経済産業省
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新流通産業研究会(個別企業プレゼンテーション)(第8回)-議事要旨

日時:平成19年2月15日(木)
場所:経済産業省本館17階第1特別会議室

議題

御別企業プレゼンテーション

議事概要

株式会社イトーヨーカ堂からのプレゼンテーションに対して、メンバーより以下の質問・意見があった。

  • 先ほど、個店主義というのがありましたね。個店主義とチェーンオペレーションとの違いはどういうふうに考えたらいいのか。つまり、従来個店主義というのは、どちらかというと百貨店に近い、それに対する差別化としてチェーンオペレーションを中心としていく、その関係はどういうふうになっているのか。これは、かなり大きな政策転換と言うのか、それとも相乗効果をねらっているのか、その辺を、ちょっとよろしくお願いいたします。

    →1つは政策転換でありまして、それから消費構造の変化、それに対する変化の対応ということで、今までの、例えばどの店に行っても同じウィンドゥがあって、同じ品物があって、同じ価格で売っているというのではだめだと。その背景には少子・高齢化、それから、ある意味で飽和の時代。皆さんの御家庭はそうだと思うんですけれども、これから物を買うのに何かを捨てなければ、もう入らない状況だというときに、やはり味なんかもそうですが、例えば八尾についても、私は、よく「イトーヨーカ堂さん、関西戦略に成功されましたね」と言われるんですよ。「申しわけないですけれども、そういう考え方はございません」と。先ほど申し上げましたように、八尾は八尾のお客様なんです。したがって、八尾のお客様の好みというのは堺のお客様とは違いますし、それにあわせて味、色、サイズ、そういうあらゆるものを考えていかなければ、もうチェーンストアは、チェーンの理論だけでは生き残れないということから、大きく個店、それも本部主導型ではなくて、ボトムアップ型に近い、店長を中心とした調査、そして提案、そういう中から個店主義ということを言っております。答えになっていますでしょうか。

  • 御社のセブン&アイ・ホールディングスになられて、それで大分、事業分野が広くなったと思うのですが、例えば、これから日本の流通業というのも、恐らく企業がいろいろな合併、合併を繰り返して大きくなる部分もあるのではないかと思うんですね。
    私個人としては、競争も大事ですけれども、先ほど社長がおっしゃったような大手のノウハウとか、そういう大企業でなければ持てないものというのはあると思うので、M&Aにはポジティブな考えなんですね。
    それでお伺いしたいんですけれども、例えば、これだけ事業分野が広くなられて、どこの部分で、どういうメリットが生じているのかというのを具体的に、ルーラチャートは、先ほど社長が出された部分があるんです、五角形の、これで具体的に、例えば値入率とか商品ロスとか、人件費とか販促費とか、さっき教育等と言われましたので教育費でも構わないんですけれども、どこにどういうふうにきいてきているのかというのを1点教えていただきたいと思います。
    もう1点は、御社がセブン&アイになられたときに、イトーヨーカ堂さんとセブン-イレブンさんの双方の方に「どうですか」と伺ったことが実はありまして、そのとき双方の社員さんから、「いや、大変ですよ。余りにも企業文化、風土が違う会社なので」というふうに聞いて驚いたんです。何か、私たちから見ると、イトーヨーカ堂さんとセブン-イレブンさんというのは同じ、もともとイトーヨーカ堂さんからセブン-イレブンさんが、鈴木敏文さんと清水さんたちが出られてつくられたというので、同じようなイメージなんじゃないかなと思っていたんですけれども、全く違うと。
    それで、もう少し詳しく聞いてみたら、例えば百貨店とスーパーとコンビニと大ざっぱに分けて、コンビニというのは、直接お客さんに接するというよりは、まずフランチャイジーがお客さんの前にいる。フランチャイジーは、当然別の事業体なので、自分たちの生活がかかっていますから、お客さんからちょっとクレームを言われたりすると、すぐ本部に「これ、どうしてくれるんだ」と言ってくる。だから、割とクレームが上に上がってきやすい組織構造になっている。一方、百貨店とかスーパーマーケットというのは、何だかんだいって自社の社員が店長をやっている。そうすると、直接上に言ってくることもあるかもしれないが、例えば、今上にこういうクレームを言ったらとか、こういうことを言うと自分の出世に響くのではないかとか、そういうことが働いて、組織構造として、なかなか直で、要は消費マーケットの声とか店のクレームみたいなものが入ってこない。
    それが、やはり大きな違いで、合併されたときは、例えば1個書類を上司に上げるのにも、セブン-イレブンさんは電話をするんだけれども、イトーヨーカ堂さんは2日かかって、日立製作所のように立派な書類をつくって上司に上げるんだというふうに言われていた。その辺というのは、今はどう変わってきて、それは、やはり広告・流通業で合併がふえてくると、皆さん、同じようなことで悩まれることが多くなるかもしれないですけれども、この辺というのは、どうやって改善をしてきているのかというのを、ぜひ伺いたいなと思います。
    先ほどの個店主義というのも、ちょっとセブン-イレブンさんの方からのフィードバックで個店主義みたいなことを伺いたいと思います。

