経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総合部会(第2回)-議事録

日時:平成21年1月19日(月)

議事概要

  • 黒田部会長
    皆様おはようございます。朝早くから本日はお集まりいただきまして、ありがとうございます。まだ若干定刻前でございますけれども、もう全員おそろいですので、開催をさせていただきたいと思います。
    総合資源エネルギー調査会の第2回の総合部会ということになります。資料1の議事次第に従って進めてまいりたいと思います。
    前回の総合部会におきまして、昨今のエネルギー事情、いろいろ変化を踏まえまして、エネルギーの供給構造の高度化、非化石エネルギーの導入の拡大、そしてエネルギーの利用の高度化といった課題を具体的な施策の中で、どういうふうにこれからやっていったらいいかをご検討いただくために、この総合部会におきまして政策の小委員会を設置させていただきました。
    10月末から12月中旬にかけまして、政策小委員会の委員長を石谷委員にお願いいたしまして、第6回にわたりまして精力的に議論をしていただきました。その結果、今後目指すべきエネルギーの需給構造の方向性であるとか、それからエネルギーの需給構造の供給構造高度化に向けての制度設計について、今回中間報告をおまとめいただきました。
    本日は、その政策小委員会の審議の結果を踏まえまして、中間報告を事務局のほうからご紹介いただきたいと思います。その上で皆様のご意見をいただき、最終的に了解を得られましたら、本報告をこの総合部会の報告としてまとめておきたいと考えております。
    それでは早速ですけれども、事務局のほうから説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
  • 石崎室長
    よろしくお願いいたします。
    それでは、座席表のある配布資料の中で、資料3-1、資料3-2、そして資料4というのをご参照いただければと思います。資料3-1が政策小委員会の中間報告になります。それから、資料3-2がそれに附属する図表と参考資料になります。
    それでは、資料3-2を傍らに置きつつ、資料3-1を中心にご説明をさせていただきます。
    それでは、目次の次の「はじめに」という2ページ目をごらんください。ここに書いてありますとおり、二度のオイルショックにより、過度に石油に依存することの危険性が明らかになったことを受け、我が国はエネルギー供給部門における対策として、石油代替エネルギーの開発、導入を官民一体となって図ることで行ってまいりましたが、近年、アジアを中心とする世界各国のエネルギー需要の増大や、資源ナショナリズムの台頭、地政学リスクの増大などを背景に、化石燃料の全般について価格が一時は高水準を記録した一方で、本年7月以降には価格が下落するなど、不安定な状態が続いていると。
    こうした状況の中、化石燃料への依存度が依然80%を超え、その供給の大宗を海外に依存する我が国としての懸念、そして地球温暖化問題への対応が喫緊の課題となっているという中で、化石燃料への過度の依存の構造を中期的に考えていく必要があるということで、このような状況に対応するため、今般経済産業大臣から総合資源エネルギー調査会長に対し、「昨今のエネルギーを取り巻く各種情勢の変化を踏まえた今後の石油代替エネルギーの開発・導入政策、その他のエネルギー供給構造高度化政策がいかにあるべきか」と諮問が行われ、本総合部会に付託されたわけであります。
    さらに、本諮問内容については、より専門的な観点から集中的に審議することを目的として、総合部会の下に政策小委員会を設置し、石谷委員長のもと本年10月から6回にわたって議論を行ってまいりまして、今回の報告書はその議論の結果を取りまとめたものであります。
    3ページにめくっていただきまして、お時間も少ないので、若干省略しながらご説明いただきますと、3ページの11行目にございますが、代エネに向けた取り組みの成果ということで、我が国の石油依存度は第一次オイルショックのときの8割から、90年度の時点で約54%、2000年度には5割を下回る水準にまで低減しております。
    特に電力分野においては、火力発電所の燃料転換や大型化、原子力発電所の増設など、電源開発の軸を移すことにより、石油依存度は大幅に低減いたしております。しかし、それにもかかわらず、一次エネルギー供給に占める化石燃料の割合が依然8割と高水準なままとなっているのが現状であります。
    4ページの1行目からでありますけれども、そういった中で、世界のエネルギー需給構造の中長期的な変化や地球環境問題を解決するための低炭素社会の実現の必要性、これらを十分に踏まえた対応を行っていかなければならないということで、代エネ法を中核としたこれまでの政策を見直す必要があると考えられるということであります。
    次に、エネルギーをめぐる情勢と一次エネルギー源ごとの特性についてでありますが、近年、先ほど述べましたとおり、世界全体のエネルギー需要の増大、資源ナショナリズムの台頭、そして地政学リスクの増大のなどを背景に、化石燃料全般の需給が逼迫しており、また化石燃料価格全般の高騰及び急落、こういったことで、我が国のエネルギー供給構造に警鐘が鳴らされていると考えられます。
    少し飛ばしまして、ページめくっていただきまして5ページになりますけれども、5ページの18行目ぐらいからでありますけれども、エネルギー自給率について見ると、二度のオイルショック以降、石油の代替として導入された天然ガスや原子力の燃料となるウランは、ほぼ全量が海外から輸入されているため、2005年度のエネルギー自給率はわずか4%にとどまっている。加えて、「準国産エネルギー」として位置づけられている原子力も含めても約18%となっており、これは他の先進国と比べても非常に低い水準であります。
    さらに、我が国のエネルギー起源の二酸化炭素排出量というのは、2007年に13億トンCO 2と、温室効果ガス全体の大宗を占めていると。こういったことの中で、6ページのほうにまいりますけれども、我が国のエネルギー供給構造は将来に向けて多くの課題を有しており、エネルギーセキュリティの強化、低炭素社会づくりなど中長期的観点からの対応が不可欠となっております。
    次に、一次エネルギー源ごとの特性の評価として、各エネルギー源ごとの特性について記述してありますが、ちょっと時間の関係もありますので、6ページから7ページの上段については省略をさせていただきますが、結論については7ページの14行目からありますけれども、一次エネルギー源にはそれぞれ特性があって、そのメリットを最大限に生かす一方で、デメリットを克服するための取り組みが必要であるということであります。
    次の(3)がエネルギー政策基本法を踏まえた検討の視点でありますけれども、ここで述べていることでは、エネルギーの安定供給、こういったことには資源国の地政学的リスクですとか、資源の埋蔵量ですとか、総合的に勘案するという必要があり、こういった中で資源ナショナリズムへの対応などが課題となっているということを記述しております。
    8ページにまいりますと、8ページから大きな3つ目の項目でありますが、今後目指すべきエネルギー需給構造についてでありますが、ここで述べておりますとおり、2020年から2030年、あるいは2050年までを視野に入れたエネルギー政策上の目標・見通しとして、ここに掲げられている「エネルギー基本計画」、「新・国家エネルギー戦略」、「長期エネルギー需給見通し」、そして「低炭素社会づくり行動計画」などが国家としてのグランドデザインとして示されております。
    少し下がりまして25行目でありますけれども、長期エネルギー需給見通しにおける最大導入ケースについての評価を示しております。長期エネルギー需給見通しの「最大導入ケース」は、「新・国家エネルギー戦略」に掲げられた、2030年までにエネルギー効率を30%以上改善する、運輸部門の石油依存度を80%程度とする、原子力発電の比率を発電電力量の30から40%以上とするといった長期的な方向性を実現することを目指して作成され、経済成長率ですとか原油価格ですとか、もろもろの前提条件のもとで実用段階にある最先端の技術で、高コストではあるが、省エネ性能などの格段の向上が見込まれる機器等について、国民や企業に対して法的に強制する一歩手前のぎりぎり施策を講じたという状態を想定しております。
    9ページにまいりますが、これにつきましては6行目にありますが、「『低炭素社会・日本』をめざして」、いわゆる福田ビジョンにおいて、2050年までに温室効果ガス排出量を現状から6割から8割削減するとの長期目標を掲げるとともに、この「最大導入ケース」がセクター別アプローチを緻密に適用し、最も進んだ省エネ・新エネ技術を具体的にどの程度導入していくことが可能かを詳細に検証した結果得られたものであると言及されております。
    政策小委員会の中では、最大導入ケースについては、以下のような両論がありました。1つは、世界の流れの中で、低炭素社会の実現に向けた姿勢を示すことが重要であり、福田ビジョンにも記述されていることから、その実現を確保すべきであると。
    もう一つは、最大導入ケースは、規制を講じる一歩手前のものであるということで、エネルギー供給事業者としては、現実的な需要想定をもとに供給支障が生じないように対応していかざるを得ないのではないかと。さらに、エネルギー供給に重要な役割を果たす事業者としての経営にも配慮せざるを得ないのではないかといった中で、本小委員会として、「最大導入ケース」というのが福田ビジョンの中で引用されている一方で、もろもろの前提に立って示した姿であることから、安定供給の確保に十分留意した上で、国全体として目指すべき目標のベンチマークとして位置づけるべきものであると考える。そして、こうした観点から、今後、別途、国全体として目指すべき目標についてさらに検討を深めることを提言するものであるとしております。
    次に、エネルギー供給構造高度化への取り組みということで10ページからでありますが、大きく3つありまして、1つは技術開発等の推進ということで、革新的エネルギー技術の開発ですとか、オイルサンド・メタンハイドレートなどの非在来型資源や、未利用エネルギーの開発。次に、非化石エネルギーの導入拡大ということで、原子力、水力、地熱、新エネルギーなどの導入を拡大すること。そして、化石資源の高度・有効利用ということで、有限な化石資源の生産性を徹底的に高めるために、その高度・有効利用を推進することを図っていくべきということになっております。
    少し省略いたしまして、10ページの最後のあたりからですが、そういった中でエネルギー供給事業者の役割ですけれども、11ページになりますが、長期エネルギー需給見通しにおいては、「エネルギー技術戦略」を踏まえた最先端のエネルギー技術の進展・導入の効果が最大限に発揮された場合に想定される、我が国のエネルギー需給構造の姿が描かれておりますが、これを実現するためには、需要部門における省エネルギーの進展が必要であるが、それだけでは不十分であると。エネルギー供給部門において、セクターごとの特性を踏まえた供給構造高度化の具体的な取り組みを着実に進展することが不可欠であり、そのための適切な枠組みが必要であるとしております。
    特に、新エネルギーの導入拡大は、エネルギー安全保障、地球環境問題はもとより、我が国のエネルギー産業の高度化、さらに新たな産業への変革にもつながるということで、多くの政策的な意義がある。
    また電気事業者においては、供給安定性、環境適合性、経済性などを評価し、電源のベストミックスを図る中で、新エネルギーによる発電についても技術的・経済的課題を考慮した上で、より一層の導入拡大を図っていく必要があると。
