経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総合部会(第1回)-議事要旨

日時:平成21年7月8日(水)15:00~17:00
場所:三田共用会議所3階大会議室

出席者

三村会長、秋草委員、石谷委員、市野委員、柏木委員、田中委員、知野委員、天坊委員、鳥居委員、内藤委員、中上委員、南雲委員、古薗委員、三村委員、持田委員、森委員(森本代理)、横倉委員

議題

  1. エネルギー基本計画について
  2. エネルギー供給構造高度化法等について
  3. その他

議事概要

(1)エネルギー基本計画について(資料2、3、4、5)
資料に基づき星野エネルギー情報企画室長より説明があった。

(2)エネルギー供給構造高度化法等について(資料6-1、6-2)
資料に基づき石崎エネルギー政策企画室長より説明があった。

委員によるフリーディスカッション

エネルギー基本計画について

  • 「低炭素社会におけるガス事業のあり方に関する研究会」においては、(1)分散型エネルギーシステムの展開、(2)水素エネルギー社会の構築、(3)産業部門における天然ガスの高度利用、(4)再生可能エネルギー等の導入、が重要との議論がある。原子力発電や再生可能エネルギーの導入拡大は大変重要であるが、多様なエネルギー源の確保という観点を忘れることなく議論することが必要。
  • 地球温暖化問題やエネルギーセキュリティ問題は長期的な課題であり、エネルギー政策は柔軟性のある内容である必要がある。
  • エネルギー政策においては、エネルギーの安定供給と安全保障が最も重要。その中で石油の位置づけをどのように考えるのかが大事。昨年の原油価格の急騰や脱石油の流れ、景気悪化や人口減などの要因により石油の需要は減少してきているものの、2030年においてもエネルギー供給の4割は石油と想定されている。また、石油は電線やパイプラインが不要であることから分散型として活用することができ、緊急時にも有効である。有事も含めた場合のサプライチェーン全体としてのベストバランスを考える必要がある。
  • 基本計画の改定については、全体を統合した図が見えるようにして欲しい。国民の理解を得るには、それぞれの政策の意義や時間軸、さらにプラス効果やマイナス効果を考慮した政策の優先順位を示すことが必要。
  • エネルギー政策における優先順位が上位にくると思われる原子力発電について、現在取組があまり進んでおらず、改定基本計画においては、どのように進めていくべきか従来以上に踏み込んだ提言を行う必要がある。
  • 基本計画の改定においては、時間軸の重要性を考える必要がある。2025~2030年頃、どういった世の中になっているか、その中でのエネルギー政策を考える必要がある。
  • 将来のシナリオは柔軟に考える必要があり、3つ程度シナリオ案を考えた上で、最も実現可能性が高いものを提示する中で、明確な目標と、具体的な手段を示すことが必要。
  • 日本には優れた低炭素社会につながる技術があり、国際展開を視野に入れた検討を進めるべき。

エネルギー供給構造高度化法等について

  • 太陽光発電の新しい買取制度の設計は、今後議論されることになるが、国民全体に追加の負担をお願いすることへのコンセンサスが重要。
  • エネルギー供給構造高度化法においては、非化石エネルギーの導入と化石エネルギーの高度利用を義務づけることとしているが、規制と支援の両方をポリシーミックスとして進めることが重要。
  • 石油代替エネルギーの導入から、非化石エネルギーの導入へと軸足を移すことになり、この場合の天然ガスや石炭の位置づけをしっかりと整理する必要がある。
  • 非化石エネルギーの大量導入に向けて、グリッドのスマート化、インテリジェンス化の技術開発等が重要。
  • エネルギー供給構造高度化法の制度設計においては、電力、石油、ガス等のエネルギー事業者間のベストミックスの考えも重要。石油事業者における余剰重油を、石油火力事業者が利用することなども考えられる。
  • エネルギー供給構造高度化法において、市場で競争力のない非化石エネルギーの導入を義務づけることになるが、太陽光発電買取制度と比べて不公平感がなく、市場原理で回収できるように国としてしっかりと検討する必要がある。
  • エネルギー供給構造高度化法において、ガス事業者に対しバイオガスの利用目標達成基準を定めることになるが、実情を踏まえ実現可能性を考慮して決定すべき。また、現状はガス事業者がバイオガスを購入しようにも、バイオガスが足りない状況。今後はバイオガスを発生させることが重要であり、関係省庁とも連携して進めて欲しい。
  • エネルギー供給構造高度化法の制度設計の議論においては、原子力発電所立地地域における住民等との調整についても考慮して欲しい。事業者へ非化石エネルギー導入を義務づけるだけでなく、それに向けた国の下支えが重要。
  • エネルギー源の組み合わせでバランスを取ることが重要。LPガスは安定供給が見込まれ、コジェネレーションシステムや高効率ガス給湯器、LPガス自動車の導入等により普及が見込まれる。エネルギー供給構造高度化法の議論においては、化石エネルギーの有効利用と非化石エネルギーの導入促進をバランスよく考えることが重要。
  • エネルギー供給構造高度化法の制度設計は、事業者の実情を考慮した実現可能なものとなるよう検討すべき。

