております。これは当局の見解をお伺いしたいと思います。許可制度のもとで一般的にOTCが解禁されることになりますけれども、現状の認識なのですが、経済産業省所管物資については、現在でも店頭取引は認められておりますし、工業品取引所、中部の取引所におけるラインナップは、相当高いカバー率で上場商品がございます。一方、農産物については、店頭取引が解禁はされておりません。禁止されております。しかも、その受け皿になる農産品の取引所においては、上場商品は極めて限定的であります。そういう状況の中で、許可制のもとで一般的に店頭取引を解禁するということになると、国内にはつなぎ先がないから、例えば海外につなぐというような状況が出てくることが予想され、国内の流動性の厚さはさらに薄くなる。農産物に関してですけれども、そういうことが懸念されます。

    そこでご質問申し上げたいのは、まず何らかの制限を農産品についてかけるのか。これは私、過去2回発言しています。第2には、このような状況に陥ることを容認するのか。さらに第3の選択肢としては、店頭取引が農産物について容認されてにぎわうようになった場合、国内商品先物取引所における上場をそれとリンクして柔軟に認めていくのか。この3つの選択肢のどれをおとりになるのかをお聞きしたいと思います。

    それから、3番目は意見です。ここのところは非常に苦心されて書かれたので、余りいいたくはないのでありますけれども、まず15ページ、取引所の品ぞろえの多様化です。ここでは主として外延的拡大が書かれております。これはこれでいいことであります。私が少ない知識で想定しても、例えば排出権取引の場合に、水田とか畑に対するCO2の封じ込めの権利だとか、森林のシンクだとか、海の海草における吸収とか、そういうものを東穀で上場してもいいと思っておりますが、現状は非常に手足を縛られて、主務大臣の許可がおりないというのが実は最大のネックであります。

    その一方で、29ページをお開きいただきたいのですが、取引所に求められる役割というのが出ておりまして、下から3つ目のパラグラフです。「取引所については」というくだりの中であって、「取引所は、多様な事業者や投資家のヘッジニーズを満たし、これにこたえられる流動性の確保のために、利用者の利便性を向上させることが云々」と来て、「これにかなう上場商品の選択が必要である」と。この求められることにこたえられるすべがないというのが現状であります。そこをよくご理解いただきたいと思います。

    以上3点です。

  • 大山商品取引監理官

    3点ございましたけれども、具体的な修文の話につきましては皆様のご議論の中もあろうかと思います。私どものほうでも検討させていただきたいと思います。

    店頭の農産物の関係でございますけれども、現在、農産品につきましては、上場商品につきまして禁止という取り扱いになっております。それ以外の非上場商品につきましては、海外のものも含めまして、こちらは法律の対象外ということで、基本的には、言葉は余りよろしくないかもしれませんけれども、野放しということでございます。そういう中に許可制というものを入れて、よく実態がわかるように、監督ができるようにしていこうということでございまして、そういう意味で、現状でも非上場商品につきましては店頭取引ができないかというと、できないということでは必ずしもないのであろうと思っております。そういう意味で、また、店頭市場と取引所の価格形成能力ということについて申し上げれば、明らかに取引所取引のほうが極めてすぐれたといいますか、強いものであると考えております。そういう意味で、店頭商品がどれだけこれからにぎわっていくのかというのはわかりませんけれども、また、そういう状況をみながらというものもあるかもしれませんが、上場商品の認可と店頭商品の取り扱いはおのずから異なるのではないかと思っております。

    なお、29ページのところで、手足が縛られている中で、これにかなう上場商品の選択が必要であるといったような文言がございますけれども、何と申しますか、そこは政策との整合性といったようなものはおのずからあるわけでございまして、その辺はご理解いただきたい。その範囲内でいろいろとお考えいただきたいと考えております。

