経済産業省
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産業構造審議会商品取引所分科会(第5回)-議事要旨

日時:平成20年10月15日(水)16:00~18:00
場所:経済産業省別館11階各省庁第1120共用会議室

議題

  • プロ市場化の推進及び委託者トラブルの解消について

出席者

委員:
荒井 史男 日本商品先物取引協会会長
池尾 和人 慶應義塾大学経済学部教授
大河内美保 主婦連合会副会長
尾崎 安央 早稲田大学大学院法務研究科教授(分科会長)
加藤 雅一 日本商品先物振興協会会長
久野 喜夫 FIAジャパン理事
佐藤 広宣 株式会社カーギルジャパン穀物油脂本部穀物グループ統括部長
高井 裕之 住友商事株式会社理事金融事業本部本部長
多々良 實夫 日本商品委託者保護基金理事長
津谷 裕貴 日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員
南學 政明 東京工業品取引所理事長
平井 茂雄 新日本石油株式会社常務取締役
唯根 妙子 社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会常任理事
渡辺 好明 東京穀物商品取引所理事長
(以下の4名は欠席)
上村 達男 早稲田大学法学学術院長
中島 敬雄 株式会社みずほコーポレート銀行常務執行役員
福田  眞 モルガン・スタンレー証券株式会社会長
家森 信善 名古屋大学大学院経済学研究科教授

事務局:
農林水産省 大山商品取引監理官ほか
経済産業省 寺坂商務流通審議官、大下大臣官房審議官、安井参事官、小山商務課長ほか

議事概要

事務局からの資料説明

  • 資料3「プロ市場化の推進及び委託者トラブルの解消に係る論点(案)」
  • 資料4「第4回商品取引所分科会の議論のポイント(プロアマ規制)(案)」
  • 資料5「『金融商品取引法制に関する政令案・内閣府令案等』に対するパブリックコメントの結果等について」
  • 資料6「制度改正の概要」
  • 資料7「商品ファンドの残高が増加しない主な要因について」

日本商品先物振興協会からの資料説明

  • 資料8「商品先物業界の現状と商品先物市場」(日本商品先物振興協会提出資料)

日本商品先物取引協会からの資料説明

  • 資料9「委託者保護に係る日本商品先物取引協会の取組み」(日本商品先物取引協会提出資料)

意見交換

委員

  • 今後、プロ・アマを区分して行くのであれば、商品取引員に対する処分の種類もきめ細かくするべきで、金融商品取引法のように取引又は業務の全部又は一部とすべき。
  • 委託者保護基金の強化は賛成。保護基金は平成17年に設立、これまでに会員の破綻に備えて財務監視を行って債権保全してきた。これまでペイオフの弁済実績はないが、商品取引員各社の経営が厳しい中で、破綻及び自主廃業は増加してきており、このままの現状が続けば前例のない破綻が起こる可能性があるので、委託者資産を保全するために委託者保護基金制度を充実・強化すべきであり、会員企業の保護基金に対する報告義務を定款レベルではなく、証券の投資者保護基金と同様に法律上の権限として付与してもらいたい。

  • IB、一任ラップは反対である。個人に対する勧誘はすべきではない。理由としては、一任するには信頼関係が必要だが取引員に対する信頼はない。経営が悪化している人に一任というのは常識的に問題である。また、資料には商品先物取引は国民資産の多様化に資するという記載があるがこれはミスリードである。調べによると先物取引の途中段階で7割の委託者が損失を出している。自分の経験では9割以上が損失を計上している。先物は資産形成の場ではなく資産喪失の場である。従って、IB、一任ラップには拒否感及び嫌悪感がある。
  • 委託者保護基金の機能充実には賛成である。債権の範囲に、預り金だけではなく不法行為に対する損害賠償権も含めるべき。最高裁でも判決が出ているが、立法的に解決すべき。

  • 商品先物取引が資産運用にならないというのは誤りである。商品先物取引単体の損失について議論をすべきでなく、貯金、商品、証券、為替などの様々な種類の資産運用の組み合わせとして資産運用の話をするべきで、これまでもそのように議論してきたはず。