    →だれが答えたらいいかということですが、仕入れの部分につきましては、大きくなったから、いい面と悪い面というのは必ずあります。セブン-イレブンで1万店ありますと、鳥重を10個売りますと10万食売るわけですね。そうすると、鶏が1万羽いるとか、こうなりますと、これがふえたからといって、かえって市場の相場を上げてしまう、新しいものに取り組みますと。こういった、余り芳しくないこともあるわけです。ですから、量が固まっても、余りうまくいかない分野もあります。
    それから、NB商品とか、そういったものにつきましては、量をもってよくなるところもあります。
    そして、今、セブン&アイグループで取り組んでおりますセブン-イレブンの量、例えばジャムならジャムで行きますと、ジャムを売っている量は、セブン-イレブンはものすごく少ないんですが、パンで使っているジャムの量は日本一の量を使っているわけです。そのジャムを使って、いい商品の、スーパーでも売れる、それからGMSでも売れる、コンビニエンスは、ちょっと小さ目のジャムをつくるとか、今、そういったプロジェクトで、この4月か5月に、大体50アイテムから60アイテム、3カ月か4カ月で200~300アイテムのアイテムが出てくるのではないかなと。このNB商品より上の商品で、価格は8割ぐらいか7割ぐらいというような商品を、今一生懸命、イトーヨーカ堂さん、ヨークベニマルさん、セブン-イレブンが中心になってプロジェクトでやっているというようなところです。
    企業風土とかは、これは一つ一つのところで、下からこう見ていかないと、なかなかわかりません。上3年、下3日と言いまして、物事を見るのは下の人間が見ると、先ほどおっしゃられたようなことがすぐ言えるのではないかと思うんですけれども、上から見ますと、その辺がよくわからないということもありまして、この辺の企業風土につきましては、いい面を取り入れていくということでやっていかなければいけないかなというふうに思っております。
    ちょっと答えになりましたですか。そういうところですね。

  • 2点目の風土のところなんですけれども、例えば、御社のような事業会社というのは、週に何回ぐらい社長が一緒に集まってとか、部長レベルでの交流がどのぐらい、交流の頻度というのはどのぐらいあるものなんでしょうか。

    →これは、ITならITで、今取り組んでいくとした場合に、プロジェクトの部分で部長クラスが1週間に一遍とか1カ月に一遍とか、そういった形で、自分たちでテーマを決めた部分について、会社でやるといったことについて、個々のテーマを違った形でやっています。
    それで、さっきのセブン&アイグループでNB商品の上の商品というのはプロジェクトで、そこ専用で張りつきまして毎日やっているという状況になります。
    それと、ほとんどはアウトソーシングの部分がございますからね。自社でつくっているわけではないですから、外部の人の応援ということも含めて組織化をしなければいけないということですね。

    →それと、1つのビルの中にいるものですから、必要に応じて、しょっちゅう集まって論議しているということですね。
    例えば去年なんか、豚を肉として仕入れるのではなくて、豚1頭仕入れちゃったらどうなるんだということで、豚を1頭仕入れて、デニーズでスープの部分、セブン-イレブンではサンドイッチのハムの部分にする。これはイトーヨーカ堂で豚の切り身として売るというようなことをしました。そうしたら、コストが30%ぐらいカットできました。それから、先ほど申し上げたシナジー効果というのでは、例えばファッション情報なんていうのは、やはり百貨店さんは群を抜いて早いわけですよ。それで、そのファッション情報というものを早くいただいて、それを私どもGMSに取り入れる、ないしは百貨店で入っている商品を私どもに入れるということはしていないんですよ。ただ、それに近い形に私どもも努力する、それからテナントさんを紹介してもらう。それから食品では、私どもセブン-イレブンを初め多大な購買力を持っているものですから、そのいろいろなノウハウを逆に百貨店さんの方にお知らせするとか、それから、一部ちょっと発表しておりますけれども、プライベートブランドを、あらゆるセブン-イレブン、ヨークベニマル、イトーヨーカ堂、それから百貨店でも売れるような、今、プライベートブランドの食品をことしから発売をして、それで、よりお客様にいい品物を適切な価格で売るというようなこと、これはグループを挙げて結集してやりますと、相当製造コストも下がり、お客様にメリットも多いというようなこともしております。
    ただ、現実には百貨店をあれして、グループが05年9月にできてまだ1年半、それから、ミレニアムグループを吸収したのが去年の6月ですから、今はまだ試行錯誤の段階で、これからグループとしての、あらゆる意味でのシナジー効果、例えば間接部門的な費用、総務だとか財務だとか、そういうものを統合して経費を節約するとか、開発部門を、ある程度デベロッパー会社をつくって1つにするとか、いろいろな方法を、これから走りながら、よりよい方法を今追求しているところです。
    あとクレームの件なんですけれども、クレームについては、今、前の日のクレームが全部私の机の上に、きのうの分はきょう上がってきます。それで今、先生、クレームというのは、店頭でのクレームもそうなんですけれども、インターネット上でクレームを上げてくるのがすごい多いんですよ。したがって、多分、クレームだけでこのぐらいになります、毎日。それを全部、目を通しています。2日たって立派な文書なんていう、もうそういうような時代ではなくなりました。即時対応して、クレームこそ我々の成長の糧だというぐらいに、謙虚に今は当たっております。

