経済産業省
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低炭素電力供給システムに関する研究会新エネルギー大量導入に伴う系統安定化対策・コスト負担検討小委員会(第2回)-議事録

日時:平成20年10月30日(木)10:00~12:00
場所:経済産業省別館11階第1120共用会議室

出席者

横山委員長、伊藤委員、小笠原委員、戒能委員、佐賀委員、辰巳委員、中村委員、廣江委員、藤井委員、松村委員、伊勢オブザーバー、諸住オブザーバー、川原室長、渡邊課長、増山課長、後藤課長、吉野課長、増田課長、江澤課長補佐

議事概要

  • 横山委員長

    それでは定刻となりましたので、ただいまから第2回の新エネルギー大量導入に伴う系統安定化対策・コスト負担検討小委員会を開催させていただきたいと思います。本日はお忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。

    審議に先立ちまして、本日の議論に加わっていただきますオブザーバーの方お二人をお招きしておりますので御紹介をさせていただきたいと思います。まず、ドイツにおける再生可能エネルギーの導入コストについて御説明をいただきます、社団法人海外電力調査会調査部の伊勢公人主任研究員でございます。

  • 伊勢オブザーバー

    伊勢でございます。よろしくお願いいたします。

  • 横山委員長

    次に、再生可能エネルギーの実証試験に知見をお持ちでいらっしゃいます独立行政法人の新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDOの、新エネルギー技術開発部、系統連系技術グループの諸住哲主任研究員でいらっしゃいます。

  • 諸住オブザーバー

    諸住です。よろしくお願いいたします。

  • 横山委員長

    それでは事務局に本日の配付資料の確認をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

  • 事務局:吉野課長

    それではお手元の資料の一覧を見ていただきまして、資料1の議事次第、資料2の「新エネルギーの大量導入に伴って必要となる系統安定化対策について」、資料3に「太陽光パネルと系統連系に関する我が国の取組」、4番目に「電気自動車及びヒートポンプ給湯器の導入による需要創出の効果について」、資料5に「ドイツにおける再エネ導入に伴う間接費用の試算結果の概要」と、それから参考資料を二つお付けしてございます。不足などございましたらお申しつけいただければと存じます。

  • 横山委員長

    よろしゅうございましょうか。それでは本日の議題に入らせていただきたいと思います。

    本日は資料2から5まで一気に御説明をしていただいた後、質疑応答に移りたいと思います。資料2から4は事務局から御説明をいただきまして、資料5につきましては伊勢オブザーバーから御説明をいただきたいというふうに思います。それでは吉野さんよろしくお願いします。

  • 事務局:吉野課長

    それでは私の方から資料2、3、4を、少し丁寧目になるかもしれませんが御説明をしてまいりたいと思います。いずれも資料2、資料4、お示しする資料というのはまだまだ議論のあるものかと思いますけれども、概略を御説明申し上げますのち皆様からまた御意見をちょうだいできればと思っております。

    まず資料2「新エネルギーの大量導入に伴って必要となる系統安定化対策について」というものでございます。おめくりいただきましてまず「第2回小委員会のポイント」ということでございますけれども、今回は一定の前提と仮定のもとで、2030年度に太陽光パネルが5,321万kW普及した場合に、系統安定化のために必要な設備の種類、規模を試算して、どのようなコストが生じ得るのかということを列挙するということでございます。

    そのために、内容としましては、太陽光パネルの普及と系統安定化対策に関する前提と仮定、それから系統安定化対策のオプション、それから系統安定化対策の有意な組み合わせ、四番目に日照と太陽光パネルの普及について、その他、こういう構成になっております。

    次のスライド番号2のところでございますが、太陽光パネル普及の前提と仮定でございます。太陽光パネルは2030年度に国の目標としております5,321万kWが導入される。それから、全国の合計最大出力は全国合計の定格容量の70%ということでございます。

    それからのちほど少し詳しく申し上げますが、極端に太陽光パネルによる発電電力量が過剰となることを避けるための出力抑制が行われることを想定しているということでございます。

    それからNaS電池の設置コストが2.5万円/kWh当たりと、それからリチウムイオン電池の方はkWh当たり10万円とこういう想定をしております。このようなもとで、2030年度における系統安定化対策のために必要となる設備規模を試算するということでございます。

    次のスライド番号3のところは、以前にもお示ししましたとおり、少し電池に関してはコストのところを申し上げましたが、2030年でございますので右端あたりにありますようなコストを前提にもろもろの試算を申し上げているということでございます。

    それからスライド番号の4番目でございます。前提と仮定の二番目としまして、まず需要をどのように見るかということなのですが、長期エネルギー需給見通しにおきまして努力継続ケースとされたものをもとに2030年度の総需要、系統需要と太陽光発電の自家消費といったもの、それから太陽光パネルの導入量の見通しを示したものでございます。

    努力継続ケースは右下のグラフを見ていただきますと、電力の供給計画で2017年までの見通しを示しておりますが、これとの連続性などを考えますと、努力継続ケースが自然ではないかということで、粗っぽい整理ですけれどもそこを前提に作業をいたしておるということでございます。それによりますと総需要が11,258億kWhであります。

    それからそれの内訳をどう考えるかということでございますけれども、この左側に概念的にかいてありますけれども、全体の総需要のもとに太陽光の自家消費分それから逆潮分、これは2対1の比率で少々思い切っておりますけれども、案分をしているということ。それからその他新エネ部分があると、加えて系統電力と、こういう内訳になるのだろうかという整理でございます。

    それから次にスライド番号5でございます。「系統安定化対策量を算出するに当たっての視点(1)」というものですが、今回は太陽光パネルの大量導入による影響の大きいものは、夏季よりも春季と秋の季節と。特に春の5月といった時期に必要な系統安定化対策を検討するということでございます。理由としましては、春秋は冷暖房需要が少ない、電力需要が少ないということ、一方5月は夏至に近くて、太陽の南中高度が高い、太陽光パネルの出力が大きい。この図にありますとおり、これも模式的に示しておりますけれども5月春は電源構成に占める太陽光発電の割合が大きくなるということで、太陽光発電による系統への相対的な影響が大きいということでございます。

    それから次のページ6番目は、需要パターンと負荷率の変化の影響ということでございます。ここでは2030年に向けて先ほどのように需要がふえていくということでありますが、今回議論する5月の需要カーブというのはそれほど大きくは変わらない、単純に2030年の数字を想定しておりまして、また、今後の議論として前提とする夏季のピークの負荷のカーブにつきましては、単純に需要があると同時に、一方で負荷率が10%程度改善をするということで、この紫っぽい破線から赤のようなラインになるのではなかろうか、こういう想定をして今後の試算の前提にしているということでございます。

    それからめくっていただきまして7番目でありますけれども、系統安定化対策量を算出するに当たっての視点として、季節ごとの需要パターンを踏まえまして、太陽光パネルの出力が極端に余剰となる場合については、その抑制が行われるとの視点を追加して検討を行うこととするというものでございまして、まず、大規模な系統安定化対策を講じない場合に出力抑制が行われない太陽光パネルの導入可能量は、これまでも御議論をされている数字かと思いますが、1,000万kWが上限であるというふうに見込まれております。

    他方、今後の太陽光パネルの導入の過程にあっては、電力需要の少ない時期、先ほどの時期においては太陽光発電による相当の余剰電力が発生すると見込まれまして、これに対しては追加的な需要が創出されない限りその電力をためるか出力抑制が必要となるということであります。

    すべての余剰電力を蓄電によってカバーするとする場合には、不合理に極端な設備容量が必要となってくるということで、今回の対策の検討に当たりましては、休日が連続して需要が低い時期に出力抑制が行われるという仮定を置いたということでございます。そのもとで電事連において試算をいただいたのですけれども、太陽光パネルの導入可能量、2030年度の需要などの前提のもとでは2,800万kW程度までに増加をすると。一方、仮に2020年度において同様の試算をするとした場合には1,300万ぐらいまでとなるのかなとこういう数字でございます。

    それから8番目視点の(3)ということですが、太陽光パネルの導入による影響については、余剰電力に着目して対策を検討するということでございます。矢印の一個目にありますように、太陽光パネルの大量導入に伴う系統安定化のために必要となる設備投資面での対策量は、出力対策変動よりも余剰電力対策として導入される揚水や蓄電池等が支配的ではないかということでございまして、余剰電力対策をまずは中心に考えてみたいということでございます。

    以降、矢印でいろいろと書いてありますけれども、次のページを見ながら見ていただければと思うのですけれども、繰り返し申し上げておりますように、電源運用上年末年始やゴールデンウィークの期間中に電源運用が厳しいわけですけれども、その次に厳しいのは同じく5月の土日、これが二日間とも晴れて余剰電力が発生する場合ということでありまして、2030年度においては蓄電池等による余剰電力対策なしで、太陽光パネルを2,800万kWまで導入可能と、今のような、土日が晴れて余剰電力が出てくるとしても、2030年度まではこの(A)の地点までは特段の余剰電力対策は要らないということであります。

    それから、2030年度において、太陽光パネル2,800万kWを超えて普及する場合には、5月の土日に発生した余剰電力を蓄電することが必要で、この量を超えて以降余剰電力対策が必要になってくるということでございます。

    こうして量的に今申し上げた数字の量の一方で、出力変動対策に関しては、当分の間は既存の火力発電の運用面での対応が可能であるということで、設備面での追加的な投資は想定をしないというふうに考えたいと思っております。

    さらに、5月の土日に発生した余剰電力を残りの平日に使い切れない場合、余剰電力の一部をさらに翌週に持ち越してしまうとなりますと、そのためにさらに余剰電力対策が追加的に必要になる。それが大幅に増加するということに留意が必要で、グラフの方で申しますと(B)のところから(C)のところにかけてグラフの傾斜が急に高くなると、これだけの余剰電力対策が必要になってくるということを記しております。

    こうした事柄を前提としますと、2030年度において5,321万kWの太陽光パネルからの余剰電力対策のために、これは後ほど申し上げる答えの分を先に書いているのですが、6兆円分の蓄電池が必要になるということで、次のページの(C)のところになるということでございます。

    9ページ目をもう少し御説明をしたいのですけれども、この図は非常にわかりにくくなっておりますのは、時系列のグラフではなくて、あくまで2030年度の断面でどれだけの太陽光パネルが入っているのかと、それを前提にどれだけのコストがかかるのか、横軸が導入量で縦軸がコストということになっております。先ほど申し上げました2030年度の断面で2,800のところ、これはゴールデンウィークですとか正月のある一定の日時、15日間程度において出力抑制をした場合には2,800万kWまでは余剰電力対策は要らないということなのですが、それ以外の土日における余剰を考えると、ここから先は導入量に従って余剰電力対策が必要になってくる。そこで5,100万kWぐらいまでは何とか土日の余剰電力をウィークデーのうちに消化できるということなのですが、この5,100を超えると今度は土日分の余剰電力をウィークデーのうちに消費ができなくて、さらにその余った分を別途蓄電をしておかなくてはならないということで、蓄電容量が相当大幅にかかってくるということで、急激に電池の容量が必要のためのコストが必要と、こういうふうになっているわけでございます。

