経済産業省
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新流通産業研究会(個別企業プレゼンテーション)(第10回)-議事要旨

日時:平成19年2月23日(金)
経済産業省本館2回東3共用会議室

議題

個別企業プレゼンテーション

議事概要

イオンクレジットサービス株式会社からのプレゼンテーションに対して、メンバーより以下の質問・意見があった。

  • 海外について、これはイオンさんとの出店戦略とはどういうふうに絡んでいくんですか。

    →最初は1987年にイオンがジャスコ当時、香港に出店しようということで準備はしていたんですが、私はその前にカード会員を、よく利用される方を優待会ということで30人ぐらい招待を申し上げて、そのときに香港へ行きましてお客さんと一緒に回っているときに、香港の市場を見ますと、日本のソニーの製品とか、あらゆるものが、当時、香港の平均給料が3万円ぐらいのときに20万、25万という商品が販売されていて、あっ、これは買えないなと。やっぱり分割払いとか個品割賦の世界というのは必ずあるなと思いまして、どちらかというと海外の世界はパラレルというよりは、ジャスコは香港とマレーシアとインドネシアと、一部、中国中心ですけれども、その他の方もイオンクレジットの方が先にちょっと出ていっているような形にしています。当社が出ていく出店の基準はそういうことで、日本で言う、いわゆる昭和30年代の後半から40年代の初めの三種の神器が非常に欲しくてというところに出ると。
    特に今回、ベトナムは向こうから声がかかってきまして、電機メーカーさんとか、ヤマハさんですとか、モーターバイクのところなんかが、売りたいんだけれども、分割払いの制度というのはないんだよと。イオンクレジットはいろんなところでやっているんだから、ぜひ出てこいよと。そうすると、ベトナム政府の方に、個品割賦の制度というのはこういうものですよというところから説明をして理解いただいて、タイ国へ連れていって勉強していただいてから、つくってもらって許可をもらうというところがあって、まだそういう段階です。

  • 3月ぐらいにセブン&アイが独自電子マネーを出すというのがあって、ことしは多分結構いろいろ、イオングループさんの方も独自電子マネーをお出しになるということで、流通グループが独自電子マネーを出すというのはどういうことなのか。もうひとつ得心できない部分があるんですけれども、そこはどんなふうにお考えでいらっしゃいますか。

    →とりあえず電子マネーという世界で、顧客にとって一番便利な必要があるということで、首都圏ではSuicaが一番利便性が高かろうということで提携カードを一緒に出しました。その次の段階で便利なのは、IDが若い方に受けている。それと先ほど申し上げましたように、当社の首都圏の弱さと、それから若いヤング層と男性層が弱いというところのニーズが一致したということで、JR東日本さんとNTTドコモさんと提携をして、それぞれのカードを出したという段階です。ただ、先行きはもう少し発展形になっていく。それだけで終わりますと、1都6県は大体Suicaで行けるんですけれども、どうしても遠方とか遠隔地、そのほかの地域ができないので、それは何らかの形でカバーしていく必要があるということで研究をしています。
    それと狙いは、1つは、先ほども言いましたけれども、クレジットも当然手数料収入がどんどん安くなってきますから、そんなにはもうからないと思いますが、クレジットカード会社としては手数料収入ねらいのところもあります。それと、電子マネーを追加することでクレジットカード自体の携帯率が圧倒的に高くなるんだろうと。さっきのiDカードとかイオンSuicaカードで稼働率が月間10%はあるということで、カード会社としては、ねらいはその辺です。イオンさんの方のねらいとしては、クレジットカードで、今、レジは30%ぐらい捕捉ができていますけれども、あと20%、30%ぐらい電子マネーに置きかえることによってレジチェッカーのスピードアップとコスト削減とか、苦情を減らすとか。やっぱり電子マネーとかクレジットですと正確ですから、そんなようなねらいがある。それから、将来の無人レジへの対応は、どうしても電子マネー、クレジットカードというものがないと、現金の無人レジというのは極めて時間がかかると思います。

  • 2点お尋ねしたいんですけれども、アジアでの事業展開で優良顧客の組織化をおっしゃっていらしたんですけれども、信用調査をどういうふうにやっていらっしゃって、貸倒率でどのくらいを目指していらっしゃるのかということが1点。
    それからもう1つは、ゴールドカードのロイヤルカスタマーの取り込みということをおっしゃったんですけれども、これは一般消費者から見ると80万円以上で、お買い物をしていくと、普通のデパートですと10%割引みたいになってくるんだと思うんですけれども、そういう特典があるのかどうか。ないとしても、皆さん、これだけ持っていらっしゃるのであれば、そのコンペティティブエッジは何なのかということを教えていただきたいと思います。