  • 渡辺委員

    わかった上で抽象的に申し上げたつもりですが、追い込むようで申しわけないけれども、今の言い方だと、コメについても小麦についても、それから畜産物についても、OTCをやっていいのですね。それが実は怖いのです。非常に魅力ある商品ですよね。今まではそこまで関心がいっていなかった。そのときに、取引所のほうが後手を引くのではないかということを申し上げたわけでありますので、大山さんがおっしゃっているように、上場商品については農産物はOTC禁止、それ以外のものについては、何だかよくわからないけれども、やっていないだけというような状況は承知した上で、今度は許可制のもとで堂々とお天道様の下で認めていくということになるわけでありますので、それでいいのでしょうかということを申し上げた次第です。

  • 大山商品取引監理官

    基本的にはそういうことになろうかと思います。

  • 尾崎分科会長

    さまざまご意見あろうかと思います。これに関連することですね。佐藤委員。

  • 佐藤委員

    先ほどの渡辺委員のお話に関連することで、多分スペキュレーションについてはメリルリンチさんではないかと思っております。私どもでは、社内でそういう話を聞いたためしはありません(笑声)。

    報告書については、さまざま議論されてきたことがカバーされておりますので、すばらしいとは思うのですが、ただ、感想としては、これによって必ずしも今最も必要とされている市場の流動性が回復できるかということについては、甚だ心配であります。規制のないところに規制をかけたり、制度の整合性を整理するようなことは確かに必要不可欠ではあるのですけれども、これによって何か取引が活発化するかというと、非常に疑問だと私は申し上げます。取引促進のためには、勧誘規制は別にして、大胆な規制緩和とか取引所を含む全市場参加者の行動の改善が必要ではないかと思います。

    それにあわせて3つ申し上げたいと思います。

    先ほどから店頭取引について何回か話が出ておりますが、11ページのところで、今ありました話に加えて、真ん中の「また、農産品については一般的に価格弾力性が低いため、取引所外の農産品先物取引のあり方には慎重な取り扱いが必要となる場合があり得る」ということで、かなり回りくどい話になっておりますけれども、どちらかというと、このニュアンスが規制緩和に反対するようなイメージ、ネガティブな印象を私としては受けたのですが、我々としては大きく緩和をする方向性を示していただけないかと思っております。店頭先物取引、この前の段階のところで経済的意義をもつものということで評価されております。事業者のヘッジニーズを満たす機能があることは十分ご理解いただけていると思いますが、農産品については、その性質上、ここに書いてありますとおり、価格弾力性が低い。かつ、原料としての価格変動率が非常に高い昨今の状況があります。その割には製品価格への転嫁が非常に難しい商品でもあるということであります。ということであるからこそ、事業者ごとに異なるニーズがいっぱいあると思いますので、それに対してテーラーメイドで対応できる店頭取引の経済的意義がそこで発揮される。要は、農産品であるからこそ、店頭取引を進めるべきものではないかと我々は思っております。そのような方向があってもよろしいのではないかと思っております。

    それと、29ページですが、上の段ですけれども、「商品先物市場が本来的機能を果たし得るか否かは、商品取引員が」云々の段であります。我々がずっと議論してきたのは、プロ市場化、プロ市場を築くことが非常に大事であるというように、皆さん共通の理解であると思いますけれども、そこでまず、本当にプロ化をしなければいけない主体とは何なのかというと、私は取引員であると思っております。本来、取引員というのは、先物市場のメカニズムや商品知識などの専門性、国際経済の動向等の情報の提供など、非常に高度な能力が求められているはずだと思います。説明責任を果たして、顧客の満足度を高めることが本当のプロであり、そのようなプロでなければ、当業者のヘッジニーズを掘り起こしたり、的確に対応することなどできるわけがないということだと思います。昨日の日経新聞の調査結果には、勧誘規制の緩和を期待するというところが出ておりましたけれども、先物取引のプロとしての資質を向上させることが最も重要であって、依存する部分が大きいというよりも、資質向上が、またプロ化が不可欠であると私は思っております。

