経済産業省
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消費経済審議会特定商取引部会(第4回)・割賦販売部会(第2回)合同会合‐議事要旨

日時:平成15年4月3日(木曜日)10時00分~12時30分
場所:経済産業省本館第2特別会議室

出席者

部会長
野村 豊弘 学習院大学法学部 教授
委員
新井 裕 社団法人日本クレジット産業協会 副会長
池本 誠司 日本弁護士連合会消費者問題対策委員会 委員
池森 賢二 社団法人日本通信販売協会 会長(代理出席)
長見 萬里野 財団法人日本消費者協会  理事
加藤 真代 主婦連合会 参与
川本 敏 国民生活センター 理事
齋藤 雅弘 日本弁護士連合会消費者問題対策委員会 幹事
高芝 利仁 弁護士
髙田 茂穗 東京都生活文化局消費生活部 部長(代理出席)
田中 利見 上智大学経済学部 教授
玉本 雅子 社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会 副会長
中西 公 株式会社ジェーシービー 取締役社長
南条 俊二 株式会社読売新聞社 論説副委員長
花房 正義 日立キャピタル株式会社 取締役会長
原 昭邦 社団法人日本訪問販売協会 会長
晝間 文彦 早稲田大学商学部 教授
前川 哲朗 社団法人全国信販協会 会長
松尾 和子 弁護士
山本 豊 上智大学法学部 教授
事務局
小川 秀樹 消費経済部長
押田 努 消費経済政策課長
粕渕 功 消費経済対策課長
櫻井 和人 取引信用課長
藤木 昌彦 生涯学習振興室長
原 英史 消費経済政策課課長補佐

議題

特定継続的役務提供取引等の役務指定について(非公開)

議事概要

1.事務局から、前回の業界からのヒアリングと議論を踏まえて、初めに以下のような説明が行われた。

(1)特定商取引法、割賦販売法における特定継続的役務規制の概要

  • その対象、クーリング・オフ、中途解約等の規制内容と根拠
  • なお、継続的役務契約は、民法上の準委任に類似した契約と考えられるが、特商法ルールは、民法上の考え方を踏まえ強行規定として損害賠償額の具体的上限額等を含めて明定したもの。

(2) 指定役務制度について

  • 消費者トラブルの未然防止と発生時の公正な解決を確保するため、特に中途解約につき、損害賠償上限金額の明定を含めた、具体的かつ明確なルールを役務分野毎に設定する法制度になっていることから、規制対象については、規制の必要性・根拠が顕在化した分野について政令指定することになっている。
  • 後追いの弊害を極小化するために迅速かつ機動的に指定するべきだが、他方で強力な規制を伴うため「社会的規制であっても必要最小限のもとにする」との原則(規制改革推進計画)の観点からの十分な検証が必要。

(3)指定にあたっては、以下を主たる判断要素として、総合的に判断される。

  1. 消費者からの苦情相談の状況(件数の多さ、近年の増加傾向、苦情相談の内容)
  2. 当該役務分野の状況(取引適正化に関する業界の取組状況-自主基準の内容・施行方法・施行実績、業界団体の組織率、当該分野の特殊性 等)

