経済産業省
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産業構造審議会商品取引所分科会(第8回)-議事要旨

日時:平成20年11月27日(木)10:00~12:00
場所:経済産業省別館11階第1120共用会議室

議題

とりまとめについて

出席者

委員:
荒井 史男(日本商品先物取引協会会長)
池尾 和人(慶應義塾大学経済学部教授)
大河内美保(主婦連合会副会長)
尾崎 安央(早稲田大学大学院法務研究科教授)(分科会長)
加藤 雅一(日本商品先物振興協会会長)
久野 喜夫(FIAジャパン理事)
佐藤 広宣(株式会社カーギルジャパン穀物油脂本部穀物グループ統括部長)
高井 裕之(住友商事株式会社理事金融事業本部長)
多々良 實夫(日本商品委託者保護基金理事長)
津谷 裕貴(日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員)
中島 敬雄(株式会社みずほコーポレート銀行常務執行役員)
南學 政明(東京工業品取引所理事長)
唯根 妙子(社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会常任理事)
渡辺 好明(東京穀物商品取引所理事長)
(以下の4名は欠席)
上村 達男(早稲田大学法学学術院長)
福田 眞(モルガン・スタンレー証券株式会社会長)
平井 茂雄(新日本石油株式会社常務取締役)
家森 信善(名古屋大学大学院経済学研究科教授)
事務局
農林水産省:大山商品取引監理官ほか
経済産業省:寺坂商務流通審議官、大下大臣官房審議官、安井参事官、小山商務課長ほか

議事概要

中小企業事業者等から見た商品先物取引について

河本 博隆全国石油商業組合連合会副会長・専務理事

  • 10月1日から東工取の価格に連動する石油の卸売価格方式がスタートしたので、石油販売業界においても商品先物について勉強することが必要との認識が高まっている。商品先物は使い方によってはリスクヘッジが可能となるので中小企業にとっても有用な手段だと感じている。商品市場が潜在的需要に合致したもとなればと考えているが、現在、軽油が上場されていない。先日も自民党での会合において軽油価格だけどうして高いのかとの質問を受けたので、軽油が先物市場に上場されていないからだという旨答えたが、商品先物の優位性は認識している。
  • 現状では商品先物はイメージが悪く、怖いという印象を拭えないし、石油業界の我々が商品先物のことを理解できていないのが現状である。リスクヘッジ機能など商品先物の仕組みについて、とりわけ中立的な立場の方から分かりやすく説明していただく機会を設けてもらいたい。
  • 商品先物の利用として、現物取引と先物取引とに分けて述べたい。まず、現物取引についてだが、現物ニーズはあると感じている。原油価格が下落しガソリン価格がピーク時から55円下がっており、現在でも毎週下がっている。消費者にとってはいいことだが、石油販売業界は過当競争体質であり、そうした中でリスクヘッジについて関心があるし、先物市場で現物を手当てしたいというニーズもある。
  • 現物を手当てする場合の課題として、まず、商標権問題がある。石油販売業者は石油元売と特約販売契約を結んでおり、系列取引による縛りが強い。例えば、新日本石油系列のガソリンスタンドであれば、自社の系列品を仕入れることを前提に、元売は品質責任を持つし、系列外の製品については品質責任をもてないということになる。
  • 先物市場から手当てした製品について責任持てないとなると手当てするのが難しくなる。これまでも、業転玉を仕入れて販売をしていた業者が元売りにマークを取り上げられて訴訟になったケースもある。商標権について法律的観点から整理してもらえると先物も使いやすくなるので、商標権について検討してもらいたい。
  • もう一つはタンクの問題である。SS業者自らタンクを持っている業者は少ない。SSの地下タンクの容量はガソリンで平均30kl程度であり、東工取の受渡し単位は100klであるので、手当てしても保管することができない。共同でタンクを持つなりできればいいが、保管しやすい単位にしてもらうとやりやすい。
  • 先月、欧州調査に参加してICE他視察してきた。また、タンクヤードを見てきたが、ロッテルダムのタンクヤードは日本と比べても大きい。日本の商品先物が差金決済だけでなく現物でも活性化させようと考えているのであれば、タンクの在りようについても、この産構審の場で検討するとともに、エネ庁と商務課とで協議してもらいたい。
  • 価格操作は懸念している。(納会)直前になって価格の変動が激しく操作されているのではないかというイメージがある。そんなことはないと立証してもらえれば有り難い。先般の欧州調査でも、訪問先では異口同音に、商品市場には、流動性、透明性及び安全性という3つが大切であるとの発言があった。わが国においても、このような商品市場であれば中小企業者としても参加しやすくなると考えている。

