経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総合部会(第1回)-議事録

日時:平成21年7月8日(水)15:00~17:00
場所:三田共用会議所3階大会議室

議事

星野室長
定刻になりましたので、総合資源エネルギー調査会第1回総合部会を開催いたします。私、総合政策課の星野でございます。
田中委員におかれましては、遅れての出席となる旨、連絡をいただいております。
それではまず、本部会の開催に当たりまして、石田資源エネルギー庁長官よりごあいさつを申し上げます。
石田長官
ご紹介いただきました石田でございます。本日は、三村部会長はじめ総合部会の委員の皆さま方にはお忙しい中ご参集いただきましてありがとうございます。今回のこの総合部会では、二つの点についてご審議をいただきたいと思っています。
一つは、エネルギー政策基本法というものがございまして、その下に基本計画を3年前に、これも部会で議論してつくっていただいたわけですが、これの見直しを3年ごとにやるということで、今年、見直しのタイミング時期に当たっております。これにつきまして、その策定以降のいろいろな状況変化、特に昨年、あるいは一昨年以来のエネルギー資源価格の急激な乱高下というようなこともございまして、エネルギーセキュリティーについての状況認識をますます厳しくもって対応せざるを得ないという状況が出てきております。また、地球環境問題につきましてもご案内のようなことで、ポスト京都の枠組みをめぐって国際交渉はまさに大詰めに来つつあるわけですが、そうした中で、日本も麻生総理が中期目標を発表されたわけです。国際交渉そのものはまだこれから最終的に固まっていくわけですが、こういったものをどういう形でエネルギー政策の観点から受け止めていくのかということも、非常に喫緊の課題であろうと思っています。具体的には、原子力、あるいは再生可能エネルギーの導入の拡大、さらには化石燃料についての有効利用の拡大ということについて、それぞれどういう方向性をこの時点で打ち出していくのかということで、この基本計画は今後10年ぐらいをにらんだスコープの中で、方向性を若干軌道修正しながら打ち出していくということになろうと思います。どうぞよろしくお願いしたいと思います。
併せて、もう一つですが、エネルギー供給構造の具体化についての制度設計についてのお願いでございます。7月1日に、エネルギー関係2法、エネルギー供給構造高度化法案と、いわゆる石油代替エネルギー法案の改正案が成立いたしました。これにつきましては、今年の1月、この総合部会で基本的な政策の方向性について総合部会でお取りまとめいただいたものを受けて法案化を急いで、この国会で成立を見たわけです。今後、この成立を受けて、具体的な制度設計を早急にしていかなければいけないということでございます。まさに前半の方で申し上げたエネルギー政策基本法の見直しのところと、当然方向性においては重なるわけですが、具体的な制度設計について、また総合部会としてもご審議をいただきたいと思います。
この2点につきまして、二階経済産業大臣から、今回、総合資源エネルギー調査会の総合部会に諮問をされた内容でございます。これからお忙しいスケジュールの中でまたいろいろとお願いをしていくことになろうと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
星野室長
ありがとうございました。
それでは、本部会の部会長でございますが、本部会に属する本委員による互選を事前に行っております。その結果、三村明夫委員に決定しております。部会長をお引き受けいただきました三村部会長に一言ごあいさつをいただきますとともに、以後の議事をお願いしたいと存じ上げます。
よろしくお願いいたします。
三村会長
三村でございます。当部会の部会長を務めさせていただきます。
今、石田長官からお話がありましたように、二階大臣から二つの諮問をいただいておりますが、いずれにしても、最近の経済状況、あるいはこれからの温暖化対策、あるいはこれからの国際情勢、いろいろな中で今後10年のエネルギー基本計画をつくるというのは実は大変なことだと思っております。どういう前提か、いろいろな対策の結果がエネルギー自給、基本政策に結集されるのではないかと思います。物事には変動するものと、それから変わらないものと二つありますけれども、われわれ日本がこれから今回の経済危機を脱した後に、先進国の中でも、あるいは、追い上げが激しい発展途上国に伍しても、存在感のある先進国としてやはり生き延びていかなければいけないわけです。その結果が、この基本計画になってくるのではないかと思います。
いろいろ大変な時期ですが、私どもとしてはぜひとも本質的な議論をして、若干のいろいろな変動に流されない議論をして、それで残したいと思っていますので、皆さま方のご協力をよろしくお願いいたします。
今日、各部会等々で議論されている内容、これの報告等々をまず第1回としてやらせていただきますが、どうぞ皆さま方の積極的なご参加をよろしくお願いしまして、あいさつに代えさせていただきます。ありがとうございました。
それでは、お手元の議事次第に従って進めてまいりたいと思います。本日、各委員の初顔合わせの会合ではございますが、委員名簿あるいは座席表が配布されておりますので、ご紹介は省略させていただきます。「総合資源エネルギー調査会において部会長に事故があるときは、当該部会に属する委員または臨時委員のうちから部会長があらかじめ指名する者がその職務を代理する」というふうに規定されております。従って、本総合部会の部会長代理には、本日は所用により欠席されておりますが、黒田昌裕委員にあらかじめお願いしたいと思っております。
それから、先ほどありましたように、経済産業大臣から総合資源エネルギー部会に対して2件の諮問がなされておりますので、本部会でその付託を受けております。ぜひとも活発なご議論をよろしくお願いします。
では、議事に入る前に配布資料の確認を事務局よりよろしくお願いします。
星野室長
配布資料の確認をさせていただきます。お手元に「配布資料一覧」という1枚紙があると思います。議事次第、委員名簿、座席表に続きまして、資料1から資料6-2まで、また参考資料1-1と1-2ということでお配りさせていただいております。過不足があるようでございましたら、事務局にお申し付けください。
三村会長
皆さま、よろしいでしょうか。
それでは、資料1の「会議の公開について」をご覧いただきたいと思います。本部会の公開につきましては、審議会の公開に関する閣議決定などを踏まえて、この資料のとおり、原則公開で運用することとしたいと思います。ご承認いただきたいと思います。よろしくお願いします。

エネルギー基本計画について
エネルギー供給構造高度化法等について

三村会長
それでは、早速議題に入りたいと思います。事務局より資料を説明していただきたいと思います。よろしくお願いします。
星野室長
配布資料に基づきましてご説明をさせていただきます。
まずは、資料2をご覧ください。「エネルギー政策基本法とエネルギー基本計画」と題しているものでございます。エネルギー基本計画は、エネルギー政策基本法においてエネルギーをめぐる情勢の変化を勘案し、およびエネルギーに関する施策の効果に関する評価を踏まえ、少なくとも3年ごとにエネルギー基本計画に検討を加え、必要があると認めるときには、これを変更しなければならないというように規定されております。現行の基本計画は、平成18年に総合部会でご審議いただきまして初めての改定を行ったわけですが、新・国家エネルギー戦略等を踏まえ、資料の2枚目にあるような構成にして、平成19年3月に改定をしてございます。これから年末までと思いますが、エネルギー安定供給の確保、環境への適合、市場原理の活用といった基本法に定めた方針に従って、エネルギーを取り巻く情勢の変化等を踏まえながら、皆さま方のご協力を得て見直しの検討を進めてまいりたいと存じます。
次に、前回の基本計画からの動きとして、お手元の資料3でございます。エクセル表で、ちょっと字が細かくて恐縮でございますが、各部会・分科会の議論の進捗状況をまとめております。こちらについて、最近の主なものをご紹介したいと思います。
まず一番上にあります総合部会ですが、先ほど部会長の方からお話がございましたように、7月1日に成立したいわゆるエネルギー2法の基本的な考え方を本年1月に取りまとめていただいたというのが、直近の成果です。
次に、需給部会ですが、本年6月に発表されたわが国の中期目標の検討のベースとなった長期エネルギー需給見通しというものを、昨年の5月にまとめていただいております。
それからその下ですが、省エネルギー部会です。こちらにおいては、平成19年12月に、今後の省エネルギー対策の方向性について「省エネに終わりなし」という提言をいただきまして、これに基づいて省エネ法を改正しているところでございます。改正に伴いまして、事業者単位のエネルギー管理等を導入しているというところでございます。
省エネルギー基準部会、その下でございますが、こちらにおいては、工場等の判断基準の改定を行っております。また、分野別のトップランナー基準の策定・改定を行っております。
次のページでございます。新エネルギー部会の関係ですが、新エネルギー部会におきましては、昨年9月、新エネルギー政策の新たな方向性ということで緊急提言をいただいております。その後、部会の方では、太陽光発電、風力発電など各新エネルギー源の論点について整理を行っていただいているとともに、直近では太陽光発電の新たな買取制度についてご検討いただいたところです。
下の方でございますが、都市熱エネルギー部会でございます。こちらにおいては、本年1月に原料費調整制度の見直しについて取りまとめていただいております。また、今月でございますが、低炭素社会におけるガス事業の在り方という提言をおまとめいただく予定にしております。
次のページをご覧ください。鉱業分科会でございます。鉱業分科会におきましては、本年3月、海底熱水鉱床に関して今後10年程度を見通した「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」というものを策定しております。6月には、またレアメタル確保戦略を取りまとめていただいております。
さらに下の方でございますが、本年2月ですが、石炭に関してクリーンコール部会という部会を新たに設置しております。この部会におきましては、6月にわが国のエネルギー政策における石炭利用の意義、実績をレビューするとともに、石炭の利用・開発の両面におけるわが国の取るべき対応や官民の役割分担について盛り込んだ報告書を取りまとめていただいております。
次のページをご覧ください。石油関係でございます。石油分科会におきましては、昨年4月、バイオ燃料の今後の在り方を取りまとめていただいております。また、メタンハイドレート等に関して、前のページで申し上げました「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」をこちらにおいても策定していただいております。
次のページをご覧ください。電気事業分科会でございます。電気事業分科会におきましては、第4次制度改革の基礎となる今後の望ましい電気事業制度の在り方を昨年3月に取りまとめていただきまして、またその詳細な制度を昨年7月に取りまとめていただいております。さらに、本年1月ですが、「燃料調整制度の見直しについて」という第1次報告を取りまとめていただきまして、現在、地球温暖化問題への対応などについて2次報告として取りまとめているというところでございます。