    また石油、ガス事業者においても、供給安定性、環境適合性、経済性やエネルギーの特性と技術的視点を十分考慮した上で、既存の燃料に新エネルギーを取り込むなど、より一層の新エネルギーの導入拡大を図っていく必要があるということで、新エネルギー部会の緊急提言というのを引用しております。
    また原子力発電についても、供給安定性にすぐれ、発電過程でCO 2を排出しないクリーンな基幹電源であると。電気事業者においては国による事業環境整備のもと、これら政策目標が実現されるよう、徹底した安全の確保を前提に、立地地域を含む国民の理解を得つつ、原子力利用の推進に最大限の努力を行うことが期待されております。
    少し飛ばしまして、12ページの15行目からですが、エネルギー供給事業者は、これまでの事業実績の中で経営力や資金力、技術力、供給インフラなどを有しており、こうしたエネルギーの需給構造改革の変革を進める能力を十分に有している主体であると考えられると。ただし、エネルギーセクター及びエネルギー供給事業者の実情の違いにも十分配慮することが必要であるとしております。
    3つ目に、事業者、国及び地方公共団体の役割について記述しております。
    国は、供給構造の高度化に向け、適切な制度の構築・運用を行うことに加えて、事業者に対しリスクの大きな技術開発への支援や、新技術や新方式の導入促進のための支援を十分に行う必要があると。
    ページめくっていただいて13ページですが、特に原子力や太陽光発電、燃料電池、リチウムなどの蓄電池などの先進的な技術の開発において、大学や研究開発機関など産業界との連携が相当に進むように支援を抜本的に強化すべきであること。加えて、原子力を推進するための支援の格段の強化を図るということで、立地地域を含む国民との相互理解や、原子力推進に対する地方公共団体の理解・協力を得られるよう、国の顔が見える形で真摯な取り組みを重ねていくべきであると。
    次の段落ですが、バイオマスのエネルギーとしての活用に当たっては、さまざまな主体との協力が不可欠であり、国、関係省庁間の連携の強化、地方公共団体をはじめとする関係者の協力を得られるように支援をすべきである。
    また、エネルギー需給構造の改革に当たっては、供給サイドと需要サイドのそれぞれの取り組みのみならず、双方が一体となった取り組みも必要であって、国としてはこうした革新的な方向性を示すといった役割を担うべきであると。また、国民に対して低炭素社会の具体的な将来像と、これに伴うコスト負担をわかりやすく説明していくべきであると。
    また、地方公共団体についてですが、非化石エネルギーの導入拡大を進めていく上で果たしている役割の大きさを認識した上で、その役割や責務を明確にし、国、事業者との連携を深めていくべきであると。
    なお、長期的観点からエネルギー起源のCO 2を削減するためには、以上のようなエネルギーの需給構造の高度化に加えて、バイオ燃料やバイオガスの地域コミュニティーにおける活用など、社会システムの変革についてもさらに検討する必要があるとしております。
    次のページは、大きな4つ目のエネルギー供給構造高度化に向けた制度設計についてでありますが、まず、取るべき政策手段についてですが、適切なポリシーミックスの検討ということで、国の関与の方策としては、規制的手法、経済的手法、そして自主的な手法というのがありますが、まず規制的手法とは、法令により、一定基準を下回ると直ちに行政措置の対象となるものから、誘導的規制のように、目指すべき目標を示し、これを下回った場合でも実際に行政措置の対象とするかは、他の事業を総合的に勘案するものまで、さまざまな体系があります。
    今般やるべき取り組みというのは、国民生活の安全確保のために一定基準が必ず確保されてなければならないというものではなくて、むしろ中長期的に一定のレベルに属したエネルギー需給構造の変革をしていくという、こういった観点からすれば、例えば省エネ法に見られるような誘導的な規制法の体系とすることが望ましいとしております。
    少し飛びまして、次に経済的な手法とは、補助金や税制支援などの経済的なインセンティブでありますけれども、中長期的観点からの経営が求められるエネルギー事業については、実態上はこうした政策誘導だけでは効果に限界がある場合も多いと考えられると。
    次のパラグラフですが、本小委員会としては、強靭なエネルギー需給構造を中長期的に構築し続けるべく、省エネ法を参考とした適切なポリシーミックスによる誘導的規制の枠組みを導入すべきであると考えると。また、その際にはあるべき長期的な方向に誘導するよう、国としても強力な支援を行っていくべきであると。なお、実際の枠組みを検討するに当たっては、民間活力を最大化するための制度設計を行うべきであるとしております。
    次に、誘導的規制のフレームワークですが、制度の大枠としては、以下の1から4に書いてあるようなことであるということであります。1が、国が、我が国全体としての非化石エネルギーの導入目標や化石エネルギーの高度な利用についての方向性を示し、次に、国がエネルギー供給セクター別に、各エネルギーの特性を踏まえつつ、非化石エネルギーの導入や化石エネルギーの高度利用のためにエネルギー供給事業者が踏まえるべき具体的な指標や取り組み内容を示し、3番目に、これに合わせて、エネルギー供給事業者が計画的に取り組むとともに、4番目ですが、エネルギー供給事業者の取り組みが合理的な理由なく計画どおりに進まないことを防ぐような担保措置を置くと。こういったスキームを基本として設計を行うべきであるとしております。
    3番目に、エネルギー供給事業者を対象とすることについてですが、以上のような取り組みを求める対象としては、エネルギーの供給事業者とエネルギーの使用者とが考えられますが、今般講じようとする措置は、いずれも一次エネルギー源の選択とエネルギーの転換方法の改善と、転換技術の開発といった措置にならざるを得ないということで、少し飛びますけれども、次の段落ですけれども、エネルギー供給事業者は電気、石油製品、都市ガスなどを供給する場合が大宗であるが、取り組みを求める事業者としては上記の考え方からすれば、こういった決定を行うのに必要な経営力、資金力、技術力を有している者とすることが適当であると考えられる。また、その際、中小事業者についても、その実態を十分に勘案する必要があるとしております。
    4番目に、国と地方公共団体の役割ですが、エネルギー供給構造高度化が実現するためには、エネルギー供給事業者における相当の投資や取り組みが必要となることから、単にエネルギー供給事業者に任せるのみでは実現が困難な場合があり、官民一体となって取り組むべきものもあるということで、国や地方公共団体の一層の役割・責任分担について記述をしております。
    2番目の項目として、考慮すべき事項ですが、まず目標・タイムフレームですけれども、非化石エネルギーの導入や化石資源の利用高度化の具体的な目標は、エネルギー使用の変化等に応じて適宜見直しを行うべきであるが、その際には、長期エネルギー需給見通しを踏まえつつ、国全体として実現すべき姿と整合性を持つような形で設定を行う必要があるとしております。
    少し飛びまして22行目からですが、その際に技術開発が段階的に進行し、それに伴って経済性が高まると、こういったプロセスにおいて最も適切なタイミングで新たな製品や技術を導入・普及させるということが望ましい点にも留意する必要があるということであります。
    次に、セクター内での取り組みですが、32行目からですけれども、個別の技術や設備の立地地点の状況など、これまでの産業内の各企業の取り組みには異なるものがあり、このような実態に十分配慮した制度とすべきであると。それから、指標・基準の設定に当たっては、事業者が技術的・経済的達成不可能な指標・基準とならないように配慮すべきであると。
    3番目に、セクターを超えた取り組みでありますが、非化石エネルギーの導入への取り組みは、エネルギー供給事業者がみずから供給サイドの非化石エネルギーを導入することが大原則ではあるが、需要サイドと協力した取り組みを供給サイドの努力として積極的に評価することも考えられるということで、ヒートポンプや燃料電池を挙げております。
    また、化石資源の利用の高度化については、例えばコンビナートにおける石油精製業者と石油化学製造業者との連携や、異業種連携のようなセクターを超えた事業者の取り組みも評価されるべきであると。
    4番目には、災害などやむを得ない状況ということで、25行目ですが、災害や外部的な要因により企業の取り組みが及ばなかった場合など、やむを得ない事情等が発生した場合については行政的な処分を行わないなど、特別の考慮を行うべきである。
    次の18ページですけれども、競争条件の公平性ということで、10行目からですけれども、エネルギー供給事業者は、過去、切磋琢磨を通じて産業として発展したと考えられることから、エネルギー間の競争条件の公平性に配慮し、各セクターが公平な枠組みのもとでエネルギー供給構造の高度化に向けた努力をするように制度を設計すべきであると。
    6番目には、実現可能性への配慮で、20行目からですけれども、非化石エネルギーの導入や化石資源の利用高度化の目標については、最大限の努力は必要だが、技術的・経済的に可能なものとなるように、各エネルギーの特性や各企業の特性などを十分に踏まえることとすべきであると。
    それから7番目に省エネ法との関係ですけれども、省エネ法はエネルギーの使用の合理化ということでありますけれども、こういった意味では、代エネというのはエネルギー源の転換ということで別の概念で整理されてきましたけれども、事業者の側から見れば省エネと今般の措置と一体的に実施するケースもあることから、二重規制とならないように法の運用に向けて今後検討すべきであると。
    8番目にコストとベネフィットでありますけれども、供給構造の高度化によって最終的に我が国が得られる社会的な便益やベネフィット、安定供給確保や環境保全上の効果はどの程度のものであるか、また発生するコストはどの程度のものとなるかについて、可能な限り定量的な検討が引き続き重要であり、制度の実施により発生するコストについては、国による積極的な支援を行うとともに、エネルギー供給事業者の企業努力による削減を図りつつ、最終的には、国民全体で負担することが必要であり、その方策についても今後の検討が必要であると。
    9番目ですが、RPS法ですけれども、今回の制度設計においても、RPS法によって電気事業者間の競争公平性を確保しながら、新エネルギーの導入拡大を図り市場を創出するというスキームは重要であると考えられるが、今回の制度設計の際には、電気事業者への二重規制とならないこと、エネルギー間の公平性を確保することなどについても十分配慮すべきであると。
    最後の10番目でありますが、エネルギー使用者についてということで、エネルギー使用者において、例えばヒートポンプ、電気自動車など、こういった機器が整備され、需要側の取り組みが重要な役割を果たす面も見られるようになってきており、今般の制度改正に際しても、可能な限り新たな産業が創出され、さらに我が国のエネルギー自給率向上に資する、こうしたエネルギー使用者の取り組みを促進することが望ましいといった内容が、政策小委員会の中間報告であります。
    次に、資料4についてでありますけれども、エネルギー供給構造の高度化に向けた規制の影響の事前評価の実施に関してという、これは簡単にだけご説明をさせていただきたいと思います。
