経済産業省
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産業構造審議会産業金融部会・流通部会商取引の支払に関する小委員会(第3回)‐議事要旨

日時:平成20年10月23日(木曜日)10時~12時
場所:経済産業省別館5階第526共用会議室

議題

  1. 送金サービスについて
  2. 電子マネー及び企業ポイントについて

議事概要

送金サービスについて

事務局から、送金サービスに対するニーズと規制のあり方について説明した後、吉元委員より銀行を使った収納代行について、松永委員より代金引換サービスの運用に関する自主ルールの作成状況について説明いただき、その後自由討議を行った。自由討議の内容は以下のとおり。

  • (委員)

    本日の議論の対象には幅広いものが含まれると思うが、今御説明いただいたものについては、問題があるかと言われればそんなことはないと思う。ただ、一般論としては、サービスの内容を3つぐらいに分けて考えたほうがいいのではないか。
     一つ目は、本小委員会の検討対象ではないのかもしれないが、売買もしくはサービス自体の代理をしている場合について。保険代理店のように契約自体の代理行為をしている人が本人のためにお金を受け取ることがあるが、これは商取引と完全に一体化している行為である。これについてはそもそも支払サービスや送金サービスと言う必要性がない。
     二つ目は収納代行や代金引換。これは売買契約自体の代理行為を行っているのではなく、支払もしくは受取についてのサービスを提供していることになるので、そこは一体性があると言っても多少支払サービス的、もしくは受領サービス的なところはあるのではないかと思う。もっとも、規制の必要があるか、もしくは銀行のサービスとしなくてはならないかという観点から言えば、その必要はないと思う。
     一つ目のカテゴリーはそもそも支払サービスでも送金サービスでもないと言えると思うが、それに対して、二つ目のカテゴリーは一定の意味で支払サービスには該当する。しかしながら、今御説明いただいたような形態のものは、受領時点で消費者側の債務が免責されて特段利用者の保護を図る必要がないという意味において、為替取引の規制を及ぼす必要がないと考えられる。こういったタイプの受領代理型、収納代行型のものについては、支払サービスとしての規制をしないでよいという判断があってよいと思う。
     他に考えられるタイプとして、債務引受型や債権譲渡型というものもある。これらは、商取引で発生した債権もしくは債務を譲渡、もしくは引受けるなどして、それを支払うという形で決済がなされるという点で支払サービスという性格もあるが、他人間の取引上の債権債務をそのまま引き継ぐ点で、いわゆるセーフティーネットにまで影響するような規模にはなりにくい業態なので、これを為替取引として扱って銀行でないとやってはならないと言う必要はないと思う。ということで、これも為替取引の規制を及ぼさなくてもよい二つ目のカテゴリーに入れられると思う。
     それに対して、三つ目のカテゴリーというのは、支払代理的な部分で、お金を渡した時点では免責されず、個人を含む不特定多数の人を相手に、支払の側に立ってサービスを提供するといういわゆる送金業者と言われているものだが、こういったタイプの業者のサービスについては、規制なしでいいという話にはなりにくいと思っている。概念的には銀行送金もこのカテゴリーに含まれるのであり、むしろ規制は必要だろう。ただ、一定の切り口で切り取った部分については銀行独占にする必要はなく、為替取引の範囲から外して軽い規制でよいだろうという意味で、一定のカテゴリーとして考えられると思う。例えば、少額の送金であれば、利用者の保護は必要だが、コストとの見合いで重い規制である必要はない。

  • (委員)

    資料4の9ページ目にCtoCの収納代行について書かれているが、我々はeコマース全般について、消費者や通販サイトの売手の方から相談を受けており関心を持っている。CtoCの収納代行サービスと言っているものは、過去に随分出資法や為替取引の関係で問題となっていたエスクローサービスについても念頭に置かれているのか。
     消費者はエスクローサービスにお金を預けるという認識でおり、商品が届かなかった場合に返ってくるお金は消費者としては当然に自分のお金だと思っている。エスクローサービスの仕組みの中には、消費者のお金が戻ってくるのではなく、補償されているという扱いになっていて、結果として手続きも非常に面倒で時間もかかるものがあり、この点に関する不満がときどき寄せられてくる。今回議論されている話にも関係すると思うが、その点について御説明いただきたい。

