経済産業省
文字サイズ変更

総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会放射性廃棄物小委員会放射性廃棄物処分技術ワーキンググループ(第2回)-議事録

日時:平成21年2月2日(月)

議事概要

  • 杤山主査
    それでは定刻になりましたので、ただいまから第2回放射性廃棄物処分技術ワーキンググループを開催します。本日はご多忙のところ、ご出席いただきまして、まことにありがとうございます。
    はじめに、今回初めての参加となります方々を紹介させていただきます。では、事務局からお願いします。
  • 大浅田補佐
    事務局の放射性廃棄物等対策室の大浅田でございます。それでは私から今回初めて参加される方々のご紹介をさせていただきます。まず東京大学大学院工学系研究科原子力専攻教授の長崎晋也委員でございます。一言よろしくお願いします。
  • 長崎委員
    東京大学の長崎でございます。私は専門のほうは、核種、特にアクチニドの核種移行ということで、技術的なところを中心に研究してまいりました。また今回技術ワーキンググループということで何かお役に立てればと思っております。よろしくお願いいたします。
  • 大浅田補佐
    ありがとうございました。それでは、続きまして、電気事業連合会の原子力部部長の丸茂俊二様でございます。よろしくお願いします。
  • 丸茂電事連原子力部部長
    電気事業連合会原子力部の丸茂でございます。前任の藤原が昨年の10月にワシントン事務所のほうに異動になりましたので、その後任として、処分技術ワーキングのオブザーバーとして参加させていただきます。地層処分が確実に進みますよう、電力といたしましても、技術開発、技術の維持向上、理解促進活動に電力みずからのこととして積極的に取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  • 大浅田補佐
    ありがとうございました。また本日は所用のため、井川委員と大西委員がご欠席となっております。また、山崎委員におかれましては、都合により途中からのご出席となります。よろしくお願いします。資料1というところに委員とオブザーバーの名簿が入っておりますので、よろしくお願いします。
  • 杤山主査
    それから、前回から事務局のほうで人事異動がございましたので、ご紹介いただきたいと思います。
  • 大浅田補佐
    所用により遅れてまいりますが、原子力立地・核燃料サイクル産業課長の森本英雄でございます。それと、原子力地域広報対策室長の尾崎嘉昭でございます。
  • 尾崎原子力地域広報対策室長
    尾崎です。8月から本職になります。よろしくお願いします。
  • 大浅田補佐
    以上でございます。
  • 杤山主査
    ありがとうございました。議題に入る前に配付資料の確認を事務局からお願いします。
  • 大浅田補佐
    本日は資料1から資料6の計6種類を用意してございます。また、参考としまして昨年9月に地域振興構想研究会のほうで取りまとめました報告書、地層処分事業と地域振興プランについて、それを配付しておりますので、ご覧ください。資料に過不足はございませんでしょうか。何かありましたら事務局までお申しつけください。よろしくお願いします。
  • 杤山主査
    ありがとうございました。それでは、本日の議題に入ります。本日は、議題といたしまして、「地層処分研究開発に関する取組について」、それから、第2、「その他」を議題といたします。
    最初の議題におきまして、日本原子力研究開発機構、原子力発電環境整備機構、それぞれから研究開発あるいは技術開発の状況をお聞かせいただいて、それぞれその後10分程度時間をとりたいと思いますので、それぞれの取り組みについてのあり方、これでいいかどうかというようなご議論をいただければと思います。そして、その後、全体の地層処分研究開発に関する取り組みについて、また全体として議論いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。第1回のワーキングにおいてご指摘ありましたように、研究開発が行われていること自体の認知度が低いこともありますので、経緯も含めて、研究開発の取り組みについて紹介していただくというのが今日のねらいでございます。まずは日本原子力研究開発機構の取り組みについて、石川副部門長からお願いします。
  • 石川原子力機構地層処分研究開発部門副部門長
    ご紹介いただきました原子力機構の石川でございます。では、早速説明をさせていただきます。
    まず1枚目ですが、「地層処分計画の経緯と展開」ということで、地層処分の研究開発は1976年に開始され、その後、第1次取りまとめ、第2次取りまとめを経て、2000年に特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律が制定され、原子力発電環境整備機構が設立されました。その後、研究開発のほうはいわゆる基盤研究開発ということで、特に原子力機構におきましては、エントリー、クオリティに加えまして、幌延及び瑞浪の両深地層研究施設計画を進め、現在も着実に進めておる段階でございます。一昨年、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律と原子炉等規制法の改正が行われ、制度面のほうの整備も着実に進んでいると考えております。
    2ページに研究開発の段階的な取りまとめということで、これまでに1992年に第1次取りまとめ、いわゆるH3レポートで、技術的可能性を示し、1999年に第2次取りまとめ、いわゆるH12レポートで技術的信頼性というものを提示してまいりました。
    その後、事業段階に入り、研究開発のほうは基盤研究ということで、2005年にH17年取りまとめ、そして2007年に深地層の研究施設計画の第1次段階の成果取りまとめということで、技術的信頼性の向上に向けた報告書を取りまとめてきております。
    では、次に、第2次取りまとめの概要について簡単にご紹介したいと思います。4ページに地層処分の安全確保の仕組みを示しておりますが、我が国の地質環境を考えますと、大きく2つ、すなわち火山・断層などの自然現象などによって人間と廃棄体とが接近するという影響の可能性と、地下水の存在によって地下水による放射性物質の運搬による影響という2つが考えられます。前者に対しては、サイト選定、地層処分にとって安定な場所を選定するということ。後者に対しては、適切な多重バリアシステムを構築するということで、安全を確保しようということで、この安全性については、長期安全性を予測的に評価するという安全評価を行って評価するということになっております。
    5ページに我が国の地質環境条件を示しておりますが、地質環境の長期安定性については、地層処分の場として長期にわたって十分に安定な場所を選ぶ。それから、地質環境の特性としては、人工バリアの設置環境及び天然バリアとして岩盤や地下水の性質が適切であるということを確保することが必要です。
    そられについて6ページから簡単にご紹介していきますが、6ページはまず火山についてです。火山の分布というのは、我が国、非常に火山が多いですが、その配置は規則的で、その多くは海溝から一定の距離を置いて分布しているということがわかっております。
    さらに、200万年前から現在に至るまで、火山の活動地域はほとんど変化しておりません。したがって、火山の分布というのは、ある程度限られた場所になっているということがまず言えます。
    7ページが活断層の分布ですが、全国の活断層の分布については、おおむね把握されております。またそれは地域によって偏在する傾向が認められております。
    断層活動については、過去数十万年間既存の活断層帯で繰り返し起こっているということで、断層活動についてもある程度場所が限定されているということが言えます。
    8ページが侵食速度の分布です。この図の中で黄色及び緑で示したところは侵食速度が1ミリメートル/年以下、つまり、10万年当たりでも100メートル以下という場所です。これが日本にかなり広く分布しているということがおわかりいただけると思います。
    以上から、地質環境の長期安定性の観点で見ても、我が国に地層処分に適する場所は広く存在するということが言えると思います。
    次に9ページですが、深い地下の環境につきまして、一般的に深い地下の環境では、岩盤の中に含まれています鉱物ですとか、有機物、微生物などによって酸素が消費されるということで、深い地下の地下水は酸素の無い還元性になっており、金属を腐食させにくく、物質を溶かしにくいということが言えます。また、地下深部の地下水の流れは非常に遅く、物質が鉱物に収着されるということで、非常に動きにくいということがわかってきております。
    次に10ページですが、地層処分の工学技術ということで、第2次取りまとめまでの研究開発として、幅広い地質環境を考慮した現実的な工学技術による合理的な人工バリアと処分施設を提示してきました。
    11ページは安全評価シナリオの分類と取り扱いです。地層処分をした後、さまざまな現象が想定されるわけですが、大きく大別しますと、地下水シナリオと接近シナリオに分けることができます。
    接近シナリオというのは、火山の噴火ですとか断層活動、人間の活動等で廃棄物と人間が接近することによって直接的に影響を与えるというものですが、これに関しては、適切な処分サイト、処分場の設計によって影響を回避することができると考えられます。
    一方、地下水シナリオについては、まず現在の地質環境条件が将来まで継続し、人工バリアが期待される安全機能を発揮するということを前提とした基本シナリオと、さらに想定を超えるような天然現象ですとか、初期の欠陥などを考えた変動シナリオに分けることができます。それぞれについて、モデルとデータによって解析評価を行って安全を確認しております。
    まずその中の、12ページに示しましたような基本シナリオですが、この評価では、現象を忠実に再現するということではなく、保守側、すなわちより厳しい評価になるように仮定を置いて解析を行っております。例えばオーバーパックは金属の容器で、1000年間の閉じ込めが期待されていますが、1000年以上の長期にわたって閉じ込めができるだろうと考えられます。しかし、評価上はあえて1000年たったらすべてのオーバーパックが同時に破損する。そしてガラス固化体から地下水に放射性物質が溶け出すという評価を行います。その後、緩衝材及び岩盤の中をゆっくりと異動して、100メートル離れたところに断層があるという仮定を置いて、そこから地上に出てくるということで評価を行っております。この場合も、かなり広がって移動していく、もしくは必ずしも断層を通らないということが考えられますが、評価上は特定の亀裂、特定の断層を通って地上に出てくるという評価を行っております。
    その場合の線量ですが、最大でも0.005マイクロ・シーベルト/年。これは我が国の自然放射線レベルの10万分の1というレベルでございます。
    13ページに、いろいろと評価を行った内容を概括的に述べております。基本シナリオの中では、地下水条件としては、雨水のような淡水系に加えて海水系の地下水、それから、地下水の動き方を示す動水勾配ですが、これは標準的な0.01に加えて、さらに動きが速い0.1というような評価も行っております。岩の種類についても、堆積岩に加えて結晶質岩、それぞれここに挙げましたような種類の岩石について評価を行っております。
    以上、大体30ケースを超えるような評価を行ったものがこの図に示されておりますが、すべてのケースにおいて、我が国の自然放射線レベル及び諸外国で提案されている安全基準を下回る値が得られております。
    14ページにさらに変動シナリオについての解析結果をご紹介しております。ここでは天然現象として想定よりも大きいケースとして、隆起侵食速度が大きく、それによって処分場が地表に近づいて酸化性の環境になるというようなケースと、気候・海水準変動によって、もともと海水系の地下水だったところが、例えば氷河期で海水面が下がって淡水系になるというようなものが繰り返し起こるというようなケースを想定しております。いずれのケースについても、リファレンスケースよりは高くなったものの、諸外国で提案されている安全基準ですとか、我が国の自然放射線レベルを下回った値という解析結果が出ております。
