経済産業省
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金融市場における「環境力」評価手法研究会(第5回)-議事要旨

日時:平成21年1月30日(金)15:00~17:00
場所:経済産業省別館5階526共用会議室

議題

  1. 「環境力」評価フレーム案について
  2. 投資及び融資に重要な評価指標と情報開示について

出席者

長瀬代理(阿部委員代理)、石谷座長、稲永委員、稲葉委員、浦西委員、江間委員、蔵元委員、末吉委員、竹ヶ原委員、筑紫委員、藤野委員、水口委員

議事概要

1.「環境力」評価フレーム案について【資料2】

  • 3RやLCAなど環境専門用語について、専門家以外にも理解できるよう、用語の定義を記載してほしい。
  • 資料2p.3「3.「環境力」評価フレームの実効性を高めるためのサブシステム」において、もう少し本評価フレームの利用について、制度的な対応が検討できないか。例えば、企業年金の投資方針の開示を求めることや、公的年金に関しては、投資方針は他国では制度的に持続可能への配慮規定の例があるので、検討できるのではないか。
  • 資料2p.3における年金基金の運用方針の記述に関連して、新年度の税制改正の自民党税調の方針の中で、確定拠出年金に関する制度改正が行われ、個人のマッチング拠出が可能となる法改正が予定されているが、このような確定拠出年金も含めた検討としてはどうか。
  • 「水問題」との用語を用いているが、これは一般的か。「水資源」という表現では不適切か。私的には、「水資源」は水質も含んでいる定義であると考えている。
  • サブシステムの最後に、「特に中堅・中小企業」という表現を入れるべきではないか。

2. 投資及び融資に重要な評価指標と情報開示について【資料3、資料4、参考資料3、4】

  • 参考資料3・4で対象としている制度開示書類等と、環境会計とは、どのような関係にあるのか。→環境会計は環境コストを集計するもので、資産債務の状況は財務会計に既に取り込まれているものである。ここでCDSBや会計士協会が検討・提言しているのは、財務会計に反映している部分もあるが、財務会計情報ではなく、それを理解したり、予測したりするための情報という位置付けである。
  • 日本公認会計士協会の提言の目的は、投資家の意思決定に有用な情報を提供することとあり、CDSBは開示すべき情報として“company’s position on climate change”とより広範な情報開示を求めている。この差は、意識したものなのか。→EUでは会計法現代化指令というものがあり、その背景には欧州連合(EU)のサステナビリティ戦略がある。日本公認会計士協会も目指す方向は同じであるが、現行の金融商品取引法の制度開示を前提に目的を書いている。CDSBは、長期的に経済・社会をどのように持続可能な社会・低炭素社会とするかという視点に立ち、投資、金融、情報開示がその中でどのような役割を果たすべきかを明確にしており、適切な役割を果たすことで、資金配分の適正化や投資家の保護につながり、マーケット全体での持続可能性が確保されることをねらったものである。日本の制度ではそのような枠組みの議論は始まっていないので、今後の課題と考える。
  • 参考資料3での提言に基づいた情報開示に取組むことで、企業の温室効果ガス排出量が定量的に把握されるが、ここで把握された数値は、キャップアンドトレードを実施するにあたって活用できる数値となりうるのか。→キャップアンドトレードについては、国や地域によってその制度が異なるので、まずは国、地域によって切り分けなければならず、さらに、制度が対象とする数値の範囲が直接排出だけなのか、電力等を使った間接排出を含むのかというバウンダリーが違うが、そのようなバウンダリーや期間を合わせれば共通の情報となりうるだろう。キャップアンドトレードを中心にカーボンプライシングをベースとした規制枠組みが徐々に形作られ、広がりつつある。規制対象となる排出については、排出量算定が必要であり、また財務的影響も大きいので、当該排出量情報を投資家が利用できるようにしていくことが必要。
  • CDSBにおける検討は、日本公認会計士協会や日本の制度に対してどの程度の影響を与えると予想されるか。→CDSBの体制も完全に整っているとは言い難いが、国際的な統一的な基準が必要ということで議論している。しかし、長期的なスタンダード化が進んでいくことは考えられるし、日本で制度化するのであれば整合性が取れるよう、共に作っていくことが重要。いずれにせよ、CDSBは国際標準の取組として方向性に影響を与えるであろう。
  • ISOはインダストリーが対象なので、関係するメンバーが参加しているが、金融の話だと、国際的なコンセンサスのためにはアメリカやアラブが賛同しない限り効果が得られないのではないかと思慮するが、その働きかけや効果はどのようになっているのか。→投票して決めるISOの議論とは異なり、会計に関しては先行者がスタンダードを作り、これがデファクトとなる傾向が強いのではないか。
  • 日本の制度を作るとき、今までの開示枠組み全体をどうしていくか、ということを考えなければならない。ヨーロッパでは過去10年以上、議論や検討を進めてきた結果として今の制度があり、フレームワーク開発につながっている。会計法現代化指令の背景となる考え方や、2005年にイギリスで会社法を改正してビジネスレビューというセクションを設けたときには既に過去10年くらいの深い議論があって、サステナブルな経済と情報開示の位置付けの基礎がある。日本にはまだそれがないので、それを作るべき。
  • 企業にとって、投資家の存在は重要である。優れた環境力評価フレームワークがあっても、投資家の存在がなければ、企業にとってコストアップ要因でしかない。しかし、投資家の存在があれば、企業は求められた情報の開示を行うであろう。例えば、会計士協会自身の年金基金の運用や、国家公務員共済組合連合会の年金運用に際してこういう評価をするからこういう情報を開示して下さいといえばいくらでも開示する。このような投資家としての振る舞いをしてみてはどうか。

以上

 
 
最終更新日:2009年2月27日
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