    ただ、申し上げましたように、その出力抑制の仕方によってこのグラフは左右にずれるわけでありまして、出力抑制を全く行わないとなりますと、どんどん余ってくる電力を無限に吸収しようと思えば相当の蓄電容量が必要だということで、左側のピンクの破線のように、ある容量を超えると極端に蓄電容量が必要となるということになりますし、また一方で年末年始、ゴールデンウィーク以外の土日も例えば出力抑制をしようとなってくると、グラフが右側にずれていきまして、群青色のこの破線のように傾いてくるということで、これによって蓄電容量には相当な差分があるのではなかろうかということでございます。

    このグラフの下の部分については、これは主として後ほど申し上げます配電対策のコストをかけておりますけれども、これについては導入量に従って比例的に増加をしていくということで、仮に5,321万kWを考えれば配電対策としては0.6兆円、約6,000億円と、その他の費用として若干の黄色の薄いところの費用を見込んでいるということでございます。この辺はまた後ほど詳しく申し上げたいと思います。

    それから10ページ目でございます。太陽光大量導入時の課題と系統安定化対策。これは何度かご覧いただいたものでありまして、繰り返しになりますけれども、課題としては、配電網の電圧上昇による逆潮流の困難化にどう対応するのか、それから周波数の調整力の不足、それから余剰電力の発生、これにどう対応するかということなのですが、それぞれに関して1から7までの対応策についてこれまでも何度か御紹介をしたところであります。これに従って順次整理をしてまいりたいと思います。

    まず、次のページ11番目ですけれども、配電対策は何も講じない+家庭での新規需要創出ということで臨んだ場合ということですが、家庭側ですべてやるということですので配電対策は不要ということでありますけれども、このために一定量の出力についてその系統への流入が抑制をされると、発電量について系統への流入が抑制をされるということでありまして、これも少々粗っぽいですけれども、NEDOの方で群馬の太田市でなさっている「系統連系技術開発及びその関連対策」というもので、今モニタリングされている数字からしますと、春季において出力抑制が起こる量が4.6~20.4%ということでありまして、ほぼその中間ということで、切りのいい数字ということで10%ぐらいが流入抑制、出力抑制がかかるというふうに置きました。

    そうした場合に、次の課題のところにありますけれども、2030年度では5,300万余りの太陽光が入り、それによって、稼働率の置き方によりますけれどもおおむね500億kWh余りの電力量が想定をされて、その10%となるとここでは52.5億kWhとこのぐらいの電力量が系統に流れ出なくなるというようなところを示しております。

    それから、あと配電系統で何もしないとなりますと、その地域ごと、これはミクロな地域も含めてですけれども配電系統の逆潮量に差が出てくるので、太陽光パネルを設置しようとする方々の間で不公平が生じるとこういう問題がございます。

    対策量のところですけれども、出力抑制がかかるということとしましても、余剰電力対策としては一定程度かかるということで、それが余剰電力対策の側で大きく減少するわけではないのではないのかというふうなところをお示しをしております。

    それから、12番目の資料は、配電対策でございまして、配電系統の強化をするということで変圧器の分割設置等とございます。これにつきましては、次のページ13ページ目を見ていただきますと、この試算の前提としては配電系統のモデルとしまして、一般的に標準的な配電系統のモデルを設定して、それと太陽光パネルが5,300万余り導入された場合の電圧上昇を試算して、この差分のところにどれだけの対策が必要なのかというところを試算していただいたということでございまして、前のページに戻っていただきますと、そのための対策として、まず電圧上昇対策としましては電圧調整装置の設置ということで、2.4万箇所3,600億円、それから柱状変圧器の分割設置ということで110万箇所2,200億円。それからもう一つ配電用の変電所バンクでの逆潮流対策ということで、これに4,000箇所300億円ということで、合計で6,100億円になるという数字を積み重ねていただいております。

    ここで14ページ目のところで配電対策で一たんここでまとめをしておりますが、まず配電対策を行うべきかどうか、オプションの(1)として何もしない場合と、今の配電対策の(2)の方の選択なのですけれども、2030年度において配電対策を行わない場合の出力抑制量、流入抑制量は52.5億kWhと試算をいたしましたが、これは他の発電で補うと平均的なアバウトな電源コスト、仮に7円としますと52.5億kWhを掛けますと約370億円と。それからそれをカバーする分は基本的には火力でカバーするとなるとしますと、CDMのクレジットでCO2の排出量分をオフセットしようとすると、それにトン当たり2,500円かかるとすれば50億円程度と、合わせると400億円プラスアルファのコストが年々の損失になるということであります。

    これに対しまして、配電対策としての費用は6,100億円程度ということでありまして、配電設備はおのずと20年以上にわたって使用することが可能ということで、20で割りましても300億円ということであります。額を比べればこちらの方が比較的少なくて済むということであります。

    それから次の矢印のところに、いずれにせよなのですけれども配電強化を行いませんと、配電網の強弱によって逆潮流量に差が生ずるために、太陽光パネルの設置者間の不公平が生じるということで、これらを勘案しましてもまず配電対策については必要ではないかと考えておりますし、これは2030年の絵図面ではありますけれども、地点地点の状況を考えますと足元からでも必要となるかもしれないというような状況があるのではなかろうかなというふうに考えております。

    続きましては15ページ目以降、ここからは余剰電力対策についてということであります。オプションの(3)としましては、蓄電池を家庭側に設置した場合ということでありますが、太陽光パネルの出力の7時間分の蓄電池を需要家側に設置をして、昼間の太陽光発電による余剰電力を蓄電池に充電をすると。余剰が解消される夕方以降に放電をするものということであります。

    ここでは特長、課題それぞれございますけれども、まず対策量のところを見ていただきますと、年末年始、ゴールデンウィーク中は出力抑制を行うとした場合に、先ほど申し上げましたように、2030年度の断面で2,800万kWまでは蓄電池による余剰電力対策が不要ということですので、それを超えたところで対策を講じるということを考えなければならないということであります。

    一方、系統全体としての需給バランスを保つ必要があるので、家庭側でやったからといって系統側の余剰電力対策が全く要らないということにもならないので、一定量は考えなければならないということかと思います。それを前提にしますと、導入量と想定される5,321と余剰電力対策が必要となるラインの2,800万の差分、これを超えると各家庭で蓄電対策をやっていただく、それを7時間ため得るリチウム電池で計算をするとどうなるかというのがこの数字でありまして、この差分の7時間の1.8億kWhをkWh当たり10万円のリチウムイオン電池で掛け算をすると18兆円ほどかかると。寿命が10年ということでありますので、各年の費用に直すと年間例えば1.8兆円とかそういう数字以下のものになってくることかと思っております。これに加えて系統側の対策費、若干の対策費が加わってくるということでございます。

    それから次の16番目のオプションの(4)は、これは蓄電池を系統側に設置をするということで、大容量の蓄電池を系統側に設置をする、太陽光とベース供給力の出力の合計が需要を上回った場合の余剰電力を蓄電池に充電をして、余剰が解消される夕方以降またはその翌日以降に放電をするということでありますけれども、ここではまず春の時期の電力の余ったところをどれだけ吸収していくかということを考えるわけでありまして、その量を2.3億kWhと考えております。これは系統側では比較的電池を置くスペースの制約が少ないということで、金額的には安いNaS電池を置けるということになりますので、それを使った計算をすると2.3億kWhの2.5万円に若干用地費を入れまして6兆円ぐらいのコストになるのではなかろうか。寿命が15年ということでありますので、年間のコストも相当少なくなるという電事連試算がございます。

    こうしたものがあるのに加えて、今度はオプションの(5)でありますけれども、17ページ目でございます、揚水発電でございます。揚水発電は基本的に電池と同じと考えまして、余剰電力を揚水動力として吸収をして余剰が解消されるときに発電を行うということでありますけれども、揚水に関しましては、実際に投資のコスト、一番下のところになりますけれども、kWhに直せば大体2.3万円ぐらいではなかろうかと粗っぽい前提ですけれども置いておりまして、これを先ほどの2.3億kWhの数字に掛け合わせますと約5.3兆円というふうになります。耐用年数はこちらの方は60年さらにその先というふうにもつ施設でありますので、減価償却の方の費用に戻せば相当安くなるということであろうかと思っております。

    ただ、揚水に関しましては、次の18ページ目にありますように、リードタイムが非常に長いものであるということと、それから既に供給計画などで計画をされている揚水発電所について言えば、今後のその他の電源開発ゆえに必要となるものを既に織り込んでいるというものですので、太陽光パネルゆえの余剰電力対策としては活用することはできないということで、仮にするとすればこれから先将来の導入量を見込んで揚水発電所を作っていくのかどうなのかということについてのそもそもの判断なり、仮に判断をしたとしても、用地の確保から建設に向けての準備を相当かけてやっていかなければならない、こういう制約があるということでございます。

    以上が余剰電力対策の幾つかのオプションで、このほかには19ページ目それから20ページ目でありますようなその他の対策費用として、出力変動対策としての火力発電等によるバックアップと調整、19ページ目でございますけれども、これに関しましては年々の費用としてかかってくる部分でございますけれども、今回作業が間に合っておりませんので次回以降にお諮りをしたいというふうに思ってございます。

    それから20ページ目は地域間連系線の活用ということでありますけれども、後ほど太陽光発電の地域の偏在性につきまして資料が出てまいりますけれども、仮に地域間のアンバランスを解消するために何らか連系線が必要となった場合、どれだけのコストがかかるのかということをイメージとしてお示しをしておりますけれども、20ページ目の下にありますように、新たに連系線を作ろうとしますと、これは過去に実際に整備をされた連系線のコストの例なのですが、3つのケースがございますけれども、いずれも2,000億円弱から4,000億円ということで、そこだけでも大変なプロジェクトコストがかかってくるというところを見ていただければと思います。

    21番目からですけれども、配電強化の実施を前提とした有意なオプションの組み合わせということでございまして、ここでは配電強化は配電強化として進めていくところは先ほど申し上げたところでありますけれども、複数シナリオがあり得る余剰電力対策に対して仕分けをするとどうなるかということをお示ししております。

    (1)に需要家側に蓄電池を設置する場合、(2)に系統コントロールということで揚水を作る場合、(3)に系統側に蓄電池を置く場合、(4)に揚水と系統の電池この両方を考える場合とございます。どの枠を見ていただきましても、一番下のところに「需給調整対策として火力発電により調整運転を実施」というのがありますけれども、これはいずれにしても必要だということですべてのシナリオの中に入っているということでございます。

    この4つのシナリオを考えますと、もう今まで御説明申し上げてきましたのである程度御案内かと思われますけれども、次のページの22ページ目のところでそれぞれコストを比較したものがこの表でございます。いずれも同じ出力抑制を年末年始とゴールデンウィークに行うということで、それに関わる失われるコストと、それから配電対策これは基本的には共通で、家庭側に蓄電池を置いた場合には、若干それによって配電対策がセーブできる部分があるのかなということで(~6,000億円)というふうになっているということでございます。

    それから、余剰電力対策としては、家庭側に置いた場合には10年間ほどの償却期間を想定して18兆円。揚水については(2)のところでありますけれども5.3兆円で60年と。それから系統側の電池ということでは、6兆円で10年から15年程度というふうに考えているということでありまして、その一番下のところ(4)のところを見ていただきますと、揚水の部分とそれから蓄電池の系統の部分をあわせて考えるということでありますけれども、先ほど申し上げましたけれども、揚水発電に関しましてはこれから新たに地点を探し計画を作り込んでいくのかということになりますので、現実的に5,300万の導入に関する見込み、これは政府の目標として進めていくわけではありますけれども、それありきということとして揚水を作り込んでいくという判断もなかなかしかねところもありますので、経済的には揚水が有用とはいいつつも、現実的なシナリオとしては系統側の蓄電池をまず置いていく、それで何らか揚水を作り得るチャンスといいますか機会といいますかがあったときには、その分が使えれば系統側の電池の費用がそちらによってセーブされるのではないか、こういう数字になっているということでございます。

