経済産業省
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消費経済審議会割賦販売部会(第2回)‐議事録

議題

  1. 報告
    1. 過剰与信防止義務の基本的考え方について
    2. 加盟店調査義務の基本的考え方について
    3. 法定諮問事項等の考え方について
  2. 質疑応答
  3. 消費者庁関連3法案のポイントについて

議事概要

  • 山本委員長

    時間となりましたので、ただいまから消費経済審議会割賦販売部会を開催させていただきます。

    委員の皆様には御多忙のところを御参集いただきまして、まことにありがとうございます。

    まず、事務局から委員の出欠状況の確認等をしていただきたいと思います。

  • 坂口取引信用課長

    本日は清宮委員、角田委員が御都合がつかず欠席されております。その他の委員は全員出席されております。また、清宮委員の代理として、東京都生活文化スポーツ局消費生活部取引指導課長の千葉様が出席されております。

    次に、お手元の資料を御確認いただければと思います。1枚目の「消費経済審議会第2回割賦販売部会-配布資料-」に資料1から資料7、参考資料という一覧を書かせていただいておりますが、このとおりお手元に資料がありますかどうか、御確認いただきたいと思います。欠落や落丁など不備がございましたら、事務局までお申しつけいただければと思います。

  • 山本委員長

    どうもありがとうございました。

報告

  • 山本委員長

    それでは、議事に入りたいと思います。

    お手元の議事次第に示しておりますように、きょうは報告として3つ用意させていただいております。第1といたしまして過剰与信防止義務の基本的考え方、第2といたしまして加盟店調査義務の基本的考え方、第3といたしまして法定諮問事項等の考え方、この3つの点につきまして坂口取引信用課長から御説明をいただきたいと思います。その後、委員の間で意見交換をしてまいりたいと思います。

    それでは、坂口課長、お願いします。

過剰与信防止義務の基本的考え方について

  • 坂口取引信用課長

    恐縮でございますが、若干時間をいただきまして、資料3、4、5と続けて説明をさせていただきます。

    まず資料3、「過剰与信防止義務の基本的考え方について」をごらんいただければと思います。

    1枚おめくりいただきまして、「過剰与信義務の基本的流れ(個別クレジット)」でございます。右の欄に改正割賦販売法から抜粋いたしましたけれども、「個別支払可能見込額の調査」ということで第35条の3の3、さらに「個別支払可能見込額を超える場合の個別信用購入あっせん関係受領契約の締結の禁止」ということで第35条の3の4を引用しております。それぞれ下線を引いたところに経済産業省令に委任されている部分が示されております。ただ、これではわかりにくいと思いますので、左側のチャートに整理をしております。

    左側のチャートを上から御説明いたしますと、「支払可能見込額の調査」ということで、個別信用購入あっせん業者は、調査時点として、個別クレジット契約締結前に調査する。調査項目としては、年収、預貯金、クレジット債務、借り入れの状況、その他の必要な事項として省令で定めるものでございます。調査方法についても省令に委任をされております。さらに、「消費者の保護に支障を生ずることがない場合かどうか」、この場合には調査義務がないということでございます。

    こうした調査に基づきまして、あっせん業者は支払可能見込額を算定するわけでして、「調査により得られた情報を基に、支払可能見込額を個別クレジット業者が算定」ということでございます。その際、支払可能見込額に算定できないものとして生活維持費と居住用資産の2つございまして、中身については省令で定めることになっております。

    そして、年間支払額が支払可能見込額より大きい場合には、個別クレジット契約の締結禁止ということでございます。この際、借り入れの状況について、35条の3の3項のところに書いてございますように、「指定情報機関が保有する特定信用情報を使用しなければならない」ということになっています。この個別クレジット契約締結禁止の例外として、消費者の保護に支障を生ずることがない場合ということが省令に委任をされております。さらに、指定信用情報機関に情報を登録しなければならないということで、第35条の3の56がございます。

    以上が個別クレジットでして、包括クレジットにつきましては、次のページ、2番でございます。重なるところは省略させていただきますけれども、改正割販法の第30条の2、「包括支払可能見込額の調査」、第30条の2の2、「包括支払可能見込額を超える場合のカード等の交付等の禁止」ということで、同じ立て付けでございます。

    左のチャートに行っていただきまして「支払可能見込額の調査」ですが、調査時点は、カードの交付、極度額の増額、カードの更新前ということでございます。調査項目、調査方法の法令上の書き方は同じでございます。さらに、「消費者の保護に支障を生ずることがない場合かどうか」というところも同じでございます。

    支払可能見込額の算定も同じでございまして、調査により得られた情報をもとに、支払可能見込額を包括クレジット業者が算定するということで、算定不可の項目として生活維持費、居住用資産が省令に委任されております。ただ、カードの場合、皆さんもよく御承知のようにカードの与信枠というものが設けられておりまして、その極度額は支払可能見込額に経済産業大臣が定める技術的な割合を掛けて最大値を決めることになっております。これが超えますと、各カードの交付や極度額の増額の禁止という効果がもたらされるということでございます。同様に、「消費者の保護に支障を生ずることがない場合かどうか」というのが省令に委任をされており、先ほど申し上げましたように特定信用情報機関を使用しなければいけないし、そして情報登録を行う、こういう枠組みでございます。

    次のページは「支払可能見込額調査の基本的考え方」でございまして、ここでは昨年の産構審基本問題小委員会の報告書を引用させていただいております。その中で、多重債務に陥る危険度という観点からは、クレジット取引については雪だるま式に債務が累積する可能性は少ない。他方、個品割賦購入あっせん取引が「次々販売」のような悪質な販売行為に利用されることで消費者が過剰な債務を抱える危険性が指摘されているということでございます。したがいまして、消費者の利便性と消費者の適正な購買意思を阻害することのないよう配慮しつつ、割賦購入あっせん業者に対しても、自らの過剰与信防止を促し、ひいては販売業者による次々販売の未然防止にも資するルール整備をする必要があるということでございます。

    また、国会審議におきましては附帯決議が衆議院と参議院それぞれでつけられております。衆議院のところを見ていただきますと、最近の悪質商法による被害の実態を踏まえ、消費者被害の救済及び未然防止を図るため、施行に当たっては健全な事業活動に対する過剰規制とならないように十分に配慮しつつ、適切な措置を講ずるべきであるとしております。特に支払可能見込額の調査につきましては、利用者の預貯金等のプライバシーに過度に立ち入ることのないように指導する。なお、信用情報機関相互の情報交流については、個人情報の保護等に十分配慮しつつ、実効性ある過剰与信防止の観点からその推進に努めるということでございます。

    同様に、参議院におきましても、支払可能見込額の調査に際しては、利用者の個人情報の収集を必要かつ十分な最小限のものにとどめるとともに、その管理に万全を期すように指導する。なお、健全な取引を行っている事業者に過度な負担を与えないことや個人情報の保護等に十分配慮しつつ、信用情報の相互利用の推進を図るということでございます。

    以上をまとめさせていただきますと、一番下の四角囲みにポツが3つございますが、1つ目として、プライバシーの保護に留意しつつ、法律上例示されている項目を含む調査項目及びその調査方法を省令で定める。2つ目といたしまして、調査項目・調査方法を省令で定めるに当たっては、健全な事業者がさまざまな項目を総合判断して与信を行っている実態を踏まえた規制内容とする。3つ目といたしまして、クレジット取引が持つ消費者の利便性等を阻害することのないよう、実効性を担保しつつ、健全な事業活動に対する過剰規制とならないような規制内容とする。こういうことが必要ではないかということでございます。

    次に、4ページ、「支払可能見込額調査の調査項目・調査方法」でございます。

    論点といたしましては、「プライバシーの保護、商取引の利便性などを考慮して、支払可能見込額を調査する方法を定める必要があるのではないか」ということでございまして、年収、預貯金、クレジット債務について論点を掲げさせていただいております。

    年収の最初の論点は、専業主婦や学生など世帯単位での年収を考慮する必要がある者についてどのように考えるかという点でございます。2つ目といたしましては、事業者が年収を把握する場合、自己申告ということであろうかと思いますが、それに加えて、年齢、勤務先、勤続年数などから年収を推定する方法を認める必要があるのではないかという論点でございます。

    預貯金につきましては、無収入の方や年金生活者であっても多くの資産を有する者等に対して与信を行う場合に補完的に調査するものではないか、したがいまして特に必要とされないときはプライバシー保護の観点から調査不要とすべきではないかという点でございます。