    これはRIAと申しまして、政策評価法に基づいて行政機関が規制を新設し、もしくは廃止する等については評価書を作成し公表するということになっておりまして、2ページのほうにありますけれども、2ページの3ポツでありますけれども、今回の総合部会としての取りまとめが行われました際には、私ども行政機関としてこういった規制の費用ですとか、規制の便益について比較・検討を行い、4ポツにありますが、事前評価書の作成・公表ということで、現時点では2月中を目途にこういった評価を実施し、その結果をホームページにて公表する予定であります。
    資料4については事務的なご報告ということであります。
    以上であります。
  • 黒田部会長
    どうもありがとうございました。
    ただいま事務局からご説明いただきましたけれども、政策小委員会の委員長をお務めになりました石谷委員のほうから一言ごあいさついただきたいと思います。よろしくお願いします。
  • 石谷委員
    どうもありがとうございます。
    政策小委員会の委員長を務めさせていただきました石谷でございます。ただいま部会長からご紹介いただきましたとおり、10月27日の第1回から12月18日の第6回まで、わずか2カ月足らずという短期間でしたが、事業者や有識者の方々を委員とした政策小委員会で具体的な議論をさせていただきました。
    今、詳細は事務局のほうからご説明いただきましたが、内容的にはやはりエネルギーセキュリティの問題と、それから低炭素社会実現の目的、これらを矛盾しないで同時に達成する、いわゆるWinWinの手段となるケースもございますし、当然矛盾する場合もございます。そこへ加えて最近の経済情勢とか、あるいは温暖化防止枠組みの公正性とか、そういった各種の課題もいろいろ議論になりまして活発な議論ができました.小さな小委員会でしたので、ある意味では忌憚のないご意見を十分いただいたと思っております。
    特に事業者の方々からは、現状から、ただ今、結論として紹介いただいたような課題などをいろいろと自由に述べていただきまして、それを論点として報告に入れることができたと思っております。
    結果として、中間報告では代エネ関連施策や昨今のエネルギーをめぐる情勢等を踏まえ、今後目指すべきエネルギー需給構造の方向性が石油代替から供給構造高度化へと転換する必要があると提言しております。供給構造高度化とは、技術開発等の推進、非化石エネルギーの導入拡大、化石資源の高度・有効利用であり、非化石エネルギーの導入のみならず、化石資源の利用の有効性についてもうたっております。また、エネルギー供給サイドの民間の活力を最大限引き出すために、一定の誘導的規制措置を導入することが必要であると提言しております。
    いろいろ問題もございましたが、今後の制度設計のために検討すべき論点を盛り込んだ中間報告として取りまとめましたことを報告いたします。
    どうもありがとうございました。
  • 黒田部会長
    どうもありがとうございました。
    それでは、ただいまのご報告の中間報告に関しまして、委員の皆様方からご意見を賜りたいと思います。例によってプレートを立てていただいて、順次ご指名をさせていただきたいと思います。
    どなたでも結構ですが、いかがでしょうか。
    橘川委員、早めにご退席されるということですが、どうぞ何かありましたら、はじめにご発言いただければと存じます。
  • 橘川委員
    いいですか。
  • 黒田部会長
    はい。
  • 橘川委員
    すいません。きょう、ちょっと授業の関係で途中退席するもので、先に意見を述べさせていただきます。
    私、小委員会のメンバーなのですが、小委員会の席ではかなり、今度の報告は「誘導的規制」という言葉がキーワードだと思いますけれども、それに対しては慎重であるべきではないかという意見を述べさせていただきました。
    理由は、最大導入ケースが一種義務化すると、エネルギー事業者にとって非常に制約条件になるのではないかというような点、それから、前提として国別アプローチでCO 2削減ということを考えられていると思いますが、そうすると、例えば日本の石炭火力を有効に使って、世界大でCO 2を減らすというようなセクター別のダイナミックなアプローチがとりにくくなるのではないかというような点、その辺のことを考えまして、あるいは省エネ法と供給サイドからの法的規制というのは、ちょっとインセンティブのあり方が違うのではないかというような点から慎重であるべきだという意見を申し上げました。
    特に誘導的規制というのが入りますと、これからポスト京都議定書の話が出てくると思いますが、今までのように自主行動を積み重ねて達成していくというようなアプローチ、そういう発想からセクター別アプローチという、非常に日本発の有力な考え方が世界に発信されたと思うんですけれども、そういうもの、自主行動を積み重ねるという行き方と、この誘導的規制という行き方が果たして平仄が合うのかどうかというのが、これから法律をつくられていく上で非常に大きな問題点になるのではないかと思います。
    むしろ事業者の方々がいろいろ取り組まれているCO 2削減につながるような方策、電力業界ですと、やはり原子力が決定的で、特にこの法律が通ると単純に考えまして非常に影響が出ると思います2つの中電、そこの例えば上関ですとか、浜岡6号だとか、これを強力に支援していくこと、あるいは石油でいいますと、コンビナートの高度統合を進めて、ほんとうにボトムレスに近い世界をつくっていくことが非常に競争力強化に続いていくというようなこと。ガスは高度利用も、それから非化石化もなかなかイメージがわきにくいんですけれども、もう少し例えば天然ガスのパイプラインを延伸してCO 2を減らすだとか、LPGの車を増やすだとかというようなやり方で、サプライチェーンまで入れたLCA的なアプローチでCO 2を減らしていくというようなことに対して経済的な手法でいっても、かなり効果を上げられるんではないかというような考えをいまだに持っておりますので、そことの絡みを、これから法律をつくられていくプロセスでぜひ考えていただきたいと思います。
    最後ですけれども、多分これでできます法律には名前がつくと思うんですが、そのときに今までの石油代替エネルギー法というのが石油のエネルギーセキュリティにとって、ある意味で悪影響を持っていた側面があります。脱石油と言いながら、何で中東に来て石油を欲しがるんだというようなことを中東の国に言われたようなところがありますので、これが短くされたときに「非化石法」、「非化石燃料法」という名前になるのではなくて、エネルギーの高度利用法、ただ略すると高利法になっちゃって、あまりイメージがよくないかもしれないので、そうしたら高度化法というふうに略されるような、そういう法律の名称にしていただきたいというふうに思います。
    以上です。
  • 黒田部会長
    どうもありがとうございました。
    それでは、現在、お手の挙がっている茅委員、それから南雲委員、森本委員、内藤委員の順で。茅委員、どうぞ。
  • 茅委員
    今回の中間報告では、誘導的規制ということが一つの強い姿勢として、全体を貫いています。今後の化石燃料の諸問題、つまり安全保障や環境、原油価格大幅変動などに総合的に対応していくためにはこうした姿勢が必要なことは認めたいと思います。
    ところで、そうした問題とは別に、エネルギー、特に省エネルギーにからむ側面では、目標に対して未だに規制的な方策が少なく十分な効果のあがっていない分野があります。住宅あるいは小規模の建築についての断熱がその好例で、ヨーロッパではすでにかなりの国が規制として基準をたてているのに、わが国では規制はまったく行われていません。関係者はその理由をしばしばいろいろ述べ立てますが、こうした基準は同じ社会に住む人間の義務として規制にすべきものと私は考えます。そうした問題も今後この総合エネルギー調査会の中でどこかできちんと扱っていただきたいと思います。
  • 黒田部会長
    どうもありがとうございました。
    それでは、南雲委員、どうぞ。
  • 南雲委員
    ありがとうございます。
    ただいま示されました中間報告については、エネルギー政策基本法の柱でございます安全保障、経済性、環境保全の3Eの同時達成、新・国家エネルギー戦略をはじめ近年のエネルギー政策に関する精力的な議論の成果を踏まえたものであり、民間活力を最大限に引き出すといった視点や、エネルギー供給事業者に求められる中長期的観点の重要性、技術的・経済的な実現性、競争条件の公平性等に配慮された内容であること、3Eの実現の切り札である原子力発電に対する格段の支援強化の必要性について言及されていることなど、電力関連産業に働く者の立場としては十分理解をいたします。その上で、化石資源の高度・有効利用に関して意見を申し上げたいと思います。
    本日の中間報告が単に非化石エネルギーの導入拡大のみならず、化石資源の高度・有効利用や技術開発の促進、推進といった視点から取りまとめられていることを評価いたしております。ただ、今、我が国社会全体を見渡しますと、例えば今回の議論を振り返っても、その議論開始の当初には、脱石油から脱化石へなどといった報道が一部でなされていたことも記憶しております。さらに、世間ではさまざまな技術的、経済的課題を抱えていることにはあまり注目されないまま、新エネルギーがすべての地球温暖化問題を解決するといった過度な期待が寄せられる傾向がある反面、世界最高水準を誇る技術力を有し、例えば発電分野におきましても原子力、水力など、ゼロ・エミッション電源とともに今度とも3Eの一躍を担うべき石炭火力など、火力発電が何やら悪者であるかのように受けとめられる風潮が少なからず存在しているものではないかと懸念をいたしております。
    我が国においては、今後とも一次エネルギー供給あるいは発電分野において、化石資源は極めて重要な存在でありますし、世界全体に目を向けましてもなおさらでございます。
    例えば、すべての途上国の今後の経済発展を原子力だけ、新エネルギーによって支えていくことを期待することは、到底現実的ではございません。引き続きエネルギーの多くを化石燃料が担っていくべきであろう国際社会に対し、働く者の汗の結晶である物づくり大国日本が営々と築き上げてきた、世界に誇る化石資源の有効利用の技術を生かした国際貢献こそが今、求められていると考えております。
    本日の取りまとめの趣旨も踏まえ、貴重な化石資源の有効利用の今日的な意義や、その中で我が国が果たすべき役割について、エネルギー使用者である国民の皆様に考えていただければ幸いであります。行政におかれましても、ぜひともそうした観点も踏まえたぶれない国家戦略としてのエネルギー政策の推進に向け、その役割を最大限に発揮していただくことをお願いしたいと思います。
    最後になりますけれども、今回新たに創設される枠組みが、エネルギー供給事業者のみを対象とすることには一定の理解はいたしますが、エネルギー問題と地球環境問題の一体的解決に向けたエネルギー需給構造を築き上げるためには、行政側の取り組みとともに、今後論議されるコスト負担のあり方も含め、エネルギー消費者である国民の皆様の理解とご協力が不可欠であります。
    少しPRになりますが、私たち電力総連では、平成9年からエネルギー関連産業の労働組合に呼びかけ、「地球を救うCOCOちゃん運動」と銘打ち、夏場のノーネクタイ運動や、冬場の重ね着運動を、家族・家庭を巻き込んだ環境家計簿の取り組みなど、環境対策活動を積極的に推進してきました。申し上げるまでもなく、私たち労働組合は、職場で働く労働者の集合体であるとともに、地域における生活者であり、エネルギーの消費者でございます。こうした労働組合としての社会性を自覚した上で、地球環境問題に対する国民意識を高めるためには、まずエネルギー関連産業に働く者の立場から率先し、まさに生活者・消費者の視点から「身近なことから取り組む」を合言葉に、運動をスタートさせたところでございます。
