経済産業省
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金融市場における「環境力」評価手法研究会(第2回)-議事要旨

日時:平成20年9月2日(火)10:00~12:00
場所:経済産業省別館1120共用会議室

議題

  1. 検討の視点について
  2. 「環境力」評価フレーム案
  3. 既存の環境評価手法について
  4. 今後の検討スケジュールについて

出席者

石谷座長、阿部委員、稲永委員、稲葉委員、浦西委員、江間委員、蔵元委員、是枝代理(筑紫委員代理)、末吉委員、菅野委員、竹ヶ原委員(藤田委員後任)、藤野委員、水口委員

議事概要

1. 検討の視点について

 

2. 「環境力」評価フレーム案

資料2及び資料3に基づき説明。これに対する委員からの発言は以下のとおり。

  • 資料2のp.3において、矢印の意味していることが不明瞭である。インデックス/ETFを活用し投資するのは個人投資家や機関投資家である。『個人投資家・機関投資家』から、『インデックス/ETF』への黒矢印を追加してはどうか。
    →(経済産業省)活用/作成/情報の流れの区別や、矢印の向きについて精査したい。
  • 本検討における評価手法の範囲は、データをそろえるところまでで、それをインデックスにするとか格付けするというのは今回のミッションとは別ということで考えてよいか。
    →(経済産業省)インデックスそのものの作成を本研究会で行うのではないが、「環境力」評価フレーム作成に当たり、インデックス等への実際の活用を念頭に置いた議論を行っていくとともに、金融市場での活用例を示す意味で、当該フレームに基づく株価指数のシミュレーションを行う。
  • “環境力”の定義はされているのか。
    →(経済産業省)資料3において、取組対象となる環境テーマを、「地球温暖化」、「3R」、「化学物質」、「水」、「生物多様性」と挙げているが、対象範囲などについて議論いただいた上で、“環境力”を定義していきたいと考えている。
  • “環境力”の評価とは、(1)企業における環境問題を改善する力・能力、(2)環境問題に取組むことでの利益への貢献、のどちらを評価するのか。資料2p.4の金融市場における「環境力」評価に関する留意点等をフレームワークの中でどのように整理するのか。
    →(経済産業省)(1)環境問題の改善力と、(2)利益への貢献、の両者の両立が望ましいと考えている。そのためのフレームを考えていきたい。
  • 資料3について、環境マネジメントが一項目として記載されているが、これは、5つの個別環境テーマの上位概念に位置づけられるものではないか。
  • 環境情報を投資対象企業から投資家や社会に対して十分に開示させるためのフレームの提供をすべき。投資家・社会と企業との間で環境全般についてどのような情報提供を行うことでよりよいコミュニケーションが図られるのかについて議論すべき。
  • 評価フレームワークでカバーすべき環境情報は、プラスもマイナスも企業価値に影響を与える限りは開示しなければならないということが今後の展開の理想であり、その点も研究会で議論すべき。
  • 場合によっては、評価の面からすると、最低限必要な情報については開示の義務化なども考える必要がある。見える化の義務化を行うために必要なものは何かについても整理する必要がある。
  • 社会が要求するものはどのような情報かという視点と、海外の状況も把握し、この研究会ではそれらのバランスのとれた議論を行うべき。
  • 環境製品の売上げは株価に反映されているが、環境問題に対する企業の長期的な展望は株価に反映されていないので、この点をクリアにすれば、環境への貢献と収益力とのシナジーを見せることができる。
  • 環境リスクへの回避がクリアになると将来のキャッシュフローのリスクが低減されるが、現状の株価には反映されていない。そのような対策がしっかりできている会社の取組が、もしこの指標でクリアにできれば、将来のキャッシュフローの安定性は確保される。
  • 資料3の環境力評価フレーム案の表の、左下(『長期・市場への展開』)と、右(『環境リスクの回避』)の部分を精緻化できればシンプルに環境力のデータになるのではないか。
  • 将来、外部(不)経済が市場の中で評価され取引されるようになることで、環境の取組を行う企業の収益性が上がることになる。このことは長期的に見ていく必要がある。その意味では、短期的には株価と環境力はあまり関係ないのではないか。短期的なことを指向すると世の中に失望を与えるのではないか。
  • リスクマネジメントは短期的でも必要だが、指標として抽出できるかどうかについての検討が必要。
  • 企業の環境取組の評価としてLCA的な観点も必要。フレームの中にライフサイクルの考え方を入れることが、長期的視点においては特に重要。
  • リスク回避の指標の羅列では、イギリスの格付等の世界標準と何ら変わりないものになってしまう。さらにLCAを基本としたカーボンオフセットというのは、今後指標として検証可能性があり、それと乖離した環境力評価手法であるべきではない。
  • 資料2p.2に、『活用主体』として消費者が記載されている。企業の環境力が消費者に伝わり、消費者のライフスタイルを変えることにより、企業が本当の環境力を維持できる状況を作ることがベースになる。
  • 資料2p.5に示してある調査検討手順について、株価の向上以外に、環境税や補助、政府機関の融資等、どのように政府が関与するのか。資料2p.3のステークホルダーには政府も該当し、この指標を政府がどのように活用するかという視点があってもよいのではないか。
    →(経済産業省)今回の検討は、企業における環境への取組みの推進という政策目的を実現するための取組である。
  • この指摘は、経済性も国の施策によって影響するので、国がどう考えるかも透明にすべきとの趣旨と思うが、環境税等の動きが出たときに、その施策に沿ってどの企業が今後伸びるかが一般のステークホルダーに分かるものを用意しておくということだと思う。
  • 資料3の評価フレームに関して、環境パフォーマンスは企業の内製率が高い方が企業の環境負荷が大きくなるなどの懸念点もある。垂直統合/水平分業など企業形態による条件の違いを踏まえ、どのように客観性を確保して評価するのかなど、精査検討が必要。
  • 日本の製品が海外へ輸出されるケースは、日本の製品がどのように使われているか等のデータが少ないので、評価が難しいことから、評価の客観性を確保するための工夫が必要。
  • LCAのバウンダリーなどの検討は困難だが、できることから議論していくべき。
  • 新しい指標に配慮しない企業はいずれアンダーパフォームするので、投資家から見ると投資リスクであり、それを回避するためには企業に株主として新しい指標を配慮するよう要求するという流れが日本にはないので、政府が音頭取りをするのがこのプロジェクトの意味。
  • 企業、消費者への方向付けが今の日本にはないので、政府が意思表示を行い、政策として担保し、その中で消費者も投資家も企業もその方向で好循環を作ることが真の狙いであるので、このプロジェクトの目的や果たすべき役割を明確にすべき。
    →(経済産業省)ご指摘の通り、目的や政府の役割を明確にする必要がある。次回の委員会では整理したものをご提示したい。
  • 抽象的には産構審でも議論されているが、目的や役割については明確にした上でそれに対応した指標をしっかりと作るべき。
  • (1)付加価値を作り出すのにどのくらいのエネルギーやCO2を排出するかという効率性や能力から環境力を評価、(2)一定期間にエネルギーやCO2をどの程度削減したかという努力や実績から環境力を評価、と2つの考え方があり、これを区別して評価すべき。
  • フレームとしては両者の視点を用意し、両者について考えていくのが良いのではないか。同様の議論として、絶対値評価か相対値評価かという視点、特に例えば新しい技術投資については大企業と中小企業の1%は同様の扱いで良いのかなどの視点がある。