    もう1点、9ページに戻りますが、具体的な見直し項目以降の「使いやすい」「透明な」「トラブルのない」という3点を挙げておりますけれども、ちょっと消極的といいますか、何となく自信なさそうな表現のような気がしてしようがありません。本来であれば、積極的に魅力ある市場を構築する、もしくは築くという視点があってもいいのではないかと思っております。それは、世界市場の中での競争力をもつということが魅力的ということにもつながってまいります。具体的には、やはり上場商品の品ぞろえを倍増させるとか、取引インフラを世界標準に早急に合わせるとか、また、世界の情報発信、海外の資金やリスクマネーへの積極的なアプローチなど、具体的にあるべき姿とか目標がなければ、どこまでいっていいのかわからないといいますか、どこに向かっているかわからないのではないかと思います。そういうことも含めて、それらを通して日本の市場というのは、産地相場に対する仕向地相場としての特性が生かされ、ユニークさを生かしていけるのではないか。条件さえ整えば、海外の資金というのは必ず日本に興味をもつということは自然であると思っております。そういう意味で、海外の他市場との遜色ない器をつくっていただいて、相場のプロである取引員と当業者、事業者が取引所の内外で価格リスクをマネージできるような、そういう魅力ある市場を、また制度を築いていこうという方向性を出していただければと思います。

    以上です。

  • 尾崎分科会長

    どうもありがとうございました。今回、そういう実質的なことを考えて、関係者についてこういう行動をお願いしますという最後の章が恐らくできたのだろうと思うわけで、基本的にそういう方向に行くときに、法制度上、どういう障害があるのかとか、そのようなことを基本的な視点にした報告書になっているのだろうという気がしておりまして、むしろ形ができても、それを動かす人たちがその意識がわかっていないと動きませんので、今のご意見、大変ありがたいと思って、それを可能な限り反映できればと思います。

    南學委員、どうぞ。

  • 南學委員

    私からは1点ご報告を申し上げたいと思います。この分科会、長いこと多面的に先物市場の競争力強化を議論してきているわけでありますが、私ども競争力強化の1つの目玉として、株式会社化に向けて取り組みを行ってまいりました。先月末に経済産業大臣の認可を得て、12月1日から私どもの取引所は株式会社になりました。そして、株式会社になったその日、取締役会で当社の経営理念を決議いたしましたので、本日、ご参考までにお手元に配付させていただきました。資料ナンバーは振ってございませんが、一枚紙が最後にあろうかと思います。後でご一読いただければと考えます。

    この経営理念を踏まえまして、私どもは中期経営方針、あるいはスタートダッシュのための120日間の行動プラン、120日計画といっておりますが、そういうものを定めまして、役職員一丸となって、競争力強化に向けて、今、取り組みつつあるところです。今後ともこれらの一連の改革を実施することによって、経営理念の3つの中の一番下、活動指針が書いてございますが、その2行目から、「適切な企業統治の下、迅速な業務執行と効率的経営を追求しつつ、絶えず革新に取り組むことにより、活力あふれる市場を構築し、もって内外の厳しい市場間競争を勝ち抜くとともに、さらなる企業価値の向上を実現する」という活動指針を役職員全員が共有しまして、競争力強化に努めてまいりたいと考えております。

    以上が株式会社化についての報告であります。

    報告書につきましては、全体としてこれまでの議論がバランスよく盛り込まれていますし、また、私自身が幾つか要望してきた点が大体入っておりますので、結構だと思いますが、1点だけお願いをしておきたい点は、16ページの業務規程に係る軽微な変更についてでありまして、軽微な変更は主務大臣の認可を要しないとする旨が記載されておりますので、これは非常に結構なので、ぜひ実現していただきたい。

    ただ問題は、軽微な変更がどういう範囲で考えられているのか。前回のとりまとめ骨子では、例として取引時間のごく小規模な変更が挙げられておりましたが、今回は受け渡し場所の追加に改められておりまして、本日、例示をこれ以上ふやせということは申しませんが、実際の運用に当たりましては、先ほど佐藤委員の発言した大胆な規制緩和という精神にのっとりまして、我々が機動的に対応できるよう、ぜひ弾力的な運用をお願いしたい。これだけでございます。