  • 2点お尋ねしたいんですけれども、ネットスーパー、とても便利だと思うのですが、スーパーの概念としては、お客の側が時間コストを使い、自分で詰めて運ぶというエネルギーを使って、結果としてお店側の人件費が削減できたというモデルだと思うんですね。それに対して、このネットスーパーで申し込むと、どのくらいチャージをしておられるのか、お客さんに対して。それで、もしされておられないのであれば、ブレイクイーブンポイントといいますか、今の価格体系で大丈夫なのかどうかという、これが1つ目の質問です。
    それから、もう1つ目はバリアフリーのお話があって、ユニバーサルデザインですばらしいと思うんですけれども、これは拝見しますと、多様化、多目的トイレとか、あるいは角を丸くするとか、だれにとってもベネフィットを感じられるものと、例えばエスカレーターの低速化みたいなものというのは、それを必要とする人以外というのは、非常にあれはイライラするわけですね。私なんかは、最近スーパーへ行くと、ほとんどエスカレーターに乗らない。全部階段で歩く。それで、階段があるところはいいんですけれども、そうじゃないところは、本当に、この高齢化社会どうなるのだろうかというふうに毎回感じるわけです。
    そういうことに対して、どうしても、やはり高齢者が多くなるから、そういう形での店舗づくりしか仕方がないのか、その辺についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。

    →まず1つ目のネットスーパーですけれども、9店舗でいろいろな、これは、渡邊社長がいらしておられるので、先人として非常に御苦労なさっておられるわけですけれども、BPをやっとクリアできるというめどが立ちました。それで、9店舗中ほとんど損益分岐点を上回ったということで、まだ何の宣伝もほとんどしていません。それで、この間から店頭でちょっと宣伝していたのをネットで、こういうネットスーパーをやりますよと言いますと、やはりネット上での広告というんですか、告知をしてからバッとふえたというようなことで、今までの一般のやり方でいきますと、1店舗当たり、1日当たり、端的に言いますと25万円ぐらいだったのかなと。それが今、40万だとか50万に行っていますものですから。
    したがいまして、ある程度、お買い得商品だとか、そういうものも、本来、通常価格で限定してやろうかという意見もあったんですけれども、やはりネットのお客様には、ネット上のお客様に対してそれなりのメリットを感じていただこうということで、配送も、本当は5便体制ではなくて、1日2便体制でいいんじゃないかと言っていたんですけれども、やはりお客様の時間の制約の多様化、要するに多様性を考えると、きめ細かいサービスをしてこそBPが下がるんだという考え方でやっていますものですから、これは店側から見て、通常来ていただいたお客様に自分であれしていただいて、レジを通して空間を提供するのと、こちらは時間を提供するという考え方で、別の観点から、今後ネットというものを、やはり事業の大きな柱として育てていかなければいけないなと思っています。
    それと、今おっしゃったバリアフリー、ユニバーサルデザインの問題なんですけれども、これは15年前から非常に、うちは宣伝べたなものですから余り宣伝していないんですが、力を入れていまして、先生のおっしゃるように、エスカレーターが遅いというあれなんですけれども、これから高齢化社会に向かっていって、やはりお急ぎのときにはエスカレーターの右側を、必要な方は歩いていただく。健常者の方は、やはりお急ぎなら階段を使っていただくということで、あれの速度をちょっと遅めたことによって、エスカレーターにおける車いす、それから御高齢の方の事故というのは激減したんですね。やはり我々は、そういうことを必要とされる方は、本当に数パーセントだと思うんですけれども、これはうちの理念で、すべての人にやさしく平等でありたいと。その速度は、先生などのお忙しい方から見れば不平等なのかもしれませんけれども、エスカレーターの速度は、この間も八尾のアリオで問題になって、もう少し速くさせてくれと言われたんですけれども、私は、絶対にだめだと。弱者の方を基準において、急いでいる方は、申しわけないけれども、歩いていただけと。ただし、うちはこうこうこういう理由でエスカレーターを遅くしておりますということをきちっと告知しなさいということでお許しをいただいておりますので、どうぞ悪しからず。