その下、原子力部会でございます。原子力部会におきましては、本年6月、国際戦略検討小委員会の報告書と、原子力発電推進強化策という二つを取りまとめていただいております。
各部会における審議状況は以上でございます。
次に、こうした部会・分科会のご意見を踏まえた各分野における取り組み状況と今後の基本的方向性について、資料4に基づきましてご説明をさせていただきたいと思います。資料4をご覧いただけますでしょうか。
まず、3ページをご覧ください。全般的な情勢をまずご説明申し上げます。全般的な情勢といたしましては、原油価格の急激な騰落が挙げられると思います。昨年8月、こちらの総会の方では高騰局面のお話をさせていただいたところでございますが、その後から、金融危機の影響もあって価格が急落しておりました。30ドル台まで下がったところですが、現在また上昇局面にありまして、60ドルから70ドル台で推移をしているというところでございます。
最近の価格上昇でございますが、株価が上昇して経済指標が回復したということから、エネルギー需要の回復への期待が背景となっているものと考えられます。しかし、足元の石油需要はまだ低水準でございますし、また、在庫は高水準で推移していることから、相場が不安定となっている状況でございます。
こうした状況に対して、上流事業の着実な投資、さらには省エネ・新エネ・原子力の導入促進を通じた需給面での対応が必要であります。また、原油市場においてさらなる透明性の向上や、取引の監視強化について、関係当局間での協調行動を進めることも重要となってきているところでございます。
次のページをご覧ください。次に、地球温暖化問題の対応というところですが、こちらについても重要性がますます増してきているところでございます。短期的には、経済停滞によって温暖化防止対策の停滞が懸念されている中、京都議定書の目標達成計画を着実に実施していく必要があります。また、中期的には、麻生総理が発表いたしました2005年比15%減の中期目標を達成するための対策を早急に検討していく必要があると考えます。総理の発表した目標値ですが、太陽光を2005年の20倍にすることや、次世代自動車を新車販売の約半分にすることなどを通じて、世界最高水準にあるわが国のエネルギー効率をオイルショック時の30%改善を上回る33%の改善を目指すというものでございます。長期的には、2050年には60~80%の削減の目標達成と経済成長を両立すべく革新的技術開発の推進が必要となっているところでございます。
続いて6ページをご覧ください。各分野における現状認識、論点等をご説明したいと思います。ただ今ご説明しましたように、低炭素社会への転換、そして原油高を背景としたエネルギー安全保障強化の観点から、省エネルギー対策の強化というものが重要となっているということです。このため、昨年、省エネ法を改正したわけですが、改正した結果、事業者単位のエネルギー管理や住宅・建築物の規制強化等を実施したというところでございます。
今後についてですが、さらなる省エネの推進のために、建築物のゼロ・エミッション化や住宅の断熱性能の向上、見える化を通じた省エネ産業の展開、改正省エネ法の着実な執行、省エネ設備・家電のさらなる導入といったところが課題となっている状況でございます。
次のページをご覧ください。続いて、各エネルギー源について、今回成立したエネルギー供給構造高度化法における非化石エネルギーの利用の推進と、化石エネルギーの有効利用の促進という整理でご説明したいと思います。
まず、非化石エネルギーについてですが、「原子力の推進」ということでご説明させていただきたいと思います。原子力は供給安定性に優れ、発電過程で二酸化炭素を排出しないという特性を持っておりますことから、原子力の推進というのはエネルギー安全保障と地球温暖化を一体的に解決する要であると考えております。
今後ですが、本年6月に取りまとめました「原子力発電推進強化策」に基づきまして、設備利用率の向上など既設炉の活用、それから新増設の実現、核燃料サイクルの確立といったものが必要となってきます。また同様に、新規導入国に対します基盤整備支援等の国際協力といったものや、わが国の原子力関連産業の国際展開といった分野も重要となっていると認識しております。
続きまして8ページをご覧いただけますでしょうか。新エネルギーについてご説明申し上げます。新エネルギーにつきましては、太陽光発電・風力発電等導入の拡大は、エネルギー源の多様化といった面や、地球温暖化の観点から重要であると認識しておりますが、現時点ではコストが高い、出力が不安定であるとの課題があります。再生可能エネルギーにつきましては、2020年ごろに20%程度にするという導入指標がございますが、これを達成するためにも、今申し上げた課題を克服しながら、太陽光発電だけではなく、風力・地熱・水力・バイオマス等も導入拡大を図っていく必要があります。そのためには、技術開発、設備導入支援に加えてRPS法の着実な推進も必要となってくるということでございます。
特に、太陽光発電につきましては、次のページにスライドを準備しております。太陽光発電につきましては、「未来開拓戦略」等で2020年ごろに現状の20倍程度という高い目標を設定しているわけですが、こういった目標を達成するためにも、太陽光発電の新たな買取制度の導入、国民へのPR、スクールニューディール等、学校等公共施設への導入拡大など、各省で今連携してつくっております太陽光発電の導入拡大のためのアクションプランの実施といったものを進めているところでございます。
次のページに移らせていただきます。こういった新エネルギーの大量導入に当たりまして、出力変動に伴う電力系統の安定化対策といったものの検討が、今、必要となってきているところでございます。特にコスト負担の在り方については国による実証試験を今行っているところですが、この結果等を勘案しながら検討を進めていく必要があるというところでございます。
続きまして、次の11ページですが、バイオ燃料等についてご説明申し上げます。バイオ燃料につきましては、本年2月に改正品確法を施行したところでして、バイオ由来の燃料導入促進税制といったものも適用を開始したところから、環境面を整備したという形になっております。今後、食料と競合しないセルロース系のバイオ燃料の生産技術といったものが課題となってくるところでございます。
新エネルギーではないのですが、バイオ燃料の関係で申し上げますと、それに加えて左の中ほどにございますが、バッテリーや水素燃料電池、クリーンディーゼルなどインフラ面といった分野につきまして、今後の技術革新の進展等を踏まえた重点化が必要となってきているというところではないかと考えております。
続きまして、化石燃料の有効利用関係についてご説明したいと思います。12ページをご覧ください。まず、ガス体エネルギーについてご説明申し上げます。天然ガスにつきましてはほぼ全量が輸入に頼っておりますが、その供給先が広く分散していること、長期契約が主となっていることなどから、安定供給がある程度確保されているところでございます。また、他の化石燃料に比べて相対的に環境負荷が小さいとの特徴を有していることからも、低炭素実現に向けた高度利用が重要となっているところだと思います。また、LPガスにつきましても、環境負荷が小さいこと、災害時の初期対応に適しているなどの適性がございまして、それぞれ、インフラ整備の促進等が必要となっているところです。このほか、ガス体エネルギーの利用の効率化・多様化を図るためには、コジェネレーションや燃料電池の活用等を推進するということにしております。
続きまして、次の13ページでございます。石油関係をご説明申し上げます。石油に関してですが、燃料油の国内需要の2008年から2013年の見通しは16.4%減少しており、質的には白油化の動きが進展しております。ただ、産出・供給される原油油種は重質化する方向にあるということでございます。こうした中、コンビナート連携を通じました石油精製業の競争力強化、重質分解能力向上のための研究開発といったものが重要となってくると考えます。
続きまして、石炭でございます。石炭につきましては、世界的に石炭火力が、発電は電力構成の主力で、今後とも拡大する方向となっているところですが、効率の悪い石炭火力といったものも多数存在いたします。わが国は環境に配慮した石炭利用技術で世界一となっているということから、今後、石炭のクリーン利用に関する技術開発を推進するとともに、技術移転や人材開発といったものを通じて、これをアジア等海外に普及していくことで地球温暖化問題に貢献することができると考えております。
続きまして、レアメタルでございます。レアメタルは、自動車やIT製品の製造に不可欠な素材ということですが、ただ、供給が少数の資源国に集中しているということから、安定供給確保といったものが大きな課題となっています。こうした課題に関して、具体的には資源外交、リサイクルの推進、代替材料の開発、備蓄といった総合的な資源確保戦略が必要だと思います。
続きまして、資源外交・国際協力ということでございます。まず、資源外交でございますが、資源国との関係強化を引き続き図るとともに、昨今の原油価格が乱高下していることを受けまして、原油市場の安定化に向けた国際的な協調も推進しているところでございます。今後でございますが、資源価格が最高時に比べて低下しております現在、わが国企業の海外権益の確保の支援強化といったものが必要となっております。また、わが国の領海に存在する石油・天然ガス、メタンハイドレート、レアメタルについても、開発に向けた取り組み強化が必要ではないかと考えております。
続きまして、17ページです。省エネ・新エネ分野の国際協力でございます。こちらは、アジア等の途上国では省エネ制度も未整備であったり、再生可能エネルギーの普及も不十分であるといった状況にございますが、これらの国々では、ビジネスベースでの協力を求められているということがございます。こうした要請に応えまして、世界省エネ等ビジネス推進協議会というものを立ち上げておりますが、こうしたものを活用したビジネスベースの活動支援や国際省エネ協力パートナーシップ(IPEEC)や、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)を通じた協力といったものが必要となってくると思います。
続きまして、その次のページですが、革新的技術開発でございます。昨年3月に21の技術を選定したわけですが、こちらにつきましては、平成21年度予算では補正を含めて916億円を計上して着実に推進しているということでございます。また、国際連携につきましても、アメリカ・欧州とそれぞれ連携が始まっているところでございます。また、この連携におきましては、知財保護、費用負担の在り方など、競争と協調のバランスを配慮しつつ進めることが必要だと考えております。
最後に、電気・ガス事業制度の改革についてご説明申し上げます。昨今の燃料価格の大幅かつ急激な変動などを背景に、昨年、電気・ガス共に燃料費調整制度、原料費調整制度の見直しを行いました。電気に関しては、このほか太陽光発電の新たな買取制度に係る買取費用の費用負担の方法についての制度設計や、昨年また取りまとめました第4次制度の制度改革をどのように評価するかといったところが課題となってきているところでございます。