  • 尾崎分科会長

    どうもありがとうございました。ほかにどなたかご意見ございますでしょうか。久野委員。

  • 久野委員

    私からは1つ質問と、あと意見を述べさせていただきたいと思います。

    金融取引所との相互乗り入れの話、14ページの下のなお書き以降だと思いますけれども、必ずしもシナジーが期待できないことが一因である。どうしてこういうリードになっているのか、よく理解できないので、その辺を説明していただければと思います。

    あとは、一番最後の31ページ、それからその前にある29ページ、関係者へのこうやっていきましょうという役割の中で、私はクリアリングハウスが抜けていると思っております。去年の中間整理の後、クリアリングハウスの検討会があって、一応工程表がありという話でございますけれども、今まで我々が議論してきたいわゆるトレーディングの問題、あるいは参加者の問題、OTCもクリアリングするのだという野望の問題、すべてクリアリングハウスがないとだめなのです。ですから、工程表では1円から6円に上がっていくという話でしょうけれども、大胆なリバンプが必要だろう。その中で、そういうインクリメンタルな動きでできないのだったら、違う方法を考えなければいけない。そうしないと、我々が今まで議論してきたことが、すべて議論だけに終わってしまうという可能性があるので、できれば少しクリアリングハウスへの期待、あるいは応援、方向性みたいなものがもしできれば。

    それから、最後の31ページでスピード感という話なのですけれども、きょう、あるいは次回の分科会で報告書をとりまとめて、いつこれが実現するのかと考えたときに、できるだけプロセスを急いでいただきたい。もちろん政治の話もあるのでしょうから、我々だけでは何ともならないのでしょうけれども、ここへ来て金融危機があって、これは少しスローダウンする可能性がある。これがいい機会なのかどうか。一方で、また取り残されてしまうのではないかという危惧もあるわけなので、スピード感というのが前の中間整理のときにもあったわけですけれども、やはりそれをもって皆さんに努力していただきたい。そういう意見です。

    以上です。

  • 尾崎分科会長

    どうぞ。

  • 小山商務課長

    まずご質問の点、14ページの相互乗り入れについての話でありますが、私たちがこれを別に全く否定しているわけではありませんで、特に流動性を供給していただく、投資の場として金融市場、商品市場等を使っていらっしゃる方にとっては、非常に大きな利便性の向上につながり得ると考えております。ただ一方で、当業者として石油を買ったり売ったりされている方、穀物を売っている方等につきましては、金融市場と一緒になることが果たしてどの程度のシナジー、相乗効果があり得るのかということにつきましては、今の会員なり取引に入っていらっしゃる方の構成とか、後に書いてありますけれども、クリアリングハウスということを別にすれば、この点についてはかなり限定的なのではないかと考えております。両方が相互乗り入れを行った韓国の例などをみますと、従来は金等の商品についてはかなり大きな取引が行われておりますが、完全に一緒になった後については、ほとんど今、その取引が行われなくなったというような前例もありますので、そういうことを考えますと、乗り入れは全く否定しているものではありませんけれども、一方で商品取引所自身としては、先ほどお話にありました魅力のある市場、競争力の強い市場となるためには、それ以外のところのいろいろな改善とか、向上というものが重要ではないかということで、ここに書かせていただいております。

  • 久野委員

    ご説明ありがとうございました。ただ、ちょっと説得力に欠けるのかなという気がします。実際に、今の既存の例えば商品取引所、あるいは金融取引所の中で複数のプロダクトができる、あるいはプラットフォームが一緒になる、クリアリングハウスが一緒になる、クロスマージンができる、そのような状況の中では、当業者もスペキュレーターもすべて恐らくベネフィットが出るはずなのです。シナジーをつくらないのは運営側の話でございまして、シナジーをつくるようにデザインするというのが我々の仕事でございます。ですから、そういう面ではちょっとミスリーディングなのかなという意見をもっております。