    次にクレジット債務でございますが、先ほども御説明いたしましたように、法律で指定信用情報機関を利用してクレジット債務を把握するということが義務づけられております。その際に、最初の年収の論点とも重なりますが、世帯単位でのクレジット債務についてどのように考えたらよいかという点でございます。

    1枚めくっていただきまして、借り入れの状況でございます。借り入れの状況につきましては、指定信用情報機関が保有するクレジット債務を調査することが法律で義務づけられております。破線の四角囲みのところで法律を引用しておりますけれども、貸金情報を指定信用情報機関を利用して調査することは義務づけられていないわけでございます。したがいまして、支払可能見込額調査においては、事業者が借り入れの状況に関する情報を入手した場合、両方持っている情報機関がございますので、それを調査事項として勘案することになろうかと考えられます。

    その他といたしまして、それぞれのクレジット事業者におかれましては、クレジットの与信審査において過去の返済履歴や商品の価値などさまざまな要素を総合的に勘案して与信を行っておられるわけでございまして、どのような調査項目について、どのような調査方法を定めることとするのが適当かということが論点になろうかと思っております。

    最後にクレジットカードの更新でございます。クレジットカードの更新につきましては、カードの再交付がなされるため、交付に当たりまして支払可能見込額調査を行う必要があるということになります。ただ、新規発行時と全く同じ調査まで更新時に求めることは実態に合いませんし、消費者の負担という問題もあろうかと考えます。したがいまして、法律の趣旨を踏まえた必要な範囲の調査とする必要があるのではないかというのが論点でございます。

    次の大きな論点は生活維持費の考え方でございます。四角囲みのところにございますように、改正割賦販売法における生活維持費とは、最低限度の生活を維持するために必要な1年分の費用として省令で定めるものとなっておりまして、事業者が年間支払可能見込額を算定するに当たって算定してはならない額でございます。

    なお、生活維持費というものは、生活保護制度、民事再生法における給与所得者等再生制度でも規定されておりますので、ここでその趣旨等について御説明させていただきたいと思います。

    生活保護制度は、国が現実に生活に困窮している者に対して困窮の程度に応じて必要な範囲で公的扶助を行うものであることから、要保護者のあらゆる需要を満たすように配慮がなされているわけでございます。具体的には、ケースワーカーさんなどが調査を行われて、個々の被保護者の状況、例えば通院中であるかどうか、世帯における要介護者が何人いらっしゃるか、妊娠されているのかどうか等々を極めて詳細に調査されて、どの程度生活費を要するのか、微調整が可能な制度となっております。すなわち、一律に全額給付される制度ではなくて、困窮の度合いに応じて給付がなされているものでございます。破線の枠の中には、「生活保護の種類」といたしまして生活扶助等々を掲げさせていただいております。したがいまして、一番下の四角囲みのところにございますように、クレジット会社による詳細な調査には限界があります。また、プライバシー保護という観点から、詳細な調査はかえって問題が生じるということが考えられるわけでございます。

    1枚めくっていただきまして、次に民事再生法における給与所得者等再生制度でございます。これは、再生計画において2年分の可処分所得――可処分所得とは年間手取り収入から最低生活費を控除した額でございまして、ここに「最低生活費」という概念が出てくるわけでございます。その2年分の可処分所得を原則3年で返済することとされておりまして、この可処分所得を定めるために必要なものであるということでございます。基本的には、生活保護法上規定された厚生労働大臣が定める基準に準拠しているわけでございます。

    他方、再生計画案提出後の2年間の最低限度の生活費として予測可能性があるものである必要があることから、将来発生することが不確実なものは考慮対象費目から除外されております。また、ケースワーカー等による詳細な調査を前提とした制度とはなっておりませんので、必要な額を実費で支給する費目や生活の実態を調査しなければ認定できないような事項を要件とした費目については、住居費を除き、考慮されていないところでございます。具体的なものとしては、破線の四角で囲ってございますように、個人別生活費、世帯別生活費等を合計した額をもって生活費の額とされているわけでございます。

    一番下の四角囲みにございますように、この制度は、既存債務が過剰なものになった債務者を前提として、可処分所得から最大の弁済を行いつつ、債務者やその家族が困窮しない程度で再生計画遂行を図るためのものでございます。翻って考えてみますに、将来のクレジット債務が過剰なものとならないよう、一般の消費者を前提として最低限の生活費を確保することが目的とされている改正割賦販売法の生活維持費制度とは考え方が異なるのではないかと考えられます。

    したがいまして、次のページの「生活維持費の考え方(3)」ですけれども、過剰与信防止義務において求められている生活維持費は、一般の消費者の今後1年間の支払可能見込額を算出するためのものでございまして、生活保護制度や給与所得者等再生制度とは目的が異なると考えられます。

    2つ目として、最低限度の生活費として予測可能性があるものでなければならないので、将来発生することが不確実なものは考慮の対象から除外せざるを得ないと考えられます。

    3つ目として、クレジット会社の調査能力の限界という問題、あるいはプライバシーを保護するという観点から、生活の実態を調査しなければ認定できない事項を要件とした費目については考慮することが困難であると考えられますので、考慮することが可能と考えられますのは、そうしたことを比較的容易に行うことができる持ち家があるかないか、被扶養者が何人いらっしゃるのかといった点ではないかと考えられます。

    4つ目として、生活保護制度や給与所得者等再生制度では、地域ごとに物価格差等を反映して具体的な額が算定されております。他方クレジット会社の与信実務においては、クレジットカード使用者や車を購入する人は越境通勤とか越境ショッピング、国内旅行等を普通に行う消費者であられることから、全国一律の基準を使用している事業者が多いと認識しております。ただし、もちろん地域の特性に応じて与信を行われている事業者もおられるということでございます。

    以上、生活保護制度、給与所得者等再生制度の御説明をさせていただきましたが、以上を踏まえますと、そうした制度とは異なる改正割賦販売法特有の事情をよく勘案した上で制度設計を行っていくことが適切だと考えられるのではないかと思っております。

    最後の9ページは「消費者の保護に支障を生ずることがない場合」とはどういう場合が考えられるかということでございますが、個別クレジットと包括クレジットの2つに分けて整理をさせていただいております。

    これは例示ですが、1つ目、店頭販売であって、比較的少額の生活必需品などに係る個別クレジット契約が多い実態があるのではないか。購入されるたびに与信調査をするのは実態にそぐわない面があるのではないかということでございます。2つ目として、過剰与信防止義務は消費者の財産保護を目的とした規制でございますが、例えば生命・身体の保護等、より重視される法益を保護するために提供される商品・役務、例えば緊急の入院費用のようなものに係る個別クレジット契約があるのではないかということでございます。

    包括クレジットにおきましては、1つ目、生活維持費の中にはクレジットカード決済可能なもの、例えばクレジットカードで食費を払うとか公共料金を引き落とすようなことが一般的になされていることから、生活維持費を支払可能見込額として算定不可の扱いにいたしますと二重引きの問題が発生するという実態があるのではないかということでございます。2つ目として、消費者の中には特定の地域・期間における利便性の高い支払い手段として、一時的にクレジットカードの極度額の増加をクレジットカード会社に求めている実態がございます。例えば、海外旅行期間中に現地でホテルの支払いをするとか食事の支払いをすることを目的として、1カ月間とか、一時的に海外旅行期間中の極度額を上げたり、あるいは結婚式費用としてポイントを目的とした一時的な極度額の増額といった実態がございまして、海外旅行に行く直前に極度額を上げてほしいという要請とか、結婚式で御祝儀が入ることを前提に増額できないかといったニーズが消費者のほうにあるということでございます。

    その他として、これらの場合に加えて、その他消費者の保護に支障を生ずることがない場合としてはどのような実態があるのかということでございます。

    最後の四角囲みですが、支払可能見込額の調査・算定という過剰与信防止義務の制度設計には、以上のような実態に対応する、きめ細かな制度設計が必要ではないかということでございます。

加盟店調査義務の基本的考え方について

  • 坂口取引信用課長

    続きまして、加盟店調査義務の基本的考え方について御説明させていただきます。資料4をごらんいただければと思います。

    1枚めくっていただきまして、「1.加盟店調査義務の枠組み」でございます。一番上の四角囲みですが、「個別クレジット業者は、特定商取引法類型の販売・役務提供に伴う与信契約を締結しようとするときは、加盟店の勧誘方法等について調査し、違法な行為をしたと認めるときは与信契約の申込み又はその承諾をしてはならない」ということが改正割賦販売法の第35条の3の5及び第35条の3の7で規定されているわけでございます。