  • (事務局)

    オークションサイトもしくはオークションサイトが提供している収納代行業者がお金を受け取った場合、これは収納代行型であれば代理受領されたということになる。その後契約が解除されれば、販売業者から消費者にお金を戻すことになる。収納代行業者に留まっているということであれば、不当利得の返還請求の形で整理されると考えられる。
     収納代行型ではなく銀行振込を使うような場合は、銀行に留まっているかぎりでは、送り手の権利が残っているが、一度相手の口座に振り込まれてしまうと、そこで口座名義人のものになる。そういう法律上の建て付けになっていると理解している。

  • (事務局)

    1点補足させていただきたい。資料4の9ページ目、CtoC収納代行の送金サービス規制との関係の部分に、規制は受取額が高額の場合に限るという記述があるが、このような配慮をする必要があるのはCtoCだからであり、基本的には取扱額の多寡に関わらず、代理受領型の収納代行を規制する必要はないのではないかというのが原則なのではないか。先程、3番目のカテゴリーとしてコメントがあったが、不特定多数の支払側に立ってお金を支払うサービスにCtoCのサービスは近いのではないか。そういう場合には、規制の必要があるという整理も考えられるという意味で、9ページ目ではこういう論点の提示をさせていただいている。

  • (委員)

    3つのカテゴリーの整理は明快でよく分かった。さらに2点ほど補足させていただきたい。仮に規制をする場合に、実質的になぜ規制が必要なのかということを掘り下げて検討する必要がある。送金者保護と委託者保護と両方あると思うが、これまで送金者保護が形式的には十分ではないように見えるところがあったかもしれないが、本日の松永委員の説明のとおり、そのあたりは急速に改善されているということになると思う。
     委託者保護は委託者が事業者である場合には、本日の資料4でご紹介があったようにほぼこれで足りていると思う。最後に委託者が消費者である場合にどうするのかという点が残っており、その場合に、先程もあったように受取額が高額の場合に限った規制がありうるかもしれないとのことだが、なぜここで規制をしなくてはならないのか、どういう問題がありうるのかということをさらに分析していかなくてはならないと思う。
     消費者について言うと、少額であっても、広く薄く被害が及ぶことが仮にあるとすると、それも考慮しないといけない。高額であったら常に規制しないといけないかというとそうでもないかもしれない。もう少しここは掘り下げる必要があると思う。
     2点目は規制をする際の法形式をどうするかということ。既存の法律、とりわけ為替取引をどう考えていくのか、新しい法律をどう考えていくのか。現在あるものを無視して新しい制度設計は出来ないかもしれないが、よいものを作るためには一旦は白紙から考えてみる必要がある。

電子マネー及び企業ポイントについて

事務局から、電子マネー及びポイントに対する規制のあり方について説明した後、宮沢委員より事業者から見た電子マネーの規制のあり方について説明いただいた。その後、「企業ポイントの法的性質と消費者保護のあり方に関する研究会」の事務局から簡単に検討状況を説明した後に自由討議を行った。自由討議の内容は以下のとおり。

  • (委員)