    15ページに以上の結論と国による評価をまとめますと、第2次取りまとめの結論としましては、地層処分を事業段階に進めるための信頼性のある技術的基盤が整備されたということで、まず地層処分概念の成立に必要な条件を満たすような地質環境が我が国に幅広く存在するということと、そのような条件を備えているか否かを評価する方法が開発されたということ。
    2つ目として、幅広い地質環境条件に対して人工バリアや処分施設を適切に設計・施工する技術が開発されたということ。
    3つ目として、地層処分の長期にわたる安全性を予測的に評価する方法が開発され、それを用いて安全性が確認されたということです。
    さらに加えまして、研究施設、エントリー、クオリティのような地上の施設に加えて、深地層の研究施設で研究開発を着実に進めるということで、事業スケジュールと整合をとりつつ、研究開発を展開することが可能になったということが言えます。
    以上につきまして、国による評価を受け、事業化に向けての技術的よりどころになるということが評価されております。
    次に第2次取りまとめ以降の研究開発ですが、17ページに示しましたのは、事業段階が2000年にスタートして以降、基盤的な研究開発としては、事業と規制を支える技術基盤ということで位置づけられております。
    18ページに第2次取りまとめで示しました成立性につきまして、基盤研究開発では信頼性の向上という観点から、第2次取りまとめで示した技術を確かめるということで、現実の実際の地質環境における技術の適用性確認と体系的な整備、それから、人工バリア機能の余裕度の確認、また安全評価用のデータベース、解析ツールの整備というものが主な目標となっております。
    19ページに事業段階におけます関係機関の役割ということで、特に原子力機構などで行っております基盤研究というものは、深地層の研究施設等を活用して、深地層の科学的研究、地層処分技術の信頼性向上や安全評価手法の高度化等に向けた基盤的な研究開発及び安全規制のための研究開発を引き続き着実に進めるべきということで、原子力政策大綱にもうたわれておりますし、これらの基盤情報は原環機構の進める処分事業と国の進めます安全規制の両者を支える基盤情報となると考えております。
    20ページに地層処分計画の段階的な進展ということで、処分事業のほうは段階的な進展を進める予定ですが、それと平仄を合わせて規制側についても着実に規制の整備を行うことになっております。
    一方、基盤研究開発につきましては、技術基盤の継続的な強化、技術的信頼性の向上ということで進めてまいりますが、タイムリーにその成果をまとめて反映していくことを考えております。既に地上からの調査研究段階では、第1段階の成果取りまとめを行っており、これ以降、第2段階、第3段階と進める予定でございます。
    21ページに原子力機構で進めております研究の主な場所が示されております。まず幌延深地層研究センター、これは堆積岩を対象とした深地層の研究施設です。次に東濃地科学センターは、結晶質岩を対象とした深地層の研究施設。東海研究開発センターでは、エントリー、クオリティという地上の試験施設を使って、工学規模、もしくは実際の放射性物質を用いた試験を行ってきております。
    次に22ページに深地層の研究施設計画の進め方ということで、現在3つの段階、すなわち地上からの調査研究段階である第1段階、坑道掘削時の調査研究である第2段階、そして、地下施設での調査研究である第3段階と3つの段階を経て進めるということを考えております。既に第1段階は終了し、現在は第2段階へ進んでいる段階でございます。
    23ページに日本の地質環境と2つの地下研究所ということで、この地図では、赤いところは結晶質岩、そして青いところが堆積岩を示しております。日本の地質はこのように大体2つの岩石、岩の種類がほぼ同じように分布しますが、この2つの種類でかなり性質が異なります。例えば地下水の流れ方を見ますと、結晶質岩のような岩では割れ目を通るのに対して、堆積岩、特に新しい時代の堆積岩では、鉱物の粒子のすき間を流れるというように、かなり性質が違います。そのことで、私どもとしては2つの深地層研究施設で研究を行い、それぞれにおいて確かめておくということを考えております。
    次に、24ページですが、これは瑞浪の深地層研究所、結晶質岩の深地層研究施設です。ことしの1月10日に換気立坑と主立坑を結ぶ300メートルの水平坑道が貫通しました。既に換気立坑、主立坑とも300メートルを超えて掘り進んでおり、いずれにしても、法定深度を超えて既に掘削が進められております。
    一方堆積岩のほうにつきましては、25ページに幌延の深地層研究所、これは堆積岩の深地層研究施設ですが、換気立坑が250メートル、東立坑が140メートルまで掘削が進んでおります。
    26ページに深地層の研究施設で行っております研究内容を一覧的に示しております。安全評価、地下施設の設計・施工、そして環境影響評価の観点から、ここに掲げましたような項目について技術の適用性確認と体系的整備ということで研究開発を行っております。
    27ページに地上からの調査研究の例をご紹介します。この図は、左から右に行くに従って、文献、地上からの物理探査、ボーリング調査、新規のボーリング調査というように、研究が進展するに従って、内容の理解度が深まり、不確実性が低くなっていくということをあらわしております。
    それから28ページですが、こちらは坑道掘削時の調査研究の幾つかの例でございます。坑道掘削時に坑道を掘りながら、そのものでいろいろなデータをとってまいりますが、さらにあわせて坑道からボーリングを掘りまして、地下水の採水ですとか、ひずみ計の設置ですとか、各種のボーリングを掘って、そこでデータを取得しつつ進めております。
    それから29ページは、地質環境の長期安定性に関する研究ということで、現在大きく3つの内容について研究を進めております。すなわち地震・断層活動、火山・熱水活動、そして隆起・侵食/気候・海水準変動でございます。
    それぞれ目的としまして、まず1つ目は、調査技術の開発・体系化ということで、これはサイトの選定や安全性の検討に必要となるデータを取得していくということ。
    それから2つ目は、長期予測・影響評価モデルの開発ということで、天然現象による影響を考慮した安全評価への反映ということを目指しております。
    研究の成果の例を幾つかご紹介しますが、30ページは、地下深部のマグマ・高温流体の調査技術の例でございます。ここでは、電磁探査によって地下の比抵抗等をはかり、地下深部のマグマを検出することができるという例でございます。
    それから31ページは、将来の地形変化を予測するということで、3次元地形変化シミュレーションによりまして、ここでは12万年後の地形を予測し、その場合の地下水の流動分布を予測したというものでございます。
    32ページは、地層処分の工学技術ということで、主な研究項目としては、処分場の総合的な工学技術、処分場の設計・施工技術、そして、人工バリアなどの長期健全性評価技術というものがございます。
    33ページにその成果の例でございますが、左の図は人工バリア周辺環境の評価技術の開発ということで、これは処分場閉鎖の比較的直後の状態で、廃棄物から出ます熱、地下水、応力、そして化学的変化が組み合わさった状態でどうなるかということを実験と解析、両者で比較したものでございます。
    それから右は、かなり極端な例ではございますが、断層が直接人工バリアを直撃したということで、ずれを生じた場合どうなるかということを実験的に見たものでございます。ここでご覧いただいてわかりますように、緩衝材の部分はずれを生じますが、中のオーバーパックは、健全のまま残っております。
    それから34ページですが、これはオーバーパックの長期挙動ということで、既に10年間の室内試験を行い、非常に低い腐食データであるということが確かめられております。
    またさらに長期のものにつきましては、考古学出土品、考古学遺物というものに着目しまして、数百年から千年ぐらい地中に埋まっていたような考古学遺物を調べまして、これも第2次取りまとめで我々が考えた腐食の予測よりも十分に低い値であるということが確かめられております。
    それから35ページですが、地層処分の安全評価技術につきまして、主な研究項目です。評価手法、モデル化技術、データベース開発ということで行っております。
    その成果例として36ページ、これはシナリオの解析技術ということで、変動シナリオについての評価の例です。ある場所が特定された場合に、まずそこでどのような長期予測が必要かというものを網羅的に考えます。この例では、ここでは海水準変動が特に影響があるだろうと抽出しておりますが、そういうような、特に重要な内容が摘出されれば、それに基づいて解析評価を行い、その内容に基づいてさらにフィードバックして、必要な項目を当てていくというような、総合評価フレームというものを確立したということでございます。
    それから、37ページは、安全評価用のデータベース・解析ツールの開発で、左側にあります核種移行データベース、これは原子力機構自身が取得した核種移行データと、それに加えまして文献調査のデータなどもあわせて専門家のレビューを受けて、信頼性の高いデータとしてデータベースを整備し、インターネット上で公開しております。
    それから、右の計算機支援ツールのほうは、シナリオ開発のためのツールで、シナリオをいろいろと特定するときに、計算機を使って支援するというものでございます。
    38ページに研究成果の取りまとめということで、これまで段階的に取りまとめておりますが、原子力機構の第1期中期計画期間にあわせまして、2010年、平成22年に第1期中期計画期間の成果の取りまとめを行う予定でございます。その内容は、まだ詳細に固まっているところではございませんが、39ページにその内容の概略をお示ししますと、従来ありますような数百ページにも及ぶような印刷物ではなく、電子化によってインターネットなどで見られるような形を目指しております。
    まず1つは、簡単に読むことができるような解説、これは30~50ページ程度で、ここにエッセンスを紹介し、そことそれをサポートするいろいろな情報、詳細な技術資料ですとか、論文ですとか、参考文献、さらにはわかりやすく説明したビデオとかアニメーション、そういうようなものも含めて、すべてがリンクできるような形を考えております。これはこの後ご説明します知識マネジメントシステムの開発の一環と我々は考えております。
    40ページですが、これは知識マネジメントシステムでございます。知識マネジメントシステム全体を管理しますナレッジオフィスというものがあり、実際の中身でございます知識ベース、この中身というのは、技術報告書、論文、さらにはデータベース、説明資料、そういうようなものがすべて含まれます。
    研究開発セクターは、我々の研究機関、それから、ほかの関係する機関も含めまして、そこで日々新しい成果が得られると思いますので、それらが適宜反映されると。
    さらにシンクタンクというのは専門家集団と考えていただければいいと思いますが、そういうようなところから、新たな知見ですとか新たなニーズが出されます。
    それから、いわゆるグローバル知識ベースということで、海外の情報も適宜取り入れるということで、従来ですと印刷物で段階的に出してきたものがある程度タイムリーに日々更新されるというようなものを考えております。
    41ページには、国内機関との協力ということで、実施主体でありますNUMOと、規制側等からのニーズを踏まえまして、ここにありますような機関と協力協定ですとか、共同研究などを行い、適時研究開発を進めてきております。
    42ページに国外機関との協力ということで、原子力機構では、ここにありますような海外の機関と協力協定等を結びまして、共同研究あるいは情報交換を行い、最新の知見を得ております。