3. 既存の環境評価手法について

資料4及び資料5に基づき説明。これに対する委員からの発言は以下のとおり。

  • 資料4-1について、2000~2001年以前に設定されたエコファンドの評価対象の傾向として、「環境経営の評価が中心」との記載がある。環境経営とは環境マネジメント、環境活動、コミュニケーションなども含まれると思うが、マネジメントシステムだけを見る場合も多いので、書き方に工夫が必要。
  • 同様に、評価方法についても、アンケート調査だけでなく、環境報告書などの公開情報や企業訪問によるヒアリングなども活用している。特に公開情報については、各企業も徐々に充実させてきている。
  • 投資信託は、運用会社だけでなく、販売会社との連携が重要。環境ファンドでは販売会社の姿勢が重要。証券会社や銀行が単にファッションとして売っているのか、それとも今後世界の流れをリードするという社会的責任も考えながら啓発しつつ販売しているのかが重要。
  • 投資家との接点を持つ販売会社の協力は不可欠。長期的な目で、販売会社の意識改革や投資家への啓蒙などを考えていく必要がある。
  • FTSEのクライメットチェンジ基準では、世界や国のCO2削減方針に反対する企業は投資対象外とすると明記されている。投資を通じて日本の環境政策をどのように進めていくのか、政府のポジションを明確にする必要がある。
  • 評価の枠組みに関して、既存のものとは異なるアピールやポリシーが必要であり、その視点を明確にすべき。また、環境力を評価すれば株価が上がることを見せれば業界が動くのはそのとおりだが、単なるテーマファンドになってはならないことに留意すべき。
  • エコファンド等が、本当に企業の環境対応を促進する効果があったのか否かについて分析する必要がある。また、環境格付けやランキングの上位に入ろうとする企業ニーズについて把握すべき。

4. 今後の検討スケジュールについて

資料7に基づき説明。

以上

 
 
最終更新日:2008年10月10日
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