意見交換

  • EUでは先物市場を利用しないのが経営上のリスクがあるという考え方に対して、日本では商品先物をやること自体が経営上のリスクがあると考えられており、大きな違いがある。石油業界から商品先物に係る説明の要請があれば我々としては繰り返し説明をさせて頂く。価格操作を立件するのは難しいが、スマ-ツを導入して最善の注意を払ってコンピューター管理している。商品市場の流動性は大切なので中小企業にも是非参加してもらって流動性を高めて頂きたい。

  • 先の説明にもあったとおり、商品先物のイメージが悪い、何度も説明を受けても分からないとのこと、業界の方でもこうなのだからこの部分は押さえておくべき点である。現受けの話でタンクの件がでたが、先物で現受けは希なものなので、商品先物が理論的に役立つのは分かるが、理論的な方向と実態には少しズレがあることを感じた。

  • 理論と実態に違いはないと感じている。事業者が先物を利用するとそうなるわけで、現物ニーズとの関係はまさに理論どおりになると感じた。

  • 中部取の受渡しはタンクローリーで行っているが、当業者の仕入れとして利用されており受渡高は増加していることを報告しておきたい。

  • 取引所は相場操縦を防ぐために取り組んでいるが、コンピューターで管理していても疑義があるからといって立会を途中で止めることは現実的に不可能なので、アクションを起こすまでには時間がかかる。摘発はちゃんとされていることによって抑制されてくる。海外を例にとっても、市場監視はリアルタイムで抽出しているが立件するまでには時間が掛かるのが現状である。
  • タンクなどの問題があって現物受渡しが困難なのであれば、OTCを利用すればプレミアムという保険掛け金を支払うことで、中小の事業者がガソリンを売りながらマーケットをチェックしなくて済む。OTCが周辺にあって中心に取引所が存在することを感じた。

  • 石油市場に軽油も含め一連の製品が揃っていた方がリスクヘッジしやすいのか。

  • 軽油を利用するのは主にトラック業界だが、軽油価格がガソリンに比べて下がっていないという意見があるように、軽油価格については敏感なところがある。また、軽油は脱税の話もあるので簡単にはいかないが、上場されていた方がいいと感じている。

  • 東工取にも元売り業者から石油の品揃えを増やしてくれとの話を頂いている。現在知恵を絞って軽油を再開できるように取り組んでいる。A重油も揃えられればと考えている。

  • 軽油は世界的に不足しており、アジアでもニーズが高く価格もそちらに引っ張られる。東工取もシンガポールとかと連動する価格になるように、世界的視野で価格決定されていく格好になっていくのではないか。

  • 現物受渡しは商品先物には重要なものである。先物市場は現物の価格に影響を受けて収斂するので、受渡しができるようにインフラを整備してルール作りをすればいい。過去にはあまり受渡しをしないでとのニュアンスもあったが、最近では受渡しに参加してもらいたいとの声に変わってきた。先物市場で受渡しも積極的にしていくべきだと考えている。

  • 先物市場のイメージは悪いのは理解している。先物を理解して市場として機能していくためには、市場の厚み、商品のラインナップが大切なので上場しやすいようにしてもらいたい。使い勝手がいいように取引所にも努力してもらいたい。

  • 当業者が証拠金又は書類とか使い勝手のよさについて、利便性を向上させるための声はあるのか。

  • 証拠金は現金しか認められていない云々の話は先物をやり始めた後の話であり、それ以前の問題がある。堅実に経営している業者が参加できるような環境整備が必要であり、多くの業者が先物は博打じゃないかという印象をもっているのが現状である。何でもいいから先物に関心を持ってもらって、そこから話をしないといけない状況だ。