    最後に43ページに示しましたように、原子力機構の取り組みとしまして、研究開発については、ドキュメントや論文などの形で提供するとともに、報告会やセミナーなどで普及を行っております。また研究施設の公開、広報活動等を通じて、相互理解の促進に努めてきております。処分事業及び安全規制への技術的支援としましては、技術者の派遣や委員会、専門部会等、さまざまな場を通じて協力を行ってきております。今後も積極的に支援・協力していく所存でございます。
    ご清聴ありがとうございました。
  • 杤山主査
    どうもありがとうございました。最後に改めて時間をとりますけれども、ここで10分ほど時間をとりまして、ただいまの説明について、ご意見、ご質問をいただきたいと思います。
  • 長崎委員
    前回来ていなくて、前回の議事録を読んでいて、私も後で質問しようと思っていたのは、井川委員から、原子力機構の運営費というか、研究費等の今後の見通しについての資料が今回出てくると書いてあったのですけれども、前回議事録の19ページの真ん中あたりぐらいからですかね、杤山先生のお話、前回の最初のJAEAの研究開発に対する資源はどうなっているのか、次回。これはこの後何か話題として出てくるのでしょうか。
  • 石川原子力機構地層処分研究開発部門副部門長
    1つは、まだ私ども第2期中期計画というものを現在まさに策定中ですので、そこの部分については不確定の要素があるということが1つございます。これまでの研究の予算がどうかということは、概略的にはH12、第2次取りまとめまでは100億円を超えるような規模で研究開発を行ってまいりましたが、その後は若干低くなりましたけれども、現在は大体80~90億円規模で、特に深地層の研究施設を中心に進めております。そのぐらいの規模の予算は今後とも継続的に確保していきたいと考えております。
  • 長崎委員
    確保したいのは大学も確保したいのと同じで、だけど現実的には厳しいわけですね。大学は毎年1%減させられて、これから3%減になっていくわけですね。そういう中で、現実的にはどうなのかということのベースの上で議論をしておかないと、これからもずっと日本の穴について80億、90億のベースでのお金がずっとつくのかというと、私はそんなに。それはわかりません。努力があるのかもしれないですけれども、その辺、期待値ではなくて、現実的な見通しのもとでの評価というのは、次の中期計画を議論されているのだとしたら、そういうことを踏まえた評価は別途されているのか、そこのあたりはどうですか。お金だけではなくて、結局人の話になるので、お金が減ると、極端なことを言えば人件費が減るわけですね。そうすると若い人が雇えなくなるとか、そういうしわ寄せも入ってくるわけで、その辺について現実的な、現実的というのが努力したいというところなのかもしれないですけれども、そうだとすれば、どれぐらいの幅の中でどうなっていくのかという評価をされているのかと。
  • 石川原子力機構地層処分研究開発部門副部門長
    もちろん希望だけではなくて、我々、かなり全体的なほかの部分の予算等も見越して考えております。ですから、ずっと未来永劫同じレベルでいくということではないだろうということは当然予想されますが、ただ、当面、特に深地層の研究施設がまだ完全には終わっているわけではございませんので、その部分はある程度確保していかなければならないなと。
    それから、もう一つは、予算の出どころとして、運営費交付金以外に公募の資金とか、そういうものもございますので、そういうようなものも含めて考えていきたいなと。当然人についても、そういうものと直接関係するところでございますから、プロパー職員というものはある程度運営費交付金の部分で賄わなければならない部分かもしれませんけれども、それ以外のいろいろな関係する民間の方ですとか、そういうところからもご支援いただいている部分は、いろいろな形での資金が使えると考えております。
  • 杤山主査
    長崎委員のおっしゃる話、私もここであまりきちんと確約した格好でお願いしたわけでないので、原子力機構のほうには申しわけなかったかもしれないのですが、おそらく井川委員がおっしゃったのは、日本全体で研究開発をやっていくときに、うまくバランスがとれているのかと。これで十分なのか、あるいは過剰なのか、不足なのかということをきちんと研究開発体制でどのぐらいの人間がいて、どのくらいのお金をかけてやっているのかをきちんと見せてほしい、そういう意味でおっしゃったのだと思います。そういう意味では、長崎委員のおっしゃるとおりで、もう少しきちんと出せばよかったのですけれども、あまりきちんと私も、きちんと議論したほうがいいですねと言いながら、資料を出せという格好になってないし、果たしてそれがここでうまく出せるような格好にできるかどうかも私もよくわかりませんので、少し事務局のほうで相談していただいて、これは大事な話だと私も思いますので、出せれば、もう少し全体として整理したほうがいいのかもしれませんね。JAEAだけでなくて、NUMOのほうとの関係もあるでしょうし、全体としての大枠が見えるような格好にすればいいのかもしれないと思います。
    そのほか、ございませんでしょうか。
  • 大江委員
    以前私も少し発言したのですけれども、2000年レポートをやっておきながら、いまだに粛々とというか、延々と研究開発をやっているというふうにとらえられかねないということで、一体どこまでわかっているのか、あと何が課題として残っているのかというお話を聞かせてくださいとお願い申し上げたと思うのですが、例えば信頼性を向上するというのが今のキーワードになっているわけですね。そうすると、例えば27ページの3次元地質構造の把握という絵をかくのですが、これは果たして信頼性向上につながっているのかどうかという、そういう観点で言っていただいたほうがよろしいのではないかと思うのですね。穴をたくさん掘っていけば詳しくわかるわけですから、詳しくわかるのは当然ではないかと。むしろ何に着眼して、不確実性がどんどん減っていく方向に向かっているのか、いや、そうじゃなくて、まだまだ課題は残っているのかということがわからないと、前回の趣旨とは違うのではないかなという気がひとついたします。
    それから、もう一つ、これは細かい話かもしれません。39ページあたりになると、今後2010年にこういう形でまとめていくということをおっしゃっているのですけれども、2010年に出ないと、我々はこの中身についてわからないのでしょうか。要はこの報告書の出た段階でないと、うまくいっているかどうかの判断もできないというまとめ方なのですか。それとも、途中で少しずつ見せていただけるような、そういうことをお考えなのでしょうか。その辺をお聞かせ願いたいのですけれども。
  • 石川原子力機構地層処分研究開発部門副部門長
    まず最初のご質問ですが、27ページの図は、本来であれば、もう少しいろんな情報を盛り込んで説明しようと思っていました。それをやると、それだけで5分、10分ぐらい説明しなくちゃならないということで、かなりはしょってしまったということがあります。ここで言いたかったのは、当然ボーリングをたくさん打てば詳しくわかるというのは当たり前の話なのですが、どこまでやると何がわかったか。本当は、途中ぐらいでドラスチックに変わっている部分があったのですね。今まで断層がよくわからなかったのが、ある調査をしたら、非常にそこが鮮明にわかるようになったと。ただ、そこをかなり省いて説明しているというのは事実です。
    それから、先ほどのもう一つの件ですが、これも我々、今まで説明なりご紹介が足りなくて申しわけないと思っているのですが、できるだけ早い時期に、いわゆるドラフト版というのですか、それを提示したいと考えております。その形については、例えば報告会のような形がいいのか、ウェブか何かにさらしてみるとか、そういうのがいいのかということをこちらでも今考えているところですが、いずれにしても、完成するまで全くわかりませんでは、出てきてから、後で何だということになりかねないところもありますので、それはその前に何らかの形でお示しできるようなことを考えております。
  • 杤山主査
    大江先生が言った最初のほうは、実際、地層処分をやっていくときに、概要調査、精密調査、順々にやっていきますので、それぞれの時点で一体どういう改良が行われて、どこまでわかるかという意味の把握をやっているという意味もありますので、こういうことをやることによって、それぞれの時点でどこまでものがわかって、どんどん進められるのかということがわかってくるのだと思いますので、今の石川副部門長のご説明のような格好かと思います。
    それから、2番目のほうの今やっている最中のものをすぐ出せと言われると、なかなか難しいところがあるのですけれども、できるだけインタラクションがとれて、何をしているかということが見えるようにしていただければと思います。
    そのほか、ございませんでしょうか。
    前回も出たのですけれども、研究開発というのがなかなか成果、あるいは活動そのものが社会に見えてないということが随分問題だということがありましたので、JAEAのほうでも、そういうことを考えてこういう知識マネジメントのような仕事をされている。こういうことによって、だれでもがいつでも入れると。今までだったら、「ここのところはどうなっているのだ」と言われて、「それはどこかにレポートがあります」と言ったら、「そんな返事じゃ困る。今すぐ答えろ」と言われて怒られることがよくあるのですけれども、そういうものがすぐにできるような格好で、開かれた知識体系というのをきちんと示していくという意味では非常に大事なものだと思いますし、これからの人材育成とか技術移転とか、そういう問題についても、こうやって得られた知識をきちんとまとめて後世に伝えていけるようにする、そしてだれでもがアクセスできるようにするというのは非常に大事な仕事だと思いますので、ぜひとも頑張っていただければと思います。
    そのほかございませんでしょうか。
    それでは、また後で時間とりますので、一応ここで次のご報告に移りたいと思います。次は原子力発電環境整備機構の取り組みにつきまして、土技術部長からお願いします。
  • 土原環機構技術部長
    ご紹介いただきました原子力発電環境整備機構、NUMOの土でございます。資料に従いまして、NUMOで実施しています高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する技術開発についてご説明いたします。
    まず1ページ目ですけれども、本日のご説明内容として、さきの技術ワーキングで資源エネルギー庁より示された論点をもとに取りまとめました。最初に実施主体としてのNUMOの技術業務についてご紹介します。次に、技術開発の具体的な内容、3番目に技術に関する関係機関との連携強化への取り組み状況、そして最後に国民との相互理解の促進に向けた技術の活動についてご説明いたします。
    まず最初にNUMOの技術業務についてご説明します。3ページ目にNUMOの技術業務の分類が書いてありますが、大きく2つに分類されます。実施主体としてのメインの業務になりますのは、信頼性の高い技術を用いまして安全に処分事業を推進することだと考えております。これが研究開発機関と異なるところだと思っております。
    しかしながら、現在まで自治体からの応募がない状況ですので、これに関してはさまざまな準備を行っている状態で、その活動の姿は外部から見えにくくなっていると思います。
    もう一つの業務は、原子力政策大綱に示されております役割分担に従いまして、計画的に必要な技術の開発を進めることと考えております。
    4ページにまいりまして、次にNUMOの行います技術業務の進め方についてご説明します。NUMO内部に関しましては4つの項目がございます。まず第1に処分事業は、100年もの長期にわたる事業でございますので、その展開を踏まえまして、適切なるタイミングで段階的に技術を整備していくと。それから第2に、国及び関係研究開発機関で実施されている基盤研究開発の成果を踏まえまして、それらの技術の高度化・実用化、あるいは体系化といったことを図っていくこと。それから、第3に、事業を的確に、かつ合理的・効率的に実施すること。それから第4に、外部に対して積極的に技術に関する情報発信を行うことが挙げられます。