    それからこの余剰電力対策以外のところで、その他の費用として、火力による調整運転、

    それから蓄電池揚水の放電ロス・揚水ロスといったもの、それから一番右端には太陽光の出力をモニタリングしたり、それから中央給電司令所の方でそれらをコントロールするシステムといったものが、これは相当幅がある数字でかいてありますが数百億円から最大4,000億円ぐらいということで掲げております。このところからしますと、私どもとしては(4)のオプション、シナリオの組み合わせというものが一番有利なものでないかなというふうに考えているところでございます。

    それから、23ページ目以降は、日照による太陽光パネル普及の偏在についてということで幾つか資料を並べておりまして、23番目はこれは各県の10万世帯当たりの普及設備容量をkWで示しておりますけれども、図のとおり九州の佐賀県とか熊本県とか宮崎県で進んでいまして、北海道、青森、秋田などは非常に遅れているということで、この導入量の幅を見ていただきますと、かなり進んでいるところと進んでいないところで相当差があるということであります。

    それから24ページ目は各県の年間日照時間ということでありまして、今出ておりますような宮崎県とか佐賀県の有明海側というのが比較的良いということ。瀬戸内ですとか東海ということで、ぱっと見るとプロ野球のキャンプ地みたいなところはいいのだなということが見てとれるし、意外と自動車産業のあるようなところも、東海とか瀬戸内とかそういうところもいいのかなということで、私が以前勤めておりました秋田県なんかは非常に良くないという状況でございます。

    25ページ目は各県のパネルの1kW当たりの発電電力量をまず色分けしたものでありまして、26枚目のところに実際の発電電力量を書いております。これはパネル、全国平均を1としてそれを比率で表したものでありますけれども、一番いい山梨県あたりですと1.12と、一番悪い秋田県でいいますと0.81というこういうバランスであります。

    これをもとに27番目、28番目につきまして、27番目は全国平均を1とした太陽光パネル1kW当たり発電燃料量の係数に比例してパネルが普及した場合の数字とkWでお示しをしておりまして、その28番目はkWhで見るとどうなのかという数字をお示ししているということでございます。

    自ずと申し上げましたような日照の状況などによりまして偏在性はありますし、実際には各家庭なり工場なりで太陽光パネルをコートするときに、日照による発電電力量というのが一方で限界的なコストということになってきますので、実際の偏在性はこれよりもう少し見通しとして強まっていくのではなかろうかと思っているところであります。

    29、30ページ目のところは住宅用太陽光の地域別導入量の試算ということで、どれだけの住宅着工が見込まれるのかということをもとにした導入見込量と、それから30ページ目は今度は非住宅用の導入量の試算というものをそれぞれ統計より見通したものということでございます。

    ばらつきにつきましては今申し上げましたとおりなのですけれども、このぐらいのばらつきであれば地域間の連系線を追加的に整備するとかしないとかということにはならない。太陽光ゆえの連系線の整備ということは今の系統の状況からすれば不要なのではないかというふうに私どもとしても考えた次第でございます。

    それから、31番目以降ですけれども、追加的なポイントとしまして電源側の付加的な機能ということなのですけれども、系統安定化対策ということとも関わるものということで必要なものを並べております。一つは太陽光の出力抑制をしようとする場合に、そのスケジュールを管理する出力抑制をしていくための何らかの機能が必要なのではないかというのが31ページ目でございまして、それから32番目は単独運転の防止、不要解列防止対策でございますけれども、何か安全上支障があるような事態が生じた場合にそれらによって瞬時電圧低下といった系統擾乱というのでしょうか、そういうものができるだけ生じないようにするための機能というものを個々の太陽光パネルに持っていただく必要があるということ、こういうものの機器類、機能が必要でないかということをお示ししております。

    それから33枚目は、(参考)として標準電圧についてでございます。これで各国の電圧変動幅といったものを掲げておりますけれども、標準電圧の適正範囲を変えることによりまして配電対策の量が減る可能性もあるということなのですが、余剰電力対策費用に比して配電対策費用は比較的小さいということでもありまして、家電製品への影響等も勘案すると、今後これについては必要に応じて検討すべき課題というふうに位置づけられるのではないかなというふうにここでは整理をしております。

    それから、34番目以降、本日ここにつきましてはさまざまな御意見をいただきましてまとめていくわけではありますけれども、とりあえずの事務局としてのまとめ案として幾つかの項目を掲げております。

    まず一番初めの矢印のところ、今回の試算におきましては、2030年度に太陽光パネルが5,321万kW導入されることを前提として、系統安定化対策のために必要となる配電網の電圧上昇や余剰電力に対応した設備の規模について試算したというものでございまして、矢印の二つ目は、配電対策としては、変圧器の分割設置や電圧調整装置の導入が有効であり、経済面や公平性の観点から、今後太陽光パネルの普及に従って配電対策を行うべきというふうにまとめております。

    それから三番目は、余剰電力対策については、太陽光パネルを設置する需要家側で蓄電池を大量に設置することは費用面や実務面から必ずしも得策でないということで、揚水発電や系統側の蓄電池によって余剰電力対策を行うことが望ましいという整理をしております。

    一方、合理的な設備形成の観点からは、一定の出力抑制ないしは追加的な需要創出とありますが、基本的には出力抑制が必要でありまして、そのあり方や具体的な方策については今後検討が必要ということも書かせていただいております。

    さらにということで、余剰電力対策を行った結果として、出力変動による負荷追従が可能かどうかを検証すべきでございます。これは出力変動対策は次回以降火力のバックアップなどについての議論をまたお願いしようと思っておりますが、余剰電力対策をした結果電力の出し入れということで出力変動にもなるということでありますので、その効果については検証すべきで、それとの兼ねあわせで火力も含めた全体の出力変動対策を考えるべきということかと思っております。

    それから、次の矢印は、日照量の違いによって太陽光パネル普及の地域偏在があるということですが、今回お示ししたような検討の結果というのでしょうか、その偏在が生じる可能性がありますけれども、2030年度に太陽光パネルが大量普及した場合でも、その偏在が連系線の強化が必要なほどには大きくないものと考えられるということでございます。系統対策上はその偏在は余り考えなくてもいいのではないかという整理をいたしております。

    それから次の矢印としまして、太陽光パネルの出力抑制、単独運転防止対策、不要解列防止対策については、JET認証化等の具体的な基準づくりも含めまして今後検討が必要ということでございます。なお、電気事業法26条に基づく適正電圧範囲については、家電製品への影響等も勘案して、今後必要に応じて検討すべきものと整理をしております。

    最後に、以上の見解については、太陽光パネルや蓄電池等の設備の価格、太陽光パネルの普及状況、電力需要や年負荷、日負荷の変化、今後の知見の蓄積などにより大きく変わり得るということで、これらの諸要素の状況について今後とも注視することが必要ということでございます。

    それから36番目は、第3回小委員会に向けての検討課題ということでありますが、今回得られた試算結果の精査を行いながら、各対策シナリオについて2030年度までの期間における設備導入量等の試算に基づき、系統安定化対策の総コストを試算するということでございます。本日の設備導入のイメージにつきましても、さまざまな御議論があるかと思いますけれども、導入されることが適切と思われる設備の規模などをもとにして、一方でそれがどのタイミングでどう踏襲されていくのか、それがどう費用に転嫁されていくのかということを整理しながら、総コストの試算に当てはめていくということかと思っております。

    それに加えまして、次の矢印ですが、出力変動対策としての火力のバックアップ等に要する費用、その他導入拡大に伴って増加すると考えられる費用や電池の充放電ロスといった費用、こういうフローのコストについても整理を行うと。その上で、一定の仮定のもとで一般電気事業者にとっての追加的な電源コストを試算をして、上記の系統安定化対策コストとあわせてコスト負担のあり方を整理検討をするということで、最終的にはそれらを踏まえて各シナリオについて総合的に評価を行っていくということかと思っております。

    次のページ以降は参考資料ですけれども、37番目には年負荷率の推移についてお示しをしております。ここのところは改善傾向にございますけれども、改善傾向は若干頭打ちという感があるかと思っております。

    それから38番目は諸外国の年負荷率の比較ということで、日本は春夏秋冬ございますので比較的負荷率はよくないという数字でございます。

    それから39ページ目は先ほど触れましたところを若干詳し目に書いているということでございます。

    40番目のところは、これは横山先生の方から以前御紹介がございました、スペインにおける風力発電の中央給電指令ということでございまして、Control Centre for Renewable Energiesということで、新エネルギー特に風力発電を対象とした中央給電司令所があるということで、次のページにもありますけれども、580カ所の風力発電所がこのセンターによりまして制御・運営をされていると、そこにおきましては風況、発電量など統計的手法を用いながら予測をしながらリアルタイムで系統全体の制御を実施しておられるということで、大変これは参考になるものかと思われますので、今後とも引き続き詳しく勉強をしていきたいというふうに思っております。

    資料の2はちょっと長くなりましたけれども以上でございます。

    それから資料3、4これは簡単にと思いますけれども、まず資料3は、「太陽光パネルと系統連系に関する我が国の取組」ということでございまして、非常に古くなりますけれどもまず経済産業省では備考のところにありますように「サンシャイン計画」ということで、太陽光発電といったところに関しても研究開発を進め始めたということでありますけれども、それ以降太陽光発電システムの78年の研究開始ですとか、86年には六甲アイランドで一般家庭100軒分の太陽電池をつなぐNEDOのプロジェクトですとか、それから、92年ごろからは余剰電力買い上げといった仕組みが導入をされたところです。

    それから裏の方にまいりまして、先ほど触れました群馬県太田市などの実証などは2002年から集中連系型太陽光発電システム実証研究ということで始まっている。それから2006年からはメガソーラーの実証研究ということで稚内、北杜市においてそうした実証研究が進められてきているということでございます。

    それから資料4でございます。先ほど説明の中で出力抑制、ゴールデンウィークと正月ぐらいは少なくともしなければということを申し上げましたが、一方で余剰電力対策等の一環としては需要創出ということも考えられますので、その例として電気自動車それからヒートポンプ給湯器の導入によってどの程度の需要創出効果が考えられるのか、非常に粗々の試算でございますので、あくまで御参考にということでお示しをしたいと思っております。

    めくっていただきまして、1ページ目は太陽光パネルでどの程度の出力が考え得るかということで、設備容量が5,321万として、80%発電とすると4,257万kW出ますよということを簡単にグラフに示したものでございます。

    次の資料の2番目は、ヒートポンプ給湯器の需要ということですが、エネルギー長期需給見通しでは2030年において1,430万台と想定をされておりまして、主としてこのヒートポンプ夜間の電力をということなのでありますけれども、その夜間消費する電力を昼間に50%ぐらいシフトさせるとどうなるかということで、下の図のところにあります赤の字で書きましたようなところにありますように、昼間の需要3,219万kW、ピーク需要として644万kWが太陽光パネルの発電を吸収できるようになるのではないだろうかというような粗っぽい可能性を示しております。