    具体的な仕組みといたしましては、加盟店調査を行う場合の対象取引として、訪問販売等の特商法5類型が規定されておりまして、具体的な調査内容と方法については省令に委任がされているわけでございます。「特定商取引法で禁止されている又は消費者契約法で契約の申込み若しくはその承諾の意思表示の取消しが認められる以下の行為の有無」ということで、重要事項の不実告知、断定的判断の提供、重要事項・不利益事実の故意の不告知、威迫・困惑という行為の有無を調査するということでございます。その調査結果は記録として作成し保存するということで、それにつきましても省令に委任がなされているわけでございます。

    そうした行為を個別クレジット業者が確認した場合には、右端の四角にありますように、「与信契約の申込み又はその承諾をしてはならない」という法律の義務がかかっているわけでございます。一番下に(注)ありますように、販売業者(加盟店)は調査に協力する義務があるということが35条の3の6に規定されているわけでございます。

    次のページは「民事ルールの整備」ですが、上の四角囲みの中に書いてありますように、加盟店調査による未然防止措置に加えて、民事ルールとして3つの規定が今回の改正割賦販売法において整備されたわけでございます。

    (1)として与信契約のクーリング・オフでございます。特定商取引法類型の取引にかかる個別クレジットの与信契約の申し込み又は締結を行った消費者は、交付が義務づけられております書面でクーリング・オフについて告げられた日から原則8日間は、書面によって申し込みの撤回又は契約の解除ができるというのが与信契約のクーリング・オフでございます。

    (2)として過量販売にかかる与信契約の申し込みの撤回等でございます。訪問販売におきまして、過量販売、すなわち通常必要とされる分量等を著しく超える商品販売契約等に係る個別クレジットの与信契約につきましては、その申し込みの撤回又は契約の解除ができるということでございます。

    (3)として与信契約の申し込みまたはその承諾の意思の取り消しでございます。特定商取引を行う販売業者等(加盟店)が、個別クレジットの与信契約締結の勧誘をするに当たりましては、与信事項の重要事項について、不実の告知等を行った場合には、購入者等は与信契約を取り消すことができるということでございます。以上のような民事ルールが制定されたわけでございます。

    次のページは「3.加盟店調査義務の基本的流れ」ですが、これもフローチャートにして御説明させていただきたいと思います。左側からですが、個別クレジット業者は加盟店調査を新規契約時とクレーム発生時に行います。まず訪問販売等特商法5類型の取引を加盟店が行っているのかどうかを確認いたしまして、行っている場合には加盟店契約を審査いたします。加盟店契約が無事に結ばれますと、次に個別のクレジット契約の申し込みがなされてくるわけでございます。訪問販売等特商法5類型の取引につきましては、その際に重要事実の不実告知等の行為の有無を直接購入者等から確認していただくということでございます。それで問題がなければ次の個別クレジット契約の成立になりまして、契約の履行がなされることとなります。契約の履行がなされた後、右下の楕円のところにございますように、消費者等から苦情・相談がございましたら、加盟店情報交換機関に登録するとともに、クレーム発生時には加盟店調査をもう一度レビューしていただくという流れになっているわけでございます。

    具体的に大きく分けて2つの加盟店調査義務がございますので、それについてまとめたのが、次の4ページ、「加盟店調査義務(調査事項及び調査方法)」でございます。

    左側は「調査事項I(第1段階)加盟店の実態に関する調査」でございます。調査事項、これは省令に委任されているわけですが、現時点で考えておりますのは、(1)基礎的な情報、加盟店の営業地域や勧誘方法、(2)商品・役務の内容、履行体制、(3)特商法上の処分状況、(4)コンプライアンス体制、(5)苦情処理体制等が考えられるのではないかということでございます。なお、(4)と(5)については、個別の社においてこうした体制を組まれるとともに、苦情・相談の処理やトラブル解決のために団体に加入していることも考えられるわけでございますので、それをあわせてどのように評価するかということが論点になるのではないかというのが※1と※2でございます。

    調査方法といたしましては、基本的には個別クレジット業者の方々が加盟店から情報を入手されることになりますけれども、※3にございますように、与信業者が加盟店の管理を企業グループ内の別会社による継続的な管理に依存しているような場合についてはどのように考えたらよいのかという論点があろうかと考えております。

    調査時期は、新規加盟店の契約時と苦情・相談等に応じて途上審査を実施するということでございます。

    なお、その下にマルがありますが、個別契約の勧誘方法の調査につきましては、省令で基本的事項を定め、収集する資料などの具体的な手法については自主ルールによって補完することが考えられるのではないかということでございます。

    右の枠に移っていただきまして、「調査事項II(第2段階)」でございます。個別のクレジット契約のときに個別契約の不実告知等に関する調査を行うということでして、考えられる調査事項として3つほどございます。(1)商品・役務の内容、数量等に関して、勧誘行為によって購入者等が困惑・誤認していないかどうか、(2)契約申込書面の記載事項が申込者本人の真意に基づくものかどうか、(3)申込書に記載されていない付帯サービスがあるのかどうかといった点が考えられます。

    調査の方法といたしましては、(1)契約申込書面の確認をいただくものと(2)購入者等への電話等で直接確認をお願いするものがございます。ただ、電話等による確認においては、消費者の利便性を考慮し、健全な取引の阻害とならないように、書面での確認を電話で重ねて確認するような項目については、すべて確認しなければいけないとか全く確認しなくていいというような一律のものではなく、加盟店の状況に応じて柔軟にできるように、実務に即した方法を考慮する必要があるのではないかというのが※印の論点でございます。

    最後に調査時期でございますが、これは個別の契約時ということでございます。

    5ページは今御説明をいたしました調査に関する改正割賦販売法の抜き書きでございまして、35条の3の5、「個別信用購入あっせん関係販売契約等の勧誘に係る調査」、35条の3の7、「個別信用購入あっせん関係受領契約の申込みの承諾等の禁止」を引用させていただいております。

法定諮問事項等の考え方について

  • 坂口取引信用課長

    長くなって恐縮ですが、資料5をごらんいただければと思います。「法定諮問事項等の考え方について」でございます。

    法定諮問事項は、7月の第1回のときに御説明させていただいたと記憶しておりますが、3点ありまして、1つ目が登録拒否要件である最低純資産額、2つ目が密接関係者、最後に技術的な修正ということでございます。そして「法定諮問事項等」の「等」の部分、これも7月に御説明をさせていただきましたけれども、「都道府県が処理する事務」ということで3番として掲げております。では、順に御説明させていただければと思います。

    1ページ、「1.登録拒否要件である最低純資産額」でございます。

    個別クレジット業者の登録拒否要件のうち、最低純資産額は政令で定めることになっておりまして、登録に関する拒否要件について、個別クレジット業者に課せられた各種行為規制、例えば先ほど御説明しましたような過剰与信防止義務、加盟店調査義務等に係る義務を適切に履行可能であって、消費者を保護するために必要かつ適当であると認められる程度の最低純資産額を政令で定める必要があるということになっております。

    2つ目ですが、貸金業法の改正によりまして貸金業者に対する規制が大幅に強化されました。それに伴い、無登録の貸金業者、いわゆるヤミ金業者が個別クレジットを行う可能性も考えられるわけでございます。こうしたヤミ金業者の個別クレジットヘの流入を防止する意味においても、貸金業法と同程度の参入規制を講ずる必要があるのではないかということでございます。

    そこで一番下の四角囲みですが、最低純資産額といたしましては、貸金業法を参考に、5000万円とすることが適当ではないかということでございます。

    次のページにまいりまして、「2.密接関係者、技術的修正」でございます。

    報告徴収・立入検査の対象となる個別クレジット業者の密接関係者について政令で定めることとなっております。具体的には、個別クレジット業者に対して加盟店調査義務、不適正与信の禁止規定の遵守状況を行政庁が確認することになっておりまして、個別クレジット業者に対してだけではなく、密接関係者に対しても調査を行い、それによって個別クレジット業者の遵守状況を確認するため参考となる資料を徴収できるというふうに法律で規定されております。

    具体的な法令は改正割賦販売法第40条で、その抜き刷りを破線の四角囲いのところに記載させていただいておりますが、密接関係者につきましては政令で定めることとなっておりまして、この密接関係者につきましては、加盟店調査の対象となる者、いわゆる加盟店を中心に検討を進めてはどうかということでございます。

    最後の法定諮問事項、法改正に伴って技術的に改正が必要な政令ですが、改正法におきまして現行法の「割賦購入あっせん」を「包括信用購入あっせん」と「個別信用購入あっせん」の2つに明確に分けたことに伴い、政令で定める抗弁権の接続規定の対象とならない支払総額とか法律の条ずれに伴う政令の条ずれが生じることから、そうした所要の技術的修正を行う必要があるということでございます。