    また、外部との連携に関しましては、基盤研究開発に対してニーズを明確に提示し、成果を確認した上で活用していくこと。次に国内外の最新知見を把握・反映していくこと。最後に、国内外の関係諸機関との連携・協調に努めるとともに、国際標準への適合や国際的コンセンサスにも配慮しながら事業を進めることが挙げられます。
    次に、技術開発の内容について説明します。6ページでございますが、このページは、NUMOの技術開発のスケジュールを示したものでございます。一番上の帯のところが、処分事業のスケジュール、それから真ん中の帯のところがNUMOの技術開発のスケジュール、下の段が国及び関係研究機関で行われている基盤研究開発のスケジュールを示しています。
    一番上の処分事業は、公募開始から3段階の選定段階を経て、建設、操業、閉鎖へと進めていきます。これに対して、NUMOの技術開発は、NUMOより先行して実施されている基盤研究の成果を踏まえまして、事業の各段階に間に合うように整備していきます。これまでに緑色で示しております文献調査の開始に必要な技術の整備については終了しています。また、水色で示した第2段階の概要調査の開始に必要な技術の整備もおおむね完了してきています。また、長期の事業推進に必要な、例えば事業管理のツールといったことに関する技術開発も別途進めております。
    7ページにまいりまして、NUMOの実施します技術開発の体系を示します。全体として国の基盤研究開発の成果を踏まえて、安全性や信頼性の向上に努めることとしていますが、これらの技術開発の項目は大きく4つに分類されます。まず合理化・効率化のための技術開発、それから高度化・実用化のための技術開発、それから体系化のための技術開発、そして実証です。ここに幾つか技術開発項目を分類ごとに例示していますけれども、本日はこの中から青色で示したものを簡単にご紹介させていただきます。
    8ページにまいりまして、まず技術の合理化・効率化の例として、概要調査地区選定上の考慮事項の設定をご紹介します。これは特廃法に定められた法定要件をもとに実際の選定のやり方ですとか、評価の方法といったものについて具体化を図って、NUMOとして取りまとめたものです。
    例えば火山については、第四紀火山の中心から半径15キロメートルの円内は避けるとか、隆起・侵食については、過去10万年間の隆起量の総量が300メートルを超えるような場所は避けるとか、そういったことを評価方法も含めてNUMOとして定めて取りまとめたものです。
    9ページにいきまして、技術の合理化・効率化の例の2番目として、文献調査支援ツールの開発をご紹介します。これは3つのシステムから成り立っています。一番左の1番、全国規模で整備された地質等の文献情報を位置情報を持ったGISデータとして収納した原環機構地理情報システムというものがございます。これによりまして、さまざまな位置情報を有するデータの重ね合わせといったことが可能になりまして、全国レベルの一般情報に基づきまして、個別地点の地質等の概要検討などが可能となりました。
    次に真ん中の文献調査システム・フローですが、これは実際に文献調査が始まった際に文献を収集する計画の検討ですとか、あるいは実際にどれだけ文献が集まったかといった進捗状況の管理といったものに用いるためのシステムです。
    それから右側の3番目が、地質情報データ管理システムです。これは文献調査により収集した文献の情報ですとかデータ、あるいはそれらのデータをもとにNUMOで実施します解析の結果ですとか、さらにはNUMOがそれらをもとに行う意思決定の記録等のデータを収納管理していくデータベースです。これによって追跡性が確保されると考えております。
    次の10ページでございますが、技術の合理化・効率化の例の3番目ですけれども、処分場概念構築システムの開発を紹介します。これは文献調査により収集しました文献情報やデータを用いまして、概略的な処分場の設計や性能評価をNUMO内で直営で実施するシステムとして構築いたしました。
    それから次の11ページにまいりまして、同じく技術の合理化・効率化の例の4番目ですけれども、立地地点の条件に応じた地上・地下施設の検討をご紹介します。1999年に当時のJNC(核燃料サイクル開発機構)から公表された2次取りまとめでは、地上施設と地下施設の基本的な設計が示されておりました。しかしながら、NUMOが公募制ということを採用したことにより、さまざまな地形や地質条件の場所が今後応募してくる可能性があるということで、処分場の成立性を検討することがそういう場所についても必要となり、選定の可能性を高めるために、地上と地下施設の設計に関して、追加で幾つかのバリエーションの検討を行いました。例えば地上の敷地面積が狭いとか、環境に制約があるという場合を想定しまして、地上施設を分散配置するだとか、地上施設の一部を地下に入れて地下化をしてしまう、そういった概念の検討を行いました。また、地下について、処分場の母岩となります良好な岩が狭い範囲にしか分布していない場合を想定しまして、地下施設を多段に積み重ねるコンセプトについても検討を行いました。
    ここまで説明してまいりました4つの技術開発項目は、文献調査による概要調査地区選定に必要な技術ですので、既にこれらすべて完了しております。
    次に、12ページにまいりまして、技術の高度化・実用化の例として、地震・断層活動の評価技術の高度化についてご説明します。地震・断層活動の評価技術に関しましては、原子力発電所等の施設を有します電力会社によりまして、これまで主に開発されてきています。しかしながら、地層処分の施設は、地上に設置される原子力発電所などと異なりまして、地下深部に設置するために、そういった地下深部での地震の揺れ方の特性を評価する必要があります。NUMOでは既存データをもとにさまざまな解析検討をこれまで行ってきております。
    それから下側の図は、中越地震がございましたけれども、中越地震の際に問題となりました地上に活断層が現れない活褶曲についても、どの程度の範囲で避ける必要があるのかという評価方法を確立する必要があるということで、その検討を左側の実験とか、右側のデータを集めて、その解析とかにより行ってきております。
    次にまいりまして、同じく技術の高度化・実用化の例ですけれども、火成活動の評価技術の高度化をご説明します。火山の噴火に関しましては、これまで基盤研究で行われてきた決定論的な評価手法を調査方法とあわせてNUMOとして体系的に取りまとめております。その一方で、海外で行われております確率論的な評価手法についても、海外の手法に改良を加えながら、日本への適用性の検討を行ってきています。
    また火山の噴火の評価とは別に、火山による熱とか熱水の影響評価についても、産業技術総合研究所の有しております地熱に関する多くの知見やデータを活用しまして、これらの調査評価手法の効率化を図ってきました。
    次に14ページでございますが、同じく技術の高度化・実用化の3つ目の例ですが、建設・操業システムの高度化をご紹介します。第2次取りまとめでは、緩衝材としてベントナイトを締め固めたブロックを用いるコンセプトが示されておりましたが、工程の確保ですとか、あるいは湧水の多いといったような多様な地質環境への対応などの観点から、他の実用的な施工方法として、小さい粒状のベントナイトペレットを用いる方法ですとか、あるいは地上で金属製の容器の中にオーバーパックとか緩衝材をまとめて設置して搬送するというPEMという方法の検討を行いました。
    それから、下側の部分につきましては、コンクリートに含まれますアルカリ成分が及ぼすベントナイトの性能低下等、そういったものへの対策としまして、第2次取りまとめでは低アルカリ性セメントの利用が示されていましたが、NUMOでは実用化という観点から、実際に施工する可能性のある、例えばトンネルの壁の部分の支保工とか、水の流れを防ぐプラグとか、そういったところを想定して、実際に実験を行って、施工性とか適用性の確認を行ってきています。
    次にまいりまして、同じく高度化・実用化の4つ目の例ですが、3次元核種移行解析による設計検討手法の開発をご紹介します。処分場の性能の評価に関しまして、第2次取りまとめでは一次元の核種移行解析を中心に取りまとめられていますが、NUMOでは、新たに三次元の核種移行解析のコードを開発しまして、設計の詳細部分の違いによる性能評価上の影響を評価することが可能となりました。
    ここに示しておりますのは、廃棄体を縦に置く場合と横に置く場合のコンセプトの違いで性能評価上どのような影響の違いがあるかといったことの検討と、それからもう一つは、坑道すなわちトンネルを、断層破砕帯が横切る場合の対策としてプラグというのが考えられていますが、そのプラグの効果はどのぐらいあるのかといったことを今回開発しました三次元コードで検討しております。
    次にまいりまして、16ページですが、同じく高度化・実用化の5つ目の例として、沿岸海底下での処分場概念の検討を紹介します。第2次取りまとめでは、内陸部の処分場の設置を中心に処分場概念の検討が示されておりますが、当然のことながら、島国である日本の地形・地質環境や六ヶ所村の高レベルの貯蔵施設からの輸送等を考慮しますと、海底下も含めた沿岸域も有力な処分場候補の1つになると考えられることから本検討を実施しております。氷河期等の気象の変動に伴う海水の水位の変動を考慮して、地下水の流れですとか、海水の塩分の広がりの変化といったことについて検討を行ってきております。
    次にまいりまして、17ページでございますが、技術の体系化の例として、概要調査技術と評価手法の体系化的な整備についてご説明します。第2次取りまとめ、その後の地下研での基盤研究では概要調査の手法、評価について取りまとめられてきております。NUMOでは、実際の精密調査地区選定を想定しまして、精密調査地区を選定する条件と調査や評価の整合性を考慮しつつ、実施可能な概要調査について体系的に取りまとめてきております。
    また、同時に、複数の場所で同じレベルの品質でボーリング調査等を計画実施する場合に、NUMOの職員が実務を的確に行うために、概要調査に関する計画の立案マニュアルですとか、調査の管理マニュアルを取りまとめております。これらのマニュアルでは、NUMOが行う調査計画立案とか、調査の管理の際に作業や意思決定の基本的な流れが示されてあって、その意思決定を行う際に参考としますさまざまなデータ集ですとか、あるいは過去の事例とか、留意点とか、対策についてもあわせて整備してきております。
    それから次に、18ページでございますが、技術の実証の例として、処分場設計・評価の確認についてご説明します。この検討ではNUMOで開発しました、先ほど紹介した処分場概念構築システムを用いまして、調査の進展に伴う地質環境情報の増加に対応した処分場の設計手法、あるいは性能評価手法の適用性確認を行いました。具体的には、仮想サイトを対象に調査の進展に伴い増加します地質環境の情報の増加量を設定しまして、情報量の増加の大小に応じて、詳細度を変えた設計手法や性能評価手法を適用して、結果の違いについて検討を行いました。
    次に19ページでございますが、技術活動に対します第三者による評価・助言についてご説明します。NUMOが行います技術活動における技術的課題に対する評価・助言はもちろんでございますが、国民の理解の促進等の課題についても、国内外の有識者から評価や助言を得ながら進めております。
    具体的な例としては、NUMOが主催して、国内外の地震・断層活動やあるいは火山の専門家を集めて、日本の地層処分におけるテクトニクスの評価等のテーマで、国際テクトニクス会議というものをこれまでに6回開催してきています。またその他の活動についても、国内及び海外の専門家から構成されます技術アドバイザリー委員会の評価・助言を受けて進めてきております。
    次に、3番目としまして、NUMOと関係機関の連携強化についてご説明します。21ページになりますが、地層処分に関する研究開発については、これまで原子力政策大綱に示された適切な役割分担のもとにNUMOと国及び関連研究機関の間で協力しながら進められてきています。
