経済産業省
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新流通産業研究会(個別企業プレゼンテーション)(第3回)-議事要旨

日時:平成18年12月19日(木)14:00~16:00
場所:経済産業省2階西8共用会議室

議題

個別企業プレゼンテーション

議事概要

研究会委員よりプレゼンテーションを行った後、質疑応答を行った。主な意見は以下のとおり。

しまむら

  • パートタイマーを活用した仕組みが重要と思う。パートタイマーの平均年齢、勤続年数、定着率、時給の体系・等級、平均労働時間、月収、教育・研修制度、パート出身の店長のキャリアパスや平均年齢、上級マネージャーへの昇進如何。

    →パートさんの平均年齢は、女性の平均年齢が42歳位なので、それにほぼ近いと思う。勤続年数は比較的長い。5年表彰の対象パートさんが毎年2、3百人いる。定着率も比較的高いと思う。開店時からいる人が半分以上いる店が大半。時給の体系は、日本全国を地区に分け、スタートの時給を設定。平均的な労働時間は、フルタイムで週3回、ショートタイムで週2回働いてもらい、残り2日は休み。パートタイマーは家庭もある人であり、月2回は日曜日に休みが取れるよう、ローテーションしている。教育・研修はoff-job,on-the-job両方を使う。店長へのキャリアパスは、女性には優秀な人が多いが、家庭があり、男性ほど時間が自由にならない。家庭の事情が許せて、時間の自由が出てくる人に対して店長候補者になる制度がある。女性の場合は転勤できない人も多いので、通える範囲で店長ができる店舗があることが前提。店長になると正社員となり、月給制にもなる。店長からの上級マネージャーへの昇進は、各地域に6,7店をまとめるブロックマネージャーのポジションがある。環境が許せば、その上のポジションにつくことも可能。男女差をつけているわけではない。

  • 買い切り・売り切りのビジネスモデルであると、売れ残りのリスクと機会損失のリスクがマネージャーのインセンティブと関係してくると思うが、どのような仕組みでこれをやっているのか。どのくらいの頻度でどのくらいの商品を店舗間で移動させるのか。

    →バイヤーが、売れ行きに応じて各店をランク付けしている。あわせて地域差も設けている。売れ残りについては、商品を値下げする方法と他店に振り替える方法があるが、傾向を捉えて移送の指示を出す。期中に動くのはほんの1~2%。最終的な商品の切り上げ時期は最後まで売っていく店と早めに切り上げて次の商品を入れる店を分けている。

  • サプライヤーへの補完発注は一切ないのか。

    →発注を追加するのは実用品だけでコンピュータが自動的に発注。それ以外のアウターなどファッション商品は、新しい商品が入るワクワク感が今の流れに沿っていると考え、売り切り御免で進めている。

  • メーカーとの信頼関係が重要だと思うが、取引先数はいくつあるのか。御社と心中覚悟のところもあるのではないか。売場の万引ロス、棚卸しロスとの勝負だと思うが、実際はどうか。各店長と販売員は、売れ行きが悪い場合、商品のせいにしないか。地域との関わりはどう考えているか?商店街には御社の店舗はないだろうが、これから店舗を増やしていく場合、どんな形で考えているのか。

    →取引の基本は、長期で考えている。一発勝負ではなく、義理人情ではない長く取引できる信頼関係でやっている。取引先とお互いに効率化した経営を行い、お互いスリムな中で安く商品を提供できる仕組みを作っていこうとしていることに共感してもらっている。また、契約した商品は100%引き取り、安心して取引してもらっている。一定金額(月100万円)以上の取引があるのは400社くらい。心中していいと思っている取引先はたぶんないと思う。取引先には、当社との取引比率が上がらない方がいいとは言っているが、よい商品をよい条件で提供してもらえれば、取引が増えていくのは自明。全店に防犯ゲートやカメラを設置しているが、ロス率は0.8%前後で安定しており、この程度は仕方ないと考えている。売上に対する店長や販売員のモチベーションは結構高いところで維持できていると思う。シンプルにやっており、店には売上の責任があるが、どれだけ伸びているか、どれだけ計画達成しているかを判断している。店長会議を月1回やっていて、同じ情報、同じ話をする。会社と現場の店で考えは一致しているところが多いと思う。商工会には原則入っている。