  • 様々な投資家の参加チャネルを拡大するためにも仲介業は期待できる。商品取引員が仲介業者に関する全責任を負うことになるので、安易な契約はされない。地域に根ざしたIBが定着するのは好ましいことである。また、前回発言の訂正になるが、登録又は許可制がかかるのであれば、仲介業者の勧誘の相手方を当業者に限定する必要はない。なお、証券のIBは、株式会社IBが大半であり、複数の会社と契約することが可能であるが、個人は特定の会社と契約しているように見受けられる。
  • ラップ口座についても認めてもらいたい。投資顧問業と契約するには個人投資家は資産が3億円以上との要件があり、資産の低い個人に対応できないのが現状。ラップ口座を認めると手数料稼ぎの懸念があるとの話もあるが、運用のパフォーマンスが上がらないと成功報酬を得られない仕組みにすれば問題ないのではないか。

  • IBは、投資家に対する情報提供者としての機能、サービスへのアクセスとして有効である。また、商品取引員の業態転換の受け皿の一つとしてIBの導入を検討すべき。
  • 商品取引所法と海先法を一本化して商品取引員の業務停止期間を現行の6カ月から1年にする案について、海先法が1年としているのは、参入規制がないからではないか。また、業務停止期間中、委託者が新規の取引をできなくなるので委託者保護の観点から問題であり、1年もの長期間の業務停止処分を受けるような者を商品取引員として存続させておくのも疑問である。金融商品取引法では6カ月になっており、バランスに欠けるのではないか。

  • 商品先物が資産運用の場として不適格というのは事実ではない。金融危機が起こったことにより証券の時価が損失する中、米国のマネージドフューチャーズ、つまり先物でCTAを使って資産を運用する方法は証券と非相関の関係にあって、この1カ月でパフォーマンスをあげている。金融危機により証券、為替、ドル、ユーロ、FXでは損失出しているが唯一上がったのは商品市場の金であるので、資産運用の場としてポートフォリオの中に商品先物を入れるのは大切。
  • ラップ口座は、商品だけでなく、運用資産全体の中でコモディティ何%というサジェスションができる方向にすべき。

  • ラップ口座を認めると手数料稼ぎを懸念する話もあるが、現状の商品先物市場はボラティリティが高く、常に売買をするのが自然である。一任勘定は一般の方にやらせるべきではなく、後日、相場の検証ができるようなプロに認めれば有意義である。IBになろうとする人には参入規制及び行為規制をかけることが必要であり、トラブルが起こった際にはIBに責任を取らせる制度の仕組み及び紛争解決の仕組みが必要である。商品取引員と同じような自主規制の枠組みについても考える必要がある。代理についても同じである。委任の範囲を意識して紛争の解決の仕組みなどについて検討することが必要。

  • 「国民の資産運用手段」という言葉は個人をイメージさせる。プロだけであればいいが、消費者を巻き込んで欲しくない。ただし、国民全体の資産運用ということであればこのような制度があってもと思う。委託者保護基金については、不法行為の債権を保全対象に含めることは救済制度になるのではと思う。

  • 紛議等について、事故に対する責任準備金という仕組みはある。

事務局

  • 商品先物市場に資産運用機能がある一方、損失を出している委託者がいるのも事実である。業務停止期間については金融商品取引法との並びでは6ヶ月だが、登録が必要である貸金業法は1年となっており適切かどうか、6ヶ月から8ヶ月になった途端すぐ取消しでいいのかを含め、検討の必要がある。保護基金の保全対象債権の範囲及び責任準備金制度との関係等については、過去の判例も踏まえ検討の必要がある。

委員

  • 現在、商品市場は流動性が著しく下がり、産業インフラとしての機能が失われ危機的状況にあり、今とるべきは振興策であり規制については立ち止まるべき。商品先物業界は急速に改善しつつあり、信頼性向上のため自浄作用の動きがある。また、資料5の金融庁の考え方にあるように情報へのアクセス機会の提供について、自らアクセスする場合、勧誘されて入る場合、マスコミ等から情報を得て入る場合と3つの方法があり、ルートが多様であればあるほど正しい情報を与えることになるが、それを減らす制度改正は適切ではなく不必要である。また取引所取引については各種行為に規制がかかっており、これらを踏まえると、不招請勧誘禁止については絶対に反対である。

