経済産業省
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産業構造審議会商品取引所分科会(第2回)-議事要旨

日時:平成20年7月25日(金)10:00~11:40
場所:経済産業省別館10階各省庁共用1020号会議室

議題

  • 今後の検討事項について
  • その他

出席者

委員:
荒井 史男 日本商品先物取引協会会長
大河内 美保 主婦連合会副会長
尾崎 安央 早稲田大学大学院法務研究科教授(分科会長)
加藤 雅一 日本商品先物振興協会会長
久野 喜夫 FIAジャパン理事
佐藤 広宣 株式会社カーギルジャパン穀物油脂本部穀物グループ統括部長
高井 裕之 住友商事株式会社金融事業本部本部長
多々良 實夫 日本商品委託者保護基金理事長
南學 政明 東京工業品取引所理事長
平井 茂雄 新日本石油株式会社常務取締役
家森 信善 名古屋大学大学院経済学研究科教授
唯根 妙子 社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会常任理事
渡辺 好明 東京穀物商品取引所理事長
(以下の5名は欠席)
池尾 和人 慶應義塾大学経済学部教授
上村 達男 早稲田大学法学学術院長
津谷 裕貴 日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員
中島 敬雄 株式会社みずほコーポレート銀行常務執行役員
福田 眞 モルガン・スタンレー証券株式会社会長

事務局:
農林水産省 平尾総合食料局次長、大山商品取引監理官 他
経済産業省 寺坂商務流通審議官、大下大臣官房審議官、安井参事官、小山商務課長 他

議事概要

冒頭、事務局より新委員である福田委員について紹介があった。

事務局からの資料説明

  • 資料3「海外商品先物取引等小委員会中間取りまとめ」(要約版)
  • 資料4「クリアリング機能の強化に向けた今後の取組について」(要約版)
  • 資料5「商品先物市場を巡る国際動向」
  • 資料6「今後の検討事項(案)」

当該説明に対する意見交換

  • 制度改正に向けた最大の課題はマーケットの不振だと思う。検討の視点として最重要な課題として市場振興のところに焦点をあててもらいたい。現状は手足を縛られて水泳をしているようなもので、その上にさらに重りをかけることがあると、産業インフラとしての役割を担えない。それでは、その処方箋は何かということだが、第1点は自由度の向上である。その自由度の向上について、2点申し上げる。1点目として、魅力のある商品の上場、上場を可能とする措置である。取引所自身が、認可制度のもとに置かれており、また4取引所ともに株式会社化を目指して検討体制に入っている。品揃えの乏しいデパートには客は来ない。したがって、商品の上場について、現状の認可制から届出制それかそれに近いものにすべきと思う。かつて、AA制度というのがあり、認可制をとりながらも、申請が出てくれば100%認めるという制度があった。上場商品については、株式会社化の商品、品揃えに自由度がないのはおかしい。広い意味での取引のあり方について、IBの話やOTCについては、農産物についてはこれまでの事実が違っており、米国でも限定的ではあるが農産物のOTCを認めている。金融機関が先物市場へ参加できる措置がとられたわけであり、そろそろ農産物についてのOTCも考えていただき、金融機関の参加ということも促していただきたい。IBの問題については、先般のクリアリングの機能強化に関する研究会に関連する。JCCHでは経営改革推進会議を設置して、今秋のとりまとめに向けて取り組んでいる最中であるが、今大きな障害に2つぶち当たっている。報告書の中では他社清算ということをいわれているが、他社清算の可能性というのは限りなく0に近い。したがって参加資格のところで純資産要件から外れた者の行き先は、現実的には取り次ぎである。取り次ぎだけということは、落ちてきたと見られがちであり、IBについては早期に環境条件を整備する形で制度改正を行っていただきたい。(クリアリング機能の強化に関する研究会の報告書の)本文には、行政・取引所・業界が挙げて環境整備することが書いてある。それが整備されないと純資産用件を厳格に適用することに移行できないだろう。2点目として、破綻財源の整備について説明があったが、現在の業界の状況では、手数料を引き上げることで運営費を全てカバーすることが日に日に難しくなってきている。ということはお預かりしている証拠金の利子を運営費に充てざるを得ないということである。その一方で証拠金利子のうち4割は税金で天引きされる。信用力を強化するのであれば、期間を限定してでも納税の繰り延べを真剣に考える時期にきているのではないか。公益の観点から利益の中から積立を繰り延べるという税制上の措置がとられているので、(検討を)お願いしたい。全体としての要望は、次回までに網羅してご覧に入れたい。

