経済産業省
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産業構造審議会商品取引所分科会(第7回)-議事要旨

日時:平成20年11月12日(水)10:00~11:30
場所:経済産業省本館2階西8共用会議室

議題

  • 商品市場の利便性の向上及びその他の論点

出席者

委員:
荒井 史男 日本商品先物取引協会会長
大河内美保 主婦連合会副会長
尾崎 安央 早稲田大学大学院法務研究科教授(分科会長)
加藤 雅一 日本商品先物振興協会会長
久野 喜夫 FIAジャパン理事
佐藤 広宣 株式会社カーギルジャパン穀物油脂本部穀物グループ統括部長
高井 裕之 住友商事株式会社理事金融事業本部本部長
多々良實夫 日本商品委託者保護基金理事長
津谷 裕貴 日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員
南學 政明 東京工業品取引所理事長
平井 茂雄 新日本石油株式会社常務取締役
福田 眞 モルガン・スタンレー証券株式会社会長
唯根 妙子 社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会常任理事
渡辺 好明 東京穀物商品取引所理事長
(以下の4名は欠席)
池尾 和人 慶應義塾大学経済学部教授
上村 達男 早稲田大学法学学術院長
中島 敬雄 株式会社みずほコーポレート銀行常務執行役員
家森 信善 名古屋大学大学院経済学研究科教授