  • 資産運用は素人にとってさっぱりわからず、プロに委託するしかない。改革途上にあり、取引員も疲弊しているというが、今までの被害を考えると不招請勧誘禁止という制度を入れることこそプロのためになるのではないか。プロはそこで自由にやってもらっていいし、やりたいと言わない人を誘わないで欲しい。

  • 9割の人が資産を失っているのが実態である。プロ市場化を目指しているのであれば、入りたい人が入りにくいイメージの悪さがある。今流れている何年か前の製品を回収するコマーシャルが真摯な姿勢として伝わるように、情報開示の仕方があるのではないか。イメージアップのためにも不招請勧誘禁止を入れればいいのではないか。商品先物は何度聞いてもわからない仕組みであり、やりたくない人を誘わないよう入れてもらいたい。

  • 委託者保護が大事なのは承知しているが、不招請勧誘禁止導入は不適切である。プロ化を目指すが、一挙にプロ化とはいかない。個人に市場が支えられており、個人を排除するとまでは言わない、というのがコンセンサスであり、プロアマ規制を導入しプロは緩和という方向にあるのではないか。現状はバランスがとれており、平成16年、18年改正で行為規制が強化されてさらに非常に厳しいものとなっている。トラブルが減ったのは取引が減ったからと言うが、平成15年と平成19年を比べると苦情件数が82.7%減ったのに対し、売買枚数では54.4%の減少であり、取引件数の減少以上に苦情が減っている。国会の附帯決議については、トラブルが解消していかない場合には不招請勧誘禁止を導入を検討するとされており、トラブルが減少傾向にあることは明らかであるため、導入を検討する要件を満たしていない。また、平成16年に適合性原則が入り会員の努力は続けられ、被害拡大を防いでいると見るのが妥当な見方であり、不招請勧誘禁止の導入は過剰規制である。
  • 海外の商品についても参入、行為規制等をかけるのは国内と同じレベルで構わないが、不招請勧誘禁止の検討はその結果を見てからでいいのではないか。

  • プロの市場化は一朝一夕では実現せず、また、現在の流動性は危機的である。取引員だけでなく取引所の存立にも危機感がある。業界浄化はかなり進んでおり、1件のクレームでも責任問題に発展する緊張感がある。先物市場の火を消すことがないよう、営業の中心になっている勧誘を完全に禁止することは避けて欲しい。

  • 不招請勧誘の禁止によって、投資家にとって情報提供、多様なサービスへのアクセスが制限されてしまう。市場にとっても多種多様な市場参加者を確保する観点から望ましくない。市場の競争力強化が必要なこと、関係者の賢明な姿勢を正そうという努力が継続されていることを踏まえれば、不招請勧誘禁止の導入には、極めて慎重な対応が必要と考えている。

  • プロ市場化するという覚悟が問われている。現在、一般委託者を勧誘している暇があるのであれば、そのエネルギーをプロ市場化に向けるのが筋ではないか。資料に対面個人営業依存のビジネスモデルから転換していくとあるが、現状は変わっていないのではないか。会員に対しての規制がどうなるかは、大きな問題とは考えていない。本当にプロ市場化に向けて業界全体が一丸として努力していくのであれば、不招請勧誘禁止の規定があろうが無かろうが個人に対し勧誘する行為がなくなるのではないか。プロ市場化と言っているが、従来のビジネスモデルでいこうというイメージを受ける。

  • 現在の日本の先物市場の現状を把握しているのかと感じる。以前の法改正時にもプロ市場化に向けて努力していると言っていた。個人的には、現在の先物業界を解体して、出直すという覚悟がないと良くならないと考える。そのためにも不招請勧誘禁止が必要と考える。
  • くりっく365が栄えているが、旧金融先物取引法で不招請勧誘禁止が入っていた。その上で、比較的まともと思われる取引所取引だけは解禁されている。プロ市場化への覚悟が問われているというのは、同意見。強い決意を持つのであれば、不招請勧誘禁止の導入は絶対不可欠だと思うし、外国市場に負けてしまう。