次のページにガス事業がまとめてございますが、ガス事業につきましては、本年6月、許認可プロセスなど行政関与の在り方について取りまとめを行ったところでございます。さらに今後は、家庭用を含む小売り自由化範囲の拡大等の検討を行う予定としているところでございます。
続きまして、資料5をご覧ください。以上、ご説明した点を踏まえながら、今後の基本計画の見直しを検討していくということになりますが、検討の進め方について資料5に基づきましてご説明させていただきます。検討については、この総合部会の下に基本計画委員会を設置して進めてまいりたいと考えております。スケジュールですが、8月下旬ごろからこの小委員会を5回程度開催し、年内をめどに、現行基本計画に必要な見直し案を取りまとめた上で、総合部会に報告していただくという形にさせていただきたいと考えております。
基本計画に関するご説明は以上でございます。
石崎室長
エネルギー政策企画室の石崎でございます。資料6-1、資料6-2、エネルギー供給構造の高度化に関する制度設計についてご説明をさせていただきます。それから、メーンテーブルの方のみですが、法案そのものの関係資料が配布されております。
まず資料6-1ですが、1.に記載のとおり、エネルギー2法の成立につきましては、今年1月の総合部会の取りまとめを踏まえまして、3月に「エネルギー供給構造高度化法案」、そして「代エネ法改正法案」、この2法案を国会に提出いたしました。その後、衆議院における修正を経まして、先週7月1日に参議院本会議で可決、成立したところであります。
今後の制度設計についてですが、この二つの法案につきましては、法律上は公布の日から2年以内に施行とされておりまして、今後、制令・省令の制定や、基本方針、判断基準、指針などの策定を行う必要があります。具体的な法律は、資料6-2の方に示しております。
資料6-2を見ると、中段ぐらいに「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律」とありまして、エネルギー供給事業者(電気、石油、ガス事業者)に、非化石エネルギー源の利用、そして化石エネルギー源の有効な利用を推進するということです。法律の仕組み自体は省エネ法とほとんど同じでございまして、大臣が基本方針を策定し、特定のエネルギー供給事業者に判断基準によって非化石エネルギー源の利用や化石エネルギー源の有効な利用を義務づけまして、一定規模以上のエネルギー供給事業者に計画を作成し提出していただき、判断基準に照らして取り組みの状況が著しく不十分な場合には、勧告や命令などの措置をするという、こういった仕組みになっております。
資料6-1に戻っていただきますと、そういうことで、先ほど2.でご説明しましたとおり、政省令制定、基本方針、判断基準、指針などの策定が必要になっているわけです。
ちなみに、特に太陽光発電の新たな買取制度につきましては、これを早期に実施することが社会的な要請としても非常に強いということで、別途、新エネルギー部会、そして電気事業分科会の下に買取制度小委員会を設置しまして、これで早急に検討を開始するということにいたします。
それから、供給構造高度化法の具体的な制度設計につきましては、本総合部会の下に3.に記載しておりますとおり、「供給構造高度化小委員会」を設置しまして、この小委員会では、まずこの法律の義務づけの対象となる特定エネルギー供給事業者、そして特定燃料製品供給事業者の対象範囲について、まず事業の特性などを勘案しつつ、具体案を検討したいと考えております。
以上で、資料の説明を終了させていただきます。
三村会長
それでは、これまでの事務局の説明などについて、各委員よりご質問、ご意見をいただきたいと思います。今回、総合資源エネルギー調査会の各部会長および分科会長にたくさん出席いただいておりますが、それぞれの審議状況なども踏まえてご発言いただければありがたいと思います。それから、今日はスタートでありますので、何かここで決めるということではございません。むしろ大きな立場で、意見があれば、それもぜひともできれば全員の方々からお話しいただければありがたいと思います。それでは、ご意見がおありの方は、いつものとおり札を縦にしてお示しいただければ、司会者としてはその順序で指名させていただきますので、よろしくお願いいたします。最初にどなたか口火を切っていただけると、次々と話が出るので、よろしくお願いいたします。
では、柏木委員、よろしくお願いします。
柏木委員
新エネ部会を拝命しています柏木でございます。
たまたま、新エネ部会で去年の今ごろ随分ディスカッションしていて、ちょうど6月9日に福田ビジョンが出て、その際、低炭素国家を今世紀の課題として日本は目指すと。よって、新エネルギーに関してもきちっと対応するというご発言をいただいてから、この部会で緊急提言という形でまとめさせていただき、その後、今日のご報告があった新法、「石油代替エネルギー法案」と「エネルギー供給構造高度化法案」のこの二つが通称ですが、成立したと。これによって、今、新エネ部会では随分積極的に議論させていただいています。大臣の政治決断ということもありましたし、太陽電池に関しては極めて産業政策上も日本が取るべき道だと。ですから、エネルギー政策、環境政策、産業政策、三つ合わせた上できちっと対応すべきだという考え方から、特に太陽電池に注目して、今、ご報告があったような形で固定価格の買い取りを余剰電力に関してのみ考えていこうではないかと。制度設計をこれから始めるという段階でございます。
そういう意味で、今の法案の高度化に関しては、これは今までの新エネ部会のご報告に一応なると思いますが、審議会の役目は非常に緊張感を持ってきちっとやらなければいけないと。これはなぜかというと、余剰で割高のものを市場に入れていくわけですから、間違いなく誰かが払うわけです。それは国民全体の参画だというふうに大臣が決断しておられますので、それに沿った形で、全国民が電気を使う電気料金徴収制度をうまく活用しながら、負担金という形で取っていくということに関するコンセンサスを得ながら、これから細かい制度設計をする必要があるだろうと思っておりまして、審議会の役目は極めて大きくなったというのが一つ目です。
それに伴って、化石から非化石へという流れはかなり加速するだろうとわれわれは思っております。ただもう一つ、この法案が大事なのは、化石燃料の高度利用と原料の高度利用を合わせて両輪で対応すべき話だと思っています。もちろん、規制法は誘導的規制ですから、規制と支援とがうまくポリシーミックスの形で進んでいかないと、日本独自の良さが出てこないと。供給事業者がやはりこういう誘導的規制を達成することによって、新たな技術開発、あるいは高度利用が生まれてくると考えなければいけないと思っております。それと同時に、「石油代替エネルギー法案」の改正がありましたので、これに伴って、やはり天然ガスの立場はどうするのか、石油以外の、例えば石炭はどうするのかということを極めて位置付けをきちんとすべきだと思っております。ですから、そういう意味で、今の新法の成立に伴って、化石から非化石への流れと同時に、化石燃料の高度利用のポリシーミックスをきちっと今後やっていく、その細かい制度設計が必要になるということが一つです。
もう一つが、非化石燃料の大量導入。例えば太陽電池が今、大量導入されると。今、中期目標で2005年ベースで15%真水だということを総理がおっしゃっておられて、これも一応、政治決断だと思っております。プラス、経済産業省の需給部会では、14%が最大導入ケースということになっています。プラス1%というのも、新エネ部会にはかなり影響があって、太陽電池の導入を2005年ベースで、福田さんの場合には10倍の1400万kWでしたが、それが20倍ということになりますと、事業用の電力が2億数千万kWで100V系のところに2800万kW入ってくるといいますと、やはりグリッドのスマート化、インテリジェント化をしていかないといけない、合わせて系統と一体で考えなければいけない話になりますから、こういう技術開発、あるいはこういうグリッドのスマート化をどういうふうに考えるか。併せて、日本の産業政策を考えますと、デマンドに太陽電池だけでなく、エコカーで電気自動車が入ってくる可能性もこれから十分考えられます。また、給湯器の代わりに燃料電池が入ってくる可能性も十分あるわけで、既に商品が出ているわけです。そうなりますと、需要サイドでの電力のスマート化、これもいち早くエコハウスという形、スマート・エネルギー・ネットワークという形で進めていかないと、世界の中で、制度はできたけれども、技術あるいはシステムがついていかないということになるといけませんから、今後、極めて重要な、きめ細かい対応が特に必要になるということを申し上げたいと思います。
以上です。
三村会長
ありがとうございました。
どなたか、ほかに。横倉委員、よろしくお願いします。
横倉委員
横倉でございます。私は都市熱エネルギー部会の部会長を務めておりまして、今、柏木委員からもお話がありましたことにも関連しますので、そういう立場でまず部会でこれからどのようなことをやっていくかということをお話しさせていただこうと思います。
先ほどもちょっとご紹介がありましたけれども、都市熱エネルギー部会では、現在、「低炭素社会におけるガス事業の在り方について」ということで、近々提言を取りまとめることにしております。この中では、低炭素社会の実現に向けてガス事業が果たすべき役割、あるいは期待される役割というものについて、中長期的な視点に立った天然ガスの高度利用についても検討を通じて明らかにしていきたいと、こういうことが趣旨でございます。
現在、議論をしております中の柱の第一は、コジェネシステムの活用によって電気と熱のベストミックスの実現を図るというほかに、今、柏木委員からもちょっと言及がありましたが、スマート・エネルギー・ネットワークのローカルのネットワークをどのように構築し、それを基礎として分散型エネルギーシステムをどのように展開していくかということが、第一の柱になっております。
それから第二の柱は、水素社会、あるいは水素ネットワークの構築に関連する話ですが、天然ガスの改質による水素の製造、あるいは燃料電池をコアとした水素ネットワークというものを構築していく上でガス事業がどのように貢献できるかということです。
それから第三の柱は、これまでもいろいろ貢献していると思いますが、産業部門における天然ガスの高度利用について一層効率化を進めることによって、産業部門の省エネ、あるいはCO 2の削減に寄与していきたいということです。
そして、第四の柱は、バイオガスを都市ガス原料として利用していくということにつきまして、どのような形でそれを生かしていけるか、導入を進める上でどのような工夫が要るかということです。
現行のエネルギー基本計画におきましても、コジェネ、あるいは燃料電池に代表されるような分散型エネルギーシステムを推進するという点と、また、天然ガスの燃料電池への利用によって水素エネルギー社会の実現への取り組みを推進していくということになっていると承知しておりますが、以上申し上げましたように、この2点は今後も引き続き重要な課題であると認識しております。そういう点も含めまして、今申し上げたような4本の柱で提言を近々まとめたいという状況にあります。