    →最初の海外へ進出するときの与信のあり方ですけれども、先ほど何ページかにございましたように、一番最初は個品割賦で進出をします。ですから、テレビを買われるときの調査ということで、カードですと与信を30万とか、先に出してしまいますので危険ですけれども、1品1品、与信をやって出すだけですから、あとは尾を引かないという問題が1つ。
    それから、与信をするときに、かなりのレベルの実地調査。ですから、タイ国等々へ進出したあたりは、50人ぐらいの実地調査のバイク部隊を抱えてやるところから始めます。ということで、10万人、20万人という顧客名簿ができて初めてIDカードを出す。ですから、20年ぐらいやっているわけで、その間の積み重ねをやってからクレジットカードというやり方をやっています。
    あと、回収率の問題ですけれども、昔は北の方は大丈夫で、南へ行けば行くほど回収率が悪いという鉄則があったんですが、日本でも、済みません、南の方の人は申しわけないんですけれども、悪かったんです。沖縄とか、ずっと悪かったんですけれども、今はそんなことはなくて、香港へ行ったときは、最初は90%ぐらいの回収で、10%ぐらいが何らかの形で延滞しました。それから、タイ国は20%ぐらいが回収できないという状況に陥ったことがあります。でも、今は、回収が一番いいのは、国別で言いますと、香港99.数%です。それから、タイ国で若干落ちても96%とか97%ぐらい。それを追いかけていくというぐらいです。ただし、これは10年、15年ぐらいの自社カードの積み重ねのヒストリーがないと、ちょっと難しいと思います。
    それから、ゴールドカードの方の稼働率も大変高くて、1つはイオン、ジャスコという、お店に根差した周辺の会員をとっているということで、基本的にはそこへ来るんだということ。そして、そこには、いつ来てもイオンラウンジ、ワールドデスクでお茶とか手荷物預かりとかいうサービスが受けられるという特典がありますし、基本的に10日はダブルポイントデーでポイントがつきます。20日は5%引き、30日は5%引きになりますということで、地域住民の方はデパートへどれぐらいの頻度で行かれているのかわかりませんけれども、月1回、2回、年何回かの10%引きよりは、毎日買う買い物の5%とかいうのが大きいのではないかなと思っています。

  • 先ほど、これの問題点、課題なんだとおっしゃっていた個人情報に関してなんですけれども、これからクレジットカード、それから電子マネー、全部携帯の中に入るような世界が出てくると、すべての消費行動というのはカード会社さんのところに集まってくるのではないかと思うんですが、1人の方がどこからやってきて、どんなものを買っているかという細かな情報というのはどこまで公開することができるのか。連係されている方がどのぐらい入手できるのかというのはどういう状況になっているんでしょうか。

    →これはこの前も2回ぐらい、私もこの会でもご質問させていただいたんですが、やっぱり女性と会議をしたりすると、どこまでとるんですかというのは絶えず問題になっています。例え話で、こんなところで恐縮ですけれども、SKU単位ですと、ブラジャーのサイズまで全部とれますから、企業のモラルみたいなもので縛っていくということはどうしても必要なんだろうと思います。
    それから、よく冗談で、うちの岡田なんかともしゃべっていると、情報収集で言いますといいわけですけれども、イオンのカードは使いにくいなと。おれが今どこにいるか、森さんは瞬時にしてわかるという話がよく出る。うちの前の会長の常盤がマレーシアで出張ベースで行っていて、ホテルでカードのスキミングに遭って、偽造されたデータが先に日本に来て、本人が帰ってくる前に偽造カードが使われたことがありました。日本へ帰ってきたと同時に本人のカード、別カードをつくって、常盤さん、これ、どこかでカードをとられたでしょうと、こういう話になるぐらい、個人情報というのはスピード。瞬時にとられますし、どこまででもとろうと思ったらとれるし、その辺のところ、いつもどの辺のモラルをやっておいたらいいのかなと思っているんです。だけど、余り使い過ぎると、そういうことはお客様ベースからのアピールとか、そういうことになっていくのかなと。特にこの前申し上げましたように、薬とか個人のメンタル情報は制限をかけないと難しい。

  • 今のなんですけれども、個人個人は特定しなくても、マクロで集めれば消費の動線というのが物すごく明確に出てくるわけですね。それに沿って商品開発、あるいはサービス開発、ライフスタイルを提案していくとか、そういうようなことはなさっておられるのかということ。
    もう1つは、ご説明なさったのかもしれませんけれども、ポイントがたまるわけですね。ポイントは電子マネーに換金されているんでしょうかという2点。

