経済産業省
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産業構造審議会商品取引所分科会(第9回)-議事要旨

日時:平成20年12月11日(木)10:00~12:10
場所:経済産業省別館11階第1120共用会議室

議題

「産業構造審議会商品取引所分科会報告書(案)」について

出席者

委員:
荒井 史男(日本商品先物取引協会会長)
池尾 和人(慶應義塾大学経済学部教授)
大河内 美保(主婦連合会副会長)
尾崎 安央(早稲田大学大学院法務研究科教授(分科会長))
加藤 雅一(日本商品先物振興協会会長)
久野 喜夫(FIAジャパン理事)
佐藤 広宣(株式会社カーギルジャパン穀物油脂本部穀物グループ統括部長)
高井 裕之(住友商事株式会社理事金融事業本部本部長)
多々良 實夫(日本商品委託者保護基金理事長)
津谷 裕貴(日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員)
中島 敬雄(株式会社みずほコーポレート銀行常務執行役員)
南學 政明(株式会社東京工業品取引所代表執行役社長)
平井 茂雄(新日本石油株式会社常務取締役)
福田 眞(モルガン・スタンレー証券株式会社会長)
唯根 妙子(社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会常任理事)
渡辺 好明(東京穀物商品取引所理事長)
(以下の2名は欠席)
上村 達男(早稲田大学法学学術院長)
家森 信善(名古屋大学大学院経済学研究科教授)
事務局:
農林水産省:大山商品取引監理官ほか
経済産業省:寺坂商務流通審議官、大下大臣官房審議官、小山商務課長ほか

議事概要

「日本商品先物取引協会の委託者保護に係る取組み」(資料3)について

荒井史男(日本商品先物取引協会会長)から説明

意見交換

  • あっせん・調停のため、国民生活センターから先物協会にまわすときに戻ってきてしまう場合がある。委託者がよくわからず、あきらめてしまう方がいる。人選について消費者問題に詳しい人が入らないといけない。
  • ADRについては認証を取るという理解でよいか。時効の中断の関係もある。
  • ADRは現状を踏まえ取り組む必要があるということ。取る方向で考えるが、要件が備わっているのかどうか。今の日商協のあっせんの手続きだけで取れるかどうかは法務省との関係もあるので、検討してまいりたい。
  • 人選について、あっせん・調停の仕組みにおいて、委託者保護に配慮された仕組みである。委員については、いろんなADR機関があるが、例えば労働委員会などは、労働問題については専門家を外すということもある。日商協は両方の意見を聞けるか検討し、引き受ける際は日商協の仕組み等について勉強していただいているが、委員の言われたことを踏まえ、人選を検討していきたい。
  • 国民生活センターのデータで1/6となっているが、日商協独自のデータについて聞きたい。
  • 不招請勧誘の禁止について、国内公設、海外について自主的にやる気があるのかどうか。
  • 意見だが、確定判決について、公表して制裁とあるが、シロとならなかったものについて、クロとする規程が日商協にあるはずで、確定判決が出ればそれを尊重すればいいのではないか。
  • あっせん・調停の委員について、もう少し委託者側のことがわかる人を入れてもらいたい。
  • 日商協は委託者側の自主規制機関と思うが、理事の構成や主要な委員会の委員長が取引員側となっている。主要な委員会には、委託者側の委員を入れることも検討してもらいたい。
  • 日商協のデータについては、苦情は2007年が197件、1999年が503件で半分以下、紛争つまりあっせんにもちこまれたものについては、1999年は555件、2007年は286件で1/5、1/6ではないがある程度減少している。
  • 確定判決については、違法行為の存在に改めてシロかクロということはないが、過失相殺の程度など事案の個別性を考えないといけない。
  • あっせん・調停の委員については、今後とも人選や、委員に勉強していただくことで委託者への理解を高めていきたい。
  • 不招請勧誘については一存では言えないが、経験から申し上げると海外先物には参入規制+行為規制が入っており、すぐに不招請勧誘を入れるのは適切ではないと思うが、組織としては、念頭に置きながら検討していきたい。
  • 理事については、現在の理事会、自主規制委員会等は、過半数が会員外ということで委託者保護に対して配慮していると考えている。
  • ADRの問題についてはこの分科会においては初めて出てきた。報告書のところでも説明するが、ADRについてこの段階で意見があれば伺いたい。ないようだが、今説明があったように、日商協はADRの認証を受ける方向で検討するとのことである。さまざまな要件があるので、この段階で取得するかどうかは言明できないということと理解している。