    当初は6つの産業別労働組合からスタートいたしましたが、この運動も現在では日本最大のナショナルセンターである連合の全体の取り組みへと広がりを見せるなど、着実な成果を上げております。今回の中間報告を機に、国民の皆様一人一人が我が国のあるべきエネルギー需給構造に向けて、それぞれのライフスタイルやワークスタイルを見つめ直すきっかけとなることを願うことであり、そのことが社会的存在である労働組合の立場としても引き続き一定の役割を果たしていきたいということで、意見として申し上げたいと思います。
    ありがとうございました。
  • 黒田部会長
    どうもありがとうございました。
    それでは、その次、森本委員代理お願いします。
  • 森本委員代理
    本日は会長の森が出席できませんので、代理として失礼いたします。
    まず、短期間にそして精力的に取りまとめに当たっていただきました政策小委員会の石谷委員長をはじめ委員の皆様、また事務局の皆様に感謝申し上げます。
    今、報告を受けました中間報告(案)につきましては、全体的に議論をよく反映していただいた内容になっているものと思っております。
    私どもは、第1回の総合部会におきまして、主に3点申し上げました。
    その1つ目は、私どもはこれまで自主的な経営判断のもとで創意工夫を生かしながら、低炭素社会に向けて、切り札である原子力を中心に電源のベストミックスを追求してまいりまして、南雲委員からもありましたけれども、安定供給、経済性、環境適合という、いわゆる3Eの同時達成を目指して着実に努力し、実績を築いてきたということであります。
    また、2つ目として、非化石エネルギー導入をはじめとしたエネルギー問題、環境問題の対応につきましては、私ども事業者だけではなくて、国をはじめ国民全体で取り組むべき課題ではないかということであります。
    3つ目に、長期エネルギー需給見通しの最大導入ケースにつきましては、地に足の着いた議論が必要ではないかと、こうした3点を申し上げたところでございますが、これらにつきまして十分ご議論をいただいた上で、今回の報告書になったというふうに認識しております。
    報告書の中で、経営の自主性につきましては「民間活力を最大化するための制度設計を行うべき」と書いていただいておりますし、また、国及び地方公共団体の役割でありますとか、エネルギー供給事業者間の公平性についても明記いただいておりまして、評価したいと思います。
    その上でのお願いでありますが、今後はこの報告書を受けて法案の整備を進めていかれると思いますけれども、話に出ておりました誘導的規制という供給事業者への新たな手法ということで、これを具体化していくに当たりましては、16ページ以降10項目にわたって、記載されております考慮すべき事項を十分に踏まえて制度設計していただくようお願いしたい。
    特に技術的・経済的な達成可能性と、設備の実態に十分配慮した制度となることなどが重要と考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
    また、新エネルギーの導入につきまして、私どもとしては懸命に努力しているところでございますけれども、現行では電力だけがRPS法で義務を負っていることにも十分ご配慮いただきたいというふうに思っております。
    いずれにしましても、私ども電気事業者としましては、今回提起されたエネルギー供給構造の高度化という、大きな課題に対して中心的なソリューションを担う事業者であると思っております。その自覚を新たにして、強い使命感を持ってこれからも取り組んでまいりたいと思っておりますので、今後ともご支援をよろしくお願いいたします。
    ありがとうございました。
  • 黒田部会長
    どうもありがとうございました。
    それでは、引き続き、内藤委員。
  • 内藤委員
    この答申案自身は非常によく検討され、整理されているということで、この内容については異存はございませんけれども、その上で今後の検討を深めていただきたいという意味で、数点のコメントを申し上げたいと思います。
    第1点は、エネルギーセキュリティに関するものであります。もう皆さん共通の認識である世界のパラダイムシフト、グローバリゼーションの進化という中で、中長期的エネルギー需給のタイト化は確実であるという中で、欧米での議論の実感として、まずエネルギーセキュリティが非常に重要な問題として真剣に受けとめられ議論されているということです。そういう点から見た場合、日本がエネルギーというものをコモディティーとして評価しており、議論の真剣さが国民一般にもう少し浸透してほしいというふうに思うわけであります。
    そのためには、今までのいろいろの考え方、目標等が整理されておりますけれども、その整理にとどまらないで、まず具体的に官民の共通のゴールをもう少し具体化し、アクションプランを具体的に検討していただきたいということが1つであります。アクションプランとしては、市場、インフラ、政策、外的要因の変化等でどうなるかということを踏まえた、タイミングを設定した時系列を考えたプランをつくっていただきたいということであります。
    それから2点目は、先ほど来、誘導的規制をめぐっての議論がいろいろありますけれども、その中で、私は基本軸を明確にしていただきたいというお願いであります。官民の役割分担、関係ということを考える上で、振れない基本軸を持つことが重要であると思っております。最近の金融危機の世界的拡大と実体経済の深刻化、あるいは日本の政治混乱の影響もあって、最近再び日本でも公的介入を拡大する方向に意見が高まっているように見受けられます。
    そういう点からいいますと、民間部門の経営の効率化とエネルギーの安定供給をエネルギー事業者が主体的にやるということを同時に実現させ、かつ、それが需要者のニーズに適合する形になることを一貫して言える座標軸は、プライスメカニズムの効用と限界を明確に整理することだと思っております。
    したがって、それを静態的、動態的、価値観別に整理して、効用をいかに最大限にするか。限界を踏まえたルールづくりはどうあるべきかというふうなことを検討していただきたいと思います。私、ちょうどノーベル賞をもらった直後のアロー教授と、アメリカで1年間この議論をして、その後の政策遂行にあたって常に座標軸といたしました。したがって、その辺改めてもう一度整理をし、座標軸としてほしいということであります。特にこんなことを申し上げますのは、後で申し上げる地球温暖化を重視する人たちというのがあまりにも理想主義で、そういう軸にのっとってないというところがありますので、それを申し上げたいわけです。
    それからもう一つ、エネルギーセキュリティに関連しては、官民一体となって実施するには、世界的に存在感のあるエネルギー関連企業の存在が不可欠だと思っております。長年フランス等で議論をしておりますと、石油、ガス、電力、原子力等々エネルギーの分野に焦点を当てた産業体制の整備を考えて、資源外交のみならず実態的なアクションにおいて官民一体になって政策をつくり、かつ実行するというのに、非常に感心をしております。したがって、国際競争に勝てるエネルギー資源確保の視点は勿論のこと、今後さらに少子高齢化の中で、研究開発のための人材確保という点から考えても、あるいは研究開発の効率化という点から考えても、日本の企業や国の研究機関がばらばらの体制になれば、日本の半導体等で体験したのと同じようなことがエネルギー分野にも一般化するということが非常に懸念されます。従って、企業体制の集約化ということを官民挙げてぜひ検討していただきたいという、産業体制問題であります。
    それから地球温暖化に関連しましては、先ほどの姿勢のあり方というのは基本ですけれども、具体的な案をちょっと2つだけ申し上げておきたいと思います。
    当然のことながら、先ほど皆さんのおっしゃっているように、3Eのバランスが焦点であると思いますけれども、特に1つは、具体的に電力の2030年、あるいは特に
    2050年におけるベストミックスを明確にしていただきたいと思います。なぜこんなことを申し上げるかというと、ここで皆さん多くの方がごらんになられたと思いますけれども、年末のNHKの特別報道のように、電力はすべて新エネルギーで賄えるというふうなことが放送されて、私はあまりにも非現実的だと思いました。あのような意見が国民にどんどん浸透しているという実態を抱えると、やはり地球温暖化から見ても、エネルギーのベストミックス、その中で一次エネルギーから最終消費に至るところで、現状でも
    45%が電力の道を頼っているわけですから、とりあえず電力のベストミックスの理解を深めてもらう意味で電源ベストミックスの検討をお願いしたいと思います。そういう点からいうと、原子力、新エネルギー、天然ガス、クリーンコールの位置づけを個別に、ぜひご検討いただきたいということであります。
    それから2点目は、今後法案が検討されるということであるとすれば、私はRPSの活用が中心であるということについては異存はないんですけれども、やはりドイツと同じようにフィードインタリフの活用についても真剣に検討しておいてほしいと思います。もちろんフィードインタリフというのはプライスメカニズムの効用と限界の、限界のほうのルールにシフトしますけれども、その検討が必要だと思います。
    以上でございます。
  • 黒田部会長
    どうもありがとうございました。
    それでは、今現在、札の挙がっている方、順序だけあらかじめ申し上げさせてください。
    次に久内さん、それから高橋さん、柏木さん、寺島さん、関澤さん、天坊さん、三村さんの順でお願いしたいと思います。それでは、久内さん、よろしくお願いします。
  • 久内委員
    ありがとうございます。
    今回の政策小委員会におきまして、大変短時間で中間報告をまとめていただきました。委員会及び事務局の皆さん、ほんとうにありがとうございます。
    私どもLPガス業界といたしましても、政策小委員会等を含めていろいろ意見を述べさせていただきました。大旨私どもの申し上げたいことは反映されているものと思っております。
    ただ、今後いろいろエネルギー需給構造の高度化を目指して、法体系の整備が行われるかと思っておりますので、この機会に若干繰り返しとなるかもしれませんが、3点ほど私どもの業界を代表して申し上げたいと思います。
    まず1点目は、皆さんが何度も発言されておられますが、化石エネルギーの位置づけについてでございます。化石エネルギーが将来とも重要なエネルギーであることは、もう議論のないところだと思いますので、非化石エネルギーの開発・導入促進に当たりましても、政策やそのイメージが脱化石エネルギーというものが強く表に出るような形にならないよう十分ご配慮いただきたいと思います。これが第1点目でございます。
    2点目は、どちらかというとLPガス特有の、我々業界からのお願いで、LPガスの法的位置づけについてでございます。この新しい法体系の下で、LPガスがガス体エネルギーとして、その本来の環境特性を活かした役割が十分果たせるような法的位置づけをぜひともお願いしたいと思います。
    全体像が見にくいので、例えばというふうに申し上げますが、例えばLPG車が低公害車や次世代自動車として位置づけられる、現在は位置づけられていないわけですが、これが位置づけるようなこと。あるいは、来年度からいよいよ普及段階に入ります燃料電池ですが、これに関しましてLPガスを燃料とした、あるいは原料とした燃料電池が、天然ガスを原料としたものと同様な減税の対象になるなど、新たな法的位置づけによって、これらガス機器などの普及が促進されること。LPガスが温暖化対策あるいは環境特性というものを十分活かせるようにしていただきたい。これが2点目でございます。