  • 当業者の立場から意見を言いたい。石油の元売りで、卸価格の市場連動性というか、需給をより反映させたものを導入していこうという動きがある。また、現在資源エネルギー庁の依頼で国内先物市場調査専門委員会を設置して、東工取、モルガンスタンレー、ゴールドマンサックス、住友商事といった専門の方にも委員になってもらい、きのう第2回目の委員会を開催した次第である。この2つの動きの共通テーマというかゴールが、昨今原油価格が高騰のもとで、また独禁法の要請もあり、ガソリン、灯油等について透明かつ公正な卸価格の体制の整備である。そのためには、卸し先と共有できるような価格の指標あるいはヘッジ機能が求められているわけであり、東工取への期待が一段と高まっている所である。ガソリン、灯油、軽油、A重油といった品目について品揃えをお願いしたく、軽油は税金の問題があって休場しているがこの再上場、あるいはもう少し重たい油種についても上場をいただければという要望が、きのうの委員会でも出されている。これまでも取引時間の延長や値幅制限の緩和など、改善をいただき感謝しているが、こういう点も併せてクリアリングハウスの機能強化も、今後流通の人間が出て行くために重要な安心・安全の観点から進めていただきたいと思う。

  • 取引所の立場から今後の検討すべき事項について意見を述べたい。全体としては良く整理されているが、3点ほどコメントをしたい。第1に「取引所等における自主規制機能について」だが、現在、取引の公正を確保するために、商取法に基づいて、学識経験者で構成される市場取引監視委員会を設置して第三者の立場から市場の監視を行っている。一方で株式会社化した後は、公正な取引を確保するための体制の整備が強く要請されているので、全ての委員が取締役からなる独立性の高い自主規制委員会を別途設置する準備を進めている。このため、株式会社後は現在の法律の市場取引監視委員会と自主規制委員会が併存することになり、委員会の機能が重複する面が出てくる。ぜひこうした点の法的整備についてもこれから御検討いただきたい。第2に、取引所に係る許認可事項について一層の合理化を図るというのはその方向でお願いしたいが、厳しい国際的な取引所間の競争に打ち勝っていくために、取引所はスピード感を持って対応することが必要である。こうした観点も踏まえて株式会社化を決断した次第だが、現在の法令の枠組みでは許認可の手続にかなり時間を要してしまうケースがあり、スピード感をもった対応というのがここで挫折しかねない。例えば、上場商品は今は全て定款に記載しなければならないと法律で定められている。新規商品を上場する場合には、定款変更ために会員総会(株式会社後は株主総会)を開いて審議をしなければならないという手間がかかる。今後は上場商品の記載を定款ではなく業務規程とすることや、軽微な規定変更は主務大臣の認可事項から除外するなどの法令面の手当をお願いしたい。第3に、環境問題など企業が新たな事業リスクに直面している中で、商品先物市場を利用することによる制度的対応の可能性についてどう考えるかについてだが、先般の金融商品取引法改正により金融商品取引所は排出量取引の上場が可能となったが、一方、現行の商品取引所法の下では法的制約があり上場が困難な状況にある。昨年とりまとめられた「金融・資本市場競争力強化プラン」は取引所間の競争を促進することによって各取引所の競争力を強化すべきであるという考え方を踏まえてまとめられたが、証券取引所と商品取引所の間で競争条件に差が生じているのが現状である。排出量取引は、我が国産業の生産・流通活動に直結してする重要な産業インフラでありまた、エネルギー商品市場と密接な関連があるので、取引所としては、今後排出量取引の一翼を担っていきたい。したがって、商品取引所において排出量取引を上場できるように、法的手当をお願いしたい。また、今後の検討にあたり、市場の活力の復活という点を常に頭に描きながら、改正商取法が施行されて3年余がたったので、その後の状況変化も踏まえ手、規制のあり方、運用の面もぜひ見ていただきたい。