資料4「産業構造審議会商品取引所分科会報告書(案)」について

事務局から説明

意見交換

  • 11頁の2段落目の「・・・店頭商品先物取引によって商品の価格形成が行われないような制度設計とすることが適切である。」とあるが、この記述ではまるで社会主義国の価格統制のようであり、まるで商品先物を発展させたくないような印象を受けてしまう。経済学者としては承認することはできないので修文をお願いする。
  • 言いたいことは「商品の公正な価格形成が行われること」ということだが、書き方を検討したい。
  • この文書では「価格形成をするな」とも読めてしまい誤解を招くので修文を検討したい。
  • 8頁に「商品先物市場を個人が利用することについては、資産形成など一定の効果があり得る以上、自発的な利用は否定されるべきものではないものの、・・」とあるが、この文書の意味が不明であり、スペキュレーターに対する認識が欠如しているとしか思えない。商品先物取引はスペキュレーターがなければ取引が不成立になってしまう。プロかアマかは問題であるが、個人・法人の属性の違いは関係ない。
  • 9頁の店頭先物取引については、現在工業品だけが認められており、取引所取引の上場商品のラインナップもカバーされているが、他方、農産物については店頭先物取引は禁止されており、取引所に上場されている商品も限定的となっていることから、店頭先物取引の繋ぐ先が海外に行ってしまい、結果として国内の流動性が低下してしまうことを懸念している。このことから次の3つの選択肢が考えられる。(1)店頭先物には農産物に制限をかけるのか、(2)このような状況を容認するのか、(3)店頭先物が賑わってから国内の上場商品を柔軟に認めていくのか。
  • 15頁の取引所の品揃えの多様化のところで、排出権取引、水田・畑・森林の二酸化炭素の吸収権などは東穀取でも上場させてみたい気持ちはあるものの、現状では主務大臣の認可が下りないとダメとなっている。取引所に求められる役割とは、「我が国事業者のヘッジニーズが想定されるものについては、幅広く取引所に上場し、ヘッジの場を整備すること、」となっているが、手足が縛られてこれにかなう上場商品のすべがないのが現状である。
  • 指摘のあったスペキュレーターの部分については修文を検討したい。
  • 現状では農産物について、OTCは禁止されているが、国内取引所の非上場商品は海外も含めて直接的な規制の対象外となっており野放しとなっているので、そこに許可制を入れて実態が分かるように監督する。現状においても国内取引所の非上場商品はOTCで取引することが全くできないとは考えていない。OTCと取引所の価格形成能力を比較した場合には取引所の方が優れていると思うので、OTCが賑わうのか分からないが、店頭商品先物の許可と取引所の上場商品の認可では自ずと取扱いが異なってくると考えている。
  • 上場商品について手足が縛られていて事業者ニーズを適えることができないとの意見であるが、上場に当たっては国の政策との整合性等が図られていることが必要であり、そのような中で上場商品を考えて頂ければと考えている。
  • 米、小麦、畜産物をOTCでやってもいいということか。これらの商品は取引所での上場は認められていないが、OTCで許可をとれば堂々と取引ができるということ。
  • 基本的にそのように理解している。
  • 規制の整合性や規制のないところに規制をかけることで本当に取引を促進して流動性を高められるのか疑問であり、ものによっては大胆な規制緩和も必要ではないかと考えている。
  • 11頁の「農産品については一般的に価格弾力性が低いため、取引所外の農産品先物取引のあり方には慎重な・・」とあるが、ニュアンスは規制緩和に反対でありネガティブだと感じたが、大胆に緩和する方向でお願いしたい。
  • OTCは、「事業者のヘッジニーズや資産運用等に活用され得るものであり、経済的意義を持つ・・」とある。農産品については価格弾力性が低いが、最近では原料が高くなってきており、にもかかわらず価格転嫁する割合が低い実態となっている。事業者毎にテーラーメードで対応できるという意味でOTCは経済的な意義がある。農産品であってもOTCで取引できるように進めるべきである。