    それから電気自動車につきましては、2030年5,800万台のうちの5%程度を電気自動車にした場合ということで、大体300万台、もう少し本当はいくのかもしれないかもしれませんが、300万台を導入台数として、真ん中の表にありますようにさまざまな運転パターン充電パターンの車があるということで、AからIまでずっと書いておりますけれども、この充電は基本的には夜間にしていただくということであるものを少し昼間に可能なものは回したらどうなのかということで考えてみたものでありまして、これに対して昼間の需要1,031万kWhとピーク需要で281万kWが太陽光パネルに対応できる可能量ということでありまして、最後の4番目のところに、この二つをまとめるとピーク時太陽光パネルの発電分4,256万kWに対して、エコキュートと電気自動車を合わせましてピーク時925万kW程度の余剰電力の解消が可能となるのではなかろうかということで、それを図示したものがこの右側のものということでございます。

    あくまで参考でございますけれども以上でございます。ちょっと長くなりました。

  • 横山委員長

    ありがとうございました。それでは資料5につきまして伊勢オブザーバーの方から御説明をお願いします。

  • 伊勢オブザーバー

    海外電力調査会の伊勢でございます。早速ですが資料5に従って御説明を申し上げたいと思います。

    私の方からはドイツでこのほど行われました再生可能エネルギー導入に伴って生じます間接費用の試算について御説明を申し上げたいと思います。2ページ目をご覧ください。

    試算に至るまでの経緯ということですが、御存じのようにドイツでは大量の再生可能エネルギー利用、高コストの再生可能エネルギーを大量に導入してございますので、再生可能エネルギーの電源費用が多く発生する。それに加えて、系統安定化費用などの間接費用が今後さらに増加するであろうというような議論がドイツでは2005年前後から行われておりました。しかしながら、これに関する定量的な評価はドイツでもございませんでした。

    定量的な評価がない中にあっても、ドイツでは直接費用に加えて間接費用も消費者に転嫁する方式がとられておりますので、消費者特に大口需要家にとってはその間接費用の大きさを把握しておく必要があるだろうと。場合によっては何らかの間接費用の負担緩和措置を政府に求めていく必要もあろうということで、このほど大口需要家の一部ということになるかと思いますが、金属産業連盟というところがベルリン工科大学に委託しまして、間接費用を試算しております。

    本日はその間接費用の試算結果について御報告申し上げたいと思いますが、この試算結果が公表されましたのがこの10月でございますので、これに関する国内外の評価というものはまだ得られておりませんので、本日はその試算結果の評価等々は横に置いておきまして、試算結果そのものを御報告申し上げたいと思います。

    3枚目をご覧ください。報告の流れでございますが、メイントピックスは今申し上げたように間接費用のところにあるわけですが、最初に電気事業体制や間接費用の試算に関わる直接費用の平準化スキーム等々について導入を図らせていただいた後、間接費用の試算結果について見ていきたいと思います。

    4枚目をご覧ください。ドイツの電気事業体制ですが、左の図にありますようにドイツの電気事業の中心はこの四大電力グループというところが中心となっております。右の図にあるRWE、EnBW、e.on、Vattenfall Europe、この4社が中心となっております。図ではあたかも垂直統合のような形で書いておりますが、グループ内でEU指令を受けまして発電会社、送電会社、配電会社、小売会社という四部門に分けております。

    発電部門に関して見ていくと、発電部門に関しては四大電力グループの発電会社がシェアの8割から9割を持っています。IPPも存在するわけですが、火力による大型のIPPはドイツでは余り存在していません。ほとんどが再生可能エネルギーによるIPPです。そうした再生可能エネルギーによるIPPの供給が不安定な部分は調整しなければいけないわけですが、その調整はしたがって四大電力グループの発電会社が持っている火力発電機で行っております。

    送電に関しては、ドイツでは38万、22万を指して送電と言っているわけですが、四大電力グループの送電会社四社が設備を100%所有し運用を行っております。

    配電についてはドイツでは11万以下を指して配電と言っておりますが、四大電力グループの配電会社とこれに加えてドイツ全国に900ぐらい市営の配電会社がありまして、これが配電事業を行っています。

    小売に関しても同様に、四大電力会社の小売会社と市営の小売会社が事業を行っているという状況です。これに加えて図にあるEEXというのは、我が国のJEPXに相当する組織で卸電力取引所、ここで大体卸電力の3割程度が取引されていると言われています。

    右の図は今申し上げてきた四大電力グループの供給区域でございますが、この図では海岸が明らかではないのですが、e.onという会社とVattenfall Europeが海に面しておりまして、ここに一時的には再生可能エネルギーの供給が集中します。したがって、ドイツではコストの負担を平準化するために、平準化スキームが設けられております。

    5枚目をご覧ください。今言ったコスト負担の平準化についてですが、ドイツはこの図にありますように再生可能エネルギーの発電会社が発電した電力は、最終的には小売会社を通じて全国の最終需要家にコストが転嫁していくという形です。もう少し細かく上の方から見ていただくと、再生可能エネルギーの発電会社が発電した電力は、まず一時的には配電会社が受け入れ、そして送電会社がその管内の配電会社から再生可能エネルギーによる電力を買い上げる。先ほど申し上げたように一部の送電会社に受け入れが集中いたしますものですから、四社の送電会社間で受け入れ量の平準化を図るということになっています。

    さらに送電会社から小売会社に転嫁していくわけですが、送電会社のところまでは実量ベースで受け入れていく。しかし、送電会社から小売会社への再生可能エネルギーによる電力の受け渡しというのは、実量ベースではなくて月ごとの想定ベースで受け渡していく。なぜかというと、小売会社の供給力が実取引のぎりぎりのところまで決まらないと小売会社としてもお客様を持っていますので困るということで、これは月ごとの想定ベースで引き渡しています。

    具体的なイメージは6ページをご覧ください。緑の水平に描いた線が今言った月ごとの想定ベースで引き渡していくという例でございます。送電会社が月別に風力による供給量を想定して、それをベースにして毎日毎日同じだけの電力を引き渡していくというような形で、再生可能エネルギーの電気は小売会社に引き渡されていきます。ただし、実際の物理的な電気というのは、特に風力ということになるわけですが、上に下にぶれるわけです。このぶれは当然ながら調整しなければいけないので、送電会社が別途予備力等を使って調整していく。その調整に要した費用は送電料金に転嫁して、最終的には需要家から回収するという形でドイツでは行っております。

    7枚目をご覧ください。今言ったような需給のぶれの調整費というのも間接費用の一部なわけですが、今回の間接費用の試算では、そういったものに加えてここ7枚目に書いてあるようなものが試算の対象となっております。

    具体的には、間接費用の下の内訳の項目に書いてある上から6つ、沖合風力の系統接続費用から火力発電設備の運転パターンの変更にともなう費用のところまで足し上げて、その費用から下の二つの項目を差し引いて正味の間接費用を算出しております。それぞれの費用項目が具体的に何かということについては後ほど御紹介したいと思います。

    先ほど直接費用の回収方法について見ましたが、間接費用に関しては回収については送電会社、配電会社が送配電料金に転嫁して回収しています。ただし、平準化スキームが設けられているのは沖合風力の系統接続費用のみということになっております。

    8枚目をご覧ください。今回間接費用算出の対象とした電源でございますが、基本的には今回風力、太陽光にしようと。水力、バイオマス、地熱に関しては将来にわたって見てみると設備の増設が少ない、または出力変動が相対的に少ないということで、今回はとりあえず風力、太陽光を対象とした間接費用を算出しております。

    9枚目をご覧ください。9枚目は2006年と2020年時点での間接費用、年経費でそれぞれ比較をしております。試算は大変控え目に行っておりまして、最低限必要であろうという水準で試算を行っております。この表に色がついた部分については後ほど御説明申し上げますので、色がついていない項目についてだけ見てまいりますと、まず長距離送電にともなうロス対策費用ということでございますが、ドイツはこれまで沖合風力を作らなければ、需要地点と発電所が立地している地点が大変近く、それほど長い距離の送電を行う必要がないような国でございました。しかしながら、今後北の方の沖合に風力ができてまいりますと、ドイツの場合北の方よりも南の方の需要が多いということで、北から南への重潮流が発生する。それの対策費用が必要だということで、このための費用が試算をされております。

    あと火力発電設備の運転パターン変更に伴う費用ということですが、これは再生可能エネルギーの導入がなければ費用最小化で火力発電設備の最適な運転パターンができるところを、風力や太陽光が入ってくることによって火力発電設備の運転パターンを変更していかなければいけない。これは、そのための費用です。

    あと、バックアップ電源の維持費用は、先ほど見たような需給調整に必要な電源の固定費です。従量費に関しては色がつけてあるところですが、送電会社による需給調整の費用のところで見ております。

    次に10枚目をご覧ください。個々の費用項目の内容でございますが、沖合風力の系統接続費用ということで挙げておりますが、基本的には、ドイツの場合は電源線の建設コストというのは通常、再生可能エネルギーであっても発電会社が負担するという原則がございますが、沖合風力に限っては電源線のコストの一部を送電会社の負担としてございます。この一部というのは、沖合に変電設備を沖合風力の場合設置することになると思うのですが、その変電設備から電力会社の送電線の間の電源線の費用を負担するとうことになっています。これについて、先ほど申し上げたように、4つの送電会社間で平準化を行うということです。この年経費が2020年地点では5億4,000万ユーロぐらい必要だろうと試算をされています。

    11枚目をご覧ください。系統増強費用ですが、これに関しては政府系の機関でありますが、ドイツ・エネルギー機関というところが2005年時点で再生可能エネルギーのシェアを20%にまで高めた場合の増強費用を算出しております。これがおよそ11億ユーロというふうに算出されておりました。しかしながら、その後の動向を見てまいりますと、なかなか送電線の建設がうまくいかないということで、そのための対策費用が今後12億ユーロ程度必要だろう。具体的には新規に建設する送電線のうちの2割程度を地中化しようということで考えているようです。

    あとその次の項目ですが、再生可能エネルギーの導入目標自体が上方修正されております。当初は2割程度を再生可能エネルギーのシェアとしようとしていたのですが、この7月に法改正が行われまして、3割程度を目標とするということで、このための追加的な費用が15億ユーロ必要と。この11億ユーロ、12億ユーロ、15億ユーロを足し込んだものを年経費にしたものが2億7,000万ユーロということでございます。

    12枚目をご覧ください。送電会社による需給調整の費用ということですが、当然ながら先ほど見たように、風力の場合想定値と実際の供給量のずれが生じます。教科書的にはドイツはこの下の枠に書いてありますが三つの段階を踏んで調整が行われます。この三つの調整費用を足し込んで年経費にしたものがこの12枚目に書いてある水準でございます。