以上は部会長としての発言ですが、私が日ごろ思っていることについて多少時間を頂いてお話しさせていただきます。これからエネルギーの基本計画を改定するに当たって、当然、原子力や再生可能エネルギーに環境やセキュリティーの観点からプライオリティーがつくということはあるわけです。他方で、やはりエネルギー源を多様化する、多様なエネルギー源を確保するということは、一次エネルギーのレベルでも、二次エネルギーのレベルでもセキュリティーの面、あるいはさらにその需要可能選択肢を確保するという意味でも、極めて重要なことだと思います。そういう観点の評価もしようではないかということが一つです。
それから2番目は、部会長からもお話がありましたが、環境問題にしてもセキュリティー問題にしても、これは長期にわたる問題で、いつ終わるということでもないし、特に環境問題は、2050年や2100年というところまで議論されているわけです。そうすると、これまでもそうですが、これからエネルギーをめぐる状況はいろいろ変わり得ると。そういう点を考えると、やはりエネルギーの供給システムなり、エネルギー政策についても、フレキシビリティーというか、柔軟性がかなり必要ではないかと。ですから、ある期間の状況で固定的、硬直的な仕組みをつくると、かなりそれは変化に対して即応できないということになると思いますので、そういう点で、できるだけフレキシビリティーを持った政策なり、それを反映した供給の仕組みなりを考えていかなければいけないのではないか。そういう意味で言いますと、電気やガス等でこれまで競争環境を整備してきたところだと思いますが、そういう競争環境の整備は、やはりフレキシブルに対応していく上でそれなりに役立つスキームだと思います。そういう観点からも、競争環境の整備は評価をすべきではないかと思っております。
以上です。
三村会長
どうもありがとうございました。
次、田中委員からお願いしたいのですが、札が上がっているのは、田中委員の次は中上委員、それから天坊委員、市野委員、持田委員、鳥居委員と、この順序でよろしくお願いします。
では、田中委員、よろしくお願いします。
田中委員
原子力部会長をやらせていただいています田中でございます。少し遅れて申し訳ございませんでした。
部会長から何か話をしろということでございますが、先ほどの資料4にもございますとおり、2020年において15%減というときには、ここにありますように原子力が重要な役割を果たさないとこれは難しいということは、皆さんご承知のとおりでございます。この4ページを見ると、二つ書かれておりますが、稼働率、柏崎刈羽は止まっていることもございますが、わが国の稼働率をほかと比べると結構低いのです。この稼働率をここでは約80%と書いていますが、これを高めることが大変重要です。
それから新設の九つの発電所を造るということがあります。現在、三つが建設中でございますが、2020年に九つを造って間に合わせることはそんなに簡単ではなくて、大変なことでございます。逆に大変なことではありますが、これをしっかりやっていかないと、目標が達成されないということを部会としても大変認識しながら、いろいろと委員会をやっているところです。
7ページ目に、先ほど話があったかと思いますが、そういう認識の下に「原子力発電推進強化策」というものをつい最近つくらせていただきました。これは、「原子力政策大綱」が2005年に決定され、閣議で了解された後、2006年に「原子力立国計画」というものをつくり、いろいろと政策を反映していたところですが、環境状況の変化などいろいろとございまして、ここでさらに「原子力発電推進強化策」を整理して、まとめて、さらに何を強化するのか、大事なことがあるのかをまとめたところでございます。特に、先ほども申し上げたとおりですが、設備利用率の向上と新増設の着実な実現ということが大変重要な点でございます。この発電推進強化策は、経済産業省の名前でつくったもので、原子力安全・保安院などとも連携を取りながら、80%あるいはそれ以上の稼働率になるようにしていかなければいけないと思います。
それから九つというのは、現代あるいはこれからの電力需要等から考えると、そんなに簡単な数字ではないかと思いますが、これをしっかりとやっていくことが結果として目標達成になるし、わが国のエネルギーセキュリティーの向上にもなるかと思いますので、これが政策として本当にうまくできるようにやっていかなければいけないと思っています。そういうことでは、部会としても大変緊張感を持ってやっていかなければいけないと思います。
それから、7ページにも書いておりますが、核燃料サイクルの確立も重要な観点です。中長期的にわが国のエネルギーの安定供給などを考えていくと、核燃料サイクルの確立は大変重要でございます。これについては、現在、六ヶ所再処理工場が最後の段階でトラブったり、あるいは「もんじゅ」が運転再開にもう少しかかるということもございますが、これは立国計画でも書いておりますが、ぶれない政策をしっかりと考えながら、なおかつその中の柔軟に対応という、ぶれなく、なおかつ柔軟ということをしっかりと認識しつつやっていかなければいけないということで、原子力部会としても緊張感と責任を持ちながらやっていきたいと思います。
三村会長
ありがとうございました。
それでは、中上委員、よろしくお願いいたします。
中上委員
ありがとうございます。省エネ部会の部会長をこの6月から拝命しておりますが、このところ、先ほど柏木新エネ部会長からお話がありましたように、太陽光発電や新エネにつきましては議論が非常に活発でございまして、数えてみますと、省エネ部会は13回を数えましたが、新エネ部会はその3倍近くをこなしておられまして、いささかサボっているのではないかと思われるかもしれませんが、決してそうではございません。部会としては公式に立ち上げませんでしたが、省エネ、新エネ部長の私的諮問委員会として各論は随時議論をしてきたところでございます。
ご案内のように、わが国の省エネというのは、1970年の石油ショック以降、新エネはサンシャイン、省エネはムーンライトと、私はこの名前があまり良くなかったのではないかといつも申し上げています。サンシャインの方に日が当たって、そのお金をもらって省エネをやっているようですが、圧倒的にその貢献度は、圧倒的と言うとまた新エネ部長にしかられますが、省エネの方が数倍期待度が高いわけです。EUのシナリオ等を見ておりましても、新エネ、新エネと言っていますが、やはりメーンのメニュー、メーンディッシュは省エネですから、頑張らなければいけないと思っております。
この30年間で三十数パーセントを超える省エネを達成したわけですが、今後また30年でもう30%一頑張りというのですが、そうそうリニアに政策の遂行ができて省エネが達成できるとは思えませんので、これからの30%は、今までの数倍大変かと思いますが、期待されている以上、何とかトライしなければいけないと思っております。
その中でもご案内のように、例えばトップランナーという政策は、正式に英語ではfront runnerというそうですが、トップランナーと間違って和製英語を付けたばかりに、今やトップランナーというと日本が世界に誇る省エネの基準であるということで、固有名詞として通用するようになりましたから、何が幸いするか分かりませんが、非常に高い評価を受けておりまして鼻が高いわけです。今後、こういったものをますます上積みして、今後とも世界をリードするような立場を維持していけるように、省エネでも頑張らなければいけないと思っております。
しかし、新エネに比べますと、やはり省エネルギーというのはステークホルダーというか、当事者が非常に幅が広うございまして、新エネの場合、割と焦点が絞りやすいので議論も収斂しやすいのですが、省エネといいますと、われわれ一人一人の消費者の立場に立ってもこれは主役であります。それを周辺に取り巻くいろいろな産業、あらゆる場面で省エネはみんながステークホルダーであるわけです。この辺も一度、きちっと整理をして、焦点がそれぞれに絞れるような形にしていかなければいけないのではないかということを、つい先日も省エネ課長とお話をしたところでございます。
省エネ部会では、ご案内のように、2007年12月に省エネ法の改正を行いまして、今年は「事業所」から「事業者」と、1字だけ変わったわけですが、実は大変な変化でございまして、今まで省エネ法の網に掛からなかった方たちもこの省エネ法の網に掛かってくるということで、今年1年かけて実績をご報告していただいて、来年からそれに基づいて具体的な省エネのシナリオを立てていただくことになっております。今は、粛々とデータを集計していただいているところです。これが出ますと、一気にいろいろな形が見えてくるのではないかと思っております。
先般、6月に久しぶりに省エネ部会を開催したわけですが、さまざまな議論がございました。特に、中期目標がちょうど発表になりましたので、これにまつわる議論にかなりの時間を割きました。その議論の中で幾つかご紹介しておきますと、省エネ政策を進める上では、やはり日本の産業競争力を弱めないような配慮をどこかでしてほしいという議論や、エコポイント制度が導入されまして、これも非常に反響を呼んでおりますが、大型の家電機器や大型の自動車にシフトしてしまったのでは、省エネというところが薄れるのではないかというお話があります。こういった消費者の志向といいますか、こういったものに対して政策はどこまでこれに関与できるのだろうか。個人の好みまで政策ベースで何か言うのはおかしな話ですが、やはり価値観を大きく変えていくという意味においては何らかの役割があるかもしれませんが、消費者の志向と省エネが若干齟齬を来す場面がないわけではありません。こういったものについても議論が一部ございました。
それから、より実態に合わせた省エネ基準の評価方法、これはともすると古い例で申し上げますと、古い時代の機器のままで省エネ評価基準、効率基準を測定する場合があったわけですが、それが日進月歩で省エネ技術が非常に進んでまいりますと、機能が複雑化しますし、制御も非常に細かくなってまいります。そうしますと、いわゆる旧来の性能測定方法ではマッチしないと。ますます実際の使用場面との数値が違ってくるということもままあったわけです。これも適宜、例えば冷蔵庫などを見直したわけですが、こういったことも踏まえて、技術の進歩に効率の測定が遅れないようにというご意見もちょうだいしたところです。
いずれにしましても、中期目標が出まして、それから多分、この後、基本計画の見直し、それから需給の見直し等があると思いますので、それを受けまして、省エネの部会からもそれを支援していくような議論を深めたいと思っております。昔、エネ研の内藤さんの先輩の所長さんが、省エネは駆け込み寺だという話が。駆け込まれないから何もやらないわけではありませんで、駆け込んでいただいても結構ですが、駆け込み寺として後の事後処理だけにならないように、こちらからも先手を打って話を進めていきたいと思っておりますので、またご協力をよろしくお願いしたいと思います。
以上でございます。
三村会長
ありがとうございました。
天坊委員、よろしくお願いします。
天坊委員
それでは、先ほど説明がございましたが、エネルギーを取り巻く環境が大変大きく変化してきておりますので、石油業界の立場から、今後の小委員会でご留意いただきたいポイントも含めまして意見を言わせていただきます。
