経済産業省
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産業構造審議会商品取引所分科会海外商品先物取引等小委員会(第2回)-議事要旨

日時:平成20年5月27日(火)15:00~17:07
場所:経済産業省本館2階東3共用会議室

出席者

委員:
河内 隆史 明治大学法科大学院教授(委員長)
岩永 弘一 住友商事株式会社金融事業本部コモディティビジネス部長
宇佐美 洋 多摩大学大学院教授
河島 毅 日本ユニコム株式会社代表取締役社長
坂井 宏 日本商品先物取引協会副会長
津谷 裕貴 日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員
宮本 昌二 委託者保護会員制法人日本商品委託者保護基金副理事長
茂木八洲男 FIAジャパン理事バイスプレジデント コモディティーコミティー会長
家森 信善 名古屋大学大学院経済学研究科教授
唯根 妙子 社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会常任理事

升田純委員、増田雅樹委員は欠席

事務局:
農林水産省 平尾総合食料局次長、石田商品取引監理官ほか
経済産業省 橘高大臣官房審議官、小山商務課長、丸山政策企画官ほか

議題

  1. 海外商品先物取引等に係る課題の検討
    • 規制対象の範囲等について
    • 事前規制の導入について
    • 行為規制等の強化について
  2. 有識者ヒアリング(海外先物取引・ロコ・ロンドン取引等規制のあり方)
  3. その他

議事概要

資料説明

事務局より資料3「海外商品先物取引等に係る課題の検討」に基づき説明
 

意見交換

  • 商品先物市場には、価格発見や価格発信の機能があり、現物の取引ということで産業インフラとしての機能がある。これらは非常に重要な機能であり、マーケットとしてあまり厳しい規制は望ましくないと一般的に考えている。しかし、今回問題としている海外商品云々は、今聞いている範囲では、価格発見機能を果たしているようにも思えないし、価格発信機能を果たしているようにも思えないし、産業インフラとしての機能を果たしているようにもとても思えない。大口のプロが行う本来のロコ・ロンドン取引という意味ではなく、我々が規制しようかと考えている部分について、この取引が一体どのような経済的な価値を見出しているのか、かなり疑問を持っている。したがって、規制をすることの直接のデメリットは、相対的に少ないのではないかという、直感的あるいは経済学的な観点から印象を持っている。次に、規制をするということで、本来あるべきは、同じような利殖目的のものに対しては同じような規制がされるべきである。海外の商品オプションを特商法で担当できる。しかし、海外の未公開株、あるいは海外の不動産となると特商法では担当できないというのは本来的ではないと思う。そちらまでやろうとすると、もっと規制が先になってしまうため、パッチワーク的かもしれないが、この問題についてカバーできるならば、カバーしていただきたいと考えている。事前規制の導入について、私自身は、許可か登録か届出か、どれが適当かということについて、十分わかっていないが、金融の関係で考えると、生命保険会社や銀行のように直接預金者、契約者の資金を預かるところについては、許可になっており、仲介業者については、通常登録というようなことからすれば、商品取引業者は、現在は許可となっているということは、金融業者として考えると一段厳しい規制がしかれているという認識に立っているので、そういう横の業界との関係もあろうかと考える。他方、実際問題が起こっているので、この出血を止めなければならず、多少厳しい規制が暫定的には必要かもしれないという印象を持っている。今回規制を行っても、最近のように情報化が進んでくると、例えばインターネットを通じて海外と取引を行っている部分について、尻抜けになってしまうことのないように考えていただきたい。
     