    しかしながら、先ほどもありましたように、その姿が明確でないなどのご指摘もあったことから、国及び関連研究機関が実施している基盤研究と実施主体であるNUMOとの連携をより緊密にするために、NUMOとして、今後の各段階の、実際に行いますアクションのプランをもとに技術開発のニーズを再整理しまして、それらを体系的に定義するとともに、基盤研究成果についてもしっかりと確認を行って、活用していくものとしました。
    次、22ページにまいりまして、現在NUMOとして基盤研究開発のニーズの取りまとめをまさに行っているところなのですが、幾つか代表的な例をここに示しております。例えば幅広い条件に対応した技術・データベースの信頼性の向上・整備ということで、先ほど述べましたように、沿岸域の調査手法なども信頼性向上が必要であるとか、あるいは一番下に来まして、ノウハウの蓄積と移転というところで、地下研究施設での調査・建設の着実な推進とか、こういったニーズが挙がっております。
    次にまいりまして、23ページですけど、NUMOにおける人材の確保・育成方策と技術の移転・継承についての検討状況を概略、説明させていただきます。まず技術力の確保・向上のために、各段階での事業規模に基づきます中長期の要員計画、それと、要員計画に基づきます採用計画の策定を進めております。また、国内外の関係機関への長期派遣等を含みます技術者の育成方策についても、関係機関と調整しながら検討を進めております。
    それから、JAEA等の関係研究機関からの技術移転についても、具体的な実施方法についての調整を行っております。また、技術継承については、インフラ整備ということで、長期の事業を一貫した手法のもとに柔軟に行っていくということで、要件管理システムの構築ですとか、あるいは各種マニュアル類の整備に努めているところでございます。
    次に24ページですが、国際連携等の推進についてご説明いたします。地層処分に関する共通課題に対して、海外の実施主体等の関係機関と協力協定を締結して、意見交換ですとか、情報交換、あるいは共同研究といったことを実施してきています。
    また、国際機関であるIAEAとか、あるいはOECD/NEA、そういったところが開催します国際会議等へも職員を派遣しまして、議論とか、あるいは作業といったことで、そういった活動にも貢献してきています。
    次に4番目の項目として、国民との相互理解の促進についてご説明します。26ページですけれども、NUMOで実施した技術開発の成果につきましては、関係する学会ということで、原子力学会ですとか、土木学会とか、応用地質学会、あるいは地下水学会とか、そういったところに投稿しまして発表するとともに、主要なものについては、そこに写真が写っておりますが、青色の技術報告書として取りまとめています。技術報告書につきましては、昨年までに10件公表し、2008年度は5件予定しています。学会発表は、2007年度までに153件投稿・発表し、2008年度は30件を予定しております。
    次、27ページですが、そういった学会等の発表にあわせまして、技術開発成果の報告会も実施しております。これまでに2回開催しておりますが、第1回目は、概要調査地区選定における技術的根拠を取りまとめた報告書に関する説明ということで行いました。第2回は、昨年、これまでの技術開発成果を取りまとめて、各分野ごとに報告させていただきました。
    次の28ページにまいりまして、さらにNUMOでは、2000年以降のオールジャパンとしての研究成果、技術開発成果をもとにしまして、技術報告書を2010年に取りまとめ、公表することとしております。
    背景としまして、実施主体として安全な処分の実施に関する情報発信が必要である。それから、NUMO及びJAEA等の研究機関の研究成果、最新の知見が2000年以降蓄積されてきたということ。それからもう一つは、原子力委員会の政策評価部会での提言等を踏まえまして、研究機関等との連携にNUMOとしてはリーダーシップを発揮していく必要があるということ。それから、たまたまでございますが、NUMOの設立の10周年であること。
    そういった背景を踏まえまして、一番下のところにメッセージと書いてありますが、コアメッセージとして、地層処分全体を見渡して、NUMOはどういうふうに包括的に安全確保をしていこうとしているのかという安全確保構想を提示する。
    2番目のメッセージとしまして、2000年以降、NUMO、あるいは基盤研究の成果によりまして、安全確保構想を支える技術がどのように進展して、信頼性が向上したかということを示す。
    3番目としましては、最初の実際のプロジェクトのアクションであります文献調査とか、あるいは次の段階の概要調査で必要となる技術の実務的な準備・整備も着実に進展していることを示すといったことをメッセージにまとめようと思っております。
    次の29ページでございますが、レポートの内容としましては、先ほど言いました核となるNUMOの安全確保構想に続きまして、それらを支えます技術的内容を具体的に記載して、2000年以降の技術の進展を示すとともに、社会合意形成にかかわる技術的事項についても、現時点でのNUMOとしての考え方を示したいと考えております。
    作成につきましては、もちろんNUMO職員を中心に行いますが、関係機関の技術開発成果も適切に反映していくために、各機関の研究者にも協力していただきたいと考えております。
    また、作成に当たりましては、国内外の専門家の助言、あるいはレビューを受ける。それから、学協会や国の委員会等にもレビューを依頼していきたいと考えております。
    それから最後のページになりますが、30ページでございますが、この報告書につきましては、技術の進展やそれに伴う信頼性の向上を実施主体が報告書として取りまとめるということ自体も技術的には意味のあることなのですが、それだけでなく、地層処分は安全に実施できるという現状でのNUMOの考え方を伝えたい。そういったことを含む報告書の内容を広く世の中に周知していくことが大切だと考えています。
    具体的には、東京での報告会のほかに、国あるいはNUMOの行いますワークショップ等の場を利用するだとか、あるいは、各地方でミニフォーラム等を開催するだとか、いろんな場を利用して、その内容をわかりやすく紹介していきたいと考えております。そのために、実際の報告書にあわせまして、報告書、要約版と別に、一般の人に理解していただけるパンフレット類も作成したいと考えております。
    以上でございます。
  • 杤山主査
    ありがとうございました。それでは、10分ほど時間をとりまして、ただいまのご説明について、ご意見、ご質問をお願いします。
  • 土田委員
    大変いい話を聞かせていただきました。先ほど大江委員からも同種の発言がございましたけれども、2000年の時点でこのやり方は安全であると国で決定したわけですので、それ以降の研究開発はまさにどうやったら安全に実際に事業ができるのかということに関する研究が主体になるべきだと思います。その意味で大変よろしいのではないかと思うのですが、幾つかお聞かせください。NUMOとしてこのような研究開発にどれくらいの人員体制で行っているのかを教えていただければと。基本的なことを僕は知らないのですね。それから、予算的にもどれぐらいの予算をつけて行っているのか。それから、もう2点ほどあるのですが、1点は、学協会にも発表するとか、有識者から意見を求めるというような取り組みをかなりなされているようなのですが、機構内で開発した技術の評価というのはどういう形でなさっているのか。またこれに関連して、どのような研究が必要かに関して、どのような形で方向づけをなされているのか。あと1点は、私は、社会とのつながりについての研究を専門にしているものですから要望しますが、人々が求めているような研究というのは一体何かということを吸い上げていただきたい。技術的に意味があるかどうかということも重要ですが、こういうことがわからないと安心できないという技術はあるのですね。それがどういうものかということを知る努力はしていただきたいと思います。
  • 土原環機構技術部長
    まず1番目のご質問、実際にNUMOで技術開発等の技術業務に携わっている要員はどのぐらいいるかということで、現在技術部と国際技術協力部を合わせまして約30名の技術系職員がおります。
    それから、2番目の予算でございますが、大体技術開発費だけで年10億の予算を消化しております。
    それから3番目の機構内での評価ですけれども、大体年度単位で技術開発を取りまとめておりますので、年度末に実際に担当しました者が自分が行った研究開発について自己評価を行います。それをもとに技術部内で説明して、関係者の評価を受けるという体制で、その結果を受けて次年度の研究計画にも反映するという体制で行っております。
    それから、必要な研究の方向づけというお話でございますが、これは年度年度につくっているわけではなくて、中長期的な計画を事業の進展を見据えて、その事業のこの場面ではどういう仕事を我々はするのだということをもとに、その仕事をするためにはどういう技術が必要かと。その必要な技術は現状レベルでどうだということを出しまして、現状レベルと必要な技術のレベルの差を埋めることが技術開発であると。それらについては大量にございますので、優先順位をつけて、必要な時期に間に合うように技術開発を進めているところでございます。そういう中期的な計画をもとに、年度ごとに議論して研究内容を定めております。
    それから、最後の重要なご質問だと思いますけれども、技術者だけでわかっていればいいということに陥りがちなのですけれども、我々が行っています研究の一部にリスクコミュニケーションの研究ですとか、社会合意形成に関係するような研究も一部行っておりまして、実際に一般の方とか、学生さんとか、そういった方にいろいろアンケートをして、そういったことを分析する手法の開発ですとか、我々が行いますフォーラムとかの場を通していろんな議論をしていただくわけですけれども、そういうところの議論を元データとしていろいろ解析の材料として検討したりとか、そういった研究も一部で進めております。
    以上でございます。
  • 杤山主査
    そのほか。
  • 山崎委員
    最初のほうなのですけれども、いろんな技術開発をされていて、一番最初の段階の候補地が決まった場合の文献整理や調査の段階での技術的な整備は終わったというお話が先ほどございましたけれども、先ほどの事例では、処分場をどう設計するかという話がこの中に入っていたと思うのですけれども、要件に合った場所がもし決まった場合、多分いろんな意見が出てくる。慎重な方、たくさんいらっしゃいますので、相当いろんな意見が出てきて、要件は一見合っているように見えても、それから、文献というのはどういうことをされるのかよくわかりませんが、仮に文献でそうじゃないというデータがあっても、さらに、いや、そうではないのではないかという議論が必ず出てくると思うのですね。そういう議論のときに、対応できるような技術整備というのはされておられるのか。例えばシミュレーションを、もちろん慎重な方も、既存のものに対する新しいモデルを出されてくるわけで、そういうものに対してシミュレーションをすぐ行って、答えが出るような技術、いろんな段階があるので、もちろんベーシックなものでもいいのですけれども、そういうような整備みたいなものはされているのかどうか、お伺いしたいのですが。
  • 土原環機構技術部長
    文献調査の段階というのは、自分たちで実際に調査自体を行う前に文献を集めてきて、それを読んで、情報あるいはデータとしていくわけでございます。ということで、人が実際にボーリングとか、あるいはいろんな調査をされたやつの情報をもとに考えなきゃいけないということで、それぞれ得られますデータについて、まず信頼性を評価する必要があるだろうと考えております。いろんな文献で相反することが書いてあったりとか、いろんなことが出てくると思いますけれども、まず最初に文献を集めてきて、それらの発行元ですとか、発行年次とか、あるいは論文等への引用回数だとか、そういったことをもとに、個々この文献情報に対する信頼性を評価する必要があると考えております。