    3点目は、中間報告にも書かれておりますが、各エネルギーの特性などへの配慮。これについても是非お願いしたいと思います。法的規制対象など、その制度設計に関しましては、各エネルギーの特性、あるいはエネルギー供給事業者の実情の違いといったものが極めて大事だと思いますので、これらの点を十分配慮して現実的な制度設計をお願いしたいと思います。
    以上でございます。ありがとうございます。
  • 黒田部会長
    どうもありがとうございました。
    それでは、高橋委員、どうぞ。
  • 高橋委員代理
    どうもありがとうございます。委員の野村の代理で参りましたガス協会の高橋でございます。
    小委員会の取りまとめにつきましてまず事務局に感謝申し上げたい。私も小委員会に出席しており、資料3-1の別添2にあるような6回にわたっての議論が行われております。、その間エネルギー供給事業者の立場として実態について説明をさせていただき、私どもが思っていることを申し上げてございます。
    例えば二次エネルギーと一次エネルギーとの違いを無視した考え方はおかしいのではないかという点、都市ガス事業者のバイオガスの技術開発への取組み、ロシアの天然ガスのエネルギーセキュリティ上の位置づけが日本とヨーロッパでは異なる点等について、議論を重ねていただき、それらを踏まえ報告書がとりまとめられております。そうした大変難しい問題を取りまとめていただき、感謝申し上げたいと存じます。
    今後報告書の趣旨に基づきまして法案が具現化されるわけでございますけれども、その場合私ども都市ガス事業者が考えている点を3点だけ、簡単に述べさせていただきたいと思います。
    1つは化石燃料の高度利用、もう一つは天然ガスの位置づけ、そして非化石燃料の導入についてです。
    まず化石燃料の高度利用につきましては、いろいろ皆様からお話がございましたように、化石燃料を有効に高度利用していくということが大事だということです。報告書の最後19ページにもエネルギー使用者についての取り組みが期待されているということですので、ぜひ法制化を進めるに当たりましては、非化石エネルギー利用推進とともに化石燃料の高度・有効利用の概念を位置づけていただくということと、エネルギー使用者にとっても重要な責務であるということを適切に位置づけしていただきたいということが第1点目でございます。
    第2点目は天然ガスについてでございます。これはもう縷々申し上げておりますので簡単に申し上げますと、やはり低炭素社会を構築する上で時間軸という観点から考えていただき、その中でエネルギー源の多様化ということを踏まえますと、2020年、30年ではまだ化石燃料がベースになるということは確実だろうと私どもは思っているところでございます。
    したがいまして、今後のエネルギー政策につきましても、それぞれのエネルギーの長所を生かした適材適所の利用を前提としていただき、天然ガスの優位性を位置づけていただきたいと思います。天然ガスは私ども都市ガスで使っているだけでなく電力にも使われているわけでございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
    3点目は、非化石エネルギー導入の取り組みでございます。私どもとしては非化石エネルギーの導入に積極的に取り組んでいこうということは、小委員会で申し上げたとおりです。具体的には、購入要領に基づきバイオガスを都市ガス原料として買い取ることに取り組んでいるわけでございます。その際の問題点として、報告書も書いていますけれども、下水処理施設等のバイオマス資源を持っている方に対して、国がそのバイオガスを発生させて利用する仕組みを構築するという取り組みが不可決であろうと思います。法制化に当たりましては、この点をよろしくお願いをいたしたいと存じます。
    私どもバイオカガスの買い取り以外の取り組みにつきましては、一部の事業者につきまして自主的にバイオガスの利用に向けた技術開発、例えば海草からバイオガスをとってみたらどうかとか、給食の施設からバイオをとってみたらどうかとか、そういうような技術開発、それからオンサイトの利用の推進、それから今、技術開発中でございますけれども、太陽熱とエコジョーズ、太陽光発電とコジェネーションの融合というような組み合わせも検討をしておりますし、また、天然ガスの水素利用技術開発についても既に取り組んでまいっているところでございます。
    今後とも、個々の地域や事業の状況を踏まえながら、前向きに非化石エネルギーの導入に取り組んでまいりたいと思います。
    以上でございます。ありがとうございました。
  • 黒田部会長
    どうもありがとうございました。
    それでは、柏木委員。
  • 柏木委員
    私、この小委員会のメンバーでありまして、一貫してポリシーミックスを推奨してきました。その背景というのは、エネルギーシステムですから、そう簡単には変わらないと思うんですけれども、今の低炭素型社会というのはこの延長線上にあるわけではないという考えを持っています。もちろん日本は選択肢が幾つかあります。省エネ法という非常に成功した法律があって、これをベースに供給サイドに手を突っ込めば原子力という手もある。また、これから世界的に見て産業政策上の位置づけを最も明確にしなければいけないのが新エネ政策だというふうに考えています。そう考えますと、新エネはやはり、コスト的にはまだ高いわけで、これを自然の市場原理に任していては、なかなか入らないということがありましたので、緩やかな規制を設けて、それと同時に促進・支援策を充実させる。このバランスをうまくとるというのが、政策上日本がとるべき道だという考え方を持っています。新たな公益性のある事業の創出だという考えです。
    ですから、そういう意味では規制と支援。支援だけではなかなか受け入れられていけませんので、そういう意味で、規制があって初めて支援がある。そのバランスをとることが極めて重要であり、一貫してポリシーミックスを進めてきました。
    それで、この報告書を見ますと、やはり規制をかけるというのはエネルギー供給事業者もかけやすいところにかけるという話になるんだろうと思いますが、供給サイドが管轄すべき範囲というのはどこまでかというのを、今後制度設計では極めて慎重に煮詰めていかなければいけないという考えを持っています。
    もちろん供給サイド、需要サイドとの両方がうまく機能しないといけません。需要サイドがざぶざぶ使ってはしようがないわけです。今回の答申で、化石から非化石へ、あるいはそれだけじゃ足らないから化石燃料の高度利用というところまで含め規制を引く、すなわち化石から非化石への目標値を決めることで最低限の供給サイドの低炭素化は担保できると思うんですが、一方化石の高度利用ということになりますと、やはり需要サイドと供給サイドのシームレス化というのがすごく重要になってきます。ここでも最後のほうに書いてありまが、エネルギー使用者についての配慮というのが、どうやって化石燃料の高度利用による省エネを進めていくか。これをこのエネルギー供給構造の一環としてどこまでとらえられるかというのがすごく重要のような気がします。
    例えば1つ例を挙げると、私は点から面へのエネルギー政策というのが極めて重要だと思っていまして、既存の空間インフラをどうやってうまく規制を取り外しながら使っていくかと。一例が地域冷暖房(DHC)みたいなものです。DHCは現在たくさんあって、供給を受ける需要家でもあり、エネルギーを供給する事業者でもあるわけです。こういうインフラを伴ったエネルギー需給の中間のようなものに対して、今度つくると思われる法律の中でどう対応していくかというのが重要になっていくと思っています。例えば廃熱を利用するCHP(コンバインド・ヒート&パワー)を規制づけるとか、あるいは高性能ヒートポンプを規制づけるとかということです。この中にも書いてあることですけれども、供給高度化の範囲をどこまで使用者側まで踏み込んでいくかということが、今後の制度設計上非常に重要になるだろうと思っています。
    以上です。
  • 黒田部会長
    どうもありがとうございました。
    それでは、寺島委員、どうぞ。
  • 寺島委員
    私のまず問題意識は、2008年という年を振り返って、エネルギーに何らかの形で関与してきた人間が教訓とすべきこと、それから急速な変化に対して持つべき問題意識とは何かということなんですけれども、内藤さんの問題意識じゃないですけれども、私は地政学的リスク、セキュリティに対して相当深刻な緊張感というものを持って、やはり向き合わなきゃいけない。
    それからもう一つは、147ドルまではね上がったWTIが3分の1以下に落ちるという乱高下というものを経験して、一体それをどう考えているんだと。例えばこの5ページに「需給要因と金融市場の影響などが考えられる」なんていう程度の表現がありますけれども、そういう程度の問題意識でいいのかということです。それから、中越地震が起こって柏崎刈羽がとまって1年半以上になっていますけれども、それに対する問題意識をどう持つのか。それからCOP14から15に向けての低炭素社会への、洞爺湖サミットを超えた、そことの整合性といいますか、問題意識をどう持つのか。
    そこでなんですけれども、強く戦略性が問われていることということについて数点申し上げておきたいんですが、1つはエネルギー価格の乱高下に対して、日本のような外部に供給を依存している国として、やはりしっかりとした問題意識を持つべきだと。甘利さんが大臣のときにパリのIEAを窓口にして、日本が主導的に投機マネーの動きがエネルギー価格に与えるインパクトについて、昨年の春ですか、ある種のシンポジウムをサポートしてやったということを僕、記憶していますけれども、例えば今、また流動性を確保しようというので、懸命に各国金融緩和だ、やれ何だといって、ものすごい勢いで突っ込んでいますけれども、これは間違いなく反動高が来ると。
    そういうたぐいの問題意識に関して、要するにエネルギー市場のマネーゲーム化ということについてどういう方向性をとっていくべきと考えるのかという問題意識も、これはIEA等を窓口にして、特に大変重要な問題意識だと1つ思うんです。
    それから2つ目、前回の1回目でも僕、若干発言させていただいたんですけれども、やはり日本の経済のバロメラビリティーがエネルギーと食糧と資源を外部に依存しているというところにある。それがいつもそわそわせざるを得ない根源的なポイントなんですけれども、そういう中で海洋資源と地上資源という、やはり未来に向けてのメッセージ性のある戦略というものをしっかり、そろそろ視界に入れるべきなのではないかと。
    今、私、JAPICといって日本プロジェクト産業協議会の日本創世委員会というのに参画しているんですけれども、そこで海洋工学の先生たちの力をかりてタスクフォースを組んでいますけれども、素人考えではなくて、採鉱技術の高度化、探査技術の高度化によって日本の海洋水域にあるエネルギー資源を含めて、資源に対して日本がしっかりしたやはり意思を持つ。海洋という、これは化石燃料も含めて、もちろん広い意味での海洋ということになると思うんですけれども、それから地上資源ですね。要するにリサイクル、リデュース、リユース、地上に無駄になっているものをやはり資源として活用していくという発想、そういうたぐいのものについてやはりしっかりしたメッセージを持って、問題意識を持って向き合わなきゃいけないんじゃないかと。