    →13ページのところで、今、実はイオンもデータウエアハウスでかなりの勢いでタンキングしていまして、156テラバイトのデータをためていますけれども、イオングループの中では、そのためている情報と会員個人とは全くわからない形でデータをそれぞれ切り分けて持っています。それは私であろうが、どの社員であろうが、何から何まで全部、個人と特定づけて見れないようにはしています。ただ、これは技術屋さんがつくっているわけですから、ある一部の人間は組み合わせをやれば出ると。だから、使う場合も、ためる形式も、全部個人とは特定できない形でやっています。

  • 個人とは特定できないのですけれども、全体の動きを分析して、次の国家的なマーケティングに使うということはなさっておられないんですか。

    →まだそこまではやっていませんけれども、それを今後やっていく、ある仮説設定で、個人ではないですが、50歳代の男性の、どういう地域にお住まいのどれだけの人が―この人は我々のデータウエアハウスからばっと出してくれば5,000人いると。5,000人というベースがわかった段階で、それに対してマーケティングを打っていくということはやろうかなと思っています。

  • 特にコスモ石油、日産レンタカー、マイカル等々、連係していれば、それを合わせていけば物すごく国家的なのがわかる。なのに、なってないと。

    →まだやってないですけれども、大体できるようなものの組み立てを。

  • これは中で一緒になることはないんですか。ポイントはポイント。ポイントでクレジットの支払いに回していくということは。

    →ポイントを電子マネーとして置きかえるシステムはちょうど1年前に完成させまして、ときめきポイントコインという制度が既にあって、私どものウェブサイトの中では、リアルの世界で集めていただいたときめきポイントをデジコインとして置きかえてネットの中で使っていただくようなシステムにつくり上げてあります。ただ、先にそういうものをつくっているだけで、PRとか、まだこれからの段階ですので、やっていませんけれども、先ほど説明の中では。
    小売業らしいクレジットカードということで、特典の件とか会費の件のところでありましたけれども、「どこでもお得、充実したポイント制度」というのを書いてあるんですが、その一番下に、「ポイントを電子マネー『ときめきコイン』に変換し、ECサイトで利用可能」という形で、去年、おととしの12月から、実はこのシステムはつくってありまして、これは宣伝はまだ。もう少し安全上の問題とか、工夫をしなければいけないなと思っています。ただ、月間単位で、去年の12月でたしか900万円ぐらい、リアルのポイントをときめきコインにかえて、それをネットで800万円ぐらい使っているという例が出ています。

  • それはイオンのグループの中で使えるだけであって、外に出ていくわけではないですね。

    →これを次の段階のコスモさんのネットとか。

  • 連係の中ですね。あくまでもアライアンスの中だけであって、外に出て現金と同じようなあれにはなってないと。

    →まだ。その辺の現金性の問題は、先ほども問題点とか課題で申し上げたんですけれども、1つは、引当金の問題がはっきりしてない。会計上の問題とか、そういうことで思っております。

  • 1つは、確かにだんだん情報をとられていくと気持ち悪くなって許否反応が起こりそうに見えるんですけれども、今まで、そういう調査をなさったことはありますか。つまりクレジットカードは全部情報がとられるので、何買ったかとられる。個人情報は嫌だから、もうカードには入らないという許否反応の調査をなさったことはあるんですか。

    →残念ながら、それはやってないんですけれども、ただ、手前どものように、これだけイオンと密着して会員募集をやって、声をかけると、90数%の方がカードの勧誘をされたことがありますよと言います。そういうケースであっても、カード会員になっている人は半分ぐらいですね。だから、残りの半分の人というのは、お年寄りだからクレジットカードが嫌いだとか、そういう方もあるんでしょうけれども、基本的にそういうことに許否反応を持たれている方がいるのかなという認識はしています。クレジット嫌いと、そういうものをとられることが嫌なんだと。

  • それからもう1つは、流通業が出すクレジットカード。イオンクレジットサービスって、一応イオングループに入っていますけれども、小売業とは別手法になっていますよね。ところが、考えると、これは両方、もう1回マーケティングしていくとき、かなり共通の部分があるんです。1回離れても、また小売業とクレジット業と極めて機能的に結びついていくと。そういう気がするんですが、今、イオングループでも、そういう動きはあるんですか。つまり共通の顧客を組織化していくマーケティングは共通の部門でやると。くっついていくということはあり得るんですか。