    次に「都道府県が処理する事務」、個別クレジット業者に対する行政処分権限でございます。一番上の四角囲いは昨年の産構審基本問題小委員会の報告書から抜粋しているわけですが、「経済産業省及びその執行事務の一部を担うことになる都道府県は、相互に連携を強化し、法執行の実効性の向上を図る」ということ、2つ目として「経済産業省及び都道府県は、特定商取引法による行政処分を受けた販売業者に係る個品割賦購入あっせん業者の加盟店調査義務の履行状況の調査を速やかに行う等、特定商取引法の執行・運用との連携を強化する」ということでございます。

    また、国会審議におきましては、衆議院、参議院それぞれ附帯決議に盛り込まれておりますが、「消費者トラブルの現状に鑑み、関係省庁、地方自治体、警察の連携体制の一層の緊密化を図るとともに、消費者保護に万全を期するためには、地域の現場における執行体制の整備が重要である」ということでございます。参議院も同様の附帯決議でございます。

    したがいまして、次の四角囲みにございますように、国において適切な執行休制を整備すること、研修事業等のサポート体制を国において適切に整備することを前提として、割賦販売法において、加盟店調査義務の違反など、特定商取引法の執行とあわせて行うことが効率的と考えられるものを中心に、個別クレジット業者に対して都道府県知事も行政処分を行うことが可能とすることを検討してはどうかということでございます。

    具体的には、次のページですが、特定商取引法においては、1つ目として訪問販売業者等に対する指示、業務停止命令、報告徴収、立入検査権限が都道府県の自治事務とされていること、2つ目として現に消費者被害が発生している区域を管轄する都道府県が行政処分等を行うこととしていること、3つ目として広域で被害が発生している場合や都道府県からの要請があった場合は国において適切に執行を行うこととしているわけでございます。今後、割賦販売法におきましても、同様に、個別クレジット業者に対する改善命令、業務停止命令、報告徴収、立入検査権限といった行政処分権限のうち、都道府県が行うに適した権限を自治事務とすること、2つ目として現に消費者被害が発生している区域を管轄する都道府県が個別クレジット業者に対して行政処分等を行うことができるとすること、3番目に広域で被害が発生している場合や都道府県からの要請があった場合、国において個別クレジット業者に対して適切に執行を行うこと、こういう方向で私どもとしては政府部内で調整を図っていきたいと思っておりまして、そういった方向で検討を進めてはどうかということでございます。

    長くなりましたが、説明は以上でございます。

  • 山本委員長

    どうもありがとうございました。

質疑応答

  • 山本委員長

    過剰与信防止義務、加盟店調査義務という非常に重要な義務が改正割賦販売法により導入されるわけですが、その具体的な方法論を省令でカバーする場合の考え方の御説明、それから法定諮問事項等について同じく考え方の御説明をいただきました。以上の説明について、これから委員の皆様より御質問、御意見をちょうだいしたいと思います。

    3つのペーパーがありますけれども、特に順番は区別せず、御自由に御発言いただいて、その発言内容に応じて、ある論点に議事が集中するようであれば適宜議事を整理させていただくという方法で進めてまいりたいと思います。この議題については当方としては1時間程度用意してございます。

    それでは、御発言いただく際には挙手あるいはネームプレートを立てる形で私のほうに発言通告をしていただき、指名をさせていただきましたら、お手元のマイクを使って御発言いただきますよう、お願いいたします。

    それでは、御発言、いかがでしょうか。

    長谷川委員、どうぞ。

  • 長谷川委員

    ジャックスの長谷川でございます。よろしくお願いいたします。クレジット事業者の立場からお話をさせていただきたいと思います。

    まず今回の法改正全般について少しお話しさせていただきたいのですけれども、今回の法改正の第一の目的は、悪質加盟店の排除、消費者被害の未然防止、この2つであると認識しておりまして、我々といたしましても実効性が確保できるように全力で取り組んでまいりたいと思っております。一方で、クレジット・システムは国民経済の重要なインフラの一つとして国民生活に深く浸透しておりますので、取引の実態とかけ離れた規制によりましてクレジット実務の現場が混乱して支障が出るようなことがあれば、結局は多くのお客様に不便を強いたり不快な思いをさせたりすることになりかねませんし、健全な販売事業者の皆様にも無用な負担をかけることになりかねないと考えております。このため、法律の本来の目的や趣旨に沿いまして、実効性を確保するということを第一に考え、お客様や健全な販売事業者の皆さんにも十分な理解が得られるような、合理的で効果的なルールとなるように検討をお願いしたいと思っております。また、政省令による規制とあわせまして、詳細な運用部分につきましては合理的な運用が可能となるよう、実務実態に即して適切な運用が可能な自主ルールにゆだねていただくべきではないかと考えております。

    次に、本日の主な議題であります過剰与信防止義務と加盟店調査義務の基本的な考え方についてですが、基本的な方向性につきましてはおおむね賛同いたします。ただ、クレジット事業者から見たポイントにつきまして若干意見を申し上げたいと思います。

    まず過剰与信防止義務の基本的な考え方についてですけれども、ここで最も重要なことは、実際にクレジットを利用される消費者の目線でルールを考えることではないかと考えております。これは先ほど申し上げたお客様の不便、言いかえますとクレジットの利便性の低下ということにつながるところでありまして、もう少し具体的に申し上げますと、例えば次のようなことが挙げられるかと思います。

    まず1つ目として、個別クレジットに関しては、特商法の対象契約に対する勧誘行為の調査、これがまず挙げられるかと思います。電話の確認などに際して勧誘行為に問題がなかったかどうかの調査、これが場合によっては根掘り葉掘り聴取されることで、従来と比べて非常に時間がかかること、そしてお客様にとっては煩わしさとともに何ら疑いを抱いていなかった健全な販売事業者に対して不信感を抱くようなことも考えられます。

    それから、包括クレジットに関しましては、食料品とか日用品、公共料金に至るまで、あらゆるものに利用されている実態がございますので、特にカード更新時の支払可能見込額の調査によりまして、今まで何ら問題なく利用していたお客様のカードの更新が拒絶されるとか、またポイントなどの特典のために複数枚を使い分けているというお客様もたくさんいらっしゃるわけですが、そういう方たちが従来のように必要なカードを持てなくなる、そういったことも考えられるのではないかと思います。

    また、資料3の最終ページにありますとおり、生活維持費を支払可能見込額から差し引くことになりますと、いわゆる二重引きの問題も発生いたしますので、特に専業主婦、学生、年金生活者のような収入が少ない方にとっては深刻な問題になるのではないかと考えているところでございます。この点は貸金の場合と大きく異なる点ではないかと考えております。

    次に、過剰与信防止義務の内容について若干の個別意見を申し上げたいと思います。

    まず、生活に不可欠な耐久消費財とか教育費用等、比較的高額な支出に対してクレジットを活用して家計管理を行われている方がたくさんおられるわけですけれども、例えば若い方の中には、高額な自動車の支払いのために、自分の支払える範囲で生活をやりくりしながら、きちんと計画的に支払いをされている方もたくさんおられるわけです。このような消費者の自由で積極的な意思に基づく消費行動、これを必要以上に制約しないことも必要ではないかと考えております。こういった実態を踏まえまして、クレジットの与信につきましては、単に収入を見るだけではなく、お客様のクレジット・ヒストリーをベースにして、職業、資産、生活実態、商品の内容など、いろいろなものを総合的に判断しているわけでございます。

    それから、過剰与信防止義務の適用除外につきましては、例えば個別クレジットにおける緊急性・必然性のある商品として、医療費、災害時の住宅リフォーム、もしくは冠婚葬祭費用、これらについてはぜひ除外していただきたいと考えます。

    また、若干趣旨は異なりますけれども、特に生活の足として欠かすことのできない商品と思われる自動車につきましても、登録届出制のある商品でありますし、中古車市場が成熟していることなどを考えあわせますと、担保価値のある商品として少し違った考え方をとることもできるのではないかと考えているところでございます。

    少し長くなって申しわけないのですが、次に加盟店調査義務についてでございますが、資料4にあります基本的考え方をベースに整理・検討いただくことについて、特に異論はございません。ただし、一概に加盟店といいましても規模も業歴も千差万別でありますし、業種・業態によってトラブルの発生状況も大きく異なることを考慮いたしますと、それぞれのトラブルの実態にあわせた合理的な調査方法・調査内容を検討する必要があると考えます。