    以上です。

  • 尾崎分科会長

    どうもありがとうございました。ほかに。津谷委員。

  • 津谷委員

    4点ないし5点です

    まず1つはIBについてであります。IBをどのように位置づけるかということによって、今まで商品取引員等に対していろいろ厳しくやっていたのが、今まで問題があったことをIBがやり出して、結局、この努力が水の泡になってしまうのではないかというおそれがあるので、そういう観点から申し上げたいと思います。私はIBを導入するのであれば、プロ化を進めるためのIBであるべきだと思っております。ですから、IBというのは、一般委託者には勧誘しないという原則を掲げるべきではないかと思います。

    それから、仮に今、問題となっている悪質な海先業者、ロコ・ロンドンの業者、あちこち処分を受けていたものが、登録でできるということになりますと、その登録要件にもよりますけれども、IBに登録することによって、それが今度、直接海外市場につないでいくということが認められるのであれば、これはIBが直接そのような形になっていくということになれば、今の悪質海先業者等が登録さえすればできるという結果になります。絶対これは認めるべきではない。したがって、どうしてもIBをやりたいのだということであれば、IBがつなぐところは必ず国内の商品取引員にだけつなぐ。商品取引員がさらに海外もやりたいところは海外にもっていけばいい。こういった形にしないと、今のままになってしまうので、これはぜひやってほしい。できればIBについては、登録などといわないでやはり許可でいいのではないか。

    それから、個人のIB、法人のIB、法人まで認めるのか。法人を認めた場合に、それを実際に従業員がやると思うのですけれども、それは何ら資格をもっていなくていいのか。最低、登録外務員と同じような資格といいますか、そういったものをもっていないとだめではないかという感じがいたします。この辺を、IBを導入することによって、今までの努力、議論が水の泡になるおそれがあるから、それをしっかりやっていただきたい。特に登録などということをやるのであれば、よほど厳しいハードルをもっていかないといけない。ちなみに、今まで問題となっていた外務員、あるいはあちこちで裁判を起こされたり何だり苦情をやっている海先業者がIBの登録をした場合に、それを認めるのかどうか。それをはっきりといっていただきたい。

    その次には、不招請勧誘の問題であります。不招請勧誘というのは、何度もいいましたけれども、トラブルが解消しない場合は不招請勧誘の導入を検討するというのが国会の決議でありました。ここでは今回はそのような観点から、店頭については認めるということだったのですけれども、前提事実として、最初のほうには海先と店頭はトラブルが急増しているということを書いておきながら、店頭については不招請勧誘を認める、海先については認めない。これは矛盾するのではないか。海先についても、積極的なそれなりの効用があるだろうということで、それはやっていこうということであれば、積極的に、これはきちんとした本当にプロと、佐藤委員が先ほどいわれた、トラブルを起こして収拾がつかないから、慌てて後で海先も不招請勧誘禁止をやりますなどということをやってしまうと、結局、そんな怪しげなものに頼むのだろうかという感じがいたします。この段階で不招請勧誘禁止の対象として、海外先物も政令指定していただきたいと思うわけであります。

    それから、熟慮期間の問題であります。適合性原則があるから役割は終わったなどといいますけれども、そんなことはないのでありまして、金商法の例をみれば明らかなように、適合性の原則とクーリングオフ、これは両立いたします。問題は何をクーリングオフにするかどうかということで、政令指定にすればいい。これが法律の整合性であります。だから、そういったことからも、適合性、行為規制があるから、熟慮期間等については役割は終わったなどというのはとんでもない話だと考えます。

    それから、ADRについては積極的にやるというのはいいのですけれども、ADRだけでなくて、例えばいろいろな弁護士会の法律相談、市町村や何かの生活センター、あるいは県のいろいろな相談窓口があるわけですが、そういったものはADR機関といえるかどうかというと、そうではないと思うのです。とにかく苦情には、ADRかどうか、認証されているかどうかにかかわらず、きちんと誠実に対応するということを打ち出していただきたいと思います。