まず1点目ですが、エネルギー政策基本法、それに基づく基本計画において最優先の課題は、指摘がありましたとおり、エネルギーの安定供給の確保であり、国の安全保障にかかわるものだと思います。エネルギー政策の中で石油の位置付けを今度どう考えるのか、それによって石油政策の在り方は当然変わってくると思います。地球温暖化対策とエネルギー政策は、密接不可分な関係にあります。2020年の地球温暖化対策にかかわる中期目標を、実現可能性を考慮してどのように基本計画に織り込むかという問題は、極めて重要だと思っております。
地球環境と並びまして、もう一方のエネルギーを取り巻く環境につきましても、今世紀21世紀に入ってから様変わりしたと思っております。昨年、アジア諸国を中心とした世界的な石油需要拡大を背景に原油価格が急騰いたしました。各国の国益を懸けた資源獲得競争が激化しており、お金さえ払えばいつでも原油が手に入る時代は終わったと考えておくべきだと思います。日本では、これまで脱石油政策に加えまして産業構造の変化、景気の悪化、人口減少といった影響によりまして、石油の需要は減少の一途にあります。地球温暖化対策として、化石燃料の使用を減らしていくということは大事なことではありますが、2030年においても、日本の一次エネルギーの4割近くを占める最大のエネルギー源であると想定されております。これからも、必要不可欠なエネルギーとして最も重要な位置付けにあることは変わりないと考えております。
石油は、平時だけでなく、とりわけ地震発生などの緊急時には発電用燃料として、また、電線やパイプラインを必要としない、分散型の燃料として重要性が増します。そのため、石油業界は資源の確保、開発、輸入、精製、物流、販売という大変大きなサプライチェーン全体を常に健全に維持しておかなければなりません。国家のエネルギーセキュリティーとして、有事を含めたベストバランスというものを基軸とした議論をしていただきたいというのが第1点でございます。
2点目は、今回の計画改定に当たりまして重要な役割を担うと思われます「エネルギー供給構造高度化法」についてですが、これは単なる石油代替エネルギーの推進ということから、非化石エネルギーの導入・拡大、化石エネルギーの有効活用、高度化利用にエネルギー政策の軸足をシフトしようというものだと思います。その際、すべての化石エネルギーを公平に取り扱っていただけるように強くお願いしておきたいと思います。特に、エネルギーの自給率が極端に低い無資源国であるわが国にとっては、電力・石油・ガスなどのエネルギーごとに有効活用や高度化利用を目指すだけではなく、エネルギー事業者間のベストミックスという施策も考えておくことが重要だと思います。
例えば、石油サイドで余剰となります重油をバッファーとしてだけではなく、ベース電源として安定的に石油火力で、ある程度使用していただくということだと思います。また、エネルギー事業者に地球温暖化対策として経済的にコスト競争力のない非化石エネルギーの導入を義務づける場合、例えば石油業界がバイオ燃料などの導入時に、その後の継続供給にかかわる増加コストも含めて市場原理で回収できるようなスキームや制度の整備が必要だと考えます。電力の太陽光買取制度などと公平性を欠かないように、この点についてはぜひとも検討していただきたいと思います。
次に、化石燃料、化石エネルギーの有効活用、高度化利用についてですが、石油業界が今直面しております課題は、国内の石油需要減少が続く中で過剰設備をどうしていくか、需要構造の変化、白油化への対応をどうするか、製品輸出能力を拡大する、化学原料へのシフトなどがあると思います。これらの構造改善は、石油の安定供給に資するだけでなく、石油コンビナートの競争力向上など産業全体への貢献ができるものと考えています。私ども民間でできることは徹底して努力をしてまいりますが、石油の安定供給確保が日本のエネルギー安全保障上重要である限り、先ほど申し上げた大きなサプライチェーンを健全に維持できるよう、必要な政策的な支援をお願いしておきたいと思います。
最後になりますが、本日は、お話しする時間がありませんので、項目のみを申し上げます。例えば、消費地精製主義の意義、日本のリファイナリーの国際競争力、老朽化した設備のスクラップ・アンド・ビルド、あるいは石油化学コンビナートとしての国際競争力、こういった視点からもぜひ委員会においてご議論いただきたいとお願いいたしまして、終わります。
三村会長
はい、ありがとうございました。
次は、市野委員、よろしくお願いします。
市野委員
ありがとうございます。先ほど事務局からご説明がありました資料5の基本計画委員会、資料6の供給構造高度化小委員会、これに関しまして、ガス事業者の立場から考え方を申し上げたいと思います。
まず、基本計画委員会で検討が行われるエネルギー基本計画の見直しについてです。われわれガス事業者は、天然ガスのエネルギーセキュリティー面での供給の安定性、それから環境面での低炭素社会燃料である優位性を踏まえまして、ガス事業者が持続的に発展するため、成長するためにわれわれ自身が変革をしなければいけないということで努力をしつつ、新たなガス事業を創造していこうとしているわけでございます。
こうした中で、先ほど横倉部会長からもご説明いただきましたが、電力ガス事業部において、将来のガス事業の姿を検討する「低炭素社会におけるガス事業のあり方に関する研究会」、これがお隣にいらっしゃいます柏木座長の下で4月に開催され、6月30日に中間取りまとめが出されました。この後、横倉部会長の方に上がって、さらにこれをご審議いただくということになっております。資料4の12ページに、先ほどちょっとご説明がありましたが、中間報告では、低炭素社会に向けたガス事業の方向性としてガス事業の基盤整備の必要性とともに、四つの柱が示されております。一つは「分散型エネルギーシステムの展開」、それから二つ目は「水素エネルギー社会構築に向けた貢献」、それから「産業部門における天然ガスの高度利用」、それから最後に「再生可能エネルギー等の導入」と、この四つの柱が中間報告で示されております。今回のこのポスト代エネ法のエネルギー政策の中で検討を行われる今回の改定においては、こうした研究会での報告というものをしっかり趣旨に織り込んでいただきたいというのがわれわれの希望でございます。
それから、特に現在のエネルギー基本法では、エネルギー需給構造についての長期展望を踏まえた取り組みとしまして、分散型エネルギーシステムの構築に向けた取り組みと、水素エネルギー社会の実現に向けた取り組みが大きく取り上げられております。強靱かつ柔軟性の高い需給構造を目指す上では、両者とも非常に重要な要素でありますので、基本計画の見直しの際には、ぜひご反映をいただきたいと思います。
さらに、欧米における排熱などの未利用エネルギーの利用状況や、関連した政策動向を参考として、わが国でも同様にご議論いただきますよう、併せてこれはお願いしておきたいと思います。
それから2点目は、供給構造高度化小委員会についてです。都市ガス事業者はこれまでバイオガスの利用促進に取り組んでまいりましたが、新法の新たな規制の枠組みの中でも、都市ガスの原料としてバイオガスの購入を促進していきたいと考えております。今回の小委員会では、規制対象となる事業者、導入目標量などが検討されると認識しておりますが、バイオガスの利用目標、判断基準の検討に当たりましては、供給新法の附帯決議でも示されておりますように、各エネルギー源の特性、導入状況、技術開発動向などの実態を踏まえまして、実現可能性を重視しつつ策定を進めていただきますよう、お願いしておきたいと思います。
なお、バイオガスの利用促進に向けてわれわれも努力を行う所存ではありますが、下水処理場をはじめとするバイオマス所有者にバイオガスを発生させていただくということが最も重要だと考えております。今のところ、まだ発生が少ないということで、そういう中で買えなさいと義務化されても、ものがないと、玉がないという話になりかねませんので。経済産業省におかれましては今後、国交省や農林水産省、他の省庁、あるいは地方の自治体に対して今回の法律の枠組みにおけるガス事業者の取り組み、すなわちバイオガスの購入が円滑に進むような要請なり支援をお願いして、全体としてうまくいくようにお願いしたいと思っております。
以上でございます。ありがとうございました。
三村会長
ありがとうございました。
それでは、次は持田委員ですが、その次に鳥居委員、それから秋草委員、森本委員、古薗委員という形で進めさせていただきます。
それでは持田委員、よろしくお願いします。
持田委員
ありがとうございます。
クリーンコール部会はこの2月に発足いたしまして、6月にわたりまして提言をまとめるべく開催されました。委員の方々にとっては、やや釈迦に説法かもしれませんが、石炭は17世紀以来使われてきまして、1950年代までは最大のエネルギーでした。その後、わが国では閉山あるいは家庭での利用がなくなりまして、石炭の印象は極めて薄くなっているところですが、現時点でも世界的には石油に次ぐ第2のエネルギーを占めております。21世紀半ばごろには石油と並ぶぐらいの消費が行くのではないかということも予想されておりまして、イメージが悪い割には非常に重要な資源であるという認識です。今まで石炭部会はなかったそうで、閉山に伴う部会があったそうですが利用に伴う部会はなかったということで、この重要性に基づいて設置されたものと思っているところでございます。
しかし、化石資源の中では長期にわたって期待される資源ではありますが、CO 2の排出が多かったり、あるいはSO XやNO X、ばいじんも出る可能性もあるということで、この石炭をいかに効率よく、いかにクリーンに使っていくかというところに日本の技術が大きく期待されているところです。世界にこれをどう発展していくかということが、日本の産業立国としても重要な位置付けの対象の資源と認識しているところでございます。
先ほど、需給構造の高度化ということがございましたが、石炭の利用に当たっては、現在も平均して40%ぐらいの熱効率を2030年ぐらいには60%、さらに2050年には70%ぐらいを目指すということで、それだけで60%ぐらいの利用にすると同時に、残りの部分は大変難しい技術、あるいは高コストではありますがCCS(地下貯留)も合わせることでゼロ・エミッションが達成し得るのではないかということです。
このような技術計画をクールジェン計画として日本の技術政策の中に、あるいは産業政策の中に十分取り入れていただきたいという提言をしております。また、こうした技術は世界にも非常に要求をされている技術ですし、現時点においては世界の中で最も高度な技術ということですが、この普及を図ると同時に、常に新しい効率の高い技術を供給し続けるということが日本にとって大事ではないかということで、クリーン・コール・フォー・アースというやや大げさな名前が付いておりますが、世界発展を考えるということをこの部会の中で取り組んでいるところでございます。
石炭の利用に当たっては、先ほどちょっとお話がありました非在来型の石油やバイオマスなども、石炭と一緒に使うのが極めて容易な、かつ経済的な方法であるという認識もございまして、現実にはその方面の利用も進んでいるというところでございます。
こういうことで、技術的な準備は着々と進んではいるところですが、今ある設備を配置して、これを新たな実証、商業化を国内で進めていくためには、相当大きな投資が必要になってくるということでございます。その投資をどうやって確保していくかについては、市場原理に基づくのがまず第一ではございますが、わが国官民を挙げた知恵を出す、場合によっては外国の投資も呼び込むようなこともしながら、いかにこの技術を開発し、実用化し、それを世界の役に立てるかという大きな課題が技術のほかにあるという認識をしているところですので、この部会におきましても、その辺りを理解いただき、ぜひご支援のほどをいただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