    また、今回厳格な調査義務が課されるわけですけれども、クレジット事業者が加盟店の実態を完全に把握するような調査を行うことには、おのずと限界があるということもぜひ御理解いただきたいと思います。その上で基本的事項を定める省令をきちんと補完できるように、実務実態に即して臨機応変に対応できる自主ルールを充実させることによって、実効性が確保できる制度設計を検討するべきではないかと考えます。この加盟店調査がきちんと徹底されることで悪質加盟店が排除され、不適正な与信と言われるものが回避されれば、過剰与信と言われる問題の相当部分は解決されるのではないかと考えております。

    最後に、繰り返しにはなりますが、悪質な販売事業者を排除することや消費者被害の未然防止を図るための調査を徹底するということは我々の責務であると考えているところでございますけれども、一方で消費者に支持されて、国民生活にも深く浸透しておりますクレジット・システム、これの使い勝手が大きく低下したり、消費者のプライバシーや自由な意思が阻害され、言葉が適切かどうかわかりませんが、それが格差の拡大や消費経済低迷の一因となるようなことがないように、バランスを考えた仕組みとすることが重要ではないかと考えるところでございます。

    以上でございます。

  • 山本委員長

    どうもありがとうございました。

    それでは、ほかに御質問、御意見はございますでしょうか。

    有田委員、どうぞ。

  • 有田委員

    私どもではこれまで多重債務に陥った女性の相談と生活の立て直しに努めてまいりました。女性の相談窓口ですから、次々販売などの悪質商法とか、言葉巧みなエステティック契約で「断わることができなくて」、「あるいは知らず知らずの間に」多重債務に陥ってしまった方もたくさんいらっしゃいます。そんな相談者に対して、「同じ失敗を繰り返さない自分づくり」と「自立」を目標に、相談者とともに生活の立ち直しに努めてまいりました。その「同じことを繰り返さない自分づくり」という視点から考えますと、余り法律で細部にわたる規制をかけてしまうと、消費者は自分で物を考えたり学んだりしなくなってしまうのではないかということを危惧しております。もちろん法律で保護する必要のある人がいるということは考慮しなければならない大切な部分ですが、一方で保護が過ぎて消費者を過保護にすると、消費者自らが強くはなりません。ですから、まず消費者に必要なのは、正しい知識を得る、正しい知識を学ぶ機会だと私どもは考えております。

    そこで過剰与信防止義務の基本的な考え方の部分についてですけれども、今回の改正が埼玉のリフォーム問題に端を発している旨を聞いたことがあります。個別クレジットに関してですが、高齢者等に対する次々販売といった販売事業者の勧誘行為とクレジット会社による支払い能力以上の過剰与信は、厳に戒める法律の枠組みが必要だと思います。ただ、地方によっては生活必需品である自動車のローンとか、新社会人など新たにひとり暮らしを始める場合はまとめて家電や家具を購入したいとか、そういう健全なニーズにこたえられなくなるような過剰な規制は避けるべきだと考えています。

    一方、クレジットカードに関してですが、ポイントやサービスの利便性を求めて複数枚のカードを保有し利用する多くの消費者がいます。専業主婦の場合、クレジットカードを利用して高級ブランドバックを買っている人が大半というのではなくて、ほとんどの人が近くのスーパーで日々の食材を購入するとか、家族の被服など生活用品を購入することにクレジットカードを使っています。つまり、専業主婦がカードをつくれないということや世帯主の収入を想定してというのは、大多数の健全な利用者・消費者の立場からすると、法律がプライバシーに踏み込み過ぎてしまっているようにも感じます。そこまで細部にわたり規制をかけるのでしたら、遠回りではあっても、消費者啓発とか消費者教育をしっかり考えて、国、企業、教育現場がそれぞれの立場で根本的な消費者教育の土台づくり、消費者を自立に導くこと等々を考えていただきたいというふうに私どもとしては考えております。以上です。

  • 山本委員長

    どうもありがとうございました。

    ほかに御意見、御質問はございますか。池本委員。

  • 池本委員

    池本でございます。論点が非常に多岐にわたりますので、先に加盟店調査の問題について発言させていただいて、後で改めて過剰与信の問題について発言というふうに、分けて発言させていただければと思います。

    まず加盟店調査義務ですが、資料4の4ページに今後の対応の考え方が出ております。この中でかなり細かいところに入っていきますが、加盟店調査、まさにそこをきちんとやっていただくことが不可欠の部分でありますが、左側の「調査方法」のところに「加盟店から入手」とあります。加盟店から入手ということは、加盟店から聞き取る、自己申告を聞くことが原則であるように受けとめられるのですが、果たしてそれで足りるのであろうかという危惧があります。従来の加盟店管理に関する通達、例えば昭和58年3月11日の通達には、「興信所等の専門機関に調査を依頼するか、又は自社でこれと同等程度の調査を行うこと」いうふうに規定されておりました。その関係では、その一つ上に、コンプライアンス体制とか苦情処理体制がちゃんとできているかを直接その加盟店から聞くだけではなくて、適正な被害救済等を行う団体に加入していることを配慮すべきではないかと。これもある意味では直接聞き取るだけではなく、別の団体にきちんと入って自主規制をともにやっている客観的な情報を確認せよという趣旨で賛同できるわけです。そのように、「加盟店から入手」ということが単に聞き取るだけでよいということにならないように、具体的に明記していただくべきであろうと思います。

    それから、その右側、今度は個別契約時の調査方法で、「契約申込書面の確認」と「購入者等への電話等による確認」とあります。もちろん(2)の購入者への電話等による確認が基本になるだろうと思うのですが、ここもやはり購入者へ電話確認さえ行っていれば調査義務を果たしたというような運用になっては実態が見失われることになるおそれがあります。この点も、例えば平成14年5月15日の通達の中には、「本人への電話確認では判明しないことが多いため、加盟店に対する調査が重要であることに留意すること」というふうに、わざわざ注意書きがあったほどであります。したがって、ここも、この点だけやればいいという趣旨では絶対ないということが明確になるようにしていただきたいと思います。

    また、その下に※印で「消費者の利便性を考慮し、健全な取引の阻害とならないよう苦情・相談の動向に応じて、調査を柔軟に出来るようにする必要があるのではないか」という注記があります。もちろん利便性を失うことをよしとする趣旨ではありませんが、従来の加盟店調査が不十分であったがために多数の被害が発生した、だからこそ、この点をきちんと法的な義務としてさらに具体化していこうということが議論の出発点でありますから、調査の省略を安易に認めるようなことになってはまずいだろうということを申し上げておきたいと思います。

    とりあえず以上です。

  • 山本委員長

    事務局のほうも何か応答されたいことがあれば、発言を申し出てください。

    ほかに御意見、御質問はございますか。

    唯根委員。

  • 唯根委員

    長谷川委員、有田委員の御意見を伺って、今回の法改正の目的である悪質加盟店の排除、消費者被害の未然防止、そして被害救済ということで、相談員として相談現場で実効性を確保したいという立場で、感じたことを意見として述べさせていただきます。

    過剰与信防止義務の件ですが、収入の少ない主婦、学生、年金生活者について二重引きとか、多重債務の方々の立ち直りについては自主性を持たせるのに過度の規制にならないようにという御意見をいただいたようですけれども、自分の返済能力を考えたこともないような若者や主婦、高齢者の方々が、多重債務に入る最初のきっかけがクレジットの利用だと実感しています。最初は20~30万円の枠内でクレジットを利用されて、それが返せなくて次々にカードをつくる。現金がないから、日々の生活費、食費や消耗品などまでカードで購入するようになり、枚数をふやしていって、結局負債総額が大きくなってしまって多重債務に陥る。そういう御相談を多々承っている関係では、支払可能見込額については、年収の少ない方たちには世帯単位での収入を考慮すべきかというのは危険です。世帯として考えるのならば収入のない主婦や学生、高齢者は家族カードでなくてはならないと思います。従って、個人ベースで与信を考えるなら、あくまでも個人としての見込み額で検討していただきたいと思います。私自身がワーキング・プアの代表者として自分の生活と年収を考慮して考えると、可処分所得といいますか、クレジットを利用して返していける金額は年間そんなに高くないのではないかと思いましたので、大きなお買い物をクレジットで利用できるのは便利ですけれども、どこまで個人で返せるかの規制部分は非常に大きな要素だと思います。

