経済産業省
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低炭素電力供給システムに関する研究会新エネルギー大量導入に伴う系統安定化対策・コスト負担検討小委員会(第1回)-議事要旨

日時:平成20年9月8日(月)10:00~
場所:経済産業省本館17階西2国際会議室

出席者

横山委員長、伊藤委員、小笠原委員、戒能委員、佐賀委員、中村委員、廣江委員、藤井委員、松村委員

議題

  1. 小委員会における今後の検討の進め方について
  2. その他

議事概要

横山委員長より御挨拶の後、増田電力市場整備課長より資料3に沿って設置趣旨について説明。吉野電力基盤整備課長及び増田電力市場整備課長より資料4に沿って、増田電力市場整備課長より資料5に沿ってそれぞれ説明。その後、自由討議。

  • 電気事業者は既に相当のコスト削減を図ってきており、電力需要の伸びが期待できない中、これ以上のコストダウンや業務の効率化は難しい。したがって新エネの導入に伴う系統安定化費用の電気料金への転嫁が考えられるが、その際、消費者や電気事業者間の負担の公平性に留意し、広く浅く負担することが必要。また、例えば地域ごとの新エネの導入量の違いにより、電気事業者間の格差が発生する可能性もある。託送料金への反映や補助金等による負担の平準化などが考えられるが、大きな費用が発生する前に出来るだけ早い段階からルール化していくことが必要。
  • 太陽光発電を導入する際には、事業者として導入する場合と一般家庭で導入する場合があるが、風力発電ではPPS側が蓄電池を設置して導入するモデルが既にある。事業者として太陽光発電を導入する場合は、風力発電事業者と同様に取り扱っても良いのではないか。
     また、一般家庭でも逆潮流により利益を得るのであれば、事業者のケースと同じに考えることも可能。一般家庭で設置コストを負担するとなると進まないので、電力会社が系統安定化費用を負担し、他の需要家に転嫁する方法もある。
  • 系統利用者という立場から、託送料金がPPSの事業に与える影響は軽微ではない。託送料金により国民から広く・薄く回収するとなると、国民への理解という観点から多面的な評価・検討が必要。仮に、託送料金で費用回収を行う場合は、シナリオの前提条件を明確化して欲しい。
     また、太陽光発電の出力変動に伴うバックアップについては、一般電気事業者の火力発電所を想定しているようだが、仮にPPSなどの全国の火力発電所をアンシラリーに利用すれば課題が低減されるのではないか。需要家が需要を抑制するインセンティブも重要。
  • 負担の公平性の議論に混乱がある。一般電気事業者-PPS、一般電気事業者-太陽光発電の設置者、エネルギー間競争など、さまざまな観点からの公平性の検討が必要。原因者負担を推し進めすぎると、太陽光発電の設置に対するインセンティブが低下する可能性がある。補助金を出しても広く浅くと同じ。導入目標の達成を前提に考えた場合、複数のステークホルダによって広く、浅く負担する方策で検討するしかないのではないか。
     また、電力の余剰を防ぐために発電量の抑制という考え方もあるが、機会損失の費用と系統安定化のために必要な追加的コストとの対比の中で、どれくらいの抑制量が期待できるかの試算が必要。
  • 国際的な議論について、海外では大規模な風力発電設備等の導入に伴う系統への影響などが中心で、太陽光発電等の小規模分散型電源の導入による系統への影響に関する議論はほとんどなされていない。その点で、本小委員会で議論される内容は、世界の最先端の内容である。
     導入シナリオでは、短中期的な対策(配電系統の強化など)と中長期的な対策(蓄電池の設置や揚水の活用など)とを区別して検討する必要があり、導入シナリオや対策の考え方の整理が必要。
  • コスト負担に関して、電源側の費用を託送料金で回収することは可能であろうが、他のエネルギーとの競争に跳ね返ってくる。託送料金の透明化の確保については、従来から、電気事業分科会などでの要請もあり、取り組んできたところ。
     分散電源に対する調整電源、つまりアンシラリー電源については、一般電気事業者がその任を担うことが電気事業制度の基本であり、調整電源に関する議論は本研究会以外の場ですべき。