  • ちょっとあそことの関係で御質問したいのですが、まず、ちょっと見てみますと、特にGMSというのは、個店主義をとろうとする限り、お店として出店するというよりも、むしろ、まちづくりという観点が非常に強く出ていると、これが1つです。
    それから第2番目は、実はこことの関係で、日本のショッピングセンター、あるいは問題なのは個店競争じゃなくて集積間競争になっていくわけですね。おっしゃっていることは賛成なんですけれども、私たちが問題にするのは、実は集積間競争というのは個店間競争と違った側面があるんですね。これは1つ、片一方が敗れたら、これを破壊したり、取りかえたりするのに相当時間がかかる。
    それで、私がちょっとお聞きしたいのは、集積間競争をどういうふうに考えておられるのか。

    →それは、地域での集積を言うんですか。都市間競争のことを。

  • 地域のショッピングセンター間でもいいです。そうしますと、日本のショッピングセンターの集積間競争の特徴は、例えば商店街を見てもそうなんです。こっちが大きい建物をつくったら、こっちも大きい建物をつくるという規模の競争をしている。そこでオーバーストアになっちゃうと、一挙に崩れ去るわけですね。つまり集積間競争でも、こちらはこれだけのお客をとっているんだから、うちはこの範囲内に限定しようという、そういう質的な競争の展開の余地というのはあるのかどうか、その点についてどうお考えか。多分、その辺が非常に問題を複雑にしている面と大きくしている面があるんですけれども、その点についてどうお考えかという2つ、まちづくり産業化していくのかという点と集積間競争についてどうお考えなのか。
    だから、すべてやるときに、こちらの集積に勝つためにどうしようということでやっちゃっているのか。それとも、こっちはこれだけの大きい集積があるので、うちはこういうコミュニティをねらおうという、こういう戦略があってもいいんじゃないかということです。

    →今の質問、1つ目のまちづくりと個店の競合、それから集積度の競合というのは、これは私、同じ時点だと思うんですよ。それで、今私どもが目指しているのは、やはりまちづくりです。極端に言いますと、先ほどから申し上げておりますように、少子・高齢化ということで、やはり高齢化に向けてやさしい店でありたい。それで、私どもは今、物販だけではお客様に満足していただけない。「物からコトへ」と、この委員会でも何度も出ていますけれども、これを2年ほど前から申し上げておりまして、ショッピングセンターというのは物販に情報サービス。情報というのは文化であり、教育であり、健康であり、金融であり、娯楽であり、そういったあらゆるものの情報発信がなければいけない。それからサービス、飲食を含めたサービス、それから装置サービス、トイレ・休憩所、あらゆるものの接客サービス、この3つがそろっていないと、これからのショッピングセンターはショッピングセンターになり得ないし、まちづくりにならないだろうと思っています。したがって、これから、今おっしゃった個店競争というのは、私どもは量的拡大よりも、ここ1~2年質的拡大に走りたいということから、先ほど、あのような個別な風土改革というようなこと、ちょっと子供っぽいことを申し上げたんですけれども、あらゆることにおいて質的な向上を図らなければいけない。したがって、個店競争というよりも個店の質をいかに高めるか。したがいまして、先生のおっしゃっていたとおり、場合によっては情報だけに特化する。食品と情報というようなこともあり得るでしょうし、それは商圏を見て、お客様のニーズを見ながら一つ一つ検討してまいりたい。
    正直言って、「まちづくり3法」になって出店しづらいわけですから、させないわけですから、やはり今の面積を財産として使っていかざるを得ないだろうと思っております。それで、大きさにかかわらず小さいお店も、今後リニューアルのときに、物販だけだったお店、今まで、例えば営業面積で、今は1万5000坪とか1万坪なわけですね。だけど、今まで私どもの一番稼ぎ頭というのは2000坪前後のお店だったわけですよ。それで食品で、衣料も、ある程度下着からファッションというか、ちょっとしたものまでそろっている。家庭のものも、家庭雑貨から家電のちょっとしたものまでそろっているという状況だったわけですね。それを今度、改装のときにはその中で、その地域に合った分野を抽出し、そして、今言った情報とサービスというものを、小さいながらも、2000坪の店にそんな大きいものはできないけれども、その地域で必要とされている情報とサービスは添加していかなければ、その店の再生はないだろうと思っておりますので、先生のおっしゃっている方向で進ませていただいております。