  • 業者サイドとして、いくつか指摘した方が良いと思われる点からお話しさせていただく。行為規制の中にある向かい玉の規制について、先物市場で上場される商品とそうでない商品との違いを根本的にお考えいただく必要がある。基本的にOTC市場で行われている取引は、全て向かい玉である。例えば、東京金融取引所ではなく店頭で取引されている為替証拠金取引は、全てディーラーがマーケットメイクし、それを顧客が買う。即ち、売りと買いが対峙するという形になり、それを業者のリスクにおいて市場に繋げるということになり、第一義的には、全て反対売買は業者が取るということになり、ロコ・ロンドンを含めたOTC関係については、向かい玉がなければ成立しない取引と言ってもいい。よって、向かい玉ということを考えた場合、わが国の商品取引市場においても、向かい玉そのものによって問題が起こるのではなく、向かい玉と仕切り玉等々、そのような問題が絡むことにより、問題が起きると理解している。したがって、単に向かい玉だけを取り上げて対応していくことは、結果的に欠陥のある規制環境づくりになってしまう恐れがある。次に、現状色々な問題が起こってきているため、基本的に厳しい規制環境を構築しておいて、将来的に緩和していく方向性を考えるべきである。例えば、海外の商品先物市場に取り次ぐ場合、その多くが外国の商品先物取引業者に取り次いでいるのが実態であると認識している。このあり方について、一つの考え方であるが、過去において我が国日本の法律の手が届くところで業を行っている海外の先物業者に取り次ぐという前例が外国になかったわけではない。即ち、日本の規制環境の手が届く所に外国のクリアリングメンバー、母店の出先が日本にあるといった考え方を持つことも一つの強い規制姿勢というものを打ち出すためには必要なのかもしれない。そういった環境の中で、将来的にそれを緩和させていくという方法も投資家保護、委託者保護という概念からすれば、必要なことではないかと考える。資料中の委託者紛議数について、取引が多くなれば当然というのは語弊があるが、委託者紛議が増える可能性がある。また、委託者口座数が増えれば、同様に増える可能性がある。規制環境云々あるいは姿勢ということのみならず、どの位の取引がされているから、その中でこれだけの紛議が起きているということの把握が必要である。私が理解する限りにおいては、海外の取引を受託する者、取り次ぐ者の件数はさほどある訳ではないため、その中でこのような紛議件数があるということは、私としてもとても驚きであるが、逆に翻って状況を考えた場合、これだけの投資ニーズも背景にはあると考えられる。今後、我が国の商品先物取引市場の活性化を考えた場合、その市場の国際化は避けて通れない問題であり、一方通行では市場国際化できず、外国に出る取引、日本に入る取引の双方がなければならないと考えている。例えば、東京工業品取引所等は、市場立会時間を延長する方向で進んでおり、このように、立会時間を延ばすということは、外国市場と立会時間が重複するということになる。これにより得られる日本の投資家、市場参加者のメリットは非常に大きなものがある。例えば、裁定取引や今日買ったものが、何らかの外国の異変により、マーケットが急変、急落するという状態が起こっても、今の投資家は、明日の日本のマーケットが開くまで何もできないが、立会時間が延びることあるいは外国市場へのアクセスができることにより、そういったリスク管理にも対応ができるというメリットがある。同時に、日本の市場から参加する業者が増えれば、逆に外国から入ってくる業者も増えるであろう。広義な意味での経済的メリットは、相互の市場の乗り合いがあり、市場流動性に多く貢献していくきっかけを作るものであると考えている。
     
