経済産業省
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企業ポイントの法的性質と消費者保護のあり方に関する研究会(第1回)-議事要旨

日時:平成20年9月19日(金)10:00~12:00
場所:経済産業省本館17階西6第1特別会議室

出席者

委員:
池田座長、有山委員、井上委員、片山委員、後藤委員、高野委員

オブザーバー:
イオン株式会社神谷CRM構築プロジェクトチームリーダー、株式会社日本航空種田顧客マーケティング部マネジャー、ヤフー株式会社別所CCO兼法務本部長、株式会社ヨドバシカメラ藤沢常務取締役

議事概要

  1. 寺坂商務流通審議官挨拶の後、高橋流通政策課長から、委員、オブザーバー及び事務局を紹介。池田座長ご挨拶。
  2. 高橋流通政策課長から、資料3に基づき研究会の趣旨を、資料4に基づき研究会の公開について説明し、了承を得た。
  3. 議題1及び議題2を一括して議論することとし、高橋流通政策課長から資料5を説明。
  4. オブザーバー各社から、各社のポイントプログラムの現状等について発言。

    • 総合スーパーとしてはポイントを発行していないが、金融事業の中でクレジットカードと電子マネーに関してポイントを発行している。付与率は、簡単に言えば、0.5%(電子マネーは利用200円で1ポイント、クレジットは1,000円で5ポイント)。交換は数社と実施。実際にはそれほど交換は発生していない。
    • 権利性に関して約款などに記述はしていない。

    • 航空会社は古くからマイレージプログラムを運営。1981年に米国で発祥、対抗上米国にてマイレージを開始。その後日本にも海外航空会社が進出しマイレージを展開。対抗上、日本でも実施に至る。別途、上位会員の仕組みも導入(ラウンジ利用や優先搭乗)。
    • 有効期限を36ヶ月に延ばすなどの変更経験あり。
    • マイルの利用方法は航空券の割引や座席種別のアップグレード、航空会社の自社グループ施設で使えるクーポンなどに使える。また、他社のポイントに交換可能。
    • 資料5の15ページの他人譲渡の記述に関して、航空会社のマイレージは本人しか使用できない。ポイントを使用して得られた航空券を利用することのできる範囲として家族も可能なのであり、記述内容は少し違う。(資料修正済。)
    • 個人情報ではなく飛行機を使った旅行に役立つような限られた情報を共有する場合と、個人情報は潰してマーケットの動向が把握できるような形でマーケティング情報を提供している。

    • ポイントは主にショッピングの利用で付与。目的は顧客のリテンション。
    • ポイントの性質については、今も試行錯誤を重ねつつ、約款に「期待権」と定めている。
    • 利用方法は、ショッピングへの充当、災害時などの寄付など。さらに、特定の地方自治体の公金の一部としての利用も可能。あくまでリテンションが目的であり、基本的姿勢として他企業の交換はしない。実施しても流入が中心。ただし、ポイント全体の魅力を向上させる目的で流出も一部実施している。
    • ポイントはあくまでオマケ、つまり自社のサービスを再び使ってもらうために設計されたものであり、決済手段として設計された電子マネーとは根本的に機能が違う。
    • ポイント交換に際して、ポイントを売買しているという認識はない(企業間精算は実施)。
    • 「1ポイント1円」という一文の表示だけによって、権利性を判断するのではなく、約款全体を見て評価していただきたい。
    • 消費者認識とギャップがあるのであれば、企業がきちんと表示し、消費者に理解していただく必要があると認識。ただし、何もかも全部表記するのは難しい可能性あり。
    • ポイントの保護について、個人情報取得が即ち保護との認識には違和感あり。個人情報取扱いのポリシーによって個人情報を取得するか否かが変わるのであり、ポイントを保護する・しないとの関係は必ずしも一致しない。またマーケティング分析も個人情報を取得しなくても可能。
    • 条件変更については事前告知が必要と認識。約款の一方的変更は合理的範囲に限られるのは判例法理からも明らかで、通常の企業はそれに反したことはしない。
    • 電子マネーをポイントと呼称するものもあるので、誤解が生じるのではないか。いかなるものに「ポイント」という名称を付けられるのかにつき箍をはめて欲しい。

    • 国内で最初のポイント事業を行ったのは恐らく我々。定価販売を守るべく、定価購入で5%のポイント付与を始めたのが最初。
    • ポイントは流出させない方針(原則交換はしない)。一部のカード会社との交換はあるが存在感は低い。本業の価値があって初めてポイントの意味が出る。現にポイント残高は顕著に店舗売上高に比例する。
    • 「ポイント」と一言で言っても様々な種類があり、性格は異なる。本人特定性・換金性・流動性等でポイントを分類し、分類毎に個別に議論する必要があると思料。
  5. 委員からの意見の概要は以下のとおり。
    • 旧来のスタンプカードといった紙媒体のものであっても今後の議論の中で影響するケースはある可能性も考えられ、積極的に議論から除外する必要はない。
    • 「ポイント」というだけで一律のルールを作るのは困難。一方、現実として、企業と消費者の間に大きな認識のギャップがあるのであれば対応は必要。「オマケ」なのに顧客に「間違いありません」と約束することには無理がありそうだが、実際にはグラデーションがあることを前提に整理していくのであろう。
    • オブザーバー企業から発言のあった3つの分類は大変参考になった。ポイントを分類した上で、それぞれについてルールを検討する一方で、共通ルールを求める姿勢も大事であろう。消費者観点で分り易いルールを作ることが大事。
    • ポイントの性質、対象をどのように利用者に示しているか、補償対応状況について、オブザーバー各社に質問があり、各社それぞれ回答。
    • ポイントの案内方法も変化。ポイント付与を見せ玉に勧誘しているため、消費者は「オマケ」というより購入の前提のような意識になる。故に期待とのギャップは発生し易い。
  6. 委員とオブザーバー企業との間で、下記のとおり質疑応答があった。
    • 苦情対応窓口設置状況に関して、コールセンターを設置、店舗等における対応、Web等による対応等の回答。
    • 消費者との認識のズレに関して、顧客によってポイントの前提イメージが異なる、一般常識に照らして極めて不思議な苦情内容も増えている等の回答。
    • ポイントサービスをやめるという考え方の有無に関して、他社との競合上、1社でやめるのは難しい等の回答。
    • ポイントの権利性に関連して倒産等を想定して対応を考えていることはあるかについて、自社の倒産は考えていないが、取引先が倒産した場合は補償する、差し押さえの対象となる債権とは考えていないとの回答。
    • 消費者の換金に対するニーズについての考え方に関して、元々リピーター利用を見込んでいるので換金は考えていない、現金の出口を作っているが利用は非常に少ないといった回答。
  7. 次回は10月10日(金)10:15~12:15、詳細は追って連絡することで閉会。

以上

 
 
最終更新日:2008年9月26日
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