  • 4ページの図に、百貨店、スーパーマーケット、スーパーストア、コンビニエンスとお書きになっていらっしゃいますけれども、実際におやりになっていて、スーパーストアと百貨店、今のようなGMSと百貨店とどの辺が違うんですか。私には、余りよくわからないので。
  • どの辺が違うんですか。こうやって業態をお分けになっていらっしゃって、スーパーストアと百貨店って分かれているんですけれども、私の目から見ると、余り違わないんじゃないかと。

    →アリオのこういうモール型ですと、専門店が相当充実してまいりましたから。でも、やはりGMSは食品を中心として生活用品といいますか、まず価格が違うと思うんですね、価格帯が。それと、ブランド品が、やはり百貨店さんとは私どもは違う。それから、もっと大きな違いは立地と内装だと思うんですね。百貨店さんは、やはり立地が都心型でありますし、それだけ豪華な装置をされておられますし、自分個人で言わせてもらうと、一番違うのは、やはりしつけと教育はいいなと、百貨店さんは、と思うのですけれども、それといって、今度、じゃGMSが食品と衣料等をあれしながら、いい専門店を導入して拡大していくと、郊外型で、横への平面的な拡大をしているというのと、都心型百貨店で、うまく昇降機、エレベーターを使ってフルにお客様を回転させようとしている百貨店との違いとか、そういう概念でしか、今のところ言いようがないと思うんですけど。

  • 高齢化社会でどんどん年をとっていく。片や、流通業は皆さん、大きなお店をどんどん、2000坪だったお店が、こういうふうに大きなお店をどんどんつくられていく。それで、小さなお店がつぶれていく。つぶしていく、スクラップしていく。こういう高齢化社会と店舗づくりとに大きな亀裂が生じているんじゃないかと時々言われるんですけれども、そのことについてはどんなふうに思われますか。

    →私は、先ほど申し上げましたように、中心地・市街地を活性化するというときに、高齢化社会に行ったときに、本当にそういう意味でどうなんだろうと。それで、私どもの大型店というのは、今度、法律でも定められていますから、身体障害者用ないし御高齢の車いすを御使用の方の駐車場というのを、普通のパーセンテージよりも多くとって、オストメイトをあれしたようなトイレから、先ほど言われましたエスカレーターから、それでインフォメーションセンター、今まではサービスカウンターと言って、たたんだり、包んだり、商品券だけだったものをインフォメーションセンターとして、そこに行っていただければ、一応手話のできる人間から、補聴器から何からすべて用意しておく。老眼鏡から杖まで、もちろん車いすまで全部御用意してございますので、それでバリアフリーの中で自由に、平等にお買い物をしていただくという、そういう場所があってもいいのではないか。それから、もう少しお元気な方は、自分でおのおの好きな専門店さん、地元百貨店、これは、そのときの社会の高齢化とその内容によって、おのおのの方が選択される余地を与えていればいいんじゃないかと思うんですね。それで、我々は我々に与えられた範囲の中で、できる限りそういうことをしていけばいい。もちろん百貨店さんも、NSCみたいな小さい、小型版のネーバーフード型ショッピングセンターもそれなりの努力をして、お客様に、そういう意味での選択肢を与えるということが一番大事なのではないかと思っております。



続いて、株式会社セブン-イレブン・ジャパンからのプレゼンテーションに対して、メンバーより以下の質問・意見があった。

  • よく考えてみたら、かなり行政の持っている機能を引っ張り出していくこと、結果としてそうなっている。そのうち、横っちょにポリスボックスを置けば、完全にこれは警察機能と普通の業務機能を持っちゃうと、何か、そういう展望を私たちは描いちゃうんですが、そう見ていいですか、今後は。

    →そのためにも、どうしても店の接客ですね。それから地域に対する、さっき関心の心と書いていましたけれども、これが必要なんですね、と私は思います。セーフティステーションにしても、お客さんを大切にする心さえあれば、わざわざセーフティステーションなんてうたわなくてもお客さんは来ていただける。
    ですから、交番が結果的にかなり減ってきているということもありまして、そういった駆け込みといった部分で、どういう事業展開になっていくのかというのは、今、先生がおっしゃったような事業展開のところになっていくかもしれませんけれども、とにかく、そこの接客の個店さという部分が全面的に打ち出していけないというのが大きな阻害のところにはなってくるとは思います。