    それから3番目ですけれども、それが当然非化石エネルギー、代替エネルギー、ここで誘導的規制とか言われている分野なんですけれども、僕はやはりアクションプランが非常に重要で、さっきの内藤さんの問題意識をさらに踏み込んで言うならば、例えば時間をとりたくないので、原子力だけちょっと触れておきますけれども、原子力も結構大事だなんていう程度のメッセージじゃなくて、例えば柏崎刈羽をこれでどうするのか。この間中電が踏み込んだ浜岡の1・2号を廃炉にして、新しいところに展開していくというような考え方をどうとらえるのか。要するに、原子力についてのアクションプランについて、しっかりした意味のわかるシナリオが見えてくるようなものに報告書というのを出すべきじゃないかと。私が申し上げたいのは輪郭で、考えようとしている施策、模索したところはものすごく共有しますし、多とするんですけれども、そういった輪郭をしっかり持って、危機感のある方向性の見えるレポートにすべきじゃないのかということを発言しておきたいと思います。
  • 黒田部会長
    どうもありがとうございました。
    それでは、関澤委員、どうぞ。
  • 関澤委員
    簡単に申し上げます。
    この報告書を拝見しまして、やはり今まで総合部会とか政策小委員会で表明された実行の時間軸、あるいは経済的実現性、技術的実現性、そういったようなことの懸念事項に非常に基本的にきめ細かく配慮された内容であると、このように思っております。そういう意味で非常に短時間の中で、よくまとめていただいたことに敬意を表したいと思います。
    今回示された枠組みの対象主体というのは、エネルギーの供給事業者でございますが、その事業部門に対しても省エネあるいはセクターを超えた取り組みを促しており、そういった意味で、これは適切だと思っております。
    自分は鉄鋼業におります。大量にエネルギーを消費している需要サイドでございますが、省エネをさらに徹底していく、廃棄物をうまく有効利用していく。あるいはコンビナート大での他産業との連携、こういったことを中心に可能な限り努力していかなければいけないと思っております。
    詳細ルールはこれからつくられることになるわけですが、報告書にもありますように、この制度は事業者の自主性を尊重するということが大切です。特に事業者が積極的に取り組むという形にしないと、実現性が薄くなっていくということにもなるので、そういった意味での実現可能性に十分配慮された枠組みになるように今後ご検討いただきたいということをお願いしておきたいと思います。
    以上です。
  • 黒田部会長
    どうもありがとうございました。
    それでは、お待たせしました。天坊委員、どうぞ。
  • 天坊委員
    まずは、今回の取りまとめに尽力をしていただいた石谷先生、また石田長官、上田審議官はじめ皆さんに感謝を申し上げたいと思います。
    今回の中間報告は短期間でありましたが、非常によく議論していただいて、よく整理されており、委員の皆様に敬意を表したいと思います。
    エネルギー供給構造の高度化に向けた取り組みとしては、革新的なエネルギー技術の開発、あるいは未利用エネルギーの利用技術開発を進めること、非化石エネルギーの導入を拡大すること、化石エネルギーの高度・有効活用を推進すること、この3点は極めて重要だと考えております。今後は具体的な制度化に向けた検討がなされますが、検討に当たりまして留意いただきたい点を数点申し上げたいと思います。
    まず、新技術の導入や高度オペレーションなど質的向上のための投資には、政策的な支援がぜひとも必要だということです。こうした取り組みの実現に当たりましては、私どもエネルギー供給事業者の役割というのは非常に重要なものだという認識を持っておりますが、報告書でご指摘いただいているように、セキュリティの確保や環境適合などの観点からの新技術の導入や、高度なオペレーションなど質的な向上のための投資というのは、短期的回収ができにくいものであり、政策的な支援がぜひとも必要であるということが1点目です。
    それから、エネルギー間の競争条件の公平性ということについてですが、報告案でもエネルギー間の競争条件の公平性に配慮して制度設計を図るべきと、また制度の実施により発生するコストについては、最終的には国民全体で負担することが必要であり、その方策については今後の検討が必要と述べられています。しかしながら、現時点では具体的にどういうスキームで国民に負担していただくのか明らかになっているわけではありません。具体的な制度設計に当たりましては、このスキームを事業セクターごとに明確にして、事業セクター間の競争条件の公平性と同時に、エネルギー事業者間の競争条件の公平性も担保していただくことが重要ではないか。すなわち、エネルギーの公平性ということは2つの問題があるということであります。
    それから、ここに書かれておりますが、計画目標というのは適宜定期的に見直すことが重要だということ。またそのときには実現可能性のあるものであることが重要だと。この点につきましては、先ほど来お話が出ておりますので、説明は省略します。
    あと、もう2点ほど申し上げますが、関係法令、今後検討されるポスト京都の枠組みなどの新制度との整合を図り、とりわけ税制を含め国際競争力の喪失につながらないように配慮いただきたいと。税制が特に重要であると思います。
    それから、取り組み主体や取り組み分野など、事業性、地域特性を勘案して、民間事業者の創意工夫が発揮できるような柔軟性を持っておいていただきたいと。こういうことをぜひお願いをしておきたいと思います。
    以上です。
  • 黒田部会長
    どうもありがとうございました。
    それでは、三村委員、どうぞ。
  • 三村委員
    ありがとうございます。
    ご説明を伺いまして、日本のエネルギーの石油依存度が低下しているとはいえ、このご説明の中で一次エネルギー、供給に占める化石燃料の割合は、いまだに高水準にとどまっているということをよく理解できました。エネルギーの多くを海外に依存している我が国にとって、海外依存度の低下、すなわち自給率を上げることがいかに大切であるかを、昨年度の原油の乱高下騒動で身をもって知りました。その結果、30数年前の石油ショックのときとは違った形で、消費者も考え、行動をとるようになってきたと言ってもいいと思います。
    当委員会の中間報告では、エネルギー供給業者の具体的な取り組みとして、電気事業者には新エネルギーによる発電についてより一層の導入拡大を図っていく必要がある。また石油・ガス事業者においては、既存の燃料に新エネルギーを取り込む等、より一層の新エネルギーの導入拡大を図っていく必要があるとまとめておられますが、低炭素社会をめざす面から考えても、この構想は享受できるものですが、このような取り組みを進めるためには、エネルギー供給事業者の努力のみではなかなか導入は進展しないのではないかというふうに考えます。
    そこで、関係者の協力体制や導入促進に向けて、環境整備に国や地方自治体の積極的な支援が必要なのではないでしょうか。例えばガス事業者の取り組みとして、バイオガスを既存の燃料に取り入れる場合、バイオガスは自然に存在するものではないので、これを発生させ、ガス事業者に提供する事業者の存在が必要になります。このような事業者を立ち上げやすいよう、国あるいは地方自治体が積極的に環境整備を行う必要があるのではないかと考えます。
    もう一つ、この報告にはエネルギーの使用者、使う側の使用者の取り組みについても言及しています。一口に一般家庭といっても、戸建て住宅や集合住宅といった住宅の形態の違い、住居の居住人数あるいは年齢構成、生活パターンなどエネルギーの使用パターンもさまざまです。したがって皆が太陽発電や燃料電池を導入するといった画一的な取り組みにならないように、使用者側においてもエネルギーのベストミックスの方向で模索することが必要ではないかというふうに思います。使用者がその家庭に適したエネルギーの導入を行うために、エネルギーのプロであり、使用者の一番近くに位置しているエネルギー供給事業者に相当程度の関与をお願いすることも、消費者にとってはありがたいことではないかというふうに思います。
    最後ですが、発電時にCO 2を出さない原子力発電についてですが、発電所の周りの住民との関係の持ち方、新規設置の場合の住民との信頼の構築等について、これからも我が国のエネルギーの重要な役割を担う原子力発電に関して、発電を推進するための周辺の問題についても、できればこの報告書案に盛り込んでいただけたらありがたいというふうに思います。
    以上です。
  • 黒田部会長
    どうもありがとうございました。
    それでは、あとその後にお手が挙がった方、河野委員、木元委員、武井委員、中上委員、以上でよろしゅうございますでしょうか。
    じゃ、河野委員からどうぞ。
  • 河野委員
    私、観念的な議論は嫌いなので、具体的なところをいきます。
    今回のこのペーパーの最大の眼目は誘導的規制論なんです。資源制約と温暖化に対応するに際して経産省はこの考え方でいきたいということだと思う。
    具体的に言えば、2020年の中間目標をいくつに設定するかによって変わってくる。これは茅先生と内藤さんが委員であられるエネルギー有識者会議のテーマです。その決め方によって規制のあり方も変わる。
    さらに、それから先になると内閣がどう変わっていくかわからないけれども、年末にポスト京都議定書の国際交渉が予定されている。それまでにまた政府が決めなきゃいけないことの1つは、排出権取引。主役は要するに誘導的規制論といっても濃淡がある。
    現実適用に当たってはと茅先生や橘川さんがおっしゃったけれども、一種の画一的な規制論ではなくて、どこかで差があるようなものであるべきだ。
    基本はあくまでも主要民間産業の自主的行動によるということを確認すべきだと思う。2番目に、仮にいつの日か温暖化論の仮説が崩れてもセキュリティという観点はうまるし、対応は不可欠だ。現実には二つの視点から対応すべきだ。
    ただ、僕はこの際、冒頭に橘川さんが言っていたけれども、1つの尺度だけで物を考えるなと言いたい。セキュリティで言えば石炭にノーと言ったら話にならない。ところが温暖化一本で考えている人はダメだと言う。しかし、そんな単純な話じゃないんですよ。これ。両面から考えなければ、政策なのでできない、そんな話は。官公庁の諸君は石炭はノーだと言っている。それだけの根拠はあるけれどもね。それにしても単純過ぎる。必要なことは複眼的な思考だ。
    最後に、柏木先生がきょうは非常に抑制された言葉でおっしゃっているのでさすがだと思うんだけれども、中には、内藤さんが言ったみたいに、とにかく資源再生エネルギーで全部電力供給が間に合うんだというような、ユートピアにしてもひどすぎることを広言する人もいる。NHKという公共放送がやっていた。それを半分ぐらい信じる人が1%や2%いるかもしれない。こんなことは一番怖い話です。資料には再生エネルギーと原子力いろいろあるけれども、バランスよく議論することが必要ですよということは書いてある。この事実を繰り返し言われないと一般世論というのは議論を間違うかもしれない。
  • 黒田部会長
    どうもありがとうございました。
    それでは、木元委員、どうぞ。
  • 木元委員
    ありがとうございます。
    本日は大変、身のあるご議論ができていると思うし、またご報告も充実したものをいただいたと思っていますが、この中で1つ、ここで申し上げたいことは、今までのご議論の中身ではなくて、この中間報告の13ページの23行、24行目ぐらいに、「国民に対して低炭素社会の具体的な将来像と、これに伴うコスト負担をわかりやすく説明していくべきである」と、書いてございます。ですけれども、皆様方のご議論の中には、「国民に理解を求める」とか、「理解をいただかなくては」というお言葉が幾つか出てきております。それから、この報告書の19ページにも、先ほどどなたかがおっしゃったように、「エネルギーの使用者について」というのが後段のところで出てきます。