    文献情報に基づいて要件を判断して、そこが次のボーリング等の概要調査をする場所にふさわしいかどうかというのを最終的に判断するわけですけれども、今言いましたように、文献でも非常にあやふやな部分を含んでいるということで、確実に不適格であるという判断が下せるところは次へ進まない。要するにあやふやな部分がある場合は、自分の手で調べようというのが基本スタンスでございます。次の段階に行って調べれば、自分たちでちゃんとしたデータで判断できるだろうということで、確実に判断ができることについてのみ判断するというスタンスを基本に考えております。
    シミュレーション等につきましては、個々のいろんな分野がございますけれども、例えば先ほどの地下の熱水の流れに関する影響の評価とか、そういったシミュレーションのコードを開発したりだとか、それから、地下水についても、計算、シミュレーションのコードを検討したりとか、そういったことは進めております。
  • 葛西委員
    私は30ページのNUMOの2010年の技術レポートについてお聞きしたいのですが、JAEAが2000年にレポートを出されて、それをもとにさらに技術研究を進めて、10年たったのを機に2010年のレポートを出されるということだと思うのですが、前回、昨年6月にこの会が開かれたときに、井川委員がおっしゃっていたのですが、ウェブ等でこういったものを引いてもなかなか技術面とかがヒットしてこないというご指摘があって、今、30ページを拝見させていただいたのですが、ミニフォーラム等での紹介というところで、パンフレットを用いて紹介となっているのですが、先ほど、JAEAはウェブ等も使っての知識の共有のような形でご説明してくださいましたが、そういうような部分に関しては、NUMOでは何か検討しているということはないのでしょうか。
  • 土原環機構技術部長
    技術全般も含めまして、そのほかの技術の活動についても、なかなかわかりづらいということで、ホームページに関しましては大分改良を加えてきております。先ほどもございましたけれども、処分の技術者としてはそれほど問題にしなくても、一般の人が不安に思うこと、あるいは知りたいことに対しても答えられるように、そういったものの取りまとめも載せるようにということで、内部で検討して、順次改良を加えてきております。技術レポートにつきましても、先ほど、1回訪問をしてしまえばそれでいいのかというお話も、JAEAのレポートのときにございましたけれども、NUMOとしても同様に考えて、いろんな場面をとらえて、早い段階から積み重ねていく、繰り返して説明していくということが大事だと考えておりまして、ホームページもその1つとして有効に活用していきたいと思っております。
    具体的には、2010年に報告書をまとめると申しましたが、早い段階でその核となる、先ほど言いました安全確保の構想みたいなものをもう少し早い段階でまとめて、早い段階でいろんな人に議論してもらって、最終的なまとめにつなげていきたいというやり方を今検討中でございます。
  • 長崎委員
    21ページのこの関係図ですけれども、あれだけ政策評価部会で議論をされて、報告書の文面自体は、いろんな経緯もあって、ああいう今の文面になっているのですけれども、基本的には技術的な信頼、技術というのは国民との関係も含めた技術という意味で、その主体はあくまでNUMOであって、そういうことが今まで欠落しているんだと。そこの意識改革が必要であるとあれだけ議論をされたにもかかわらず、私個人はそう思うのですが、いまだに調整会議が技術の主体であって、中には開発という言葉が入っていますけれども、成果を受け取る側であるというような、こういう絵が出てくることは、もはやかなり問題があるのではないかと私は思わざるを得ないのですけれども。そう思いますよ。ものすごい長い時間かけて、あれだけの人数の人が議論したわけですよね。土技術部長も何回も出られていましたけれども。その結果、あそこまで言われたら、調整会議は調整会議であるのだけれども、NUMOはNUMOでこういうふうにしていますと、もっと具体的なものが出てこないと元来おかしいのではないかと。これだと今とほとんど変わらないようにしか見えないのですよ。その辺が今後、特に短い何年かの間でどうなっていくのかというところをお聞かせいただきたいのですけど。
  • 土原環機構技術部長
    多分私が思いますに、この図が説明不足なのかなという気がします。大分改良を加えまして、もう一度将来の各段階の重要な段階の、実際に行われます業務を細かく洗い出しております。再整理を行っております。先ほど言いましたように、その業務に対して必要な技術は何かということで、基盤研究も実施主体側の研究も全部含めてNUMOとして考えられるところを今取りまとめております。その際には、当然我々だけの知識では足りないところもございますので、関係機関にもいろいろ現状の技術レベルだとか、課題の部分だとか、そういったことについていろいろヒアリングさせていただきながら、現在取りまとめております。最終的には、実際のアクションに結びついたニーズを提示して、その中で実際に基盤研究でやっていただく部分と実施主体でやる部分を整理して分けていこうと考えております。ここは計画等の提示になっておりますが、実際にはNUMOとしてのリクワイアメントを提示して、それらを国のほうでまとめられております基盤研究開発のロードマップ等にも反映していただきたいと考えて、今、資源エネルギー庁とも詰めさせていただいております。という感じで考えているのですけれども。
  • 杤山主査
    私のほうから一言。23ページの人材育成、技術の移転・継承の話なのですけれども、これを見ますと、全体としてNUMOで働く人の人材を育成したいというような感じに見えるのですね。NUMOで働く人だけでなくて、放射性廃棄物の地層処分を実現させようとするいろんな分野で、この分野の人材が育ってくれないといけないという面があると思うのですね。そういうふうな形の人材も育成しなければいけないのだという姿勢で全体の人材育成を考えていただきたい。
    それから、そういう人材、いろんな分野で理解して働いてくれる人がちゃんと育つことが実際の実施の事業の一環だとして、実施の事業の一環として、周辺じゃなくて、ちゃんとこれを仕事として、1つのある部門を設けるかどうかは知りませんが、仕事としてきちんとやっていただきたい。何となくある事業があって、そのついでに人材が必要だからそれをやるのですと言うのではなくて、そういう人材をつくっていかないと処分は社会に受け入れられないという背景がありますので、そういう意味では、もう少し広い意味で人材を考えていただければと思います。
  • 長崎委員
    人材というのは、おそらくこれはNUMOだけの仕事ではなくて、国とか原子力機構もそうだけど、そういうところも含めて、全体で考えるべき問題であると。
  • 杤山主査
    まあ、そういうこともありますが、先ほどの長崎委員の意見とむしろ逆かもしれないのですが、私は、NUMOが処分を実施していこうと、事業をちゃんとやっていこうとするなら、それはNUMOの仕事でもありますよという格好で、きちんと把握していただきたい。もちろんほかの人たちも協力しないといけないという意味では、先ほどの研究開発をいろんなところがやって、NUMOと一緒にやっていくというのと同じ立場でありますけれども。
  • 山崎委員
    今の話に関係しまして、私は、これを先ほど見せていただいて、新卒採用、キャリア採用、プロパー人材の育成と、これは非常に大事で、杤山先生とか長崎先生のお話と少し違っちゃうかもしれませんけれども、今の状況、いろんな研究をする人たちを見ますと、みんな任期付とか、長期派遣みたいな感じになっていて、切れたら行く先はないとか、あるいは最後の1年、2年は就職探しに追われてしまうということがあって、安定した研究をずっと続けられる専門家の育成はすごく大事だなという気がします。そういう方があちらこちらに出向して、基礎的なことを勉強しながら、処分ということで進んでいくというシステムがやっぱり。何か世の中が全部、今、研究者も派遣になっているような気がして、これがすごく現在の研究開発を弱めているのではないかという気がして、NUMOとしてはぜひその辺は長期的な目で見ていただきたいなと思います。
  • 土田委員
    今のご発言とも関連するのですけれども、NUMOの役割とは一体何なのかなと思うのですね。事業を行うことですよね。そうすると、研究開発と言うのですけれども、日本では科学技術と簡単に言いますけど、サイエンスとテクノロジーは基本的に違うと思うのですね。ここで求められているのは、工学的な知見が求められているのであって、必ずしもサイエンスではない。サイエンスをやるなというわけじゃないですけれども。そう考えると、人材も、研究者を養成するわけじゃなくて、技術者を養成してほしいわけですね。実際現場で安全に事業を実施できる人材をつくってほしい。そういう観点からこれをやっていただきたい。
    それからもう一つは、さっき30名の10億円体制と聞いて、実は私は随分小さいのだなと思いました。それで足りるのでしょうかと。私が言う話でもないですけれども、まともにやるのであれば、よほど他の機関とうまく連携して、他の機関にやってもらえることはやってもらうという体制ならいいですけれども、すべて自前でやろうと思って、この予算でこの人員では、これからやろうとなさっている事業の全体を考えたら、少し足りないし、もっと増やせというような声を上げられてもいいのではないかと思います。
    それから、社会との関係でいいますと、私が属している私立大学のようなことをやってくれとは言いませんが、つまり、具体的に言いますと、ノーベル賞をとれそうな人を連れてきて、というようなことは言いませんが、しかし、やっていることを外部からよく見えるというか、マスコミなんかもNUMOについて取材してみたいと思うような、そういうような技術開発をしていただきたいと思います。話題をとればいいということではないとは思いますけれども、こういうことをやっているのかということを社会が知りたいと思うようなことをやってもらうということも大事じゃないかと思います。
  • 長崎委員
    本当は総合のところで言おうと思っていたんですが、今、こういう話が出たので、ついでに言いたかったことを言いますと、今、土田委員が言われたように、技術者、工学系の人間、ということも大事で、23ページに書いていることは、人材は大事だというのは昔から言っていて、それの繰り返しだけでしかなくて、本当に今、我が国にはどういう人がどういう年齢分布でいてということ、それから、本当に原子力機構から人が来るのか。本当に原子力機構が人を出してくれるのか、行きたいと思う人がいるのか、行けと言えるのかとか、そういうところも含めて、国レベルで、私はもっと真剣に人の確保ということを考えるべきだと思います。はっきり言って、私も就職するときに、原子力機構を考えなかったことはありません。だけど、そのとき、まさか自分が入ろうと思ったときに、NUMOに行こうなんて思っていなくて、ずっと研究をするだろうと。だから、サイエンティストとしてやろうと思った人をNUMOに連れてきて、そういうことはおそらくもうできないかもしれないですね。全く組織が違うから。大学の中の教員がどういう年齢分布でいるのかというのは、おそらくすぐに想像つくと思います。というのは、私も、こういう国の委員会とか、いろんな委員会に出てきて、もう十何年出ていますけれども、いまだに私より若い人、この間初めて保安院の規制支援研究WGの時に原子力機構の前田委員が来ましたけれども、いつまでたっても私が一番若い。これはどういうことかというのは、そういうことですよね。どんどんどんどん抜けていくだけで。いわゆる承継ポストにつけなくなっているというのもあって。それから、東大だけは違うという位置づけにしていますけれども、明らかに工学系は全国的に人気がなくなっているというのが日経ビジネスか何かに出ていましたよね。そういう中でどういうふうにして工学系の人間をきちんと確保していくのかということまで含めて、もうちょっと現実的な人材育成というものを考えておかないといけない。いざ欲しいと思っても、いないのですよ。これをきつく言い出すのは、六ヶ所の再処理も6カ月また延びて、これは本当にうまくいかなくなったら、大変な事態になると思うからこそ、本当に真剣に。だからさっき言ったのは、NUMOだけではなくて、国も、原子力機構も、電気事業者、いろんなところを含めて、人をどうやって確保していって、そのとき、NUMOの役割と機構の役割と、例えば電中研なら電中研の役割は何だから、どういうふうな人を配置していって、横軸に年をとったときに、どういうふうにやっていって、それがちゃんと概要調査、精密調査のときに合っているというような図まで本来ならここに出ないと、これは。ということだと思います。