    2点ほど申し上げたい。まずは、電子マネーについてですが、最終的な規制がどうあるべきかという点については、前払式証票規制法の枠組みでの規制で十分だと思うが、電子マネーというものが持っている法構造からすると、やはり資金移動あるいは送金としての側面があるのではないかという点を少し確認させていただきたい。冒頭の3つのカテゴリーの整理も踏まえた上で、収納代行と電子マネーは基本的に異なる構造があるというのは、収納代行が受領側の代行であるのに対して、電子マネーの場合はチャージという形で資金を預かり支払う側の代行を行うという側面があるからである。自家型とは異なり加盟店型では加盟店といっても第三者ということになるので、一旦預託を受けた原資を資金移動して支払を行うという側面がどうしても出てくるのではないかと思う。
     他方、原因関係の決済という点について、収納代行については、代理受領ということで、その他の法律構成の余地があまりないと思われる。これに対して電子マネーについては、多くが免責的債務引受という形で私人間で整理されていると伺ったが、同時に預かった資金を移転させるという側面もあり、その意味では銀行の振込みにも似た支払指図の側面もある。法的性質決定自体はいろいろな可能性があるが、仮に私人間で法的性質を免責的債務引受と決定すると、実質的な機能に即して規制をしていく際に、私人間の法的性質決定が規制との関係でどれほど意味を持つのか少し検討が必要なのではないかと思っている。だからと言って、送金サービスと同じような規制をした方がいいとは思っていない。
     ポイントについては、ポイントの電子マネーとの交換に関連して1点だけ申し上げたい。交換の実態は十分に把握できていないが、おそらくポイントから電子マネーに変わるということが多いのだと思う。これに関しては問題ないと思うが、逆にチャージした電子マネーがポイントに変わるということが行われているのだとしたら、やはりこれは対価を得て発行しているという側面がどうしても出てくると思う。そうなると、ポイントに関しても電子マネーと同様の前払式証票としての側面が出てくるのではないかと思うが、その実態について確認したい。

  • (事務局)

    1点目の電子マネーの法律構成については御指摘の通りだと思う。そういう点も踏まえて検討させていただければと思う。2点目について、ポイントを現金で買えばプリカだが、電子マネーで買えばどうかということだが、実態面ではそういうことは行われていない。前払式証票規制法の適用については基本的には金融庁の判断であると理解しているが、私どもとしてはそういう認識でいる。

  • (事務局)

    我々が研究会を行うにあたって、いくつかの事業者を調査した限りにおいては、電子マネーで企業ポイントを購入しているという例はなかった。

  • (委員)

    ポイントを発行している側としては、マーケティングの観点から発行しているポイントを相互に交換したからといって、ポイントの性質が変わるとは思っていない。利用者としても、AポイントとBポイントを持っている場合に、Aポイントに寄せようと思いBポイントをAポイントに換えるということがあるが、その場合に利用者が換えたAポイントが特別な性格を持つと峻別しているのかというとそんな意識はないと思う。当事者意識のところから考えても、法律的な性格が変わっていくということをきちんと理屈づけするのは難しいのではないかと思う。
     プリペイドカードはもともと対価を持って発行したものとなっており、その対価性のところは金銭ということが明確になっているので、権利性が非常に薄いポイント同士を交換したからといってポイントの権利性が次第に高まってくるというのは理屈づけとしてはなかなか難しいのではないかと思う。裏側で企業同士がポイント交換の際に対価のやりとりをしているケースもあるが、それはポイントの対価というよりも、マーケティング上の費用のやりとりで、発行に必要なコストをそこからまかなっているだけである。自社のポイント利用者のために、利用者に交換先としてほしいと言われている会社から対価を受け取って発行しているという意志もないし、そういう契約にもなっていない。
     最後にポイントも送金サービスもそうだが、今行われているのは、講学上、こういう観点から整理したいという希望と、実務実態の評価と、リスクがどうなっていてそれを規制すべきかという議論がいろいろと混在している気がする。整理をしたいという気持ちはよく分かるが、新しいサービスの実務実態の本質をあまり考えずに従来の規制や効率的な考え方にどう当てはめようかという考え方から見られているような気がしてならない。いろいろな議論の中で現実のリスクが何なのかというのが実はあまり出てきていない。理屈上はこういうリスクがあるという話はあるが、現実に本当に深刻な問題があり立法が必要だという立法事実がどれほど明らかになっているのかというのが分からないまま、講学上の整理をしたいという気持ちが優先していろいろと整理されていくということに危惧を覚えている。その点に御配慮いただければと思う。

  • (委員)