    このように、消費者である国民は、ユーザーとして取り扱われているのですが、実は、基本計画ができるときに申し上げたことではあるんですけれども、この計画では、3つの提言を実現させるために、国、事業者、地方公共団体には「責務」が負わされております。ですが、国民については、「国民の努力」という形でしか求められておりません。でも、それは努力の段階ではなくて、今や国民も低炭素社会の実現に向けて責任をとるべきであると考えております。そういう姿勢がこの中にもう少し盛られていいのではないかという気がいたします。
    反省しなければならないところは、使用者側というか我々の側にはたくさんあるんです。そこの所ががもう少し明確にならないと、内藤委員もおっしゃいましたけれども、NHKのような番組が堂々とまかり通るし、それを気持ちよく、耳に心地よく聞いて、再生可能エネルギーを活用すれば十分で、原子力はなくてもできるんじゃないのという声が、私にも参りました。
    ですから、これは後でもう少し申し上げさせていただきますけれども、今度新しい規制の導入という場合、橘川委員もおっしゃいましたけれども、どういう名前になるのか、そして、どういうような広報をやっていくのか。この中身はもっと整理されると思いますが、国会にかける場合でもそのことをもう少し議論していただきたい、という思いがあります。
    一時、規制緩和ということで、Deregulationと言っていたのが、やり過ぎたではないかと、再規制、Reregulationという言葉が出てきたりしました。そういうような考えのある中でこれも論議されてしかるべきではないかと思います。
    国民の理解ということをもう少し踏み込ませていただくと、これはぜひ「国民との相互理解」にしていただきたいんです。というのは、国民理解といいますと、「国民を理解させる」という視点でしかとらえられないんです。あなたも責任がありますよ、あなたもこれにはかかわっているんですよ、日本という国はこういう国です。地政学的に見ても、あるいは環境問題、セキュリティの問題をとってみても、我々はこういう状況に置かれているんです、自給率4%のエネルギーです、あなたとご一緒に考えたい。そこで、国民との相互理解という言葉でこれをくくっていただいて、方法を考えたらと思っております。
    そこで、1つ提言ですけれども、例えばこの間のNHKの自然エネルギー一辺倒のような番組、それはそれなりによろしいとは思うのですが、以前あったと記憶していることがあります。それは、国の提供による番組、これは、前の大蔵省提供という形でしたけれどもありました。それから科学技術庁提供というのもありました。また文部省提供というのもあったと思います。そこで、例えば経済産業省で、あるいは資源エネルギー庁提供ということで番組をつくれないかとの提言です。例えば今回この制度ができるときに、それはこういうことです、ということをテレビ番組にして分かりやすく、映像を活用して国民に語りかけてほしいんです。プリントメディアもそれなりの効果はあるんですけれども、やはり特定の方しか読まないということがある。国民は、全ての情報の80%以上はテレビからとっているという調査があります。そういう状況の中で、やはりテレビ利用というのは捨てられない。こういう情報化社会の中です。そして、この間の番組のように、一度見たり聞いたりしたことは、そこでコンクリートされちゃうと、なかなか消せないんですね。ですから、新しい制度を幾らつくっても、それを何とかしなければ、またこれまでのように国民が理解しなかったということにならざるを得ないのではないでしょうか。その辺をぜひお考えいただきたいと思います。
    それから、きょうベストミックスという言葉が出ました。国内だけのベストミックスという視点はこれまで必要でしたけれども、これからは世界、地球の上でのベストミックスという視点をぜひ導入していただきたい。日本はこれが一番いいという構成をしている。あるいは、南の島だったら、もう自然エネルギーをふんだんに取り入れると。この場合消費量も違いますから。適材適所です。そういう視点ももう少し加えていただければありがたいと思います。
    以上です。ありがとうございました。
  • 黒田部会長
    どうもありがとうございました。
    それでは、武井委員、どうぞ。
  • 武井委員
    ありがとうございます。
    電気事業の新規参入者、PPSとしての立場から簡単にコメントさせていただきます。
    ご存じのとおり事業発足から我々PPSは日も浅いということで、その電源の大宗を火力が占めております。これらは自分の発電所であったり、自家発さんの余剰だったりするわけですけれども、これらの電力を電力会社さんの送電線をお借りして、お客様に電力会社さんよりも安くお売りするというのが、我々のビジネスの基本でございます。
    このため、まだ事業分野のすそ野が非常に狭くて、使用可能なエネルギー源も限られたものとなっておりまして、燃料利用の高度化についても一定の制約があるというのが実態でございます。
    したがいまして、化石燃料の高度・有効利用、あるいは非化石燃料の電源からの電力調達の拡大といった2つの命題の達成に向けて、各エネルギー供給事業者の取り組みの重要性については十分理解しているつもりでございますけれども、新規参入のPPSに一体何ができるんだろうかということを考えた場合に、おのずと限界がございまして、この部会や小委員会で具体的にどういった方向が示されるのかということについて、PPSとしては正直、不安や戸惑いを感じながらこの議論に参加させていただいたところでございます。
    そういった面では、報告書では取り組みを求めるエネルギー事業者として、中小事業者についてもその実態を十分勘案する必要があるといったことなど明記されておりまして、私どもとしては大変重要な事項であるというふうに理解し、また我々に対しても気遣いをしていただいているのかなということで、感謝申し上げたいと思います。
    今後法制化に当たりましては、新規参入のPPSをどう扱うかについては、こういった指摘に基づきまして慎重にご検討いただければありがたいというふうに思っています。私どもとしては、身の丈ほどの範囲ではありますけれども、新エネルギーの利用のほか、発電効率にすぐれ、環境負荷のより小さな火力の発電設備からの積極的な電源調達、それから既存の発電所における地道な熱効率の向上に関する措置などにつきまして、今後とも積極的に取り組んでいく所存でございます。こういった取り組みについても、ぜひご理解をいただき、ご支援をいただければありがたいと思っています。
    また、この場で議論する内容から離れるかもしれませんが、エネルギーセキュリティといった面や、地球環境対策からも電力事業にとりましては不可欠な電源となっている原子力につきまして、我々PPSもその推進に何らかの協力をさせていただき、またその電気を活用できるような施策をご検討いただければ、電力会社さんの万分の1にも満たないかもしれませんけれども、今以上の貢献ができるのではないかというふうに考えております。
    今回の報告書は短期間で大変だったと思うんですけれども、石谷委員長をはじめ事務局の皆様のご尽力に改めて敬意を表したいというふうに思います。
    以上でございます。
  • 黒田部会長
    どうもありがとうございました。
    それでは、中上委員、どうぞ。
  • 中上委員
    ありがとうございます。
    短くいきたいと思いますけれども、まず最初にお伺いしたいのは誘導的規制という、こういう表現の仕方というのは、国際的にもこういうふうな表現があるんでしょうかということをお聞きしたかったんです。
    そのほかに3点ほどですが、これは橘川委員がおっしゃったこととつながるんですけれども、やはり化石資源の高度・有効利用という言葉が脱化石という話にしてしまうと消えてしまいますので、やはり名称が非常に大事だと思いますから、ぜひ一般の方々が誤解しないような名前を出していただきたいと思います。
    2番目に、需要サイドへの、例えばエネルギー供給事業者の寄与というものをどういうふうに評価するのかと。いろいろ難しい閾値といいますか、境界があると思いますけれども、例えば電力業界がヒートポンプ型の給湯器を開発にするに当たっては、相当な推進力であったことは間違いないわけですし、そういった形のものをどういうふうに評価していくんだろうか。化石資源の有効利用ということであれば、事業者の評価がなされてもいいと思います。
    同じように、例えば給湯システムの中に制御パネルなどでかなりの待機電力が含まれるわけでありますけれども、こういったものはほうっておくとだれもあまり目をつけないんですが、やはりこれはエネルギー供給事業者側から、例えば太陽電池を用いて、その待機電力をカットするというようなことがなされてもいいと思うんです。既存のメーカーはなかなかそこまで手が回らないわけでありますから、そういったことに対して寄与した場合の評価をどうするかとか、あるいは太陽熱とコンビネーションを組んだときの評価をどうするかというようなことが、石油ガスだからといって石油にかわるエタノールだ、ガスだ、バイオガスだというだけではなくて、需要側に限りなくコミットして、やはり事業者でないとなかなか目がつかないというものがあると思いますから、そういったものをやはり十分評価する、あるいはそれを推進するような、原動力になるような形で今後は具体的な中身を詰めていただきたいと思います。
    それから、地方コミュニティーにおける貢献、これはエネルギー事業者の貢献というのは非常に期待されるわけでありますが、ともすれば自治体側の認識とか役割が必ずしも明確ではないような気がいたします。今、幸い地球温暖化問題がございますから、地方自治体においてもかなりこちらに目が向いておりますけれども、この脱化石燃料なんていう表現の仕方では、おそらく自治体に対しては明確な情報としてメッセージが伝わらないんじゃないかと思います。そこをきちんとしておかないと、ここは文言倒れになってしまうという意味においては、この報告書をどういう形で情報発信されるのかということが非常に重要だと思います。
    ただ、地方自治体のコミットメントだとか、それに対してさらに電力、ガス、石油といった事業者が協力しないとできない部分がかなりありますので、そうしますと私が経験した例で申し上げますと、個人情報にかかわるものを自治体が要求してくるというケースがままあるように聞いておりますけれども、そういった意味で摩擦や弊害が生じないように、だれかがそこをきちんと整理してあげないと、ついつい公の立場で民に情報を出せというようになってしまって、結果として問題が生じるということがあり得ますので、言うは簡単ですけれども非常に難しい問題もあると思いますから、そこも十分勘案しながら、考えながら進めていただきたいと思います。
    量的な評価の手段、コミットメントに対する評価は難しいかもしれませんが、一つ一つかみ砕きながら推進していただければと思います。
    以上です。ありがとうございました。
  • 黒田部会長
    どうもありがとうございました。
    一わたりご意見いただいたと思うんですが、追加でご発言なさりたい方、いらっしゃいますでしょうか。
    相当広範囲にわたっていろいろなご意見をいただきましたので、どういうふうに事務局のほうから答えていただくかもありますけれども、最初に石谷先生のほうから何か補足すべき点がありましたら、石谷先生のほうからお話いただければと存じます。
  • 石谷委員
    今、多くの有意義なご意見をいただきまして、私が答える立場ではありませんが、これを更に参考にさせていただければと思います.