(4) パソコン業界の状況

  • 苦情相談の件数は、最新年度(2001年度)で2602件(「語学教室」指定時(2763件(97年度))と同レベル)。過去5年度間平均で、29.3%増。特定継続的役務規制を必要とするようなトラブル多数。
    苦情相談件数に「パソコン教室」に該当しないものが含まれているのではないかという点に関しては、本規制が想定している取引に含まれないことが明らかなものは、2602件中、464件(2001年度)。
  • 取引適正化に関する業界の取組状況としては、全国パソコン教育事業協同組合は自主基準を策定し、平成15年3月1日から実施。平成15年3月時点で156事業者が加盟(教室数で610教室、売上高230億円)。教室数シェアで2%~15%、売上高シェア18%~46%。自主基準の内容は、特定商取引法の内容に近いものの、クーリング・オフの内容等につき異なる点がある。
  • 「パソコン教室」を指定する場合、役務の定義としては、「電子計算機及びワードプロセッサーの操作に係る知識・技能の教授」というようなものが考えられ、これを前提にすると、目的(資格取得、趣味・余暇の充実、機器販売促進等)、事業者別形態(専門業者、パソコン製造業者、学習塾・英会話経営者等)、学習方法別形態(教室における対面学習・映像学習、通信教育等)の如何を問わず、これに該当すれば対象になる。学校法人等については、本法の規制対象とはならないが、苦情相談も、現状において殆ど見られない。
  • 他の役務(他技能の教授等)が一体で提供されているような場合についても、「電子計算機及びワードプロセッサーの操作に係る知識・技能の教授」という役務の提供が契約内容において実質的な意味を持つような場合には、その契約は特定継続的役務提供契約と解され得る。一方、それが極めて付随的な内容で、契約内容において、その役務提供がほとんど意味を持たないような場合においては、基本的に、本規制は適用されない。各契約の実態に応じて判断。
  • 他の役務(例えば外国語会話教室)が、同一の事業者によって、区別して提供されている場合には、基本的に、それぞれの役務にそれぞれ対応する規制が課せられることになる。

(5) 結婚情報紹介サービス

  • 苦情相談の件数は、最新年度(2001年度)で1600件(「家庭教師」指定時(1784件(97年度))に近いレベル)。過去5年度間平均で、12.8%増。特定継続的役務規制を必要とするようなトラブル多数。
    苦情相談件数には、「単なる問合せ」が多く含まれているのではないか、また、解約関連のものがどれだけあるかという点に関しては、総件数1600件中、「単なる問合せ」と見るべきものを除いた苦情件数は、1149件。このうち解約関連が、962件(83.4%/苦情件数、60.1%/全苦情相談件数)(2001年度)。
  • 取引適正化に関する業界の取組状況としては、結婚情報サービス協議会が2000年10月から自主基準を施行。日本ブライダル連盟及び日本仲人連盟も、昨年9月から協議会の自主基準と類似内容の自主基準を施行。結婚情報サービス協議会は、大手4社が加盟(会員数シェア50%、売上高シェア57.7%)。日本ブライダル連盟及び日本仲人連盟は、中小事業が加盟(会員数シェア16.7%、売上高でシェア16.7%)。自主基準の内容は、特定商取引法の内容とは、入会30日経過後、会員の自己都合の場合には入会金の返金を認めない点が最も大きい相違点。
  • 結婚情報紹介サービスが、業界のヒアリングで説明があったような他の役務と異なる一定の特殊性を有することは必ずしも否定できないが、基本的には、特定継続的役務提供取引としての特性を有し、同取引に特有の消費者トラブルが発生していることから同規制を課する必要があると考えられる。
  • 一方、結婚情報紹介サービスの一定の特殊性に鑑み、規制ルールの内容(特に中途解約の際の前払い金の返金ルール)について、従来からの原則(中途解約の際に、事業者は、入会金等の前払い金のうち、「契約の締結及び履行に要する費用」(役務提供開始前)又は「解除によって通常生ずる損害の額」及び「提供された役務の対価に相当する額」(役務提供開始後)を除いて、消費者に返金しなければならない。)を前提とした上で、次のような点について検討すべきものと考えられる。
    a) 当該事業者の情報紹介サービスを通じて婚姻関係に至ったため会員が退会する場合には、契約目的達成と解されることから、法律上の「解除」(法第49条第1項)に該当せず、従って、事業者は、契約に従って適正に受領した前払金については、返還を要しない。
    b) 当該会員が、成婚への確率が高い高度の内容のサービスを受けた場合については、それに見合う合理的な料金を設定・徴収することは許容できる。(例えば、基本サービスと言えるマッチングのための定期の情報提供から進んで、希望者同士の面会に至る段階の紹介サービスを受けた場合には、一定の対価を既提供役務対価として請求するようなこと)