    →それはイオンさんだけではなくて、当社の提携カードのやり方は、トイザらスさんがその次に多いんですね。それから、カスミさんですとかコスモさん。普通、提携カードというと1万枚とか2万枚ぐらいの発行が多いんですけれども、トイザらスさんでいきますと200万枚ぐらい出させていただいています。そういうところですと担当を決めて、お互いにマーケティング分析をしていく。もちろんイオンは、当社のマーケティング部隊とイオンのマーケティング部隊と一緒になって研究しているというチームはあります。

  • 2点ございまして、1点は三宮とか代官山の地域カードの話でありまして、この地域カードの将来性の可能性、難しさ、いろいろあると思うので、その辺の可能性とか皆さんにとってのメリット、あるいは難しさみたいなもの。これが1点。
    それからもう1点は、海外展開で、極端に製造業の場合もしかり、まして金融の方だと相手国の規制とか、いろいろ厳しいものもあると思うんですけれども、クレジットビジネスを特に東南アジア、あるいは中国で展開するときの制度障壁みたいなものが今でも残っていて、ここは何とかならないかというものがもしあれば教えていただければと。以上、2点、ちょっと教えていただければ。

    →地域カードは最近でございまして、もう1つ、仙台にもあるんですが、ここのところニーズが高まってきていると思います。町おこしといいますか、そういう機運が高まってきまして、イオングループなので、どうなのかなということもあるんですけれども、逆にイオンクレジットなんかはいろんなことをやっているというので声をかけていただいて、私どもは神戸の三宮に事務所を設けて一緒になってやっているとか、代官山も、それまで渋谷はなかったんですけれども、渋谷に営業所をつくってやるとか、そんなようなことで、徐々にレストランですとか専門店の特典を1つずつ積み重ねていけば、地域で稼働率の高いカードはでき上がると思います。
    海外は法律規制だらけで、それは1つ1つ着実に行政の方と打ち合わせをしながら、特に先進的に結構出ていっていますので、逆にご理解をいただいて、こうしましょうということで解決しているケースが多いです。タイとか台湾とかマレーシアでノンバンクでカードの発行を認めていただいているのは、日本では当社だけということで、海外でもあるのかな。一応、銀行並みに管理をしておるということで認めていただいているんです。
    ただ、逆に言えば、貸金業規制法は日本が一番遅かったですよ。我々はこたえているんですけれども、先に起こったのはマレーシア、台湾、タイという順番に20%以内になりました。タイは18%にしては行き過ぎて20%以内にされたみたいですけれども。


株式会社丸井からのプレゼンテーションに対して、メンバーより以下の質問・意見があった。

  • 出店の展開というのは今の出店数でやっていくつもりですか、お店の数。

    →遅まきながら全国展開を今からやっていきたいと思っておりまして、そういう意味では、出店できるところがあれば少しふやしていきたいとは思っておりますが、現状ですと、どちらかというと純減の方向に進んでいます。

  • ウェブの比率を上げていって、お店の数は、どちらかといえば集中的な出店で余り大きな拡大をしない、これは基本戦略ですか。

    →どちらかといいますと、出店戦略が80年代後半から90年代にかけて、ちょっと混乱してしまったんですね。若い方でファッションが中心ですので、本当は都心のターミナルのような集積の高い、人がたくさん集まるところに出店すべきなんですが、なかなかそういったところに出店できないというので結構郊外の方に出店をしてしまい
    まして、しかも、郊外に大型の店をたくさんつくってしまったんです。私どもの得意な商売ができないということで、その辺のお店を今少しずつ集約していっているところです。

  • それからもう1つ、戦略として、1店当たりの売上高を上げていくという戦略をとっている。それから、ウェブもサプライチェーンマネジメントもやっている。そうしますと、ファッションだけじゃなくて、ヤングをターゲットとして、結果としていろんなアイテムが乗っかってくるんじゃないかと私は思っているんですが、例えば食品に出るとか、そういうことはお考えですか。戦略から見たら、やっぱりそういうふうになっていくんですかね。

    →実際、郊外にお店をつくり始めたころから食品というのはやらざるを得なくなって、やってはいるんですが、どちらかというと、それは若い方というよりは家族をお持ちの方ですとかが中心になっていまして、若い方向けというのとはちょっと違うんですね。どちらかといいますと、アイテムも競争が非常に厳しくなってきていまして、従来、クレジット中心のころというのは、先ほどの三種の神器ではないんですが、家電製品をかなり売っておったんですが、この辺も家電量販店さんには全く太刀打ちできませんので、アイテムとして全体もやめてしまいました。アイテムはどっちかというと減っていく傾向です。ただ、サービスニーズといいますか、当社の場合、20代前半の方が多いんですが、そうしますと、例えば車の運転免許なんかを取られる方が多いんですが、運転免許を取ろうとしますと30万とか、そのぐらいのお金が必要になってきますと、それを分割で払うようなクレジットニーズというのが出てきますので、例えば自動車の教習所さんと組んでクレジットのサービスを提供するとか、そういったようなこともやっております。