  • 29頁について、商品先物市場をプロ市場として発展させて行くことは大事であるということは共通の理解である。プロ市場化の主体は商品取引員であると考えているが、商品取引員自身も商品先物のメカニズム等に関して専門性を持った高度な能力が求められている。プロでなければ的確に対応することができない。先日、商品取引員の勧誘規制の緩和を希望する記事が日経新聞に掲載されたが、商品取引員に求められているのは資質の向上が重要であり依存度は大きいため、商品取引員のプロ化は不可欠である。
  • 9頁のところでは「使いやすい」、「透明」、「トラブル」という消極的で自信がない表現が使用されている。魅力的な商品市場を構築するという視点が必要であり、競争力の向上は魅力的に繋がる。上場商品を充実させて、様々な情報が入るようにし、海外に対するリスクマネーのアプローチに取り組むなど具体的な姿が見えないと何処に向かっているのか分からなくなる。条件が合えば海外の資金が日本にも回ってくる。取引所内と外で取引ができるようにすればいい。
  • 上記3つの目標を実現するために、現行法制度上、どこが問題かということを基本的な姿勢とした報告書となっている。制度運用上、関係者の意識が問題であるということは、ありがたい意見である。
  • 競争力強化に関しまして、東京工業品取引所は12月1日に株式会社化をした。取締役会で決議した資料を配付したので、ご覧いただきたい。また、120日間行動計画なども定めた。以上、御了知をいただきたい。
  • この報告書については、いろいろなことがバランスよく盛り込まれ、結構だと思う。一点だけ、16頁に「業務規定の軽微な変更については、主務大臣の認可を要しない」と書いてあるが、「軽微」という内容がはっきりしていない。是非、運用上、商品取引所が機動的かつ弾力的に動けるように配慮していただきたい。
  • 報告書(案)の金融商品取引所との相互乗り入れについて、14頁のなお書き以降のところ、「シナジーが期待できないことが一因である」の箇所。どうしてこういう書き方になるのか質問したい。31頁(終わりに)や29頁の関係者の役割には、クリアリングについての記述が抜けているようだ。「クリアリング機能の強化に関する研究会報告書」の工程表が示されており、これまで議論してきた、トレーディングの問題、参加者の問題またOTCクリアリングの問題、これらは全てクリアリングハウスがないと駄目なのだ。工程表には清算手数料が、1円から6円に上げると記されている。クリアリングハウスについての期待・応援あるいは方向性を示した方がよい。31頁(終わりに)のスピード感のところだが、いつ、この報告書の内容が実現できるのかということを考えたときに、政治の話もあるだろうが、ここへ来て金融危機があり、スローダウンの可能性があるが、またそのうち取り残されるという危惧もあり、できるだけプロセスを急いで、努力していただきたい。
  • 14頁では、金融商品取引所との相互乗り入れについて、それを否定するものではないことを確認してほしい。
  • 説得力が感じられない。相互乗り入れによって当業者もスペキュレーターも利益があるはずで、取引所はシナジー効果が出るように運営するものである。
  • IBについては、問題のある業者などが、IBに移行して、今までやってきたことが水の泡になってしまうのではと危惧している。プロ化進めるためのIBであるべきで、一般の委託者への勧誘はさせるべきではない。悪質な海外先物取引業者やロコ・ロンドンまがい取引業者などがIBに登録することで、直接海外市場につなぐことが認められることになってしまい、これは絶対に認められない。どうしてもIBを導入したいのであれば、商品取引員のみをIBのつなぎ先にして、その商品取引員が海外先物取引をやるというようにしないといけない。できれば、IBは、登録ではなく許可にすべき。また、法人形態のIBは認めるのか。認めるのであれば最低でも外務員と同じ資格を持たせるべき。IBへの参入が登録制ということならば、よほど厳しいハードルを設けることが必要。問題ばかり起こしている業者にも登録して認めてしまうのか。