    以上です。

  • 尾崎分科会長

    加藤委員。

  • 加藤委員

    この報告書全体につきましては大変よくまとめていただいたと思うのですが、その中で、これは意見というか、感想で大変恐縮なのですけれども、今回、このとりまとめに対しまして、中心的な考え方というのは、先物市場の流動性の確保であり、国際競争力の強化という点に終始するのではないかと思っておりまして、そういった意味でポイントとなる点から、例えばOTCの問題が表面化してきていると思うのです。私としましては、店頭取引と取引所取引というのは、基本的に相互補完的な要素というか、そういう関係にあるわけで、どちらも機能していかないと、質的な市場の流動性、あるいは国際化、さらにはプロ化というのが機能しないのではないかと思っております。その中では、先ほど渡辺委員がおっしゃった取引所の品ぞろえのポイントにつきましては、私、何回目かに申し上げましたけれども、ぜひともいろいろな意味で機能しやすいようにしていただかないと、せっかくこのようにいろいろ取り決めをしても、具体的に機能しないのでは余り意味がないと思ってしまうところがありますので、ひとつその点をよろしくお願いしたいと思います。

    それから、先ほど佐藤委員がおっしゃいました29ページの取引員に対する言葉だったと思うのですが、プロ市場化について、その中心になるのは取引員であって、取引員そのものがプロ化の考え方をもつべきだと。まさにそれはおっしゃるとおりでありまして、その点につきましては、我々としても、現状そういう方向で動いてはおりますけれども、ますますそういう意識をもって前に進んでいきたいと思っておりますので、その点については全く同感であります。

    それから、津谷委員がおっしゃったIBの問題につきましては、私といたしましては、現在考えていただいているこの提案でよろしいとは思うのですが、津谷先生と意見の一致するところがございまして、当然、登録制にして、今現在、例えば海先であるとか、そういったところで、言葉がうまく出ませんけれども、悪いことをしている人たちがもし確実に判明しているのであれば、その方々が登録してきたからといっても登録を認めるべきではない。これはまさにそのとおりだと思います。やはりそういう意味で、海外につなぐ場合、仮に悪い人たちではない方が登録されたとしても、その方が直接、海外の市場や業者につなぐということで本当にいいのでしょうかというところがあります。ですので、やはり津谷先生がおっしゃったように、国内の商品取引員、しかも、海外につなぐということについて許可を受けている国内の商品取引員を通すべきだと思います。

    それから、法人格の場合はとおっしゃられましたが、これもまさにそのとおりで、法人格でIBとして登録されることがあった場合には、その中に従事する、何という人たちになるのかわかりませんが、外務員なのかわかりませんが、国内の商品取引員と同じような外務員資格をとるべきだと私も思います。

    先ほどの不招請勧誘の問題につきましては、海先のトラブルが大変多い。だから、それに対してこういう問題点があるのではないかとおっしゃる。まさにそのとおりなのですが、ですから、今回、法律を一体化して、きちんとした規制もかけてやっていこうではないかということで、このとりまとめになっているはずだと思いますので、これからさらに、新しく法律を一体化してから以降、そのようなトラブルがふえるようであれば、これは明らかに大問題であると思いますので、その点についてはおっしゃるとおりだと思います。

    熟慮期間につきましても、クーリングオフにつきましても、やはりこれから、契約をして注文を出して、買いなら買いで買ったものが下がっていったときには、契約としてほごにしたいと。これは取引所取引の中では機能しないのではないかと思いますので、我々がこれからきちんとした規制のもとでやっていくのであれば、その点は事務局提案どおりでよろしいのではないかと思っております。

    長くなりまして済みません。ADRの問題でございますが、28ページのところに載っているPと書かれているところですけれども、そもそも私としましては、ADR促進法の認証事業者ということで、日商協さんがそういう方向へ向かわれるという、今後検討されていくことについては、大変よい方向へ行かれるのだろうと私は思っておりますので、それはご賛同いたします。