三村会長
はい、ありがとうございました。
では、鳥居委員、よろしくお願いします。
鳥居委員
どうもありがとうございます。電気事業分科会の部会長をしております鳥居でございます。
電気事業分科会は、過去に小売りの自由化、いろいろな新しい発電業者の参入を認めるという方法で、それができるだけ電力の価格の低下に反映する方向で審議をしてまいりました。実際にそれが相当程度実現をしたと考えております。
それからもう一つは、その自由化、そして価格低下への誘導というものを家庭用の電力まで及ぼすことについて、かなりの議論をいたしまして、調査研究もしました結果、家庭用電力への小売りの自由化の影響というものが予想したよりも小さいのではないかということで、今は取りあえずそこのところは見合わせている状態です。
また、2番目に、電力のやりとりについて市場をどうするかということで、卸売市場をつくることになり、今、実際に卸売市場が動いているわけでございます。また、系統利用協議会と申しまして、系統利用協議会でも同様に、電力の融通のことについての仕組みをつくっているわけです。このような方法で、10の電力会社に分かれているわけですが、その電力会社間の壁を超えた融通制度が機能するようになっているというのが現状です。
今、当面の大きな問題の一つは、石油の価格がものすごい勢いで昨年の7月ぐらいまで上がっていって、120ドルぐらいまで行き、それから今度は急落したと。それに既存の制度が対応していないのではないかという問題があります。既存の制度と申しますのは、過去3カ月間の石油価格の動向を見て、そしてその燃料費調整をしたいということを役所に申し出る形で申請をして、そして今度申請が出ますと、3カ月間のタイムラグをもってそれが実行していいということになり、そこから今度は3カ月かけて電力の価格の調整が行われます。結局、全部で9カ月かかるのですね。これでは、ものすごい勢いで上がって、またものすごい勢いで下がるというときの電力価格への反映の仕方の調整にはちょっと無理だろうということで、新しい制度が既にできました。そして、今、その新しい制度を制度化するについての案をパブリックコメントにかけているという段階でございます。ただ、実際には、それでも間に合わないぐらいの急騰・急落だったものですから、東京電力をはじめとする各電力会社が自発的に電力価格についての調整をなさいまして、それぞれの会社ごとに、幾らにこの際は下げますということを皆さまに公示して、実行に移しておられる状況でございます。
それで、そういったことが当面、電気事業分科会での短期のテーマですが、長期のこれからのテーマについて二つほどお話をさせていただきたいと思います。
一つは、先ほど来お話が出ていますが、世の中、ものすごい勢いで世界が変わってきている。特に、オバマ政権の成立によって環境政策ががらっと変わってきています。それはどういうところに具現化しているかと言いますと、アメリカの場合には、スマートグリッドと呼ばれる新しい提案になっています。取りあえず、オバマ政権は、このスマートグリッドについての最初の予算として320億ドルを付けているわけですが、このスマートグリッドについて冷ややかに見る人と、これは大変なことだと見る人に意見は分かれると思いますが、私はやはり、低炭素社会のキーテクノロジーだと思います。
ちょうど1970年代の初めに、アメリカのカリフォルニア大学バークレーとMITとランド研究所と、簡単なインターネットの赤ん坊のようなものに最初の研究予算が付いたとき、やはりみんな冷ややかに見ていました。しかしあっという間に、数年の間にインターネットが出来上がってしまい、それが世界をインターネット社会にしたというようなことが起こることは間違いないと思います。
先ほど申しました家庭用電力についての影響がどうして出せないのかと言いますと、実はこういう仕組みがないからなのです。家庭で使っている電力が、何kWh使っているということをいちいち検針に行って見ているという、極めて原始的なことを日本ではやっているわけです。そうではなくて、スマートグリッドのような形でそれがオートマチックにフィードバックしてきて、そしてそれがいろいろな電源の調整に使われるという仕組みが必要ではないかと思います。そうすることによって、石油電源、それから原子力電源、その他の火力、風力、あるいは太陽光発電といったようなものへのそれぞれのフィードバック、そしてそこでの調整が利くという社会がつくられていくのが理想ではないかと思います。
2番目の問題ですが、原子力の問題です。やはり、原子力は電源の中の一番基幹部分であることは間違いありません。その基幹部分の原子力発電については田中先生からお話がありましたので、私がちょっと心配していることだけを付け加えさせていただきたいのですが、まず一つは原燃料です。要するに、ウランの確保というものについての国家としての国策をもっとはっきりと持ってほしい。それから、燃料棒です。これは久里浜のGNFという工場がありますが、行ってみると分かりますが、それが民家の真っただ中にあるのです。最初に造ったときは、久里浜の民家など全くない浜に造ったはずでしたが、その周りに家が建ってしまい、今や民家の真っただ中で燃料棒を造っている。この工場に何かが起こったとしますとバックアップはどこかということですが、バックアップはサウスカロライナ州のウィルミントンという町にある工場です。要するに、何というか、日本の原子力発電というのは脆弱な原料供給体制なのです。それが1番目の問題です。
2番目は、処理の問題です。今、六ヶ所村で処理工場を一生懸命立ち上げようとしていますが、もう何年もかかっているわけです。これはいろいろなご努力をしておられる現場の方々にお話を伺ってみたり、また実際に現場に行ってみますと、いろいろな問題があります。ここでは詳細を省略しますが、これらを一日も早く乗り越えて、バックエンドの六ヶ所の処理を早く始めなければいけない。そして、六ヶ所の処理が仮に動きだしたとします。そうすると、そこからは最終処理がさらに必要なものが出てきます。それを持っていく場所が全然決まっていないわけです。この前、1回、どこか手を挙げてくれた村の候補がせっかくあったのですが、その話がつぶれてしまいました。
それから、もう一つ厄介な問題がありまして、日本中の電力会社がやっている原子力発電で発生する処理を必要とするものの半分しか、六ヶ所では処理できないわけです。残った半分については、今のところ外国へ持っていって処理してもらうしかないという、非常にお粗末な状況であることをあらためて国民に認識していただいて、一日も早く第2処理工場の建設というものを考える必要があると思います。
それから最後に、そういったことを考えると、原子力発電のもろもろの事柄に掛かる費用です。事前および事後の費用負担をどうするかという問題を、一日も早く電気事業分科会としては案をお出しして、そして国民の皆さまにご理解をいただくことができるような案にして、そしてほんのわずかですが、それを電力料金に乗せていくということをそろそろしないと、日本のエネルギー政策の将来が非常に危ういと思います。そういったことを考慮していただきながら、全体としてのエネルギー政策を進めていただく、また私どもが電気事業分科会でその仕事をしていくようにしたいと思っております。
以上でございます。
三村会長
はい、どうもありがとうございました。
秋草委員、お願いします。
秋草委員
石油分科会の会長を仰せ付かっています秋草でございます。昨年から担当しておりますので、皆さんと違ってこの業界についてそう詳しいわけではないですが、石油分科会の内容について、まず何をやっているか説明したいと思います。
一つは、先ほど来ありましたように、わが国の石油の需要は、2008年を起点としまして2013年、16.4%減ると。毎年3.5%ぐらい減ってまいります。これは、リニアにずっと減り続けるわけではないので、どこかでサチュレートして、先ほどありましたように2030年ぐらいで全体の40%ぐらいは石油で賄っていくという構造になるのだろうと思っています。それはそれでいいのですが、やはりそのときに、石油産業というものの競争力は今でさえもオーバーキャパシティーでございますので、関連産業の競争力をどう維持するかが大きな課題だと認識しています。
2番目はバイオ燃料でございまして、既にわが国ではバイオ燃料が始まっていますが、バイオ燃料に関する配合条件とか、デリバリーの方法、まだまだはっきりしない点がありましたので、それを少しはっきりして判断基準をつくっております。
3番目は、皆さんご案内のように、メタンハイドレート、海底にありますメタンガスのもとのようなものがどうあるかと。あるのですが、今のところはっきり見えないというのが現状でして、これをどうするかという3点だと思っています。
それぞれについて詳細は説明を避けますが、感じとして先ほど来ありましたように、3点とも環境問題を避けて通れない問題だと思っております。これは官がやるとか、民がやるというのではなくて、官民あるいは学合わせてどう取り組むかということをもっと明確にすべきだと思っています。
もう一つは技術の問題でして、実は、海洋の探索の船が日本にあります。「白嶺」という船があります。30年前に造られたローテクの船で、それをだましだまし使っているのです。今回、補正予算でそれを造るということを決定させていただきました。30年の間に情報技術やセンサー技術、あるいは解析技術などいろいろな技術がどんどん進み、そもそも、その探索技術が日本では遅れてしまったというよりもなくなってしまったということです。これを造ることによって技術を育てる、あるいは人材を育てるということが非常に重要だと思っています。これは、将来の新しいエネルギーを確保するにはぜひ必要だと思っています。
こういう新しいイノベーションをつくるようなことがもっとこの世界に必要ではないかという感じがしていまして、スマートグリッドという話がありましたが、アメリカに行って調べてきますと、日本の電力事情は非常にきめが細かくて、東京などは素晴らしいネットワークを持っており、品質もいいわけです。アメリカは、相当いいかげんというか、供給事業者等がばらばらで、その中でかなり品質の悪い電力網を持っている、その中でのスマートグリッドなのです。日本とだいぶ環境が違うので、日本はさらにその上を行くことがかなり必要だという感じがあります。
また、セルロース系の燃料をどうするかということもありますが、これも個々には実験レベルではやっているのですが、国として今の食糧を転化するのではなく、セルロース系をやっていくのはわが国の大きな課題だと思っています。まさにこれは、大きなプロジェクトとして技術・人材を含めてやっていく事業だと思っています。どちらかといいますと、技術開発をもっと底辺として合わせてやっていく政策が必要ではないか。日本にはそれができると思っていますので、ぜひそれをお願いしたいと思っています。
最後に、こういう問題というのは、お話がありましたように、最後は消費者にどう理解していただくか、あるいは理解していただくというのは、環境もそうですが、コストとして理解していただくと。安くなるわけではなく、いろいろな形でコスト負担があるので、そういうことを長期的に、消費者あるいは利用者に理解していただくというPRがかなり必要ではないかと思っています。