  • 海外先物取引自体の価格発見、価格発信の意味がないという意見があったが、一律に言われても戸惑いがある。規制海外先物取引というか海外の取引所で行われるものと、それ以外のもの、いわゆるロコ・ロンドンまがいを一緒にするべきではないと考えている。特に海先法については、経緯を聞くところによると、海外における規制と日本の規制とは微妙な関係にある。これは海先法を制定した際、外国の市場を指定し、「ここは危ない」という格好に結果的になってしまうが、そういう市場に対して規制をかけるのではなく、そういった市場で商われているものについて日本で勧誘なり受託を行う業者に規制をかけるという構造になった。当時、アメリカの市場関係者から結構反発があったという話を聞いている。その後、日本の海先法が原因というわけではないが、アメリカ版の海先法としてCFTCの規則第30条というものができた。これは直接は、ロンドンでトラブルがあったものにアメリカ人が巻き込まれたというものだが、その下地として日本の規制に対し海外からそういった見方をされてしまうということなので、検討に当たってはその辺を十分注意しなければならない。特に、近年アメリカで農業法の改正があり、CFTCの授権が5年間延長されるとともに、海外リテール等の勧誘行為等に対するCFTCの規制権限が明確化され、強化された。したがって、これから具体的な仕組みがつくられていく時期にあるので、日本の海外先物の規制の検討に当たっては、外国との関係を慎重に見ていく、あるいは説明していく必要がある。今の海先法の仕組みについて、一般的には勧誘行為等は自由であり、海外先物取引所を指定するという格好に問題の一つの原因がある。これは、商品取引所法において、金の上場問題に関連する逆転解釈というものが内閣法制局から出ており、一般には自由であり、個別に指定して規制をかけていくことになったものである。海先法もその思想を受け継いでおり、このことについては、海外のみならず、国内の学者等からも一部批判があったところであり、この点を注意する必要がある。海外での取引所取引について、先進国のアメリカあるいはヨーロッパにおいては、トラブルがないとは言わないが、市場の厚みもあり、取引量が多いということで、市場操作等は行いにくいといった安定したところであり、他に取引業者の問題がなければ、リテール、個人顧客について規制することはおかしいものであると考えられる。したがって、問題の所在は、実際に扱っている国内の業者が色々と詐欺まがいあるいは勧誘行為にあるため、区別して考えていただきたい。
     
  • ロコ・ロンドン取引を営業の中に使っている者としてのお願いと、一般的な意見を述べさせていただきたい。被害の状況からすると、事前規制が検討されることと思うが、ロコ・ロンドンの相対取引は、ロコ・ロンドンと言っているので、あたかもロンドンに取引所があるように誤解されるが、海外の取引所に繋いでいくというものではなく、最終的な物の付け替えがロンドンで行われることだけを意味している。例えば、オーストラリアで取引されることもあれば、日本、中国でも世界のどこでも取引できる取引であり、その取引が価格のヘッジ機能を持っているので、私どもも非常に重宝して使っている。したがって、海外の市場に繋いでいくという海外先物取引とは別であり、規制の形態を何とか分けられないか。海外、日本も含め先物取引所は、公の取引所であるため、ここで何か不正なことを働いた場合は、やはり公共の利益を害しているというような面で捉えられないか。一方、商社等が行うものについては、公共の利害というよりも営業の自由を重視していただけるような法的な枠組みが考えられないか。・ 現在、商品市場が盛んになり非常に価格が動く中で、日本の先物取引所は、ジャパンパッシングとも言うが、世界の中で置いて行かれている状況にある。日本の取引所も鋭意改革を進めていると了解しているが、やはり商品先物取引がまっとうな取引であるということで、日本の取引所にまっとうな業者が入り、産業の一つとして成立していく土壌を作っていく必要があるのではないかと考える。そうすれば、日本がパスされないで、日本に確固たる商品経済が根付いてくると思う。事前規制等々のやり方についても、あまりにも厳しくあるいは手続的にも非常に煩雑ということが、ジャパンパスの一つの原因となっていると聞いているため、手続的なところも含め、考慮していただければ、日本の商品市場・商品経済が今後とも発展していくのではないかと考える。
     
  • 本来、規制はあまりやるべきではないとう立場だが、この場合に関しては、事前規制が必要だと考える。また、他の取引とイコールフィッティングというか、なるべく規制のレベルを合わせるといった観点から、金融商品のことをおっしゃったが、ここの文脈では、勧誘に関しては国内の商品取引となるべく同じような勧誘規制をしくことが、基本的なポイントではないかと思う。ただし、ロコ・ロンドンの相対取引については、特殊事情があり、取引所取引とは異なるため、向かい玉等の定義を一工夫も二工夫もしなければ、向かい建玉の禁止等の規制は困難である。仲介業者の先にある業者までをどうするのかという問題について、直接勧誘する者については、許可制にせざるを得ないと思うが、その先にある業者についてどこまで規制するのか、これは海先法の域外適用の問題も絡んでくると思われるが、そこまで押さえなければならないというならば、許可制というより登録若しくは届出制でカバーせざるを得ないと考えている。ただ、繰り返しになるが、基本的には相対取引に伴う特殊性を除けば、国内の商品取引の勧誘規制となるべくイコールフィッティングにするべきだと考える。
     