    →お店の人材の育成は、お店の場合、先ほど言いましたように、毎週火曜日に店を回っている人間たちを集めまして教育して、その人間たちがフォローしていくと。

  • アドバイザーですね。

    →はい。それで、仕事を通して教育をしていく。
    だから、これは売上を上げるコツとか利益を上げるコツを、やはり伝授しませんと、人の言うことは聞いてもらえないというのが、フランチャイズビジネスの難しいところです。

  • 客側として見れば、これだけのインフラがあれば、何でも乗っかるという感じがするんですが、いかがですか。

    →今まで諸先輩がつくり上げたインフラは、ものすごいインフラだと思いますが、それをねらってやっていたわけではなくて、これは徐々にできていったわけですけれども、このインフラをどうやって、今度新しく使いこなすかというのが、今後の一つの大きな、お客さんに喜ばれるポイントだと思います。

  • お話を伺っていると、大分サービス業にどんどん近づいていっている気が私もするんですけれども、サービス製品が店頭に、サービスを生み出す機会とかでいろいろなものが多くなってくると、やはり働いている人の技術力みたいなものが要求されてくるようになると思うんですね。
    それで今、すごくコンビニさんの店頭のレジの方のアルバイト単価が上がってきていると思うんですけれども、そのあたり、セブン-イレブンさんでは、今後どのくらい人件費の単価が上がっていって、本社じゃなくて店舗の方ですが、上がっていって、それを一方でサービス化して、複雑化しているので、なるべくそういう作業ができる人を雇わなければいけないということになると、さらに上がっていくと思いますけれども、どのくらいの見込みで考えていらっしゃるのかということを伺いたいと思います。よろしくお願いします。

    →サービスを扱う部分で、これを、とにかく簡略化しなければいけないということですね。各官庁の方、皆様方には要望を出しまして、例えば社会保険庁ですと、まだ10枚綴りだとかですね、払うのに。それを1枚1枚切ってやるとか、それを全部統一してほしいということで、1枚で同じようなことで済むということで統一、これは、フランチャイズ協会を通じてやっているわけですけど。
    ところが、そんなのはおれのところは予算がないということで、まだ10枚綴りのところがあったりするんですけれども、ほかは協力していただいて、1省だけ、10枚綴りのまま出るというところがあるわけです。この辺は、サービスでも同じ行動でできれば、1つの商品と一緒ですから。これが幾つかありますとだめですけれども、この辺の統合はやらなければいけないですね。
    ところが、1社が、私どもはこっちでやりますと言うとだめなので、それはフランチャイズ協会とか、そういったところを通じてやっていくという部分はあります。
    人件費の問題は、これから上がっていくことだけは確かです。ですから、どうやって売上を上げて、その人件費に見合う分だけの利益を生み出していくかというところが根本のところと、それから経費コントロール。作業割り当てとか、そういったことを含めましてやっていくか。だから、これからは1店舗当たりの売上というのは、基本的には上がらないだろう。むしろ下がっていく、下がるんじゃないかなと。3割下がったとしても、どうやったら店舗運営ができるかというのを今一生懸命、工場にも、配送にも、配送も、3割の物量が下がったとしても成り立つことを考えてくれという問題提起をしております。みんなが努力してやらなければいけない。

  • 今の最後のお話ですけれども、配送とか工場での生産というと、コストが下がった場合というのは、店舗から見ると仕入れの原価が下がるということになるんですか。何か、人件費はフランチャイズだと店舗側の負担ですね、アルバイトを雇う人件費というのは。

    →工場の生産効率が悪くて品物ができますと、高い原価のもの、売価が余り通用しない売価の設定ということに、三位一体ですから回りまわってくるわけです。ですから、一時的に値段を据え置いたからということで物事は解決しなくて、物事の改善というのは、そういう作業割り当てから工場の見直しから、すべてを含めて吸収していった場合になる。だから、コスト削減は、あくまでも拡大均衡であって、なおかつコスト削減でないとだめだということだと思います。一時的なコスト削減で利益を出すというのは、そんなお店の経営では難しいことではないんですけれども、これを継続して持っていくというのは、そういう抜本的なところだということですね。
    ですから、人件費だけ一つの問題で物事を論じると間違いが生じると思います。

  • 2点お尋ねしたいんですけれども、上原先生もお尋ねになったのですが、地域に密着ということを非常に強調なさって、そうすると、接客ということもそうだと思うんですけれども、もともとのレジにいる店員さんが、ずっとお顔が同じであれば地域に密着するというコンセプトはしっくり来るんですけれども、今のような体系ですと、それは一線を画すのではないかという感じがしますが、それについてお尋ねしたいということ。
    それから2つ目は、ドミナント政策をとっていらして、未出店のところが13件、それで、割とお店が少ないところは4件で17件あるんですけれども、これは日本の中で、特にどういうところなのか、すごく地元のスーパーが強いとか、あるいはそれぞれ特徴があって一般的にはおっしゃれないとか、何か、この辺の、水色のところですね。ここについて、ちょっとどんな感じか教えていただきたいと思います。