  • 商品の仕入れは、バイヤーの能力、権限、価値観で変わるのではないか。

    →バイヤーの能力は高いが、一つの部門に長くいない。せいぜい2~3年で部門は変えてしまう。その中で、今まで培ったデータを基にしたバイイングのセンスを磨くことに力を入れてもらっている。バイヤーは粗利の責任はあるが、値下げと在庫の責任はなく、これらはコントローラーが責任を持つなど、各部門で責任を分担。それで牽制がきいているのではないか。

  • 出店について、従来のstand alone型から商業集積に転換していくにあたっては、投資規模、回収期間、品揃え、物流など、新しい立地を作る際にどのあたりで腐心し、そういったところを市場機会として捉えているか。

    →都市部は、今までのパターンからオペレーションが変わらざるを得ない。納品に問題のある場所には出店できない。投資回収面からは、家賃が高額だと儲からないので契約には至らない。都市部は既存の建物があるところなら、地方で一から建物を造るより投資が少なくて済むケースもある。都市だから地方だからといって投資回収のスケジュールが変わることはない。基準は売上予測をして、儲かるか儲からないかで出店を決めている。品揃えは概ね同じだが、都市部では、価格が多少高くなるところがある。物流のパターンは納品頻度を含めて全部同じ。崩すとビジネスモデルとしてもうまく回っていかないと考えている。

  • 品揃えとか商品の回転数以外でリピーターを増やす工夫はあるのか。

    →ポイントやメンバーズカードのような囲い込みは一切やっていない。あくまで商品本位、店舗本位。現物をみて触って満足してもらえるか、楽しめる買い物環境を絶えず作るのが小売の基本。商品の情報収集は、婦人服のバイヤーをパリやロンドンに定期的に派遣して定点観測している。実用部門も海外研修を定期的に行っている。先の情報を収集することに注力。

  • GMSは衣料部門はテナントを入れる形で共存したいという動きもある。ショッピングセンターだけでなく、まち中や駅前のGMSへの出店についてはどのように考えているか。

    →良い条件であれば、出せるならどこでも出たい。自社の業態が受け入れられる場所でなければお互いのメリットがない。なるべく嫌われないようにしたい。

  • 商品の各店への割り振りについて、どのようにコントロールしているのか。

    →バイヤーと在庫のコントローラーの4人で1チームにして各部門、全国すべての店舗の仕入を行う。メーカーから提案されたものから商品化しているが、期限、価格、数量、どの店に入れるかは、バイヤーの頭の中で決める。同じ300~340坪程度の店で標準化していても、売上規模で商品の投入回数が異なる。売上規模でパターン化し、入れる商品を決める。また、積雪等により、地域にも対応して差をつけている。


ハニーズ

  • 従来の衣料品は売れ残りリスクが怖くて、百貨店等はなかなか買取仕入ができない状況にある中、流行性が高い商品でリスクをとって買取ができるというのは、本当にうまくいくのか疑問。例えば、期末にどの程度商品を捨てているのか。立地面での今後の傾向は何か考えているのか。 →

    100%リスクをとるから利益が出る。57%の粗利がある。捨てるものはほとんどゼロ。不良品以外で捨てたものはない。立地については、田舎でも渋谷・新宿、池袋でも、どこでも売れる。都会の女性でも田舎の女性でも同じ流行の感性を持っている。一番人気になるものは、ほぼ同じ商品がどこでも人気で売れていく。NSCのパワーセンターが去年春くらいから60~70でき、北海道から沖縄まで広がっている。これは1万m2以内でできるので、まちづくり3法の関係もあって、相当数できるのではないか。

