経済産業省
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低炭素電力供給システムに関する研究会新エネルギー大量導入に伴う系統安定化対策・コスト負担検討小委員会(第4回)-議事要旨

日時:平成21年1月9日(金)10:00~10:40
場所:経済産業省本館17階西3国際会議室

出席者

横山委員長、伊藤委員、小笠原委員、戒能委員、佐賀委員、辰巳委員、中村委員、廣江委員、藤井委員、松村委員、西山資エ庁電力・ガス事業部長、渡邊新エネ対策課長、後藤電ガ部政策課長、増田電力市場整備課長、吉野電力基盤整備課長、山口電力市場整備課課長補佐、江澤電力基盤整備課課長補佐

議題

今後の新エネルギーの大量導入に伴って必要となる系統安定化対策及びコスト負担の在り方について

議事概要

資料3を増田電力市場整備課長より説明

  • 資料のP19に記載されている「新たな技術・アイディアの活用による系統安定化対策コストの更なる低減の可能性」に関して、電気事業者自身も技術開発に注力していくが、大学・メーカにおける研究開発なども重要である。このような取り組みに関しては、行政サイドでも積極的な支援などをお願いしたい。
  • また、今回の結果は一定の仮定を置いて検討したものだが、まだまだPVの大量導入時の実証データなどが不足している。資料P7の脚注中に記載される「太陽光発電の出力変動に対する負荷追従性」の問題や、大量導入時の設備利用率低下の影響などについては、技術等の進展によって再評価が必要となるものであり、別途、フォローの場などを設けてほしい。
  • (資料P12において)シナリオIIもしくはIIIでは、需要家側の蓄電池の設置のコストはゼロとなっているが、実際には政策的な誘導が行われない限り、需要家側の設置が進んでしまい、ゼロということは考え難い。例えば、ハウスメーカなどが自社製品の付加価値付与や、他社との差別化などを図るためにPV導入の早い段階から設置される可能性も十分に考えられることに留意しておく必要がある。重複投資を避けるためにも行政サイドからの監視が必要であると考えている。
  • 資料P13にPVからの余剰電力量の買取価格として、現行水準維持ケースと、買取価格低減ケースが示されている。PVの導入目標達成のためには、年率15%の伸びで導入普及が進むことが必要になり、PVからの余剰電力量の買取価格の水準は、この普及に大きく影響する。この場では、買取価格などを議論する場ではないかも知れないが、今後のPVの普及拡大の観点から導入需要家のメリットに関しても留意しておいてほしい。
  • また、資料P17に対策費用の負担の在り方に関わるいくつかのシナリオが示されているが、このような負担の議論の際にも、PV導入需要家のメリットに関わる視点に留意していただきたい。PVを社会的なインフラとして捉える考え方もあることから、必要に応じて優遇税制や公的補助についても検討をお願いしたい。
  • 今回の議論の中でも何度か出てきたが、コストの大きさは技術開発の進捗によっても大きく変わる可能性が残されているため、継続的なフォローアップが必要と考えている。
  • また、PVシステムに対して適正な蓄電池の必要容量に関しても、NEDOで実証研究を行った太田市の事例など、適正な容量に関わる知見を蓄積していくことが必要である。
  • 今回のいくつかの費用の大きさに関わる前提条件も、時間の経過ととともに変化していく可能性がある。過去のいくつかの経験から、今回のような技術のイノベーションを含めた前提条件の変化は1~2年の短期間ではなく、5年程度の期間では変化する可能性が高いため、今後継続的に検討する上でも、その程度の期間を念頭のおいておく必要がある。
  • また、PVの普及拡大に関しては、必要となる費用の負担を原因者負担だけで考えるだけではなく、助成制度のような公的な負担のあり方についても検討していく必要があると考える。
  • よい報告書だと思っている。ただ、(資料P12の)各シナリオにおけるコストの大きさに関しては、今回の議論では蓄電池を系統側に設置する方が低コストであり、需要家側に設置する方はコストが高いので需要家側に蓄電池を置くことは良くない、という考えで結果を見るということはできない。当然のことながら、需要家側設置において民間の創意工夫を妨げるものではなく、需要家側設置に関して否定的なニュアンスを持つことのないように留意していただきたい。
  • その上で、価格の問題、制度の問題などいくつかのクリアすべき問題が残されているなかで、部分最適化を図るのではなく、全体最適化を常に検討していくことが重要である。例えば、スマートメータの普及などにより、制御を容易にしようとしても、その導入には一定期間(10年程度)が必要であり、その間は制度面でも空白期間が生じる可能性がある。この空白期間の間に、部分最適化が進むことによる社会コスト増の可能性があることから、制度面での検討の際にはこれらの点にも留意しておく必要がある。
  • 先の発言で蓄電池の要家側設置に関して言及したのは、部分最適化と全体最適化の中での是非論を論じたのではなく、今回の検討の各シナリオはあくまでモデルケースであり、実際の導入普及の過程では、双方のケースが混在することの可能性を示したものである。
  • ただし、1点だけコメントするとすれば、民間企業は必ずしも全体最適化を目指して行動するわけではなく、個々の企業の利益を最大化させるための行動をとる。したがって、コスト最小化よりは、自社の付加価値を最大化するためには、多少コストがかかっても自社の価値増大させる選択肢をとる可能性があることを念頭においておく必要がある。