    次に、カードの更新時の調査についてです。本来自分の環境が変化したときに自分で申告するのが条件ですが、住所が変わったり、勤務先が変わったりしてもなかなか利用しているクレジット会社にまで届出をしている人は少ないと思います。現に相談者の多くが、トラブルになっているカードや個別クレジットの会社を意識していることが少なく、まして変更手続きなどを知っている人はさらに少ないのです。ですから、少なくとも更新時に、再認識に意味も含め調査をしていただく方が良いと考えます。すでに、ゴールドカードやプラチナカードなど高額なカードをお持ちの方が転職とか定年を迎えた後も、与信枠が大きいままお持ちになっていたり、年金生活になった後期高齢者がゴールドカードをそのまま利用していて負債が大きくなって返済できなくなったケースが実態としてありますので、そういう部分では更新時のチェック機能を設けていただきたいと思います。

    それから、加盟店調査については、4ページの※印のところ、「消費者救済を行う団体に加入していることを配慮すべきではないか」というのは、条件として賛成します。

    以上です。

  • 山本委員長

    どうもありがとうございました。

    ほかに御意見、御質問はございますか。

    では、梶山委員。

  • 梶山委員

    まず議論の前提として、総論的な意見から述べさせていただきたいと思います。御承知のように、現在我が国においてはいわゆる販売信用取引が年間で既に45兆円規模に達しているという状況をきちんと認識する必要性があるのではないかと思っています。言いかえると、消費経済といいますか、あるいは日常生活においてクレジット取引はなくてはならない決済手段として定着化している。したがって、これに大きなインパクトを与えるような過剰な規制は避けるべきではないかと思っております。特にクレジットカードの利用状況を見ますと、当然のことながら高額商品の購入に当たってクレジットカードを利用するということはありますが、昨今の利用状況は、先ほども委員の御発言にありましたように、衣料品や食料品といった日常的な商品の購入、あるいはガスとか水道等の公共料金の支払い、そして医療機関へのお支払い、交通機関での利用というように非常に汎用性が広くなっている。そこに利便性も加わっているということで、今のような状況の中では、一方では消費の下支えをしているような状況になっているのではないかと考えております。

    このような状況を踏まえて、我々クレジットカード業界としては、より一層安全で安心にクレジットカードを使っていただくという利用環境を構築することは極めて重要であり、個社ベースあるいは業界全体を通じていろいろな形で取り組んでいるところではありますが、今回の法改正に当たっては、そもそも改正の目的が悪質加盟店の排除と、それにつながるクレジット取引をいかに排除するかといったところに主眼が置かれていることを踏まえると、他の大部分の健全な取引にまで大きな影響を及ぼすようなことは極力避けるべきではないかと思っております。

    次に支払可能見込額の調査の件についてですが、今までも述べておりましたように、今回の法改正の目的が悪質加盟店の排除と消費者被害の未然防止という観点であるならば、ここの部分についてはすべての取引を一律的に共通の義務で抑えるようなことは避けるべきではないかと考えております。例えば包括クレジットについては、消費者サイドの選択の自由、つまり、どのクレジットカードを選ぶのかはお客様のほうに選択権があるとか、利用時にどのカードが自分にとって一番有利なのかというような利便性の観点、あるいは加盟店の状況に応じて使い分けるとか、そういったことを阻害することがないような配慮がぜひとも必要ではないかと思っております。

    特に支払可能見込額の調査においては、主婦の方の収入をどう見るのかというところが一つの大きなポイントになろうかと思っております。しかしながら、海外もそうかもしれませんけれども、日本の多くの家計の実態、家計を切り盛りしているのはむしろ専業の主婦の方ではないかと思っております。要は、配偶者の収入を有効あるいは計画的にどう使おうかといったことに日夜頭を悩まし続けているのではないか。そういう意味で言いますと、むしろ収入のある配偶者よりも健全な使い方をしているのではないかと思っております。そういう状況を踏まえると、収入のある配偶者との間に直接的な収入がないということだけで差別的な対応をすることは当然のことながら避けるべきであり、主婦の方の権利とか自由意思とかプライバシーに過度に踏み込まないことが重要ではないかと思っております。

    以上でございます。

  • 山本委員長

    どうもありがとうございました。

    ほかに御発言はございますか。

    何か応答されますか。では、課長、お願いします。

  • 坂口取引信用課長

    御意見あるいは御質問、ありがとうございます。お伺いしていて、補足的に御説明をさせていただければと思います。

    池本委員から御質問のありました加盟店調査義務でございます。4ページの左枠、「加盟店から入手等」とありまして、必ずしも加盟店だけということではもちろんございません。今回の法改正の最も重要な項目の一つとして、加盟店情報交換制度というものがございます。資料にはちょっと小さく書いてしまったのですけれども、3ページの左下に「加盟店情報交換機関」とありますように、自主規制団体であります認定法人の割賦販売協会に加盟店情報交換制度を導入いたしまして、ここで各クレジット会社が加盟店に関してどういう問題があるか等々の情報を持ち寄り、交換することによって、加盟店調査義務をしっかり果たしていく、そうした点も含めて適切に加盟店の把握を図っていかなければいけないということでございます。

    2つ目が、4ページの右側、「購入者等への電話等による確認」のところの注ですが、ここで私どもがイメージしているものとしては、販売業者が個別契約に当たってチェックリストのようなものを契約申込書面に盛り込みまして、それをチェックするわけですけれども、そのチェックを踏まえて、与信業者が電話等によってさらにしっかりと、二重に確認していくといったスキームが一つあるのではないかと思っております。その際に、最初にチェックした調査事項の(1)から(3)に当たるようなものすべての項目について電話で一から十まで聞き直すということではなく、業種・業態あるいは加盟店の状況によって、それも非常にリジッドに行うわけではなくて、クレジット会社がここは一から五まで聞きましょうとか、この加盟店については一から七までしっかり確認しましょうとか、そのあたりを実態に応じて柔軟にしていけるのではないかということでございます。これももちろん電話等による確認でございますので、それ以外の方法も含めて、しっかりやっていただければというふうに考えております。

    それから、唯根委員からの世帯の問題でございます。私事ではございますけれども、我が家も家内が家計を管理しておりまして、主婦は家計管理者としてやっているというような実態も踏まえる形でカードあるいは与信が必要ではないかということで論点として挙げさせていただいているわけでございます。いろいろなカードをつくっているのが更新できなくなるということにならないよう、しっかりと実態を踏まえた制度設計を御検討いただければ非常にありがたいということでございます。

    それから更新時の調査でございます。説明がちょっと不足していたのかもしれませんが、新規の付与と全く同等の調査項目を行うというのは必ずしも実態に即していないのではないかということでございまして、更新時にも調査はしていただきたいと考えております。ただ、もう一つ御指摘のございました定年とか転職を消費者の方がクレジット会社に必ず申告しなければいけないというふうに義務づけることは、消費者意識の実態と合っているのかどうかということも考えられますので、その辺も含めて、実態に即した御議論、御検討をお願いできればありがたいと思います。

    以上でございます。

  • 山本委員長

    それでは、さらに引き続き委員の御発言を求めたいと思います。

    藤原委員。

  • 藤原委員

    ただいままでの御議論を拝聴しておりまして一言申し上げます。

    今、関係資料の提案理由をもう一度読み直してみたのですけれども、この法律が出てきたのは真に消費者や生活者の視点に立って悪質商法対策の充実強化を図るのだというところなので、悪質加盟店等の排除が主たるものであるということはそのとおりであろうかと思います。その場合に、行政の側がパターナリスティックに関与していくのと自主自立にどこまで任すかの線引きの問題であるということは承知しているのですけれども、今までの御議論を聞いていて特に感じたのは、この省令を実務に落としていくときの運用手法によほど注意する必要があるのではないかということです。といいますのは、個人情報保護法におけるいわゆる過剰反応問題、それから改正建築基準法の確認審査における混乱、あれを見ていて今の議論を伺っていると、自主ルールの策定になるのか、あるいはもう少し解釈運用基準的なガイドライン的なものをお示しするのかはともかくとして、どちらにせよ、それを杓子定規に運用すると恐らく今までサービスを受けることができた方々がはじかれる。そこをかなり心配されているのかなという感じがいたします。しかし、心配のあまり原則を崩してはならないので、今回は、高齢者等の弱者を保護し、悪質な加盟店と悪質商法を排除するという点を徹底しつつ、主婦とか学生が議論になっていますけれども、これらの従来クレジットカードのサービスを受けられた方については従来どおりのサービスが受けられる、ということが確認されればよいのではないでしょうか。その人たちが受けられないといったような、萎縮効果を与えるような対応にならない工夫をどうしてもしなければならないのではないかという気がしますので、少し先の話ですけれども、それを申し上げておきたいと思います。