事務局:
農林水産省 大山商品取引監理官ほか
経済産業省 寺坂商務流通審議官、大下大臣官房審議官、安井参事官、小山商務課長ほか

議事概要

事務局からの資料説明

  • 資料3「商品市場の利便性の向上及びその他の論点(案)」

意見交換

  • 取引所の競争力の強化及び利便性の向上の観点からもOTC取引におけるクリアリング事業は必要である。現行の法令によりJCCHの付帯業務として読めないのであれば法制的な手当が必要である。
  • 競争力強化のためには上場商品の品揃えを増やすことが必要であり、排出権の取引市場は生産・流通に直結する重要な産業であり商品取引所に上場して一翼を担いたい。電力などの無体物も上場できるようにしてもらいたい。
  • 国際競争力に打ち勝つためには経営上の迅速な意思決定は必要である。上場商品の規定を定款から業務規程に移すことは大歓迎である。取引時間などの軽微な変更を認可対象から除外することは賛成であり、何限月制の件についても認可対象から除外するようにしてもらいたい。
  • 上場商品の本上場要件である「十分な取引量が見込まれること」は、上場してみないと分からないところがあるので弾力的な規定内容としてもらいたい。
  • 委託者の利便性の向上のためにも、証拠金の代わりに銀行などによる債務保証は有利である。また、石油市場に石油の大手元売が入ってきたこともあるので、自己取引にも銀行などによる債務保証が適用となるようにしてもらいたい。
  • 上場商品の自由度を高めるように届出制又は自動認可制度を是非導入してもらいたい。また、上場商品の自由度がないとOTCの入口のところに食品メーカー、出口のところで酪農製品というように入口と出口に自由な品揃えがないとOTCの意義が薄れる。
  • 試験上場制度は上場を円滑にするという基本理念に立ち返り設計してもらいたい。新たな市場開設するのではなく既存商品市場に追加するのが筋ではないか。
  • 10月から石油元売と特約店の卸価格は東工取の価格に連動する制度しており1ヶ月が経過しているが、軽油を再上場、OTCのクリアリング、証拠金に代えた銀行保証及び石油のオプションを上場してもらいたい。
  • オプションの上場は各取引所の判断でできるようになっている。
  • 軽油の再上場の話があったが、引取税の関係で総務省等の関係もあるが何とか実現したい。
  • オプションは金だけ、出来高もかんばしくないが、来年の新システムの稼働時期に向けてサーキットブレーカー制度及びマーケットメーカー制度導入等と合わせて検討する。
  • OTCはカウンターパーティーリスクなどの見えないものが多い。OTCのクリアリングは公共のためにもなるので制度を高められるように検討すればいい。
  • OTCは客のニーズに合わせてテーラーメードできるところが最大の利点なので、OTCの解禁条件がクリアリングをとおすことを前提条件にすることは避けるべきである。画一化されたものしかクリアリングの対象とならないのでは、利点をつぶしてしまう可能性もある。
  • 我々がクリアリングハウスにお金を預けるときは、クリアリングメンバーの構成、リスクマネジメントの内容、システム及びカバナンスの内容が重要になってくるので、OTCのクリアリングの話は、OTCの解禁と併せてクリアリングの機能強化も取り組まなければならない。また、証拠金の代わりに銀行保証ができるように緩和するとしても、何らかの担保措置やどこの銀行のギャランティーであれば大丈夫かなどのノウハウが必要になってくる。
  • コモディティーのデリバティブ取引は国際的に行われており、欧米の先物グループが国籍を問わずM&Aをしている実態にあり、今後アジアの市場でM&Aを阻害しないように商品取引所法を改正して持株比率を50%以上にすることは評価する。
  • 排出権とはカーボンの派生商品ことなので、工業品に根ざした排出権を上場できないのはおかしな話。今年に入ってOTCで排出権の取引が増えているので取引所で排出権の現物及び先物を上場すればニーズはある。エネルギーを排出している企業にとっては投機・投資ではなく買わなければならない状況になるので極めて高いヘッジニーズがある。
  • 天候デリバティブは、現行法では商品取引所に上場できない。海外の取引所では電力、天然ガス、石油、排出量、天候デリバティブはワンセットとなっておりこれらは全てエネルギーに起因する。夏場が暑いのか寒いのかで電力の需要は上下するので、この場合の電力をつくるための原料はCO2エミッションに応じて石炭又は天然ガスなどに決まってくるので、電気とCO2エミッションはワンセットである。
  • 会員資格の緩和については、小規模なプロップは純資産額の規制があるので参入が厳しい。小規模のプロップであっても流動性を提供できるように要件を緩和してもらいたい。
  • OTCのクリアリング事業はJCCHの付帯業務として行うことは可能なのか。
  • 商品取引のプロ化促進の観点から、上場商品が増えることはいいことである。ただし、プロだけではなく、アマも誘いやすくすることは、よいとは思わない。例えば、米を上場し、農家に商品取引を勧めることは好ましいとはいえない。一般個人を商品取引に誘いやすくすることは問題である。排出量取引はよいことだと思うが、一般人など直接関係ない人を、環境にいいです、などと言って誘うのはよいことではない。上場商品を増やすことに比例して、不招請勧誘の規制を大きくするべきだろう。会員資格の増加については、ローカルズのいろいろな立場の人を増やすことは、いいことだと思う。
  • 米は商品取引になじむものである。プロの農家を価格、天候、在庫などリスクにさらしたままであることは、国策としても間違っている。米の商品先物取引には零細農家は入ってこない。零細農家はOTCから金融機関につなぎ、その金融機関が商品先物取引に入ってくることが筋である。アメリカでも直接、商品取引所につないでいる比率は少ないのである。いろいろなツールがあって初めて、プロ農家ができる。
  • 商品先物取引を必要とする農家はどのくらいいるのか。先物ヘッジしなければならない農家は少ないだろう。また、米は価格が決まっている。実際は、農家にガソリンの商品先物取引を誘っている。理想論はわかるが現実を見るべきであり、弊害が予想される。
  • 農家ではなく、農業経営者のことを言っているのである。まともなプロ農家の人のことを言っているのである。兼業農家のことではない。経営があって、総生産があって、農村がある。こういうことを考えないといけない。日本の全部の農家が零細で、構造転換が進まないと、日本農業が自滅してしまう、とかねてから主張してきた。
  • この議論は米生産についてのインフラ整備のこと。インフラ整備として何が必要か、ということ。