  • 杤山主査
    何か反論はありますか。
  • 土原環機構技術部長
    いろいろご意見をいただいたのであれですけれども、まずNUMOの組織をつくるときに、海外の実施主体、同じような仕事をするところが、どういう状況になっているのかということを調査しまして、そのときに2種類ありました。非常に多い人数を抱えているところと、それから少ない、我々ぐらいのレベルの人数でやっているところ、2種類あった。何が違うかというと、先ほど言われたように、どこまで研究者を自分の組織の中に抱えるかというところの違いです。研究者を多く抱えているところは非常に大きな組織になっていて、外部の国の研究機関だとかあるいは大学とか、そういうところとの連携をとってやっているところは、本体は非常に小さくて、100名以下とか、そういう感じでやっています。
    30名は足りないのではないかというご指摘ですけれども、今後進展に合わせましてどんどん増やしていくということを想定していまして、とりあえず現時点で、1地点でもし応募があった場合には、これで対応していこうと。それからさらに増えてもっと応募があった場合には、さらに人員を増やしていく必要があるだろうと考えています。
    それから、技術をどこにどう蓄積していくかというのは我々も非常に考えていまして、NUMOに残しておくべき技術と、あるいはボーリングを掘る会社に残しておく技術とか、あるいは別の研究機関に残しておく技術とか、いろいろなところに技術を蓄積する必要があると考えています。スウェーデンのSKB等がやっていますけれども、SKBを中心にして、あるチームのようなものをつくって、大学とかコンサルタントとか研究機関とか、そういうところで、そこはその処分を支えるチームということで、そこを中心にSKBの技術的業務を行っているというようなことの例を検討しております。
    ただ、日本では、競争入札とか、そういう問題があって、あるところに特定にずっと仕事を出し続けるというのは、現状では少し難しい面があって、その辺もどうしようかというのを今、内部で検討しております。
    それから、外部から見えるような、取材したいような技術開発ということですが、我々もそういった技術テーマがあればぜひ。
  • 土田委員
    地層処分の中にいろいろと世間にアピールできるような技術は含まれていると僕は思うのですけどね。それを前面に出せばいいのではないかと思いますけれども。
  • 土原環機構技術部長
    テーマよりもアピールの仕方が悪いという感じですか。
  • 土田委員
    多分技術者の目と世間の目はそんなに違っているわけでもないと思うのですね。技術者がわくわくするような技術を開発したら、それは世間でもわくわくしてくれるのではないですか。そういうことだと思うのですけど。
  • 杤山主査
    ありがとうございました。まだまだいろいろご意見があるかと思いますが、大分時間が過ぎておりますので、引き続きまして、第1回のワーキンググループの議論とか、本日の資料等を踏まえて、次回の取りまとめに向けて、ポイントを整理したものとして資料4の説明をしていただきたいと思います。
  • 佐藤補佐
    佐藤から説明いたします。まず構成ですが、第1回のワーキンググループで論点等を示させていただきました3つの観点、国民との相互理解、連携の話、より一層の信頼性の向上の話、この3つで整理しようと考えておりまして、まずその前に前置きとして役割と。こういった構成を考えております。
    めくっていただきまして、1ページ、まず役割ですが、これは基本方針ですとか原子力政策大綱で示されているように、今の3つの論点が重要だということをまず置きまして、2ページ目、まず1つ目の論点、国民との相互理解、これにつきましては、地層処分研究開発の経緯と現状をまずしっかりと書きたいということ。これはJAEAの研究開発がずっとやられていて、2000年レポートで評価を受けている。現状では地下研を中心にした研究開発が進められている。国も研究開発をやっている。NUMOのほうでも技術開発をしっかりやっている。こういった経緯と現状を改めてしっかり書きたいということを考えております。
    そういった上で、3ページ、国民との相互理解促進活動のあり方はどうあるべきか。まず1点目は、今日も議論にありましたように、研究開発がやられているということ自体も含めて国民から理解が得られていないということで、まずきちんと、さまざまな機会を通じて理解促進を進めていくことが重要ということでで、次の2点目はNUMOが、2010年、技術レポートを取りまとめる予定ですとか、安全確保方策をきちんと提示すると。こういったことを使って理解促進活動に展開していく。こういったことが重要ではないかとまとめさせてもらっております。
    次の2点はJAEAです。これも知識ベースというふうに体系化して成果を見せましょうということで、平成22年に取りまとめる予定と。
    こういったことをわかりやすく説明して、地下研も使って国民との相互理解活動に使っていくことが重要だと考えております。
    あとは、1回目の議論に出ましたように、技術的なQA集ですとか、あと、国の事業で進めていますが、体感設備ですとか、バーチャル処分場、こういったものは、広聴・広報活動と研究開発をつなぐという意味で、非常に重要ですので、連携を図って進めていくべきとまとめております。
    続きまして、2点目の連携の話ですが、長崎委員からコメントありました調整会議につきましては、これは17年に設置して、18年12月に全体計画を策定して、それから今年度からPDCA活動を実施している。こういった状況ですが、NUMOからはきちんとNUMOが基盤研究の成果のユーザーということで技術的要求事項、ニーズをきちんと示してもらって、それを受けて、基盤研究開発の項目の重点化や体系化を考えていこうということを今現在実施しております。
    また、透明性の確保ですとか、人材育成にも関係するのですけれども、なるべく大学の関係者、有識者の参画も重要だと考えております。
    続きまして、もう1点、人材の確保。これは私の後にまたさらに議論していただきたいのですけれども、地層処分の事業というのは長期にわたるということは明らかですので、あらかじめきちんと考えて方策を検討していかなければならないということで、次の3点はNUMOですが、中長期の要員計画を明らかにしていくということ、プロパーの人材の確保が重要でしょうと。あと2010年レポートのときに、執筆に当たって、これは経験を積むという面で非常に重要ですので、これも大学の関係者も含めて、幅広い人材育成を図るといった意味では、執筆に当たっては参画してもらうということが重要ではないかと。
    それから、JAEAにつきましては、先ほど出てきました知識マネジメントシステムですとか、こういったことはNUMOの事業なり、規制側が推し進める上で非常に重要ですので、そこら辺のニーズも踏まえて整備していくことが重要だということを考えております。
    それから、3点目のより一層の技術の信頼性の向上、これにつきましてはまだ論点を書き切れてないところがあるのですけれども、基本的に先ほどのNUMOのニーズの話、こういったニーズを踏まえて研究項目をレビューして体系化するということがまず基本的には一番大事でしょうと。あと、たびたび議論に出てきます回収可能性ですとか、社会的側面、これに関してもきちんと研究開発を推進していくことが重要とまとめていきたいと考えております。
    あと、国際連携の話につきましても、JAEA、NUMO、それぞれきちんと連携して、協力してやっていっているのですが、そういったことの成果も踏まえて取り組んでいくことが重要だと。ここはもうちょっと議論しなきゃいけないかなと思っているのですけれども、そういったまとめ方をしております。
    今日のいろんな意見ですとか、これからか5時までの意見も踏まえて、ここら辺、充実して、次回の取りまとめに向けて整理していきたいと考えております。
  • 杤山主査
    ありがとうございました。大分先に時間を使ってしまいましたので、残っている時間が15~20分ぐらいなのですけれども、今の説明と、それから先ほどの2つの説明をあわせまして、いろいろご意見いただければと思います。
  • 土田委員
    まず1点、特にお願いしたいことがあるのですね。私は、社会調査、いわゆるアンケート調査をしばしばやります。高レベル放射性廃棄物を題材としたような調査もやります。そこで出てくるのは、簡単に言ってだれも知らないということなのです。国民の知識量があまりにも少なくて、アンケートにならない。言葉から受けるイメージで反応してくるというような結果しか出てこない。ですから、まず語る前に国民の声を吸い上げるのであれば、国民に知らせてほしい。例えば概要調査のための技術者が必要だし、どういう概要調査を進めなきゃならない、という技術開発をするというのですが、国民のほうからすると、手を挙げたらどういう調査がやってくるのかということが第一わからない。聞いても、それに答えられる人がいない。全国に向かって候補地を名乗りあげてくださいと言うのであれば、せめて国民の共通理解として、手を挙げたら、技術者とか学者の人たちがやってきて、こういったことを調べるのだねということが、普通常識的にわかるぐらいになってくれないと、多分議論にならないのだろうと思います。もしこの状態で議論するとなると、感情というか、イメージが先行した、確かな知識の裏づけのないような、空理空論に近いような議論がどうしても行われてしまう。これでは議論になりませんので、まず前提としては、知識を増やすということで、そのための人材確保と同時に、情報発信ですね。これは選挙のための心理学の教科書に書いてあることですけれども、こちらから金を出して取材してもらうというようなものはだれも信用しないのです。やはり向こうから取材に来たいと思うようなことで取材を受けた報道でなければ、確かな知識が与えられるとはだれも信じませんので。ですから、先ほどのところに行き着くのですが、ぜひ取材を受けてもらえるような情報発信をしていただきたいと思うのです。
  • 杤山主査
    ありがとうございました。今、土田委員がおっしゃったことは我々が延々抱えている問題ということで、その中で、全体としての事業の中でそういうことがあって、技術開発としてはどうあるべきかという話をここでいろいろしていると。先ほど私が人材育成というところで、違う人たちも考えて、分野で働く人と言いましたうちには、今、土田委員がおっしゃった、諸外国である程度サイトが決まったりすると、そのサイトでもっていろんな人とサイトの事業者との間を受け持って、いろんなことを説明する人とか、そういう人を一生懸命育成してやっているようなところもあります。そういうようなものも、すごく大事になってくるということですので、そういうものもあわせて、事業の中の人材育成として考えていただきたいというのが私の言っていることの一部です。
  • 大江委員
    今、人材育成の話が出たので、私も一言言わせていただきたいのですけれども、私が恐れていることがあるのですね。なぜかというと、長崎先生もおっしゃっていますけれども、若い研究者がほとんどいなくなってきている。みんな年寄りなのですね。じゃあ、若い人たちに勉強させる機会があるかというと、ないのです。若い人はいませんから。ということは、我々は若者を、少なくとも処分に関してどう教育していくかというチャンスを逸してしまって、我々自身がもう経験を持ってないような時代になりつつあるということです。
    かたや、いろんな情報が蓄積されていって、それは継承しなければいけないということで、先ほど言ったウェブ化とか、要するにコンピューターの箱の中にしまい込もうということで、確かに箱の中に入ると、容量がでかいですから、いっぱい入りますね。でも読むのは人間ですから、そこをどう読み解くかという教育をやらない限り、いろんな立派な入れ物をつくったって、結局は宝の持ち腐れじゃないかと、私は恐れているのですね。少なくとも私の脳味噌のメモリーは1ギガバイトありませんから、絶対にあれだけの情報があっても、情報過多に決まっているのです。そうすると、何が情報としてキーポイントになるか、それを教える教育システム。システムなんて、そんなものじゃないですね。教育にどうアプローチしていくのかということをやらないと、入れ物をつくって、だれも使わないという状況が起こり得るのだと思います。