以上、3点でございます。いろいろございますが、続けてやっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
三村会長
ありがとうございました。
では、森本委員、よろしくお願いします。
森委員(森本代理)
ありがとうございます。本日、会長の森が都合がつかないものですから、副会長の私が代理で失礼させていただきます。
まず、さまざまな部会でエネルギー政策の諸課題につきましてご検討いただきまして、本当にありがとうございます。私の方は、実際に推進する事業者の立場から若干申し上げたいと思います。
まず、今、温暖化対策ということでこれが喫緊の課題になっていまして、大変注目が集まっているところなのですが、環境とともにやはりエネルギー政策の柱になっています安定供給と経済性のいわゆる3E、三つのEの同時達成がやはり基本であり、そのバランスが大変重要だということをあらためてお願いしたいと思います。その上で、4点ばかり申し上げたいと思います。
一つ目は、三つのEの切り札は何といっても原子力ではないかと思っております。先ほど、田中委員、あるいは鳥居委員から諸課題についてお話がありまして、私どもの責任は大変重いと思っております。また、今、柏崎刈羽原子力で大変ご心配をお掛けしておりますが、これについてもご承知のとおり、懸命な対策によりまして、今、何とか復旧が図られつつあるところです。これからも全号機復活に向けて全力投球してまいりたいと思っています。こうした中、田中委員からもお話がありましたが、先般取りまとめられました「原子力発電推進強化策」の中で、私ども電気事業者の取り組みの強化はもとより、国が一歩前に出た取り組みが不可欠であると言っていただいたところです。設備利用率の向上や、新増設の円滑な実施に向けまして、今、規制の合理化などの取り組みを進めていただいているところでございます。さらに、立地地域との協調も含めまして、いろいろご支援、ご協力をお願いできればと思っております。
2点目は、先ほど来話が出ております太陽光等々の再生可能エネルギーについてです。私どもとしては、これからもその導入拡大に積極的に取り組んでまいりたいと思っております。例えば、太陽光の20倍、2800万kWというこの目標に向けましてもいろいろ協力していきたいと思っておりますが、これは量的に見ますと、供給電力量全体の2~3%という格好になってきます。また、出力も不安定ですので、バックアップ用の火力電源や、また系統安定化のための技術開発が必要になってまいります。先ほど来、スマートグリッドという話が出ております。私どもは自動化などそういう面で言えば、ある意味世界一とも言えるような高信頼度のネットワークを既に構築していると思っておりますが、さらにこれから新エネルギーが大量に入ってきた場合の制御技術の開発については、私どもは積極的に取り組んでいかなければいけないと思っているところでございます。いずれにしましても、今後、国民全体でこうした取り組みを進めていく必要がありますので、コスト負担の在り方も含めまして、国の方におきましても十分な理解活動をぜひお願いできればと思っております。
それから、三つ目については石炭でございます。クリーンコール部会でも、その重要性をいろいろ打ち出していただいておりまして、今後ともIGCCやCCS等のいわゆる大変お金の掛かる技術開発に対して国から十分なご支援をお願いできればと思っております。また、日本の石炭利用技術を、中国・インド等との世界各国の低炭素化に貢献するという面で、これからわれわれはそういう役割を一生懸命果していきたいと思っておりますので、こうした面からも評価いただければと思っております。
四つ目は、低炭素社会実現のための需要面での大事な取り組みでございます。いわゆるこの需要面での切り札といえますヒートポンプ等々の高効率機器に加えまして、運輸面の電気自動車の普及拡大等の重要性をよりクローズアップしていただければと思っております。いずれにしましても、原子力を中心とした系統電力という低炭素な電気エネルギーをヒートポンプ等で効率よく使っていただく、いわゆるこうした社会の実現に向けまして、われわれは競争の中でお客さまに選んでいただけますよう取り組んでいきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
それから、最後になりますが、今後の供給構造高度化小委員会の審議に対しまして、一言だけお願いしたいと思います。原子力開発についてですが、長期のリードタイムや立地地域との調整が大変重要でございまして、今回、新法によりまして規制的手法を使うということですが、こういう原子力推進等々、事業者に義務づけるだけではやはり効果はなかなか難しいと思っております。新法の運用に当たりましては、ぜひ非化石電源の拡大を目指します事業者の自主性を尊重していただきまして、民間活用を最大化していくという、こういうこととともに、国はぜひその辺を下支えしていただければありがたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。
いろいろ申し上げましたけれども、これからもエネルギー供給構造の高度化に向けまして、われわれはベストミックスを追求しながら事業者として従来以上に積極的に取り組んでまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
三村会長
ありがとうございました。
次に、古薗委員、お願いします。その次、三村委員、最後にもう一度原子力について。では、先に知野委員に行きますが、ちょっと待ってください。古薗委員、三村委員、それから知野委員、田中委員という形で行っていただきます。どうぞお願いいたします。
古薗委員
ありがとうございます。日本LPガス協会の古薗でございます。私はLPガス業界の立場から2点コメントを申し上げたいと思います。
1点目は、エネルギー基本計画の見直しについてであります。このたび、エネルギー供給構造高度化に向けた新たな法律が成立しましたが、引き続き化石エネルギーはわが国にとって今後も重要なエネルギーであり、エネルギーバランスの政策をぜひ取っていただきたいということです。2030年度において、化石エネルギーが依然70%以上を占めるなど、引き続き重要なエネルギーであることを踏まえ、エネルギー安定供給確保、地球環境対策の両面からエネルギー資源の多様化と一次エネルギーの環境特性等に視点を置いたエネルギーバランスの政策が必要と思います。
例えば、LPガスは今後、中長期的にも安定供給が見込まれております。また、地球環境対策の面からは、天然ガスやLPガスのようなクリーンなガス体エネルギーの高度有効利用、すなわち燃料電池などコジェネレーションや高効率給湯器等の普及、産業分野における燃料転換、運輸部門におけるLPガス自動車の普及などが現実的な手段になるものと思われます。従いまして、エネルギー供給計画の見直しに当たりましては、化石エネルギーと非化石エネルギーのバランスを考えた政策を構築していくことが肝要と考えます。
2点目は、エネルギー供給構造高度化法についてであります。法律の成立を受け、基本方針や政省令の制定に向けて具体的な制度設計にいるわけですが、法的規制対象など制度設計に当たっては、各エネルギーの特性、あるいはエネルギー供給事業者の実情の違いなどについて十分配慮いただき、現実的な制度設計をお願いしたいと思います。
例えば、LPガス業界といたしましても、燃料電池と太陽光発電との連携、あるいはバイオマスエネルギーとの連携など、非化石エネルギーの導入についてしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
一方、LPガスは最終製品であること、また、その特性からバイオマス由来のメタンガスをLPガス容器に混入することは安全上問題があります。こうした点についても十分ご配慮いただきたいと思います。
以上でございます。
三村会長
ありがとうございました。
では、三村光代委員、よろしくお願いします。
三村委員
三村でございます。皆さまのお話を聞いていますと私が言うべきことはあまりないのですが、消費者代表が私だけのようですので、簡単に申し上げたいと思います。
省エネルギーについては、家庭のかかわりは避けては通れないと思っております。日本のエネルギー消費について取り上げるときには、ほとんどが家庭は民生とひとくくりにして取り上げられてきております。しかし以前、省エネ部会でも分けてほしいということをお願いしまして、一度、家庭の消費電力量や消費エネルギー量を出していただいたことがあるのですが、また何かひとくくりになっているような気がしてならないので、ぜひ家庭は外に出して業務と分けた形で資料をまとめていただきたいというのがお願いです。
と言いますのは、家庭で行う省エネルギーというのは、考え方がすごく狭いことを私は言っていると思いますが、日本の新しいエネルギーを導入するぐらいの省エネルギーは大きいと思うのです。そういう状況の中で家庭の消費しているエネルギー量が見えないというのは、消費者に向かって省エネしてくださいとはとても言いにくいということもあります。数字が見えるように、絶えずそれは分けて出していただきたいということが一つお願いです。
それから、今回の省エネの部分ではエコポイントが導入されて、消費者は活用をだいぶ進めていると思います。何にするかというのはまだこれから手続きを取る状況ですが、そういう中で、今回は経済の活性化ということと、地球環境問題との二つの柱でスタートしてきたことですので、これを言っても仕方がないことですが、家庭の中で大きなエネルギーの消費をしている照明器具は冷蔵庫と同じぐらいの消費をしているはずですが、照明器具が外されたということは私はいささか残念だったなと思います。ただし、一つ一つの価格から考えると、大きな冷蔵庫を買うような一挙に活性化を図ることはできないと思いますので、無理だったというのは十分に分かりますが、LED電球の推進等にも向けられたのではないかと思いますので、次にこういうことを発案することがあったら、これはぜひお願いしたいというのが一つです。
それから、先ほども出ておりましたが、エネルギーの見える化を図るというのが家庭の中でもとても大切な状態になっていますので、スマートグリッドという言葉が出てきましたが、スマートメーターの導入等を関西電力さんが既に何千戸かで実験をやっているという話を聞いておりますが、現実に家庭の中でメーターがきちっと消費している部分が見えるとすれば、随分それは大きな省エネの促進になっていくと思います。ただし、今は実験ですから、あのメーターは電力会社さんがお持ちでしょうが、先ほども秋草委員さんがおっしゃっていたように、その費用を消費者が負担していくといったときに、どういう形で負担していくのか、どのくらいになるのか。今回の太陽光の買い取りが一般家庭に全部というのも、私は電力料金が払えない状況に至っている人がたくさん出てきているという状況のような今のこの社会の中で、とても難しいなと。払えない、3段階の一番下の段階の人にも全部かぶるわけです。その上に、この前、電気事業の分科会でも申し上げましたが、すべての企業の方にもかぶるわけですから、物価に反映されることもますます生活を大変厳しくしていくという状況が見えてきています。その辺も、何かのときには配慮をお願いしたいと思います。