  • 山本委員長

    どうもありがとうございました。

    ほかに御発言はございますか。

    今井委員、お願いします。

  • 今井委員

    過剰与信防止義務の基本的な考え方につきましてはきれいにまとめられていると評価をいたしております。ただ、個別クレジットの問題と包括クレジットの問題の資料の立て付けがほぼ同じになっておりまして、細部のところだけが違っているという立て付けになっています。今回の法改正の目的は特商法がらみの個品割賦における悪質業者の排除が主たる目的でありますので、立て付けは同じでありましても、個別クレジットと包括クレジットは内容的に変わってもいいのではないかと思っております。調査項目も調査方法もすべて同じ立て付けで記載されておりますけれども、こういったものも包括クレジットと個別クレジットでは区別して議論をしていただければよろしいのではないかと思います。具体的に言えば、個別クレジットについては厳正な調査義務が課せられてもやむを得ないと思いますけれども、包括クレジットについては健全な消費者にまで影響が及ぶような事態になってはいかがなものかと思いますので、同じ立て付けになっておりますけれども、ここは区別して議論いただければありがたい、そのように思っております。

  • 山本委員長

    どうもありがとうございました。

    それでは、池本委員、お願いします。

  • 池本委員

    先ほど積み残しておりました過剰与信のことに関して発言させていただきます。

    支払可能見込額の議論で、この間、何人かの方から資料3の4ページ、専業主婦や学生など世帯単位での年収を考慮する必要がある場合、それが必要ではないか、そうしないと無収入の人はクレジットが利用できなくなるというふうな発言がありました。この点は藤原先生が指摘されたところと私も機を一にするのですが、本人の収入、その数字だけを書き取って、それが枠だというふうに硬直に考える必要はないわけで、むしろ多少の裁量の幅を持った書きぶりがあり得ると思います。例えば、民法でも日常家事債務の範囲について連帯責任を負うというふうな考え方があって、ある範囲については世帯単位で考えることが許される。だからといって専業主婦や学生の場合にも世帯単位で見ることができるとすると、このページの一番下のクレジット債務も、下手をすると信用情報機関を調べるときも世帯単位でクレジット債務を調べるようにできたらどうかという議論にまで発展しかねない。これは本末転倒もいいところではないか。消費者信用、個人信用の問題ですから、取引に全く関与していない家族の信用情報まで全部見るというのは制度としては行き過ぎであろうと思います。あくまで個人です。ただ、聞き取る中で、その方の生活状況や購入する商品の種類、あるいは金額などを見れば、それが通常の世帯の中で許容される利用の範囲かどうかということは健全な常識に照らして当然判断できるものではないか。その意味では、基準をつくるときに一定の柔軟さを持たせることが、この制度を実態に即してきちんと運用するポイントになると思うんです。どうも「支払可能見込額」という言葉に過剰に反応されて、硬直な数字になりそうだから可能性があるものは全部取り込んでおけというふうな議論に聞こえて仕方がありません。その点がまず第1点です。

    2点目は、これも同じ構図なのかもしれませんが、資料3の8ページあたり、生活維持費についての考え方であります。これも細かい事実関係を全部調べ上げた上で生活維持費が幾らだからというふうにやるのは、迅速な取引からして好ましくない。全くそうだと思います。その意味ではある程度パターン化した数字を出すことになると思うのですが、パターン化した数字の場合、そこから漏れる人は与信できなくなっては困る。そうすると、この数字はおよそ与信可能性のない低いところにしておいたほうが安心だというふうに、まさに過剰に反応しておられるのではないか。生活維持費に差し障りがないようにせよという一応の基準はありますが、さらに例外・除外として、9ページ、「その他消費者の保護に支障を生ずることがない場合」には与信していいことになっているわけです。まさに生活状況や購入する商品の種類や必要性等によっては与信を認めるということで、ちゃんと裁量の幅を持たせているわけですから、この基準に行かないからもう調査しなくていいのだという、そっちの基準を押し込めてしまうのではなくて、むしろ必要なときにはきちんともう一歩先を調べなさいというふうに、全体として柔軟に運用できるような制度設計が可能であると思いますし、そういう見方で原則要件を余り緩々にしてしまわないようにという点は御留意いただきたいと思います。

    以上です。

  • 山本委員長

    どうもありがとうございました。

    ほかに御発言はございますか。沼田委員。

  • 沼田委員

    従来のサービスを受けていた人がこの規制によって使えなくなってしまうことに対する意見が出ていると思いますが、現在、カードをつくる目的は、クレジット購入をしたいということだけではなくて、例えば自分が利用している店舗のポイントサービスを利用したいなどの違った目的の需要もかなりふえてきていると思います。ポイントカードの点では現金扱いのみとクレジット機能が付帯しているものと両方ありますが、どうも最近は現金カードが減ってきていて、クレジット機能がついているポイントカードをつくりなさいというような勧誘の仕方が多くなっています。そうした中で、一律にカード審査を厳しくしてしまうと、一部のポイントマニアみたいな人だけが突出してカードをすごく上手に利用できて、一般の主婦たちは利用したいのにハードルが高過ぎて使えないというような、ちょっと偏った仕組みになってしまわないかなという心配があります。

    次に、更新とか限度額の増額時にどういう調査をするかという点ですけれども、私自身、スキミングなどのカード被害に備えて、自分のサブカードはキャッシング、クレジットの利用限度額をほとんど5万円とか10万円に抑えています。それは、利用限度額は電話一本でカード会社に対応していただくことによって変えられるという前提があるからできるわけで、カード会社の限度額増減の手続が煩雑になってしまうと、緊急時に備えてだんだん多目に設定しておかなければならないという逆転のことが起きてしまって、トラブルに巻き込まれた際の被害額を小さくしようという気持ちはあるにもかかわらず、結果的には逆にトラブルになった場合の被害額が大きくなってしまうようなことにならないだろうかと思いました。

    それから、除外品のことですけれども、自動車のローンは通常のローンとはちょっと違うのではないかと思っています。それは目的が自動車という一つの品目に決まっているものでありますし、また、車というのは買いかえの時期もありますから、延々と払っていくローンではなくて、ある程度の期間で完済するように計画して使っているものだと思うのです。自動車は、安全面という問題もありますし、その人の趣味趣向も加わって、今は手持ちの資金が不足しているから安いレベルのものを買おうというふうにはいかないのが消費者心理だと思いますので、審査を厳しくしてしまうと、車のグレードを下げるよりも、シビアな金利のところでも手に入れられるならそちらのほうにと、借りる場所の選択肢がだんだん狭められてしまうことも考えられるのではないかと思います。

    以上です。

  • 山本委員長

    どうもありがとうございました。

    ほかに御発言はございますか。

    清水委員。

  • 清水委員

    日専連の清水です。我々は地方を商圏に包括クレジット事業を中心に展開しているわけでございますけれども、我々は今、各地において、あらゆる生活場面で利用できるカードということで積極的に展開しているわけでございます。先ほど生活費の算出についての御意見がありましたけれども、我々の地域においては、居住地域、年齢、家族構成、生活態様、それとカードでの利便性をうたえる公共料金の支払いの有無、これらを大体の根拠にしております。また、年収関係につきましては、基本的には自己申告を中心とするわけでございますけれども、あとは消費者の属性、特に勤務先の関係を重視して判断しているわけでございます。

    また、さっきから主婦の話がかなり出ておりますけれども、我々の会員の中で一番多いのが主婦でございます。今、地方が非常に疲弊しているわけですが、地方の商業はどちらかと言うと男性より女性のほうが力を持っているのではないかということで、我々地方では地域の主婦に目をそむけられたら多分商売がやっていけないのではないかというぐらい、かなり厳しい状況にあります。我々は、我々事業者とお店、そしてカード会員、この三者を非常に大切にしております。我々の地域でやっている事業は、大手のカード会社、大手の信販会社から見れば規模は非常に小さいのですけれども、地域の商業を担っているという大きな目的を持っております。

    そこで専業主婦なり学生の支払可能見込額の件ですけれども、今は地方にも大学がかなり多くなっておりますので、大学との提携カードも発行していましたが、残念ながら学生にはそれだけの支払い力がありませんので、限度額は非常に低い形でやらせていただいておりました。資料の中に預貯金とか世帯単位でのクレジット債務を求める云々ということが書かれておりますけれども、それをやると現在健全に使っていただいている主婦の方が使えなくなってしまう。先ほど言いましたように主婦に横を向かれると一番困りますので、ぜひそういうことのないように御配慮を賜りたいということをお願い申し上げたいと思っております。