    お聞きしたかったのは、Pの括弧の4行目、「又は他の認証事業者の行うあっせん・調停に対する商品先物取引業者の協力などについて」云々。協力などというのはどういうことをおっしゃっているのか、お聞きしたかったのであります。

    以上です。

  • 小山商務課長

    では、先ほどの津谷先生からのご質問、ご意見もあわせまして、できる限りで答えさせていただきます。

    まずIBにつきまして、悪質業者は登録しないようにすべきである。そこは全く賛成であります。そういうことに対してアドバイスをするようなことを商売にしている人もいますので、そういう人たちを私たちは絶対許すつもりはありません。できるだけ登録の条件等につきましては、ご懸念が及ばないように考えていきたいと思っております。

    あと、従業員の資格についても、今までお話がありましたように、登録外務員の資格をとるべきではないかというようなご意見も踏まえて、今後、制度設計をどうすべきか考えていきたいと思っております。

    あと、直接海外につなぐという場合にはよろしくないと。必ず国内の商品取引員を通じるべきだというご意見をいただいておりますが、現在の12ページの書きぶりでも、下の段でございますが、具体的にはということで、IB業者は商品取引員からの委託を受けてということを条件、または前提としておりますので、そこについてはある程度対応できるのではないかと考えております。

    私たちのほうから申し上げたい点が幾つかありまして、1つは熟慮期間、クーリングオフの話でありますが、クーリングオフについては金融商品取引法では、投資の運用と顧問との間では確かにクーリングオフはありますけれども、一般の委託者との間ではクーリングオフというのは規定されておりませんので、そういうのもバランスを考えながら検討していきたいと思っております。

    あと、今ご質問のありました協力内容については、今後、その内容を皆さんの間で検討して、どうすることが振興協会及び私たちとして、本気度として出せるものかというところにまさにかかってくるのではないかと思っております。

  • 尾崎分科会長

    どうもありがとうございました。どうぞ。

  • 荒井委員

    今の加藤委員の28ページのところに私も関連して申し上げたいのですが、他の認証事業者の行うあっせん・調停に対する商品先物取引業者の協力というのが、協力というのは普通相互の協力ということでしょうけれども、どちらからどちらへの協力ということが、もし相互協力的なことをイメージとしておもちならば、「との」というのがなければ、中身がよくわからないということが1つ。

    それから、一般的にフレーズで全体として、私自身、裁判だけではなくてADR機関、それも商品先物取引の紛争解決については、日商協だけが力を尽くしていけるというわけではなくて、もろもろの解決機関がそれぞれの特徴を発揮して、紛争解決、委託者保護に力を入れていくということが大事である。それは全く同感でございます。ただ、協力の中身をこれから検討していくについては、なかなか難しい面もある。一般的に例えば情報提供をお互いにするとかということなら、すぐ実現可能かと思うのですけれども、ここに法令または自主規制による多様な措置ということが書かれてありまして、内容についてはこの審議会でも立ち入った検討の時間はないと思いますが、これから相当慎重な配慮のもとに、要するに目標は、それぞれのADR機関が特徴を発揮して、協力して、解決の効果を上げていこうということに主眼を置いて、中身をこれから検討していただければと思うわけであります。

    関連してその下の行に、相互に競争を通じて切磋琢磨することが適当であると。市場の競争力強化というような場面とは違って、紛争解決機関の競争ということは余りピンとこないのです(笑声)。切磋琢磨は大変結構なので、渡辺委員に倣って私見でございますが、相互に切磋琢磨して、委託者保護の実を上げることが望まれる。例えばそういうほうが受け入れやすいのかなという気がいたします。

    それから、29ページをみていただけますか。真ん中の自主規制団体に対しての課題のところなのですが、趣旨としては異存はないのですけれども、4行目から5行目、「独自の処分や利用者からの苦情・相談体制(ADRを含む)のあり方については」、その次です。「商品取引員の現場の実務に即した機動的効果的な対応が図られやすいとの特質に着目して、さらなる強化」と。いわんとするところがわかりにくい。とりあえずそこをご質問させていただきたい。その上で意見を申し上げます。