最後です。これも私はいろいろなところで散々言ってきましたが、原子力発電を推進していく上では、どんなことがあっても国民との対話集会は欠かさないで、原子力の開発、新しい発電所を造るとかそういうときだけではなく、廃棄物の問題についても先ほどもご意見をおっしゃった方がおられましたが、私はやはり、どんなところでも国が出掛けていって消費者と話をしていくという形の、そういう意思の疎通を図っていただいた上で進めていただくということに手を抜かないでいただきたいと思いましたので申し上げました。
以上です。ありがとうございました。
三村会長
はい、ありがとうございました。
知野委員、よろしくお願いします。
知野委員
先ほどからお話を伺っていますと、やはり皆さん、国民理解や消費者理解ということを随分おっしゃっていると思います。国民側から言わせていただきますと、やはり、もう少しそういう理解を得られるような形で出していかないと分からないのではないかと思います。
というのは、エネルギー基本計画にしても、それから今日のお話にしても、すごく勢いのいいいろいろな話が出てきて、いいなと思うのですが、全体像、統合図みたいなものがいまひとつよく分からない。果たして、先行きの計画などについてもどの程度実用性があるのか、それは時間軸で見てどのぐらいであるか、そういったものがやはり描けずにいます。もう少し国として、今度の基本計画では例えば優先順位、時間軸でどの程度か、あるいはプラスマイナス含めてどういうふうに優先付けするのか、そういう全体構図を示していかないと、やはり国民の理解ということには結び付きにくいのではないかと思います。
こういうことを申し上げるのも、先ほど来出ていますが、そういう優先順位付けをしたときに、上位に来ると思われる原子力に関して、やはりこれはこちら側から見ていると進んでいない。先ほど来、再三指摘されている処分地問題、それから核燃料サイクル、六ヶ所、それから増殖炉「もんじゅ」など、やはり進んでいないここが、これからのこともやはり本当にできるのかという疑問で見させる原因になっていると思うのです。ですからやはり、次の基本計画では、今までのように漫然と原子力についても同じような書き方をするのではなく、この滞ってしまっていてどうしようもない問題をどう解決していくかについてもう少し踏み込まないといけないのかと思っています。
以上です。
三村会長
ありがとうございました。
本日、これで最後になりますが、原子力について随分いろいろな御用があったので、田中委員、もう一度ご発言お願いいたします。
田中委員
先ほど、電気事業分科会の会長の鳥居先生から何点かのご指摘がありました。また、三村さんから国民との対話の重要性、また今、知野委員からの*目下のすんでいないところ*がいけないのではないか、まさにそのとおりでございまして、原子力部会としても重要な課題として取り組んでいる、また取り組んでいきたいと思います。具体的にどんどん進めていくということは、ただ単に絵に描いたもちではいけないと思っていますので、やっていきたいと思います。
先ほどの鳥居先生からの指摘に、若干補足しておいた方がいいかと思う点がございます。一日も早く第二再処理工場の検討を進めなければいけないということは、全くそのとおりでございます。六ヶ所の再処理工場がフルに行くと800トン/年ですし、わが国の原子力発電所から出てくる使用済み燃料は1100か1200トンぐらいございます。その差から見ても、それでどうするのか、重要な点でございます。
しかし、今、われわれが考えていますのは、海外に再処理をお願いするのではなく、過去にはフランスやイギリスにお願いしたこともありますが、これからは海外ではなく、わが国の中で再処理する前段階として、使用済み燃料を少しく中間貯蔵をしておいて、それから再処理するという考えでございます。ですから、第二再処理工場はどういうふうな性格を持ってくるのか、それをいつごろしていくのか、大変重要な課題でございます。第二再処理工場の運転が始まるのは、多分、2050年前後かと思いますので、そのときには世界の状況もわが国の状況もかなり変わっているかと思いますが、原子力というのは、中長期的なスパンで考えなければいけないということもございます。原子力委員会の方でも、2010年ぐらいから第二再処理工場の検討が始まると聞いています。それに向けての準備も、いろいろわれわれと関係するところでもやってございますが、何を言いたかったかと申しますと、*中長期的*な観点で第二再処理工場の検討は大変重要であるということの認識をわれわれも持っておりますので、また皆さまからのご注意やご意見をいただきながら、重要な課題として原子力部会においても真剣に考えていきたいと思っています。
以上です。
三村会長
ありがとうございました。
内藤さん、どうぞ。
内藤委員
初めに部会長から今日は全員が発言しろというお話がございましたので、簡単に発言させていただきます。
すべて皆さま方が非常にいいご意見をおっしゃったのですが、その重複する部分がございますが、私は3点申し上げたいと。その前提として、エネルギーの安全保障と地球温暖化は裏表であるという簡単なことで書いてあります。確かに一体的に処理するべき部分と、例えばリスクマネジメントの仕方一つを取っても、両者は違うということで、違いがあるということを考えると、それをトータルとしてやるというためには、第1番目に申し上げたいことは、先ほどどなたかがおっしゃった時間軸の重要性ということを徹底的に考えていただきたいと。例えば、計画をあと10年ということでは、地球温暖化の場合にも行かないということで、散々小委員会で議論したのは、2025年から30年のときに、いかにどうなるかというところは明確に技術開発と、市場の動向、化石燃料の価額動向等がどうなるかによって新たな技術の導入の違いが出てくると。それから、これはエネルギーとはちょっと関係ありませんが、世代間の公平がどうであるとか、そういう議論をしなければならないということで、時間軸を考えるというのが、おっしゃるとおり、私は非常に重要だと思います。
その場合、時間軸を、例えば技術一つ取っても、ロードマップをIEA等があれだけつくっておりますが、ご存じのとおり、R&DからDemonstration、Deployment、Commercializationということであれだけの長い時間がかかるということを考えると、そういうものも踏まえてこの需給計画の10年先を決めるということになるとシナリオがフレキシブルでなければならないということで、三つぐらいのシナリオを想定しながら、その中でmost likely scenarioを計画に取り入れるということで、動きに応じて弾力的に対応できるようなフレキシブルなシナリオメーキングをお願いしたいというのが第1点でございます。
それから第2点は、そのフレキシブルなシナリオメーキングの中で、most likely scenarioについて明確な目標と明確な政策手段をつくっていただきたいと。実は、*マンディブ*やカルーソ等世界の10人の研究者と、去年の12月から今年のつい最近まで議論しました。それは何かというと、今開かれているラクイラの議論に対するリコメンデーションを世界の10人、その中で日本は私だけ入っていますが、議論をして、整理をいたしました。そこでも今申し上げたことが重要だということで、それを具体的にやっていくと、本当に詰めるとどうなるのかというのが、例えばclimate change一つ取っても、始めは何をやるかということでCO 2にプライシングを掛けるということ一つ取ってみても、cap-and-tradeかtaxationかという議論が分かれていたのが、散々議論すると、最終的に全部同時にしなければならないという結論になると。
これはいろいろなところで同じ感じをしておりまして、ちょっと長くなってすみません、一昨年のブルッキングスでルービンとサマーズがチェアマンをしてやったときには、そのどちらという議論を一日中やったわけです。今度は、去年の2月、ベーカー研でやったときは、*センター、ケリー・イトウ*が出てきまして、やった議論というのは、結果的に同じ、全部導入すべきだという結論になったわけです。何を申し上げたいかと、今回のリコメンデーションでも明確にしたのは、そういう明確な目標、明確な政策手段というのがシナリオに応じて明確に示されていなければ、かえってマーケットを混乱させ、実現が阻害されるということで、2点目がそういうことでございます。
それから3点目が、国際的な展開についてぜひいろいろ考えていただきたいということです。先ほど、原子力についてのフロントエンド、バックエンド、燃料棒等の問題がございましたが、それは一つの非常に代表的な例だと思います。併せて低炭素技術をつくる技術産業というものは、日本の成長の中核であるということで、そういう点についても国際展開ということを議論した場合、私は、海外で議論するのと日本で議論するのにちょっと違和感を覚えております。従ってやはり、世界の流れを明確に把握した、そういう議論をここでもやっていただきたいということで、その3点をお願い申し上げております。
どうも失礼しました。
三村会長
ありがとうございました。
南雲委員、お願いいたします。
南雲委員
ありがとうございます。私の方から、今、電力で働く職場の課題について一言話をさせていただきたいと思います。
その内容は、一つは安全確保でございます。昨年4月から今年の3月までに、29件30名の方が殉職、死亡災害で亡くなられております。この傾向は、電力関連産業全体の中でここ数年高止まりをしている状況にございます。併せて、今、送電や配電の工事、それから系統制御員、それから原子力等の発電所の運転員等々、どこを見ても人材の育成には期間・時間が必要でございまして、今後、高学歴化、少子化、それから今、大学で言われております理工離れ等々の中では、人材確保は大きな課題となっております。ぜひ、そういう点にも視点を当てていただいて、今後の論議の中でもぜひ取り扱いをしていただければと思っております。
以上です。ありがとうございました。
三村会長
ありがとうございました。
そろそろ時間も参りましたが、活発なご議論ありがとうございました。今日は事務局の方から回答というよりも、おのおのの意見を各部会・分科会でぜひとも取り入れるようにしていただきたいと思っております。今日、この本部会で一つ決定するとすれば、先ほど話がありましたように、本総合部会の下に議論の場となる基本計画委員会および供給構造高度化小委員会を設置して、本日の議論、あるいは委員の皆さまからのご意見を踏まえたさらなる詳細な議論を進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
ありがとうございました。
なお、基本問題委員会および供給構造高度化小委員会の人選、あるいは今後の議論の進め方については、部会長の私にご一任いただくという形で処理させていただきますが、よろしいでしょうか。
ありがとうございました。
それでは、次回の本総合部会の日程につきましては、後日事務局よりご連絡させていただきます。
三村会長
それでは、これをもちまして総合エネルギー調査会第1回総合部会を閉会いたします。本日はどうもありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2009年8月7日
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