  • 海外先物取引について、この3年間で苦情が増加しているようだが、その背景を教えてもらいたい。

  • 小委員会の場では、国内先物取引の規制が強化されたため、一部の問題のある者が海外先物取引でトラブルを起こしているとの指摘があった。

  • データをとっていないので断言するわけにはいかないが、国内の規制が厳しくなって、営業できなくなったという実態がある。厳しい事前規制の結果だと思うが、それが逃げ場として海外先物、規制がなく、またこれまでの経験や知識をある意味で活かしていける場所として海先が目を付けられているのではないか。今の市場の現状として「ふしん」というものがある。振るわないという不振と、信頼できないという「不信」の2つがあると思うが、信頼できないという意味では海先というものから出てくる悪いイメージが国内の商品市場にもネガティブな影響を与えているのではないかと考えますので、そういう意味では海先についての規制を国内以上に厳しくやるべきではないか。国内市場ですら素人には分かりづらいにも関わらず、海外先物はもっと分かりづらくなるはずであり、そのルールもしくは体制、制度というものについては国内で適用できるものではない。そういうものがより緩やかな制度の中で行われているのは整合性が取れない。しっかりと規制をしていくべきではないか。

  • 原油、穀物の値段が上昇している。全世界的にスペキュレーションへの風当たりが強いことが今回の検討課題の1つに挙げられている理由ではないか。この委員会として外していけないポイントとしては、基本的に日本の現状は、米国で起こっているような過度な価格の乱高下による社会的問題以前の問題で、これだけ盛り上がっている中で出来高が全然できていないという非常に厳しい状況にある。そのため、確かに社会的に問題になっているということはあるが、我が国の先物取引所に関しては、規制の議論をするより、まずは取引の促進、今の出来高不振をどう活性化させるかの議論をすべきではないか。第2に、スペキュレーションとマニピュレーションが混同されている。原油価格の高騰で世界的に人々が困るということになると、スペキュレーションが悪いという方向に議論が行きがちだが、スペキュレーションは健全であり、スペキュレーションがあって初めて価格の形成がなされる。ヘッジャーがマーケットで取引をする時、スペキュレーターがいるから価格形成ができている。きちんと規制しないといけないのはマニピュレーションであり、ここで言うところの価格操作である。現在、国際的な情報交換に関する法制度がないのであれば、早急に米国、欧州、日本・アジア等のレギュレーター間の適切な情報の開示、マニピュレーションが行われて不公正な価格形成がなされている場合の対応について、ぜひとも法制度の改正をやっていただきたい。繰り返しになるが、スペキュレーションとマニピュレーションは違う。時にはスペキュレーションが過度になり、エクセッシブなスペキュレーションが価格の乱高下を招くことがあるが、これは取引所の運営のレベルで建玉制限及び証拠金の引き上げ措置などで対応することが可能だと思う。これまでの対応から大きく変える必要はない。サミットの後は、CO2の排出権取引について関心が高まったが、日本の経団連もNoというスタンスから変わってきている。今は証券取引所でも排出量取引検討会等々も実施しているので、商品先物でも排出権取引が可能となるように法制的な措置をしてもらいたい。

  • 国際的に見ても先物取引は素人には理解不能で向かない。この市場が素人にとってそういう世界だというのは世間にも知られていると思う。そのため、消費者団体はこれに取り組んだことがない。だめに決まっているし、手を出さない方がいいということでずっときた。それでも被害が起きているということは、勧誘の仕方がよっぽど上手なのか。市場の信用度を高める、自由度を高めることについては異議はないが、そこに分からない人を勧誘して入れてしまうことに問題がある。不招請勧誘の禁止を今後の検討事項の委託者保護の項目に入れてもらいたい。そうでなければ、環境問題の排出権取引についても、何となく環境のために良いことだと勧誘されて、また多数の被害が出ることも不安があるので、不招請勧誘の禁止についてはぜひ皆さんで議論をしていただきたい。

  • 消費者側の立場としては、トラブル解消の部分で制度整備をというふうにご提案をいただいているので、業界ADRの制度を検討していただけるのか、またそういう制度を利用することで消費者が巻き込まれたときに確実に救済していただけるところがあることで不信感を一掃していただけるのではないかと思う。IBや新しい仲介制度については提案があるが、消費者とすると余計に分からない。でも巻き込まれてしまうという不安があり、広報や報道によっては危険性が高まってしまう不安もある。素人には手が出せない世界であり、もしそういう者に勧誘した場合は、懲罰的な部分で事業者に規制をかけることも検討いただきたい。