    13枚目をご覧ください。一番わかりにくいのは試算項目の中で「メリット・オーダー効果」というものがございます。これは再生可能エネルギーによる電力導入量を今後増加していくと、具体的に見ると先ほど平準化スキームのところで見たように、送電会社から小売会社への再生可能エネルギーの引き渡し量が増加をしていくと、月間先渡しのような形でその導入量が増えていく。それが増えていくと元来非再生可能エネルギーの電力を扱う市場、通常の火力等々の電気が取り引きされる卸電力市場からの電力購入量が減少するだろうと。そうすれば通常の卸電力市場の電力価格が低下するのではないかというのが一点。これは短期の効果ですが、もう少し長期に見ると、全体的に再生可能エネルギーの供給量を増やしていくわけですから、それに従って火力発電設備の投資が抑制されるのでないか、また、老朽火力プラントの早期閉鎖等々が行われるのではないかということで、供給量自体が減るのではないかと、供給が減れば先ほども言った卸電力市場の電力価格が上昇することもあろうということで、結局卸電力市場の価格が下がるのか、下がる効果と上がる効果と二つあるけれども、足し合わせるとどうなるのかということなのですが、非常にこれを想定するのは難しい。特に火力による供給量がどのぐらい減るかということを想定するのは難しい。特に設備投資に関しては、電力会社の経営戦略的な側面もありますので、そういったことを長期にわたって想定するのは非常に困難ということで、今回の報告書における間接費用の試算ではこの効果は見ていない、ゼロというふうに置いております。

    14枚目をご覧ください。以上見てきた間接費用の試算、年経費で見てきたわけですが、kW時で見ているのがこのスライドでございます。2020年時点で見ますと0.6~0.7ユーロ・セントぐらいが間接費用になるだろうと。今回の依頼元である大口需要家の直接費用はどうなるかというと、これは負担緩和措置が直接費用に関してはとられておりますので、マックスは0.05ということで法律的に決められております。そういうことで、これを比べますと間接費用の負担がかえって大きくなるというようなことで報告書が締めくくられております。

    15枚目ですが、今御説明申し上げた資料はネットで公開をされておりますので、御興味のある方は御一読いただければと思います。

    以上でございます。ありがとうございました。

  • 横山委員長

    ありがとうございました。それではただいま御説明をいただきました資料2から資料5につきまして、皆様から御意見をいただきたいと思います。多分たくさん御意見があろうかと思いますので、御発言のときはネームプレートを立てていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。それでは活発な議論をお願いしたいと思います。

    それでは小笠原委員からお願いします。

  • 小笠原委員

    資料の説明をありがとうございました。特に資料2につきましては、短期間で非常に集中的によく試算をされて大変だったのではないかと思います。御苦労さまでした。

    とりあえず幾つかあるのですけれども、資料2の4ページ目のところでケース設定のお話が出ております。こちらの中では努力継続ケースをもとに2020年度2030年度の総需要等を考えながら想定を行ったという話だったと思うのですが、最大導入ケースというのもやはり国としていろいろ取り組んでいらっしゃるところで、その対策の打ち方によっては電源構成が変わってきたり、あとロードカーブが影響を受けたりということで、今回のロードカーブなりの想定のもとではこれだけ蓄電池等を含め対策が必要だという試算結果なのかなと。それらは費用の屈曲点に影響をしているということを考えるのであれば、これは努力継続ケースではこうなっているけれども、さらに、逆説的ですけれども、ピークを抑えるような対策をとっていったりすると、屈曲点が早まったりということもあり得るので、これは一つのシナリオとして考えてさまざまなほかの政策を見ながら多分対策コストというのは大きく変わってくるのだろうという結論なのだなというふうに受けとめております。

    あとは、若干感想めいたお話になってしますのですけれども、今回の試算になっていきますとやはりピーク電力の意味が変わってくる。これまではピークを抑制しようとかそういうところもありましたし、またピークの電源の確保というところもいろいろ問題になったのですが、それらを一部蓄電池が代替するというか、そういうファンクションを持つということもございますし、あとはよりピークに需要を持ち上げていかなくてはいけないような局面も出てくるということで、これまで省エネルギーとピーク抑制とある程度つながっていたのですけれども、そういう政策的には変わってくるとともに、またこうした極端な断面ではあるかもしれませんけれども、卸電力市場ですとかそういうところの価格形成なりPPSの競争環境というのが随分変わってくるのだろうなということで、ちょっと長いレンジの話ではありますけれども、競争政策なりという観点では、いろいろ今後考えていったり、取引譲渡の取引ルールなんかにも影響を及ぼしてくるのではないかなというふうに考えた次第でございます。

    また、蓄電池の置き方ですけれども、これは例えば非住宅用なんかで自発的に設置されていくというのは妨げないものだと思いますので、そういう料金メニューなどでこういうのを誘導したりとかという考え方もあると思いますが、そうしたパスというものも多少影響してくるのではないか。特にメガソーラーなどの案件の話が最近できておりますので、そうしたものと家庭用のものとで考え方を同じにするのか違うのにするのかということによっても、恐らくコストの考え方負担のあり方というのが変わってくるのだろうなというふうに思った次第です。とりあえず以上です。

  • 横山委員長

    はい。どうもありがとうございました。一応御意見ということでよろしゅうございましょうか。ありがとうございました。

    ほかにいかがでしょうか。では戒能委員からお願いします。

  • 戒能委員

    はい、ありがとうございます。

    まず資料2の試算の一番重要なパラメータは、2030年に向けての電池の値段が幾らになるかが致命的なパラメータなのですが、ちょっと2ページ3ページの前提と後ろの話に違和感がありまして、例えばナトリウム硫黄電池やリチウムイオン電池を何億kWh相当分これから量産するのに、例えば3ページですとナトリウム硫黄電池というのは値段が一銭も下がらないことになっているのですが、これはやはり変です。逆にどちらかのシナリオをとって、量産の比重が変わればこの表は書きかわるはずなので、多分量産効果というのは先日から辰巳先生にちょっとお力をかりたりして、どれぐらいこれをたくさん作ると値段が下がるのかというのを考えているのですけれども、そうするとここはもう少し慎重にやった方がいいと思います。

    それからシナリオの話、4ページ以降の話なのですが、小笠原委員がおっしゃったとおりで、最大にやったらどうなのかというのは、そんなことできっこないと考えるのは変なので、やはり必要だと思います。

    それから余剰電力の処分と配電を分けて議論をされているのですけれども、例えば需要家に完全自給自足に足るだけの電池を置いてしまえば、実は配電強化は必要ないはずなのですね。14ページで、「以上を勘案して、配電対策は必要であると考えるべき」と書いてあるのですけれども、これ私疑問があります。需要家側に大きな蓄電池があれば、既存の容量で2030年までいけるかもしれないので、もしかするとそういうことをしても電池の量産効果を考えてもやはり高いのかもしれません。ですけれども、ちょっとシナリオとして配電対策が絶対要りますというのは変だと思います。

    と考えると、やはり15、16も最初の話と同じなのですけれども、需要家側がリチウムイオン電池でそれから系統側がナトリウム硫黄電池であるがゆえにコストの差があるので、入れかえるとこれは逆転しますね。ですから、本当にでは需要家にナトリウム硫黄電池は置けないのか、あるいは、例えば東京23区内みたいなところでも供給変電所にNaS電池が必ず置けるかというのはやはり、これは電池代とかスペースとかのいろいろなパラメータがあるので、これは予見として置くのは変で、どういう条件のときにこっちが安くなるというのは何か条件分岐があるのではないかという気がいたします。

    それから三つ目に、この試算の2030年でのスタティックな断面を見ておられるのですけれども、その2030年の姿にいくまでにどういう経路をたどってここにいくのですかというのは実はコストに影響を与えるので、ちょっと手の込んだ話なのですけれども、一回ちょっとどういう経路があり得るのかというのを考えてみる必要がありますね。逆に、それによって前提を見直さなければいけないというのがあり得るので、そういうのを私なんかそういうことばかりずっとやっているのでお手伝いできると思います。

    ですから、そうすると、22ページの表は、蓄電池の設置というのとそれから系統コントロール型というのは、もう一つシナリオゼロがあって、全部蓄電池で需要家側に置いてまかなってしまおうと考える。系統には負荷をかけないと。多分人口密度が希薄で、離島とか山間部だとそっちの方が合理的なのだという気がします。逆に都市部だと系統コントロール型の方がいいのではないかという気がいたしますけれども、多分何かパラメータが幾つか欠落していて、この表だけでは判断できないかもしれません。あるいは、場所場所によって差が出るときにもっと明解に説明できるパラメータがもう少し残っているような気がします。

    それから、23ページ以降の議論なのですけれども、これは前回それからその前の上の委員会での議論をちょっと誤解されていると思うのですけれども、連系線によって太陽光発電を平準化する必要があるという意見ではないです。地域差というのは当然地域の初期負担差なので、負担の問題まで考えたときにどこでお金が必要かということをどちら経由、電力会社経由でやるのかそれとも助成金でやるのか、それとも導入する人が済みませんが負担をしてくださいというのかというのに問題が生じますよというコンテクストなので、別に平準化が必要と申し上げたつもりはなかったのですね。

    ということからすると、本当はこれは後半で、新築住宅の着工件数比例で導入の試算をされているのですけれども、本当にリスクを管理するという意味からすると23ページの新エネルギー財団で統計をとられている実績値がありまして、各県ごとの新築着工件数当たりどのぐらい実際に導入されたかというのをベースに、それが続いたとするとどれぐらい差が出るかというのをちょっとやってみる必要があると思います。そうしますと、ここでお考えになっているよりもう少し差が出ると思います。手元でちょっとやってみたのですけれども、これよりはもう少し差が出ます。

    以上です。よろしくお願いします。

  • 横山委員長

    はい。幾つか御意見をいただきましたけれども、まず辰巳委員も多分蓄電池に関係があると思うので、辰巳委員の御意見を伺ってから、もし事務局からお話がありましたらお願いしようと思います。では辰巳委員お願いします。

  • 辰巳委員

    どうもありがとうございます。今戒能先生の方のいろいろなオプションがあるという御指摘もあって、確かにそこら辺を考えると非常に難しいことではあるのですけれども、そこはあるのだろうなと。ただ、今回御用意いただいた資料というのも、一つの合理性もある程度持って書かれているなというふうに私も拝聴させていただきました。

    一つ、やはり形として、戒能先生がおっしゃるように、電池の置き方をひっくり返すオプションがあるとも思うのですが、一つやはりNaS電池というのがある程度大容量に向いていて、その変動の大きいと考えられるいわゆる供給側の方に置くという一つの形があると思いまして、それでやはりメーンとして現時点でもある程度値段の安いNaS電池を系統側の蓄電設置、それを一つの蓄電のメーンとして、そしてただこの資料は、需要家側の蓄電の必要性を全く否定するものではないとそういうふうに思うのですけれども、メーンとしては系統側の蓄電池の設置をメーンとしてシナリオを書くというのは一つの合理性があるかなというふうに拝聴いたしました。

    あと二番目に、ここに資料の4で、「需要創出」という言葉がございましたのですが、多分ここというのは一次エネルギーとして新エネルギー利用に対応していこうとすると、電力利用へのシフトと、家庭なり一般ユーザーのエネルギー利用のシフトを電力として使うようにしてください、ここに出ている例えばEVが石油100%依存から少しでもエネルギー依存にしていくということなのかなと感じまして、ですから需要創出がエネルギーシフトということなのかなというふうに拝聴いたしました。

    ただ、太陽光とEVの関係で言うと、やはり一般のユーザーですと太陽光でどんどん電力が発生するときに充電するとは限らないというようなパターンも考えられると思うのです。例えば平日ですと、企業の方ですと昼間車で通勤をされるような、東京だと難しいかもしれませんけれども、各地域のあたりですと、車で通勤をされる場合に、恐らく働いておられるから車をとめておられるはずなのです。ですから例えばそういうような電力需要というのが一つオプションとしては考えられるのではないかなと。