(6) 増毛・育毛サービス

  • 苦情相談の件数は、最新年度(2001年度)で699件(既指定4役務指定時の苦情相談件数のレベルに達しない)。把握できる年度件数データは2000年度及び2001年度のみ。その間は微減(▲3%)の状況。(2002年度は2月末までで、442件(対前年同期比▲17%))。特定継続的役務規制を必要とするようなトラブルあり。また、契約金額が他の役務に比べても高額。
  • 取引適正化に関する業界の取組状況としては、日本毛髪業協議会が2002年4月から自主基準を施行。大手10社が加盟(売上高シェア80%)。
    自主基準の内容は、特定商取引法の内容と基本的に近く、協議会では、更に自主基準の強化を準備中。

2.引き続き議論にはいり、大要以下のような意見が出された。

苦情相談のデータについて

  • 検討の基礎となっている国民生活センターのPIONETのデータについては、苦情と問い合わせの別が明確ではないようだが、より精度を上げるべく工夫が必要ではないか。
  • 消費生活センターの人員不足もあり、案件を詳細に相談員が整理していくということは困難だが、苦情、問い合わせの別は明確にするようにしている。
  • 案件によってはグレーの部分は出て来ないわけではないが、全体としては、判断する上でデータとしての信頼性は十分ある。
(事務局よりの補足)

問い合わせであってもその背景に不満がある場合が少なくない。

  • 同じ案件の記録をみても、事業者側と消費者側で判断に違いが出ることがある。事業者側の判断には疑問なときがある。
  • 業界団体の相談室でも、まず消費者が申し出を苦情と考えているかどうかで分類している例がある。
  • 自治体で苦情相談カードを分析したことがあるが、問い合わせの分類でも実際は苦情が入っているものもある。

各役務について

  • パソコン教室と結婚情報紹介サービスは指定すべきと思うが、成婚した(する)ことを隠して退会するケースがありうるが、それをフォローできるのか。
(事務局よりの補足)

成婚を隠されると対応が難しいかもしれないが、その申告について一定の歩留まりを想定したり、あとから成婚が判明したら請求する等の対応はあり得るのではないか。

  • 結婚情報紹介サービスは指定すべき。成婚の補足が困難という点については、不動産仲介では、みなし報酬規定というものがあり、紹介した案件について、のちほど別途顧客間で直接契約が成立したら、仲介手数料を請求できる。結婚情報紹介サービスでも同様の対応が検討できないか。
  • パソコン教室と結婚情報紹介サービスは指定すべき。結婚情報紹介サービスで、登録を増やすための初期コストが高いとのことだが、アルバイトで女性会員を登録させたり見合いをさせたりする悪質なケースもある。
  • 段階の高い紹介サービスを受けたのち解約すると、返金はどうなるのか。
(事務局よりの補足)

紹介サービスの単価や料金体系はそれぞれの業者によって異なると思われるが、そのルールの内容をきちんと契約約款に書いておいてもらうことはまず大前提。解約の際の返金については、特商法のルールに沿って行われる。