  • 上場商品が増えることは、重要なポイントである。プロ化を進める意味でも大変重要である。排出量取引、電力や天候商品、海上運賃などを総括的に上場しておいていただきたい。かつ、上場は簡素な方法でできるようにしてもらいたい。商品取引所が株式会社化し、株式会社で検討して結果を出したにもかかわらず、いろいろな規制があり、なかなか上場できないということでは、グローバルスタンダードにも満たない。総合的に検討をしていただきたい。オプションは、現物マーケット、商品先物マーケット、オプションマーケットというように完結することが、一つの総合的な考え方である。プロ市場の観点からも、オプション取引が使えるようにしてほしい。商品取引員という名称については、商品先物取引会社等としていただきたい。歴史的なものであり、今は複合的な株式会社形態になっている。
  • プロップハウスやヘッジファンドが、参入する際の財産要件等は、クリアリングハウスのメンバーや市場参加者とは分けるべきである。やはり、リスクは異なるのである。市場参加者だけであるとするならば、つまりダイレクトにアクセスするならば、柔軟に考えるべきであると考える。海外の例では、電子市場には誰でもアクセスすることができる。クリアリングブローカーが、ギャランティすればできる。そのメンバーであるか否かで、昔ではゴルフの会員権のようなマーケットアクセス権である。持っていることにより、アクセスしたトレードの取り扱いが異なる。そういったことを考えると、財産要件はクリアリングハウスのメンバーなのか、それとも市場参加者だけなのかによって分けるべきであり、市場参加者のみであれば柔軟に考えなければならない。
  • 主要株主制度について、たたき台では海外の商品取引所が51パーセントは持てるのか。
  • イメージ図は、大まかに書いてある。あくまでも案であり、今後議論をして決定していきたい。本案では、国内でも海外でも持株会社の形態をとるのであれば50パーセント以上持てる。
  • 現状相互乗入れしていくと、商品取引=商取法、金融商品取引=金商法となり、そのままでは業者や商品取引員のコンプライアンスが重複に係るコストをよく吟味し、できるだけ重複は避けるべき。将来的には統一できればいいと思う。もし、そこまで踏み込むことができないのであれば、少なくとも将来的に統一するという野望くらいは書いておいてもよいのではないか。商品取引をやる者、ブローカーである者、メンバーである者、それぞれのコストが重要であり、最終的にはお客さんに回ってくるのであるから、できる限り重複をなくす必要がある。そのために、できれば一つの法律等を掲げておくべきだと考える。
  • 取引所に係る諸規制について、規制の事後化を積極的に強く進めていただきたい。取引所や取引員は、国際情勢に敏感でスピード感を持った対応を進めていかなければならないと考えている。できるだけ事前規制をなくし、問題があれば事後規制で対応することを一般的にしていただきたい。特に、試験上場等の新規上場では事後規制、原則自由を認めていただきたいと強く考えている。
  • 商品取引員の名称変更には、例示されている名称の方が分かりやすくなりよいと思う。規制緩和については、先行きの見えない暗い世相は、規制緩和を進めてきた結果ではないかと言われている。この規制緩和、利便性の向上は先行きどうなるのか不安だと素人としては感じてしまう。皆さんの議論を聞いている。自信を持って規制緩和をし、きちんとした商品取引所の在り方ができるのであれば、異論はない。
  • プロの市場整備として、国際水準にあわせたということで早期に整備されるべきであると思うが、消費者被害をみている者として、規制緩和により悪質業者が参入してしまう隙間を作っていただきたくはない。その点だけは、整備する上(事後規制だけではなく)で考えてほしい。また、取引員というのは個人と混同しやすいので、名称を変更することは賛成である。
  • 株式を所有する者のイメージのところで、専ら取引所が所有する持株会社と説明があったが、海外の場合も持株会社形態が多いのか。それも、専らといえるのか。また、専らがない事例があればどのようなものがぶら下がっているのかを分かる範囲で教えてもらいたい。
  • 海外は、参考資料【参考1】にあるとおり取引所同士のM&Aが進んでいる。国を超えている場合や、現物の証券と金融先物・商品先物まで含めた形態まで存在している。規制等も緩やかになっているのではないかと考えている。また、【参考3-2】の注意書きにあるとおり、金商法では金融商品取引所及び持株会社等(全て国内)は適用除外となっているために許可等は必要となるが、51パーセント以上を所有することが可能となっている。
  • JCCHは大臣の認可があれば、OTC取引のクリアリングができ得る。
  • 【参考3-1】のイメージについて、政令で指定することにより海外の商品取引所が国内の商品取引所の株を取得することができるとあるが、この政令指定とはどのようなイメージ(基準)を想定しているのか。これからなのかもしれないが、金商法などである程度類推できるのかもしれないので、教えてほしい。
  • 金商法の政令指定では、すでに地方公共団体とは規定されているが、他に定めるものについては、現在パブリックコメントがされているのでそれが参考になる。
  • 主として、取引所まわりを議論してきたが、商品市場の利便性の向上等について、論点の洗い出しはできたのではないか。国際競争力等の強化を図るのであれば、厳しい規制(従来)を緩和(撤廃ではない)する必要がある点については、反対はなかったと思う。
  • 取引所が効率化し、国内外の取引所と連携を可能にする方向性から、取引所はグループ経営を想定した法整備をする必要がある。どのような方向性(子会社化等)になるかは、今後検討することになるが、グループ経営を目指したときに法律が邪魔してしまうことになってはいけない。また、相互乗入れについては、取引所経営の基盤強化・利便性の向上に資するものである。この点については、今年中に方向性を示すべきではないか。
  • 上場商品の在り方については、海外では温室効果ガス(排出権等)も範囲に含む取引が行われている。さらには、無体物(エネルギー等)まで範囲を拡げるべきという意見もある。現行法では、物品となっているところで障壁となるのかどうか。
  • 株式会社化された取引所が、機動的に意思決定を行うことができるためには、定款事項を業務規程にすることはできないかという部分も大きな問題である。規制緩和をしたら終わりではなく、最終的に主務大臣の監督がある。商品取引員の名称変更は、異論はなかった。本日、事務局から提示された論点については、特段の異論はなかったと考えている。

以上

 
 
最終更新日:2008年11月18日
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