  • まず、パワーポイントの39枚目のコラボレーション消化という、御社独自の言葉遣いだとおっしゃっていたこれなんですけれども、消化仕入れと買い取り仕入れという従来の仕入れ形態をミックスのような形で入れられたということなんですが、これがコラボレーション買い取りではなくてコラボレーション消化で在庫リスクを負わない形でやられているというのは、御社の品ぞろえの政策として、コラボーション買い取りではなく、あくまでもコラボレーション消化にしたかったのかということと、その関連で、消化とコラボレーション消化と完全買い取り、それぞれマージンがどれぐらいずつ上がっていくのかというのを教えていただければと思います。
    もう1点が、組織構造を分社化したという17枚目のパワーポイントのお話なんですけれども、90年代はPB買い取りで在庫が大量にふえてしまって収益が悪化して、それで各ショップの店長というか、ショップ長にリスクを負わせるというか、権限を与えると同時にリスクを持ってもらうような形に分社化されたということだと思うんですが、これから多分日本の流通業って合併がふえてくると思うんです。組織が大きくなると、どうしても店頭の店長とか社員のモラルハザードというか、別に自分がかぶるわけじゃないからみたいなのがやっぱりふえてきてしまうということで、ある程度店頭に権限を渡すと同時にリスクをとってもらうような分社化とか事業部制みたいなものを小売業でも入れていかざるを得なくなると思うんですけれども、これはほかのスーパーマーケットとか、百貨店さんとか、そういうところでも、こういう形で入れ得るものなのかというお考えをお聞かせいただければと思います。

    →大変鋭いご質問をいただきましてありがとうございます。
    まず、コラボレーション消化は何で在庫リスクを持たないんですかというご質問かと思うんですが、べき論で、一時買い取るべきだという論調の時期もあったんですが、実際、お取引様のニーズとして買い取ってほしくないと。なぜなら、御社だけで展開しているわけではない。ほかの百貨店さんやファッションビルとか、いろんなところで展開していて、その全体のチャネルの中で最適に消化していきたい、最大の消化率を上げていきたいので、買い取ってほしくないという先方さんのニーズもございます。自分たちの好きなようにやらせてほしいというのがあります。
    基本的には消化に近いんですけれども、情報を共有することによって、とはいえ、じゃ、当社のショップで売れているものと、同じAショップが今度百貨店さんに入った場合とお客様のニーズというのは違うんですね。そうすると、売れるものも違ってくると。当社のお客様ならではのニーズというところをとらえて、そこの部分に対応できるような取り組みを、その部分に集中してやりましょうというのがこの考え方です。通常の消化ですと、いわゆるテナントとほとんど変わらないような形で、私たちがやりますからということなんですが、厳密にはチャネルごとに少しずつお客様のニーズ、売れ方というのは違うので、そこの部分で取り組みましょうというのが趣旨です。
    仕入れ条件はお取引先もございますので、ちょっと細かくは申し上げられないんですが、消化とコラボレーション消化はほとんど変わらないですよね。

    →コラボレーション消化の方が共通でやっているので。若干高いぐらいですけれども、そんなに変わらないです。

  • 情報を渡してあげているので向こうのリスクが低くなっている分、多少丸井に有利な消化仕入れで何ポイントか有利ということですね。

    →返品条件つきは条件つきでの返品ですから、ある程度以上は返品できませんので、その分、リスクを持つ分だけ少し高いです。完全買い取りは、これはもちろん私どもの努力次第で、50%でも55%でも上げていける部分ですので、ここは一番高いところ。もう1つの組織のところなんですが、こういう縦横のマトリックス組織でやっていらっしゃるところというのはほかにあるのかどうかって、私はすごく気になっていまして、先生方ですとかコンサルタントの方とか、いろんな方にお聞きしているんですが、今のところ聞いたことはないです。私どもは何かをモデルにしてやったというよりは、何としてもSPAを自分たちで買い取ってつくってやっていく、自分たちで企画して買い取ったものを何とか商売にしていくというのをやり切りたくて、やむを得ずというか、その中から、この形態にせざるを得ないなということでやったという状況なので、ですから、自分たちでアパレルさん、専門店さんと同様のビジネスを並行して、あるいはプラスアルファでやっていこうという戦略があった場合には、百貨店とかスーパーという業態を問わず、こういったやり方というのも可能だとは思います。現に例えばイオングループさんですと、専門店のブルーグラスさんですとか、そういったものがイオンさんのショッピングセンターにも出るし、ほかのSCにも出られるという形でやっていらっしゃるところもありますので、可能かとは思います。