  • 結婚情報紹介サービスは、特殊性があるというが、むしろ特定継続的役務取引で想定する典型的なタイプといえるのではないか。従って指定すべきと考える。既指定のものは身体美化型、勉学型だったが、結婚情報紹介は、身上型でプライベートの度合いも期待も高い一方それがかなえられないと失望も大きい。そこで営利企業の論理とのぶつかり合いがある。増毛・育毛もそういう面があるがデータをみると指定は厳しいということも理解できる。自主基準が実効をあげるようウォッチする必要。
  • 増毛・育毛サービスはエステと同様で美容を目的としているが、これは本来は一回ごとに払う方式にするのが筋。コースにするからトラブルになる。契約金額も高い上、広範性・深刻性が高く、関連機器のクーリングオフや解約が必要なことから本来指定が必要。
  • 増毛・育毛サービスは、件数だけでなく人に言い出せないことから件数に出ないことや、次々販売が多いために被害が高額という質的な面があることにも留意する必要がある。
  • 増毛・育毛については、自主基準で関連機器のクーリングオフや解約ができるのならば、今回指定しないのはやむを得ないにしても、アウトサイダーへ指導することや現行契約でも新基準に沿って適切に対応することが必要。
  • 自主規制にしても法規制にしても、業者も多いので一定期間は周知のための指導を十分行う必要がある。
  • クレジット企業では加盟店管理をしっかりやっており、明らかに抗弁が認められるべきようなケースでは認めている。各業界も懸命に自主努力をしていると思うが、法指定するという結論になればそれは尊重する必要。自主的努力を促すような規制内容にすることが必要。
  • 3つの役務はそれぞれニュアンスが異なる。パソコン教室は就職とも関係し、結婚は人生と関係するが、増毛・育毛は個人的心理状態と関係する面が強い。事前規制から事後規制へという流れのなかでは自主努力で達成できるところはそれを見守るということで、増毛育毛は、今回は指定せず自主努力の成果を注視することが適切と思われる。
  • これまで、3役務とも指定を要望してきたが、増毛・育毛は自主規制を見守るということでやむを得ないものの、業務形態を踏まえて検討する必要。パソコン教室及び結婚情報紹介サービスは指定すべき。
  • パソコン教室と結婚情報紹介サービスは指定し、育毛・増毛サービスは自主規制を見守るということでいいと思うが、今後、トラブルの程度と自主ルール対応の相関等、自主規制のあり方が課題だと思われる。
  • データから見れば、パソコン教室と結婚情報紹介サービスは指定し、育毛・増毛サービスは自主規制を見守るということが妥当だと思うが、柔軟性や即効性のあるトラブル解決のために、米国BBB(ベタービジネスビューロー)を参考にした対応が中期的には望ましい。
  • 育毛・増毛サービスの自主規制を見守るということは理解はするが、件数が減っているのも、役務がセンシティブな性質で、潜在的なものがもっとあるだろうし、不況も影響していると思われる。被害の深刻さにも留意し、アウトサイダーも含めて共通の競争条件を整えるという観点が必要。ルールを作ればいいということではなく、その実効性確保が重要。
  • アウトサイダーも含めて、経済産業省として十分に指導すべき。
(事務局よりの補足)

アウトサイダーにもトラブル減少に向け全力をあげるように指導し、業界全体として適正化されるように努めていく。

  • 育毛・増毛サービスについては、件数が減っていることから今回の指定見送りはやむを得ないが、改善が見られないときはすぐにアクションを起こす必要。クレジット業界などの関係団体も厳しくウォッチする必要。
  • 結婚情報紹介サービスは、結婚によって目的を達するという点で特殊性があるというが、学習塾や家庭教師にしても進学目的を達することにより途中で終了することがあるという点では同じ。
  • 育毛・増毛サービスの自主基準の作成に際しては、消費者の意見も聴いてほしい。
  • かつらを販売していた時代からの長い経緯があることにも留意する必要がある。

増毛・育毛業界の自主基準について

事務局より、上記議論の中で、(社)日本毛髪業協議会の自主基準の強化の内容、スケジュールについて以下のような説明があった。

a) 中途解約の際の解約損料を、現行「10%又は10万円のいずれか低い額」から「10%又は5万円のいずれか低い額」に引き下げ。
b)役務の提供に際して購入する必要がある商品(関連商品)には、シャンプー、コンディショナー、各種毛髪用剤等の消耗品、増毛の施術で使う加工毛材、全ての機器類(例えば、ホームケアのためのマッサージ機器等)を含め、クーリング・オフ、中途解約の対象。
c)7月1日までに新ガイドラインを策定し、9月1日までに完全実施する予定。
また、新ガイドラインが実施される以前の契約に関して、契約者との間で解約問題が発生した場合にも、新ガイドラインの内容に則って対応。

3.上記の議論を踏まえて、役務の指定については以下のような結論になった。

  1. パソコン教室と結婚情報紹介サービスについては、指定する方向で、今後具体的規制内容について更に審議を進めることとする。
  2. 増毛・育毛サービスについては、今回の指定に係る審議の対象からは外し、今後の消費者トラブルの状況等を引き続き注視し、必要な場合には直ちに指定を行うべく再検討する。

以上

(本議事要旨は速報のため、今後、修正される可能性があります。)

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商務流通G 消費経済部 消費経済政策課
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