    今のコメントに同感である。本来のことを考えるのであれば前払式証票規制法の建付け自体が決済制度の規制として正しいのかという議論をしなくてはならない。そうすると商品券からプリペイドカードになったときに本当に三越の百貨店の商品券とNTTのプリペイドカードは同じだったのかというような議論をしなくてはならないということだと思う。しかし、今この場ではこういう議論はしないという前提で進んでいると理解しており、現実の制度を考えるという点では納得できる。そうだとすると、ある種便宜的に引いている線を前提として、そのことで実務上のバランスの取れた解決をしようということになっている。したがって、理論的におかしい点が出てくるとか理論的に隙間があるという議論をしても、この問題に関しては実はあまり説得力がないのであり、もともと便宜的なものを今便宜的に動かすだけなので、そうすると現実的にどうなっているかという実態に即した議論をしなくてはならない。一例を申せば、先程の資料の9ページにある「ポイントは貨幣に近いか」という点。これは私は理論的に言えばポイントが貨幣に近くなる、あるいはポイントが貨幣を超えることもありうると思う。本来であれば、そういうことに対してどういう法制度を持つべきかという議論をしなくてはならないが、それは学者が例えば10年などのスパンを考えてやるべきことであって、現在使われているポイントは貨幣に近い実態ではないということで議論していけばいいのではないかと感じている。

  • (委員)

    全体的なことについて事務局に質問したい。預金取扱金融機関が日銀ネットや全銀ネットを通して行う為替取引を為替として整理し、従来型の電子マネーは前払式証票規制法で整理し、送金サービスというものについては新たな立法が必要であり、そこについては送金業者に新たに参入してもらい、換金型電子マネーもここで整理するという理解でいいのか。収納代行サービスについては、委託者保護の必要性が高い場合には、規制的なものが限定的に必要だが、委託者が法人であれば送金サービス法の適用除外にするということを言っているという理解でよろしいのか。
     また、お役所の関係は難しいと思うが、この産構審の小委員会で議論した結果は今後どういう形で反映されていくのか。

  • (事務局)

    本小委員会では、それぞれのサービス実態を踏まえて規制緩和すべきところは規制緩和し、規制の必要性がないところは規制しないという、実態サービスに基づいた議論をしていただいており、新たな法律がどういう形になっていくのかということまで議論することは求められていないと理解している。金融庁の決済ワーキング・グループの議論も審議会として有識者の方々の意見を承っており、私どもも本小委員会で有識者の方々の御議論を承りたいということで本小委員会を運営している。仮に何らかの法律的な対応あるいは自主規制による対応が必要であれば、それは次のステージとしては政府内で議論をし、調整させていただくことになると考えている。

  • (委員)

    ポジショニングをはっきりしないといけないと思う。立法業務に関してはどういう形で関わることになるのかの認識をうかがいたい。

  • (事務局)

    何らかの形で法律を出す場合は、これは政府として出すわけであり、経済産業省が出すとか金融庁が出すというような実態は別として、形式としては政府として一体として出すというものになる。金融関係あるいは商取引関係等々、それぞれ設置法で与えられた所掌と任務があるので、どこがどう企画するかというのはともかくとして、そこで私どもと関連する内容が法律の中にあるとすれば、そこでは権限も含めて、内容についてもいろいろと意見を言いながら、何をどこが担当するのかということをきちんと整理をした上で、最終的な政府としての提案を法律の場合は政府として国会に出すという形になると思う。それ以前の作業としては、この審議会の議論に関しては、金融関係の省庁の事務局の方に伝えるものである。実際問題として、審議会同士で調整する場というのはないと思うが、私どもの議論の過程、考え方といったものを念頭に入れながら、金融審議会では議論が進められると思う。

  • (委員)

    各省庁の方でよく話し合っていただきたい。また、非常にイノベーティブな業者の方が多いと思うので、その方たちが時間を使った成果が無駄にならないようにしていただきたいと思う。

以上

 
 
最終更新日:2008年11月4日
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