  • 検討の視点にあるように、先物市場の重要性を念頭に置いて、その機能が発揮できるような環境整備、市場の整備を図る、これが主眼であり、それに併せて委託者保護を図る必要がある。委託者保護はトラブルの実態、規制の対象者の特質を見極める必要がある。一律に同じような規制をかけるのではなく、対象者の特性やトラブル実態に合わせた規制のあり方を求めていくことが、規制の正当性や納得性、言い換えるとそれが実効を納めるかどうかの一番大事な点ではないか。海先小委員会で出されていたが、国民生活センターへの苦情内訳及びトラブルの内容について行政が分析して棒グラフにしてくれたが、国内はこれで十分というわけではないものの、明らかにかなり減少してきている。一方、海外先物がオプションとまがい物を含めて大変な増え方をしている。海先関係の規制は、海先法の改正という形で取り組んでいくべきではないか。検討の視点では、海先小委員会の中間とりまとめを委託者トラブルの解消という形でくくっているが、恐らく小委員会の中間とりまとめで取り上げられた内容は委託者トラブルという視点だけでは包みきれない問題を含んでいるだろう。その点を今申し上げるつもりはないので、少なくとも委託者トラブルとの関係で言えば、その実態に応じた形での十分な規制を図っていくべきではないか。次に、前述の統計でも出ていたとおり、国内(に対する苦情、相談)の方は減ってきている。これは、国内取引について従来から重ねて商品取引所法を改正して規制を強化してきた。業界の意識改革、日商協の取り組みの結果もあって国内はかなり減少してきている。業界や日商協も今後も努力を続けるし、その努力をもう少し見続けていただきたい。12月の分科会のとりまとめの段階の議論でも、今後の商品先物市場は、法人個人問わずプロ化に向かうだろ。プロは知識・経験・判断力が高いので、それを従来の個人向け型の商品取引所法の下の規制と同じ規制で臨んでいいのか。端的に言えば、プロ化が進んでいる中では、そういう対象者に対しての規制はもっと緩めて然るべきではないか。規制を区分けした方が、委託者保護にもつながるし、ひいては市場活性化、競争力の強化につながる。

  • 反論というわけではないが、国民生活センターの棒グラフ(の苦情件数)がすべてであると考えるのは間違い。これは氷山の一角であり、この何倍も被害があるものと認識してもらいたい。

  • 氷山の一角とのご指摘もあると思うが、数字をお示しする。国民生活センターのデータでは平成15年度は全体が7,810件、うち国内公設が5,159件、海先法の規制がかかっている規制海外は665件、非規制海外が61件、いずれにも該当しないものが1,934件である。これに対して平成19年度は全体が4,108件、国内公設が894件、規制海外が503件、非規制海外が1,182件、該当なしが1,538件である。これには重複するものもある。国内降雪は減少傾向にある一方、海外先物が増加しているのではないかと考えられる。海外先物の苦情が多い原因については、参入規制がなくどのような業者がいるか把握しにくいことや行為規制が不十分であること、また国内と違い証拠金が分離保管されていない点があると思われる。

  • 今後の検討事項については非常に良くまとまっているので、この内容で検討いただきたい。一番重要なのは商品先物がどういう位置づけをなされているのか、金融商品を上場している市場との違いを理解した上で、検討の視点の冒頭にも載っているとおり、重要な産業インフラの役割を担っているということを大前提に議論しなければならない。我が日本の商品先物市場は非常に低迷しており、サミットでも議論があったが、首相は安心していたのではないかと思うほど我が国の市場は関係ない状態にあったと思う。世界の投機マネーが入ってくるほどマーケットまで日本の市場はステージが上がっていない状態にあり、このことをいかに改善していくことが重要なポイントである。委託者トラブルについては、多数の委員の方々の話があるように、海外商品先物取引については早急に規制をかけ、きちんとしたルールの下に機能するようにしてもらいたい。氷山の一角との表現もあったが、相当な委託者の問題をはらんでいるはずである。国内の商品先物市場と同じレベルの規制を検討いただきたい。国内商品先物取引業者は、コンプライアンスの徹底を図っており、自主規制団体も相当取り組んでいる。万全ではないかもしれないがそれ相応の結果は出てきているのではないか。さらなる規制をかけることなく、現在の状態を掘り下げていくかということで見ていただきたい。くれぐれも言っておくが、国内商品先物業者としても、海外商品先物取引の問題点、トラブルといった現象と同一視されるのは遺憾に思っており、きちんと整理、処理してもらいたい。市場参加者の多様化、利便性の向上に関し、ラップ口座、IBの問題は議論してもらいたい。消費者の懸念は当然あると思うが、ただラップ口座を誰でも広く認めてくれと言っているのではない。そもそも我々は許可業者であり、セールスマンはきちんとした試験を受けてライセンスを持っている。その中で一定の基準をクリアしたものを決めてもらい、その基準の下に機能するセールスマンなり企業がラップ口座を持てるようにすることで議論していただければと思う。いずれにしても、今回の分科会で皆さんの意見を頂戴しながら、更なる市場の拡大を担えるように頑張っていきたい。