  • 商品先物の仲介業の健全な発展を追究していくという視点から、どういうことが必要かということ。現在東京工業品取引所が、日本全体が改革で停滞する中改革に邁進しており、キーワードは国際化であるが、やはり双方向が必要であるという観点でこの問題を見るということ。そして法律の枠組み、以上3つの視点からお話しする。事前規制の導入については、やはり許可制が必要である。一番厳しい基準は、国内の商品取引員の資格を持っている者にしか認めない。それは、(商品取引員の)兼業業務としてやらせてはどうかということである。ただ、営業行為として行っていく、また控除の対象としてない海先もあるので、ここをどうするかについては、国内の法上では店頭業務、登録業というカテゴリーがあるので、そのコンセプトなり枠組みを応用して対応できるのではないかと考える。したがって、商品取引員の資格をもつことを条件とするのはどうかというのが1つある。その他、財務要件が適正であるということと、取引が海外であるため、仲介業務を行う者が、そこの市場に精通した者だという証明も必要ではないか。また、現状としては、顧客資産があるのか無いのかわからないということについて、顧客資産の分別・分離保管の詳細を事前に報告させ、それに対して許可を行うということも非常に大事なことである。米国では、セグリゲーティッドアカウントとサーティファイドアカウントという2つの概念があり、ゼグリゲートは分離保管だが、サーティファイドというのは、最終的に自分の国でない所にお金が行くわけであるため、間違いなく、その国の法律に準拠し適法に預かっているという証明書を出すという仕組みがあるらしい。それが必ずしも正しいかどうかは分からないが、そういったことも含めて分離保管と分別の問題は検討対象に含めるべきである。規制対象について、市場商品、市場参加者、仲介業者があるが、特に市場参加者については、特段制約を設けないでいただきたい。というのは、国際化の観点から、個人においても(国内取引所の)24時間体制が整うまでは、場合によって海外市場を活用したリスクヘッジのニーズがある。したがって、その道を閉ざされた場合は、そのような対応ができないこととなる。特に国際化の最大のポイントは、海外からの大玉、つまりヘッジファンド、機関投資家が入ってくる中で、日本の個人投資家が、どういった武器を持ち共存していくかというところである。その一つの武器として、24時間、それが不可能な場合は海外市場の活用がある。行為規制については、現在の商品取引所法に準拠した厳しい行為規制を行うことが大切である。ただし、勧誘をしない電子取引については、電子取引ガイドラインがあり、対面取引に係る勧誘規制は該当しないとされているため、同様に区分けをした形で整理していただきたい。ロコ・ロンドン、オプションについては、まがい取引の部分と絶対に勝たないという仕組みが内在された取引であると理解している。ロコ・ロンドンは、呑み行為であり、オプションは、呑行為プラス権利行使に至らないオプションを買わせ、プレミアムで必ず損をするといった仕組みで運用されている。そういう意味では、商売の実態を的確に把握し、どこに規制をかければ大丈夫かということも含め、包括規制とプラス個々の規制を行う中で、問題点の深掘りを行う必要がある。よって、現在ロコ・ロンドンやオプション取引を行っている業者全員に許可申請をさせ、個別に先程話した許可基準に該当するか否か、一度きちんとレビューをされては如何かと考える。
     