  • 5,300万kWの太陽光発電が導入された場合、地域間の偏在はそれほどないと考えている。また、太陽光発電のバックアップについては、現在、一般電気事業者が電力需要をリアルタイムに制御しながら行っており、PPSの電源を制御の対象に組み入れるのは技術的に困難。
  • 資料4の22ページに記載されている各項目のコストは精査が必要。例えば、リチウムイオン電池は将来的にここまでコストダウンするのか、NAS電池は将来にわたり価格が一定か、鉛電池は上がるかも知れない。今後業界の意見も反映してほしい。
  • 太陽光発電の導入普及の予測では、2020年以降、非住宅部分の割合が増加すると見込まれており、その導入余地の大小により電気事業者間の負担差が拡がるのではないか。
     設備計画などは10年、20年の長期を見越した計画であることから、あらかじめ中長期的な観点から導入普及と対策の関係を整理しておかなければ、設備形成が間に合わなくなるおそれがある。
  • 太陽光発電の導入については、日照時間の長い西日本が有利ではないか。まずは、西日本、その後に東日本に普及していく、西日本の方が逆潮が多いはずでどこかにターニングポイントがあるはず。
  • 日照時間の良い西日本から段階的に導入が進んでいくことは十分に考えられるが、最終的に多く入ると地域的な偏在はないものと考えている。
  • オプション0で可能な限りコストをかけないところが出発点であろう。電圧や周波数に係る規制を緩和してはどうかとの意見があるが、その検討は本研究会で行うのか。
  • 規制のあり方自体は本研究会では行わない。
  • 将来予測については、需要や割引率等さまざまなパラメータが影響しており、前提条件の置き方によって結果が大きく変わる。時間方向の議論は長期エネルギー需給見通しと同じものを使うのも一つ。いつ頃から制度を入れるかで結果は変わる。どういう前提を置いたかは重要であり、前提条件を明らかにし、議論の出発点とすべき。助成か広く負担するかで結論が変わらないということを示すならばお手伝いはする。
  • 7~9月にかけ欧州の電気事業者等を訪問したところ、環境に関する議論の冷え込みを感じたが、原子力や太陽光発電に関しては依然として関心が高い。太陽光を入れると系統での対策が必要というと反応が強い。本研究会で議論されている分散型の再生可能エネルギーの導入などに伴う系統での対策は世界的に見ても最新事例であり、検討結果を広く内外に発信していくことで、太陽光で系統に大きな問題が発生すると情報発信することが非常に重要。
  • 欧州で電力事業者のシンポジウムに参加したところ、主要な議題はやはり自然エネルギーの導入。特に、欧州では風力発電に対する感心が高く、スペインなどでは風力発電設備の中央給電指令所のようなものが整備されつつある。しかしながら、コスト負担までは議論されておらず、本研究会での検討は先進的事例。
  • ドイツでは、太陽光発電の大量導入に伴い、品質の悪い太陽光パネルの増加などの問題も発生。日本でも電気の品質面での課題などについても考慮が必要。
  • 太陽光パネルについては日本の場合、国際的なレベルの第三者認証が行われており、品質面において大きな問題はないのではないか。
     また、地域の偏在性については、確かに日照の良い地域(九州地域)と悪い地域(北海道・東北)では、太陽電池の普及率に大きな差異がある。また、現状を踏まえた年度別の導入数の展開状況などは別途検討が必要。
  • 積極的に太陽光・風力などのグリーン電力の導入に取り組んでいる地方自治体もあることから、特定の地方自治体で太陽光の導入が偏在する可能性がある。各地方自治体の支援制度などから導入量を類推することが可能な場合もあるので、事務局へ情報提供をする用意がある。
  • 海外の状況について調査は行うのか。
  • 文献等により国内を中心に調査していく予定だが、必要に応じて海外の状況についても調査していきたい。

以上
文責:事務局

 
 
最終更新日:2008年9月12日
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