経済産業省
文字サイズ変更

低炭素電力供給システムに関する研究会新エネルギー大量導入に伴う系統安定化対策・コスト負担検討小委員会(第2回)-議事要旨

日時:平成20年10月30日(木)10:00~12:00
場所:経済産業省別館11階1120会議室

出席者

横山委員長、伊藤委員、小笠原委員、戒能委員、佐賀委員、辰巳委員、中村委員、廣江委員、藤井委員、松村委員、伊勢オブザーバ、諸住オブザーバ

議題

  1. 新エネルギーの大量導入に伴って必要となる系統安定化対策について
  2. その他

議事概要

  • 吉野電力基盤整備課長より資料2から資料4までを説明。その後、海外電力調査会伊勢オブザーバより資料5について説明。その後自由討議。

  • 資料2では総需要を長期エネルギー需給見通しの努力継続ケースで試算しているが、国として目指している最大導入ケースとは需要や対策コストも異なり、一つのシナリオとして認識。また、非住宅用で自発的な蓄電池の設置もある。各家庭での蓄電池設置はコストが高いとの試算だが、自発的に蓄電池を設置する家庭を妨げるのではなく、料金等により設置を促す政策の検討も必要。

  • 蓄電池のコストは重要なパラメータ。現状のコスト水準で論ずるだけでなく、量産効果による価格低下の影響の考慮が必要。最大導入ケースの場合、相当量の蓄電池が導入されるので、価格低下効果は十分に期待可能。太陽光パネルと同時に各家庭に蓄電池が設置されれば、資料2中の配電対策は不要ではないか。P14で配電対策が要るとしたのは短絡的。東京でNAS電池を置けるとも限らない。2030年のStaticな分析ではなく、P15~16の各オプションの結果も、どういう経路で入っていくかによって蓄電池の価格次第では逆転する可能性がある。さらに、最終的な結果だけではなく、2030年までの普及状況により、実施する対策の順番等も変わる。P22で配電側の蓄電池のみというシナリオ0もあるし、地方なら需要家に蓄電池を置いた方が良い場合もあるはず。
    P23から太陽光導入量の地域差の影響が論じられているが、以前指摘したのは、連系線の問題ではなく、地域差を勘案した対策の違いの観点。新エネルギー財団のデータを基に試算したところ、もう少し地域差が生じるとの結果。

  • NAS電池とリチウム電池は、原料コストや特性等も異なり、現状ではNAS電池が有利だが、今後のリチウム電池の価格低下によっては、各家庭での個別設置の可能性も否定されない。電気自動車(EV)に関しては、需要創出の可能性に加え、需要シフトの可能性が十分ある。例えば、平日であれば通勤利用の自動車の昼間駐車時の蓄電、休日であればショッピングセンター等における昼間駐車時の蓄電の可能性等が想定される。家庭設置の蓄電池のコスト低減までの「つなぎ」として検討する価値はある。

  • 蓄電池の価格低下の可能性をどのように考えれば良いか。
  • NAS電池は、現状でも原材料比率が高く、今後の価格変動が小さい可能性がある。他方、リチウム電池は、小型電池のように量産効果を期待し、今後、コスト低減が図られる可能性は十分ある。機械統計から分析可能。

  • 需要減となる最大導入ケースのシナリオは描きにくいが、検討は必要。今回は全国的な検討を行ったが、ミクロ的には個別の系統対策が生じる場合もあるので、各地域でどのような配電対策が必要か、蓄電池の設置と系統対策の比較なども併せて検討することが必要。

  • 2030年までの時系列を含めた検討は必要。また、需要家側に蓄電池を設置した場合の配電対策についても同様に検討。

  • 蓄電池を入れると2800万kWが増えるが、蓄電池を入れると入れないとで不公平感が生じる。

  • P9の図では、時系列の影響を考慮せず2030年断面のコストを論じているが、時系列でみた場合、不公平感は考え方次第。2010年までにどうするか決めないと余剰電力対策が必要となる2800万kWがすぐに来てしまう。私見だが、最初に導入する人には高いのでメリットがあっても良い。今後、リチウム電池の価格が低下すれば、先んじて導入する需要家は太陽光パネルの設置コストのみで導入でき、遅れて導入する需要家は、蓄電池を含めたコストの上乗せ分と太陽光パネルの価格減少分が相殺することから、両者を比較した場合のコスト負担はそれ程変わらないとの考え方もある。

  • 一部の電力会社では、配電対策は喫緊の課題と認識しており、既に太陽光パネルの導入に伴う対策コストの一部は顕在化。その際、料金として回収する場合には需要家の受容性、事業者コストとして吸収する場合には株主の受容性等への考慮が必要であり、その意味でも公平性を図る制度が必要。
    また、ニッケル水素電池のように量産効果が顕在化しているものとリチウム電池のように今後量産効果が顕在化するものを設置するか等、前提条件の置き方次第で結果が異なるので、色々と分析すべき。更に、資料5も併せて見た場合、対策コストがある時点より急激に増加するポイントがある。時限装置がいつから機能するのか。時系列分析を行い、どの段階でどのような対策を講じるかの検討が重要。