  • 小山商務課長

    この部分につきましては、皆さんにわかりやすいようにご相談させていただきたいと思います。

  • 荒井委員

    わかりやすいようにしていただければ結構でございます。

    それから、津谷委員のご発言にまた意見を申し上げて大変恐縮なのですけれども、熟慮期間、これは釈迦に説法ですけれども、参入規制が入ってくる、適合性原則だけではなくて、説明義務などというのもあちらにはないのです。それから、向かい玉の禁止などというのも特に向こうには書いていない。そういうのが商品取引所法の範疇に入ってくると、全部規制がかぶってくるわけですから、トータルでいえばむしろ手厚くなるのではないかということが1つ。

    もう1つは、加藤委員のご意見にもあったと思いますが、商品取引の世界で固定的な物を売り買いしてクーリングオフというようなことではなくて、時間的な推移の中がいわば勝負なわけでありまして、熟慮期間とかクーリングオフということには、そもそも取引の場面でそういう規制を取り込んでくるのはなじまないのではないかというのが、前にも私が申し上げた整理していいという根拠の1つでございます。

    それから、不招請勧誘の禁止の関係で、海外の問題なのですが、原案では海先のことを含めてトラブルが急増ということが一括して書かれてあった。それについては前回、海外先物の、少なくとも規制海外先物については横ばいではありませんかということを申し上げました。海先小委員会で主務省からお出しになった資料をみても、非規制の海外先物取引のトラブルというのは、それこそ急増でございます。しかし、規制海外先物というのは横ばいないし、むしろやや減少とみていいわけであります。そこを区別せずに書くのはまずいのではないか。むしろ書き分けていただいたほうがいいのではないかということを申し上げたところ、きょうのペーパーでは少しそこのニュアンスは書き分けてくれてあるように思うのです。そういうこともありまして、海外先物については今後のトラブルの状況を見守っていく。その上で対応すればいいのではないかということで、私は前回の意見を維持したいと思います。

    以上でございます。

  • 尾崎分科会長

    どうもありがとうございました。まだまだご議論があろうかと思いますが、時間が10分ほど過ぎておりますので、本日、さまざまなご意見をいただきまして、報告書(案)に対して何点かの修文がご提案されております。また、意見の一致はほとんどしていたのですが、その意見が適切に反映されていないものとして、例えば店頭市場に対する位置づけ、OTCに対する位置づけとか、スペキュレーターに対する感覚、そういったものについて、全く否定するものではなくて、補完関係と加藤委員がおっしゃったような、そこを意識している。これは皆さん共有している部分だったと思います。そういった意味では、的確な位置づけをした上で、もう一度文書を見直したいということだと思います。また、農産品をめぐりましてさまざまなご意見があったわけですが、その点もこちらのほうで少し踏まえまして、私と事務局で報告書(案)をもう一度見直しまして、修正案を作成したいと思います。その後、報告書(案)の修正版を皆さんにお送りさせていただきたいと思います。同案の取り扱いを含めて、今後の進め方並びに次回の分科会の日程に関しまして、事務局よりご説明をお願いします。

  • 大山商品取引監理官

    今、分科会長からございましたように、報告書(案)につきましては当方で早急に修正いたしまして、案を作成し、本日夕方を目途に努力させていただいて、各委員にお送りいたしたいと存じます。そのご意見については、大変恐縮でございますが、明日の夕方までにご返信をいただきたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。

    次回の分科会でございますが、12月18日木曜日、4時から別館の5階共用526会議室で予定をさせていただきます。

  • 尾崎分科会長

    本日はご多忙の中、長時間にわたり熱心にご議論いただきましてありがとうございました。進め方が悪くて10分ほど超過してしまいましたが、申しわけございません。

    次回の第10回分科会の詳細につきましては、追って事務局よりご連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。

    それでは、以上をもちまして、本日の産業構造審議会第9回商品取引所分科会を閉会いたします。どうもありがとうございました。


以上
 
最終更新日:2008年1月9日
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