  • どうもありがとうございました。人の問題は重要だということを受けて、時間の短縮、あるいは、もとに戻すといったようなことをお話しいただいたわけなんですけれども、これによって、ことしの新入社員の集まりぐあいとかはよくなられましたでしょうか。あるいは、人件費も下がるといったような経費上のメリットも出たと考えてよろしいんでしょうか。
    もう1つ、新聞で大分前に読んだ感じがするんですけれども、丸井さんは、お店の従業員の方々が別の会社に分社して行くといったようなことになっているんだと思います。その辺の人の問題の話をもう少しお話しいただけませんでしょうか。

    →時間短縮も、去年の10月からスタートしたばっかりなんですね。定休日の拡大も、この1月からようやくスタートしたばっかりで、まだ公表もしてないんです。きょう、たまたまこういう席があったものですからお話ししていますけれども、まだ新入社員の集まりがというところまではいっておりません。まだ見えないんです。
    ただ、実は定休日はお取引先にも影響がございますので、勝手にやるわけにいかないので、お取引先の経営者の方にも、こういうものをやるとしたらどうですかと聞いてみましたところ、非常にご支持をいただきまして、ぜひやってほしいと。そのかわり、やったらすぐやめるんじゃなくて、ちゃんと続けてやってくださいねという言葉をいただきましたので、私ども以上に、アパレルさんとかお取引先の皆様が人材確保ですとか、そういったところへの期待をされているのかなと思いました。人件費は、一部、ショップ長とかアシスタントの人たちが、営業時間を長くすることで残業がありましたので、そういうところは若干下がるかなと思いますが、全体に対する影響力って、そんなにはございません。
    分社化でございますけれども、この辺の自主・PBをやり抜くために横の組織をつくっていこうというところがきっかけで、そうしますと二重の人事体系みたいなものができてしまいまして、これを何とか解消しなければいけないということで、そこから当時検討しておりました職務成果給というのを全体として制度をつくりまして、それを分社化とあわせてグループ全体として取り入れるという方向で、この2つを一遍に行ったというのが実態でございます。

  • 科学的なことをいろいろ取り入れていらっしゃるので非常に感銘を受けたんですけれども、2つ質問させていただきたいのは、スクラップ&ビルド政策というのは、日本の土壌において非常に難しいと思うんですね。拡大志向がどうしても強い業界だと思うんですけれども、ビルドするときの大体のご方針、ハードルレートをどのぐらいにしていらっしゃる、どういうふうにすると閉めるというふうにお決めになっていらっしゃるかということが1点。
    それから、2点目は、今お話がいろいろ出ているんですけれども、17ページの分社化以降、そうすると、これは店長さんとSPA、A社の責任者との収益責任とか人事評価というのは大体どんな感じでやっていらっしゃるのかというのを教えていただきたいと思います。