    それからあと、これは休日なんかですと、例えば大型のショッピングセンターだとか遊園地というような、ですから電気の充電するポイントというのをある程度動くことも想定するような需要というのを考えると少しはふえていくのかなと。そのときにやはり問題になってくるのが、やはり電気を系統側も少しちょっと強くなっていて、ある程度発生地と需要地が動かせるような、電力を運べるような形になっていくと、一足飛びになかなか各家庭にある程度の大きな電池がどーんと入るというのはなかなか考えにくい中で、少し間をつないでくれるようなシナリオが可能になるのかなという感じがいたしまして、ですからいろいろ申し上げましたけれども、やはり大きなところで言うとメーンとしては系統側である程度蓄電をするということを考えて、それをうまいこと需要家に対して振り分けるシステムの強化というのがある程度必要になってくるのかなと。そうすると、需要家側がある程度電力を使うようなシステムを使い出すときに、かなりそれに即した、例えば先ほど申し上げたように昼間例えば企業側の方で充電するようなことだとか、休日でしたら遊園地で充電するようなことですとか、そういう電力を使うところにある程度、全部をまかなおうというのは大変だと思うのですけれども、少しでも利用価値が上がっていくようなものができるかなというふうに拝聴しました。ちょっと雑駁ですけれども以上でございます。

  • 横山委員長

    戒能委員が御指摘になりましたコスト、ナトリウムイオウ電池とかリチウムイオン電池のコストについては何か御意見ありますか。

  • 辰巳委員

    そうですね。結構ナトリウムイオウの方についてはいろいろお話を伺いますと、結構原材料コストの占める比率も結構高いというお話も聞きますので、大幅な変動というのもなかなか難しいかもしれない。ごめんなさい、勝手なことであれなのですけれども。

    リチウムにつきましては、先ほど戒能先生もちょっとお話ししていたのですけれども、ちょうど機械統計なんかで、小型の方ですといわゆる学習曲線というのでしょうか、その生産量がふえた場合に徐々につながってきているかという例がございまして、それなんかを見ておりますとこのコストというのは十分こういうところまでくるのかなというふうに理解をいたしております。以上でございます。

  • 横山委員長

    はい。どうもありがとうございます。短い時間の中でこのコストを算定していただいたので非常に大ざっぱになっているのは否めないと思うのですが、今までの御指摘にあったと思うのですが、需要家側のケースとして努力継続ケースが仮定されているということで、それについていろいろ小笠原委員と戒能委員から御意見をいただきました。

    それから蓄電池の置き方の仮定の仕方ということでは、もし需要家に置けば、配電対策は各需要家で整備すれば電圧の問題がなくなるので、配電対策が不要なのではないかという、多分まとめるとそんな感じの御意見だったと思います。何か事務局の方からありますか。

  • 事務局:吉野課長

    まず最大導入ケース、将来の需要の見込みに関しましては、おのずと需要が減っていくシナリオの方が、余剰電力対策一つとっても非常に負担が多くなってくるということですので、絵が描きにくくなってくるということなのですけれども、ある程度御指摘も踏まえつつ、政府としては最大導入ケースに向けての議論がありますので、これについては少し検討をしていかなければならないと思っております。

    それから、あと太陽光の余剰電力対策ということについて言いますと、御意見もあると思うのですけれども出力抑制というのをどんなふうに考えていくのかということとの関係でも、この将来の需要の見込み方というのは相当それを前提とした導入コストのあり方については議論が違ってくる部分もあるのかなというふうに思っています。

    あと、家庭側なのか系統側なのかということで、今回非常にシンプルな整理、要するに全国延べ単の状況を前提にした試算にこれはなっておりますので、その点は精緻さが足りないところかと思うのですけれども、そうすると各ミクロの地域ごとにどういう配電対策、余剰電力対策ごとに限界的にコストがかかってくるのかといったところが今後出てくると、それとの見合いでそれぞれの太陽光パネルの電気を引き取るときのコストが実際決まってくるのだろうと。そういうものが本来の仕組み上おたくのパネルの電気は系統が大変なので安くしか買えませんと、そうするとその安くしか買えないということと蓄電池を置いた方が家庭の側は得なのかという、市場に任せて何か合理的な判断となるとそういう仕組みしか想定しにくいわけですけれども、それで本当に太陽光の導入が進んでいくのだろうかということがありますので、実際に政策的にいかなる支援を講じていくのかといったこととか、系統側での負担をどこまで割り切ってやるのかといったこととか、そうした苦しい面での判断も加えながら議論をしていかなくてはならないというふうには思っております。重要な御指摘だと思いますので加味して検討をしていきます。戒能先生にはぜひ御協力をお願いしたいと思っています。よろしくお願いします。

  • 事務局:江澤課長補佐

    それから時系列については、いろいろ関係者のお手伝いもいただきながら考えてみたいと思います。結局最後コストのところを求めるのは、こういう最終的にどういう設備が入って、掛け算をしてという形では求められないと思いますので、次のコストを検討する際にその前にきちんとやりたいと思っております。

    それから需要家のみで置いたらどうなのかというケースは一つこのケースのシナリオのゼロにあたるのではないかということなので、それについても余剰電力が発生するかどうかということを含めまして考えてみたいと思っております。

  • 横山委員長

    はいありがとうございました。9ページを見ていただいたらわかりますように、蓄電池を入れずに配電対策だけで2,800万kWぐらいまではいくのではないかということで、この前からも戒能委員のおっしゃるように各需要家に蓄電池を入れていけば、この配電対策は要らなくなるのだけど2,800万を超えると突然蓄電池をどうしても入れないといけなくなるということですが、最初の出だしとして皆様に蓄電池を入れてもらうとすると、蓄電池の必要でないところと必要なところが出てきますので、不公平感が出てくるという先ほどの御説明がありました。多分ここのシナリオは最初は不公平感のないように皆様に配電対策で2,800万まで入れていただいて、そこから余剰電力対策が入ってくるので、蓄電池を需要家に置くのか系統側に置くのかというような、そういうイメージですよね。

    ですから、最初から蓄電池を入れていくという手ももちろんあるのでしょうけれども、その場合は不公平感が出てくるということも考慮されてこういうシナリオになったのではないかというふうに私は理解をしているのですけれども、何か戒能委員それについて何かありますか。

  • 戒能委員

    9ページのお話、これは2030年の断面なので、実は5,300万kWを入れたところで幾らかという単純な比較で本当はいいはずなのですね。もし例えば政策が失敗して2,000万kWだと、この話は全部検討が要らないということになっちゃいますね。

    そうすると、実はどこかの時点で導入を少しずつ進めていくと、あるところまでは系統容量が助けてくれるので何もお構いなしなのですけれども、もう仮定の話ですけれども2015年からはどうしても系統に置くか需要家に全員、きつい話ですけれども義務づけるかをしないと、この(A)のポイントを通過してしまうので、突然コストが要るようになるという御議論なのですね。だからそういうふうに二枚絵をかいてわかりやすくした方がいいかもしれません。

    そのときに、不公平感ということなのですが、私の考えは個人の考えですが逆でして、結局最初の値段が高いうちに入れてくれる方というのはそれなりにメリットがあっていいはずなので、最初のうちは、系統費はお構いなしでいいと思うのです。値段が下がってから入れられる方というのは、結局太陽電池のコストが下がって、あるいは御議論がありますけれども電池のコストも下がっているはずなので、そのメリットを享受する分ぐらいは自分で何がしかの負担をしてくださいという考え方があっていいので、多分それほどこの時間方向への問題というのがないと思うのです、と考えております。

  • 横山委員長

    はい、わかりました。それでは伊藤委員お願いします。

  • 伊藤委員

    何点かございまして、まず一点目は前回も指摘させていただいた公平性の確保という観点でお話をさせていただきます。前回私の方で問題提起をさせていただいたところもございましたので一部電力会社にヒアリングをさせていただきました。また、一部の電力会社からは情報の提供をいただきました。ある面で想定どおりだったのですが、一部の電力会社では特に配電部門における対策については喫緊の課題であるという認識を既に持っていらっしゃるということでございます。これは太陽電池の導入に関してです。

    ということですので、戒能委員からも何度も指摘がございますけれども、恐らく今後太陽電池の導入が進むと、対策費用は一部の電力会社で、特に配電側において相当短期間で増加し始める可能性があるという認識を新たにしたということでございます。

    公平性の確保は、それを料金に転嫁するということでございますとユーザーにおいて、それから事業者側が負担するということでございますと、事業者とそのステークホルダーの一つであります株主に対して対策が必要になると認識いたしております。

    それで今回の試算結果においても、配電対策についてはもう既に今後2020年2030年と待つまでもなく対策が必要であるという試算もされているわけでございますので、早い段階でそのための制度を導入していただきたいという意を強くしたということでございます。これが一点目でございます。

    それから、今回の資料は大変短期間で多方面からきれいにまとめていただいて大変な作業だったと思いますが、これはもう既にいろいろな御指摘がなされていることでございますけれども、前提の置き方によって試算結果が全く変わってまいります。ですから、多面的な試算をしていただきたいという要望を入れさせていただきます。

    特に電池に関しては、電池メーカーや主なユーザーを取材して調べさせていただいたのですけれども、原料コストなどの観点から、コストが急激に落ちる可能性のある電池があることがわかりました。例えばリチウムイオンとニッケル水素に、今これだけのコスト格差が生じているのにはやはり理由があります。ニッケル水素については一部の自動車メーカーが大量導入をしております関係で、量産効果が既に十分に発揮されているからです。リチウムイオンについては今後量産化が進む過程で生産技術の向上の効果も含めるとコストの急激な低下が起きるという見方を電池メーカーの方は持っていらっしゃいました。リチウムイオンがニッケル水素よりも安くなるという見方も一部にあるようでございました。ですから、電池の試算についてはできるだけ多面的に詳細に検討をしていただいて織り込んでいただきたいと存じます。

    また、今回ご提供いただいたドイツの報告資料を拝見させていただきましても、今回の資料2を拝見いたしましても、新エネの大量導入を進める際の対策を系統側で行うと、太陽光パネルあるいは風力等の導入が一定水準を超えると、時限装置が機能するように急激にコストが肥大化するという試算結果が出ています。

    それから、どこでどのような対策を打つかということによって事情が違ってきますけれども、コストパフォーマンスにおいては大きな格差が生じると試算されています。これが制度による誘導が必要であるという根拠であろうかと思いますが、重要なのが経時的な動きでございまして、どの時点でその時限装置が機能するようになるか、その時期を明らかにしておかないと、その制度の入れ方が全く変わってくるかと思いますので、時系列の見通しを、多面的かつ精緻に検討していただきたいと存じます。

  • 横山委員長

    はい、どうもありがとうございました。それでは諸住オブザーバーお願いします。

  • 諸住オブザーバー

    本来私の役割は、太田市やメガソーラーでの実証実験のデータや話を提供するというのが主なのですが、それ以前に本日は電池の話が出てきましたので、今NEDOでやっている蓄電池の開発の最初の基本計画を立てたときの当事者としてちょっとお話をさせていただきたいのですが、今の資料の2の3のリチウム電池の想定というのはかなり悲観的な想定になっているというふうに思われます。