  • 個人的には、不招請勧誘禁止を入れるべきかどうか揺れている。プロ・アマ規制の話があり、商品市場が資産形成する方法の一部であるのは分かる。ポートフォリオを多様化することにより、色々なリスクが軽減されるケースもある。・金融の方で、ラップ口座での手数料稼ぎがあるかは分からない。IBについては、良いIBや悪いIBがいると思う。セールスプラクティスは別にして。クオリティーの問題。それを選ぶリテラシーがある人は、十分やっていっても構わないと思う。プロに近い人たちには、比較的オープンにしても良いと思う。一方、アマにはそれなりの規制をかけるべき。
  • 個人的には、再勧誘禁止の規制がこのままで良いかはわからない。個人で証券取引を行っていて信用取引ができる人は8%~10%程度だと思う。アメリカで個人が商品・金融取引を行っているのも、同じかもしくは少ないかもしれない。大きく構造を変えようとすると、その商売が一瞬なくなることがあるかもしれない。

  • 不招請勧誘禁止を導入すべきか迷っている。市場を良くして行こうという効果は出てきていて、ミニ金には苦情がほとんど起こっていないと聞いている。不招請勧誘禁止を入れれば苦情はなくなると思うが、同時に市場が弱ってきている中で、来年新システムを入れて株式会社化するなど前向きなことを行っている中、不招請勧誘禁止を入れてしまうと市場が無くなるかもしれない。よって、いつまでに入れるとか、段階的に入れるとか、不招請勧誘禁止を入れるタイミングを検討すべき。
  • 商品先物の顧客割合は、個人が中心。東証が7割が外国人だが、商品市場は外国人が少ない。スーパースピードのシステム導入後は、外国人も多く入ってくると思われる。その後であれば、個人の投資家が入らなくても何とか市場が持つのかもしれない。

  • 商品取引員は、主務大臣の許可を受けているので透明性は確保されている。現在の再勧誘の禁止で十分に対応できている。資料にもあるとおり、トラブルは減少している。色々な審議会等で市場の改善を検討したり、振興協会の研究会等で事業者に対し市場の優位性を説明するなど、十二分に対応している。

  • プロ・アマ規制の境目が難しいと前回の審議会での意見があったが、商品取引を望まない人に勧誘しない仕組みがすっきりしている。プロ・アマ規制よりも個人で商品取引をやりたい人が自分で調べて商品先物取引に入っていく市場にならないと今までの議論がすっきりしない。苦情が減っているのは分かるが、処分の中身をみると再勧誘があったり、今でも悪質性は高い。やはり、最初に規制をかけてこそ、安心できる市場になるのではないか。

  • 当時附帯決議を作成した議員に確認したが、国会の付帯決議は「トラブルの解消」であり、「減少」ではない。現在も解消にはほど遠い。金融商品取引法の議論ときに、不招請勧誘禁止とアクセス制限の話があった。金融庁の話の中で適合性原則をおよそ期待できない場合は、不招請勧誘禁止が必要であるとあるが、適合性原則を遵守できない取引はやらせてはいけない。金融商品取引法の時の金融庁の解釈は、それなりに合理的に理解しなければならない。
  • このときの金融庁の解釈では、レバレッジ性が高いこと、執拗な勧誘、利用者の被害発生の3つの要件を掲げているが、先物取引そのもの。従って、国内も海外もロコ・ロンドンまがいも不招請勧誘の禁止が必要と考える。

  • 附帯決議のトラブルが解消していかない場合とは、一時点ではなく、傾向を言っているのではないか。また、ロコ・ロンドンまがい取引と国内を一緒にするのは、おかしいのではないか。

  • 共通認識としてビジネスモデルをいずれ転換しなくてはならないことははっきりしている。他の研究会でもそうであるが、スピード感をどれぐらい意識されているかが試されている。今すぐ全部変えてしまわなければならないとして不招請勧誘禁止を入れてしまうという考え方もあるが、そうではなく、徐々にいろんな形で改善していき、ソフトランディングするという考え方もある。
  • マネージドフューチャーズを利用している人は市場がなくなると困るのではないか。
  • リテラシーの広め方の手段として勧誘が必要かどうかを、取引経験があるのかないのかで見るかということも議論する必要がある。
  • 業界の努力は引き続き必要。ビジネスモデルの転換時に不正が発生しトラブルが増加すると改革も意味がなくなる。バランスの良い規制、過剰にならない規制かつ必要な規制が必要である。

以上

 
 
最終更新日:2008年11月12日
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