    →まず水色のところから、名古屋に出ましたのが4年前なんです。そして、名古屋の延長線上、先ほど言いました工場から3時間のところでしか出店をしておりませんというのが岐阜と三重になります。そこで、延長線上で岐阜ということ、今、愛知県は450店になっているんですけど。
    そうしますと、今度は岐阜のにらんだところに工場を置くという政策になってきて、この岐阜に本格的に出店していくという形になります。
    ですから、四国の場合はまだ、四国のど真中に工場を建ててやれるかどうかというところを一生懸命検討しているというような、工場と店舗展開という、これの部分ですね。ですから、名古屋に出店したときは、もうほかの競合が行き渡っていて出店ができないだろうと言われていたのですが、出店しますと、お客さんの投書が、そのときはうれしい投書ですね。味が全然違いますねとか、そういった投書がものすごく多くて、出店早々から、経済力がかなり高いということもあると思うのですが、売上は相当高いところからのスタートになりました。
    地域密着と接客という部分が、午前9時から17時ぐらいのところというのは、非常に安定的な人の、比較的長い主婦のパートさんとか、こういった方がいらっしゃって、店によるんですけれども、それ以降は、非常に入れ替わりが多いという部分で、これは、お店によって人の部分はかなり違うんですが、そこのところに一般的には差があります。そこの人の指導というところが一番の頭の痛いところでもあるし、今後力を入れていかなければならないところです。

  • 流通業が発達していくプロセスというのは、2つ大きな儲ける要素があるのではないか。1つは新サービスの開発、もう1つは、やはり生産利益をとっていくという2つある。生産者の利益を取り込んでいく。それで、大体、お弁当とか食については、かなり生産利益をみずからの中に取り入れていった。
    もう1つですけれども、ほかの商品についてはどうなんでしょうか。これから、例えばどんどんどんどんプライベートプランナーをつくっていって、生産者の生産にまで手を出してそちらの利益と、その辺については、何か明確な基準はあるんでしょうか。例えば、今言ったように、お弁当とか、そういうお惣菜についてはこちらが生産者の利益まで自分が持っていく。だけど、そのほかについてはナショナルブランドを利用していく、明確な基準があるのかどうか、その辺について、ちょっとお聞かせください。

    →明確な基準というのは、結局、ナショナルブランドで値段が崩れるもの、崩れないものがありますね。今、サントリーが出しています350mlの「黒烏龍」、これは、まだ値段が崩れていなくて、相当なヒットなんですね。ところが、「伊右衛門」さんは、ずっとこうやっていますけれども、やはり値段が崩れているわけですよ。そうすると、その値段を、お客さんは、何をもってその値段と言うかと。実際価格98円だとか100円だとか言いますけれども、場合によっては80円というのをうたれますと、それが頭の中に入ると、非常に高いなというような部分になりますので、それじゃ、原価は一体幾らかかっているんですか、原材料費は。そうすると、安定して売ってくれるところがいいというところと、チームMDという形で打ち合わせをして、先ほどの工場の部分も、基本的にバイヤーというのは物を選ぶのではなくて、一緒になって、どういう商品が売れるのだろうかということを打ち合わせするというのを主眼にしているわけです、選ぶのではなくて。選ぶものは、どうしてもやはりセブンで、便利だけで売りこなすというのは、店が小さいから便利だけというのは、なかなか通用しなくなってきたなというのが今の実態だととらえております。ですから、今回、セブン&アイで、原材料はNBを上回る部分で味のいい商品を市場の7~8割方の値段で出せればいいなというのが、正直に期待感としてありますけど。

  • 流通業は伝統的に見ますと、メーカーが製品をつくって、これは単品中心であって、流通業はその品揃えだと僕らは習ってきたんですが、考えてみたら、今のお話とか流通業の皆さん方のお話を聞いたら、かなり流通業が製品開発ということに重きを置いてきて、かなり製品開発という方向に走ってきていると見ていいんでしょうか。特にコンビニエンスストアの場合は。