    →大変鋭い質問をいただいてありがとうございます。スクラップ&ビルドは、これは大変ありがたいことだなと私は思っておるんですが、当社の伝統のようになっておりまして、比較的抵抗なく、出したら閉めるんだよねということで、当然新しいお店ができれば、そっちの方に行ければうれしいとか、そっちの方に職場も確保されているということもありますので、スムーズにできてきております。
    退店基準としましては、単純に個店損益が赤字、あるいは近い将来、赤字になるであろうというのを基本にしておりますけれども、それ以外にも生産性の格差というのを問題にしていまして、上位店舗と下位店舗との人的生産性、あるいは坪当たり、面積当たりの生産性の格差が非常に大きかったんですね。3倍も4倍もございましたので、これを何とか2.数倍程度まで持っていきたいと。そうしないと、要するに生産性が低い店というのは暇な店ですので、暇な店に配属になった方は成長のチャンスが奪われるということで、忙しいお店に入った人との間に格差が生じてしまいます。そういった社員の成長といいますか、向上という意味でも、環境をある程度以上に整備していきたいということで、今、その2本の基準でやっております。
    出店基準は、当社は比較的柔軟に、例えば売り場面積で1,500坪ぐらいから、一番大きいところは1万1,000坪ぐらいまで、何でもござれではないですけれども、ある程度の幅で対応できますが、ただ、どうしても若者が多く集まる大商圏、ターミナルとか、やっぱりそういったところが対象になってきます。収益的には、3年以内に単年度黒字化ということを一定の目安にしております。
    分社化による店長の収益責任とSPA各社の収益責任というところですけれども、これはある意味ダブルカウントといいますか、店長はSPA各社のショップも含めた貢献利益の予算を責任で持っておりますし、SPA各社は全店のショップの貢献利益というのを責任で持って、同じものの縦横でやっております。人事評価のところが、おっしゃるように、当初は何としてもこれを成功させたいということで、極端な話、店長は口出すなと。
    というのは、店長の立場に立ってみれば当然のことなんですが、知名度が低くて余り売れないPBの売り場なんか、もうやめてほしいわけですね。知名度が高くて非常に力のあるお取引先のショップに一つでも多く入っていただきたいというのは、これは店長の立場に立ったときの人情でございますので、そういった意味でPBとか自主が育たなかったというのがあるので、逆にその辺がトラウマになり過ぎて、店長には一切口を出させないみたいな感じに行き過ぎてしまいました。そうしますと、今度、店内でのコミュニケーションが悪くなりまして、店長がせっかくいいアドバイスしているのに、あなたに言われるいわれはありませんからみたいなことでショップ長がぷんと横向いちゃったり―そこまではいきませんけれども、少しコミュニケーションが悪くなりまして、やっぱり同じお店の人なんだから、その辺のコミュニケーションをよくしようよということで、今、店長にも副店長にも評価してもらえるようにということで見直しを進めております。

  • いろんな角度から教えていただいて、きょうは大変ありがたく思っています。2つ質問があるんですけれども、1つは、きょう、せっかくイオンさんも電子マネーとか、そういったお話をしてくださったんですが、丸井さんも拝見していると30代以下の方々が中心ですので、先ほどのイオンさんの話でいけば、IDとか電子マネーとかSuicaみたいなものを入れていくと非常に効果があったんだというところだと思うんですけれども、ここに一歩踏み出されていらっしゃらないのは、こういう電子マネーとか、そういったものに関しての障害をお考えなのかというのを伺いたい。
    もう1つは、若い方が中心ということで、長い目で見れば若い世代は減っていくわけで、減っていく中で相変わらず若い世代を中心に考えられるのか。もしその場合であれば、恐らくファッションとか、そういうものだけではなくて、先ほど私は非常にインサイトフルだと思ったのは、ソフトなサービスという意味で免許の取得とか、お金の使い方という部分でビジネスが広がっているというのがあるので、もしかしたら原点に戻られて割賦とか、お金を上手に使うというところから若い人のお金の使い方、ライフスタイルという意味で横展開を考えていらっしゃるのか。それとも、若い世代が年をとっていくに当たって新しい若い世代に合わせてというか、新しいお年寄りというんですか、それに合わせてビジネスを考えていかれているのか。その辺を伺いたいなと思いました。お願いします。

    →最初の電子マネーの方につきましては、まず1つは、今、いろんな企画が並立している状況の中でどれが主流になっていくのかというときに、これというふうに決めづらいというところがあります。例えばイオンさんの小売業態ですと少額決済というのがかなり多いと思うんです。例えば鉄道とかにしても少額決済が多いと思うんですけれども、私どもの場合、平均のお買い上げ単価が8,000円とか、そのぐらいになってきますと、どっちかというとクレジットの方がまだ主流なんですね。私は、どっちかというと新しもの好きなので、早くやろう、やろうと言っているんですけれども、クレジットの担当者の方は非常に慎重でして、先にここというふうに決めちゃって後から主流になれないとすごく問題ですよねということで、もう少し時間をかけてみましょうということで、しようがないね、じゃ、もうちょっと我慢しようかといって我慢をしているところでございます。
    もう1つは、ああ、そう思われるのかなと思って心を強くしたんですけれども、私どもの29歳までの若者のファッションの消費支出に占めるシェアって、じゃ、どのぐらいあるんだろうかというのを1回やってみましたところ、試算で6%ぐらいのシェアでした。私どもは、これを中長期計画で倍の12%まで持っていきたいと思っています。そうしますと、その間、2015年ぐらいに向けて若年人口は8掛けになっていきますけれども、成長率というのは1.6倍になります。先ほど首都圏への集中と申しましたけれども、昨年は大阪にも出店をさせていただいたり、あるいはEコマースの方で、これは商圏が制約を受けませんので、この辺を合わせて10%、12%ぐらいのシェアで6割増しぐらいの余地を持ってやっていきたいなと思っています。もう1つは、年齢を広げるというのも、例えば30代まで拡大していくというのもあるんですけれども、競争がすごく激しくて、そんなに簡単ではないんですね。どちらかというと私どもは、同じ若いお客様の中での消費に占めるシェアを拡大していきたいと思っていまして、シェアというのは何も商品だけではないので、さっきおっしゃったようなサービス消費みたいなところについて、現状できているのは運転免許とか、そういうものなんですが、これからさらにもうちょっと自己実現とか夢実現みたいなところでの、例えば英会話だとか、留学だとか、あるいは大学とか、そういうこと自体もあるかもしれませんし、家を借りるときの敷金、礼金だとか、そういったサービスニーズに対してもカードを通じてお役に立てるような商品設計をしていくことによって、消費支出の中に占めるシェアを高めていくことをやりたいなと思っております。