  • 海外の市場に繋ぐといった海外先物取引とロコ・ロンドンとでは、規制の対応が違わざるを得ないのではないかといった気がしている。一番の問題は、海外市場の取引員になっている者、海外市場の取引員と取り次ぎ契約を結んでいる者について、日本の国内法で如何に取り扱うかという難しい問題があり、課題である。ただ、我々が議論しているのは、プロの取引ではなく、むしろ一般の顧客が、海外の先物あるいはロコ・ロンドンで非常に大きな被害を受けていることに着目して検討している。したがって、現在、国内の商品先物で行われている委託者保護のフレームワークと基本的にはバランスさせるべきである。なお、金融商品であれば、金融商品取引法とのバランス、商品取引であれば、商品取引所法とのバランスを取っていくことが最も適切ではないかと考える。繰り返しにはなるが、海外市場の取引員になっているか、海外市場の取引員と取り次ぎ契約を結んでいるかなどについて、チェック項目にするか否かは、実効の問題として難しい問題がある。そこまで踏み込むのか、あるいは国内の委託者保護に限定し特化した体制を組むのか否かは、要検討事項ではないかと考える。いずれにせよ、事前規制について何らかの対応は必要である。
     
  • 皆さんの意見はもっともであるが、許可制の新設が、実際どのようにしたら可能なのかという問題がある。ずっと規制緩和が進められてきて、事前規制から事後規制という流れの中で、ここで許可制の新設は厳しい点があるのではないかと思う。これは役所に聞きたいところである。これは行政として必要であるとか、または横並びで商品取引と同じ規制にするという意味はあると思うので、その場合、許可の新設という形は取らないで、商品取引所法の許可の中に含めるというようなテクニックでも用いないとなかなか許可の新設は難しいと思う。
     
  • 必要なら関係方面と折衝せざるを得ないと思う。いずれにしろ、ここで許可、届出、登録、それぞれのデメリット・メリットを踏まえて議論をいただいた上で決めていきたい。その後、それが本当にできるかということは法制局、関係省庁と相談して方向性を決めていきたいと思う。
     
  • 消費者(代表)なので、一番厳しい許可制にしていただき、一般の消費者から見て悪質な業者なのか、まっとうな業者なのか選別できるようにして、被害に遭ったときにすぐ救済できる方法まで考えて今回の改正を考えていただきたい。今でも規制逃れの業者が出てきているので、限界はあると思うが、できるだけ幅広い形で解釈していただくようにお願いしたい。許可制に関しても、悪徳業者を排除したいという意識は皆さん同じだと思う。実際に取引行為になると話を聞いても消費者の方は理解できず、書類などもらっても自分がどのような行為に対してどのように決断したのか判断できないと、一般の消費者から被害の苦情として出てきているので、消費者を巻き込まない取引であってほしい。
     
  • 今発言があったとおりだと思う。現状では大衆投資家なり委託者が実質的に取引を十分理解すること自体が無理な取引だと思う。今の海外先物取引は、今日会社を作って明日から営業ができる分野になっている。我々が規制環境を考える時に注意しなくてはならないのは、後追いにならないようにすること。現状のルーツを辿ってみると、2005年に商取法が改正となり商品取引環境が厳しくなった。彼らはそれを踏まえて外国為替証拠金取引に移行し、また、金融商品取引法が新たな規制環境となったら、海外先物取引に戻ってきた。問題になっているような人たちが過去にどのような業を行っていた人たちなのか、かなり国内商品取引にいた人が多いのではないか。そういう意味での国内の人材、環境づくりが大切ではないのか。また、規制環境作りは、ロコ・ロンドンの次に何が出てくるのか、海外の商品市場を使ったような取引、日本の大衆に売っていくどのような商品が考えられるのか、このようなところまで踏み込んだ形で今後の対応を考えていく必要があるのではないか。ただし、我が国は消費国であるので、市況商品の影響をもろに国民経済が受ける環境なので、日常業務に障害が出ないような規制環境、加えて投資家保護に手が届く、そういった環境作りをしなければならないと思う。
     

有識者ヒアリング(津谷委員より資料4に基づき説明)