  • リチウムについて悲観的なシナリオ。kWh当たり3万円という話もある。NEDOでは、2030年に蓄電池の寿命を現状から2倍程度、コストを1.5万円/kWh程度とする開発目標を設定。将来コストの見通しとして、NEDOの開発目標に合わせる考え方もある。

  • 需要家側に蓄電池を設置することで配電対策が不要との考え方はその通りだが、需要家側の蓄電池が増えれば蓄電された電気を何らかの形で、その他の日若しくは時間帯で使用することが必要。例えば、現在の前提である休日に蓄電した電気を、平日に使えば、その分、平日の需給バランスにも影響を与える。更に、蓄電された電気を自家消費し、平日の余剰電力が系統に逆潮する状況になれば、平日の余剰電力対策が必要となり、むしろコストが増加する可能性。つまり、対策によっては資料2のP9図中のA点からB点までのパスが異なる場合もある。土日にため込んだ電気はどこかで放電しなくてはいけないので平日の余剰電力対策が増える可能性もある。

  • 出力抑制は費用も少ないし、技術的には可能。出力抑制機能により対策なしの導入可能量が1,000万kWから2,800万kW程度まで増やせるとのことだが、各戸での抑制が、地域内での抑制効果にどの程度貢献するのか、その際に各戸間での抑制量に差異が生じ不公平感が出ることはないか。例えば、このような出力抑制を制度として決めれば、不公平感も少なくなるのではないか。制度的な納得を得るためにユーザーへのPRが要る。

  • 機械統計や電池工業会に聞けば分かることもある。小型のリチウム電池コストは現状3~5万円/kWh程度であり、前提条件の10万円/kWhは少々ネガティブ。NiMHも希土類を該当するので制約がある。

  • 風力発電では、既に電力会社が解列枠を設定し、出力抑制を前提とした電力系統への連系を行っており、太陽光についても同様の考え方が可能ではないか。
    また、カレンダー機能の追加コストは少なく、既存の太陽光システムへの追加に関しても、パワコンの設備更新等に併せて対応すれば良い。

  • そのような対応は、地域の状況に応じ実施するのか、それとも全国一律で行うことが良いのか。

  • 全国一律で実施すべき。

  • ある時期から急に設備投資が必要となるなら、早めに系統連系ガイドラインでの規定や買い取り価格に差を付けるなど、複数の料金メニューの用意などの対策を講ずるべき。

  • リチウム電池のコストが1.5万円/kWh程度まで低下する場合、耐用年数や性能等を含めた諸条件を考慮しても、リチウム電池はNAS電池より優位なのか。その場合、NAS電池はリチウム電池に駆逐されるのか。
    オプション(3)及び(4)に関し、一般的には需要家に蓄電池を設置するよりも、系統側に蓄電池を設置する方が容量は少ないと考えられるが、試算の前提の数値は大小関係が逆になっており、どのように考えればよいか。
    また、出力抑制により発電可能な電気を発電しない場合、出力抑制に係る機会費用の損失に加え、RPS価値について勘案する必要はないか。

  • RPS価値への考慮は必要。オプション(3)と(4)の対策量の逆転現象に関し、現状の試算では需要家側の蓄電池は7時間との前提であり、一方、系統側の蓄電池は余剰電力の発生量を想定し対策量を試算しているため。逆転していることは、需要家側に設置する蓄電池の量が7時間分では足りないことを示している。太田市のNEDOの実証研究では、4kWのパネルを設置する場合、蓄電池を15時間分ぐらい入れないと余剰電力が発生する。

  • 1973年から現在までの石油火力の設備容量は5%程度しか減少しておらず、石油火力はピーク対応電源として重要な位置づけ。しかし、石油火力は高経年化の問題などがあり、いつまで設備を維持し続けられるか判らない状況。余剰電力対策として、昼間に電力需要をシフトさせることは十分あり得るが、需要シフトを行った際、突然太陽光の出力が低下したり、供給不良に陥った場合、需給バランスが大幅に崩れる可能性。
    また、余剰電力購入メニューは、電力各社が自主的に実施しているものであり、将来的に継続して実施される保証はない点にも留意して欲しい。

  • PPS事業者として系統利用する立場からは、ここで議論されている問題が将来的に託送料金にどのような影響を及ぼすか等を今後シナリオと併せて示して欲しい。

  • リチウム電池の開発が今後上手くいけば、コスト面や性能面でNAS電池をリチウム電池が陵駕するケースもあり得る。NAS電池に関しては、設置場所の問題も留意が必要。
    休日の昼間に外出しなければ、電力需要が増加する可能性もあり、そのタイミングで出力抑制がかかれば、結果的に高い系統電力を購入することになると、試算の前提としての損失が大きくなる可能性もある。出力抑制時には減電補償という考え方もある。系統への負担となる5kWと6kWとパネルを設置する人もいる。

  • 本日の結果を踏まえて次回に審議する。

以上
文責:事務局

 
 
最終更新日:2008年11月10日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.