  • 今、6%とおっしゃったのはファッションに占めるシェアですね。それを12%に引き上げるために具体的な戦略っておありなんですかという質問と、もう1つは、今ご案内のとおり、大丸、松阪屋とか、家電の方でもいろいろとありますね。御社は先ほどお友達がいないとおっしゃられて、孤独にスクラップ&ビルドでやっていくとおっしゃられましたけれども、お友達はパルコぐらいですか。あるいは、代官山とか裏原の路面店ぐらいですよね。そういうようなことは考えて。言いにくかったら結構ですけれども、一般論として今後の見通しを何かお持ちならばと。

    →最初のご質問に関しましては、今は25店舗中20店舗が首都圏に集中なんですが、昨年、初めて大阪に出店をいたしまして、その2年前には神戸にも初めて関西地区ということで出店をしております。チャンスがあれば首都圏以外にも出ていきたいと。首都圏でシェアを高めていくというのは、特にファッション商品では難しいと思っているんですが、1つは商圏を広げていくということと、もう1つ、今160億ぐらいの規模でやっていますEコマース、通販のところを500億ぐらいまでの規模に伸ばしていきたいということで、店舗の全国展開とEコマースの展開。あとはSPA・専門店業態というのは、実は私どものお店だけではなくて、いろんなショッピングセンターさんにも出店をさせていただいております。例えば来月オープンします三井不動産さんの鴨居のららぽーとなんかにも5ショップぐらい、私どもの専門店が出店をさせていただきますし、イオンさんのグループでやっていらっしゃるダイヤモンドシティさんにも、実は何ショップか出店をさせていただいております。そういう専門店と丸井の全国展開とインターネットという3本立てで拡大をしていきたいと思っております。
    2つ目のお友達なんですが、実は最近、お友達が少しずつできつつありまして、先ほどお話ししました旧月賦販売店の丸興さん、今はOMCさんなんですが、カード業界も、今、再編、統合という流れがあるんですけれども、そういった中でプロセシング業務を一緒にやりましょうということで、これは先般公表したんですけれども、一緒に共同出資をしましてプロセシングの会社をつくって共同してやっていきましょうと。一方ではシステムについて、私どものシステムをできるだけ共有していくような形で、持ちつ持たれつでやっていきましょうと。そういうお友達も少しできまして、これから少しずつお友達をふやしていきたいなと思っております。

  • 私はずっと丸井さんを見ていて比較的ほかの小売業態と違うのは、金融業とお友達になる可能性はかなり強いんじゃないか。それに基づいてサービスもどんどん発達していく。多分、今、そういうお考えがあるんじゃないかなと推測しているんですが、どうでしょう。

    →私どもも金融をやるべきか、やらざるべきかというのは昔からすごく議論があるんです。きょう現在でもいろいろ議論しているんですが、私どもの原点は何なんだろうというと、やっぱり月賦ということで、月賦というのは、お金を貸して利息を得ることが金融だとしますと、そうではなくて、物をお買い上げになるときに金融サービスを同時に提供するというのが月賦ですので、お客様が何か購入したいものがあるときに金融をご提供する、あるいは、お客様が購入したいサービスがあるときにご提供するという形で、あくまでもお客様に何か対象があって、そのものについてサービスを提供していくということにこだわってやっていきたいなと。ですので、キャッシングなんかもやっておるんですが、例えば若い方ですから、給料日前にどうしても飲み会だ、デートだというときに2万、3万必要だというのはどなたにでもあることですので、そのぐらいの範囲、少額を決めて、それ以上はお貸ししないというような形でやっていきたいと思っています。

以上

 
 

最終更新日:2008年8月14日
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