  • 報告書は分かりやすくなっており、感謝する。今回の検討で、PVの導入普及が国内の電源構成へ影響することなどが明らかになったことから、今後の制度設計における新たな視点に加え、電力系統運用の面での新たな考え方の必要性や、関連するさまざまな技術開発の必要性が認識されたと考えられる。
  • その上で、低炭素化に関わる取組みは、今回の主題であった、再生可能エネルギー以外にもさまざまな技術開発が進められようとしている中で、他の技術開発の進展が、本検討の主題であるPVの導入普及やコストにも大きく影響していくことが予想される。そのような観点からは、さまざまな低炭素化に関わる選択肢の組み合わせによる効果やコストなどに関わる総合的な検討が求められていくと考えられる。その検討の際には、個々の選択肢を担うプレーヤ(実施主体)ごとに最適解が異なることから、その視点も忘れてはいけない。
  • 確かに、今回あまり議論されなかったが、電力系統運用面の変化に関しては、重要な視点であることは留意しておく必要がある。
  • 今回の検討では、3つの大きな成果を得られたと認識している。
    • PVの導入において、年末やGWなどの特別な期間に出力抑制を行う場合を除けば、2,800万kW程度までは、余剰電力対策などを行うことなく導入可能性があること。
    • 2800万kW以上の導入を図るためには、余剰電力対策として6兆円程度のコストが必要となる可能性があること。
    • 電化の促進が低炭素化に寄与することは以前から電力業界として主張してきたが、電化の促進による需要設備との協調制御などが図られれば、PVシステムなどの再生可能エネルギー導入拡大にも寄与することができること。
    したがって、今回の検討結果は、今後の関連する制度検討における重要なベース情報として活用できるものと考えられる。
  • また、コスト負担に関しては、電気事業者として料金制度の3原則とて(1)原価主義、(2)公正報酬、(3)公平負担を掲げており、この考え方は今後も維持していくべきと考えている。資料P16に料金算定の図が示されているが、料金制度の3原則を基に、このような複雑な作業を行っていることから、この原則に即した制度検討を行っていくことが必要である。したがって、基本的には公平負担の原則から、PVの導入に伴う対策費用に関しても原因者が特定される場合には原因者負担が望ましい。ただし、資料P20に記載されている「料金負担論のみならず、エネルギー間競争に与える影響、公的支援の在り方・多寡も含めて検討」にあるように、このような視点から、制度検討を行っていただくことが望ましい。
  • 今回の検討の中で、PPSの立場からの主張としてP2の脚注に記載されている内容などを残していただいたことなどの配慮に感謝したい。報告書に異議はないが、料金負担論に関しては、PPSとしては競争条件の確保と需要家の納得性の面から、今後制度を検討する際に留意していただきたい。PVの大量導入は、電力の二酸化炭素排出係数にも影響することから、仮に託送料金による系統安定化費用の負担がなされた場合には、上記の二酸化炭素排出係数に関わる点に関しても配慮をしていただくなど、競争条件の確保と需要家納得性に関わる対応に関しても、今後なされる制度検討では配慮していただきたい。
  • 委員の皆様のからの意見に関しては、今後の検討に際して十分に留意していきたいと考えているが、総合的に次のような指摘をいただいたと認識している。まず、今回の検討では、現状得られるさまざまな知見を最大限活かした検討結果になってはいるが、今後の状況変化に応じて随時、検討結果を見直しなど含めた検討の継続が必要である。
  • また、今回のこの検討の場は、政策制度論を議論する場ではないものの、電気料金の基本原則や、国の立場(低炭素社会の実現)を踏まえ、電気事業の健全性と需要家利益の確保の視点から今後しかるべき場で検討を行っていく。現在、開催されている電気事業分科会料金制度小委員会でも、検討対象としていることからそのような場を活用することも考えられる。
  • PVの出力変動などに対応して、平成21年度に電気事業者の協力を得ながらデータを蓄積するような事業も検討していることから、このような機会を含めて技術開発には取組んでいく予定である。
  • PVからの買取費用については、現行を出発点としていくつかのケースを仮定して検討したものである。また、負担に関しても、現行制度をベースにいくつか示し検討したものであって、原因者負担論については今後より詳細に議論すべきものと認識している。今後の制度議論を行う際には、税制や助成など含めた他の方法論を視野に入れた検討を行っていく必要性は十分認識している。
  • 各委員の意見を総合すると、今回の取りまとめ内容に関しては、特に異存はないということで、資料3の内容をもって、小委員会の検討結果として、研究会に上申することとしたい。
  • 本検討内容とは直接は関係ないが、1月13日よりPVシステムの助成制度の申し込みが開始されるので、PV含めた再生可能エネルギー普及に向けた協力も併せてお願いしたい。
今後のスケジュール:
資料4について増田電力市場整備課長より説明。1月26日に開催予定の第4回研究会で小委員会の検討結果を上申する。

以上

 
 
最終更新日:2009年1月26日
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