  • 全体的に今の海先に問題があり規制をしっかり導入するということには賛成。確かに現状のように、後追いになるような海外の市場や商品を指定し、どんどん指定したらまた次、というのは問題があると思う。ただ、5原則が挙げられており、海外先物が一般委託者にとって不適合であるという原則確認から出発しているが、海外先物にも規制海外先物からロコ・ロンドンまでいろいろと種類があるということと、現状の海先業者のあり方は問題があると思うので、それを代弁するつもりはないが、そういう環境を改善して、まともな業者がしっかりした規制のもとで、一般委託者も含めて利用できるようにすることまで、全部否定するのはちょっとやり過ぎではないか。今まで行政が海先に対して及び腰であったという指摘もあったが、それではどのように規制していくかに重点を置いて検討していくべきである。その時には、先ほども言ったように全面否定するのではなく、まともな業者がまともな営業ができて、消費者のためにもなる、そういうことを目指して検討すべきである。
     
  • 重ねて申し上げるが、上場商品と非上場商品、この区分けをはっきりと認識する必要がある。日本において、現在オプション取引ができてないことは、世界的に異常な市場ということである。飛行機で言えば、先物市場とオプション市場は両側の翼である。今、日本の先物市場は片肺飛行である。このことを良く理解した上で対応しないと上場商品も非上場商品も、すなわち国際的に認知されている規制商品も非規制商品も一緒になって議論されており困惑しているので、そこだけは明確なご理解をいただきたい。ロコ・ロンドンと取引所上場オプションものとは全く違うものであり、委託者保護環境と市場参加者保護環境は全く異なる。片方には分離保管措置がなく、そのくらい異なるので、そこのところを良く認識した上で対応していく。すなわち、ロコ・ロンドンは本来、純資産額規制において対応するものであり、それは為替と同様であると考えるが、上場ものについては別の考え方、現在の上場もの一くくりという形の中で対応していくべきではないかと考える。参入規制を入れれば、言われたことの8割方は解決すると考えられる。ただし、商品業界のモラルの問題等に対しては、反省すべきところは反省し、メスを入れるところはメスを入れなければいけないと考える。
     
  • 本委員会では、第1回目の資料からロコ・ロンドン取引とロコ・ロンドンまがい取引を区別するように書いており、ロコ・ロンドン取引自体はビジネスとして正しい取引を行っている。我々もロコ・ロンドン取引がだめだといっているのではなく、ロコ・ロンドン取引に似せて委託者をだますというようなものは「ロコ・ロンドンまがい取引」として規制すべきだとしており、ロコ・ロンドン取引とロコ・ロンドンまがい取引を区別していただきたい。
     
  • 先物とオプションのどちらのリスクが大きいかという話が出ていたが、オプションは買った場合と売った場合で違うのではないか。買った場合には権利行使しなければ最終的にオプションを捨てればよいのであって、リスク限定効果があるのではないか。
     
  • 勧誘するときなどはそう言われているが、結局危険性というか、要するにどれだけお金を持って行かれるかという点では全然変わらない。理論上リスク限定であることは認めるが、現実にはそんなことはない。また、先程、私の言っていたロコ・ロンドン取引とは、ロコ・ロンドンまがい取引のことである。
     