    以上でございます。

  • 山本委員長

    どうもありがとうございました。

    ほかに御発言はございますか。

    それでは事務局からコメントをお願いします。

  • 坂口取引信用課長

    支払可能見込額調査についてですけれども、今井委員、池本委員ほか、柔軟なものにする必要がある、あるいは原則例外という御意見、コメントがあったかと思います。私どもの資料のつくり方がちょっと悪かったのかもしれませんけれども、資料3の5ページで「その他」というふうにまとめてしまったものですから、「その他」というのが付随的に考慮されるというイメージを持たれたとすれば、それは事務局の意図ではございませんで、「その他」に書いてあるのがむしろ原則と言ってもいいのかもしれないと思います。すなわち、クレジットの与信審査については事業者の方はさまざまな要素を考慮して行っておられるわけでございますが、大きく言いますとプラスとマイナスの要素があるわけでございます。プラスについてはもちろん年収、その際に世帯単位の問題をどのように考えるかという点がありますし、あるいは資産がございます。さらには、過去のクレジット・ヒストリーであるとか、自動車等を中心とした商品の価値、そのほか先ほど来事業者の方からこういう点を考慮して与信をされているというお話がありましたけれども、そういった点をすべて考慮して、総合的に勘案して支払可能額を算定する。マイナスの項目としては、生活維持費、その中には二重計上の問題があるという考慮すべき要素もありますし、そのほか居住用資産といったものがございます。支払可能見込額調査の方法についての事務局の頭の整理としては、支払可能見込額にプラスとマイナスになる要素をすべて総合的に勘案して与信判断をやっていただくというふうに整理をさせていただいているところでございます。

  • 山本委員長

    どうもありがとうございました。

    ほかに、委員の皆様からさらに追加で御発言はございますでしょうか。

    特にございませんでしょうか。

  • 山本委員長

    それでは、特段御意見がないようですので、本議題につきましては本日のところはこの程度にさせていただきます。

    委員の皆様、さまざまな角度から貴重な御意見をいただきまして、まことにありがとうございました。また、事務局サイドからの応答も含めて、論点あるいは問題点が明確化されたのではないかと思います。いただいた御意見につきましては、今後の政令案等の作成作業に十分に生かしてまいりたいと思います。

    なお、本日は時間の都合その他で発言がなかった場合におきましても、追加的に御質問等がその後に生じましたならば、事務局までお寄せいただければと思います。

消費者庁関連3法案のポイントについて

  • 山本委員長

    それでは、次の議題にまいりまして、議事次第4、消費者庁関連3法案についての紹介を坂口取引信用課長よりお願いいたします。

  • 坂口取引信用課長

    資料6と7に基づきまして、消費者庁関連3法案のポイントと割賦販売法との関係につきまして、簡潔に御説明をさせていただければと思います。

    この19日に消費者庁関連3法案が閣議決定されたわけでございます。資料6の1ページ、「消費者庁設置法案のポイント」でございますけれども、これは消費者庁の所掌事務、組織を定めるものでございます。

    ページをめくっていただいて4ページですが、2つ目の法律といたしまして消費者庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案、いわゆる個別作用法に関する消費者庁長官の権限等を規定する等の関係法令を一括して改正するものでございまして、この中で割賦販売法が改正されるということでございます。具体的には5ページの「業法関係」の「シ」に割賦販売法がございますけれども、その中身については資料7に基づき御説明させていただきます。

    次々とめくっていただいて、10ページ、「消費者安全法案のポイント」でございます。いわゆる隙間法ですが、ここに書いてございますように、内閣総理大臣による基本方針の策定、都道府県及び市町村による消費生活相談等の実施及び消費生活センターの設置、さらには消費者事故等に関する情報の集約、消費者被害防止のために、内閣総理大臣が事業者に対して勧告をする等の制度となっております。

    資料7をごらんいただきたいのですが、「経済産業省所管の移管対象法律の改正内容」といたしまして、特商法以下6法について簡潔にまとめさせていただいております。

    割賦販売法につきましては真ん中あたりに記載してございますが、貸金業法、旅行業法、宅建業法と整合性をとった形で整理をさせていただいております。1つ目のマルですが、消費者保護を直接目的とする行為規制と民事ルールにつきましては、消費者庁長官が関与する。すなわち、共同省令にする、あるいは事前協議、意見陳述等を行うことができるということになっております。他方、登録・許可、処分、立入検査等のいわゆる法律の施行につきましては経済産業大臣が引き続き主管することとなっております。3番目といたしまして、内閣総理大臣が経済産業大臣に、資料の提供、説明その他必要な協力を求めることができるということでございます。

    以上でございます。

  • 山本委員長

    どうもありがとうございました。

    それでは、本件につきまして御質問等ございましたら、どうぞ御発言をお願いいたします。

    特によろしいでしょうか。

    池本委員、何か。

  • 池本委員

    済みません。順序が戻って申しわけないのですが、資料5の法定諮問事項に関連して、1点だけ、質問と発言をさせていただきたいと思います。

    資料5の2ページ、密接関係者に対する立入調査ということが書いてあるところです。加盟店調査等がきちんとなされているか、不適正与信の禁止規定の遵守状況を調査するための立入調査等の権限が及ぶ範囲という趣旨だと思うのですが、「加盟店を中心に検討を進めてはどうか」というふうに書いてあります。加盟店といっても信販会社と加盟店契約を結んでいる直接の販売業者に対してということはこれでわかるのですが、例えば、その販売業者が自分の関連会社を枝番とか子番とか、あるいは隠れた下の別の業者に書類を渡して使わせるとか、そういう場合はクレジットを利用している関係販売業者ということで、そこも調査対象になると理解してよいのかどうかという点が1点。

    それから、そういう販売業者ではなくて、信販会社のクレジット利用をあちこちの販売業者に取り次ぐ業者、取次専業者といいますか、決済代行業者のような形で登場する事業者があります。しかも、それがマルチ商法とか、かなり問題業者を取り次いだりしているので、相談の現場等でも苦慮しているというふうに聞いております。その場合、「信用購入あっせん関係販売業者」という言葉に入らないのではないか。だとすると、密接関係者の中に、販売業者とは別に、そういうクレジットの取次業者のようなものも一つ加える必要があるのではないか。この辺は、「加盟店を中心に」と書いてありますので、そのあたりはどういうふうに検討しておられるのか、質問も含めてお伺いしたいと思います。

  • 山本委員長

    では、事務局から今の段階で可能な範囲でお答えいただきたいと思いますが、後者の質問は個別クレジットに関してですけれども、包括クレジットについては、法30条の2の3の4項に今回「包括信用購入あっせん関係立替払取次業者」というのが位置づけられていますが、それの個品版が存在しており、それをどう扱うのかという御質問ですか。

  • 池本委員

    はい。そういう実態が現に出始めているので、その解釈についてはいかがかという趣旨です。

  • 山本委員長

    わかりました。

    では、可能な範囲でお答えいただきたいと思います。

  • 坂口取引信用課長

    密接関係者でございますが、2つ御質問をいただいたと思います。

    1つ目の枝番・子番でございますが、そうした業者につきましても販売業者というふうに整理したいと考えております。

    2つ目の個品クレジットにおける加盟店獲得業者につきましては、そうした悪徳業者がどの程度いるのかとか、どの程度被害が出ているのか、今後どういう問題が生じ得るのかといった実態を把握させていただくといいますか、お話を伺わせていただいて、事務局としても対応を考えていきたいと思います。ただ、一言申しますと、この法律をつくるときにはそこは余り念頭に置いていなかったものですから、法制上、うまく整理できるかどうか、政府部内でちょっと調整をさせていただかなければいけないのではないかと思っております。いずれにいたしましても、実態をよく聞かせていただきながら、問題があるとすれば、しっかり対応できるように検討を進めさせていただければと思います。ただ、法制上の制約は出てくるかもしれないというところを申し上げさせていただければと思います。

  • 山本委員長

    今のところ、よろしいですか。

  • 池本委員

    はい。

  • 山本委員長

    どうもありがとうございました。

    ほかに何か、さらに御発言がある方はいらっしゃいますか。

    それでは、特にございませんようでしたら、きょうの審議はここまでとさせていただきたいと思います。

    次回の会合につきましては、後日、事務局より調整の上、御連絡させていただきます。

    本日は熱心に御議論いただきまして、まことにありがとうございました。以上をもちまして本日の会合は閉会いたします。

以上

 
 
最終更新日:2008年10月30日
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