  • 商品先物取引の競争力強化が喫緊の課題とされていることに期待している。それを勝ち得るためにも不信をどう取り除いていくかだろうと思う。ここ4、5年で取引量が半減しており、最近の石油市場の流動性低下を見るとこれで国際化できるかどうか不安である。その原因も掘り下げていかなければならないが、微に入り細をうがつ規制が果たして公正な価格形成に役立つのかと懸念している。保護基金が委託者保護という点で一番機能する制度と考えている。市場の信頼性を得る上では委託者トラブルの減少が喫緊の課題であるが、委託者保護と委託者トラブルは少し違う。何でも保護されるのではなく自己責任の上でということ。ルール、リスクを説明し、きっちり理解してもらった上での市場参加ということだろうと思う。認可、税制のことも要望しているが委託者保護に重大な影響があるのでお願いしたい。

  • 海先について、ここにあるように営業目的、コマーシャルでは、いろんな人が海外商品先物取引を使っている。使っていなかったら大変なことになっていた。この辺をはっきり区別して、大プロ、コマーシャルについては、今まで以上に自由にできるように、少なくとも今までと同じ程度は確保してもらいたい。クリアリングハウスの強化については、冒頭にあった新商品の自由度と併せて(市場の競争力強化の)両輪になると思っている。報告書によると、日時でポジション、リスクを把握することになっているが、もう一歩進めていただき、ほぼ電子化、ザラバ化になるので、リアルタイムを目指していかないと、海外を含めた他の取引所との競争に負けることになるだろうと思う。

  • 海外商品先物取引については、現状は主務省でどの程度の業者がいるか、数すら把握出来ていない状態であり、きちんとした規制を早急につくってもらいたい。国内の商品先物市場を魅力的にし、競争力を強化するために上場商品の上場での品揃えは重要である。また、試験上場している商品については、赤字で止める、あるいは戦略的に赤字でも継続するものなど、取引所自身の自己責任、自主性を持たせるのが必要ではないか。クリアリングの報告書についてはこの通りだが、積立金を一気に80億円まで積み立てるのができるのかと思う。現実的な方法として、税制上の配慮というアイディアがあったが、何らかの方法を考えないといけない。積立金はリスクのバッファーであり、未来永劫使うものをわずか数年で積み立てる必要は本来ないが、今までなかったから急にやらないといけなくなった。その期間について何らかの対応をとるということで、現実的な知恵が必要と思う。多様な参加者を増やすことが市場の魅力を増すが、金商法改正で銀行が本格的に入れる枠組みができたが、他の投資家、例えば海外では年金が入りすぎて問題という話もあるくらいであるが、我が国でも機関投資家が入れない要因があれば緩和していく対応が必要である。規制強化についての根本的な考え方は、金融や商品の業務は非常に複雑になっており、枠をつくっても、それで規制が十分実効的であるとはならない。規制を守ればいいことがある、より高いコンプライアンスをしている人には何らかのメリットがあるという法体系というか、インセンティブを考えたレギュレーションにしていく必要があるのではないか。