    特に現時点のリチウムのコスト40万円というのは、恐らく大型定置用のリチウム電池で、実験室レベルの製造装置で作ったときのものが大体40万から100万の範囲の、一番低い近い値ですが、量産化されている小型の民製のリチウム電池は、kWhで換算すると一説によると今3万円程度まで下がっているといううわさがあって、これはエビデンスがないのでまだうちの蓄電池の開発のPLなんかが今エビデンス探しをやっているところなのですけれども、3万円ぐらいに下がっているという話があります。

    基本計画、我々実用化の出口が4万円/kWhというのが2010年ちょっとのところに設定しているのですけれども、これは参加している某メーカーが、今売り値で言うと100万円だけれども、ライン化していれば6万円だという言い方を非公式にしているので、それを前提にして4万円という出口にしていて、最後の2030年は、いろいろな実際の技術開発込みなのですけれども、1.5万円/kWhというのを基本計画の目標としています。寿命も今10年を20年にするという形にしています。恐らく、自動車の方も、多分2030年ねらっているところというのは1万円とか、それを超えたら0.5万円とかというのを目標にしていますので、それに対してさすがに10万円という設定は余りにも悲観過ぎるのではないか。

    リチウムに関しては、今後の開発が成功するかどうかというリスクがあるので幅を持たせる必要があると思いますけれども、せめてNEDOの基本計画のレベルのシナリオも入れておいていただきたいと思います。多分そうすると、2030年1.5万円/kWhと、このPV2030相当の太陽光パネルの値段で言うと、恐らくその組み合わせで全部発電したものを充電しても、今の電力会社のいわゆる低圧の料金よりも安くなるという話になりますので、がらっと電気の使い方のシナリオから考え直さなければいけないというふうに考えられます。一応そういうところで意見をさせていただきたいと思います。以上です。

  • 横山委員長

    はい、どうもありとうございました。それでは藤井委員の方からお願いします。

  • 藤井委員

    ありがとうございます。先ほど少しお話がありました、設置者側に蓄電池を置くという話で少し御説明をしたいと思うのですが、先ほど戒能委員からお話がありましたとおり、設置者側に蓄電池を置けば電圧対策は不要になるのではないかというのはそのとおりだと我々も思っておりますが、設置者側に蓄電池を置きますと、先ほど吉野課長が御説明していただいた資料2の9ページの図をご覧いただきたいと思うのですが、先ほどもお話がございましたとおり、(A)点という蓄電池不要の2,800万kWから(B)点にかけては、これは土日の余剰を、月曜日から金曜日の平日に発電するということで蓄電池の量を試算しておりまして、御家庭に蓄電池を置かれて充電されると、そのためた分は当然土日の昼間帯以外のどこかで発電をされるわけでして、結果として系統側で土日に余剰が発生するという状況は同じように発生いたします。御家庭にその蓄電池を置かれますと(A)点から(B)点の蓄電池設置コストが6兆円まではかからないものの必ず必要になります。

    ですから本当の比較としましては、配電対策の6,000億円のマイナスと家庭用蓄電池設置コストに加え(A)点から(B)点に必要な系統側蓄電池設置コストとの比較ということになりますので、そこをどう考えるかということでございます。

    その前提となる蓄電池のコストがいかにというのは御指摘のとおりで、そこは少し考えないといけないということだと思いますけれども、配電対策だけが単純になくなるということではなくて、家庭用蓄電池コストに加え系統側にも余剰対策用の蓄電池が少なからず必要になるということを御配慮いただければと思います。

  • 横山委員長

    はい、ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。では佐賀委員お願いします。

  • 佐賀委員

    7ページのいろいろありますけれども、1,000万kW以上で導入する場合ですが、ゴールデンウィークとか正月とかそういった消費の需要の少ないところで出力抑制をすれば2,800万kWまでいけると。比較的費用も少なくて済むというふうに思いますけれども、これを導入するに当たって考慮していただきたいのは、太陽光だけでこれをやるのかどうかという問題、風力もございますし、その辺のところと、これを導入する時点はどこになるかわかりませんけれども、その前後での公平性、あるいは地域での差というのも出てきますのでそういった公平性、それから地域外でどういう形でやるとか、一部のところだけをカットしてそれから一部のところを働くようになりますとこれはなかなか公平性の面から問題がございますので、そういうところをもう少し議論をしていく必要があるかなというふうに思います。

    それから、カットするということに関しましては、制度上で決められれば納得がいく話ではないかなと思いますが、その辺のユーザーに対するPRといいますかそういったところもしていかないといけないかなというふうに思います。以上です。

  • 横山委員長

    はい。どうもありがとうございました。ここでの抑制というのはどういうことなのでしょうか。辰巳委員からもう一度意見をお伺いしてから。

  • 辰巳委員

    コストのところで幾つか細かい数字もちょっと出ておられたので、多分リチウムについて申し上げますと、現在経済産業省の方でも機械統計をとっておられると思うのです。個数と金額が出ておりますので、あれで大体、一つの小型の電池ですけれども、大体一つの電池の値段というのは容量をある程度仮定すれば値段が出てまいります。これは多分電池工業会に聞いたらもっと正しい数字が出てくると思うのですけれども、多分今5万円から3万円の間ぐらいの数字が多分出てくると思います。

    ですから、おっしゃったように、確かに小型、ただあれは生産個数が年間今もう約10億に近くなるような非常に大量生産に乗っかっているものでして、ですから、そういう意味で言うと、究極的にはどこかの時点で収束するのだろうなというのは当然あり得ると思います。

    ただ、やはり電池を大型化するということがありますので、確かに10万円というのはある意味2030年時点ではネガティブかもしれないのですけれども、ただ、今全体の小型、民生用で非常に大量生産を作っている個数でいっても、また詳細に調べてこの場で御報告をさせていただければと思いますが、機械統計の個数と生産規模で見ますと大体今kWhあたり5万円ぐらいのところだと思います。

    それからあとニッケル水素とリチウムの材料コストの比較ですけれども、まさに伊藤先生がおっしゃったように、どうしてもリチウムに比べますと、材料費は実はニッケル水素も希土類が一部ちょっとあったりして、コスト的にはかなり近いところまでいくのかなというお話はある程度合理性を持ったお話かなと拝聴いたしました。コストについては一応2点数字が出てまいりましたので補足をさせていただきました。以上です。

  • 横山委員長

    はい。どうもありがとうございました。先ほど佐賀委員の方から御説明のあった、PVを出力抑制する場合の仮定というのは。

  • 事務局:吉野課長

    必要であれば藤井部長の方からも補足願いたいのですけれども、今回の出力抑制というのは基本的には余剰電力も全体の系統の中での余剰電力対策ということを考えておりまして、4ページ目5ページ目のところの簡単な図、春5月ごろの全体の需要とそれから4ページ目の供給側のところ、ここで春のゴールデンウィークなどの前後の時期の休日の発電電力量が余ってくるとそれを蓄電しなければならない、これは基本的にはマクロの数字でございまして、その点は地域ごとのというところは余り考える必要のない要素ではないかなというふうに思っておりまして、一方電源ごとのということを申し上げますと、まず他の電源はベース電源として使われているものを除けばコントロールできる電源であるのに対して、太陽光に関しては需要が少ない時期に土日二日間晴れ続けるとその分が余ってくるとコントロールできない部分があるということと、それから、今回の想定は長期需給見通しを前提にしておりますけれども、風力はせいぜい入っても600万ぐらいの数字ということを置いてあるものですから、もっぱら余剰電力対策として余ってくる分は太陽光ではないかなということを前提に議論をしているということでございます。済みません、これは粗っぽいので。

  • 藤井委員

    今の関係で申し上げますと、実は既に風力につきましては一部の会社においては解列枠という形で募集をかけさせていただいておりまして、こういう余剰の厳しい調整において解列してくださいという制度設計をしていまして、同じような考え方で太陽光もゴールデンウィークとか年末年始の需給の厳しいときに抑制するというエネ庁の本日提案されたものが現実的で一番いいのではないかというふうに考えているということでございます。

    それから、もう一点お話のございました不公平感のところ、1,000万kWなり2,800万kWなりを超えると突然そういう抑制機能をつけるのかというところにつきましては、私どもとしましては先ほどお話がありましたようなカレンダー機能を使って、ゴールデンウィークとか年末年始の日を事前に特定し、それを機械的に抑制をかけにいくようなことであればそれほど設備の追加コストというのはそれほど大きなものではないではないかというふうに考えておりまして、できましたらこういうものを先ほどもありましたJETの認証なんかで早く標準化して、実際抑制するかしないかはもっと後の段階になるとしても、機能としては標準装備で早くつけていっていただくことがいいのではないかと考えています。

    それから、もう一つは、パワーコンディショナー自身の経年というのがそれなりにありますから、当然太陽光を既につけられたお客様もリプレースのタイミングではそういう機能がついたものに置きかわっていくだろうというふうに考えておりますので、不公平感も暫定的な期間ではないかなというふうに考えているところでございます。

  • 横山委員長

    はい。ありがとうございます。よろしゅうございますか何か。それでは佐賀委員からお願いします。

  • 佐賀委員

    もう一つ確認をさせていただきたいのですけれども、一律にそれがやれるかどうかですね。導入された事業家側の中で一律にやるのか、それとも地域的に選択的にしなければいけないのか、その辺がちょっとよくわからなかったのですけれども。

  • 藤井委員

    私どもとしましては、基本的にはルール化していただいて一律にそういうルールにしていただかないとなかなか難しいと思っておりますし、また今回はマクロで日本全体での需給バランスを見てコスト算出をしておりますが、個別の会社ごとに恐らく見てもエネ庁の地域毎の導入量で見れば、特定の会社で蓄電池が要らない、あるいはゴールデンウィークとか年末年始に抑制しなくてよいというような会社は多分出てこないと思いますので、すべてのエリアで必要ではないかと思います。

  • 横山委員長

    はい。どうもありがとうございました。それでは戒能委員からまずお願いします。

  • 戒能委員

    今の出力抑制をどうするかという手順の問題なのですけれども、これは2,800万kWを超えれば必然的に発生すると今おっしゃったものがもし事実であれば、もう技術基準を作り始めて、ある時点から会社ごとに例えば余剰電力買い取りメニューの料金に差をつけるとか、あるいは場合によっては電気事業法上の系統連系ガイドライン上にある時点の地域ごとに指定をして、その地域については申しわけないのですけれどもこの機能のないものは入れないでくださいということを入れるという、何段階かの対策を今から考えておくことが必要だというふうに思います。というのは、それをやらないと9ページの試算であるように何兆円とかいうかなり不合理な、最後の1kWまで使い切るために人に負担をかけることになるので、これはちょっと合理性を欠いていると思うのです。

  • 横山委員長

    そのとおりです。ありがとうございました。では松村委員お願いします。

  • 松村委員

    先ほどリチウムイオンの試算について確認させて下さい。2030年まで通すのであれば、例えば1.5万円というのが適当であるということを諸住委員がおっしゃったと思います。一方で辰巳委員がNaS電池の方は材料コストの比率がが高いので余り下がらないとご指摘になったと思います。2つの電池では耐用年数が違うのです調整が必要ですが、、もしおっしゃることが正しいとすれば、今の見通せる確実な見通しとして大容量であったとしてもリチウムイオンにアドバンティッジがあって、NaS電池は基本的に駆逐されるのだというふうに聞こえました。NaS電池の方が用地費とかも余分にかかるわけですし、リチウムイオン電池は小さくできるというメリットまであるわけですから、もしそれが正しいとするならば、この後の試算はすべて、仮に電池を系統側に置くとしても、リチウムイオンでやるというふうに変えなければいけないということになると思うのですが、しかしそれが専門家の見解として正しいものなのかを確認させて下さい。NaS電池は圧倒的に劣ったもので、この時点ではほぼ駆逐されているのだというのが専門家の間でのコンセンサスなのかどうかという点をお伺いしたい。これがまず質問です。