    ご指摘頂いたかなりの部分については小委員会で非常に細かくご意見を伺っております。ただ報告書としてまとめる場合には全体の長さが制限されますので、抽象的な表現とか、結果だけが唐突に示されているような印象をお持ちかもしれませんが、できましたら議事録をぜひごらんいただきたいと思います。今、いろいろご意見があったところについては、我々も同じような観点でかなり議論をしており、議事録でその詳細がおわかりいただけると思います.ところで最初に申し上げるべきだったのですが、法制化に当たっては、この報告書だけではなくその裏にある議事録の内容といいますか、論点についてもぜひご配慮の上、進めていただきたいと思っております。
    具体的な内容へのご指摘に関しては、事務局がこれらの点については既に十分承知していると思いますので、事務局からお答えいただければと思います。
  • 黒田部会長
    どうもありがとうございました。
    それでは事務局のほうから一言。
  • 伊藤課長
    お答えします。
    今回の小委員会で、主に供給サイドの構造の高度を進めるという制度設計に当たっての意見につきましては、今石谷小委員長からお話ありましたように、本日いただきました意見、かなり報告書の中にその考え方としては盛り込まれているかと思っております。そういったものを踏まえて制度設計についてはきちんと対応し、検討していきたいというふうに考えております。
    なお、誘導的規制という考え方でございますけれども、ここはこのエネルギーの供給サイドということにつきましては、これまでは基本的には民間の活力、自主性ということで、支援ということも経済的な支援措置を中心とした政策体系であったと考えておりますけれども、今般のエネルギーセキュリティ面からの中長期的な課題が突きつけられたということを踏まえて、また低炭素社会に対応しなきゃいけないという課題も横ににらみながら、国全体としての方向性、方向づけと、そういった取り組みが全体一体として進むようにするために、こういった供給サイドにおける誘導的規制といったようなものが必要ではないかということで、ご議論いただいたというふうに承知しております。
    他方で、その中にありましたようにセクター間の競争条件といったようなものは十分踏まえつつも、かなりセクター間、あるいはセクターの中の実態に即したものを具体的なものにするべきだというご意見もたくさんいただきましたので、決して画一的なものということでもなく、むしろ柔軟性とか自由度、実態をきちんと踏まえて、そこが政策面と整合的になるような形で設計すべきといったような意味での規制体系であるというふうに報告書にも書かれておりますし、我々としてもそういうことを前提に考えていきたいというふうに思っております。
    それから、制度設計を超えたといいますか、それ以降の議論、エネルギー政策全般、あるいは温暖化問題にかかわるようなご意見もたくさんいただきました。そういった点につきましては、特に内藤委員からいただきましたエネルギーセキュリティの全体につきまして、これからプライスメカニズムの効用と限界、あるいは世界的にも存在感のある企業をどういうふうにつくり出していくのかといったようなこととか、あるいは温暖化の関係にもかかわりますけれども、新エネのほうの制度のまた今後のあり方の検討といったようなことにつきましては、また改めて議論をする機会をつくっていく必要があるというふうに考えております。
    また、寺島委員のほうからも昨年来のエネルギー市場におけるさまざまな動きを踏まえて、その原因だとか、あるいはこれからの動きをどういうふうに見ていったらいいかという戦略的な観点から、よく考えるべきであるといったようなご意見、あるいは海洋の関係につきましても、そのスコープの中で国として取り組んでいくべきであるというご意見をいただいておりまして、そういったようなものも今回の制度設計とも関連すると思いますけれども、またそれぞれの場で議論を深めていく必要があると思っております。
    それから、消費者あるいは使用者側という供給者以外の部分についての取り組みについて、今回は中心ということではなくて、関連ということの位置づけで小委員会で議論されてきましたけれども、需給構造全体の改革ということでは非常に重要な要素であるということは小委員会においても十分踏まえて議論してきたかと思っております。そういった観点で、具体的にどういった取り組みを今後使用者、あるいは消費者、国民に対して法律的な位置づけも含めて求めていくのか。また、そういったようなものを広報のような形でどう実現していくのかということは、検討課題だということで踏まえて考えていきたいと思っております。
    地方自治体あるいは地方コミュニティーに対する働きかけという部分も小委員会では相当議論がいただいておりまして、国としてどういったようなことができるかということ、これは大きな宿題だと思って検討していきたいと思っております。
    なお、誘導的規制について中上委員のほうから国際的にそういう言葉があるのかと、ちょっとつまびらかではございませんけれども、多分省エネ法という法律体系は我々「誘導的規制」というふうに法制論上は整理しておりますけれども、省エネ法自体が各国にあまり例がないような、むしろ世界の中ではトップランナーの制度だというふうに思っておりますので、そういう日本でうまく実績を上げているものということで、むしろそういった体系といったようなものを国際的にもきちんと位置づけて説明していくべきことであろうかとは思っておりますけれども、ちょっとその点は宿題としていただきたいと思っております。
    ちょっと簡単でございますけれども、一通りです。
  • 黒田部会長
    どうもありがとうございました。
    きょう、非常に有意義なご議論をたくさんいただきまして、若干整理させていただきますと、大きく分けて2つの論点、ないしは3つの論点があったと思います。
    ここ数年の石油価格の変動ということを踏まえて、改めて温暖化の問題だけではなくて、価格面、それからエネルギーそのものの原資源をどう獲得するかということから踏まえたセキュリティの問題というのが非常に大きな課題になってきた。これは事業者のみならず消費者もかなりの程度認識するようなってきたというのが、現代の大きな1つの変化だろうと私自身は思っております。けれども、そうしたセキュリティの問題、そして大きく考えますと、地球の温暖化ということもまた、人間にとってある種の大きなセキュリティの問題にかかわってくる問題でございますので、そういったことに対して我が国がどういうビジョンを持って、これからどんな姿の世界を追求していくのかという議論は、やはりどこかでやらなきゃいけない。その中で、どうエネルギーの問題にかかわる部分について対処するかという議論が、やはり総合部会のようなところでなされるべき第一の議論だろうというふうに思っています。
    それはただいま事務局からお話がありましたように、どこかの機会にそういう機会をつくっていただけるというふうに承知しておりますので、鋭意議論していかなきゃいけないと考えております。それほど時間の余裕があるわけではなくて、当然早急にやらなきゃいけない問題だと私自身考えております。
    それから、今回石谷委員長に非常にご苦労いただきましておまとめいただいた議論、議事録等々を拝見しますと、非常に膨大な議論をされたわけですけれども、一歩踏み出した点は、これからの供給者側が中心でございますけれども、ある種の制度設計において誘導的規制という手段を、正面切って打ち上げたということだろうと思います。
    誘導的規制の中身というのは、結果的にはいろいろなポリシーのミックスをその中に入れた結果として、事業者の立場、それから事業者の立場を踏まえて誘導的規制がうまくいくような制度設計をしなければいけないということになると考えられます。その具体化についてはこれからの議論だろうと思いますし、法制化する段階でまたいろいろなご意見をいただくことになるんだろうと思いますので、これからの具体化に向けてこの部分は一歩踏み出した形でやっていただくという点が重要だと考えています。
    誘導的規制というのが従来の規制と自由化もしくは市場、オリエンテッドな攻め方というかたちの両極の中のどこにあるのかという議論はいろいろありまして、これは具体的な制度をつくっていく段階で、我が国にとってどういう形の規制が一番ベストかということも議論していかなければいけない大きな課題だろうというふうに考えています。
    それから、もう一つはタイム・ホライズンの問題です。この制度を織り込むときにどういうタイム・ホライズンで施策を考えるかということは非常に重要で、これも規制等々の考え方を実現する制度設計の中で、やはり最初の問題と絡めて議論しなければいけないことだろうというふうに思っております。
    それから、最後にもう一つ、最近私、地方におりまして地方の実態に触れることがあるんですが、やはり中央で認識しているエネルギーの問題と、地方の認識とは相当ギャップがあるということを考えざるを得ないんです。具体的には山形県ですけれども、山形県は非常に水力に依存する割合がかなり高うございますし、かつ風力発電を初めて試みた県でございますし、そういう意味では大きく新エネに依存している部分があります。それから片方で広大な森林を持っておりまして、バイオエネルギーについてのシフトもあり得ます。
    そういう形をとりながら、片方では、山形県というのは1家計当たりの自動車所有量が平均しますと3台くらいありまして、各世帯の一人一人が自動車を持って通勤しているという状態です。そういう状態で、社会的なインフラ整備とか、社会的な構造システムの問題とエネルギーの問題とがうまく結びついた設計になっていないような気がしてしようがないんですが、ある意味では、技術という意味では資源エネルギー等々いろいろな技術開発が十分重要であることは申すまでもないんですけれども、社会システムのイノベーションというのも非常に重要で、そのことをやはり考えないと、地方全体を巻き込んだエネルギーシステムを構築していくことにはならないだろうということを、最近は痛感しております。
    そういう意味でいろいろな課題がございますけれども、今回おまとめいただいたこの中間報告については、本日いただきましたご意見の中で具体的に取り上げられるものについては取り上げさせていただいて、若干石谷委員長とご相談しながら、修文をさせていただきたいというふうに思いますけれども、一応全体的には今回のこの中間報告を、この総合部会の報告として取りまとめさせていただくことにご了解いただけますでしょうか。
    (「異議なし」の声あり)
  • 黒田部会長
    よろしゅうございました。どうもありがとうございました。
    それでは、私に取り扱いは一任させていただきたいと思います。その上で、取り扱いを定めた上でまとめたものについては、委員の皆様にもう一度ご提出して、ごらんいただきたいと思います。その上で総合部会の答申として、二階大臣に提出することになると思いますので、最終的にはその報告書を二階大臣に送付させていただき、委員の皆様にも送付させていただくという形にさせていただきたいと思います。
    どうもありがとうございました。
    それでは、最後になりましたが、長官にごあいさつをいただきたいと思います。
  • 石田長官
    どうもありがとうございました。
    昨年の10月に二階大臣から、昨今のエネルギー情勢の変化を踏まえて、エネルギー供給構造の高度化政策についてどうあるべきかということで諮問がなされ、その後非常に短期間ではありましたけれども、石谷委員長のもと小委員会で集中的にご議論をいただいて、本日、こういう形で報告書をまとめていただいたということでございました。ほんとうに黒田部会長をはじめ委員の皆様方に心から御礼を申し上げたいと思います。
    今回のこの報告書、中心は3Eのバランスに配慮しながら、中長期的に強靭な日本のエネルギー供給構造をどう実現し続けていくかということが主眼であったと思います。特にその中では、エネルギー供給事業者の役割というものに中心的に焦点を当てた議論が今回の主なテーマであったと思います。そういう意味で、きょういろいろご議論をいただいた中で、先ほどの部会長の整理でありますとか、あるいは事務局からコメントさせていただいたように、幾つか中心的ではなかったけれども、非常に重要なテーマ、ご意見もちょうだいいたしました。こういう問題については引き続き、この調査会の場等を通じて議論を継続していく必要があろうと思っておりますので、その点につきましても引き続きまたご協力のほどよろしくお願いをしたいと思います。
    本日は報告をいただきましたこの内容につきましては、特に民間の創意工夫を最大限に引き出すような制度設計というものを軸にしながら、国の支援を行う、さらには誘導的規制を検討・導入をするということで、私ども最大限これから、その法制化も含めて検討を進めていきたいというふうに思います。
    その中身についても、より詳細な検討が私ども必要だと思っておりますし、この報告書の中でもいろいろな留意点等を書いていただいておりますので、そういったことも踏まえて、しっかりと取り組んでいきたいと思います。
    いずれにいたしましても、繰り返しになりますが、極めて短期間の中でこのエネルギーセキュリティ、あるいは低炭素社会の実現の大きな要請にこたえる大きな方向性をお示しいただいたということで、ほんとうにどうもありがとうございました。引き続きまたご協力、ご支援のほどよろしくお願いいたします。
    ありがとうございました。
  • 黒田部会長
    どうもありがとうございました。
    10月からほんとうに4カ月足らずの集中審議でございまして、小委員会にご参加いただいた委員の先生方、それからとりわけ石谷委員長には大変なご努力をいただきまして、厚く御礼を申し上げたいと思います。
    一応本日、お認めいただきましたので、これをもってこの審議については終了させていただきたいと思います。長時間にわたりましてほんとうにありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2009年3月23日
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