原子力について

  • 地球温暖化問題における中期目標の達成に向けて、原子力発電は大変重要である。平成21年6月にとりまとめた「原子力発電推進強化策」に基づき、既存設備の稼働率を高めることに加え、現在建設中の9基の原子力発電所についても着実に実現することが重要である。
  • 核燃料サイクル技術の確立も重要であり、柔軟性をもった中でもぶれることなく進めることが必要。
  • 原子力発電は電源の基幹であり、その原料であるウランの確保に対して、国策をしっかり定めるべき。
  • 六ヶ所再処理工場の本格稼働が重要。ただ、六ヶ所再処理工場では、国内の原子力発電所から発生する核燃料の半分程度しか処理することができず、残りは海外で処理するしかない状況。早く国内における六ヶ所再処理工場以外での処理を考えるべき。また、原子力発電にかかる事前と事後の処理費用を今後どのように考えるのか、国として早く案を示して国民に理解してもらった上で、電気料金に僅かながら上乗せする必要がある。
  • 地球温暖化対策の切り札である原子力発電に対して、国はさらに一歩前に出た取組が必要。
  • 原子力発電の推進には、国と国民との対話集会を通じた意志の疎通が大事。

省エネルギーについて

  • 省エネルギー対策については過去30年間にエネルギー効率30%向上という成果を達成できているが、これからの30年間で同様の成果を達成することは何倍も難しい。
  • 省エネルギー対策については新エネルギーの促進よりもステークホルダーが多く、整理して焦点を絞る必要がある。
  • 機器のエネルギー効率が向上するだけでなく、旧来の測定方法では実態を十分に反映しないケースもあり、機器の技術開発のペースに併せて実態を十分に反映できる制度とすることが必要。
  • 低炭素社会の実現に向けて、需要面ではヒートポンプや電気自動車など高効率な設備・機器の導入が重要。
  • エネルギー消費量について、家庭部門を民生部門と切り分けて示すようにして欲しい。国民に一層の省エネに取り組んでもらう中、家庭での省エネルギー対策を推進するには、具体的な数字が見えることが重要。
  • 省エネルギー対策を進めるためには「見える化」が重要であり、スマートグリッドにより電力消費量を個人が確認しやすくなれば、省エネルギー対策の促進につながる。

革新的技術開発について

  • 石炭は二酸化炭素発生量が多いことなどから印象がよくないが、日本には高効率に石炭をエネルギー利用する技術があり、二酸化炭素の地中貯留も併せてゼロエミッションを達成できると考えている。
  • 石炭の高効率な利用が技術的に進んでいる反面、設備投資額が大きく事業者は厳しい状況。官民を挙げて知恵を出す必要があり、海外からの投資も含めて検討すべき。
  • オバマ政権に変わってから、世界の環境政策が大きく変わった。オバマ政権はスマートグリッドに当初予算として320億ドル投じており、これに対しては色々な意見があるが、低炭素社会のキーテクノロジーになるものと考える。
  • メタンハイドレードの開発などに向けて、海洋探索船を補正予算で建設することを決定した。30年ぶりの建設であり、この間日本が遅れを取ってしまった探索技術について、これを機に世界に追いつきたい。このようなイノベーションを色々な場で行うことが重要であり、スマートグリッドやセルロース系の燃料開発などにおいても考えられる。事業者も出来る限りイノベーションを進めているが、国としてもしっかりと力を入れるべき。さらに、イノベーションに係るコストについて、消費者に理解してもらうことが必要。
  • 太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入を積極的に支援するために、バックアップとなる火力発電所や系統安定技術の開発が重要。また、これらにかかるコスト負担の在り方を含め国民に理解してもらうことが必要。

人材育成について

  • 人材の確保を含め、人材育成は重要なテーマ。基本計画の改定においてはこの観点も入れるべき。
 
 
最終更新日:2009年7月14日
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