  • ニーズのある当業者への説明など、これまでプロ・アマの議論で取り上げたことの大切さを改めて認識した。

資料3「産業構造審議会商品取引所分科会とりまとめ骨子(案)」事務局から説明

意見交換

  • これまでの議論がバランスよくまとめられているが、お願いしたいことが3つある。4頁の「(5)取引所の兼業規制の緩和等」のところに、OTCクリアリング兼業のことを明記してもらいたい。
  • 5頁の「(9)その他取引所に対する諸規制の合理化等」のところで、定款記載事項から業務規程記載事項に変更することについて迅速な株主総会を開かずに迅速な意思決定ができるので評価しているが、主務大臣の認可を要しない業務規程の一定の軽微な変更については、取引時間などしか記載されていないので何処までやれるのか不安である。取引所の競争力を上げるためにも主務大臣による認可は最小限にしてもらいたい。取引所では値幅制限、証拠金の設定及び建玉制限について自主的に判断しているように、限月の設定及び受渡しの規定等についても認可の対象から外してもらいたい。
  • 7頁の「(2)規制の柔構造化」のところで、知識・経験・財産を有すると見られるプロに対して、活発に先物を利用してもらうための大胆な行為規制の緩和は評価したい。

  • 1点目は、店頭商品先物取引について。店頭商品先物取引は国内の11商品のみ認められているが、海外では規制されていない。海外においては商品の上場が活発になされており、有効に機能している様子。今回の法改正によって商品取引所法と一本化すると、店頭商品先物取引にも規制がかかるため、流動性が低下するおそれがある。ご配慮願いたい。
  • 2点目は取引所における新規上場について。取引所の経営が成り立つためにも、商品の新規上場をしやすい体制が必要であり、そのためには商品の上場に関する規制緩和をお願いしたい。ザラバ取引は様々な可能性を引き出すと考えられる。そのためにも素早く上場できる環境を整えて欲しい。
  • 3点目はプロ顧客に対する一任売買について。商品取引員の許可に加え、商品投資顧問業の許可を得た者でなければ一任売買を行うことができないとしているが、プロを相手にするのであれば商品投資顧問業の資格は不要ではないか。条件を緩和してよいと考える。

  • 1点目は取引所の品揃えの多様化について。以前の審議会において、取引所における上場商品の多様化について要望したが、骨子案ではその回答になっていない。再度強く要望する。商品を上場し、結果が思わしくなければ取りやめればよい。取引所の自由度を高めて頂きたい。
  • 2点目は試験上場制度について。試験上場の機能を十分に発揮できるようにして頂きたい。既存市場に試験商品を追加できるようにするのが望ましいと考える。
  • 3点目は店頭商品先物取引について。現在の店頭商品先物取引について農産物は認められておらず、今後対象となる商品は慎重に検討すべきと考える。アメリカにおいても農産物については慎重な姿勢を取っている。商品先物取引と相互補完の関係となるようにし、流動性が高まるように整備していただきたい。

  • 1点目は「急減」という表現について。「国内先物取引については、苦情・相談が急減」という表現がある。確かに国民生活センターのデータを見れば減少してきているが、この表現では不招請勧誘の禁止の導入は不要であるととられてしまう。日弁連110番や裁判における状況を考えればとても「急減」と言えるものではない。判例で見ると、平成18年度に64件、平成19年度は37件あり、その全てが商品取引員の違法性を認めている。
  • 2点目は商品先物取引仲介業について。そもそも導入自体が疑問であるし、登録制というのもおかしいと感じる。海外の市場に取り次いでしまえば現在問題となっている海外先物取引と同じになってしまい、また先物取引のイメージが悪化する恐れが強い。せめて許可制に変更するなど、再検討していただきたい。
  • 3点目は不招請勧誘の禁止の導入について。政令において指定すると言うが何を指定するのか分かりにくい。また法改正の際の附帯決議において、「トラブルが解消しない場合には不招請勧誘の禁止の導入を検討すること」となっているが、海外先物取引におけるトラブルが増加している現状を考えれば、導入を見送るのは矛盾しているのではないか。せめて海外先物取引についても政令指定すべきである。
  • 4点目は自主規制について。商品取引員の自主規制については日本商品先物取引協会が担っているはずであるが、きちんと機能しているのか疑問。法令違反を犯したときに、それに見合う制裁を加えていないのではないか。判決で商品取引員の違法性が認められているにもかかわらず、制裁を行っていない。日本商品先物取引協会が商品取引員を甘やかしている状況となっている。がんばって欲しい。