  • 不招請勧誘禁止について、海外先物取引と店頭取引にトラブルが増えている、というのであれば、店頭取引だけではなく、海外先物取引の不招請勧誘も禁止するべきだ。
  • 熟慮期間について、適合性原則があるから役割が終わった、などということはない。この二つは両立するもので、問題は何をクーリングオフにすべきか考えるべき。ADRは積極的にやることはよいと思う。弁護士会や国民生活センターの相談会など、ADRか否かにかかわらず、苦情にはきちんとした対応をするよう、報告書に打ち出していただきたい。
  • 報告書(案)の全体としては、大変よくまとまっていると思う。
  • 今回の中心的な議題は、先物市場の流動性の確保であり、国際競争力の強化である。その関係もあり、OTCの問題について表面化してきていると思うが、基本的に店頭取引と取引所取引は相互補完的な関係にあるものである。どちらも機能していかない限り、本質的に流動性確保・国際競争力・プロ市場化にならないのではないか。
  • 取引所の品揃えのポイントについては、色々な意味で機能しやすいようにしていただかないと、機能的に整備しても具体的に実行できないのでは意味がない。
  • 取引員に求められる役割としての記述で、取引員そのものがプロ化する必要があると考える点で、さらに前へ進んでいきたいと思う。
  • IBについては、現在提案(登録制)でいいとは思うが、現在海外先物取引業者等の一部(悪質)が判明しているのであれば、登録を申請してきたからといって登録を認めるべきではない。悪質業者でないとしても、直接海外市場へつなぐということを認めてしまってよいのか。海外へつなぐことを許可されている取引員を通じて行うべきではないのか。
  • 法人格としてIBを登録するにあたり、従業員というべき者について国内取引における外務員資格的なものを設ける必要があると考える。
  • 不招請勧誘についても、海外商品先物のトラブル等が増えており、今回法律を改正し一体化的に規制をかけるためのとりまとめだと思うが、改正後にトラブルが増えるようでは大問題である。
  • 熟慮期間規定等については、商取法の中でしっかりと規制をかけていくのであれば事務局提案のとおりでよいと思う。
  • ADRについて、P.28の【P】のうち「他の・・協力など・・」はどのようなことを想定されているのか
  • IBの登録に関しては、一定程度の基準を設け、悪質業者に関して懸念される問題が生じないよう定めていきたい。
  • 従業員の資格等についても、外務員資格のような制度設計をしていきたい。
  • 直接海外の市場につなぐことは、P.12にあるとおり仲介業者は取引員からの委託を受けてとしているため、規制(対応)できると考えている。
  • 熟慮期間(クーリングオフ)の規定について、金商法では一部の投資顧問契約にしかなく、並びを考えて検討していきたい。
  • ADRの記載【P】について、相互協力ということでよいのか。
  • 自主規制団体の役割について、記述について分かりにくい部分がある。
  • 修文を検討したい。
  • 報告書(案)について、いくつかの修文の提案がされた。また、今までの審議会で意見の一致が諮られてきたが、報告書(案)に適切に反映されていない部分がなお存在する可能性がある。今日意見があった、店頭取引に関することや、相互補完関係等に関する部分を含めて、私と事務局において、報告書(案)を再度見直し修正(案)を作成したい。その後に、委員の皆様に送付することとしたい。修正(案)及び今後の日程について、事務局より説明願いたい。
  • 事務局において、早急に報告書(案)の修正を行いまして、本日夕方を目途に皆様に配布したい。修正(案)の意見について、恐縮ではありますが明日の夕方までに返信をお願いしたい。次回の分科会は、18日(木)16時から行う。

以上

 
 
最終更新日:2008年12月19日
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