    →今の先生の御質問のところ、例えば伊藤園は工場を持っていらっしゃらないんですよ。企画会社。それから、日本コカ・コーラもボトラーが工場で、あれも企画会社ですね。ですから、セブン-イレブン・ジャパンも、ある意味では企画会社じゃなければいけない。ですから、昔から日本の小売業はメーカーさんの手のひらの中で商売がされているというような失礼な言葉を使われている時代があったと思うんですけれども、これはリベートとかを含めまして、値段を下げることも全部メーカーさんの部分があった。そこの部分は変えてきたというのが、一つの大きな、私がやったわけではないですけれども、大きなところがあります。

  • ちょっと実感として、そういう傾向はかなり強く出てきていますか。つまり価格決定権が、今までメーカーだったのが、だんだんだんだん流通業に移ってきているという。

    →今、私が話をしましたオリジナル商品、53%の商品に対しては完璧にこっちの価格決定のものですね。

  • 事務局から恐縮なんですけれども、どうもプレゼンテーションありがとうございました。それで、高齢化が進む中で、コミュニティの中でインフラ機能が大切だということで、例えば大量サービスといったもので出ていこうと考えておられるのかどうか。
    あと2点ございまして、ほかにも住民票を出すとか、あるいは保険の代理店になるとか、いろいろなタイプのサービスですね。コミュニティに提供できるんじゃないかと思うんですけれども、もし今、こういった分野で規制緩和がもう少し進むと、コンビニエンスとしても出やすいというような事柄があるのかどうか。
    あと3番目に、先ほど立地規制のお話が亀井社長からございましたけれども、コンビニエンスストアも、住居地域については出られない部分があるんじゃないか。単に物販機能というよりもサービスの機能が多くなってくると、コミュニティサービスということで、本当は住居地域にもコンビニエンスストアが出てもいいんじゃないかなという気がするんですけど。
  • つまり、コンビニエンスストアが出てはいけない住居専用地域とか、小売店が出店できないというような規制が、今、都市計画にかかっているかと思います。
    それで、今のお話を伺っていると、非常にコミュニティサービスの機能が今後増していくとすれば、そういった分野、住居専用地域にも出ていっていいんじゃないかという気が私はしまして、もしそういった地域にも出るとすれば、要は1万店どころか、さらに2万店といいますか、もっともっと出店できるエリアが広がってくるんじゃないかと思いますけれども、例えば住居専用地域でも、もし都市計画の規制がなければ、そういったところに出られる余地があるのかどうか。

    →今、全体のコンビニエンスの数としては4万3000店で、2800人に1人ぐらいという部分は家庭生活のインフラに入っているのではないかと思いますけれども、これは淘汰の部分で少し減っていくんじゃないかというふうにとらえています。
    今、セブン-イレブンはお客さんが競争相手なんですけれども、他業態との競争で、デパ地下に比べて、それからスーパーの弁当、中食のところと比べてコンビニエンスは魅力があるのかと、見た目が。これは、なかなか魅力はないんじゃないのと。それは今、アンケート調査しますと、先ほど言いました工場もすごい、そして味もおいしいという部分はあるんですけれども、手づくり感がないとか、安心・安全に余り気を使っていないんじゃないのというような批判が結構多いんですね。この辺は払拭して、テレビコマーシャルとか、そういったもので流していかなければならないという部分なんですが、今の違う場所のところへという最後の部分は、今は余り気にしないで、他業態に対してどう勝ち残っていくかというところには全精力を費やしているというところですね。
    それで、介護サービスですけれども、これも「直し屋又兵衛」とか、今、お店を直しながら、ついでに周りのトイレを改修してよとか、そういうものがつくれたらいいねということで、前田工業が中心となってやっているんですよ、セブンのあれを中心として。ところが、なかなかこれが定着しない。それで、介護の部分につきましても、かなりいろいろな勉強をしていかなければいけないと思いますけれども、今の店舗の実力からしたら無理だろうなというふうに思います。
    あとは規制ですね。さっき言いました、もう今はプロマイドの部分をここに持っておいて、こっちへ引っ張り出してプリントするということは全部やっているわけですよ。ですから、住民票のデータボリウムがここにあったとしたら、さっき言いました個人認証で、指紋でいいよというか、そういうことではっきりさえすれば、どうにでもできる体制にはなっています。個人認証をどこまで対象としていただけますかと。いや、いや、そんなことじゃいかんよという部分ですね。不正が結構多いですから、不正使用が。そこのところがされれば、戸籍謄本だろうが何だろうが手に入るということです。
    私は、ここのところ60になりましたものですから戸籍謄本と住民票をとるのに、面倒くさくてしようがないんですね。本籍が違うと、そこのところに手紙を出さなければいけないとか何とかということで。そういったことが、かなり改善されるんじゃないでしょうか。ということは個人認証の問題だと思います、規制緩和のところは。

以上

 
 

最終更新日:2008年8月14日
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