    じゃあ、人材育成というキーワードで、皆さんおっしゃっているのだけれども、そのキーワードで本当に教育アクションを起こせますかというと、多分無理ですよね。そういう場所がない。それから、組織の中にもそういう余力もないし、多分予算もないと思うのですね。それは本当にキーワードとして具体的に教育というものを掲げて、何かを考えていかなきゃいけないのではないか。人材育成の中じゃなくて、その大きな枠じゃなくて、教育という項目を立てなきゃいけないのではないかと私は恐れております。
  • 杤山主査
    ありがとうございました。大江委員のおっしゃるとおりだと思います。ここで今、佐藤補佐から提案していただいたうちにも、非常に広いサイエンスの分野からいろんな人が集まって、それを全体の工学としてやっていくという面がありますので、最初から地層処分の勉強をして、その人を育てていくというわけにはいかなくて、いろんなよその分野の人が地層処分に入ってきてもらわなきゃいけない。そういうチャンスをできるだけつくりたいということがありまして、ここで技術レポートの作成とか、QA集とか、そういうような間をつなぐようなところに大学の人とか、できるだけたくさん入ってもらって、そこの橋渡しになるような人をたくさんつくっていきたいというのが、ここの提案の中にはそういう意味がございます。そういうことをすることによって、大学とかの一般人材が入ってくるような格好になれば少しは広がるのかなというのがここの微々たる工夫ではありますが、もちろん全体として、大江委員がおっしゃるように、教育という項目を立てる、それは非常に大事な話ではあると思います。
    そのほかございませんでしょうか。
  • 長崎委員
    今の大江先生と杤山先生のお話のとおりだと思います。私はいろんな紙に残しても意味はないと。時々講演会などで言っているのは、何人かの方はご存じかと思いますが、私はゴルフをします。昔のバイブルはベン・ホーガンの『モダン・ゴルフ』という本があります。古い方はご存じだと思います。私は今、2冊目を持っています。それだけ読み込みましたけど、いまだにドライバー、まっすぐ飛びませんので、紙というのはそんなものだと。一応90ぐらいで回るのですよ。ですけど、そんなものです。だから、私は人。人を育てるのは20年、30年かかるのですね。ミッドウェイの後に山本五十六がどう言ったかというのは、まさしくそこですよね。空母は2年か3年でできるけど、兵士は20年、30年かかる。その人が生き残ったことが大事だと言った。それをちゃんと考えてやらなければいけないと思いますので、今から、結構厳しい状況だということを理解した上で、杤山先生が言われたように、苦しい言い方の中というのはわかるのですが、そんなものを出していっても、おそらくほとんどやる気ないなというのが、何となくねらいかなと。今日は好き勝手なことを言わせてもらうと、調整会議にこれだけ文句言ったのも、結局調整会議の中で処分がうまくいきませんでした。やっぱり処分だめだとなったときに、だれがリストラされるのですか。私は政策評価部会でほとんど近いことを言ったのは、処分場ができなくてもだれもリストラされないのですよ。そういうところでやっていてうまくいくわけがないじゃないかと私は言いたい。
    あと、国民との相互理解というところで、これは非常に大事で、NUMO、国、原子力機構、そういったところは何をやっているかということを国民にいろいろ情報発信します。それから、いろいろな知識のレベルアップを図っていくことが大事ですよということなのですが、本当にそれは可能なのか。我々、そんなことを考えて生きているのでしょうかというのがあって。例えばBSEの問題を考えたときに、私はBSEについてちょっと勉強したのですけれども、あれはおそらくリスク論で言えば全頭検査は必要ないです。私の勉強の中ではそうなっている。だけど、国民の要求に基づいて厚生労働省かどこかが決めたのは全頭検査。明らかに大きな差があるわけですね。今、食とかあるいは健康にものすごい国民の関心が高いはずの中でも、そういうものを要求されるのではないか。だから、本当にこういうのはできるのかどうかということが、自分の中では、可能なのかなというのは、ちょっとわからないという気持ちを持っている。大事なのですよ。大事だけど、本当にどこまでやれるのか。そういうところを考えながら本当にやらなきゃいけないのではないかなと。方法論がそれだけでいいのかどうか。さっきのNUMOの最後のほうのやつは、いろんなところで報告会をしますよと言うけれど、自分自身、いろんな報告会で、行ったことがあるものがあるのか。自分の町に、昔北千住に住んでいたときに、つくばエクスプレスができて、駅ができて、そのときのアセスメントの結果をやりますといったときも、あれでも行かなかったのですけど、あまり行かないので、どうやって理解を促進できるのかというところが。だから、そこだけを言うのはきれいごとに聞こえてしまうような気がします。なので、ちょっと工夫が必要なのかなという気がします。
    それからあとは、バーチャルな処分場とか、これは大事なのですけれども、これ、つくるのと同時に、人が来る、子供が来る、その方法論をしっかりつくっておいてくださいということです。私、津野町のときは現場に行って、NUMOの方と話をしましたけれども、六ヶ所の見学に行きましょう、何しましょう。当日人が来ない。結局ご近所の目を気にする。前、井川委員が小委員会で言われたのは、やつは転んだというふうな言われ方をする。それから、今は、小学校とか中学校で、いろいろな原子力の話を例えばポジティブにした。そうすると、子供が家に帰って親に言う。その親が怒って、学校に言う。先生は飛ばされるというのは現実的にはあるわけですね。そうすると、これをつくっても、来るのは、意識の高い一部の人か関係者だけで、何となくだんだんさびれて、維持費もなくなってと、そういうふうにならないような方法論も一緒に、結局箱ものにならないようにしておいてほしいというのが2つ目です。
  • 土田委員
    まさにそのとおりでありまして、1つは、食のことをおっしゃいましたので、国民が食に関して正しい知識を持っているわけではないというのは全く同意です。国産食品に対してあまりにも高い信用を置き過ぎてきて、かえって危ないのではないかと僕も思います。逆に、ある種の外国産のものを不当に低く評価しているとも思います。国民の理解というのはそういうものだと言われれば、確かにそういうものなのですけれども、問題は、廃棄物処分のサイトを1つつくらなきゃならないということなのですね。だれも住んでないところにつくるのだったらいいですけれども、日本には人が住んでないようなところはありませんから、そうすると、今、長崎委員がおっしゃったように、子供が恥ずかしい思いをして、それをサポートする先生がどこかに飛ばされるという状況では、どう考えたって、手を挙げるところなんかあるわけないのですね。やらなければならないのは、これが本当に安全なものなのであれば、安全だと公言しても世間から後ろ指を指されないような方策は絶対に必要なのですね。あるいは、誇りといいますか、そこで手を挙げたことによって、全国民からあなた方はすばらしいと言われるような方策が必要なのですね。全員が高い理解力を持って、高度な知識を持ってということを我々は求めているわけじゃありませんから、必ずしも完璧な理解とか、完璧に間違い、誤謬のないような知識を国民に持ってもらうということを目的とするのではないのですけれども、専門家が責任を持って、これでいって安全の枠内に入るというものであれば、それに対して無用な不安を与えないような方策であるとか、あるいは、どう考えたって処分事業というのは社会のために役立つことをやるわけですから、社会のために尽くしている人間が不当に非難されることのないような枠組みは絶対つくっていかなきゃならない。
    さっきもちょっと話したのですけれども、サイトに決まるところは、おそらくは子供が東京などに出ていくような地域でしょうから、子供が東京に出ていったら、自分の故郷のことを東京で言えないという状態じゃ困るわけですね。胸張って自分の故郷では今埋めていますよと言える状況・環境を作ってあげなければならない。これは実施主体の責任として、単に手を挙げてくれればいいじゃなくて、手を挙げてくれた人たちの名誉を守るというか、そういったことまでやるべきじゃないかと僕は思いますけど。
  • 杤山主査
    ありがとうございました。技術ワーキングということから若干外れちゃったのかもしれませんが、それが欠けているということはみんなわかっていて、その中でどうしたらいいかを一生懸命やっているので、これでは足りないだろうと言われても、かわりのものを出してもらわないとなかなか話ができない。そこで我々、一生懸命努力しているのだということで、何とか前に進める提案をいただきたいというのが1つです。
    ちょうど今日、地域振興プラン、これはこの中におられる葛西先生とかもご協力いただいて、出したのも、地域が胸を張れるようにするためにきちんと説明するという意味で、こういうこともやっているということでございます。確かにこういう社会事業をやっていくときに、社会の合意を得て、ものをやっていくというのは、常に難しい問題がある。特に原子力で放射性廃棄物については非常に厳しいものがあります。しかし、土田委員がおっしゃったように、これはやらなきゃいけない。やっていくのに一体どういうふうな方法がいいのかというと、これまでもずっと悩んできたのですけれども、地道にやっていくしか、それ以上のいい案がなかなか出てこないというのが若干ありまして、確かにいろんな意味で、コマーシャルとかいうこともあるのでしょうけれども、そういう戦略をつくるというのは非常に難しいものだと思います。
  • 土田委員
    この委員会でここまで言うことになるとは思わなかったのですが、乗りかかった船ですので。大江委員がさっきおっしゃったことが1つの解じゃないかと思います。若い人が処分事業をやろうと思って、処分事業に集まってくるという状況がないのであって、それで国民がこれはすばらしい事業だとか、地元が胸を張れるということは多分ないのだろうと思います。最近の例でいえば、東大阪というのは、若い人から地元の中小企業に就職することを敬遠されてかなり苦労なさっている地域という話も聞きますけれども、人工衛星を打ち上げる計画を実施したことで、若い人があそこに集まってきたわけですね。それもかなり質のいい若い人たちが集まってきた。処分事業も「まいど1号」とは言いませんけれども、そんな形で、ぜひこれをやってみたいと思うような若い人が集まってくるような、そういう教育をしなきゃならないし、また、地元対策をするのなら、まず技術者対応が大事だと思います。技術者や技術者の卵がこの仕事をやってみたいと思うようにならないことには、技術者でもない人がすばらしいとは多分思えないのだろうと思います。
  • 杤山主査
    ありがとうございました。まだまだ議論が尽きないかと思いますが、そろそろ閉会の時間となりましたので、本日はこのぐらいにしたいと思います。
    議題の2のその他について事務局からお願いします。
  • 大浅田補佐
    次回、第3回ワーキンググループの日程につきましては、また後日調整させていただいた上で連絡させていただきたいと思います。また、次回ワーキンググループでは、本日の議論等を踏まえまして、取りまとめを行いたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
  • 杤山主査
    どうもありがとうございました。それでは、これをもちまして第2回放射性廃棄物処分技術ワーキンググループを閉会いたします。本日はご多忙中のところ、まことにありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2009年4月3日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.