  • まともなほうのロコ・ロンドンは相対取引と聞いたが、一般の方が参加することはいないのか。
     
  • 本来のロコ・ロンドン取引に一般の人が参加することはないと了解している。
     
  • では、一般の人が委託をすることはあるのか。
     
  • 一般の人が委託するようなことはない。取引所があるわけではないので、取引員がいて顧客からの注文を委託をするというような制度はない。全て会社と会社の相対取引である。一般という定義が難しいが、非常に資産家の人が個人の資金で欧米の銀行とロコ・ロンドン取引をやっていることはあるかもしれないが、私が聞いているのは、東京、アジアで行われているのは業者間の取引である。ロコ・ロンドンまがい取引は、海外先物市場及び現物取引価格を指標として、証拠金取引で差金決済が可能ということだが、そこは全く違っていて、ロコ・ロンドン取引価格は現物取引価格そのものである。いわゆるロコ・ロンドンで付け替えられる、これはグリオンバンクという銀行のアカウントで付け替えられるということであるが、我々は現物を付け替えるのとほぼ同様の扱いをしている。ロコ・ロンドンの価格は1日に2回フィクシィングするが、このフィクシィングをもって金の現物価格の代表的な価格と捉えている。証拠金取引ではない。レバレッジはゼロ。差金決済は相対の関係でお互いに納得すれば差金決済することもあるが、基本的には丸代金の払い合いであって、差金決済ということはない。そもそも、勧誘するというような取引ではない。
     
  • 苦情の実態において、ロコ・ロンドンまがいや、オプション取引の手数料額が意外に高いということをよく聞く。一任や無断売買の場合もあると思うが、一応は本人の依頼ということで、要は取引の手数料を非常に高額に取る事業者が多く見られるが、こういう部分も今の報告の要素の中に入っているのか。
     
  • もちろん入る。相対だから手数料は付け放題なので、こんなひどい取引はないのではないかということ。ちなみにこれは、ロコ・ロンドンまがい取引であって、ロコ・ロンドンは立派な取引である。
     
  • ちなみにどのくらいの手数料をとっていると聞いているのか。
     
  • 投資金額500万円のうち2~3割は手数料として持って行かれ、払った限りどんなに交渉しても、それは実費であるということで絶対に返さない。契約書に手数料が高額に設定されているのでそういうところはどのように考えるのかと思っていた。
     
  • 先程言われた5原則の一番上、開かれた経済体制の下で日本という国は一般国民に海外先物取引を禁止しているというインプリケーションを与えるということは決して好ましいことではない。むしろここで考えるべきなのは、一般の消費者、国民に問題が生じているということの解消に向けて考えるべきであって、別のインプリケーションを与えるというのは如何なものかと考える。
     
  • 海先全面禁止と言っているのではなく、全面禁止の精神で見ると言うよりも客観的に見ればよく、一般の委託者に海先が向いているかどうかということ、もっと簡単に言えば、国内の公設市場ですらプロ市場と言われているのに、海外はもっとわからないから、海先はプロ中のプロの市場だと申し上げた。だから、ロコ・ロンドンは、原則としてロコ・ロンドンの当業者の人達だけがやるというイメージ。ただ、パソコンで市場を調べて取引を行っている人たちに取引を止めろとは言えない。ただ、プロ中のプロということであれば、その当たりをしっかり踏まえてやっていくべきだという意味である。
     
  • かなり活発な意見をいただいて充実した議論になったかと思う。いくつか課題はあるが、基本的な規制の枠組みについては、例えば商品取引所法や金融商品取引法など他の法令との関係をどうするかということについては、これは規制の枠組み全体に関わってくるので、この会議でどうこうするということは難しい。一方で、今日議論いただいた業者規制については、大方のコンセンサスが得られたのではないか。ただ、規制の仕方をどうするかということはあるが、基本的に許可制を導入するということについてかなり理解が得られたような感じがする。もちろん、その部分についても、具体的にどのような形にしていくのか、更に細部の詰めが必要と考えられるし、他の法制とのバランスを考えなければならない。それから行為規制の必要性についてもいろいろご指摘をいただいたところであり、これについても今後具体的に詰めていかなければならない。一方、ロコ・ロンドンとロコ・ロンドンまがいということが出てきたが、ここで議論の対象とすべきは、ヘッジの必要のない、十分に取引の実態もよくわからない人に対する悪質業者の勧誘を確実にやめさせることは当然必要であり、その部分に重点を置きながら規制を考えていかなければならないと考えている。
     

次回の日程について

  • 次回の日程については、事務局から別途連絡させて頂く。
 
 
最終更新日:2008年6月16日
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