    次の点です。、先ほど戒能委員がおっしゃっていたことを考えながら、オプション(3)、(4)、シート15、16のところを見ていてわからなくなってきてしまいました。需要側の方で電池を入れて外に電気が出ないようにすれば、ある種の配電対策の不要だという戒能委員の議論は理解できます。仮にそういう方向で考えたとしますと、(3)はぴったりそれではないけれどもそれに近い方向だと思います。しかしこの対策ではある種の大数の法則が働かないで、つまり個々の需要家ごとに消費のパターンというのは違ってくるわけですから、個別のところで外に出ないように需給を合わせるというのと、系統側で対策して全体として需給を合わせるということをしたとすれば、必要な電池の量は系統側でやった方が小さいに決まっているわけですね。そういう大数の法則が働かなかったとしても同じ、そうでなければ大きくなるとなるはずなのですが、(3)と(4)を見ると必要な電池の量が(4)の方が大きくなっています。単価が低くなっているのでコストは低くなっているのですが、容量が大きくなっているように見えますが、これは理解に苦しみます。つまり(3)と(4)の発想がよくわからなくなってきたわけです。最初戒能委員の意見を聞いたときには、この(3)と(4)を比べながら、数値を置きかえる等の微修正をするだけで素直に比較できるのかなと一瞬思ったのですけれども、どうも(3)と(4)を比べ数値を変えるだけではうまくできそうにありません。もし戒能委員の御提案を考えるのであれば、個別のシナリオを立ててちゃんと試算しないとまずいことがわかりました。いずれにせよ、なぜ太陽光の発電側で対応した方が系統で対応したときより必要な蓄電池の量が多いのかよくわかりません。

    それから三番目の点です。これは全く今まで出てきていない論点なので、議論の流れからはずれて申しわけないのですが、太陽光発電の出力調整の話です。要するに発電できる電気を捨ててしまうわけですね。蓄電池を置いても対応できるでしょうが、そもそも余剰の電気を全て捨てちゃうということをしても、もちろん配電対策等は不要になるわけです。一定量は捨てちゃうということの費用の試算ですが、今回の試算にはRPS価値に対応する部分は入っていないわけですね。RPSの政策は極めて悪い政策であって、全く意味のない不当で非効率的な負担を強いているだけの政策だと考えるのならば別ですが、この政策は意味のある政策で、RPS価値もある種の必要な社会的価値を反映しているとするならば、電気を捨ててRPS価値を失う部分は限界的な社会費用に対応しているはずです。つまり、RPS政策が正しければRPS価値はその社会的価値に対応しているはずですから、そうするとkWh当たり12円の損失というのが加わることになるわけです。1単位6円、太陽光は2倍カウントですので12円の損失が発生するわけで、もしそうだとすれば太陽光発電の出力調整のコストって大幅に上がるわけですね。だから、その点については入れるべきなのかどうかを一応考えていただきたい。

    ただ、今回のシナリオの場合には、(1)と(2)を比べたときに仮にRPS価値を損失に加えても結果が変わらないので、問題はないと思います。ただもっと大規模に捨てるとかというようなことをもし議論するのだとすれば、この点については考慮する必要があります。以上です。

  • 横山委員長

    はい、どうもありがとうございました。捨てるというか発電しないということです。では事務局の方に松村先生から御質問がありましたので。

  • 事務局:江澤課長補佐

    RPSについての御指摘の部分ですけれども、それはまだコストのところで考慮していない点ですので少し考えたいと思います。

    それから、1.8億kWhと2.3億kWhの電池の差ということで、確かに系統に置いた方が最適化されるので少なくなるのだと思っていたのですけれども、長期エネルギー需給見通しで7時間分の蓄電池を置くという試算のもとにやったらこのような結果になってしまったので、結果を見て7時間分ではもしかしたら足りないのではないかという考えでございます。

    NEDOの太田市の実証でも、たしか4kWの電池を置いた場合には15時間分の蓄電池の容量が必要で、そうしなければ逆潮が発生するという分析もあったかと思うので、一体何時間分、何kWh分置けばそういった配電対策として蓄電池の容量が十分なのかということもちょっと考えたいと思うのですけれども、今のところ考えが浮かばないという状況でございます。

  • 横山委員長

    はい、どうもありがとうございました。それでは廣江委員はこれまで御発言がないので廣江委員の方からまずお願いします。

  • 廣江委員

    二点申し上げます。まず私の方から申し上げたいのは資料の4についてであります。最後のまとめのところで、昼間の余剰電力の解消効果の検討として、夜間電力需要を昼間の方にシフトすることが記載されております。

    昨日も別の委員会で少し申し上げたのですけれども、現在の石油火力の出力と1973年の出力を比べると、実は5%ぐらいしか私どもが保有しております石油火力の出力は減っておりません。ところが発電量は、現在原子力の利用率が少し落ちておりますから、1973年の50%ぐらい、2000年ごろには3分の1ぐらいまでに落ちておりました。ではなぜそれぐらいの設備を持っているかというとやはりピーク対応ということでありまして、今後古くなった石油火力が更新時期を迎えますとピーク対応をどうするかということが我々にとって非常に大きな問題だと思っています。そういう意味で、むしろ需要をつけるのであれば非常にいい話だなと思いながら聞いておりました。

    ただ、本日は余剰対策の議論をしていることからバックアップの話は次回の議論になると思いますが、夜間電力需要を昼間にシフトして、突然太陽光発電の出力が落ちたときにどうするかということも、よく考えていかないといけないと思います。5,300万kWの巨大な発電所があるわけですが、これらが突然とまってしまうと、一方で昼間の需要を増やしたときは大変なことが起こるわけでございますので、ここはバランスよく考えていく必要があると思います。

    また二点目は、揚げ足取りみたいな話でまことに恐縮ですが、戒能委員が先ほど余剰電力購入メニューの料金を調整する方法で出力抑制に対応できるのではないかとおっしゃっておられました。2,800万kWを超えたときの話でありますが、そもそもこの余剰電力購入メニューといいますのは、私どもの自主的な対応としてやらせてもらっております。もちろんRPSには充当していますが、自主的な対応としてやっています。コストとしても、今の火力燃料費でどうかという議論はあるかもわかりませんが、一般的には非常に高いものだと思っています。

    2,800万kWも入ったときに、果たしてこの余剰電力購入メニューを我々が維持できているかといいますとこれは非常に疑問でございます。RPSがそのときどうなっているかということにもよりますけれども、当然その制度が残っているという前提で議論をされることについては、やや違和感を覚えるということでございます。以上二点でございます。ありがとうございました。

  • 横山委員長

    ありがとうございました。中村委員お願いいたします。

  • 中村委員

    それでは系統を利用するPPSの立場として、今回は系統の安定化対策をどういう形で打っていくかということで、2030年の断面ということで試算をされているということで、我々系統新規参入者としては2030年といったところでどういう形で存在しているかが難しいところですけれども、そういった中で実際2030年のあるシナリオに沿ってここでも需要家対策あるいは系統での対策を打った場合に、託送の部分にどういった投資がなされ、あるいはそれがどういったコストに返ってくるか、これは第3回目からの議論の項目なので、そういうことがある程度わかるような形で、ただ単に2030年断面でどうだということでなく、やはりこれから託送を利用する者としてこの太陽光を進めていく中で、系統のコストというのがどういう形で変わっていくかというのが非常に関心の深いところなので、シナリオとあわせてそういったところを示していただければと思います。

  • 横山委員長

    はい、どうもありがとうございます。それでは諸住オブザーバーお願いします。

  • 諸住オブザーバー

    2点あります。一つは松村委員の先ほどの質問に対する回答なのですけれども、私の個人的なというか周囲の人間との議論なのですけれども、多分2030年までに何らかの形で蓄電池が必要になるということを前提にすると、2020年時点でNaS電池の値段と、その時点でリチウムがあと10年先にどれぐらい値段が下がるかという見通しの関係によって、場合によってはNaS電池がリチウムが凌駕される可能性があると。ただその時点でリチウムがNaS電池を凌駕できないという話になると、電池の設置場所がどうしても家庭ではなくていわゆる系統の中のどこかという話になるかと思います。ただし、ちょっと気になるのは、変電所設置と言っているのですけれども、変電所にNaS電池といえども置く場所があるのかという物理的な問題があるので、そこはよく注意しなければいけないかなと思います。

    それから、もう一ついろいろな議論の中でちょっと気になっているのが、実はいわゆる解列条件の話なのですが、太田のデータを見てもらえばわかりますけれども、基本的には平日ではなくて休日というのは在宅率が高くなります。ということで、住宅で考えると平日の方が負荷が大きくなるにも関わらず、休日に太陽光をとめてくれということは、2030年にもし太陽光が今の電力会社の家庭用の電力料金よりも安い状態になっているとすれば、高い電力会社の電気をかわりに買えといっていることと一緒なので、何らかの保証をする必要性が出てくると。そのコストを見落としていると多分ちょっと評価がおかしな話になるのではないかと思いますので、そこを含めて評価した方がよいと思います。また、同時にその段階というのは太陽光発電で逆潮すればするほどもうかるという世界になりますので、3キロとか4キロではなくて、へたしたら今の制度のままネットメータリングを許していると、5キロとか6キロとか置いてくる人が出始めますので、そこが変わっている前提で評価しないと何かおかしな話になるのではないかという気がしますので、そこら辺はもうちょっと慎重に検討をされたらいかがかと思います。以上です。

  • 横山委員長

    ありがとうございました。いろいろな複雑なパラメータが絡まっていますので、短期間でまた次回結果を出していただくのは大変な作業になると思います。本日いただきました御意見を今後のこの研究会の資料、議論に反映をさせていただくことを事務局にもお願いをしておきたいと思います。

    それではもう時間を過ぎましたので、本日は本当にどうもありがとうございました。それでは事務局から今後の研究会及び小委員会の日程につきまして御連絡をいただきたいと思います。

  • 事務局:吉野課長

    まず初めに本日の資料の2でございますけれども、うちの江澤とも言っているのですが、これはほとんどバージョンゼロのようなものでございまして、これから後何度も何度もバージョンがかわっていくので、御意見をいただきながらよりよい、また一方で多面的なものにもなっていくかと思いますけれども、御指導を願えればと思っております。

    それで日程でございますけれども、次回のこの小委員会でございますけれども、11月28日に予定をしております。場所は未定でございますので追って御連絡を申し上げたいと思っております。

    また、第4回の研究会の方は12月の15日の午前中ということで予定をしておりまして、こちらにつきましても詳細が決まりましたらまた御連絡を申し上げようと思っております。よろしくお願いします。

  • 横山委員長

    それではこれをもちまして、第2回の小委員会を終わりにさせていただきたいと思います。どうも皆様ありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2008年11月21日
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