  • 苦情についての件数は、減っていると認識している。IB(商品先物取引仲介業)については、この提案でよいと思う。IBについては、ファイナンシャルプランナー等の参入を想定しており、マーケットにも有効だろう。登録制については、受託は商品先物取引員なので、責任の所在はしっかりしており、提案通りでよいと思う。
  • 不招請勧誘について、商品先物取引と海外先物取引との一本化を考えている中、ロコ・ロンドンまがい取引絡みについては、問題であり、規制すべきだと思う。海外先物取引については、一本化し、国内と同じ規制となり、今までのと違ったものになる。不招請勧誘禁止の導入はよいと思う。ひとつ質問がある。ラップ口座のところの、「一定のプロ顧客」とは、どのような内容か。

  • この提案についてはよくまとめたと思う。トラブルの「急減」は違うという意見があったが、3年間に1/5となっており、これは「急減」でよいのではないか。裁判の判決の話があったが、判決は時期的にずれるものであり、見方としては一面的であると思う。
  • 海先業の行為規制は現在の商品取引法と同程度に厳しくなることもある。熟慮期間規程、クーリングオフのようなものは必要なのであろうか。
  • 自主規制ついては、枠組みはこれでいいと思うが、どういう規制かは、ビジネスモデルなどの実態をふまえて、考えてゆきたい。
  • 不招請勧誘禁止導入の法の枠組み作りは非常に大ききな出来事。この枠組み作りはやむを得ないことだと思う。トラブルの推移を見て対応してゆくべきだろう。
  • 制裁規程については、使われていないとあったが、これからの問題としてとらえてゆきたい。判決で敗訴しても発動されていない、とあったが、判決情報も会員等から伝わるような体制にしてあり、さらに善処してゆきたい。

  • 海外先物取引のトラブル件数は減っているという印象は持っていない。今回、プロ・アマ規制を取り上げてくれたことはありがたく思っている。商品先物取引と海外先物取引とを一本化するという話であるが、クーリングオフの仕組みがなくなってしまう。それで大丈夫かなと不安に思う。アマの方の仕組みを考慮していただきたい。

  • 不招請勧誘禁止の導入が商品先物市場の信頼性を高めると思う。被害が起きない仕組み作りが大事。不招請勧誘で成り立っている市場は不健康だろう。この提案は問題先送りという感がある。特に年金生活者は悪質業者のターゲットになっており、この仕組みを改めないと、商品先物取引のイメージ向上にはつながらない。

  • トラブルを出さない、ということについて本気度が問われている。トラブル急減とはほれられた話ではない。ゼロ化ができないことが問題だ。提案の商品先物市場を巡る環境についての記述は、受け身のように思う。「競争」という言葉がなくグローバル化の中で競争している、という意識が感じられない。勝ち抜こうという意思が見られない。

  • 先ほどの全国石油商業組合連合会の河本さんの話にあったが、商品先物取引はリスク管理に役立つという認識が大事。情宣活動のようなものを当業者にやってゆく必要性を感じた。この提案はよくつっこんでまとめていると思う。当業者が意味のあるものにしてゆくことが大事だ。

  • 先ほど話に出た、トラブルゼロ化についてはしかと受け止めた。新たな取り組みをしてゆきたい。会員特別指導プログラム等を実施し、一層のトラブル解消に向け、取り組みたい。

  • 先ほど質問のあった、「一定のプロ顧客」については、金融商品取引法で言う、「プロ顧客」と言うことを考えている。

  • 今までの意見にあったように、制度見直しや情宣活動をやっていかなくてはならないと思った。商品の上場のあり方も適切に対応して行きたい。事務局とともに本日の議論を踏まえて報告書案を次回までに作成し、提示することとしたい。

  • 潮流の変化と協会の取組について(日本商品先物振興協会)説明。

  • トラブルゼロ化に取り組んでゆくとあったが、今の資料に不招請勧誘禁止の導入が入っていない等、本当にやる気があるのか疑問。

以上

 
 
最終更新日:2008年12月8日
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