  • いわきに本社があるメリットは何か。デメリットは何か。

    →地方に本社を置いておくと、人件費、物件費等を含めコストは非常に安い。物流センターにも相当人がいるが、安い人件費で賄える。競争力がつく。デメリットというわけではないが、東京に事務所があり、商談や、月1回の会議などをする。デザイナーも一部常駐していて、店舗開発部門もある。いいところを使い分けていきたい。

  • 中国に生産シフトしているが、同じモノを日本で生産するのと何が違うのか。中国が巨大化して今のような状況でなくなっても、シフトは変わらないのか。こうしたシフトは、日本経済が落ち込んでいる要因ではないか。

    →中国での生産は、人件費が10分の1。いわきでも生産していたが、こんな高い人件費なのに何でいわきでやらねばならないのか、品質が良くて安くできるのだったら中国の方がいいということで決断した。生地なども、中国で日本と同等以上のものができる。日本では、生地と染色が分かれていて、生地を作るだけでも45日かかるなど、高くて遅い。ものづくりに対して日本の企業が対応していないと思った。中国とは仲違いないよう、国にお願いしたい。今後もずっと中国でやっていきたい。中国の人も、収益が出ることを絶対に止めない。

  • ヤング向けのアパレルはグローバリゼーションが一番進んでいると思う。商品の仕入から国際化が進んでおり、顧客もアジアのポップカルチャーなどトランス・ナショナル化が進んでいて、同一セグメント化が出てきていると各国のアパレルメーカーは判断しているのではないか。そういう中、各国の代表的企業にない御社の得意技は何か。もう一皮向けないと日本で開発した事業モデルがグローバル競争に勝てないのではないか。

    →中国は長期で見ている。最終的には中国の人に中国人好みの企画をして、販売する。そのために3年で100店舗を作っておきたい。

  • 品揃えとか商品の回転数以外でリピーターを増やす工夫はあるのか。

    →メンバーズカードを発行している。個人情報の問題があるので、名前、住所、電話番号は取っていない。カードを持ってくれば2000円割引となる。また、CanCam、ViVi等に定期的に商品を載せている。年間を通じてセールはしない。店の隅で売れ残りの商品を値下げして消化している。

  • 30-40日で生産するには、糸の調達、裁断、縫製、染色等もパターン化されているのではないか。例えばデータを送るとかあるのではないか。

    →仕様書を描くところが非常に大事。瞬時に仕様書ができる仕組みを作っている。2001年から中国にデータを飛ばせる(中国の工場の取引先にも入れてもらった。)。毎週金曜日に中国のメーカー責任者から情報を聞き、ニーズを話している。2~3年かけて考えを理解してもらい、それに合うような形にしている。

  • 今後、ポジショニングはどうするつもりか。どういう人が今のポジションの品物を求めてくるのか。

    →ずっと今のポジションにいたい。ただ、商品が安すぎるとか、デベロッパーからは、イメージの良い新業態を開発しないか、と要請があり、もう少し経ったら他の業態をやる可能性もある。デザイナーは育ってきているので、そういうものを切り分けることでモノづくりできればどのゾーンにも参入できると考えている。

  • GMSは衣料部門はテナントを入れる形で共存したいという動きもある。ショッピングセンターだけでなく、まち中や駅前のGMSへの出店についてはどのように考えているか。

    →ダイエーが専門店を入れる改装を全国的にしたときに相当入店させてもらった。今後、まち中、郊外を問わず、商業立地であればどこへでも前向きに出たい。

  • 商品の各店への割り振りについて、どのようにコントロールしているのか。

    →店はパターンに分ける。1店舗毎に在庫予算を決めて、それをオーバーした店やまだ入れられる店に振り分けていく。

  • 女性は正社員か。毎年採用して高齢化していくと、どうなるのか。109のカリスマ店員のように顧客と店員の双方向の対話をしながら新しいトレンドをつくっていくようなこともしているのか。

    →アルバイトの数は、2500人で95~6%を占めている。顧客が自分の目で選ぶので、接客は要らない客層である。

以上

 
 

最終更新日:2008年8月15日
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