  • OTC取引についても意見を述べさせていただきたい。OTCとは、Over The Counterの略であり、日本語では店頭取引とか相対取引とか呼ばれている。取引所取引とOTC取引では非常に密接な関係があり、以前この委員会でも議論となったことがあるが、市場が発展していく際には、多層構造で発展していくものである。取引所がサークルの真ん中におり、それを取り囲むように多層的にOTC市場が成り立っていく。OTC市場でやったものを取引所でリスクヘッジするということが、健全な市場の発展となる。その観点から、OTC取引というものは促進するべきであって、決して規制を厳しくするべきではない。ただし、昨今の原油価格の高騰の中では、市場取引、取引所取引の規制が非常に厳しくなったがために、一部の投機的なマネーがOTC市場へ大量に流れ込んできたという状況がある。それが価格のマニピュレーションだとか、そういう行動に繋がっていって、取引所取引を監視しているだけでは、市場全部は見えないということに今はなっている。そういった観点から、OTCは非常に重要な役割を果たすが、不正が行われているのではないか、マニピュレーションがOTCのマーケットに移行していることを規制当局が察知した場合は、何時でも、市場捜査権というか、情報をプレーヤーに開示する権限をレギュレーターが持ち、必要に応じて日米欧のレギュレーター間で情報を共有するといった対応が必要と考える。OTC市場をそのものを規制するのではなく、むしろ促進しなくてはならない。ただ、マニピュレーションがそちらに流れて入ってる場合にはアクションをとれるような制度改正が必要ではないか。

  • 公正な市場価格の形成が重要な政策課題の一つとなっているようだ。そのような観点からは、相場操縦(マニピュレーション)があってはならないのは当然である。公正な価格形成に向けた法規制が不十分であれば是正すべきである。もっとも、市場での価格形成は基本的には自由に行われる必要があり、過度に法規制が加えられて自由な価格形成ができなくなるのは問題である。市場の公正性を図る上で、レギュレーターは、自由な価格形成がなされるようにするための規制手法を持っていなければならないであろう。その点で、現行法においてレギュレーターがそういう手法を十分にもっているのどうかを検証する必要がある。先ほど触れられたOTCの問題も、その市場に対して現在のレギュレーターが適切に介入する権限を有しているのか、介入しても適切な是正をする手段をもっているのか、それがあっても行使する上で制約があるかなど、様々な議論があるだろう。海先法についても、これまで、レギュレーターが適切に介入できない、いわばブラック・ボックスが多々あった点が問題であったことは明らかであり、それらの点をどのように是正していくのかが喫緊の問題となっているようだ。市場の活性化において、品揃えの問題や市場の価格形成についても議論があったが、行政サイドからの過度の規制は問題であろうが、市場自身の自由度を高めながら、その品揃え価格形成の公正性確保をどのように実現していくのかが各市場関係者に試されている。市場の不信感をどのようにするかに関連して、海先の問題が国内公設の市場にまで影響しているという指摘は重要である。本来、商品取引所分科会に海外先物を取り扱う権限があるかという懸念はあったが、やはり海先や特商法の対象となっている部分についても、しっかりと議論し適切な規制をしなければ、日本の公設の商品先物市場に悪影響が出てくることがはっきりした。したがって、その部分についてもしっかりと議論し、検討しなければならないことが改めて確認されたといえよう。市場の活用について、ビジネス・ユースやコマーシャル・ユースを考えなければならないとの指摘も重要であろう。その結果、そのような利用者と素人との区分すべきであろうとの指摘がなされるのも当然であり、議論の対象となるであろう。商品先物市場に多様な参加者を導入しようとするのであれば、参加者それぞれの属性に相応しい法的取扱いをしていくことは考えられてよい選択肢であろう。業者の規制のあり方で、ラップ口座やIBの話も出てきたが、これらを分科会の検討テーマとしてよろしいのか。特にそのことに異論がないようであれば、分科会でも取り上げて、各論的に検討していくことが望まれよう。本日の会議において「早急に」という言葉が多くの委員から出てきた。現に、早急に対応しなくてはならないものが幾つも挙がっているようだ。したがって、これから事務局より日程の提案があるが、集中的に議論し、問題点を掘り下げていきたい。まだまだ議論はあると思うが、今日の目的として掲げられた第1回の分科会以後の状況説明と、現在置かれている状況、そして今後の検討課題の確認については、その目的を達したと思うが、何か意見はあるか。

    (意見なし)

事務局からの資料説明

  • 資料7「分科会における今後の議論の進め方(案)」

当該説明に関する意見交換

  • 特段、意見交換は行われなかった。

以上

 
 
最終更新日:2008年8月21日
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